JP5273348B2 - 粘着付与樹脂エマルジョン、アクリルエマルジョン型粘・接着剤組成物、フォーム基材用アクリルエマルジョン型粘・接着剤組成物およびポリウレタンフォーム用アクリルエマルジョン型粘・接着剤組成物 - Google Patents

粘着付与樹脂エマルジョン、アクリルエマルジョン型粘・接着剤組成物、フォーム基材用アクリルエマルジョン型粘・接着剤組成物およびポリウレタンフォーム用アクリルエマルジョン型粘・接着剤組成物 Download PDF

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Description

本発明は、粘着付与樹脂エマルジョン、アクリルエマルジョン型粘・接着剤組成物、フォーム基材用アクリルエマルジョン型粘・接着剤組成物およびポリウレタンフォーム用アクリルエマルジョン型粘・接着剤組成物に関する。
近年、製品の環境負荷を低減し、作業環境を改善するために、従来有機溶剤を用いて製造された粘・接着剤等を、水系のものに変更することが切望されており、自動車や建材等の分野において使用される粘・接着剤も有機溶剤の人体への影響等の問題から水系化が望まれている。これらの分野で用いられる粘・接着剤には、高温環境(40〜80℃程度)に曝された場合でも強い接着力を維持できること、また、ウレタンフォームのような表面に凹凸を有する難被着体への充分な接着力を有することなどが求められている。しかし、有機溶剤系の粘・接着剤を水系に変更しようとすると、高温での接着力が不十分になるという問題があり、ウレタンフォームのような表面に凹凸を有する被着体に対する接着力も不十分になるという問題もあった。
そのため、例えば、粘着付与樹脂として、テルペン系樹脂を添加することにより、ウレタンフォームに対する初期接着性を向上させる方法が提案されている(特許文献1参照)。当該方法によれば、ウレタンフォームに対する初期接着性は向上することが確認できるが、高温環境における接着性は不十分であった。
また、接着力を向上させるためにエポキシ化合物を用いて特定のゲル分率とする水性粘着剤についても提案されている(特許文献2参照)。当該方法によれば、接着力は向上されるものの、まだ、十分とはいえなかった。
さらにロジンフェノール樹脂を用いた両面粘着テープについての提案もされているが、当該方法によっても、高温環境下での接着力は十分とはいえなかった。(特許文献3参照)
特開2006−348143号公報 特開2007−217594号公報 特開2007−23068号公報
本発明は、高温環境下でも優れた接着力を付与し、かつポリウレタンフォームのような粗面に対しても良好な接着力を付与しうる粘着付与樹脂エマルジョンおよび高温環境下で優れた接着力を有し、かつポリウレタンフォームのような粗面に対しても良好な接着力を有する水性粘・接着剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために、特に粘着付与樹脂について鋭意検討したところ、特定のロジンフェノール系樹脂を用いた粘着付与樹脂エマルジョンを用いることで前記課題を解決しうることを見出した。
すなわち、本発明は、軟化点が155℃〜180℃、重量平均分子量 (Mw)/数平均分子量(Mn)が1.4〜2.1であり、水酸基価と酸価の合計が50〜130mgKOH/gの範囲にある、重量平均分子量(Mw)が260以下の成分の含有量が1.5重量%以下であるロジンフェノール系樹脂(A)を乳化して得られる粘着付与樹脂エマルジョン;当該粘着付与樹脂エマルジョンを含有するアクリルエマルジョン型粘・接着剤組成物;当該粘着付与樹脂エマルジョンを含有するフォーム基材用アクリルエマルジョン型粘・接着剤組成物;当該粘着付与樹脂エマルジョンを含有するポリウレタンフォーム用アクリルエマルジョン型粘・接着剤組成物に関する。
本発明によれば、高温環境下で優れた接着力を有し、かつフォーム基材、とりわけポリウレタンフォームのような粗面に対しても良好な接着力を有するアクリルエマルジョン型粘・接着剤を提供することができる。
本発明の粘着付与樹脂エマルジョンは、軟化点が155℃〜180℃、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)(以下、単にMw/Mn比という場合がある)が1.4〜2.1であり、水酸基価と酸価の合計が50〜130mgKOH/gの範囲にある、重量平均分子量(Mw)が260以下の成分の含有量が1.5重量%以下であるロジンフェノール系樹脂(A)(以下、成分(A)という)を乳化して得られることを特徴とする。
なお、本発明において、軟化点は、環球法(JIS K5902)により測定した値であり、重量平均分子量は、ゲルパーメーションクロマトグラフィー法によるポリスチレン換算値である。また、水酸基価および酸価は、ともに電位差滴定法(JIS K0070)により測定した値である。軟化点が155℃未満の場合には、高温環境下での接着力が低下するため好ましくなく、軟化点が180℃を超える場合には、粘着付与樹脂の分子量が増大し水性粘・接着剤とする際に用いられるアクリル系重合体との相溶性が低下し、良好な接着力が得られないため好ましくない。Mw/Mn比が1.4未満の場合には、通常、高軟化点樹脂を得られないため好ましくなく、2.1を超える場合には、水性粘・接着剤とする際に用いられるアクリル系重合体との相溶性が低下し、良好な接着力が得られないため好ましくない。水酸基価および酸価の合計が50mgKOH/g未満の場合には、アクリル系重合体との相溶性が十分でないため好ましくなく、130mgKOH/gを超える場合には、粘着性能が低下するため好ましくない。
成分(A)は、例えば、ロジン類(a1)(以下、成分(a1)という)とフェノール類(a2)(以下、成分(a2)という)を反応させることにより得られる。
成分(a1)は、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン等の天然ロジン、当該天然ロジンを重合して得られる重合ロジン、天然ロジンを不均化させることにより得られる不均化ロジン、マレイン酸、フマル酸やアクリル酸等の不飽和カルボン酸で変性させることにより得られる不飽和脂カルボン酸変性ロジンなどが挙げられる。これらは1種を単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
成分(a2)としては公知のフェノール化合物であれば特に限定されず、公知のものを用いることができる。具体的には、例えば、クレゾール、ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール等のアルキルフェノール類、フェノール、ビスフェノール類、ナフトール類等が挙げられる。これらは1種を単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
成分(A)は成分(a1)と成分(a2)を反応させることにより得られる。当該反応は、公知の方法により行えばよい。具体的には、例えば、成分(a1)および成分(a2)を必要に応じて酸触媒の存在下、加熱することにより行う。成分(a1)と成分(a2)の使用量としては特に限定されないが、通常、成分(a1)1モルに対して、成分(a2)を0.8〜1.5モル程度反応させればよい。反応温度としては、通常、180〜350℃で6〜18時間程度反応させればよい。なお、当該反応に用いることができる酸触媒としては、特に限定されないが、例えば、硫酸、塩化水素、三フッ化ホウ素等の無機酸触媒やパラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機酸触媒を挙げることができる。触媒を使用する場合には、成分(a1)100重量部に対し、0.01〜1.0重量部程度用いればよい。
このようにして得られたロジンフェノール系樹脂は、通常、低沸点留分を多く含み、所望の軟化点とならないため、通常、加熱、減圧することにより、低沸点留分を除去することにより、所望の軟化点、Mw/Mn比とする。加熱、減圧条件は特に限定されず、含有される低沸点留分の量に応じて調整すればよい。通常は、200〜300℃程度、0.01〜3kPaで、Mwが260以下の成分が、1.5重量%以下となるまで継続して処理すればよい。
このようにして得られた成分(A)を、必要に応じて乳化剤を用い、水中に分散させることにより本発明の粘着付与樹脂エマルジョンを得ることができる。
使用する乳化剤としては、特に限定されず公知の乳化剤を使用することができる。具体的には、例えば、アニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤などを使用することができる。アニオン性乳化剤としては、例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルカンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸エステル塩、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルスルホコハク酸エステル塩、ナフタリンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩等を例示でき、ノニオン性乳化剤としてはポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルおよびこれら乳化剤にビニル基またはアリル基、プロペニル基を導入した反応性乳化剤等を例示できる。これら乳化剤は1種または2種以上を適宜選択して使用することができる。
また、乳化剤としては、各種モノマーを重合して得られる高分子乳化剤を用いてもよい。高分子乳化剤の製造に使用するモノマーとしては、例えば、イオン性モノマー、疎水性モノマー、これら以外のモノマーなどが挙げられる。
イオン性モノマーとしては、分子中にイオン性官能基を有するモノマーであれば特に限定されず公知のものを使用することができる。具体的には、例えば、アニオン性官能基を有するアニオン性モノマー、カチオン性官能基を有するカチオン性モノマーが挙げられる。アニオン性モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ムコン酸、シトラコン酸、無水マレイン酸等のカルボキシル基を有するビニルモノマー、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、(メタ)アクリル酸スルホエチル、(メタ)アクリル酸スルホプロピル、(メタ)アリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などのスルホン酸基を有するモノマー、アシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシプロピル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のリン酸基を有するモノマーおよびこれらモノマーの塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、アミン塩等)などが挙げられる。カチオン性モノマーとしては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、トリアリルアミンなどの第三級アミノ基を有するビニルモノマーまたはそれらの塩酸、硫酸、酢酸などの無機酸もしくは有機酸の塩類、または該第三級アミノ基含有ビニルモノマ−とメチルクロライド、ベンジルクロライド、ジメチル硫酸、エピクロルヒドリンなどの四級化剤との反応によって得られる第四級アンモニウム塩を含有するビニルモノマ−などがあげられる。これらアニオン性モノマー、カチオン性モノマーは一種を単独で用いても良く、2種以上を併用してもよい。粘・接着剤のベースポリマーがアニオン性である場合には、アニオン性モノマーをカチオン性モノマーより多く用いることが好ましく、ベースポリマーがカチオン性である場合には、カチオン性モノマーをアニオン性モノマーより多く用いることが好ましい。通常、ベースポリマーとして、アニオン性のものが用いられることが多いため、アニオン性モノマーを多く用いることが好ましい。
疎水性モノマーとしては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(アルキル基の炭素数が1〜20であるものが好ましい)、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類や、これらスチレン類の芳香環に炭素数1〜4のアルキル基を有するスチレン系化合物のスチレン系単量体、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル、炭素数6〜22のα−オレフィン、炭素数1〜22のアルキルビニルエーテル、ビニルピロリドン等を例示できる。これらのなかでも、特に(メタ)アクリル酸エステル、スチレン系単量体、カルボン酸ビニルエステル等が乳化性の点で好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
イオン性モノマー、疎水性モノマー以外のモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
高分子乳化剤はこれらの成分を公知の方法で重合して得られる。各成分の使用量は特に限定されないが、通常、イオン性モノマー:疎水性モノマー:イオン性モノマーおよび疎水性モノマー以外のモノマーが、1〜80モル%:1〜80モル%:0〜90モル%程度である。
乳化方法としては特に限定されず公知の方法を採用することができる。具体的には、たとえば、(1).成分(A)をトルエン、キシレン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ペンタン等の有機溶剤で溶解し、軟水および乳化剤を添加した後に、高圧乳化機を用いて乳化し、減圧下に有機溶剤を除去する方法、(2).成分(A)と少量の有機溶剤、乳化剤を混合し、熱水を徐々に添加してゆき、転相乳化させてエマルジョンとする方法(必要に応じてさらに、減圧下に該溶剤を除去してもよい)、(3).加圧下または常圧下に、成分(A)の軟化点以上の温度で、成分(A)および乳化剤を混合し、さらに熱水を徐々に添加してゆき、転相乳化させる方法などが挙げられる。
このようにして得られた粘着付与樹脂エマルジョンの固形分濃度は特に限定されないが、通常35〜65重量%程度となるように適宜に調整して用いる。また、得られたエマルジョンの体積平均粒子径は、通常0.1〜2μm程度であり、大部分は1μm以下の粒子として均一に分散しているが、当該体積平均粒子径を0.7μm以下とすることが、貯蔵安定性の点から好ましい。また、該エマルジョンは白色ないし乳白色の外観を呈し、pHは2〜10程度で、粘度(B型粘度計)は通常10〜1000mPa・s程度(25℃、固形分濃度50%において)である。
本発明のアクリルエマルジョン型水系粘・接着剤組成物は、前記粘着付与樹脂エマルジョンおよびアクリル系重合体エマルジョンを含有するものである。なお、アクリルエマルジョン型水系粘・接着剤組成物には、カルボキシル基に反応性を有する架橋剤を含有していてもよい。
アクリル系重合体エマルジョンとしては、一般に各種のアクリル系粘・接着剤に用いられているものを使用でき、(メタ)アクリル酸エステル等のモノマーの一括仕込み重合法、モノマー逐次添加重合法、乳化モノマー逐次添加重合法、シード重合法等の公知の乳化重合法により容易に製造することができる。
アクリル系重合体の製造に用いられる(メタ)アクリル酸エステルとしては、たとえば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル等をあげることができ、これらを単独でまたは二種以上を混合して用いる。また、得られるアクリル系重合体エマルジョンに貯蔵安定性を付与するため前記(メタ)アクリル酸エステルと共に(メタ)アクリル酸を少量使用してもよい。さらに所望によりアクリル系重合体の接着特性を損なわない程度において、たとえば、酢酸ビニル、スチレン等の共重合可能なモノマーを併用できる。なお、アクリル系重合体エマルジョンに用いられる乳化剤にはアニオン系乳化剤、部分ケン化ポリビニルアルコール等を使用でき、その使用量は当該重合体100重量部に対して通常0.1〜5重量部程度、好ましくは0.5〜3重量部である。
アクリル系重合体エマルジョンと粘着付与樹脂エマルジョンの使用割合は、特に限定されないが、粘着付与樹脂水系エマルジョンによる改質の効果が十分に発現でき、かつ、過剰使用による耐熱保持力、タック等の低下を引き起こさない適当な使用範囲としては、アクリル系重合体エマルジョン100重量部(固形分換算)に対して、粘着付与樹脂水系エマルジョンを通常2〜40重量部程度(固形分換算)とするのがよい。
本発明の水系粘・接着剤組成物は、アクリル系重合体エマルジョン、さらに必要に応じて消泡剤、増粘剤、充填剤、酸化防止剤、耐水化剤、造膜助剤等を使用することもできる。なお、水系粘・接着剤組成物の固形分濃度は通常40〜70重量%程度、好ましくは55〜70重量%である。
以下、製造例、実施例をあげて本発明を更に具体的に説明するが、本発明がこれら実施例に限定されることはない。なお、以下「部」、「%」はいずれも重量基準である。
製造例1 [ベースポリマーエマルジョンの製造]
攪拌装置、温度計、還流冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えた反応容器に、窒素ガス気流下、水43.4部およびポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム塩(アニオン性乳化剤:商品名「ハイテノール073」:第一工業製薬(株)製)0.92部からなる水溶液を仕込み、70℃に昇温した。
次いで、アクリル酸ブチル90部、アクリル酸2−エチルヘキシル7部およびアクリル酸3部からなる混合物と、過硫酸カリウム(重合開始剤)0.24部、pH調整剤(重曹)0.11部および水8.83部からなる開始剤水溶液の1/10量を反応容器に添加し、窒素ガス気流下にて70℃、30分間予備重合反応を行った。次いで、前記混合物と前記開始剤水溶液の残りの9/10量を2時間にわたり反応容器に添加して乳化重合を行い、その後70℃で1時間保持して重合反応を完結させた。こうして得られたアクリル系重合体エマルジョンを室温まで冷却した後100メッシュ金網を用いてろ過し、固形分47.8%のアクリル系重合体エマルジョンを得た。
製造例2[ロジンフェノール1の製造]
攪拌装置、コンデンサー、温度計および窒素導入管・水蒸気導入管を備えた反応容器に、ガムロジン100.0部、フェノール100.0部仕込んだ後、100℃まで昇温し、96%硫酸を2.1部仕込み窒素ガス気流下に3時間反応させた。消石灰を3.0部加えた後、10kPa減圧下で280℃まで昇温し、同温度で4時間反応させた。その後、常圧に戻し、0.1MPaの水蒸気を1時間吹き込み、Mw260以下の含有量が1.5%以下であることを確認後、減圧下に水分等を除去し、ロジンフェノール1を得た。得られたロジンフェノール1の物性(軟化点、Mw/Mn比、酸価、水酸基価、Mw260以下の成分量)を下記の方法により測定した。その結果を表1に示す。
(軟化点)
JIS K 2531の環球法により測定した。
(Mw/Mn)
重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、(Mw)/(Mn)比はゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)法により、標準ポリスチレンの検量線から求めた、ポリスチレン換算値として算出した。なお、GPC法は以下の条件で測定した。
分析装置:HLC−8120(東ソー(株)製)
カラム:TSKgelSuperHM-Lx3本
溶離液:テトラヒドロフラン
注入試料濃度:5mg/mL
流量:0.6mL/min
注入量:100μL
カラム温度:40℃
検出器:RI
(酸価)
JIS K 0700に準ずる電位差滴定法で測定した。
(水酸基価)
JIS K 0700に準ずる電位差滴定法で測定した。
(分子量260以下の成分の含有量)
重量平均分子基準で、ポリスチレン換算値を基に上記と同様にGPC法により、算出した。
製造例3[ロジンフェノール2の製造]
製造例2と同様の装置で、ガムロジン100.0部、フェノール150.0部仕込んだ後、100℃まで昇温し、96%硫酸を2.1部仕込み窒素ガス気流下に4時間反応させた。消石灰を3.0部加えた後、10kPaに減圧下で280℃まで昇温し、同温度で4時間反応させた。その後、常圧に戻し、0.1MPaの水蒸気を3時間吹き込み、Mw260以下の含有量が1.2%以下であることを確認後、減圧下に水分等を除去し、ロジンフェノール2を得た。
製造例4[ロジンフェノール3の製造]
製造例2と同様の装置で、ガムロジン100.0部、フェノール150.0部仕込んだ後、100℃まで昇温し、96%硫酸を2.1部仕込み窒素ガス気流下に4時間反応させた。消石灰を3.0部加えた後、10kPaに減圧下で280℃まで昇温し、同温度で4時間反応させた。その後、常圧に戻し、0.1MPaの水蒸気を5時間吹き込み、Mw260以下の含有量が0.5%以下であることを確認後、減圧下に水分等を除去し、ロジンフェノール3を得た。
製造例5[比較用ロジンフェノール4の製造]
製造例2と同様の装置で、ガムロジン100.0部、フェノール150.0部仕込んだ後、100℃まで昇温し、96%硫酸を2.1部仕込み窒素ガス気流下に4時間反応させた。消石灰を3.0部加えた後、10kPaに減圧下で280℃まで昇温し、同温度で4時間反応させた。常圧に戻し、更にグリセリンを3.0部仕込み280℃で6時間反応させた後、水酸化リチウムを3.7部仕込んだ。その後、減圧下に水分等を除去し、ロジンフェノール4を得た。
製造例6[比較用ロジンフェノール5の製造]
製造例2と同様の装置で、ガムロジン100.0部、フェノール150.0部仕込んだ後、100℃まで昇温し、96%硫酸を2.1部仕込み窒素ガス気流下に4時間反応させた。消石灰を3.0部加えた後、10kPaに減圧下で280℃まで昇温し、同温度で4時間反応させた。その後、減圧下に水分等を除去し、ロジンフェノール5を得た。
製造例7[比較用重合ロジンエステル1の製造]
製造例2と同様の反応容器に、重合ロジン100部、ペンタエリスリトールを14部仕込み、250℃で2時間反応させた後、280℃に昇温し、10時間反応させ、エステル化を完了させた。減圧下に水分等を除去し重合ロジンエステル1を得た。
製造例8[比較用重合ロジンエステル2の製造]
製造例2と同様の反応容器に、重合ロジン100部、ペンタエリスリトールを14部仕込み、250℃で2時間反応させた後、280℃に昇温し、12時間反応させ、エステル化を完了させた。次いで、0.1MPaの水蒸気を3時間吹き込み、Mw260以下の成分が1.5%以下であることを確認した。減圧下に水分等を除去し重合ロジンエステル2を得た。
Figure 0005273348
表1に記載のスーパーエステルA−100およびスーパーエステルW−125は荒川化学工業(株)製のロジンエステルである。
実施例1 [粘着付与樹脂エマルジョンの調製]
製造例2で得た、ロジンフェノール1 100重量部をトルエン70部に80℃にて3時間かけて溶解させた後、アニオン性乳化剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)を固形分換算で3部および水140部を添加し、1時間攪拌した。次いで、高圧乳化機(マントンガウリン社製)により30MPaの圧力で高圧乳化して乳化物を得た。次いで、70℃、2.93×10−2MPaの条件下に6時間減圧蒸留を行い、固形分50%の粘着付与樹脂エマルジョン1を得た。
実施例2〜3
実施例1において、ロジンフェノール1を表2の様に代えた他は実施例1と同様に行い、粘着付与樹脂エマルジョンを得た。
比較例1〜6
実施例1において、ロジンフェノール1を表2の様に代えた他は実施例1と同様に行い、粘着付与樹脂エマルジョンを得た。なお、比較例1では粘着付与樹脂エマルジョンは得られなかった。
実施例1〜3および比較例2〜6で得られた粘着付与樹脂エマルジョン15部と製造例1で得られたアクリル系重合体のエマルジョン85部(固形分換算)を混合し、増粘剤プライマルASE−60(ロームアンドハース社製)0.5部を添加し、アンモニア水を適量加え、増粘させて水系粘着剤組成物を得た。得られた水系粘着剤組成物について、以下の評価方法により高温接着力および耐剥れ性を評価した。
(試験サンプルの作成)
上記水系粘着剤組成物を厚さ38μmのポリエステルフィルム(商品名「S−100」、三菱化学ポリエステルフィルム(株)製)にサイコロ型アプリケーター(大佑機材(株)製)にて乾燥膜厚が60μm程度となるように塗布し、次いで105℃の循風乾燥機中で5分間乾燥させて試料テープ用フィルムを作成した。以下の試験方法により粘着特性を評価した。評価結果は表2に示す。
(高温接着性)
前記試料テープ用フィルムをECS系ウレタンフォーム(巾25mm×長さ100mm)に10kgロールを1往復して張り合わせ、80℃にて剥離速度300mm/分で180°剥離を行い、接着力を測定した。
(耐剥れ性)
前記試料テープ用フィルムから試料テープ(巾20mm×長さ28mm)を作成し、これを直径が12mmのポリプロピレン製円柱に屈曲して貼り付け、40℃で3日間後のテープの浮き(mm)を測定した。
Figure 0005273348
比較例1は乳化できなかったため、性能評価を実施しなかった。

Claims (4)

  1. 軟化点が155℃〜180℃、重量平均分子量 (Mw)/数平均分子量(Mn)が1.4〜2.1であり、水酸基価と酸価の合計が50〜130mgKOH/gの範囲にある、重量平均分子量 (Mw)が260以下の成分の含有量が1.5重量%以下であるロジンフェノール系樹脂 (A)を乳化して得られる粘着付与樹脂エマルジョン。
  2. 請求項1に記載の粘着付与樹脂エマルジョンを含有するアクリルエマルジョン型粘・接着剤組成物。
  3. 請求項1に記載の粘着付与樹脂エマルジョンを含有するフォーム基材用アクリルエマルジョン型粘・接着剤組成物。
  4. 請求項1に記載の粘着付与樹脂エマルジョンを含有するポリウレタンフォーム用アクリルエマルジョン型粘・接着剤組成物。
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