JP5275572B2 - 床下配管工法 - Google Patents

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本発明は、アパートなどの集合住宅や一戸建て住宅など既設の住宅の床下に管材を敷設する工法に関する。
住宅のリフォーム工事で、部屋の間取りを変えるために洗面所などの水廻り設備を別の部屋に移動する場合は、移動する場所まで給水管や給湯管、排水管を敷設する配管工事を行う必要がある。
この場合に、床下は狭いため、作業者が床下に潜って工事することは困難であり、床下に配管を敷設するときは床板をはつって(剥がして)工事しなければならず、工事が大掛かりとなって工期とコストがかかってしまう。また、アパートなどで居住者が別の部屋で生活ができない居住環境では、居住者が住んだままで床板をはつる工事ができないという問題もある。
一方、室内に配管を引き回すことも可能であるが、それでは露出した配管で室内の美観が損なわれ、居住者の生活にも支障が生じかねない。
そこで、マンションや高層アパートなどの集合住宅では、将来水廻り設備の配置替えといった室内のリフォームが行われることを想定して、予め住居内の各部屋に亘るように給排水用の配管を床下に敷設しておき、或いは余分に複数本の管材を敷設しておくとともに、室内の床面を取り外し自在に設けておいて、床板をはつらずに床下の配管工事ができるようにしているところもある(例えば特許文献1、2、3参照)。
特開平11−193880号公報 特開平11−201323号公報 特開平11−210031号公報
近時のリフォーム需要の増加の要因の一つには、1970年代から1980年代に供給された戸建住宅やマンションが大量にあり、景気低迷によりこれらの建替えや買い替えが難しくなったことが挙げられる。リフォーム需要が最も多いこれら築20年を超える住宅は、前述のリフォームを想定した床下配管構造は備えておらず、床下に新たに配管を敷設するリフォーム工事は床板をはつって行わなければならない。床板をはつることなく床下に配管を敷設する手法は確立していないのが実状である。
本発明は従来技術の有するこのような問題点に鑑み、リフォームなどで床下に管材を敷設する配管工事を行う場合に、床板をはつることなく、床上における作業によって床下に確実且つ短時間で管材を敷設できるようにすることを課題とする。
前記課題を解決するため本発明の床下配管工法は、床面に少なくとも一対の開口を形成する開口形成工程と、可撓性を有する棒状の通管具を床上から一方の開口を通して床下に入れ、この通管具の先端を他方の開口から床上に押し出す通管処理工程と、他方の開口側で床下に通した通管具を床上へ牽引するのに伴って通管具の後端に接続した管材を一方の開口を通して床下に入れ、両開口間に管材を敷設する敷設処理工程と、両開口において床下に敷設された管材と既設の他の管材や設備類と接続する接続処理工程と、床上から開口を通して床下に床板支持具を入れ、床下面上に立設させた床板支持具で開口周辺の床板を支持させるとともに、開口に蓋具を取り付けて開口を塞ぐ復旧処理工程と、を経て床下に管材を敷設するようにしたものである。
前記の通り、本発明の床下配管工法は、開口形成工程、通管処理工程、敷設処理工程、接続処理工程及び復旧処理工程の各工程により構成され、これにより、床板をはつることなく、また、作業者が床下に潜ることもなく、床上における作業のみで、コストをかけずに床下への管材の敷設を短時間で行えるようにしたものである。
前記構成において、開口形成工程は、例えば洗面台を別の部屋に移し替える場合に、洗面台が設置されていた場所の床面と、移設する部屋の床面とに、管材を通すための開口を形成する作業工程である。この場合に、元の設置場所の床面に、管材を床下に通すことのできる大きさの開口が形成されていたときには、その開口をそのまま利用することができる。
この開口は住宅の床面に三つ以上形成されることがある。例えば移設に伴って洗面台に給湯管を新たに接続するときは給湯元となる部屋の床面にも開口が形成され、この開口と前記移設先の部屋の床面の開口との間に管材が敷設されることとなる。
また、床面に形成する開口は、管材を床上から床下へ通すことができるとともに、床上の作業者が開口から床下に腕を差し入れて管材の接続作業が行える程度の大きさに形成することができる。開口を角形に形成したのでは、不必要な大きさに床板を切削することになるため、開口は例えば直径150mm程度の大きさで円形状に床板を穿孔して形成することが好ましい。
ここで、床面に開口を形成するにあたり、床板の穿孔手段として丸鋸を用いたのでは、床板を円形に切削する操作が難しく、床下に進入した刃で根太を傷つける虞がある。よって、円形の切削刃を備えたホールカッターを用いることが好ましく、切削刃の穿孔深さを規制するガイド部材を切削刃の周囲に装備したホールカッターの利用が好適である。
前記構成において、通管処理工程は、床面に形成された開口の一つから棒状の通管具を床上から床下に差し入れ、この通管具を床下に通してその先端を別の開口から床上に押し出すことにより、床下に通した通管具で両開口を連絡する作業工程である。前記洗面台を移設する例では、元の設置場所の床面と移設場所の床面に形成された開口を通管具で連絡することとなる。
通管具は、例えばグラスファイバー製の棒材を複数本連結して所望の長さに設定可能とした屈曲自在及び伸縮自在な釣り竿状のロッドを用いることができる。
一方、このようなロッドは床下の既設配管や根太などの障害物を除けて開口間を連絡することは可能なものの、ロッドは細いため、ロッドが床下で管材が通るに十分な大きさの隙間を通っていなこと、つまり管材の太さよりも狭い障害物の隙間を通って開口間を連絡することもあり、その場合に、ロッドの後端に管材を接続して床下に入れ、ロッドの連絡経路に沿って管材を敷設しようとしても、管材が障害物に引っ掛かってしまう。
よって、通管具は、管材の太さと略同じか若干大きな外径の球体をコイルバネを介してロッドの先端に取り付けた構成のものを用いることが好ましく、コイルバネをロッドの軸に対して斜めに傾けてロッドの先端に取り付けた構成のものであればより好ましい。また、ロッドの後端には管材が接続する管継手が一体に設けてあることが好ましい。
このような構成の通管具では、床面に形成された一側の開口から、球体を先端としてロッドを床下に差し入れ、到達口である他側の開口に向けてロッドを押し込み、ロッド先端が他側の開口下方に達したならば、ロッド先端を当該開口から床上に引き上げて両開口を連絡することができ、このロッドの連絡経路は管材が挿通可能な幅の障害物の隙間を縫った経路となる。
また、球体をコイルバネを挟んでロッドの軸に対して偏芯した位置に取り付けることで、ロッドを回転させるとロッド先端で球体がロッドの軸回りで大きく回転する。従って、床下空間内に既設配管などの障害物があり、この空間内に押し込んだロッドの先端が障害物に当たったときにロッドを回転すれば、ロッドの先端で大きく回転する球体が障害物に沿って周辺の空隙に変位し、そのままロッドを押し込めば、障害物を除けてロッドの先端が空隙に進出し、障害物を乗り越え、潜り又は障害物の側方にロッドの位置をずらしつつ、ロッドを到達口の開口まで押し込むことが可能である。さらに、ロッドの先端部分が球体であるので、障害物との接触抵抗が小さくなって障害物表面の凹凸に引っ掛かり難く、ロッド先端が障害物に接してもロッドを無理なくスムーズに押し込むことができる。また、コイルバネを介して球体が取り付けてあるので、ロッドを押し込む操作で球体が障害物に当たっても、コイルバネがクッションとなって障害物に加わる衝撃は小さく抑えられ、障害物表面を傷つけることはない。
前記構成において、敷設処理工程は、床下の空間を通して開口間を連絡した通管具の後端に管材を接続した状態で、到達口である開口側で通管具を床上に牽引し、通管具全体を床上に引っ張り上げることにより、床下における通管具の連絡経路に沿って管材を敷設する作業工程である。
床下に敷設する管材としては、例えばポリブデン(PB)管やポリエチレン(PE)管、架橋ポリエチレン(XPE)管、耐熱ポリエチレン(PE−RT)管、塩ビ管などの、可撓性を備えていて生曲げによる配管が可能な合成樹脂管の利用が好適である。
ここで、合成樹脂管をそのまま床下に差し入れたのでは、通管具の連絡経路に沿って移動する間に床下の障害物にぶつかり、表面が擦れて傷が付くことがある。また、給水・給湯用の配水管は管材の周囲を断熱材や遮音材で覆ってあることが好ましい。
そこで、管材は、可撓性を有する合成樹脂管を本管とし、この本管の外周面を膨張・収縮性を備えた保護部材で覆い、さらに保護部材の表面をカバー材で圧縮して覆って、保護部材の体積を縮小させた構成のものを用いることが好ましい。
本管の外周面を被覆する保護部材は、圧縮することによって体積が減少する収縮性と圧縮力を解放したときに体積を大きく膨張させる性質を有する弾性材料、例えば綿やグラスウール、スポンジ、ゴムを発泡させた弾性材などの部材により形成することができる。カバー材は、例えばポリオレフィン系やポリ塩化ビニル系、ポリエステル系の樹脂により成形された、適度な熱収縮性を有する熱収縮チューブを用いることができる。また、保護部材の外周とカバー体の内周との間には、管材の長手方向に亘ってカバー材の引き裂きを容易にするための引き裂き糸を挿入しておくことが好ましい。引き裂き糸に代えてカバー材の表面にミシン目などの引き裂き線を設けておいてもよい。
この構成の管材によれば、表面をカバー材で包んで収縮させた保護部材で本管の外周面を覆っているので、床下空間に管材を通す作業において管材が障害物にぶつかるなどしても表面に傷が付くことはなく、また、敷設後にカバー材を除去すれば、保護部材が膨張して管材は障害物の隙間に固定され、膨張した保護部材は断熱材や遮音材としても機能して、結露の発生や送水時の騒音の発生を防止するなどの効果を奏する。
前記構成において、接続処理工程は、床下に新たに敷設された管材と既設の他の管材や設備類とを接続する作業工程である。
前記洗面台を移設する例では、元の設置場所の床面に形成された開口下で、新たに敷設した管材と、給水・給湯設備に接続した又は排水口に接続した既設配管とを床下で接続することとなる。また、移設場所の床面に形成された開口において、新たに敷設した管材と洗面台の給水・給湯口や排水口を接続することとなる。
また、前記構成において、復旧処理工程は、床面に形成された開口のうち、管材の敷設完了に伴って不要となる開口を塞ぐ処理を行う作業工程である。前記洗面台を移設する例では、洗面台の移設により不要となる元の設置場所の床面の開口を、蓋具を取り付けるなどして塞ぐこととなる。
ここで、蓋具を取り付けるなどして単に開口を塞いだだけでは、開口に面した床下空間が中空となって床面の剛性が低下するため、開口から床下に床板支持具を入れ、この床板支持具で開口周囲の床板と蓋具を支持するように構成することが好ましい。
床板支持具としては、内周にネジ溝が形成された筒体の上部外周に床板を支持する三つの支持アームを互いに等間隔離して側方へ張り出してなる台座と、筒体に螺合可能であって頂部に回動工具係合用の凹部を設け、下部に床基礎面に接合するフランジ部を一体に設けて形成してなる支持ボルトからなる構成のものを用いることができる。
この床板支持具によれば、床板下面を支持する台座の支持アームを、互いに筒体の上部外周から側方へ三方に分岐させて設けてあるので、床上から開口をくぐらせて床下に入れ、設置することが可能であり、台座の筒体に下方から螺合して基礎床面上に立てた支持ボルトの螺合深さを調整して開口周りの床板下面に支持アームを接合させることにより、床板を適切な高さに支持して、開口が形成された部分の床板を確実に補強することができる。
また、開口を塞ぐ蓋具は、その表面が床板上面に突出して床面に段差ができていたのでは歩行の支障となり、開口内に固定したままでは、床下の点検ができなくなってしまう。
そこで、蓋具は、外周壁に外方へ張出したフランジを設け、内周壁に内方へ張出した受座と切欠部を周方向に沿って複数設けるとともに前記切欠部に面した受座の縁部下面に凹段部を設けてなる円筒状の枠体と、枠体の開口面内に嵌まる円板形に形成されていてその上面を平坦な面に設けるとともに下面周縁に前記切欠部に対応した幅の凸状部を周縁に沿って複数配し且つ当該凸状部に隣接した下面内方位置に下方へ突出していて先端を外方へ屈曲させてなる爪部を設けてなる蓋体を備え、枠体の開口面内に嵌め入れた蓋体を受座に載せて支持し、その凸状部が枠体の切欠部に没入すると、蓋体の爪部先端が、隙間をおいて前記凹段部の下方に位置するように設けた構成のものを用いることが好ましい。
この構成の蓋具において、枠体と蓋体は、ABSなどの合成樹脂材料を用い、射出成形により形成することができる。また、切欠部は、枠体の中心を挟んで対向位置の内周壁に一対を設け、これに対応させて蓋体下面の周縁に一対の突状部を配することができる。三箇所以上の対応箇所に切欠部と凸状部を設けてもよい。
これによれば、床板に形成された開口に枠体を嵌め入れ、開口周縁にフランジを重ねて枠体を固定し、その上方から内部に蓋体を装着し、その下面を受座の上面に載せて枠体内部に蓋体を支持させることにより開口を閉鎖することができる。
この際、枠体の切欠部に爪部が重なるように蓋体を位置合わせてして装着すれば、受座上には蓋体下面の凸状部が載り、その位置から蓋体を回転させると、凸状部が受座上を滑って位置をずらし、これと同時に爪部の先端が受座下面の凹段部内へと進入する。そして、位置をずらした凸状部が切欠部に重なった位置で、凸状部が切欠部内へと没入して蓋体全体が僅かに下方へと変位し、同時に爪部の先端は凹段部の下方に隙間を開けて配される。
この状態で、蓋体は受座の上面に載って支持されており、上方から蓋具に下向きの力が加わっても蓋体が枠体から取り外れることはない。また、蓋体の凸状部が枠体の切欠部内に没入しているため蓋体の回転が阻止され、蓋体に周方向の力が加わっても蓋体が位置をずらすことはない。さらに、上方から蓋体に上向きの力を加えて蓋体を捲り上げようとしても、蓋体の爪部が枠体の凹段部に係合するため蓋体が枠体から浮き上がることはない。一方、吸盤具などを利用して蓋体を上方へ僅かに浮き上がらせれば、凸状部が没入位置から切欠部上に変位するため蓋体は回転可能となり、そのまま蓋体を回転させれば、水平に変位する凸状部が受座に乗り上げ、また、凹段部下方にあった爪部先端が切欠部内へと位置をずらして凹段部との係合を解除し、蓋体を枠体から取り外せるようになる。
このような構成の蓋具を用いれば、開口周縁にフランジを載せて枠体が開口に嵌まり、その内部に上面を平坦とした蓋体が装着するように設けてあるので、開口面から上方に突き出る部分はフランジだけであり、開口の周囲の面と略面一に収めて蓋具を取り付けることができ、また、枠体内部の所定の位置に装着した蓋体は、上方や周囲から力が加わっても回転したり取り外れたりすることはなく、枠体内に安定的に保持されて開口を確実に閉鎖することが可能である。さらに、吸引具などを利用して、先ず枠体に装着された蓋体を浮き上がらせ、次いでそのまま回転させる、という簡単な操作により蓋体を枠体から取り外すことができ、開口から床下を点検する際に手間をかけずに蓋体の着脱が可能である。
以下では、本発明の床下配管工法の一実施例として、木造戸建て住宅の室内をリフォーム工事し、洗面台を別の部屋に移設するのに伴い、元の設置場所から移設場所に亘って新たな管材を床下に敷設するときの工程毎の作業内容とこれに用いる工具類を説明する。
図1は本発明によって管材を敷設する工事の全体工程を示している。
図示されるように、管材の敷設は、開口位置選定処理、開口形成処理、通管処理、敷設処理、接続処理及び復旧処理の各処理工程を経て行われる。
ここで、開口位置選定処理は、洗面台を移設する場所の床面に、洗面台に接続する給排水管を床下から通すための開口の形成位置を選定する作業工程である。
この作業では、住宅建設時の配管図面から、移設場所の床下に設置されたガス管や給排水管の位置を予め確認した上で、探知機を用いて根太の位置やその他既設の構造物の有無を確認し、生活動線を考慮した上で、既設の配管や根太を避けた位置を開口の形成位置に選定する。
また、開口形成処理は、選定位置の床面に開口を形成する作業工程である。
開口の形成作業は後述するホールカッターを用いて行い、床面に直径150mm程度の大きさで円形の開口を形成する。また、洗面台の元の設置場所の床面に配管を通す開口が形成されていた場合に、この開口が前記開口よりも小さいときは、同じ大きさの円形状に揃えておく。
通管処理は、元の設置場所と移設場所の両床面に形成された開口同士を、床下に通した通管具により連絡する作業工程である。
この作業は、後述する可撓性を有する吊り竿状のロッドからなる通管具を用いて行い、元の設置場所において開口を通してロッドを床下に差し入れ、床上でロッドを操作してロッド先端の向きや位置を調整しながらロッドを順次押し入れつつ移設場所の開口まで到達させ、当該開口からロッドの先端を床上に引き上げて開口同士を連絡する。
敷設処理は、床下を通して開口間を連絡させた通管具の経路に沿って管材を床下に敷設する作業工程である。
敷設する管材は、後述するように可撓性を有する合成樹脂管を本管とし、その外周を保護部材で被覆し、さらにカバー材で保護部材を圧縮被覆した構成のものが用いられる。敷設作業は、先ず、管材を元の設置場所において通管具の後端に一体に接続し、次いで、移設場所でロッドを牽引して床上に順次引き上げながら、元の設置場所の開口から管材を床下に導き入れ、通管具の挿通経路に沿って管材を敷設することにより行う。
接続処理は、敷設した管材の両端を給排水設備に接続する作業工程である。
この作業では、先ず、元の設置場所又は移設場所の開口において、前記管材の外周面を被覆していたカバー材を切除し、カバー材を床上に引き抜いてカバー材で圧縮していた保護部材を膨張させて、管材を床下障害物の隙間に定置させ、次いで、元の設置場所において管材の端部を管継手を介して既設の給水管の端部に一体に接続し、移設場所において敷設した管材の端部を開口から床上に引き上げ、洗面台の給水口に接続する。
なお、給湯管と排水管も上記と同様の作業工程によって元の設置場所から移設場所まで床下に敷設され、それぞれ一端が既設の給湯管、排水管と接続され、他端が洗面台の給湯口、排水口に接続される。
復旧処理は、元の設置場所に形成した開口を塞ぐ作業工程である。
この作業は、開口から床下に後述する床板支持具を入れ、床板支持具を床下に固定して開口周辺の床板を床板支持具で支持させるとともに、後述する蓋具を開口内に嵌め入れて開口を閉鎖し、元の設置場所の床面を面一な連続した平面に形成することにより行う。
次に、前記作業工程で用いる、ホールカッター、通管具、管材、床板支持具及び蓋具の一実施形態の構成について説明する。
〔ホールカッター〕
図2はホールカッターの半面を破断して示した正面図と下面図である。
同図に示されるように、このホールカッター1は、図示されない電動機の回転駆動軸に固定されるシャンク部11の端部に筒形の切削刃12とセンターピン13とを一体に連結し、シャンク部11の周面にベアリング14を介してガイド部材15を接続して構成してある。
より詳しくは、切削刃12は直径150mmの円筒状に形成されており、シャンク部11と一体に回転するように取り付けてある。センターピン13は、切削刃12の軸心に沿って、その下端を切削刃12の縁部から30mm程度下方へ突出させて、シャンク部11の下端に取り付けてある。また、ガイド部材15は、切削刃12の上方に配した枠体15aをシャンク部11の周面にベアリング14を介して回転自在に取り付け、この枠体15aの側端からL字形に屈曲していて下端に弾性キャップ15cを装着した四本の脚体15bを、切削刃12の周面から若干の間隙を開け、且つ当該脚体の下端を切削刃12の縁部から20mm上方に設けて、切削刃12の周囲に配した構成としてある。各脚体15bはリング体15dで一体に連結してある。
このように構成されたホールカッター1で床板に開口を形成するには、先ず、前記開口位置選定処理工程において選定された開口形成位置の床面に、ハンドドリルなどを用いて位置決め用のセンター孔を空ける。
次いで、前記センター孔に、電動機に装着したホールカッター1のセンターピン13を挿入し、電動機の駆動とともに回転する切削刃12を床面に押し付けて床板を切削する。
ここで、切削刃12が床板を貫通すると、切削刃12が床板を切削する抵抗がなくなって切削刃12の先端が開口から床下へと一気に没入するが、切削刃12よりも上方に配したガイド部材15の脚体15bが床面に当接するので、ホールカッター1が床下空間に落ち込むことはなく、また、万一ガス管などの既設配管が開口形成位置の真下にあったとしても、ガイド部材15により切削刃12の切削深さが規制され、既設配管を傷つける虞はない。
センターピン13に代えてドリルをシャンク部11の端部に取り付け、床面の開口形成位置の中心をドリルで穿孔するのに続けて、切削刃12で開口を切削するようにしてもよい。
〔通管具〕
図3は通管具の端部に合成樹脂管を連結した状態の全体構成図、図4はロッド先端部の部材拡大構成図、図5はロッド後端部の部材拡大構成図、図6は通管具を用いて床下に管材を敷設する工程を示した図である。
各図において、符号2は通管具、21はロッド、22はロッド先端に取り付けられる通線ヘッド、23はロッド後端に取り付けられる管継手、3は後述する管材、Fは床面、FLは床下の空間、FHは開口をそれぞれ示している。
ロッド21は、一端に雄ネジ、他端に雌ネジが形成された、グラスファイバーなどの可撓性及び復元性を有する弾性に富んだ材料からなる適宜な長さの棒材211を、複数本継ぎ合わせて構成されており、継ぎ合わす棒材211の本数を変えることで、全体の長さを伸縮設定することができるようになっている。
通線ヘッド22は、図4に示されるように、略「ヘ」字形に屈曲してなる基部221の一端221aにロッド21の先端に連結する雄ネジを形成し、他端221bに適宜な長さのコイルバネ222を一体に取り付け、さらにコイルバネ222の先端に、合成樹脂やゴム材などの弾性材からなる適宜な径の球体223を取り付けて構成してある。
同図に示されるように、コイルバネ222と球体223はともに基部221の他端221bの中心軸S上に取り付けられており、通線ヘッド22をロッド21に連結した状態では、コイルバネ222と球体223はロッド21の軸Oに対して斜めに傾いた偏芯位置に配され、軸Oを中心にロッド21を回転させると、球体223が図中に破線で示した、軸Oから偏芯した距離だけ離れた位置で当該軸周りを回転するようになっている。
管継手23は、図5(A)に示されるように、一端231aが球面状、他端231bが管材3よりも太い円柱状をなして砲弾形に形成された頭部231と、頭部231の他端231bに固定された適宜な長さのボルト232と、頭部231の他端231bと略同じ外径で環状に形成されていてボルト232に螺合する雌ネジが内周面に刻設された操作リング233と、外径を管材3の内径よりも若干小さくし且つ内径をボルト232が挿通する大きさに設定して弾性ゴム材を適宜な長さの管状に成形してなる弾性管体234と、ナット235とからなり、頭部231の一端231aに固定されたボルト232に操作リング233を頭部231に接合する位置まで螺合し、ボルト232の端部から挿通させた弾性管体234をナット235で留め付けて構成してある。
詳しくは、図5(A)に示されるように、管継手23は、その球状の一端部が頭部231の他端231bに形成された雌ネジにロッド21の端部を螺子入れてロッド21に一体に連結し、他端部が弾性管体234を管材3の中空内部に挿入することができるようになっている。そして、同図(B)に示されるように、ボルト232に螺合した操作リング233をナット235側へ締め込むと、弾性管体234が操作リング233とナット235の間に挟まれて膨張し、弾性管体234の膨らんだ外周面が管材3の内周面に圧接することにより、管材3内に弾性管体234が一体に連結し、管継手23を介してロッド21と管材3が一体に接続するようになっている。また、操作リング233を前記とは逆方向へ回転させれば、弾性管体234が元の大きさに収縮して、管材3の端部から管継手23を抜け外せるようになっている。
管材3は、可撓性に優れた例えばPB管などの合成樹脂管を用いることができ、その構成については後述する。
図6に示されるように、通管具2を用いて管材3を床下FLに敷設する場合、先ず、先端に通線ヘッド22を取り付けたロッド21を、床面Fに形成した一方の開口FH1からに床下空間に差し入れ、ロッド21を到達口である他方の開口FH2に向けて押し込んでゆく(同図(A))。なお、ロッド21は、予め開口FH1から開口FH2に至る長さに継ぎ合わせておいてもよいし、床下FLに押し込みながら棒材211を逐次継ぎ足すようにしてもよい。
ロッド21を開口FH2まで押し込む途中で、床下FLの既設配管などの障害物OBにロッド先端の球体23が衝突すると、押し込みを阻む感触がロッド21を操作する手に伝わるが、その場合に、ロッド21を回転すれば、球体223が大きく回転して障害物OB周辺の空隙に変位するので、そのままロッド21を回転しながら押し込めば、障害物OBを除けてロッド21を障害物OBの後方へ進出させ、開口FH2に向けて押し込むことができる。
以降、ロッド21を回転させながら押し込む操作を繰り返し、開口FH2の下方までロッド21の先端が進出したならば、ロッド21の先端を開口FH2から床面F上へ引き上げる(同図(B))。
次いで、ロッド21を挿入した側の開口FH1側でロッド21の後端に管継手23を介して管材3の端部を接続し、開口FH2側でロッド21を引っ張って、管材3をロッド21の通線経路に沿って床下FLに敷設する(同図(C))。
そして、管材3の先端が開口FH2から床面F上に引き出されたならば(同図(D))、ロッド21及び管継手23を管材3から取り外し、管材3の一方の端部を既設配管、他方の端部を洗面台の接続口に接続することにより敷設工事が完了する。
このような構成の通管具2によれば、ロッド21の先端にコイルバネ222を介して球体223を、ロッド21の軸Oに対して偏芯させた位置に取り付けてあるので、ロッド21を回転させながら押し込むという簡易な操作により、床下空間内の障害物OBを除けながら、ロッド21を開口FH1、FH2間に通して両開口を連絡し、ロッド21の連絡経路に沿って管材3を敷設することが可能である。
また、ロッド21の先端部分が球体223なので、障害物OBとの接触抵抗が小さく、ロッド先端が障害物OBに当たってもロッド21を無理なくスムーズに押し込むことができ、また、コイルバネ222がクッションとなって障害物OBに加わる衝撃を小さく抑えることができる。
〔管材〕
図7は管材の断面図、図8は管材を被覆するカバー材を引き裂いたときに保護部材が復元して膨張した状態の断面図である。両図において、符号3は管材、31は本管、32は保護部材、33はカバー材を示している。
図示した管材3は、本管31の外周を膨張・収縮性を備えた保護部材32で覆うとともに、保護部材32の外周をカバー材33で圧縮させ且つ保護部材32を収縮させた状態で覆ったものであり、それぞれ本管31はPB管などの可撓性を備えた合成樹脂管、保護部材32はグラスウールなどの圧縮することによって体積が減少する収縮性と圧縮力がなくなると体積を大きく膨張させる性質を有する弾性材料、カバー材33は熱収縮性を有する熱収縮チューブにより形成されている。
なお、カバー材33は、筒状に成形した包装紙を使用することができる。この場合、保護部材32を外周側から圧縮してその体積を縮小させつつ、その外側から包装紙を被せるようにするとよい。また、短冊状に裁断した長尺の紙片や油紙をカバー材33として使用することもでき、保護部材32の外周側から圧縮力を加えつつ長尺の紙片や油紙等をスパイラル状に巻回してもよい。
熱収縮性チューブをカバー材33として使用する場合、保護部材32の外周を熱収縮性チューブで覆ってから熱収縮させ、保護部材32を圧縮して収縮した状態で被覆するとよい。
その一例として、ポリエチレンからなる本管31の外周をスポンジからなる保護部材32で覆い、その外周を塩ビの熱収縮性チューブからなるカバー材33で覆った保護層付き管材3は、本管31の可撓性が損なわれることがないため、曲げ配管が要求される施工現場での配管作業に使用できる。
このように構成される管材3は、保護部材32の外周を覆うカバー材33を長手方向に沿って破断し、保護部材32の表面にかかる圧縮力がなくなると、図8に示されるように、保護部材32は膨張して元の状態に復元する。カバー材33の破断を容易に行えるようにするため、保護部材32の外周とカバー材33の内周との間に、本管31の長手方向に亘って引き裂き糸34を長さ方向に挿入しておくことが好ましい。引き裂き糸34に代えて、施工長が短いものを対象とする管材3には、長手方向に亘ってカバー材33の引き裂きを容易にするためのミシン目などの切断線を設けておいてもよい。
管材3は、前述の如く、通管具2により床下FLに敷設されるが、この際、本管31の外周が収縮した保護部材32とカバー材33で覆われているため、この状態で管材3の外形は細く、通管具2の連絡経路に沿って容易に床下に敷設することができる。保護部材32が収縮して本管31に巻き付いているので、小径の開口FHから管材3を床下に入れることが可能である。また、保護部材32及びカバー材33で本管31の外周が保護されているので、敷設作業中に既設配管や根太などの障害物OBに接触しても本管31が傷ついたり破損したりすることはない。
そして、敷設後に前記引き裂き糸34を引っ張り、カバー材33を長手方向に沿って破断して保護部材32の周面から取り除けば、保護部材32が膨張して圧縮前の状態近くまで復元する。本管31を覆った膨張した保護部材32は、本管31を振動などから保護し、また、断熱材や遮音材としても機能する。
〔床板支持具〕
図9は床板支持具を構成する台座と支持ボルトを分離して示した要部破断構成図、図10は図9の台座の平面図、図11と図12は図9の床板支持具を開口を通して床下に設置した状態を床板の上方と側方から示した図である。各図において、符号4は床板支持具、41は台座、42は支持ボルト、5は後述する蓋具、FBは床板、BFは基礎床面をそれぞれ示している。
図9に示されるように、床板支持具4は、内周にネジ溝が形成された適宜な太さの円筒体41aの上部からその周囲側方へ突出した床板FBを支持する三つの支持アーム41bを設けてなる台座41と、円筒体41aに螺合する雄ネジが切られた支持ボルト42により構成してある。
より詳しくは、台座41の三つの支持アーム41bは、各々円筒体41aの上部外周面から側方へ一定の幅で分岐して延び、その先端部分を根元部分よりも幅広に設けるとともに上面を円筒体41aの上面と面一に設けて形成してある。
図10に示されるように、台座41を上方から見ると各支持アーム41bは円筒体41aを中心にY字形に張り出した形状を呈し、各支持アーム41bの円筒体41aの軸心Oから先端縁部までの長さ(L)を同一に設定し、且つ軸心Oの廻りで三つの支持アーム41bを互い等角度(120°)だけ離して設けてある。また、各支持アーム41bには、蓋具5を固定する留め具(図示せず)の挿通孔41cを形成してある。
なお、支持アーム41bの長さ(L)は、前記ホールカッター1を使用して床面Fに形成された開口FHの半径(R=φ/2=75mm)よりも大きく設定してある(図11参照)。
また、支持ボルト42は、その頂部に回動工具(図示せず)が係合する凹部42aを設け、下部に床基礎面BFに接合するフランジ部42bを一体に設けて形成してある。フランジ部42bは、前記円筒体41aと略同じ外径寸法の皿状に設けてある。
このように構成された床板支持具4を用いた床板FBの補強手順は、先ず、支持ボルト42が円筒体41aに深く螺合した床板支持具4を床上から開口FHを通して床下FLに入れ、フランジ部42bを床基礎面BFに接合させて支持ボルト42を床基礎面BF上に立設させる。このとき、円筒体41aが開口FHの中心直下に配置されるように支持ボルト42の立設位置を調整しておく。
次いで、床上から開口FH内に回動工具を差し入れ、その先端を筒体41aに螺合した支持ボルト42の凹部42aに係合させる。そして、床上から回動工具を操作して支持ボルト42を回動し、筒体41a内の支持ボルト42の螺合深さを調整して、各支持アーム41bを床板FBの下面に接合させ、開口FHの周辺部分の床板FBを床板支持具4で支持する。
その後、図12に示されるように、蓋具5を床板FBの開口FHに装着してこれを塞ぐとともに、蓋具5の下面を支持アーム41bで支持することにより、床板FBの補強作業が完了する。
このように構成された床板支持具4によれば、床上から開口FHを通して床下FLに設置し、開口FHの周辺部分の床板FBを支持アーム41bで支持して床板FBを補強することができる。また、円筒体41aに対する支持ボルト42の螺合深さを床上から調整するという簡単な操作で床板FBを適正な高さに支持することができ、これにより施工作業者の技量によらずに、施工品質を一定に保つことが可能である。
〔蓋具〕
図13は蓋具を構成する蓋体と枠体の上面側と下面側の斜視図、図14は図13の蓋体と枠体の半面を破断して示した側面図、図15は枠体に蓋体を装着した状態の蓋具の下面図と要部切断端面図、図16は図15に示した位置から蓋体を回転して枠体に固定した状態の蓋具の下面図と要部切断端面図であり、図中、符号5は蓋具、51は枠体、52は蓋体を示している。
図13及び図14に示されるように、蓋具5は、円筒形の枠体51と、この枠体51の開口面内に略一杯に嵌まる大きさを有する円板形の蓋体52により構成されている。
より詳しくは、枠体51は、その外周壁の上縁全周に外方へ一様な幅で張出したフランジ511を設け、その内周壁に、当該内周壁の下半部から内方へ一様な幅で突出した受座512、512を一体に設けるとともに、受座512が形成されていない部分である切欠部513、513を両受座512の間に配して形成してある。
両受座512は、枠体51の開口面内で平面視弓形を呈して内方へ張出しており、その切欠部513、513に面する両端のうちの一方の端部の縁部下面に凹段部512aを設けてある。
また、切欠部513、513は、その周方向に沿った幅(We)を同寸として、枠体51の中心を挟んで対向する位置に配され、さらに切欠部513、513が面する枠体51の周壁には留めネジなどの留め具を挿通するための孔514、514を形成してある。
蓋体52は、その上面521を凹凸のない平坦な面に設け、その下面を、周縁を前記受座512、512に対応する長さ及び幅だけ薄肉にしてなる凹状部522、522と、両凹状部522の間の周縁部分をそれよりも厚肉にしてなる凸状部523、523を設け、さらに下面中央に適宜な径で下方に突出した円柱部524を設けて形成してある。凸状部523、523はその周方向に沿った幅(Wc)を前記切欠部513と同幅(Wc=We)に設けてある。
また、蓋体52下面の中心を挟んで対向する凹状部522、522の端部であって凸状部523、523に隣接した下面内方位置に、当該下面から下方へ突出していて先端を外方へ屈曲させてなる爪部525、525をそれぞれ一体に設けてある。両爪部525の先端は凹状部522と対向する位置まで張出してある。
なお、枠体51は、前記ホールカッター1を用いて床板FBに形成された開口FH内に嵌まり込み、且つフランジ511が開口FHの周縁に係合する大きさに形成してある。また、図14に示されるように、凹状部522における蓋体52の厚み(Tc)は枠体51の上縁から受座511の上面に至る深さ(Tf)と略同じ(Tc=Tf)に設定してある。
このように構成された蓋具5は、床上から開口FH内に枠体51を嵌め入れて開口FHの周縁にフランジ511を重ね、孔514、514から床板FBに留めネジをネジ入れて枠体51を開口FH内に固定し、その上から枠体51の開口面内に蓋体52を装着し、これを受座512、512上で支持させることにより開口FHを塞ぐことができる。
この際、蓋体52の装着操作は、先ず、枠体51の上方で切欠部513、513に爪部525、525が重なるように蓋体52を位置合わせし、これを枠体51の開口面に被せれば、図15に示されるように、蓋体52下面の凸状部523、523が受座512、512の上面に載るとともに、切欠部513、513内に爪部525、525が入り込み、蓋体52はその上面521を枠体51の上端よりも僅かに突き出した位置に保持される。
そして、装着位置から蓋体52を回転させると、凸状部523、523が受座512、512上を滑って位置をずらし、同時に爪部525、525の先端が受座512下面の凹段部512a内へとそれぞれ進入し、凸状部523、523が切欠部513、513に重なった位置で、図15に示されるように、凸状部523、523が切欠部513、513内へと没入して蓋体52全体が僅かに下方へと変位し、爪部525、525の先端は凹段部512a、512aの下方に隙間を開けて配される。このとき、蓋体52の上面521は、枠体51の上端と略面一になる。
この状態で、蓋体52は受座512の上面に載って支持され、上方から蓋具5に下向きの力が加わっても蓋体52が枠体51から取り外れることはなく、また、蓋体52の凸状部523、523が枠体51の切欠部513、513内に没入しているため、蓋体52の回転が阻止され、蓋体52に周方向の力が加わっても蓋体52が位置をずらすことはない。さらに、上方から蓋体52を捲り上げようと力を加えても、蓋体52の爪部525が枠体51の凹段部512aに係合するため蓋体52が枠体51から浮き上がることはない。
また、吸盤具などを利用して蓋体52を上方へ僅かに浮き上がらせれば、凸状部523、523が没入位置から切欠部513、513上へ変位するため、蓋体52は回転可能となり、そのまま蓋体52を回転させれば、水平に移動する凸状部523、523が受座512、512に乗り上げ、また、凹段部512a、512aの下方にあった爪部525、525の先端が切欠部513、513内へと位置をずらして両凹段部512aとの係合を解除し、回転した位置から蓋体52を持ち上げることにより枠体51から取り外すことが可能である。
なお、図示したホールカッター1、管通具2、管材3、床板支持具4、蓋具5の形態は一例であり、本発明はこれに限定されず、他の適宜な形態で構成が可能であり、それらを本発明の床下配管工法で用いることが可能である。
また、以上の説明では、給排水用の配管を敷設する場合について説明したが、例えば信号線などの線材を床下に敷設する場合に線材を通す管材の敷設工事にも本発明は適用することができる。
本発明の床下配管工法により管材を敷設する工事の全体工程を示した図である。 開口の形成に用いるホールカッターの半面を破断して示した正面図(A)と下面図(B)である。 管材の敷設に用いる通管具の端部に合成樹脂管を連結した状態の全体構成図である。 図3の通管具のロッド先端部の部材拡大構成図である。 図3の通管具のロッド後端部の部材拡大構成図であり、(A)は管材を接続する前、(B)は管材を接続した状態を示している。 図3の通管具を用いて床下に管材を敷設する工程を示した図である。 床下に敷設する管材の断面図である。 図7の管材を被覆するカバー材を引き裂いたときに保護部材が復元して膨張した状態の断面図である。 床板支持具を構成する台座と支持ボルトを分離して示した要部破断構成図である。 図9の台座の平面図である。 図9の床板支持具を開口を通して床下に設置した状態を床板の上方から示した図である。 図9の床板支持具を開口を通して床下に設置した状態を床板の側方から示した図である。 蓋具を構成する蓋体と枠体の上面側と下面側の斜視図である。 図13の蓋体と枠体の半面を破断して示した側面図である。 枠体に蓋体を装着した状態の蓋具の下面図(A)と要部切断端面図(B)である。 図15に示した位置から蓋体を回転して枠体に固定した状態の蓋具の下面図(A)と要部切断端面図(B)である。
符号の説明
1 ホールカッター、2 通管具、3 管材、4 床板支持具、5 蓋具、F 床面、FB 床板、FH 開口、FL 床下の空間、BF 基礎床面、OB 障害物







Claims (6)

  1. 既設住宅の床下に管材を敷設する配管工法において、
    床面に少なくとも一対の開口を形成する開口形成工程と、
    可撓性を有する棒状の通管具を床上から一方の開口を通して床下に入れ、この通管具の先端を他方の開口から床上に押し出す通管処理工程と、
    他方の開口側で床下に通した通管具を床上へ牽引するのに伴って通管具の後端に接続した管材を一方の開口を通して床下に入れ、両開口間に管材を敷設する敷設処理工程と、
    両開口において床下に敷設された管材と既設の他の管材や設備類と接続する接続処理工程と、
    床上から開口を通して床下に床板支持具を入れ、床下面上に立設させた床板支持具で開口周辺の床板を支持させるとともに、開口に蓋具を取り付けて開口を塞ぐ復旧処理工程と、
    を有することを特徴とする床下配管工法。
  2. 開口形成工程において、切削刃の穿孔深さを規制するガイド部材を切削刃の周囲に設けたホールカッターを用いて床面に開口を形成することを特徴とする請求項1に記載の床下配管工法。
  3. 通管処理工程において、弾性を有するロッドの一端に管材が接続する管継手を取り付け、他端に先端に球体が取り付けられたコイルバネをロッドの軸に対して傾けて取り付けた構成を有する通管具を用いたことを特徴とする請求項1又は2に記載の床下配管工法。
  4. 敷設処理工程において、可撓性を有する本管の外周を、膨張・収縮性を備えた保護部材で覆い、且つ保護部材の表面をカバー材で圧縮して覆って保護部材の体積を縮小させてなる管材を床下に敷設することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の床下配管工法。
  5. 復旧処理工程において、内周にネジ溝が形成された筒体の上部外周に床板を支持する三つの支持アームを互いに等間隔離して側方へ張り出してなる台座と、筒体に螺合可能であって頂部に回動工具係合用の凹部を設け、下部に床基礎面に接合するフランジ部を一体に設けて形成してなる支持ボルトからなる床板支持具を用いたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の床下配管工法。
  6. 復旧処理工程において、外周壁に外方へ張出したフランジを設け、内周壁に内方へ張出した受座と切欠部を周方向に沿って複数設けるとともに前記切欠部に面した受座の縁部下面に凹段部を設けてなる円筒状の枠体と、枠体の開口面内に嵌まる円板形に形成されていてその上面を平坦な面に設けるとともに下面周縁に前記切欠部に対応した幅の凸状部を周縁に沿って複数配し且つ当該凸状部に隣接した下面内方位置に下方へ突出していて先端を外方へ屈曲させてなる爪部を設けてなる蓋体を備え、枠体の開口面内に嵌め入れた蓋体を受座に載せて支持し、その凸状部が枠体の切欠部に没入すると、蓋体の爪部先端が、隙間をおいて前記凹段部の下方に位置するように設けた構成を有する蓋具を用いたことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の床下配管工法。







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