JP4349292B2 - 集中巻き型ステータを有する車両用回転電機 - Google Patents

集中巻き型ステータを有する車両用回転電機 Download PDF

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本発明は集中巻き型ステータを有する車両用回転電機に関する。
ステータコアの各ティースに集中巻きされたコイル(以下、ティースコイルとも呼称するものとする)を相ごとに接続して相巻線を構成したステータ(以下、集中巻き型ステータとも呼称するものとする)をもつ同期機知られている。この種の集中巻き型ステータを有する車両用回転電機は、巻装作業上、各ティースごとに分割された部分コアを組み立ててステータコアを形成する組み立てコアに採用されることが一般的である。
集中巻き型ステータのティースコイルはティースに必要なターン数だけ巻回され、隣接2ターンはティースの周面上に置いてティースの軸に対する軸方向すなわち回転軸に対して径方向に隣接するのが通常である。したがって、巻回の順序は、ティースの径方向一端側から開始されてティースの径方向他端側に達して一層目のコイル(以下、第一層コイルとも呼称するものとする)を構成し、その後、ティースの径方向他端側からこの第一層コイルの上に巻回されつつティースの径方向一端側に戻る二層目のコイル(以下、第二層コイルとも呼称するものとする)を構成し、その後、同様に第三層コイルを構成するように高密度巻装のために通常なされる。以下、これらの第一層コイル、第二層コイル、第三層コイルなどを「層コイル」とも総称するものとする。
下記の特許文献1は、ティースの周方向幅が一定であり、スロットが径方向内側から径方向外側へ向けて広がっている事実を利用して、径方向断面が台形のティースコイルを巻いたティースと、径方向断面が長方形のティースコイルを巻いたティースとを交互に配置することにより、スロット占積率を向上させることを提案している。
下記の特許文献2は、ティースコイルの始端をティースの根元部(又は先端部)に、終端をティースの先端部(又は根元部)に配置するティースコイル巻回方式、並びに、ティースコイルの始端および終端をティースの先端部に配置するティースコイル巻回方式を提案している。
特開2002−112484号公報 特開2001−186703号公報
同期機の小型軽量化を図る手段としてステータコアの軸長を短縮し、ステータコアの径長を増大して扁平型とすることが考えられる。このようにすると、ロータとステータとの間の電磁面において回転磁界が電流と交差する速度が高くなるために、電磁面の面積が一定とした場合、径長が大きい方が出力が増大する。また、たとえばハイブリッド車においてエンジンと直列に設ける場合、同期機の軸長短縮はパワートレインのコンパクト化並びにエンジンルームへの収容性を考慮すると非常に好ましいことである。
しかしながら、ステータコアの軸長短縮と径長増大を行うと、同期電機全体の軸長に占めるステータコイル幅すなわちステータコイルの軸方向突出長が相対的に増大し、モータハウジングが大型大重量となり、ステータコイルのコイルエンド部分の重量や延長距離が増大し、電機子抵抗も大きくなってしまう。
つまり、電磁鋼板に許された最大磁束密度の範囲内にて同期機を扁平化する場合、モータのコイルエンド幅(軸方向突出長)を短縮することはきわめて重要である。この対策として、公知の集中巻き型ステータを採用することが考えられる。集中巻き型ステータは分散巻きステータに比較してコイルエンドを少ない導体線(渡り線とも言う)をもつため、コイルエンドの膨らみを減らすことが可能である。
しかしながら、特許文献1のティースコイルは、製造が複雑となるうえ、台形のティースコイルが大きな周方向幅をもつため、その分だけコイルエンド幅すなわちティースコイルの軸方向幅が増大し、ステータの軸方向長がこの台形のティースコイルの大きなコイルエンドにより増大するという問題も生じてしまう。
また、特許文献2のようにティースコイルを往復に巻く場合には、ティースコイルの引き出し部と折り返し部とが干渉するため、コイルエンドの高さ方向(モータ軸方向)にティースコイルの導体を逃がす必要が生じるが、この結果、モータの軸方向長が増大するという問題が生じた。また、この問題を回避するべく、スロット内にてティースコイルの導体を逃がす場合ことも考えられるが、この場合にはスロット内のティースコイルの導体がティースの周方向における中心線に対して線対称配置となっていないためスロットの導体占積率が低下するという問題が生じた。
この問題を軽減する1つの方法は、各ティースコイルを並列接続し、各ティースコイルに流れる電流を減らし、ティースコイルの導体断面積を減らすことである。しかしながら、この場合にはティースコイルの電流を減らした倍率だけティースコイルのターン数を増加する必要がある。たとえば、集中巻き型ステータにおいて、同一相のすべてのティースコイルを並列接続する場合と、同一相のすべてのティースコイルを直列接続する場合を考える。前者が後者に対して、x倍のターン数と1/x倍の導体断面積とをもつならば、両者は理論的にはまったく同等なるはずである。しかし、同一相のすべてのティースコイルを並列接続する場合には、ステータコアの全周にわたって、各相の渡り線としてのバスバー(正確には各ティースコイルに相電圧を印加するためのバスバー)と、中性点をなす中性点バスバーとをそれぞれ同心の環状に配置する必要があり、バスバー収容空間が大型化してしまう。また、ティースコイルをなす樹脂被覆導体線の樹脂被膜の損傷や劣化により、各ティースコイルに巻かれた多数のターン間の電気絶縁が不良となる確率が大幅に増加してしまう。更に、ティースコイルをなす細い導体線が樹脂で被覆されつつティースに巻かれるため、ティースコイル断面の内部の導体線の冷却が困難となる。これは、各ターンはそれぞれ微細な隙間をもち、また樹脂被膜をもつため、これらが大きい伝熱抵抗となり、大電流通電に向かず、その分だけ回転電機が大型化してしまう。
つまり、集中巻き型ステータをもつ回転電機を小型軽量化するためには、回路仕様が許す範囲でティースコイルの導体断面積を増大を図ることと、電機子巻線の総延長距離をできるだけ短縮することが必要なことが重要であることがわかる。
このようなティースコイルを実現するためには、同一相の各ティースコイルをすべて直列接続する必要があることが理解される。しかし、この場合にはティースコイルの導体断面積が非常に大きくなる。したがって、たとえば特許文献1に記載される従来の集中巻き型ステータでは、ティースコイルの上に延設されるティースコイルの引き出し線又は渡り線の分だけ、集中巻き型ステータの軸方向長が増大するため、その分、回転電機が大型となってしまう。
本発明は上記問題に鑑みなされたものであり、小型軽量化が可能で、冷却及び耐絶縁性に優れた集中巻き型ステータを有する車両用回転電機を提供することをその目的としている。
上記問題点を解決する第1発明の集中巻き型ステータを有する車両用回転電機は、円筒状のコアバックと、略一定の周方向幅を有して前記コアバックの内周面から周方向所定ピッチで求心方向へ延設される多数のティースと、前記各ティース及びコアバックにより区画形成されて径方向内側に開口を有する多数のスロットとを有し、前記ティースの先端部は、略周方向に張設されて隣接する前記スロットの開口を狭窄する鍔部を有するステータコアと、前記ティースの根元部から先端部へ向けて前記ティースの周囲に巻装される第一層コイルと、前記ティースの前記先端部から前記根元部へ向けて前記第一層コイルに接しつつ巻装される第二層コイルとからなるペアコイルをn個(nは自然数)、前記ティースに積層してなるティースコイルと、前記ティースの根元部に隣接する前記ティースコイルの巻き始め端から前記コアバックの端面に沿いつつ径方向外側に引き出される引き出し線と、前記ティースの根元部に隣接する前記ティースコイルの巻き終わり端から前記コアバックの端面に沿いつつ径方向外側に引き出される引き出し線とを有し、前記ティースコイルは、絶縁被覆された平角線により構成されているステータコイルとを備え、前記スロットは、軸心から前記スロットの周方向中央を通過して径方向外側へ伸びる仮想放射直線と、前記コアバックの内周面と、前記スロットに面する前記ティースの表面と、前記鍔部の径方向外側の表面とにより略区画される略台形形状の半スロット径方向断面を二つ合わせたの径方向断面形状を有し、前記平角線は、前記平角線の略径方向高さをHc、前記平角線の略周方向幅をWc、前記コアバックから前記鍔部までの前記ティースの径方向長さをL、前記スロットに面する前記鍔部の径方向外側の表面と前記ティースの表面との交点から接線方向における前記仮想放射直線までのスロット開口幅をW、前記第一層コイル及び第二層コイルのターン数をそれぞれN、前記平角線の絶縁被覆層の周方向幅をWi、前記絶縁被覆層の径方向幅の合計をHi、互いに周方向に隣接する前記平角線の間のギャップの周方向幅の合計をWg、互いに径方向に隣接する前記平角線の間のギャップの径方向幅の合計をHgとした場合に、
Wc=(W−Wi−Wg)/(2n)
Hc=(L−Hi−Hg)/N
の式を満足し、前記ティースコイルは、前記スロット内にて長方形断面となるように巻装されていることを特徴としている。
上記問題点を解決する第2発明の集中巻き型ステータを有する車両用回転電機は、円筒状のコアバックと、略一定の周方向幅を有して前記コアバックの内周面から周方向所定ピッチで求心方向へ延設される多数のティースと、前記各ティース及びコアバックにより区画形成されて径方向内側に開口を有する多数のスロットとを有し、前記ティースの先端部は、略周方向に張設されて隣接する前記スロットの開口を狭窄する鍔部を有するステータコアと、前記ティースの根元部から先端部へ向けて前記ティースの周囲に巻装される第一層コイルと、前記ティースの前記先端部から前記根元部へ向けて前記第一層コイルに接しつつ巻装される第二層コイルとからなるペアコイルをn個(nは自然数)、前記ティースに積層してなるティースコイルと、前記ティースの根元部に隣接する前記ティースコイルの巻き始め端から前記コアバックの端面に沿いつつ径方向外側に引き出される引き出し線と、前記ティースの根元部に隣接する前記ティースコイルの巻き終わり端から前記コアバックの端面に沿いつつ径方向外側に引き出される引き出し線とを有し、前記ティースコイルは、絶縁被覆された平角線により構成されているステータコイルとを備え、前記スロットは、軸心から前記スロットの周方向中央を通過して径方向外側へ伸びる仮想放射直線と、前記コアバックの内周面と、前記スロットに面する前記ティースの表面と、前記鍔部の径方向外側の表面とにより略区画される略台形形状の半スロット径方向断面を二つ合わせたの径方向断面形状を有し、
前記平角線は、前記平角線の略径方向高さをHc、前記平角線の略周方向幅をWc、前記コアバックから前記鍔部までの前記ティースの径方向長さをL、前記スロットに面する前記鍔部の径方向外側の表面と前記ティースの表面との交点から接線方向における前記仮想放射直線までのスロット開口幅をW、前記第一層コイル及び第二層コイルのターン数をそれぞれN、前記平角線と前記ステータコアとの間に介設されるインシュレータの周方向厚さをWi、前記インシュレータの径方向幅の合計をHi、互いに周方向に隣接する各前記平角線の間のギャップの周方向幅の合計をWg、互いに径方向に隣接する各前記平角線の間のギャップの径方向幅の合計をHgとし、
Wc=(W−Wi−Wg)/(2n)
Hc=(L−Hi−Hg)/N
の式を満足し、
前記ティースコイルは、前記スロット内にて長方形断面となるように巻装されていることを特徴としている。
上記した第1、第2発明によれば、図7に示すようにコイルエンド高さの増加に対して一定量の占積率の増加が見込める臨界点Pまでコイルを配置できる。このP点を超えてスロット内の三角形の領域にコイルを配置すると、スロット占積率の増大効果が小さいうえコイルエンドの軸方向長(高さ)が増大するため、モータ軸長が増大してモータ体格が増大してしまう。つまり、モータ軸長低減のためには、スロット面積L×aの中にできるだけコイルを配置することが重要である。言い換えると、モータ体格が同一とすれば、スロット内の三角形の領域にコイルを配置し、それにより生じるティース(及びロータ)の軸方向長の減少を採用するよりも、スロット内の三角形の領域にコイルを配置せず、それによりコイルエンドの高さを減らし、その分だけティース(及びロータ)の軸方向長を増大する方が出力向上には得策であることがわかる。
すなわち、この発明では、ティースのコアバック側から(ティースの根元部から)巻き始め、ティースの先端部で折り返してティースの根元部に達する第一層コイルと第二層コイルとのペアとからなる方式のティースコイル(ティース根元側取り出し型2層巻きコイルとも称する)を整数ペア数だけ採用し、これにより、ティースコイルの巻き始め端および巻き終わり端をティースの根元部側すなわちステータコアのコアバック近傍に配置することができる。これにより、ティースコイルの引き出し線を、ティースの根元部の始端及び終端からコアバックの端面に沿いつつ引き出し線を径方向外側へ延設することができる。したがって、ティースコイル同士を接続する渡り線(渡り線バスバーとも言う)を従来は空き空間であったコイルエンドとコアバックの端面との間のスペースに周方向へ敷設する場合、各ティースコイルの引き出し線は最小距離にて渡り線に到達することができ、引き出し線及び渡り線からなるこの発明のコイルエンドの総延長距離は最小となるうえ、これら引き出し線や渡り線を上記空き空間に配置できるため、ステータの軸長増大も防ぐことができる。
なお、ここで言う引き出し線とはティースコイルにおいて実質的に有効ターンとならないティースコイルの両端部であり、この発明では径方向に引き出される。また、渡り線とは周方向に延設されてティースコイル間を接続する部分を言うが、異なる相のティースコイル同士を接続する中性点用の渡り線や、相巻線の先端をなしてティースコイルの一端を外部端子に接続する渡り線も含まれる。
更に、この発明では、縦横比が1しか取れない丸線ではなくスロットの断面形状に合わせれるようにその断面の縦横比を自在に変更できる平角線を用いてティースコイルのたとえば上記第一層コイルや第二層コイルをなす各層コイルを構成し、上記式を満足するように平角線の周方向幅Wcや径方向高さHcを決定する。これにより、スロット占積率を確保しつつ、かつ、ティースコイルの巻線構造を複雑化することなく、上記効果を奏することができる。つまり、この発明では、ティースコイルのスロット内における径方向断面は長方形とされる。これにより、スロット占積率の低下を抑止しつつステータコアから軸方向に飛び出すティースコイルのコイルエンドの飛び出し量を最小とすることができる。
好適な態様において、前記コアバックの内周面のうち少なくとも前記ティースコイルに接する部分は接線方向に延在する平面形状を有する。このようにすれば、平角線を用いてティースコイルを形成する場合にスロット内部の無駄な空間を減らしてスロット占積率を向上することができる。
好適な態様において、前記スロットは、収容する二つのティースコイルの間に略三角形に形成されて軸方向に冷却流体を流通させるための冷却流体流通空間を有する。このようにすれば、スロット占積率の低下を招くことなく良好にティースコイルを冷却することができる。なお、好適には、周方向に隣接する二つのティースコイルは、それらの径方向最内端において微小間隙を隔てて接している。これにより、この冷却流体流通空間に軸方向に冷却空気流などの冷却流体を容易に流すことができるため、従来最も温度環境が過酷であったステータコアの軸方向中央部におけるティースコイル温度を良好に低減することができる。
なお、従来の集中巻き型ステータを有する車両用回転電機でも一つのスロット内で互いに隣接する二つのティースコイルの間に本発明のごとき冷却流体流通空間を形成することはできたかもしれないが、従来においては、この冷却流体流通空間を冷却流体通路として利用するという発想自体がなく、更にこの冷却流体流通空間に相当する領域すなわちティースコイルと径方向同位置において、周方向に延設される渡り線などが存在するために、この冷却流体流通空間への冷却流体の導入、流出性が悪く、冷却効果を期待できなかった。
これに対して、この発明では、ティースコイル間の渡り線をすべてコアバックの端面に隣接配置しており、スロットの冷却流体流通空間を完全な両端開口とすることができ、冷却流体を障害なくこの冷却流体流通空間に導入、流出させることができ、良好なティースコイルの最外周面の接触冷却を実現することができる。
好適な態様において、前記ティースコイルは、前記第一層コイルと第二層コイルとのみからなることを特徴としている。このようにすれば、第一層コイルはティースコイルを通じて伝熱冷却することができ、第二層コイルを冷却流体流通空間を流れる冷却流体流により良好に冷却することができ、結局、ティースコイルのすべてのターンを良好に冷却することができ、ティースコイルの一部が局部的に高温となることがなく、ティースコイルの電流密度の大幅な向上を図ることができる。
好適な態様において、前記ティースコイルのコイルエンドよりも軸方向内側に位置してロータの端面に固定されて冷却空気流を径方向に付勢する遠心ファンを有し、前記冷却空気流は、前記遠心ファンから出た後、前記冷却流体流通空間を貫通して流れる。
このようにすれば、ティースコイルの径方向内側の空き空間を利用して冷却空気流の径方向通路、並びに、冷却空気流形成用の遠心ファンの設置スペースとすることができるため、同期機の軸長を増加することなく、冷却流体流通空間を貫通する冷却空気流を良好に形成することができる。また、この発明では、渡り線がコアバックの端面に隣接して周方向に敷設されているため、冷却空気流はこの渡り線を良好に冷却することができる。
好適な態様において、前記遠心ファンは、互いに逆の送風方向を有して前記ロータの両端面に個別に固定される。このようにすれば、上記空気流通空間への冷却空気流の押し込みと吸い出しとを同時に行うことができるために、ティースコイルの冷却効果を更に向上させることができ、その電流密度向上により一層の小型軽量化を実現することができる。
好適な態様において、前記ステータコイルは、前記コアバックの端面に隣接して周方向へ敷設されるとともに同一相の前記ティースコイルの前記引き出し線を接続して相巻線を構成する所定本数の渡り線バスバーを有することを特徴としている。
このようにすれば、ティースコイル同士を接続する渡り線(渡り線バスバーとも言う)を従来は空き空間であったコイルエンドとコアバックの端面とにより2辺が区画されるバスバー収容空間に主に収容することにより、ティース間の渡り線を最短で結んでその抵抗損失増加を抑止しつつ、渡り線、並びに、渡り線とティースコイルの引き出し線との結線部をロータの周面から遠ざけることが可能となり、それらがロータに接触したり、ロータの嵌入作業が難しくなるという問題を解決することができる。また、ティースコイルの巻き始め端と巻き終わり端とをティースの根元側に配置することができるために、ティースコイルの引き出し線や渡り線はステータコアのコアバックの端面に隣接して配置することができ、ステータの軸方向長を増加させることがない。更に、引き出し線と渡り線との結線作業も容易となる。なお、引き出し線と渡り線とを同じ導体線で構成することも容易となる。次に、ティースコイルの始端と終端との両方がティースの根元部に集まるため、ティースコイルから上記バスバー収容空間のバスバーまでの距離が最小となり、引き出し線の総延長距離を短縮して電機子コイルの電気抵抗を低減することができ、その大電流通電時の冷却を容易とすることができる。結局、ティース根元側取り出し型2層巻きステータコイルを用い、渡り線バスバーと中性点バスバーとをコアバックに隣接して配置することにより、回転電機の小型軽量化が可能で、冷却及び耐絶縁性に優れた集中巻き型ステータを有する車両用回転電機を実現することができる。
好適な態様において、前記渡り線バスバー群は、前記ティースコイルのコイルエンドよりも軸方向内側に敷設されている。これにより、同期機の軸長増大を抑止してその小型軽量化を一層向上することができる。
好適な態様において、前記バスバーは、軸方向同位置で径方向に相順次に配列されるとともに、前記各ティースコイルの引き出し線を軸方向に屈曲した後、周方向に延設して形成されている。このようにすれば、渡り線とティースコイルの引き出し線とが一体形成されているために、二つのティースコイルの接続位置を種々変更できるため、結線が容易となる。
好適な態様において、前記渡り線バスバー群を構成するバスバーは、軸方向同位置で径方向に相順次に配列されている。このようにすれば、渡り線バスバー群や引き出し線をコイルエンドよりも軸方向へ突出するのを抑止しつつ、コンパクトに構成することができる。
好適な態様において、1つの相の前記バスバーと軸方向及び径方向同位置に配列されて中性点をなす中性点バスバーを有する。このようにすれば、渡り線バスバー群を一層コンパクト化することができる。
好適な態様において、前記バスバーは、軸方向同位置で径方向に相順次に配列されるとともに、前記各ティースコイルの引き出し線を軸方向に屈曲した後、周方向に延設して形成されている。このようにすれば、渡り線とティースコイルの引き出し線とが一体形成されているために、二つのティースコイルの接続位置を種々変更できるため、結線が容易となる。
好適な態様において、前記第二層コイルの開始ターンの始まり部は、前記第二層コイルの前記開始ターンに連なる第2ターンの始まり部が前記第二層コイルの開始ターンの始まり部への乗り上げるのを回避するために前記ティースの先端部側に押し下げられ、前記第二層コイルの前記第2ターンの始まり部は、前記第二層コイルの開始ターンの始まり部への乗り上げるのを回避するために前記ティースの根本部側に押し上げられた後、前記第二層コイルの前記開始ターンの前記始まり部に径方向に隣接するべく押し下げられ、前記第二層コイルの前記第2ターンに続く他のターンの始まり部は、前記第2ターンと同じく前記ティースの根本部側に押し上げられた後、押し下げられることを特徴としている。このようにすれば、第一層コイルから第二層コイルへの折り返しがなされる第一層コイルの最終ターン部と第二層コイルの開始ターンとから構成される折り返し部において、コイル導体(平角線)がステータコアの周方向へ飛び出すのを防止してスロット占積率を低下するのを抑止しつつ、ティースに第二層コイルを高密度に巻回することができる。また、第二層コイルの開始ターンを押し下げるので第二層コイルの第2ターンの押し上げ量を減らすことができる。また、第二層コイルを径方向に押し上げた後、径方向に押し下げているので、第二層コイルの最終ターンの始まり部は引き出し線部の屈曲部、すなわち、第一層コイルに連なる引き出し線部と第一層コイルの開始ターンとの境界部分に重なることを回避することができるので、この境界部分における屈曲部の絶縁性を向上することができるとともに、この屈曲部がある程度の曲率ももつことを許容することができる。
好適な態様において、前記第二層コイルの前記押し上げ及び押し下げは、前記引き出し線部が引き出される側の前記ステータコアの軸方向端面側にてなされている。このようにすれば、ステータコアの周方向に面するティースの側面にてこれら径方向押し下げ部や径方向押し上げ部を形成するのに比較して作業が簡単となり、かつ、これら径方向押し下げ部や径方向押し上げ部がティースを挟んでその周方向両側から引き出されるティースコイルの引き出し線部の邪魔となることもない。
好適な態様において、前記第二層コイルの開始ターンの始まり部は、前記第二層コイルの前記開始ターンに連なる第2ターンの始まり部が前記第二層コイルの開始ターンの始まり部への乗り上げるのを回避するために前記ティースの先端部側に押し下げられ、前記第二層コイルの前記第2ターンの始まり部は、前記第二層コイルの開始ターンの始まり部への乗り上げるのを回避するために前記ティースの先端部側に押し下げられ、前記第二層コイルの前記第2ターンに続く他のターンは、前記第2ターンと同じく前記ティースの先端部側に押し下げられる。このようにすれば、第一層コイルから第二層コイルへの折り返しがなされる第一層コイルの最終ターン部と第二層コイルの開始ターンとから構成される折り返し部において、コイル導体(平角線)がステータコアの周方向へ飛び出すのを防止してスロット占積率を低下するのを抑止しつつ、ティースに第二層コイルを高密度に巻回することができる。また、第二層コイルの開始ターンを押し下げるので第二層コイルの第2ターンの押し上げ量を減らすことができる。また、第二層コイルを径方向に押し上げた後、径方向に押し下げているので、第二層コイルの最終ターンの始まり部は引き出し線部の屈曲部、すなわち、第一層コイルに連なる引き出し線部と第一層コイルの開始ターンとの境界部分に重なることを回避することができるので、この境界部分における屈曲部の絶縁性を向上することができるとともに、この屈曲部があるていどの曲率ももつことを許容することができる。
好適な態様において、前記第二層コイルの前記押し上げ及び押し下げは、前記引き出し線部が引き出される側の前記ステータコアの軸方向端面側にてなされている。このようにすれば、ステータコアの周方向に面するティースの側面にてこれら径方向押し下げ部や径方向押し上げ部を形成するのに比較して作業が簡単となり、かつ、これら径方向押し下げ部や径方向押し上げ部がティースを挟んでその周方向両側から引き出されるティースコイルの引き出し線部の邪魔となることもない。
なお、集中巻き型ステータを有する車両用回転電機は、ステータコアのティースの表面に前記ティースの根元部から先端部へ巻装される第一層コイルと、前記第一層コイルの上に前記ティースコイルの前記先端部から前記根元部へ巻装される第二層コイルと、前記ティースの根元部に隣接する巻き始め端および巻き終わり端と、前記巻き始め端及び巻き終わり端から径方向外側に引き出される一対の引き出し線とを平角線を用いて形成したティースコイルと、前記ステータコアのコアバックの端面の軸方向外側及び前記ティースコイルの径方向外側に位置して周方向へ敷設されて同一相の前記ティースコイルの前記引き出し線を接続して相巻線を構成する所定個数の渡り線バスバー群とを有し、同一スロットに収容されて互いに周方向に隣接する二つの前記ティースコイルの最外周かつ最内径に配置されるターンは互いに略接して配置されるステータコイルを有する集中巻き型ステータを有する車両用回転電機であって、前記渡り線バスバー群を構成するバスバーが、軸方向同位置で径方向に相順次に配列されるとともに、前記各ティースコイルの引き出し線を軸方向に屈曲した後、周方向に延設して形成されている、とすることができる
すなわち、この形態では、渡り線とティースコイルの引き出し線とが一体形成されているために、二つのティースコイルの接続位置を種々変更できるため、結線が容易となる。なお、好適には、各ティースコイルの引き出し線を延設、屈曲して渡り線の一部を構成し、各ティースコイルの渡り線を一対ずつ溶接して渡り線を完成する。好適には、この結線作業はティースに巻装されたティースコイルをコアバックに固定する前になされ、その後、上記溶接を完了した後、渡り線バスバー群と一体のティースコイル群をもつ各ティースをコアバックに取り付ける。このようにすれば、結線作業のための作業スペースの確保が一層容易となる。
(他の態様)
好適には、各バスバーは、相ごと形成されたバスバー収容溝を有してコアバックの軸方向端面に固定されたバスバーホルダに収容される。このようにすれば、各バスバーを相ごとに簡単に整理して配列することができ、バスバーの高密度配置が可能となる。
本発明の集中巻き型ステータを有する車両用回転電機を実施例により具体的に説明する。
(全体構造)
ティース根元側取り出し型2層巻きコイルを有する集中巻き型ステータの好適な実施例1を図1に示す配線図、図2に示すティース近傍の拡大正面図、図3に示すステータの正面図、図4に示す同期機の軸方向半断面図、図5に示すステータの部分拡大断面図を用いて説明する。
ステータコア100は、図2、図3に示すように、18個のティース110と1個のコアバック120とからなる。ステータコア100は、積層電磁鋼板からなり、実際には組み合わせコア構造を有するが組み立てコア構造の具体的な図示は省略し、組み合わせコア構造自体も本発明の要旨ではないので説明を省略する。
各ティース110は、図2に示すように、円筒状のコアバック(ヨーク)120の内周面から一定ピッチで径方向内側へ突出している。ティース110の径方向内側の表面は、図示しないロータに対面するべく部分円筒形状に形成されている。ティース110にはそれぞれティースコイル20が巻装され、三相ステータコイルの外部接続端子35〜37には3相交流電圧が印加される。各ティース110に1個ずつ巻装された合計18個のティースコイル20は相ごとに6個配置され、したがって図示しないロータの1極対は3ティースコイルに相当する周方向ピッチを占めている。
(ティースコイル20)
ティースコイル20について図2を参照して説明する。ティースコイル20は、樹脂被覆された銅線からなる平角線により構成されており、ティース110に2層巻きされている。すなわち、ティースコイル20は、ティース110に巻かれた第一層コイル21と、第一層コイル21の上に巻かれた第二層コイル22と、第一層コイル21の巻き始め端に連なる引き出し線23と、第二層コイル22の巻き終わり端に連なる引き出し線24とにより構成されている。ティース110が角柱形状を有しているために、ティースコイル20の第一層コイル21および第二層コイル22は角形コイル形状を有しており、それぞれ直線状の4辺を有している。これら4辺のうち、引き出し線23、24が引き出される側のステータコア1の軸方向端面を前端辺と称するものとする。
引き出し線23、24は、図2に示すようにティース110を挟んでティース110の周方向両側に配置され、ティース110の軸方向一端側に配置されている。引き出し線23、24は、コアバック120の一端面に沿って径方向外側へ引き出されている。引き出し線23は、コアバック120に沿って径方向内側に延設された後、ティース110の根元部に達し、その後、紙背側へ直角に屈曲されて第一層コイル21の巻き始め端となり、引き出し線24は、コアバック120に沿って径方向内側に延設された後、ティース110の根元部に達し、その後、紙背側へ直角に屈曲されて第二層コイル22の巻き終わり端となっている。第一層コイル21及び第二層コイル22はそれぞれ5ターンを有し、ティースコイル20は10ターンを有している。第一層コイル21の各ターンは、互いに同層に配置されてティース110の根元部から先端部に進行している。第二層コイル22は、第一層コイル21の最終ターンから折り返す開始ターンから始まる各ターンが第一層コイル21の上に互いに同層に配置されてティース110の先端部から根元部に進行している。つまり、このティースコイル20は、ティース110の根元部に配置される巻き始め端および巻き終わり端をもつ。
このようにすれば、ティースコイル20の巻き始め端および巻き終わり端をティース110の根元部側すなわちコアバック120に接して配置することができるため、ティースコイル20を他のティースコイルと接続するためのティース間の渡り線を最短で結んでその抵抗損失増加及び発熱を抑止すること、渡り線並びに渡り線とティースコイル20の引き出し線23、24との接続部分をロータの周面から遠ざけてそれらがロータに接触したり、ロータの嵌入作業が難しくなるのを防止すること、及び、ティースコイル20の引き出し線23、24や後述する渡り線がティースコイル20の上に乗ってステータの軸方向長が増加を防止することが可能となる。また、この実施例では、ティースコイル20の巻き始め端および巻き終わり端からステータコア100のコアバック側へ引き出される一対の引き出し線23、24の周方向引き出し位置のずれがほとんどないため、引き出し線23、24と図示しない渡り線との結線作業も容易となる。
また、この実施例によれば、ティースコイル20の巻き始め端および巻き終わり端はティース110の根元部を挟んでティース110の根元部の周方向両側に配置され、引き出し線23、24は、ティース11の根元部の周方向両側からステータコアのコアバック側へ引き出されるので、ティースコイル20の巻き始め端側の引き出し線23、および、巻き終わり端側の引き出し線24を、スロット底部に面するコアバック120の角部を利用して容易に径方向に折り曲げることができるとともに、これら一対の引き出し線23、24の間の間隔を十分に確保することができるので、引き出し線の端末処理が容易となる。また、この実施例では、一対の引き出し線23、24は、ティース110の根元部の周方向両側からコアバック120に対して軸方向同一側へ引き出されるので、ティースコイル20の引き出し線23、24とティース間渡り用の渡り線用(中性点用渡り線を含む)との接続をコアバック120の軸方向一方側にて処理することができ、作業が簡単となる。
(相巻線の構成)
各ティースコイル20により構成される三相の相巻線の構造を図1を参照して説明する。18個のティースコイル20を相ごとに接続して構成した三つの相巻線は、従来どおり星形接続されている。図1に示す1〜18はティースコイル20の番号を示し、図1においてティースコイル1〜18は、反時計方向に番号順に配列されている。なお、ティースコイル6〜ティースコイル13は図示省略されている。
同一相のすべてのティースコイル20は周方向へ順次に直列接続されて相巻線を構成し、形成される三相の相巻線が中性点バスバー38により星形接続されている。35はU相の相巻線の外部接続端子、36はV相の相巻線の外部接続端子、37はW相の相巻線の外部接続端子であり、これらは互いに1ティースピッチ離れてティースコイル20から径方向外側へ引き出されている。ティースコイル1、4、7、10、13、16は互いに直列接続されてU相の相巻線を構成するティースコイル20であり、ティースコイル2、5、8、11、14、17は互いに直列接続されてV相の相巻線を構成するティースコイル20であり、ティースコイル3、6、9、12、15、18は互いに直列接続されてW相の相巻線を構成するティースコイル20である。
80は、各ティースコイル20の径方向外側かつコアバック120の一端面に隣接して配列される渡り線バスバー群であり、この渡り線バスバー群80は、U相のバスバー群8Uと、V相のバスバー群8Vと、W相のバスバー群8Wとからなる。U相のバスバー群8Uを第1層目のバスバー群とも呼び、V相のバスバー群8Vを第2層目のバスバー群とも呼び、W相のバスバー群8Wを第3層目のバスバー群とも呼ぶ。
それぞれ本発明で言う渡り線又は渡り線バスバーをなすバスバー群8U、8V及び8Wは、図4に示すように、コアバック110の後端面に径方向へ順番に固定されている。U相のバスバー群8Uは径方向最内側に、V相のバスバー群8Vは径方向中央部に、W相のバスバー群8Wは径方向最外側にそれぞれリング状に配列されており、これらバスバー群8U、8V及び8Wは軸方向において同一位置に配置されている。なお、バスバー群8U、8V及び8Wの固定にはコアバック110の後端面に固定された樹脂製のバスホルダを用いるのが好適であるが種々の公知の手法を採用してもよい。図1に示すように、中性点をなす中性点バスバー38は、U相のバスバー群8Uと径方向及び軸方向同一位置に敷設されている。
図2に示す各ティースコイル20の引き出し線23は、図4に示すように湾曲して曲げられて第二層コイル22と軸方向同位置にて径方向外側へ延設されている。また、各ティースコイル20の引き出し線24は、そのまま径方向外側へ延設されている。
径方向外側に延設された引き出し線23、24は、バスバー群8U、8V及び8Wのうち自己が結線されるべき相のバスバー群の径方向位置にて軸方向コアバック側に曲げられ、その後、周方向へ延設されてバスバー群8U、8V及び8Wを構成するバスバーとなる。相互に結線されてバスバー群8U、8V及び8Wの1つのバスバーとして完成されるべき一対のバスバーの先端面は突き合わされた後、溶接されて、1つの渡り線としてのバスバーとなる。このようにして、ティースコイル20及びバスバー群8U、8V及び8Wが構成される。したがって、この実施例では、渡り線は、ティースコイル20と同一導体線にて構成されるため、同一導体断面積をもつことができるとともに製造コストの低減が可能となる。
なお、この実施例では、すべてのバスバーとそれを支持するバスバーホルダとは、ティースコイル20の軸方向突出高さすなわちティースコイル20のコイルエンド幅を一辺とし、コアバック120の端面をそれと直交する一辺とする断面方形の環状空間内に収容している。これにより、回転電機のコンパクト化を実現している。
(同期機構造)
次に上記した集中巻き型ステータを採用する同期機の構造を図4を参照して説明する。
200はハウジング、201はロータ、202は回転軸である。ハウジング200の内周面には上記説明したステータコア100と各相巻線を三相星形結線してなるステータコイルとからなるステータが配置されている。図4では、このステータコイルの一部をなす1つのティースコイル20と渡り線バスバー群80の断面が図示されている。なお、渡り線バスバー群8はバスバー群8U、8V及び8Wにより構成されている。
ロータ201は、ステータの径方向内側にて回転軸202に固定されたIPMロータである。204は磁石、205はロータ用積層電磁鋼板である。206、207は軸受けである。ロータの両端面には、非磁性金属板を切り曲げて形成された冷却ファン208、209が個別に固定され、冷却ファン208、209は磁石204の軸方向飛び出しの阻止を行っている。冷却ファン208、209は遠心ファンである。
ハウジング200の両端壁には、冷却ファン208、209の径方向内側に位置して冷却空気流の流入孔210、流出孔211が個別に設けられている。動作を説明すると、冷却ファン208、209がロータ201とともに回転すると、冷却ファン208は径方向外側に空気を付勢し、冷却ファン209は径方向内側に空気を付勢する翼形をもつため、流入孔210、冷却ファン208、ティース110間のスロットの空気流通空間213、冷却ファン209、流出孔211の順に冷却空気流が流れ、ティースコイル20が良好に冷却される。併せて、バスバー群8U、8V及び8Wも良好に冷却される。
(スロット及び空気流通空間の説明)
空気流通空間(冷却流体流通空間)213を図5を用いて更に説明する。
この実施例では、ティース110の周方向幅は径方向どの位置でも一定とされているが、ティース110の先端部は周方向に張り出してスロットSの開口を狭搾するティース鍔部となっている。したがって、ティース11の全径長のうち、ティース鍔部の径長を差し引いた部分がスロットの径長となる。スロットSに面するコアバック120の内周面はティース110の周面と直角な平面となっており、このためスロットSの径方向断面は正確には略6角形となっている。
スロットSにはこのスロットSの両側のティース110の軸方向延設部分がそれぞれ1セットずつ収容されており、それらの間に略三角形の空気流通空間213が軸方向に形成されている。この空気流通空間213の両端は完全に開口されている。
この実施例では、ティースコイル20の第一層コイル21、第二層コイル22はそれぞれ6ターンを有している。また、同一のスロットSに収容された二つのティースコイル20の最径方向内側で最外周側のターン同士は、微少な隙間Dを介してほぼ接している。したがって、ティースコイル20を構成する平角線の周方向幅をWc、径方向高さをHcとするとき、スロットSの径長Lは6Hc・bとされ、スロットSの最も径方向内側におけるスロットSの周方向幅の半分Wは2Wc・aとされる。a、bは定数であり、それぞれ0.8以上1未満とされる。ここで、定数a、bを0.8以上1未満とするのは、製造公差、巻装作業の容易化、平角線の曲りによるギャップなどを許容するためである。
更に詳しく説明する。
図5において、400は、モータの軸心からスロットSの周方向中央を通過して径方向外側へ伸びる仮想放射直線であり、121はコアバック120の接線方向に延在する平坦な内周面であり、112はスロットに面する鍔部111の接線方向に延在する平坦な径方向外側の表面である。スロットSは、略台形形状の半スロット径方向断面を二つ合わせたの径方向断面形状を有している。一般的に定義すると、平角線の径方向高さをHc、前記平角線の接線方向幅をWc、コアバック120から鍔部111までのティース110の径方向長さをL、スロットSに面する鍔部111の径方向外側の表面に沿ってのティース110の表面から仮想放射直線400までのスロット開口幅(半分)をW、第一層コイル21及び第二層コイル22のターン数をそれぞれN、前記平角線の絶縁被覆層の周方向幅をWi、前記絶縁被覆層の径方向幅の合計をHi、互いに周方向に隣接する前記平角線の間のギャップの周方向幅の合計をWg、互いに径方向に隣接する前記平角線の間のギャップの径方向幅の合計をHgとした場合に、
Wc=(W−Wi−Wg)/(2n)
Hc=(L−Hi−Hg)/N
の式を満足するように、Wc、Hcが決定される。
このようにすると、二つの三角形を合わせた径方向断面形状をもつ空気流通空間213と、二つの長方形のティースコイル占有空間とを含むスロットSの径方向断面において、長方形のティースコイル占有空間のほとんど全部をティースコイル20により占有することができるため、スロット占積率を向上することができる。また、複雑な形状の空気流通空間213にティースコイル20のターンを配置しないため、その引き出し線の配置も簡単となる。更に、ティースコイル20のコイルエンドは2Wcとなり、回転電機の軸方向長を縮小することができる。更に、空気流通空間Sは、すべての第二層コイル22の表面に接触することができ、ティースコイル20を良好に冷却することができる。
(変形態様)
図6を参照して変形態様を説明する。この変形態様では、スロットSの内の空気流通空間213内に径方向断面が二等辺三角形の冷却水パイプを配置したものであり、このようにすれば、更に優れた冷却効果を得ることができる。
(変形態様)
図8を参照して変形態様を説明する。この変形態様は、実施例1のティースコイル20(図5参照)の層数2nを、2(n=1)から4(n=2)に変更したものである。この4層巻きティースコイルにおいても、上記実施例1と同様の効果を奏することができる。なお、図8における1層当たりのターン数nは図5に示す実施例1と同じく6ターンである。
(変形態様)
図9を参照して変形多様を説明する。この変形態様は、図5に示す実施例1において、ティース110の上に電気絶縁樹脂シートを成形してしてなるインシュレータ200を被せ、その上からティースコイルを巻装配置したものである。この場合には、このインシュレータの厚さを考慮してコイル断面形状を決定する必要がある。
すなわち、この場合には、二つの層コイルからなる上記ペアコイルをn個(nは自然数)とし、平角線の略径方向高さをHc、平角線の略周方向幅をWc、コアバックから鍔部までの前記ティースの径方向長さをL、スロットに面する鍔部の径方向外側の表面とティースの表面との交点から接線方向における仮想放射直線までのスロット開口幅をW、第一層コイル及び層コイルのターン数をそれぞれN、平角線とステータコアとの間に介設されるインシュレータ200の周方向厚さをWi、インシュレータの径方向幅の合計をHi、互いに周方向に隣接する各平角線の間のギャップの周方向幅の合計(1ティースコイル当たり)をWg、互いに径方向に隣接する各平角線の間のギャップの径方向幅(1ティースコイル当たり)の合計をHgとした場合に、
Wc=(W−Wi−Wg)/(2n)
Hc=(L−Hi−Hg)/N
の式を満足するように、ティースコイル20を形成する。この変形態様においても、図7に示すようにコイルエンド高さの増加に対して一定量の占積率の増加が見込める臨界点Pまでコイルを配置するため、モータ体格一定とした場合に出力向上を図ることができる。
(変形態様)
図10を参照して変形態様を説明する。この変形態様は、図8に示す4層巻きティースコイルを用いる場合に、図9と同じくインシュレータ200を用いたものであり、上記と同様の効果を奏することができる。
(変形態様)
図11を参照して変形態様を説明する。この変形態様は、実施例1において径方向に順次配置された実施例1の渡り線バスバー群の各バスバー(図4参照)の代わりに、渡り線バスバー群の各バスバーを軸方向に順次配置したものである。
図11において、ティースコイル20は4層6ターン配置を採用している。各ティースコイル20は相ごとに直列接続される。310は渡り線バスバー群を収容する樹脂製の渡り線バスバーホルダであり、ステータコアのコアバック120の端面に締結されている。
U相のティースコイル20の両端は軸方向最も外側にて径方向外側に曲げられて引き出し線301となる。V相のティースコイル20の両端は軸方向中間にて径方向外側に曲げられて引き出し線302となる。W相のティースコイル20の両端は軸方向最も内側にて径方向外側に曲げられて引き出し線303となる。
渡り線バスバーホルダ310は、径方向外側に開口し互いに軸方向に隣接する3つのバスバー収容溝をもち、軸方向最も外側のバスバー収容溝にはU相の渡り線バスバー309が、軸方向中間のバスバー収容溝にはV相の渡り線バスバー308が、軸方向最も内側のバスバー収容溝にはW相の渡り線バスバー307がそれぞれ個別に収容されている。
各渡り線バスバー307〜309の両端部は径方向内側に屈曲されて渡り線バスバーホルダ310の底板部の開口を貫通して径方向内側へ突出しており、径方向内側から径方向外側へ延在する各相の引き出し線301〜303と個別に突き合わせられた状態にて溶接されている。なお、引き出し線301〜303の周方向位置はそれぞれ異なり、それに応じて各渡り線バスバー307〜309の両端部の周方向位置もそれぞれ異なることはもちろんである。このようにすれば、渡り線バスバー307〜309と各引き出し線301〜303との溶接が簡単となり、全体をコンパクトとすることができる。
(ティースコイル110の製造方法例)
次に、実施例1で説明したティースコイル110の製造方法を図12及び図13を参照して説明する。ただし、図12及び図13で用いる符号は、図1〜図11で用いた符号と無関係とする。
図12(d)は、ステータコア1の一つのティース11と、このティース11に巻装された一つのティースコイル2を軸方向に見た径方向正面図、図12(a)は、ティース11およびティースコイル2をB側から周方向に見た軸方向断面図、図2(b)は、ティース11およびティースコイル2をC側から周方向に見た軸方向断面図、図12(c)は、ティース11およびティースコイル2をD側から径方向に見た図である。
ステータコア1は、ティース11と、図12(d)に一部だけを示すコアバック12とからなる。周知のように、ステータコア1は、積層電磁鋼板からなる。この種のステータコア1は通常組み合わせコア構造を有するが、組み合わせコア構造自体は本発明の要旨ではないので、説明を省略する。
ティース11は、円筒状のコアバック(ヨーク)12の内周面から一定ピッチでティース11が径方向求心向き(径方向内側)へ突出している。ティース11は角柱形状の主部111と、径方向に所定厚さを有するとともにその先端に設けられて周方向両側へ所定幅だけ突出する鍔部112とからなる。鍔部112は少なくとも後述する平角線の径方向幅よりも大きく形成されている。ティース11の径方向内側の表面は、図示しないロータに対面するべく部分円筒形状に形成されている。
ティースコイル2は、樹脂被覆された銅線からなる平角線により構成されており、ティース11の主部111に2層巻きされている。すなわち、ティースコイル2は、ティース11の主部111に巻かれた第一層コイル21と、第一層コイル21の上に巻かれた第二層コイル22と、第一層コイル21の巻き始め端に連なる引き出し線部23と、第二層コイル22の巻き終わり端に連なる引き出し線部24とにより構成されている。210は第一層コイル21の最終ターンである。
ティース11の主部111が角柱形状を有しているために、ティースコイル2の第一層コイル21および第二層コイル22は角形コイル形状を有しており、それぞれ直線状の4辺を有している。これら4辺のうち、引き出し線部23、24が引き出される側のステータコア1の軸方向端面を前端辺と称するものとする。
引き出し線部23、24は、図12(d)に示すように周方向にみた場合にティース11を挟んでティース11の周方向両側に配置され、図12(a)、図12(b)に示すように軸方向に見た場合にティース11の軸方向一端側に配置されている。引き出し線部23、24は、ティース11と平行に略径方向外側へ引き出されている。引き出し線部23は、図12(d)において、ティース11の周方向左側面に沿いつつティース11の根本部に達した後、図12(d)において紙背側に略直角に屈曲されて、第一層コイル21の巻き始め端に連なっている。
第一層コイル21は、ティース11の主部111に順次巻回して構成される6つのターンからなり、各ターンは互いに同層に配置されてティース11の根本部から先端部に進行している。第二層コイル22は、第一層コイル21の上に順次巻回して構成される複数のターンからなり、第一層コイル21の最終ターン210から折り返す開始ターン220から始まる各ターンが互いに同層に配置されてティース11の先端部から根本部に進行している。これにより、ティースコイル2の巻き始め端および巻き終わり端は、ティース11の根本部に配置されることになる。すなわち、ティースコイル2は、ティース11のコアバック側から(ティースの根本部から)巻き始め、ティース11の先端部で折り返してティース11の根本部に達する第一層コイル21と第二層コイルとのペアを有している。この実施例では、このペアは一つであるが、更に必要なペアを追加してもよいことは明らかである。
このようにすれば、ティースコイル2の巻き始め端および巻き終わり端をティース11の根本部側すなわちステータコア1のコアバック12近傍に配置することができるので、このティースコイル2を他のティースコイルと接続するためのティース間の渡り線を最短で結んでその抵抗損失増加を抑止しつつ、この渡り線、並びに、渡り線とティースコイル2の引き出し線部23、24との接続部分をロータの周面から遠ざけることが可能となり、それらがロータに接触したり、ロータの嵌入作業が難しくなるという問題を良好に解決することができる。また、この渡り線をステータコア1により保持するに際してティースコイル2がそれを邪魔することもなく、渡り線の支持が容易となる。
また、ティースコイル2が、その巻き始め端および巻き終わり端からステータコア1のコアバック側へ引き出される一対の引き出し線部23、24を有するので、露出するステータコアのコアバックに容易に取り付け可能なティース間の渡り線用のバスバーにティースコイルの引き出し線部を容易に接続することができる。また、ティースコイル2の巻き始め端200および巻き終わり端201はティース11の根本部を挟んでティース11の根本部の周方向両側に配置され、引き出し線部23、24は、ティース2の根本部の周方向両側からステータコアのコアバック側へ引き出されるので、ティースコイル2の巻き始め端側の引き出し線部23、および、巻き終わり端側の引き出し線部24を、スロット底部に面するコアバックの角部を利用して容易に径方向に折り曲げることができるとともに、これら一対の引き出し線部23、24の間の間隔を十分に確保することができるので、引き出し線部の端末処理が容易となる。
また、一対の引き出し線部23、24は、ティース11の根本部の周方向両側からステータコア1のコアバック12に対して軸方向同一側へ引き出されるので、ティースコイル2の引き出し線部23、24とティース間渡り用の渡り線用(中性点用渡り線を含む)との接続をステータコア1のコアバック12の軸方向一方側にて処理することができ、作業が簡単となる。
第一層コイル21から第二層コイル22への折り返しの部分を特に図13に示す。220は第二層コイル22の開始ターンである。この実施例では、第二層コイル22の開始ターン220の始まり部(前端辺)221は、本来は、第一層コイル21の最終ターン210の終わり部(4辺中の最終辺)に相当するが、この実施例では少し早めに第二層コイル22の各ターンと等しい位置へふくらませている。すなわち、第一層コイル21の最終ターンはティース11の3面にのみ1周の3/4だけ巻回されて図13や図12(d)においてティース11の周方向右側の側面と図13や図12(d)に表示されるティース11の軸方向端面との間の角部で終了しているものとする。
この第二層コイル22の開始ターン220の始まり部(前端辺)221は、第二層コイル22の開始ターン220に連なる第2ターン230の始まり部(前端辺)231(図12(d)参照)が第二層コイル22の開始ターン220の始まり部221へ乗り上げるのを回避するために、ティース11の先端部(径方向内側)側に押し下げられている。また、第二層コイル22の第2ターン230の始まり部(前端辺)231、特にその前部は、第二層コイル22の開始ターン220の始まり部(前端辺)221へ乗り上げるのを回避するためにティース11の根本部側に押し上げられて第二層コイル22の開始ターン220の始まり部(前端辺)221に径方向に隣接して配置されている。
このようにすれば、第一層コイル21から第二層コイル22への折り返しがなされる第一層コイル21の最終ターン部と第二層コイル22の開始ターン220とから構成される折り返し部において、コイル導体(平角線)がステータコア1の周方向へ飛び出すのを防止してスロット占積率を低下するのを抑止しつつ、ティース11に第二層コイル2を高密度に巻回することができる。また、第二層コイル22の開始ターン220を押し下げるので第二層コイル22の第2ターン230の押し上げ量を減らすことができる。また、第二層コイル22の第2ターン230の始まり部(前端辺)231、特にその後部は、第二層コイル22の開始ターン220の始まり部(前端辺)221の上記押し下げに合わせて押し下げられ、以下、第二層コイル22の第2ターン230に続く他のターンも第二層コイル22の第2ターン230の始まり部(前端辺)と同様に、押し上げとそれに続く押し下げが行われている。このようにすれば、第二層コイル22の最終ターンの始まり部(前端辺)からティース11の側面に沿いつつ曲がる部分近傍にて、この最終ターンが引き出し線部23に乗り上げることがないため、それらの間の空間的、電気的干渉を抑止することができる。
図12(d)に記載した上向きの矢印は、第二層コイル22の各ターンの前端辺を、その開始ターン220の前端辺を除いて押し上げる様子を示すものであり、図12(d)に記載した下向きの矢印は、表示側の軸方向端面側の左側において、第二層コイル22のすべてのターンの前端辺を押し下げる様子を示すものである。これにより、第一層コイル21の上に乗り上げた第二層コイル22の各ターンのうち、第2ターン230の始まり部(前端辺)231が、その開始ターン220の始まり部(前端辺)221(正確には第一層コイル21に乗り上げてはいない)に乗り上げてしまうのを防止することができる。なお、図12(a)、図13において、241、242は、第二層コイル22の開始ターン220の2辺目を示しており、この2辺目の斜め部242は、第二層コイル22の開始ターン220の始まり部221に略直角に屈曲して連なり、ティース11の側面の隣にて2辺目の直線部241となっている。直線部241は、ティース11の主部111の最も先端部に接して配置されている。このようにすれば、第二層コイル22の上記径方向押し上げ及び押し下げを、引き出し線部23、24が引き出される側のステータコア1の軸方向端面側にて行っているので、ステータコア1の周方向に面するティースの側面にてこれら径方向押し下げや押し上げ部を行うのに比較して作業が格段に簡単となる。
(ティースコイル110の他の製造方法例)
次に、図12、図13で説明したティースコイル110の製造方法の変形例を図14及び図15を参照して説明する。ただし、図14及び図15で用いる符号は、図1〜図11で用いた符号と無関係とする。図14、図15のティースコイル2は、図12、図13のティースコイル2において、第二層コイル22の押し下げのみを行い押し上げを行わない例を示すものである。
図14(d)は、ステータコア1の一つのティース11と、このティース11に巻装された一つのティースコイル2を軸方向に見た径方向正面図、図14(a)は、ティース11およびティースコイル2をB側から周方向に見た軸方向断面図、図14(b)は、ティース11およびティースコイル2をC側から周方向に見た軸方向断面図、図14(c)は、ティース11およびティースコイル2をD側から径方向に見た図である。
図14において、第二層コイル22の各ターン部がそれぞれ有する4つの辺のうち、ティース11の軸方向一端面(引き出し線部23、24が引き出される側の端面)に沿って形成される辺(前端辺)は、約コイル導体の径方向幅(モータの軸心から見た径方向幅)の分だけ径方向内側に押し下げられる。
第二層コイル22の開始ターン220の始まり部(前端辺)221は、本来は、第一層コイル21の最終ターンの終わり部に相当するが、図14では、少し早めに第二層コイル22の各ターンと等しい位置へふくらませている。すなわち、第一層コイル21の最終ターンはティース11の3面にのみ1周の3/4だけ巻回されて図13や図12(d)においてティース11の周方向右側の側面と図13や図12(d)に表示されるティース11の軸方向端面との間の角部で終了していることは実施例1と本質的に同じである。
この第二層コイル22の開始ターン220の始まり部(前端辺)221は、図14に示すように、その両端にて下方へ押し下げられ、これにより、第二層コイル22の開始ターン220に連なる第2ターン230の始まり部231(図14(d)参照)は、ティース11の主部111の先端の部分に問題なく収容されることになり、以下、順次、第二層コイル22の他のターンも第一層コイル21の上に順次巻回されることになる。
好適には、第二層コイル22を巻いた後、径方向求心側に押し下げても良く、又は、その一つのターンごとにいちいち押し下げてもよい。その他、ティース11があらかじめ巻回されたティースコイル2を巻回後に、ティース11に嵌め込むことができる形状であれば、このはめ込み前に上記押し下げに相当する形状にティースコイル2を作成しておいてもよい。
実施例1の集中巻き型ステータコイルの配線図である。 図1の集中巻き型ステータコイルに用いるティースコイルの正面図である。 図1の集中巻き型ステータコイルを用いたステータの正面図である。 図3のステータを用いた同期機の軸方向断面図である。 図3のステータのスロット近傍の拡大模式径方向断面図である。 変形態様におけるステータのスロット近傍の拡大模式径方向断面図である。 コイルエンド高さと占積率増加量の関係を示す図である。 変形態様を示すティースコイルの模式径方向部分断面図である。 変形態様を示すティースコイルの模式径方向部分断面図である。 変形態様を示すティースコイルの模式径方向部分断面図である。 ティースコイルと渡り線バスバー群たの接続の変形態様を示すティースコイルの模式径方向部分断面図である。 二層のティースコイルの製造方法を説明するための説明図であって、図12(a)は、ティースコイルをB側から周方向に見た軸方向断面図、図12(b)は、ティースコイルをC側から周方向に見た軸方向断面図、図12(c)は、ティースコイルをD側から径方向に見た図、図12(d)は、ティースコイルを軸方向に見た径方向正面図である。 図12に示すティースコイルの折り返し部分を特に示す径方向正面図である。 二層のティースコイルの製造方法の他例を説明するための説明図であって、図14(a)は、ティースコイルをB側から周方向に見た軸方向断面図、図14(b)は、ティースコイルをC側から周方向に見た軸方向断面図、図14(c)は、ティースコイルをD側から径方向に見た図、図14(d)は、ティースコイルを軸方向に見た径方向正面図である。 図14に示すティースコイルの折り返し部分を特に示す径方向正面図である。
符号の説明
1 ステータコア
1〜18 ティースコイル
20 ティースコイル
8U バスバー群
8V バスバー群
8W バスバー群
13 ティースコイル
20 ティースコイル
21 第一層コイル
22 第二層コイル
23 引き出し線
24 引き出し線
35〜37 外部接続端子
38 中性点バスバー
80 渡り線バスバー群
100 ステータコア
110 コアバック
110 ティース
120 コアバック
200 ハウジング
201 ロータ
202 回転軸
204 磁石
208 冷却ファン
209 冷却ファン
210 流入孔
211 流出孔
213 空気流通空間(冷却流体流通空間)

Claims (16)

  1. 円筒状のコアバックと、略一定の周方向幅を有して前記コアバックの内周面から周方向所定ピッチで求心方向へ延設される多数のティースと、前記各ティース及びコアバックにより区画形成されて径方向内側に開口を有する多数のスロットとを有し、前記ティースの先端部は、略周方向に張設されて隣接する前記スロットの開口を狭窄する鍔部を有するステータコアと、
    前記ティースの根元部から先端部へ向けて前記ティースの周囲に巻装される第一層コイルと、前記ティースの前記先端部から前記根元部へ向けて前記第一層コイルに接しつつ巻装される第二層コイルとからなるペアコイルをn個(nは自然数)、前記ティースに積層してなるティースコイルと、前記ティースの根元部に隣接する前記ティースコイルの巻き始め端から前記コアバックの端面に沿いつつ径方向外側に引き出される引き出し線と、前記ティースの根元部に隣接する前記ティースコイルの巻き終わり端から前記コアバックの端面に沿いつつ径方向外側に引き出される引き出し線とを有し、前記ティースコイルは、絶縁被覆された平角線により構成されているステータコイルと、
    を備え、
    前記スロットは、
    軸心から前記スロットの周方向中央を通過して径方向外側へ伸びる仮想放射直線と、前記コアバックの内周面と、前記スロットに面する前記ティースの表面と、前記鍔部の径方向外側の表面とにより略区画される略台形形状の半スロット径方向断面を二つ合わせたの径方向断面形状を有し、
    前記平角線は、
    前記平角線の略径方向高さをHc、前記平角線の略周方向幅をWc、前記コアバックから前記鍔部までの前記ティースの径方向長さをL、前記スロットに面する前記鍔部の径方向外側の表面と前記ティースの表面との交点から接線方向における前記仮想放射直線までのスロット開口幅をW、前記第一層コイル及び第二層コイルのターン数をそれぞれN、前記平角線の絶縁被覆層の周方向幅をWi、前記絶縁被覆層の径方向幅の合計をHi、互いに周方向に隣接する前記平角線の間のギャップの周方向幅の合計をWg、互いに径方向に隣接する前記平角線の間のギャップの径方向幅の合計をHgとした場合に、
    Wc=(W−Wi−Wg)/(2n)
    Hc=(L−Hi−Hg)/N
    の式を満足し、
    前記ティースコイルは、前記スロット内にて長方形断面となるように巻装されていることを特徴とする集中巻き型ステータを有する車両用回転電機。
  2. 円筒状のコアバックと、略一定の周方向幅を有して前記コアバックの内周面から周方向所定ピッチで求心方向へ延設される多数のティースと、前記各ティース及びコアバックにより区画形成されて径方向内側に開口を有する多数のスロットとを有し、前記ティースの先端部は、略周方向に張設されて隣接する前記スロットの開口を狭窄する鍔部を有するステータコアと、
    前記ティースの根元部から先端部へ向けて前記ティースの周囲に巻装される第一層コイルと、前記ティースの前記先端部から前記根元部へ向けて前記第一層コイルに接しつつ巻装される第二層コイルとからなるペアコイルをn個(nは自然数)、前記ティースに積層してなるティースコイルと、前記ティースの根元部に隣接する前記ティースコイルの巻き始め端から前記コアバックの端面に沿いつつ径方向外側に引き出される引き出し線と、前記ティースの根元部に隣接する前記ティースコイルの巻き終わり端から前記コアバックの端面に沿いつつ径方向外側に引き出される引き出し線とを有し、前記ティースコイルは、絶縁被覆された平角線により構成されているステータコイルと、
    を備え、
    前記スロットは、
    軸心から前記スロットの周方向中央を通過して径方向外側へ伸びる仮想放射直線と、前記コアバックの内周面と、前記スロットに面する前記ティースの表面と、前記鍔部の径方向外側の表面とにより略区画される略台形形状の半スロット径方向断面を二つ合わせたの径方向断面形状を有し、
    前記平角線は、
    前記平角線の略径方向高さをHc、前記平角線の略周方向幅をWc、前記コアバックから前記鍔部までの前記ティースの径方向長さをL、前記スロットに面する前記鍔部の径方向外側の表面と前記ティースの表面との交点から接線方向における前記仮想放射直線までのスロット開口幅をW、前記第一層コイル及び第二層コイルのターン数をそれぞれN、前記平角線と前記ステータコアとの間に介設されるインシュレータの周方向厚さをWi、前記インシュレータの径方向幅の合計をHi、互いに周方向に隣接する各前記平角線の間のギャップの周方向幅の合計をWg、互いに径方向に隣接する各前記平角線の間のギャップの径方向幅の合計をHgとした場合に、
    Wc=(W−Wi−Wg)/(2n)
    Hc=(L−Hi−Hg)/N
    の式を満足し、
    前記ティースコイルは、前記スロット内にて長方形断面となるように巻装されていることを特徴とする集中巻き型ステータを有する車両用回転電機。
  3. 請求項1又は2記載の集中巻き型ステータを有する車両用回転電機において、
    前記コアバックの内周面のうち少なくとも前記ティースコイルに接する部分は接線方向に延在する平面形状を有することを特徴とする集中巻き型ステータを有する車両用回転電機。
  4. 請求項3記載の集中巻き型ステータを有する車両用回転電機において、
    前記スロットは、
    収容する二つの前記ティースコイルの間に略三角形に形成されて軸方向に冷却流体を流通させるための冷却流体流通空間を有することを特徴とする集中巻き型ステータを有する車両用回転電機。
  5. 請求項4記載の集中巻き型ステータを有する車両用回転電機において、
    前記ティースコイルは、
    前記第一層コイルと第二層コイルとのみからなることを特徴とする集中巻き型ステータを有する車両用回転電機。
  6. 請求項5記載の集中巻き型ステータを有する車両用回転電機において、
    前記ティースコイルのコイルエンドよりも軸方向内側に位置してロータの端面に固定されて冷却空気流を径方向に付勢する遠心ファンを有し、
    前記冷却空気流は、前記遠心ファンから出た後、前記冷却流体流通空間を軸方向に貫通して流れることを特徴とする集中巻き型ステータを有する車両用回転電機。
  7. 請求項6記載の集中巻き型ステータを有する車両用回転電機において、
    前記遠心ファンは、
    互いに逆の送風方向を有して前記ロータの両端面に個別に固定されることを特徴とする集中巻き型ステータを有する車両用回転電機。
  8. 請求項1乃至7のいずれか記載の集中巻き型ステータを有する車両用回転電機において、
    前記ステータコイルは、
    前記コアバックの端面に隣接して周方向へ敷設されるとともに同一相の前記ティースコイルの前記引き出し線を接続して相巻線を構成する所定本数の渡り線バスバーを有することを特徴とする集中巻き型ステータを有する車両用回転電機。
  9. 請求項8記載の集中巻き型ステータを有する車両用回転電機において、
    前記渡り線バスバー群は、
    前記ティースコイルのコイルエンドよりも軸方向内側に敷設されていることを特徴とする集中巻き型ステータを有する車両用回転電機。
  10. 請求項8又は9記載の集中巻き型ステータを有する車両用回転電機において、
    前記渡り線バスバー群を構成するバスバーは、
    軸方向同位置で径方向に相順次に配列されていることを特徴とする集中巻き型ステータを有する車両用回転電機。
  11. 請求項10記載の集中巻き型ステータを有する車両用回転電機において、
    1つの相の前記バスバーと軸方向及び径方向同位置に配列されて中性点をなす中性点バスバーを有することを特徴とする集中巻き型ステータを有する車両用回転電機。
  12. 請求項10又は11記載の集中巻き型ステータを有する車両用回転電機において、
    前記バスバーは、
    軸方向同位置で径方向に相順次に配列されるとともに、前記各ティースコイルの引き出し線を軸方向に屈曲した後、周方向に延設して形成されていることを特徴とする集中巻き型ステータを有する車両用回転電機。
  13. 請求項1乃至12のいずれか記載の回転電機の集中巻き型ステータコイルにおいて、
    前記第二層コイルの開始ターンの始まり部は、
    前記第二層コイルの前記開始ターンに連なる第2ターンの始まり部が前記第二層コイルの開始ターンの始まり部への乗り上げるのを回避するために前記ティースの先端部側に押し下げられ、
    前記第二層コイルの前記第2ターンの始まり部は、
    前記第二層コイルの開始ターンの始まり部への乗り上げるのを回避するために前記ティースの根本部側に押し上げられた後、前記第二層コイルの前記開始ターンの前記始まり部に径方向に隣接するべく押し下げられ、
    前記第二層コイルの前記第2ターンに続く他のターンの始まり部は、
    前記第2ターンと同じく前記ティースの根本部側に押し上げられた後、押し下げられることを特徴とする回転電機の集中巻き型ステータコイル。
  14. 請求項13記載の回転電機の集中巻き型ステータコイルにおいて、
    前記第二層コイルの前記押し上げ及び押し下げは、
    前記引き出し線部が引き出される側の前記ステータコアの軸方向端面側にてなされていることを特徴とする回転電機の集中巻き型ステータコイル。
  15. 請求項1乃至12のいずれか記載の回転電機の集中巻き型ステータコイルにおいて、
    前記第二層コイルの開始ターンの始まり部は、
    前記第二層コイルの前記開始ターンに連なる第2ターンの始まり部が前記第二層コイルの開始ターンの始まり部への乗り上げるのを回避するために前記ティースの先端部側に押し下げられ、
    前記第二層コイルの前記第2ターンの始まり部は、
    前記第二層コイルの開始ターンの始まり部への乗り上げるのを回避するために前記ティースの先端部側に押し下げられ、
    前記第二層コイルの前記第2ターンに続く他のターンは、
    前記第2ターンと同じく前記ティースの先端部側に押し下げられることを特徴とする回転電機の集中巻き型ステータコイル。
  16. 請求項15記載の回転電機の集中巻き型ステータコイルにおいて、
    前記第二層コイルの前記押し上げ及び押し下げは、
    前記引き出し線部が引き出される側の前記ステータコアの軸方向端面側にてなされていることを特徴とする回転電機の集中巻き型ステータコイル。
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