JP2010279241A - 電動機の固定子 - Google Patents

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昭彦 山▲崎▼
Yasutake Seki
育剛 関
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Abstract

【課題】一般的なスロット形状でインナー型ノズル巻線方式という通常の巻線方法において、第1層目および多層に積層されるコイルエンドの整列性が確保でき収納性の高い巻線の実現できる絶縁物形状。
【解決手段】ティース部端面33のスロット側両角部のうち巻線時にコイルが掛かり始める側の角部1辺331に、巻装されるコイル線径に応じ第1層目の巻始めから巻終りまでの全てのコイルに対してコイル保持溝34を形成している。上側インシュレータ301、下側インシュレータ302をコアティース12の両端面に相対して装着している。また両インシュレータ間を補うスロット内絶縁物として、スロット絶縁紙50を装着している。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、密閉型圧縮機等の各種機器に具備される電動機の固定子に関する。
一般に電動機において突極集中巻をして成る固定子は、鉄心両端面およびスロット壁面に絶縁部材を配し、前記絶縁部材を介して巻線を施すことにより形成されている。巻線方法としては、内径側からノズル40を介して、ノズル40の旋回・往復摺動によりコイル20を巻装するインナー型ノズル巻線方式が知られている。
前記絶縁部材は一般的に樹脂成形物により形成され、樹脂成形による形状形成の容易さから種々の機能が付加されている。図11に従来の1例を示すが、ティース部12の外周側、内周側にコイル内外径方向の衝立となるティース外周側鍔部31、ティース内周側鍔部32を設けている。また前記ティース外周側鍔部31に溝を設けることで巻始め線の導入溝38としている。
また樹脂成形による形状形成を利用して、電動機の特性に大きく影響する巻線の整列性、収納性を高める方策が取り組まれている。図12に示すようにティース部12の端面にコイル位置決めのためのコイル保持溝34を設けることで巻装されるコイル位置を規制、保持させていく方法は、従来から整列巻線する必須条件として提示されてきており、その上に種々の機能を追加して整列性やコイル品質を高める取組が提示されている。
一方、前記絶縁部材のティース外周側およびティース内周側鍔部についても形状形成は巻線収納性に大きく影響する。そのティース部端部絶縁部材の形状に適正斜面や段差を設けることで、コイルの巻装時の整列性、収納性を高める例などもある。(例えば、特許文献1)
特開平11−122855号公報
巻線の整列性、収納性の向上は電動機の特性に大きく寄与することから、永年の課題として取り組まれてきている。巻線において整列性を決める第1要素は第1層目巻線の整列状態の確保にある。第2層目からは、第1層目により形成されたコイル条に沿って上をなぞるように巻装されていくからである。その第1層目を形成するために前記のごとく特許文献も種々の形状を提示している。
しかしながら、採用する鉄心スロット形状および巻線方法によっては巻装されるコイルの軌跡が限定されてしまい、前記文献に提示された効果が簡単に喪失されてしまうことが発生する。図13に示すスロット形状例1は、ノズルの通過位置によって決められるコイルの通過位置23とスロット底部17が一致するため、前記した特許文献に示された絶縁物形状を採用することで巻線の整列性は一定向上する。しかし、通常の鉄心設計において前記ノズル40によるコイルの通過位置23と前記スロット底部17を一致させようとすると、極端なコアヨーク幅狭小部が存在したり、反対にコアヨーク幅を確保しようとすると反対にスロット面積が小さくなってしまうなど、モータ設計上は採用が困難な状況となる。そのため、図14に示すスロット形状例2のように可能な限りスロット底部17を奥に位置させる折衷案や、図15に示すスロット形状例3のように巻線性を無視してスロット面積を最大に広げる案などが採用される場合が一般的には多い。この場合、図に示されているように、前記ノズル40によるコイルの通過位置23と前記スロット底部17が一致しなくなる。
図15および16に示すスロット形状例2、3の場合、巻線方法として鉄心を分割してボビン巻方式を採用し単独で巻線可能にすれば、ノズルの位置制御により前記文献に提示された絶縁物形状を活かした巻線が限定的ではあるが一定可能となる。一方鉄心が分割できない場合、巻線方法としてはインナー型ノズル巻線方式が一般的に採用される。図16に9スロット、図17に6スロットのインナー型ノズル巻線の例を示す。ノズル40はティース部12の周囲を旋回・往復周動し、図16、17の411および412に示すノズルのスロット内位置にてスロット16内を通過する。またノズル40は、巻装位置を放射方向に移動させながらティース部12全体への巻線を行う。
図18から図20は、9スロットのインナー型ノズル巻線の例で、巻始め線のティース部への巻装状況について工程を順次追って示している。図18で下側から導入された巻始め線22は、ノズル40により左のスロット16の最奥に位置させて通過点411にてスロット16を抜ける。図19で左のスロット16の最奥に位置させたままティース12上へノズル40が旋回し、ティース12のコイルが掛かり始める側の角部上に達する。この段階で巻始め線22はスロット最奥に位置できる。図20でティース12上を振り角α旋回したノズル40は、右のスロット16を抜ける通過点412位置に達する。この段階で明白なように、ノズル40はスロット16の最奥を通過しているにも係らず、ティース12に巻き付けられるコイル位置は右のスロット16の最奥とはならない。前段階の図19でスロット最奥に位置付けされたはずの巻始め線22も、この段階で位置がずれてきてしまう。この現象が、インナー方ノズル巻線方式のノズル旋回を利用して巻装するゆえ発生する、整列巻線に対する重大な課題となる。
この現象は巻線全体に対して言えるものであるが、前記第1層巻線の整列性を確保するという命題に対して特に大きな影響を与える。巻始め線22の位置が不安定な状態であると、第2巻目が巻始め線22を越してティース部外周側に巻装されたりする現象が発生し、以降の巻線位置を制御不能とさせる最大要因となる。一方基本的に第1層に巻装するコイル巻数は決められているため、途中からの巻線を前提として巻数を減らすことはかえって次に巻装されるコイル層の不安定さを誘導することとなる。
この課題に対し、前記の特許文献に提示された絶縁物形状はティース部外周側端部から順次巻線されることが前提となっており、ティース端面に巻き付けられたコイルの位置が斜めに走ることでティース端面に形状形成された位置決め溝はその機能を果さなくなり、むしろ溝の上をクロスすることでコイルボリュームを増大させることになり、第1層目の巻線そのものが成り立たなくなることで訴求効果が得られなくなる。また、ティースに形成された巻枠の4角のうち1角のみを位置決めさせる場合も、他方でコイルがフリーとなるため整列巻を得るのが困難となる。また1、2巻目を自由にする案も提示されているが、1周にわたり自由にすることはコイル位置の変動を防止できなくなり、訴求効果を得る事ができなくなる。
またスロット形状は、第1層目の巻線の上に積層されていく多層のコイル形成にも大きく影響してくる。図8は一般的な形状のスロット内に巻装されたある線径のコイル20の積層状態を、図9はティース上の積層状態を示す。スロット内における積層形状が、そのままティース上のコイルエンド形状に転写されることになる。この事例では、ティース部外周側における絶縁部材のティース外周側鍔部の形状形成は、コイルエンド形状が上層狭小形のためにコイルエンド形状に沿った形成は不可能となり、巻線収納性には関与できないことになる。このコイルエンドの形成と保持はコイルエンドの多層形成のためには欠かせない要素となるが、そのための方法の提示は前記の特許文献に提示された絶縁物形状においては示されてはいない。
以上述べたように、前記の特許文献に提示された絶縁物形状では、一般的に採用されるスロット形状でのインナー型ノズル巻線方式による第1層目の巻線の整列性は確保が困難であり、また第1層目の上に積層される多層のコイルエンドの整列性の確保も困難、と言うことになる。
本願発明は、一般的なスロット形状でのインナー型ノズル巻線方式という通常の巻線方法において、第1層目の巻線の整列性が確保でき収納性の高い巻線の実現できる絶縁物形状を提供するのみならず、積層されるコイルエンドの整列性も確保することで、銅損の低い高効率の電動機を実現することを目的としている。
上記課題を解決するために本発明は、ティース部端面のスロット側両角部のうち巻線時にコイルが掛かり始める側の角部1辺にのみ、巻装されるコイル線径に応じ第1層目の巻始めから巻終りまでの全てのコイルに対してコイル保持溝を有する段差部を形成した絶縁部材を、前記固定子鉄心の軸方向端面上に相対して配置したことにより、スロット内を移動するコイルをコイルが掛かり始めるティース角部にて位置決め保持し、他方の角部で斜めに通過するコイルを位置決めしないことで移動可能とすると共に、掛かるコイルの角度を鈍角とすることでノズル移動に合わせたコイル位置修正が容易に可能となり、確実にコイル位置を確定させていくことをできるようにした。
また巻始め線の位置規制とともに巻装されるスロット部外周側および内周側に、前記スロット部内に巻装されるコイルを前記ティース上のコイルエンドへと誘導するスロット外周側鍔部およびスロット内周側鍔部を、コイル積層形状に合わせてスロット内側を規制する形状に形成することで、スロット形状に係らず積層されるコイルエンドの整列性を確保できるようにした。
具体的に本発明を説明する。第1の発明は、環状のヨークと、前記ヨークの内周部に配置された複数のティースと、前記ティースの内径側先端に形成されるティース幅広部とから形成される固定子鉄心と、前記固定子鉄心の軸方向両端面およびスロット壁面に配置された絶縁部材と、前記絶縁部材を介して前記ティースに直に巻装された巻線とからなる電動機の固定子において、前記ティース部端面のスロット側両角部のうち巻線時にコイルが掛かり始める側の角部1辺にのみ、巻装されるコイル線径に応じ第1層目の巻始めから巻終りまでの全てのコイルに対してコイル保持溝を有する段差部を形成した絶縁部材を、前記固定子鉄心の軸方向端面上に相対して配置したことを特徴とする電動機の固定子であり、一般的なスロット形状とインナー型ノズル巻線方式という通常使用される巻線方式で、第1層目の巻始め線から巻終り線まで全てのコイルを位置決め保持して第1層目巻線の整列性を確保できるようになる。
第2の発明は、前記電動機の固定子において、前記ティース部端面のスロット側両角部のうち巻線時にコイルが掛かり始める側の角部1辺にのみ、コイル保持溝を有する段差部を形成すると共に、段差部に掛かるコイル位置を他方の角部1辺に掛かるコイル位置より高くすることで、前記他方の角部1辺に掛かるコイルの屈曲角度を鈍角とした絶縁材を、前記固定子鉄心の軸方向端面上に相対して配置したことを特徴とする請求項1に記載の電動機の固定子であり、一般的なスロット形状とインナー型ノズル巻線方式という通常使用される巻線方式で、位置決め溝の段差部を有しない辺に掛かるコイルの角部への食らい付きを和らげ、第1層目に巻装されるコイルの移動性を高め、第1層目巻線の整列性を容易に確保できるようになる。
第3の発明は、前記絶縁部材において、巻装されるスロット部外周側に、前記スロット内に巻装されるコイルを前記ティース部上のコイルエンドへと誘導するスロット外周側鍔部を、コイル積層形状に合わせてスロット内側を規制する形状に形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の電動機の固定子であり、一般的なスロット形状とインナー型ノズル巻線方式という通常使用される巻線方式で、整列巻された第1層目の上に順次多層の整列巻線を施すときの適用線径に応じたコイルエンド形状を規制するガイドを形成することにより、多層巻線の整列性を確保できるようになる。
第4の発明は、前記絶縁部材において、巻装されるスロット部内周側に、前記スロット内に巻装されるコイルを前記ティース部上のコイルエンドへと誘導するスロット内周側鍔部を、コイル積層形状に合わせてスロット内側を規制する形状に形成したことを特徴とする請求項3に記載の電動機の固定子であり、一般的なスロット形状とインナー型ノズル巻線方式という通常使用される巻線方式で、整列巻された第1層目の上に順次多層の整列巻線を施すときの適用線径に応じたコイルエンド形状を規制するガイドを形成することにより、多層巻線の整列性を確保できるようになる。
第5の発明は、前記絶縁部材において、前記ティース部外周側に前記ティース部に巻装されるコイルの巻始め線が導入される導入溝を形成したことを特徴とする請求項3または4に記載の電動機の固定子であり、一般的なスロット形状とインナー型ノズル巻線方式という通常使用される巻線方式で、巻始め線が最初にティース部端面上を通過するポイントを規定すると共に、第2層目のコイルが巻始め線上を渡る位置にて障害とならないよう巻始め線を表面から埋めてしまうことにより、第2層目以上の巻線の整列性を確保できるようになる。
本発明により、一般的なスロット形状でインナー型ノズル巻線方式という通常使用される巻線方法において、巻始め線の位置決めおよび第1層目の巻線の整列性が確保できるようになり、この整列性が向上した第1層上に形成されることで多層の巻線の整列性、収納性を向上させることができ、また積層されるコイルエンドの整列性も確保できることで、この固定子を搭載する電動機の銅損削減と高効率化に寄与することが可能となる。
本発明のインシュレータ形状例を示す部分外観図 本発明のインシュレータを装着したティース部の断面図 9スロットの本発明のインシュレータの場合の巻装工程の工程1の平面図 9スロットの本発明のインシュレータの場合の巻装工程の工程2の平面図 9スロットの本発明のインシュレータの場合の巻装工程の工程3の平面図 9スロットの本発明のインシュレータの場合の巻装工程の工程4の平面図 本発明のインシュレータ組付の構成例を示す部分外観図 スロット内のコイルの積層状態を示す部分断面図 ティース上に巻装された積層状態を示す部分断面図 本発明のティース外周側鍔部を示す部分外観図 従来のインシュレータ形状を示す部分外観図 従来のコイル位置決め溝を有するインシュレータ形状を示す部分外観図 従来のスロット形状例1を示す平面図 従来のスロット形状例2を示す平面図 従来のスロット形状例3を示す平面図 9スロットのインナー型ノズル巻線の例を示す平面図 6スロットのインナー型ノズル巻線の例を示す平面図 9スロットの従来のインシュレータの場合の巻装工程の工程1の平面図 9スロットの従来のインシュレータの場合の巻装工程の工程2の平面図 9スロットの従来のインシュレータの場合の巻装工程の工程3の平面図
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明のインシュレータ形状例を示したものである。ティース部端面33のスロット側両角部のうち巻線時にコイルが掛かり始める側の角部1辺331に、巻装されるコイル線径に応じ第1層目の巻始めから巻終りまでの全てのコイルに対してコイル保持溝34を形成している。
図2に本発明のインシュレータを装着した事例のティース部断面を示すが、前記機能を持つ上側インシュレータ301、下側インシュレータ302をコアティース12の両端面に相対して装着している。また両インシュレータ間を補うスロット内絶縁物として、スロット絶縁紙50を装着している。
それぞれのインシュレータは、ティース部端面33のスロット側両角部のうち巻線時にコイルが掛かり始める側の角部1辺331に、巻装されるコイル線径に応じ第1層目の巻始めから巻終りまでの全てのコイルに対してコイル保持溝34を形成している。また他方の角部1辺332は、巻装されるコイルが移動しやすいように、前記コイル保持溝34を有する角部1辺331との位置に高さの差を設けて、巻き付けられるコイルの角度βが鈍角となるように形成されている。
図3から図6は、9スロットのインナー型ノズル巻線に本願のインシュレータを装着した例で、巻始め線22のティース部12への巻装状況について工程を順次追って示している。
図3で下側から導入された巻始め線22は、ノズル40により左のスロット16の最奥に位置させて通過点411を抜ける。図4でノズル40を左のスロット16の最奥に位置させたままティース12上へ旋回し、ティース12のコイルが掛かり始める側の角部1辺331上に装備されたコイル保持溝34へと達する。この段階で巻始め線22はコイル保持溝34の最奥溝へと位置決め保持されることになる。図5でティース12上を振り角α旋回したノズル40は、右のスロット16を抜ける通過点412に達する。この段階でティース12に巻き付けられるコイル位置は他方の角部1辺332上の最奥ではない途中に掛かることになる。図6で、ノズル40は右のスロット16を抜けて右のスロット16の最奥側を通りながら、ティース12の下側インシュレータ302におけるコイルが掛かり始める側の角部1辺上に装備されたコイル保持溝34へと達する。この工程中、上側インシュレータ301の他方の角部1辺332に掛かったコイル20は、前記角部1辺331上に装備されたコイル保持溝34にて保持された点を支点にして、移動しやすい他方の角部1辺332上を滑りながら、右のスロット16最奥を移動するノズル40に誘導されて、右のスロット16の最奥へと移動することになる。これより以降、前記上側インシュレータ301にて行われた工程同様、下側インシュレータ302の角部1辺331上に装備されたコイル保持溝34により最奥にて保持される。
以下、ノズル位置を放射方向に移動させながら、順次巻線を施すことで第1層目の整列巻線が実現する。第2層目からは、前記第1層目により形成されたコイル条に沿いながら整列に巻装されることになる。
(実施の形態2)
図7は、本発明のインシュレータを組み付けた固定子のスロット部絶縁物の構成をしめすものである。固定子鉄心11の両端面に上側インシュレータ301と下側インシュレータ302が装着され、スロット内絶縁物として前記両インシュレータ間を補うスロット絶縁紙50が装着されている。固定子鉄心11のスロット形状に沿ってスロット壁面を覆うことでスロット内の絶縁を確保するスロット絶縁紙50に対し、両端面を覆う前記インシュレータ301、302は、一部スロット絶縁紙50と重複する鉄心嵌合部35を持つことで沿面絶縁距離を確保すると共に、スロット部外周側13においてスロット外周側鍔部36およびスロット部内周側14においてスロット内周側鍔部37という、スロット絶縁紙50端部でスロット内に覆い被さる形状を有している。
図8は、スロット内に巻装されたある線径のコイル20の積層状態を示すものである。また図9は、前記コイル20のティース12上に巻装された積層状態を断面にて示すものである。通常として、スロット形状は線径変更とは異なり安易に変更できるものではないため、前記図8に示されるようにスロット形状に沿ったスロット絶縁紙と整列巻線されたコイル積層形状の間には間隙60が発生することになる。また通常は、ティース部外周側15における絶縁部材のティース外周側鍔部31の形状形成がコイルエンドのコイルを積層して巻装していくガイドとなるが、前記図9で示されているようにティース部外周側コイルエンド形状が上層狭小形となり、このコイルエンド形状に沿ってティース部外周側15にて積層され巻装されるコイルをガイドする形状を形成することは事実上不可能なものとなる。
上述したようにティース部外周側15では不可能な積層され巻装されるコイルをガイドする機能を持たせたものが、前記図7におけるスロット外周側鍔部36およびスロット内周側鍔部37である。スロット部外周側13およびスロット部内周側14は、スロット部内に巻装されるコイルをティース12上のコイルエンドへと誘導する位置付けにある。スロット内でストレートに巻装されたコイルは、スロット部外周側13とスロット部内周側14に挟まれた領域にて、屈曲してティース上に誘導されコイルエンドとして積層されていく。スロット内よりストレートに立ち上がってきたコイルをスロット部外周側13とスロット部内周側14において、適用線径により形成されるコイルエンド形状に合わせたスロット外周側鍔部36およびスロット内周側鍔部37によりガイドすることで、積層されていくコイルを外枠にて保持し、積み上げられたコイルの崩れを防止することにより、一般的なスロット形状においても適用線径に対応した整列巻線が可能となる。
なお、前記インシュレータの樹脂成形において、コイル保持溝およびスロット外周側鍔部、スロット内周側鍔部の形状は、金型上の構造として嵌め込み型とすることで、線径に応じた形状変更が容易に行えるようになり、高額の金型を多面持つ必要は無くなる。
また、上記により基本的なコイルガイド機能を持たなくなったティース部外周側15において、図10に示すように、コイル底辺層のみのコイルガイドを持たせたティース外周側鍔部31に、巻始め線22導入用の導入溝38を設ける。前記導入溝38により、巻始め線22が最初にティース部端面上を通過するポイントを規定すると共に、第2層目のコイルが巻始め線22上を渡る位置にて障害とならないよう巻始め線22を表面から埋めてしまうことにより、第2層目以上の巻線の整列性を確保できるようになる。
本発明に係る電動機の固定子は、整列性が高く高密度の巻線が可能となるため、極めて高い効率が要求される密閉型圧縮機その他の機器への搭載に対して有用である。
10 固定子
11 固定子鉄心
12 ティース部
13 スロット部外周側
14 スロット部内周側
15 ティース部外周側
16 スロット
17 スロット底部
20 コイル
22 巻始め線
23 コイルの通過位置
30 インシュレータ
31 ティース外周側鍔部
32 内径側鍔部
33 ティース部端面
34 段差部
35 鉄心嵌合部
36 スロット外周側鍔部
37 スロット内周側鍔部
38 導入溝
40 ノズル
50 スロット絶縁紙
60 間隙
301 上側インシュレータ
302 下側インシュレータ
331 巻線時にコイルが掛かり始める側の角部1辺
332 他方の角部1辺
341 コイル保持溝
411 左のスロット通過点
412 右のスロット通過点

Claims (5)

  1. 環状のヨークと、前記ヨークの内周部に配置された複数のティースと、前記ティースの内径側先端に形成されるティース幅広部とから形成される固定子鉄心と、前記固定子鉄心の軸方向両端面およびスロット壁面に配置された絶縁部材と、前記絶縁部材を介して前記ティースに直に巻装された巻線とからなる電動機の固定子において、
    前記ティース部端面のスロット側両角部のうち巻線時にコイルが掛かり始める側の角部1辺にのみ、巻装されるコイル線径に応じ第1層目の巻始めから巻終りまでの全てのコイルに対してコイル保持溝を有する段差部を形成した絶縁部材を、前記固定子鉄心の軸方向端面上に相対して配置したことを特徴とする電動機の固定子。
  2. 前記電動機の固定子において、
    前記ティース部端面のスロット側両角部のうち巻線時にコイルが掛かり始める側の角部1辺にのみ、コイル保持溝を有する段差部を形成すると共に、段差部に掛かるコイル位置を他方の角部1辺に掛かるコイル位置より高くすることで、前記他方の角部1辺に掛かるコイルの屈曲角度を鈍角とした絶縁材を、前記固定子鉄心の軸方向端面上に相対して配置したことを特徴とする請求項1に記載の電動機の固定子。
  3. 前記絶縁部材において、巻装されるスロット部外周側に、前記スロット内に巻装されるコイルを前記ティース部上のコイルエンドへと誘導するスロット外周側鍔部を、コイル積層形状に合わせてスロット内側を規制する形状に形成したことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の電動機の固定子。
  4. 前記絶縁部材において、巻装されるスロット部内周側に、前記スロット内に巻装されるコイルを前記ティース部上のコイルエンドへと誘導するスロット内周側鍔部を、コイル積層形状に合わせてスロット内側を規制する形状に形成したことを特徴とする請求項3に記載の電動機の固定子。
  5. 前記絶縁部材において、前記ティース部外周側に前記ティース部に巻装されるコイルの巻始め線が導入される導入溝を形成したことを特徴とする請求項3又は請求項4のいずれかに記載の電動機の固定子。
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