JP4616652B2 - コイル製造装置 - Google Patents

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本発明は、変圧器などの環状コイルに係り、特に、導体素線の断面形状を変形させてコイルのコーナー部などの曲線状部分を形成する技術に関する。
本発明に関連した従来技術としては、例えば、特開2004−55714号公報(特許文献1)や特開2000−69721号公報(特許文献2)に記載されたものがある。特開2004−55714号公報には、多段コイルの製作を効率的に行うために、モータ動力を用いて、平角電線を対状の圧延ローラにより板厚方向に圧延した後、同心状に巻き回して環状コイルを形成する技術が記載され、特に、対状の上記圧延ローラは、コイルの曲線部の曲率半径に合せて平角電線の板厚方向への押当て角度を可変させる構成である旨記載されている。また、特開2000−69721号公報には、絶縁被覆付丸形導線を用いて平形導線(平角電線)の巻線コイルを製造する技術として、絶縁被覆付丸形導線を圧延ローラ間を通し、平形導線に変形した後、コイルの形態で巻取るとした技術が記載されている。
特開2004−55714号公報 特開2000−69721号公報
上記従来技術のうち、特開2004−55714号公報記載の技術では、圧延ローラの平角電線への押当て角度を可変させることでコイルの曲線部(コーナー部)の所定の曲率半径に合せた圧延を行うようにしているため、曲率半径が小さい場合や圧延ローラによる板厚方向の圧延変形量が多い場合には、圧延時に、電線に巻かれている絶縁紙や絶縁フィルムなどの絶縁物が破損し易く、そのため短絡などが発生するおそれがある。さらに、圧延ローラの傾きや電線への押当て量、電線素材の寸法ばらつきや展延性などの材質特性のばらつきなどによってもコイル形状が変わるが、該コイル形状の修正が難しい。また、特開2000−69721号公報記載の技術は、単に、絶縁被覆付丸形導線を圧延して平形導線(平角電線)としたものを自動的に巻き取ってコイル状とする技術に過ぎず、コイルの曲線部(コーナー部)において絶縁被覆の破壊や導体占積率の低下などを生じ易いことが懸念される。
本発明の課題点は、上記従来技術の状況に鑑み、変圧器用などのコイル技術として、環状コイルのコーナー部など曲線状部分(曲線部)においても、絶縁被覆の破壊や導体占積率の低下などが生じないようにすることである。
本発明の目的は、かかる課題点を解決して、信頼性と低損失を確保可能なコイル技術を提供することにある。
上記課題点を解決するために、本発明では、環状コイルの曲線状部分を形成するコイル素線部分に対しては、第1のローラによりコイル素線を、その断面内で環状コイルの内周側寄りの部分よりも外周側寄りの部分の変形量を多くして圧延し、長さ方向に曲げ変形させた後、さらに、第2のローラにより、上記断面が変形された素線部分をその長さ方向の所定位置ではさみ込んで規制することで該素線部分を曲げ変形させ、上記第1のローラによる上記圧延に基づく曲げ変形と上記第2のローラによる上記曲げ変形とにより、所定の曲率の曲線状部分を形成する。第1のローラは、上記曲線状部分の曲率に対応して回転軸の傾斜角が変化され、該傾斜角変化により前記コイル素線への押当て面の傾斜角が可変される構成であり、上記第2のローラは、上記コイル素線の長さ方向に対するそれぞれの位置が上記曲線状部分の曲率に応じて可変される構成であり、環状コイルの上記曲線状部分を形成するときは、移動される上記コイル素線を上記第1のローラにより圧延し、該コイル素線の断面内の圧延変形量の差によってコイル素線を長さ方向に曲げ変形させ、該曲げ変形した該コイル素線を上記第2のローラにより幅方向に規制してさらに曲げ変形させ、また、環状コイルの直線状部分を形成するときは、上記第2のローラはローラ移動手段により上記コイル素線の上記幅方向規制位置から退避させかつ上記コイル素線への上記第1のローラの押当て面を互いに平行にして該コイル素線を圧延する。すなわち、上記曲線状部分所定の曲率とするために、該曲率に対応して、上記第1のローラの、コイル素線への押当て面の傾斜角を可変し、上記第2のローラそれぞれの、コイル素線の長さ方向に対する位置を可変する。
本発明によれば、環状コイルのコーナー部など曲線状部分(曲線部)においても、絶縁被覆の破壊や導体占積率の低下などを抑えることができ、この結果、コイル及びそれを用いた変圧器などの信頼性向上、損失低減等を図ることができる。
以下、本発明の実施例につき、図面を用いて説明する。
図1〜図9は、本発明の実施例の説明図である。図1は、本発明の実施例としての変圧器の外観図、図2〜図5は、本発明の実施例としての、図1の変圧器に用いる矩形状の環状コイルの構成とその製造方法を示す図、図6は、本発明の実施例としてのコイル製造装置の構成例図、図7は、図6のコイル製造装置の動作説明図、図8は楕円状環状コイルの例、図9は多角形状環状コイルの例である。
図1は本発明の実施例としての3相式変圧器の構成例を示す。図1において、1は3相式変圧器、2は変圧器コイルとしての環状コイル、2uは、環状コイル2のうちU相の環状コイル、2vは同じくV相の環状コイル、2wは同じくW相の環状コイル、3は、磁気回路を形成するための鉄心、4uはU相の環状コイル2uの端子、4vはV相の環状コイル2vの端子、4wはW相の環状コイル2wの端子である。各相の環状コイル2u、2v、2wはそれぞれ、鉄心3の各相に該当する部分にはめ込まれている。該各相の環状コイル2u、2v、2wそれぞれは、鉄心3の断面形状に対応して矩形状とされ、それぞれコイル素線が、巻型(巻芯)を用いずかつ層間に絶縁紙などの絶縁材を挿入せずに多段に積層されて巻かれた構成を有する。コイル素線としては、断面が矩形状の平角導線(平形導線、平角電線)を用いるとする。
図2は、図1の変圧器1に用いる矩形状の環状コイル2の構成とその製造方法を示す図である。本図2は、多段に積層されて成る矩形状の環状コイル2の4つの曲線状部分である4つのコーナー部のうちの1つの構成と、コイル素線により該コーナー部を形成する方法とを示す。
図2において、2aは環状コイル2の曲線状部分としてのコーナー部、21はコイル素線、211は、コイル素線21のうち、最も内周側に巻かれるコイル素線、212は、同じくコイル素線211の外周側に巻かれるコイル素線、213は、同じくコイル素線212のさらに外周側に巻かれるコイル素線、214は、同じく最も外周側に巻かれるコイル素線、30a、30bは、コイル素線21をその板厚の両側方向からはさみ込み、回転しながら該コイル素線21を圧延し、該圧延により該コイル素線21を、その断面を所定量変形させるとともに長さ方向に曲げ変形させる対状の第1のローラ、41aと41b、42aと42b、43aと43b、44aと44bはそれぞれ、上記断面を圧延変形された素線21の長さ方向の所定位置で該素線21を、該素線21の幅方向からはさみ込んで規制し、回転しながら該素線21に上記位置に対応した所定の曲げ変形を与える対状の第2のローラ、21aは、コイル素線21上の、第1のローラ30a、30bの部分に進入(進入方向:矢印Fの方向)する前の位置にある素線部分、21bは、第1のローラ30a、30bにより圧延された後のコイル素線21上の素線部分、αは、第1のローラ30a、30bそれぞれの、素線21への押当て面の傾斜角である。本図2は、コイル素線211を、第1のローラ30a、30bと第2のローラ41a、41b、42a、42b、43a、43b、44a、44bにより、曲げ変形させて所定の曲率の曲線状とする場合を示す。
上記第1のローラ30a、30bの傾斜角αは、各素線21の断面内でコーナー部2aの内周側寄りの部分よりも外周側寄りの部分での圧延変形量を多くして、該外周側寄りの部分での素線21の圧延による伸び量を該内周側寄りの部分よりも大きくし、該伸び量によって該素線21を曲げ変形させるために設けてある。該傾斜角αを大きくするほど、コーナー部2a(または環状コイル2)の内周側寄りの部分と外周側寄りの部分との圧延変形量の差を大きくすることができ、該素線21の上記両部分での伸び量の差も大きくすることができて、コーナー部2aにおける素線21の曲げ変形の曲率を増大させることができる(=曲率半径を小さくすることができる)。第1のローラ30a、30bは、コーナー部2aの曲率に対応して該傾斜角αを可変させることができる構成になっており、例えば、該コーナー部2aを形成するとき、曲率の最も大きい(=曲率半径の最も小さい)最内周側の素線211の圧延に当っては、素線212、213、214の場合よりも大きい傾斜角とし、曲率の最も小さい(=曲率半径の最も大きい)最外周側の素線214の圧延に当っては、素線211、212、213の場合よりも小さい傾斜角とする。素線212、213の圧延の場合も、それぞれのコーナー部2aの曲率に対応した傾斜角とする。
コイル素線21は、素線移動手段(図示なし)により、その長さ方向(矢印Fの方向)の移動力を与えられ、上記第1のローラ30a、30b及び上記第2のローラ41a、41b、42a、42b、43a、43b、44a、44bの位置を通過して、変形を与えられる。該素線移動手段(図示なし)は、上記第1のローラ30a、30bよりも前段側において、素線21を矢印Fの方向に移動させるように該素線21に移動力を与える手段と、上記第2のローラ41a、41b、42a、42b、43a、43b、44a、44bよりも後段側において、積層され環状に形成されるコイル部を支えかつ回転させる等しながら、該素線21に矢印Fの方向の移動力を与える手段とを備える。
上記構成において、平角導線の素線21が傾斜角αを有する第1のローラ30a、30b間に進入すると、該素線21は、該第1のローラ30a、30bにより、断面内でコーナー部2a(または環状コイル2)の内周側寄りの部分よりも外周側寄りの部分における板厚方向の変形量(圧延変形量)が多くなるように圧延される。該圧延変形により、該素線21は、素線部分21bにおいて、上記外周側寄りの部分での素線21の長さ方向の伸び量が上記内周側寄りの部分よりも大きくなって、該外周側寄りの部分の伸び量と該内周側寄りの部分の伸び量との差に対応した曲率の曲げ変形を生じ、コーナー部2a(または環状コイル2)の内周側に曲がった形状となる。さらに、該曲がった形状の素線部分21bは、コーナー部2aの曲率に対応した所定位置の第2のローラ41aと41b、42aと42b、43aと43b、44aと44bのそれぞれにより、素線21の幅方向からはさまれて規制され、上記圧延による曲げ変形に加えてさらに、該第2のローラ41aと41b、42aと42b、43aと43b、44aと44bのそれぞれの位置に対応した曲げ変形が与えられる。素線21は、第1のローラ30a、30bによる曲げ変形と第2のローラ41aと41b、42aと42b、43aと43b、44aと44bによる曲げ変形とにより、コーナー部2aにおいて所定の曲率または曲率半径の曲線を形成する。
図2では、素線211によりコーナー部2aを形成する場合を示しているが、素線212、213及び214の場合も同様である。ただし、素線212の場合は、素線211の場合よりもコーナー部2aにおける曲率が小さい(=曲率半径が大きい)ために、第1のローラ30a、30bの上記傾斜角αを、素線211の場合よりも小さい値とし、かつ、第2のローラ41aと41b、42aと42b、43aと43b、44aと44bの位置を該素線212のコーナー部2aにおける曲率に対応した位置とする。素線213の場合は、素線212の場合よりもコーナー部2aにおける曲率が小さい(=曲率半径が大きい)ために、上記傾斜角αを、素線212の場合よりも小さい値とし、かつ、第2のローラ41aと41b、42aと42b、43aと43b、44aと44bの位置を該素線213のコーナー部2aにおける曲率に対応した位置とする。同様に、素線214の場合は、素線213の場合よりもさらに、コーナー部2aにおける曲率が小さい(=曲率半径が大きい)ために、上記傾斜角αを、素線213の場合よりもさらに小さい値とし、かつ、第2のローラ41aと41b、42aと42b、43aと43b、44aと44bの位置を該素線214のコーナー部2aにおける曲率に対応した位置とする。環状コイル2の、他の3つのコーナー部についても上記コーナー部2aの場合と同様にして、それぞれの素線211、212、213、214につき所定の曲率(または曲率半径)の曲線を形成する。
図3は、図2における環状コイル2のコイル素線21と第1、第2のローラとの関係の説明図である。(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は、素線部分21bのA−A断面図である。図3において、wは素線部分21bの幅、tは、素線部分21bにおけるコーナー部2aの内周側寄りの部分の厚さ、tは、素線部分21bにおけるコーナー部2aの外周側寄りの部分の厚さ、22は、素線部分21bにおける導体部、23は絶縁被覆である。他の符号は上記図2の場合と同様である。素線21は、第1のローラ30a、30bによる圧延によって、その断面内でコーナー部2aの内周側寄りの部分よりも外周側寄りの部分における板厚方向の変形量(圧延変形量)が多くなるように変形される。すなわち、コーナー部2aの外周側寄りの部分の厚さtが、内周側寄りの部分の厚さtよりも小さくなるようにされる。該圧延変形により、該素線21は、素線部分21bにおいて、その長さ方向に曲げ変形される。すなわち、素線21は、該圧延変形により、上記外周側寄りの部分での長さ方向の伸び量が上記内周側寄りの部分の伸び量よりも大きくなって、図3(a)の二点鎖線で示すように、該外周側寄りの部分の伸び量と該内周側寄りの部分の伸び量との差に対応した曲率で曲げ変形し、内周側に曲がった曲線となる。さらに、該二点鎖線で示される曲線状の素線部分21bは、第2のローラ41aと41b、42aと42b、43aと43b、44aと44bのそれぞれによって、所定位置で、幅方向からはさまれて規制され、上記圧延に基づく曲げ変形に加えてさらに、該第2のローラ41aと41b、42aと42b、43aと43b、44aと44bのそれぞれの位置に対応した所定の曲げ変形を受ける。素線21は、該両曲げ変形(第1のローラによる曲げ変形と第2のローラによる曲げ変形)により、コーナー部2aにおいて所定の曲率または曲率半径の曲線を形成する。
図4は、図1の変圧器1中の矩形状の環状コイル2の構成とその製造方法を示す図であって、該製造方法としては、矩形状の環状コイル2の4つのコーナー部相互間の4つの直線状部分のうちの1つをコイル素線21により形成する際の方法を示す。
図4において、2bは環状コイル2の上記1つの直線状部分であってコーナー部2aに続く直線状部分、21cは、コイル素線21上の、第1のローラ30a、30bで圧延変形された後の素線部分であって直線状部分2bを形成する素線部分であり、他の符号は、上記図2の場合と同様である。素線21上において、上記直線状部分2bは、上記コーナー部2aに引続いて形成される。該直線状部分2bを形成するとき、第1のローラ30a、30bは、素線21への押当て面の傾斜角αを略0°とされ、素線21への押当て面が互いに略平行された状態で該素線21に所定の圧延力を与える。このとき、第2のローラ41a、41b、42a、42b、43a、43b、44a、44bは、例えば、それぞれが、素線21の幅方向の端面から離間した位置に移動され、素線21の規制状態を解除する。すなわち、該直線状部分2bの形成に当っては、素線21に対し第1のローラ30a、30bによる圧延のみが施され、第2のローラ41a、41b、42a、42b、43a、43b、44a、44bによる変形はない。しかも、該第1のローラ30a、30bは、素線21それぞれの断面内で、環状コイル2の内周側寄りの部分と外周側寄りの部分の圧延変形量が略等しくなるように該素線21を圧延する。このため、基本的には、該第1のローラ30a、30bによる圧延変形に基づく該素線21の長さ方向の曲げ変形は生じない。
なお、上記図4では、素線211により直線状部分2bを形成する場合を示しているが、素線212、213及び214の場合についても同様である。また、環状コイル2上の他の3つの直線状部分についても同様である。
図5は、図4におけるコイル素線21と第1、第2のローラとの関係の説明図である。(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は、素線部分21bのA'−A'断面図である。図5において、各符号は上記図3の場合と同様である。素線21は、第1のローラ30a、30bによる圧延によって、その断面内でコーナー部2aの内周側寄りの部分よりも外周側寄りの部分における板厚方向の変形量(圧延変形量)が略等しくなるように変形される。すなわち、コーナー部2aの外周側寄りの部分でも、内周側寄りの部分でもともに、板厚はtとされる。このため、素線21は、該圧延変形により、上記外周側寄りの部分での長さ方向の伸び量が上記内周側寄りの部分の伸び量と略等しくなり、基本的に、該圧延変形によっては、素線部分21bに曲げ変形は生じず、直線状のままとされる。また、第2のローラ41a、41b、42a、42b、43a、43b、44a、44bのそれぞれも、素線21の直線状の素線部分21bにおいて、素線21の幅方向の端面から離間した位置に移動されるため、素線部分21bに対し、曲げ変形を与えない。
図6は、本発明の実施例としてのコイル製造装置の構成例図である。本コイル製造装置は、矩形状の環状コイル2を、上記図2〜図5で説明した方法により製造する。
図6において、40a、40bは第2のローラ、50a、50bは、第2のローラ40a、40bに連結されるローラ連結部、60a、60bは、ローラ連結部50a、50bを上げ下げする上下シリンダ、70a、70bはねじ、80a、80bは、ねじ70a、70bを回転駆動するパルスモータである。ローラ連結部50a、50b、上下シリンダ60a、60b、ねじ70a、70b及びパルスモータ80a、80bは、コイル製造装置内において、第2のローラ40a、40bの位置を移動させるローラ移動手段を構成している。第2のローラ40aは、例えば、図2〜図5に示した第2のローラ41a、42a、43a、44aに相当し、第2のローラ40bは、同じく第2のローラ41b、42b、43b、44bに相当する。対状の第1のローラ及びその駆動手段や素線移動手段も、該コイル製造装置内に設けられるものとする(いずれも図6中に図示なし)。
図6の構成において、矩形状の環状コイル2を製造する場合、環状コイル2上の曲線状部分としてのコーナー部を形成するときは、図2及び図3に示したように、第1のローラを、傾斜角αでコイル素線21を圧延する位置に設定し、第2のローラ40a、40bを、該第1のローラの後段において該素線21の幅方向を規制し、該素線21に曲げ変形を与える位置に移動させる。該第2のローラ40a、40bの該移動は、パルスモータ80a、80b、ねじ70a、70b、上下シリンダ60a、60b及びローラ連結部50a、50bを用いて行う。すなわち、先ず、上下シリンダ60a、60bによって、ローラ連結部50a、50bを介し第2のローラ40a、40bのそれぞれを、コイル素線21に対して適切な高さ位置に移動させ、次に、パルスモータ80a、80bによって、ねじ70a、70bのそれぞれを所定量回転させ、ローラ連結部50a、50bを介し第2のローラ40a、40bのそれぞれを、コイル素線21の幅方向を規制する所定位置に移動させる。該状態で、コイル素線21に対し、第1のローラによる圧延と第2のローラ40a、40bによる曲げ変形を与え、所定の曲率のコーナー部を形成する。また、環状コイル2上の直線状部分を形成するときは、図4及び図5に示したように、対状の第1のローラを、コイル素線21への押当て面が互いに略平行な状態で該素線21を圧延する位置に設定し、第2のローラ40a、40bは、該素線21の幅方向を規制する位置から退避させる。該第2のローラ40a、40bの該退避移動も、やはり、パルスモータ80a、80b、ねじ70a、70b、上下シリンダ60a、60b及びローラ連結部50a、50bを用いて行う。すなわち、先ず、パルスモータ80a、80bによって、ねじ70a、70bのそれぞれを所定量回転させ、ローラ連結部50a、50bを介して第2のローラ40a、40bのそれぞれを、コイル素線21の幅方向規制位置から所定量退避移動させる。次に、上下シリンダ60a、60bによって、ローラ連結部50a、50bを介し第2のローラ40a、40bのそれぞれを、コイル素線21に対して適切な高さ位置に退避移動させる。該状態で、コイル素線21に対し、第1のローラのみによる圧延変形を与え、所定の直線状部分を形成する。
図7は、上記図6のコイル製造装置の動作説明図である。
図7において、(a)、(b)は、環状コイル2のコーナー部の形成動作を示し、(c)は直線状部分の形成動作を示す。コーナー部の形成時は、移動されるコイル素線21を、傾斜角をもって位置設定された第1のローラ30a、30bにより圧延し、該圧延によって該素線21に曲げ変形を生じさせる。このとき、第2のローラ40a、40bはその一部のものが、圧延された素線部分21bに接しその幅方向を規制する。図では第2のローラ41a、41bが素線部分21bに接している(図7(a))。さらに、第1のローラ30a、30bによりコイル素線21が圧延され、圧延された素線部分21bの長さが増大すると、第2のローラ40a、40bのうちの残りローラ42a、42b、43a、43b、44a、44bも、次第に、該圧延された素線部分21bに接してその幅方向を規制するようになる(図7(b))。図7(b)において、点線で示される素線部分21bは、第1のローラ30a、30bによる圧延に基づく曲げ変形だけがされた状態すなわち第2のローラ40a、40bによる規制は行わない状態の素線部分21bを示す。また、上記コーナー部に続く直線状部分の形成時は、コイル素線21への第1のローラ30a、30bの押当て面が互いに略平行になるようにして該素線21を圧延し、第2のローラ40a、40bは、該素線21の幅方向を規制する位置から退避させる(図7(c))。図7(c)において、21bは、上記図7(a)、図7(b)の状態で第1のローラ30a、30bにより圧延された素線部分、21bは、図7(c)の状態で第1のローラ30a、30bにより圧延された素線部分、Lは、同じく図7(c)の状態で第1のローラ30a、30bによって圧延された素線21の直線状部分の長さである。
図8は楕円状環状コイルの例を示し、図9は多角形状環状コイルの例を示す((a)は8角形状環状コイル、(b)は6角形状環状コイル)。楕円状環状コイルの場合は、傾斜角αを設定された第1のローラ30a、30bと、第2のローラ41a、41b、42a、42b、43a、43b、44a、44bとにより、所定の曲率の曲線状部分を環状コイル上に形成する。曲線状部分の曲率の大小への対応は、第1のローラ30a、30bの傾斜角αの値の変化と、第2のローラ41a、41b、42a、42b、43a、43b、44a、44bそれぞれの位置の変化とで対応し、曲率の大きい部分では該傾斜角αを相対的に大きくし、曲率の小さい部分では該傾斜角αを相対的に小さくする。多角形状環状コイルの場合は、上記図2〜図7で説明した矩形状環状コイルの場合と、基本的に同様である。
上記本発明の実施例によれば、積層構造の環状コイルにおいて、層間に絶縁材を挿入しないでも、特にコーナー部など曲線状部分(曲線部)における絶縁被覆の破壊や導体占積率の低下などを抑えることができ、コイルとしての信頼性向上、損失低減、低コスト化などを図ることができるとともに、これを用いた変圧器においても、信頼性の確保や、効率の向上、低コスト化などを図ることができる。導体占積率の低下を抑えることによっては、コイル素線の導体長を節約でき、この点からの低コスト化も可能となる。また、コイルのコーナー部の曲率を制御することができるため、コイル精度を改善することができ、寸法や性能のはらつきを抑えることができる。
なお、上記実施例においては、第1のローラを1対、第2のローラを4対設ける構成としたが、本発明はこれに限定されず、第1、第2のローラとも、他の対数であってもよい。また、上記実施例では、環状コイルのコーナー部など曲線状部分を形成するとき、第2のローラは、複数対のローラ全部を用いてコイル素線の幅方向を規制する構成としたが、本発明はこれにも限定されず、複数対のローラのうちの一部を用いてコイル素線を規制し曲げ変形させる構成としてもよい。また、環状コイルの直線状部分を形成するとき、第2のローラは、素線から離間した位置に退避する構成としたが、退避せずに、例えば、直線状に所定間隔で配列された位置で該素線の直線状部分の幅方向端面に接して該素線が直線状となるよう規制してもよい。また、上記実施例では、環状コイル内で、曲線状部分の形成後に直線状部分を形成する場合につき説明したが、直線状部分の形成後に曲線状部分を形成する場合も同様である。
本発明の実施例としての変圧器の外観図である。 本発明の環状コイルの曲線状部分の製造方法を示す図である。 図2における環状コイルのコイル素線とローラとの関係を示す図である。 本発明の環状コイルの直線状部分の製造方法を示す図である。 図4における環状コイルのコイル素線とローラとの関係を示す図である。 本発明の実施例としてのコイル製造装置の構成例図である。 図6のコイル製造装置の動作説明図である。 楕円状環状コイルの例を示す図である。 多角形状環状コイルの例を示す図である。
符号の説明
1…3相式変圧器、
2、2u、2v、2w…環状コイル、
3…鉄心、
4u、4v、4w…端子、
2a…コーナー部、
21、211、212、213、214…コイル素線、
30a、30b…第1のローラ、
40a、40b、41a、41b、42a、42b、43a、43b、44a、44b…第2のローラ、
50a、50b…ローラ連結部、
60a、60b…上下シリンダ、
70a、70b…ねじ、
80a、80b…パルスモータ。

Claims (1)

  1. 曲線状部分と直線状部分とを有する環状コイルを製造するコイル製造装置であって、
    回転しながらコイル素線を圧延し該コイル素線の断面内で前記環状コイルの内周側寄りの部分よりも外周側寄りの部分の圧延変形量を多く該圧延変形量の差により該コイル素線を長さ方向に曲げ変形させる対状の第1のローラと、
    前記第1のローラよりも後段に複数対前記コイル素線の長さ方向に沿って配され、該コイル素線の前記曲げ変形された部分を、該コイル素線の長さ方向の複数箇所において該コイル素線の幅方向からはさんで規制し、回転しながら該コイル素線に対し前記配された位置に対応した曲げ変形を与え、環状コイルに所定の曲率の曲線状部分を形成する対状の第2のローラと、
    前記コイル素線移動力を与え、該コイル素線を長さ方向に移動させて前記第1、第2のローラの位置を通過させる素線移動手段と、
    前記第2のローラの位置を移動させるローラ移動手段と、
    を備え、
    前記第1のローラは、前記曲線状部分の曲率に対応して回転軸の傾斜角が変化され、該回転軸の傾斜角変化により前記コイル素線への押当て面の傾斜角が可変される構成であり、
    前記第2のローラは、前記コイル素線の長さ方向に対する該ローラ対の位置が、前記曲線状部分の曲率に応じて可変される構成であり、
    前記環状コイルの曲線状部分を形成するときは、前記素線移動手段により移動される前記コイル素線を、前記第1のローラにより圧延し、該コイル素線の断面内の圧延変形量の差によって長さ方向に曲げ変形させ、該曲げ変形した該コイル素線を前記第2のローラにより幅方向に規制し該第2のローラの位置に対応して該コイル素線をさらに曲げ変形させ、また、前記環状コイルの直線状部分を形成するときは、前記第2のローラを前記ローラ移動手段により前記コイル素線の前記幅方向規制位置から退避させ、かつ、前記第1のローラの前記コイル素線への押当て面を互いに平行にして該第1のローラにより該コイル素線を圧延する構成としたことを特徴とするコイル製造装置。
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