JP2010136597A - モータ及びその巻線方法 - Google Patents

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敏信 篠原
Yoshinao Ochi
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Abstract

【課題】導電線を巻き付けることによって生じるインシュレータの変形を防止する。
【解決手段】コア4のティース部41に装着されたインシュレータ5の周りに導電線8を直接巻き付けることによってコイル6が形成されているモータである。インシュレータ5は、ティース部41の周りを覆うティース被覆部51と、ティース被覆部51の一方の端部から張り出すように設けられる規制ガイド壁部55等とを有している。コイル6は、インシュレータの規制ガイド壁部55側から導電線8が巻き付けられて多層状に形成されている。コイル8を形成している1巻目の導電線8のうち、巻き始め側の一部分8bが2層目の導電線8と入れ替わるようにコイル8の外側に位置している。
【選択図】 図5

Description

本発明は、モータ及びその巻線方法に関する。
従来より、ステータを構成しているコア(鉄芯)に、モータの半径方向に延びるように複数のティース部が形成されていて、これらティース部のそれぞれに、樹脂製のインシュレータを介して導電線を直接巻き付けてコイルを形成したモータがある。
そのようなコイルを形成する際には、導電線をできるだけ整列させて密に巻き付けるのが望ましいことから、導電線を位置決めするために、インシュレータの導電線を巻き付ける部分に溝や突起を設けたものがある(特開2002−284446)。
そこでは、導電線を乱れなく整列させて巻き付けるために、1巻目の導電線が誤って2巻目の位置に巻き付けられるようなことがあっても、1巻目の導電線が移動して2巻目の導電線が1巻目の導電線に乗り上げないよう、1巻目から数巻目までは位置決めしないようにしている。
特開2002−284446号公報
ところが、そのようにコイルの占積率を向上させるべく、ティース部の端から密に整列させて何層にも重ねながら導電線を巻き付けていくと、隣接する導電線どうしが互いに押し退け合って導電線の位置ずれが発生する。
例えば、そのような位置ずれの発生し易い部位の1つに導電線の巻き始め部分があり、1層目を形成する1巻目の導電線と2巻目の導電線との間に2層目の導電線が無理やり嵌り込むと、2巻目の導電線は3巻目や4巻目の導電線に支えられて位置ずれし難くなっているが、1巻目の導電線はコイルの端に位置して位置ずれし易くなっているため、嵌り込む2層目の導電線によって1巻目の導電線がティース部の端側に強く押し退けられて変位するようになる。
そうなると、1巻目の導電線がティース部の端側を覆っているインシュレータに突き当たり、インシュレータの変形を招くおそれがある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、インシュレータの変形を効果的に抑制することができ、コイルの占積率を向上させることができるモータ及びその巻線方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明では、導電線の巻き始めの一部分だけはティース部に巻き付けず、コイルの外側に外した状態でコイルを形成するようにした。
具体的には、モータの半径方向に延びるように形成されたティース部を有するコアと、前記ティース部に装着されるインシュレータと、前記インシュレータを介して前記ティース部の周りに設けられるコイルと、を備え、前記インシュレータは、前記ティース部の周りを覆うティース被覆部と、ティース被覆部の一方の端部から張り出すように設けられる規制ガイド部とを有し、前記コイルは、前記インシュレータの前記規制ガイド部側から導電線が巻き付けられて多層状に形成され、前記コイルを形成している1巻目の前記導電線のうち、巻き始め側の部分が前記コイルの外側に位置しているように構成した。
係る構成によれば、インシュレータで覆われたティース部の周りには、規制ガイド部が張り出している一方の端部側から導電線を巻き付けることによって多層状に導電線を積み重ねるようにコイルが形成されている。
したがって、本来ならば、1巻目の導電線は、ティース部の端部における最も端側の位置(規制ガイド部の近傍)からインシュレータに巻き付けられて、コイルの最下層に位置するはずであるが、その1巻目の導電線の巻き始め側の一部分(最初にティース部の周りに1巻される導電線の巻き始め側の一部分、巻き始め端部ともいう)は、コイルの外側に位置しているので、インシュレータの周りの導電線の巻き始め部分には導電線の無いスペースが形成される。
そうすると、導電線の巻き始め部分の上側に巻き付けられる2層目等の導電線は、形成されたスペースによって比較的自由に移動できるようになり、導電線の巻き始め部分での導電線どうしの押し退け合いを軽減することができる。巻き始め端部が押されてインシュレータの規制ガイド部に突き当たることも無くなるので、インシュレータの変形を効果的に抑制することができる。
具体的には、少なくとも1巻目の前記導電線が所定位置に巻き付けられるように、前記インシュレータには、1層目にくる前記導電線に当接してその巻き付け位置を案内する案内部が設けられており、1巻目の前記導電線のうち、前記巻き始め側の部分を除く部分が前記案内部に当接して前記所定位置に巻き付けられているようにしておくとよい。
係る構成によれば、少なくとも1巻目の導電線の大部分はインシュレータに設けられた案内部によって所定の巻き付け位置に案内されるので、導電線の巻き付け精度を向上させることができ、インシュレータの変形もより効果的に抑制することができる。
更に具体的には、2層目以上の前記導電線が、1巻目の前記導電線の巻き付け側の部分と入れ替わるように前記案内部に当接しているようにしておくのが好ましい。
そうすれば、巻き始め端部と入れ替わった導電線が案内部に当接して位置決めされるため、導電線の巻き付け精度をより向上させることができ、入れ替わった導電線がインシュレータを押し付けるのを規制してインシュレータの変形をよりいっそう効果的に抑制することができる。
特に、前記インシュレータは、被係合部材と係合する係合部を有し、前記係合部が、前記規制ガイド部と一体に形成されている場合に効果的である。
例えば、差し込まれるバスバー等の被係合部材を支持するバスバー支持部等の係合部が規制ガイド部と一体に形成されている場合には、規制ガイド部が導電線の作用で変形すると係合部も位置ずれして被係合部材との係合が困難になるという問題があるが、規制ガイド部の変形が効果的に抑制されるので、支障なく被係合部材と係合させることができる。
このようなモータは、例えば、導電線の1巻目の巻き始め端部をティース部に巻き付けないようにする巻線方法を用いることで実現できる。
具体的には、インシュレータが装着されているコアのティース部に導電線を巻き付けてコイルを形成するモータの巻線方法であって、前記導電線の1巻目の巻き始め側の端部を前記ティース部から離れた位置に保持しながら前記導電線を層状に巻き付ける工程と、層状に巻き付けた前記導電線の上から前記1巻目の巻き始め側の端部を巻き付ける工程とを含む巻線方法を採用すればよい。
係る構成の巻線方法によれば、導電線の1巻目の巻き始め側の端部がティース部から離れた位置に保持されているので、巻き始め端部がティース部に巻き付くことを阻止できる。そうした状態で導電線を巻き付けていけば、本来、巻き始め端部が位置する部位に導電線の無いスペースを形成した状態で導電線を層状に巻き付けてコイルを形成することができ、上記構成のモータを簡単に実現することができる。
以上説明したように、本発明によれば、巻き始め部分での導電線どうしの押し退け合いを防ぐことができるので、インシュレータの変形を効果的に抑制することができ、コイルの占積率を向上させることができるようになる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1に、本発明を適用したモータのステータ1をその軸方向から見た概略図を示す。同図に示すように、このモータのステータ1は、モータの軸方向に延びるように形成された円筒形状をしていて、その外周面はモータのハウジング(図示せず)の内周面に固定され、その内側には、ステータ1の内周面と僅かな隙間を隔てて略円柱形状のロータ(図示せず)が対向配置されている。尚、特に言及しない限り、以下の軸方向や半径方向、周方向は、このモータの軸方向等を表すものとする。
ステータ1は、複数(本実施形態では12個)の要素部材2、2、・・・を周方向に連結することによって形成されていて、その軸方向側の一端面には複数(本実施形態では3個)のバスバー3、3、3(被係合部材)が組み付けられている。すなわち、このモータは互いに電気角で120°の位相差を持つU、V、Wの3相の電流が供給されて励磁されるようになっており、これら3つのバスバー3は各U、V、W相に対応している。
各要素部材2には、図2にも示すように、それぞれ同形態の分割コア4aやインシュレータ5、コイル6などが備えられている。
分割コア4aは、略T字形状をした鋼板を積層して形成されたブロック状の部材であり、半径方向に延びて、軸方向側が長い断面矩形の略直方体形状をしたティース部41と、ティース部41における半径方向外側の端部の両側から周方向にそれぞれ円弧状に張り出す連結部42と、ティース部41における半径方向内側の端部の両側から周方向にそれぞれ連結部42よりも小さく円弧状に張り出す規制壁部43とを有している。
そして、規制壁部43側を内側に向けた状態で、各分割コア4aの連結部42どうしを互いに連結することによって1つの円筒状のコア4が構成されている。コア4の互いに隣接するティース部41とティース部41との間には、複数の空間(スロット7)が形成されている。
インシュレータ5は、比較的厚みの薄い合成樹脂製の保護カバーであり、コイル6とティース部41との間の絶縁性を確保するとともに、巻き付ける導電線8の被覆が剥がれたり切断されたりすることがないよう分割コア4aに装着されている。インシュレータ5は、一対の接合部材で構成されていて、各接合部材をそれぞれ分割コア4aの軸方向側から嵌め込んで一体に接合することによって形成されている。
詳しくは、インシュレータ5は、ティース部41の軸方向側の両端部及び両側部を覆うティース被覆部51と、ティース被覆部51の半径方向外側の端部に連なって連結部42の半径方向内側の部分を覆う外ガイド被覆部52と、ティース被覆部51の半径方向内側の端部に連なって規制壁部43の半径方向外側の部分を覆う内ガイド被覆部53と、外ガイド被覆部52に連なって連結部42の軸方向側の一方の端部を覆う端ガイド被覆部54と、端ガイド被覆部54側の外ガイド被覆部52の端部に連続して軸方向に延びるように設けられた規制ガイド壁部55とを備えている(図8参照)。尚、ティース被覆部51のティース部41の軸方向側の端部を覆う部分はティース被覆端部51aと、その側部を覆う部分はティース被覆側部51bともいう。
端ガイド被覆部54にはバスバー支持壁部56が周方向に延びるように立設されていて、このバスバー支持壁部56は、規制ガイド壁部55と所定の間隙を隔てて互いに対向している。これら規制ガイド壁部55とバスバー支持壁部56とで、バスバー3を支持するバスバー支持部57(係合部)が構成されている。
また、ティース被覆側部51bのそれぞれには、軸方向に沿って平行に延びる断面半円状の複数(本実施形態では5つ)の案内溝58(案内部)が、外ガイド被覆部52側から内ガイド被覆部53側に向かって第1案内溝58aから順に連続的に形成されている。
各コイル6は、各分割コア4aのティース部41の周りにインシュレータ5を介して被覆銅線等の導電線8を複数回(本実施形態では10回)巻き付けることによって多層状(本実施形態では2層)に形成されていて、ステータ1の12個の各スロット7にそれぞれ収められている。
このように、このモータのコイル6には比較的線径の太い導電線8が用いられていて、例えば、ティース部41の半径方向の長さ寸法(外ガイド被覆部52と内ガイド被覆部53との間)は、導電線8の線径(直径)の4倍〜8倍程度の大きさに設定され、導電線8を2層から3層巻き付けるように構成されている。
本実施形態では、隣接する2つの要素部材2、2の各コイル6、6が1本の導電線8によって形成されている。
図2〜図4は、その2つの要素部材2、2(第1部材2a及び第2部材2bともいう)を示しており、連続して各要素部材2のティース被覆部51の周りにそれぞれ導電線8が上下2層に巻き付けられることによって各コイル6は形成されている。具体的には、各コイル6において、第1層は導電線8を外ガイド被覆部52側から内ガイド被覆部53側に整列した状態でらせん状に6回巻き付けることによって形成され、第2層は内ガイド被覆部53側で導電線8が折り返されて、内ガイド被覆部53側から外ガイド被覆部52側に整列した状態でらせん状に導電線8を4回巻き付けることによって形成されている。
1巻目の導電線8は、端ガイド被覆部54のあるティース被覆端部51a側から入り込み、ティース被覆側部51bに形成された第1案内溝58aに嵌り込んで所定位置に案内されながらティース部41の周りを一周する。それに続いて2巻目等の導電線8も案内溝58に案内されながら巻き付けられ、第1層の導電線8のほとんどが案内溝58に嵌り込んで位置決めされるようになっている。
そうして、第1部材2aでコイル6を形成した後に、他方の第2部材2bに導電線8が渡って(この部分を渡り部8aともいう)、同様にしてコイル6が形成される。但し、両コイル6、6の巻き付けの向きは逆になっていて、本実施形態では、内ガイド被覆部53側から見て、第1部材2aでは反時計回りに導電線8が巻き付けられ、第2部材2bでは時計回りに導電線8が巻き付けられている。
図3、図4の各導電線8に付したa0等は、導電線8が巻き付けられている位置を巻き付け順に表している。例えば、第1部材2aを見たとき、巻き始めのa0の導電線8は紙面の表側から裏側に向かうようにスロット7に入ってb0、a1の位置に導電線8が巻き付けられて、b9の位置で紙面の裏側から表側に向かうようにスロット7を出て第2部材2b側に渡っている(ここでは、巻き始めのa0の導電線8が1層目にない点が重要である)。
第2部材2b側では、第1部材2a側から渡ってきた導電線8がc0の位置で紙面の表側から裏側に向かうようにスロット7に入って巻き始められ、d0、c1、・・・と巻き付けられて、d9の位置で紙面の裏側から表側に向かってスロット7を出て巻き終わるようになっている。
具体的には、第1部材2aではa0、b0、a1,b1、a2、b2、a3、b3、・・・、b8、a9、b9の順に巻き付けられ、これに続いて第2部材2bではc0、d0、c1、d1、c2、d2、c3、d3、・・・、d8、c9、d9の順に巻き付けられる。
このようにしてコイル6、6が形成された2つの要素部材2a、2bは、それぞれ互いに連結されて一体化される(これを2次要素部材2cともいう)。そして、これら6つの2次要素部材2c、2c、・・・どうしを互いに連結することによって、図1に示すような円筒状のステータ1が形成されている。
バスバー3は、細長い帯状の銅板を屈曲させて略円弧形状にしたプレス加工品であり、略円形状のステータ1を中心とした円の約180°分に亘ってステータ1に固定されている各バスバー3のそれぞれは、互いに隣接するバスバー3の端部どうしが半径方向に接触しないで近接して重なるように、インシュレータ5のバスバー支持部57の3箇所に差し込まれることによってステータ1に支持固定されている。
そして、これら各バスバー3の端部に、互いに対向している2次要素部材2c、2cの各導電線8の一端が接続されている。一方、互いに対向している2次要素部材2cの各導電線8の他端はステータ1から導出されて、それぞれ外部の電源等からU、V、W相の電流が供給されるようになっている。
ところで、このように直接要素部材2に導電線8を巻き付けてコイル6を形成する場合、1巻目の導電線8が2層目の導電線8に押し退けられて位置ずれを生じ、その作用でインシュレータ5の外ガイド被覆部52等が変形してバスバー支持部57が歪んでしまい、バスバー3を差し込むことが困難になるという問題があった。
例えば、図10は、そのような従来の巻線方法によるコイル6aが形成された要素部材2を示している。この要素部材2は、図2の第1部材2aに相当するものであり、各導電線8には、図3や図4と同様にその巻き付け位置を示す記号を示してある。尚、導電線8の巻き付け位置が異なる点を除けば各部材は本実施形態と同様であるため、各部材には同じ符号を用いている。
同図に示すように、従来のコイル6aでは、1巻目の導電線8(a0及びb0)はティース被覆部51の中でも最も外ガイド被覆部52に寄った部位に位置し、第1案内溝58aに嵌り込んでコイル6の1層目に位置している。
導電線8はらせん状に外ガイド被覆部52側から内ガイド被覆部53側に巻き付けられていくため、1巻目の導電線8の中でも、特に巻き始め側の部分(a0)は外ガイド被覆部52側近くに位置している。
そして、1層目の上側に2層目の導電線8が巻き付けられて、2層目の導電線8が1巻目の導電線8の上側に巻き付けられると、2巻目の導電線8(a1)と1巻目の導電線8(a0)との間にその2層目の導電線8(a9)が無理やり嵌り込む。そうすると、1巻目の巻き始め側の導電線8(a0)が矢印線で示すように、外ガイド被覆部52側に押し付けられて位置ずれを生じ、その結果インシュレータ5の変形を招くようになるのである。
尚、1巻目の巻き終わり側の導電線8(b0)は、2層目の導電線8がその導電線8と隣接する2巻目の導電線8(b1)との間に入り込まずに第2部材2b側に渡るため、位置ずれすることはない。
そこで、コイル6を形成している1巻目の導電線8のうち、巻き始め側の一部分がコイル6の外側に位置するように工夫して、巻き始め部分での導電線8の押し退け合いが生じないようにした。
図5に、その巻線方法でコイル6を形成した要素部材2を図10に対応させて示す。同図に示すように、このコイル6では、1巻目の巻き始め側の導電線8(a0)が、2層目の導電線8(a9)と巻き付け位置が入れ替わるように巻き付けられている。
すなわち、1巻目の巻き始め側の導電線8の一部分、詳しくは、最初に巻き付けられるティース被覆側部51b(図5では左側)の側に位置する導電線8の部分(巻き始め端部8bともいう)が、コイル6の外側に位置して自由に移動できるようになっており、その代わりに本来その上側に巻き付けられるはずであった2層目の導電線8(a9)が、巻き始め端部8bの下側に位置している。
1巻目の導電線8の巻き終わり側の部分(例えばb0)は従来通り第1案内溝58aに嵌り込んで位置決めされているが、巻き始め側の第1案内溝58aには2層目の導電線8(a9)が嵌り込んで位置決めされている。
このように、導電線8の巻き始めの部分では、導電線8どうしが比較的緩やかに当接するようになり、巻き始め端部8bの押し付けによるインシュレータ5の変形が効果的に抑制できるようになっている。
このような形態のコイル6は、例えば次のような巻線方法によって実現することができる。
図6は、その巻線時の概要を示したものであり、巻線作業は所定の巻線機を用いてほぼ自動的に行われる。
巻線機は、例えば上下対向状に設けられ、回転自在な第1回転軸11及び第2回転軸12や、第1回転軸11の上端に固定された第1治具13、第2回転軸12の下端に固定された第2治具14、第2治具14と第1治具13の間に配設される中間治具15、導電線8をその先端から供給し、上下方向及び水平方向に変位可能な導電線供給ノズル16などを備えている。本実施形態の各治具13,14,15は、要素部材2よりもひとまわり大きい矩形ブロック形状をしている。
第2治具14の下面や中間治具15の上面及び下面、第1治具13の上面には、それぞれ要素部材2の所定部分を受け入れて支持固定する支持凹部18が形成されている。そうして、第2治具14と中間治具15との間、中間治具15と第1治具13との間にそれぞれ要素部材2を入れ込んで、上下から挟み込むことで一対の要素部材2、2(例えば、第1部材2aと第2部材2b)が支持される。
例えば、図7にも示すように、第1治具13の上面には、要素部材2(第1部材2a)の連結部42側を受け入れるための第1支持凹部18aが形成されている。
第1回転軸11には、導電線8の端部を固定するための導電線固定部19が設けられている。また、第1治具13には、導電線8の巻き始め位置を位置決めする位置決め凹部20が形成されている。
位置決め凹部20は、導電線8の1巻目の巻き始め側の端部がティース部41から離れた位置に保持されるように配設されている。
詳しくは、位置決め凹部20は第1治具13の端部を切り欠くように形成されており、導電線8の巻き始め側の第1支持凹部18aの隅部近傍に位置している。そして、位置決め凹部20が、導電線8の1巻目の巻き始め側の端部が巻き付くティース被覆側部51bの略延長線上にある場合に比べて(仮想線で示す)、ティース被覆端部51aがある側の反対側に離れて配置されている。
導電線8の巻き付けは、例えば、次のようにして行われる。
図6のように巻線機に各要素部材2、2が取り付けられた後、導電線供給ノズル16から引き出された導電線8の端部が、導電線固定部19に固定され、位置決め凹部20に引っ掛けられる。そうして、第1回転軸11及び第2回転軸12が制御された所定の回転を行う間に、上下左右に移動制御される導電線供給ノズル16から導電線8が引き出されてティース被覆部51に巻き付けられ、各要素部材2に上述した所定構造のコイル6が形成される。
その際、第1部材2a側では、図7に示すように、導電線8の1巻目の巻き始め側の端部はティース被覆部51から離れた位置に保持されているので、巻き始め端部8bはティース被覆部51に巻き付くことができず、導電線8の巻き始めの部分に導電線8の無いスペース21が形成される。そして更に2層目の導電線8が巻き付けられると、2層目の導電線8の最後の部分がそのスペース21に嵌り込んで位置決めされた状態で第2部材2b側に導電線8が渡って巻き付けられる。
尚、図6のコイル6は簡略化して表してあるため、導電線8の渡り部8aが第1部材2aの中間治具15寄りの部分から導出されているが、実際は導電線8が2層に巻き付けられているので第1治具13寄りの部分から導出されている。また、第1部材2aと第2部材2bは、それぞれ導電線8の巻き付け方向が逆であるため、第1部材2aと第2部材2bとで第1回転軸11及び第2回転軸12はそれぞれ逆向きに回転するように制御されている。
そして、導電線固定部19に固定された導電線8を切断して、図8に示すように、その導電線8を層状に巻き付けた導電線8の上側に巻き付ける、より具体的には巻き始め端部8aで入れ替わった2層目の導電線8の上側に巻き付けることで巻線の工程は終了する。
その後、こうして得られる6つの2次要素部材2c、2c、・・・を組み合わせて円筒状に連結し、バスバー支持部57に各バスバー3を差し込んで、所定の導電線8をそのバスバー3に溶接すれば図1のステータ1を形成することができる。このとき、インシュレータ5の変形は効果的に抑制されているので、各バスバー3は支障なく差し込むことができる。
以上、説明したように、本発明によれば、ティース部41に導電線8を密に巻き付けることによって生じるインシュレータ5の変形が効果的に抑制されているので、作業性に優れ、よりコイル6の占積率を向上させることができるようになる。
なお、本発明にかかるモータ等は、前記の実施の形態に限定されず、それ以外の種々の構成をも包含する。
例えば、図9は、巻線方法の変形例を示している。ここでの各要素部材2は、それぞれの連結部42が背中合わせになった逆向きの状態で上下縦並びに配置されている。
例えば、中間治具15の上下面のそれぞれに、上記実施形態における連結部42側を受け入れるための第1支持凹部18a,18aが形成されていて、そこに第1部材2aと第2部材2bの各連結部42側の部分が受け入れられるようになっている。また、導電線固定部19は中間治具15の端面に、位置決め凹部20は中間治具15の下面にそれぞれ設けられている。
したがって、この場合、各要素部材2は逆向きに配置されているので、第1部材2a及び第2部材2bに導電線8を巻き付けるときには第1回転軸11及び第2回転軸12は同じ方向に回転すればよく、反転させずに済む。また、導電線8の渡り部8aが中間治具15寄りの部分から導出されるため、導電線8の渡り部8aの長さを相対的に短くできる利点がある。
その他、上記実施形態では、被係合部材としてバスバー3を例示したが、それに限らず、それ以外の電装部品や、モータのハウジングの一部等であってもよい。係合部の形態も突起や溝、穴等であってもよい。
ダブルクラッチ用のモータ等、車載モータに有効に利用できる。
本実施形態のモータのステータをその軸方向から見た概略図である。 導電線の巻き方を説明するための図である。 図2の要部拡大図である。 図2の要部拡大図である。 本実施形態のコイルの形態を表した要部拡大図である。 導電線の巻線方法を説明するための概略図である。(a)は正面図、(b)はその矢印X方向から見た側面図である。 図6の(b)における矢印Y方向から見た概略図である。 導電線の巻線方法を説明するための要部斜視図である。 導電線の巻線方法の変形例を説明するための概略図である。(a)は正面図、(b)はその矢印X方向から見た側面図である。 従来のコイルの形態を表した要部拡大図である。
符号の説明
1 ステータ
2 要素部材
3 バスバー(被係合部材)
4 コア
4a 分割コア
5 インシュレータ
6 コイル
7 スロット
8 導電線
8a 渡り部
41 ティース部
42 連結部
43 規制壁部
51 ティース被覆部
52 外ガイド被覆部
53 内ガイド被覆部
54 端ガイド被覆部
55 規制ガイド壁部
56 バスバー支持壁部
57 バスバー支持部(係合部)
58 案内溝(案内部)

Claims (5)

  1. モータの半径方向に延びるように形成されたティース部を有するコアと、前記ティース部に装着されるインシュレータと、前記インシュレータを介して前記ティース部の周りに設けられるコイルと、を備え、
    前記インシュレータは、前記ティース部の周りを覆うティース被覆部と、ティース被覆部の一方の端部から張り出すように設けられる規制ガイド部とを有し、
    前記コイルは、前記インシュレータの前記規制ガイド部側から導電線が巻き付けられて多層状に形成され、
    前記コイルを形成している1巻目の前記導電線のうち、巻き始め側の部分が前記コイルの外側に位置しているモータ。
  2. 請求項1に記載のモータであって、
    少なくとも1巻目の前記導電線が所定位置に巻き付けられるように、前記インシュレータには、1層目にくる前記導電線に当接してその巻き付け位置を案内する案内部が設けられており、
    1巻目の前記導電線のうち、前記巻き始め側の部分を除く部分が前記案内部に当接して前記所定位置に巻き付けられているモータ。
  3. 請求項2に記載のモータであって、
    2層目以上の前記導電線が、1巻目の前記導電線の巻き付け側の部分と入れ替わるように前記案内部に当接しているモータ。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載のモータであって、
    前記インシュレータは、被係合部材と係合する係合部を有し、
    前記係合部が、前記規制ガイド部と一体に形成されているモータ。
  5. インシュレータが装着されているコアのティース部に導電線を巻き付けてコイルを形成するモータの巻線方法であって、
    前記導電線の1巻目の巻き始め側の端部を前記ティース部から離れた位置に保持しながら前記導電線を層状に巻き付ける工程と、
    層状に巻き付けた前記導電線の上から前記1巻目の巻き始め側の端部を巻き付ける工程とを含む、モータの巻線方法。
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