JP5273157B2 - 固体酸化物電解質型燃料電池用部材 - Google Patents

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Description

本発明は、長時間の高温での運転においても劣化しない信頼性の高い固体酸化物電解質型燃料電池用部材に関する。
燃料電池は、その発電効率が高いこと、SOx、NOx、COの発生量が少ないこと、負荷の変動に対する応答性が良いこと、コンパクトであること等の優れた特徴を有するため、火力発電の代替としての大規模集中型、都市近郊分散配置型、及び自家発電用等の巾広い発電システムへの適用が期待されている。燃料電池の種類には用いる電解質により、りん酸型、溶融炭酸塩型、固体酸化物型、固体高分子型に分類されるが、なかでも、固体酸化物型燃料電池は、電解質として安定化ジルコニア等のセラミックスを用いており、700〜1000℃の高温で運転されている。
固体酸化物型燃料電池は、高温で運転されるために電極反応に触媒を用いる必要がないこと、高温による化石燃料の内部改質が可能で石炭ガス等の多様な燃料を用いることができること、高温排熱を利用しガスタービン或いは蒸気タービン等と組み合わせ、いわゆるコンバインドサイクル発電とすることにより高効率の発電が可能となること、構成物が全て固体であるためコンパクトであること等の優れた特徴を有し、次世代の電力供給源として非常に有望視されている。
しかしながら、固体酸化物型燃料電池の実用化のためには多くの検討課題が残されており、特に高出力密度が可能な平板型燃料電池の場合、重要な構成要素としてセパレータが挙げられる。このセパレータは電解質、燃料極、空気極の三層を支持し、ガス流路を形成するとともに電流を流す役目を有する。従ってセパレータには、高温での電気伝導性、耐酸化性、更に電解質との熱膨張差が小さいこと等の特性が要求される。このような要求特性を鑑み、従来は導電性セラミックスが多く用いられてきたが、近年、低コスト化や軽量薄肉化、加工の容易性などの理由から、セラミックスに比べて安価で信頼性のある金属材料を用いたセパレータの開発が進められている。
通常の金属材料を1000℃付近で使用すると、表面が酸化され酸化被膜を生じるが、セパレータ材として用いるためにはこの酸化被膜が安定で酸化が進行しないことと共に酸化被膜が電気伝導性を有することが必要である。このような要求特性を満足させるために、特許文献1には固体酸化物型燃料電池用金属材料として、C:0.1%以下、Si:0.5〜3.0%、Mn:3.0%以下、Cr:15〜30%、Ni:20〜60%、Al:2.5〜5.5%、残部Feからなるオーステナイト系ステンレス鋼が提案されている。また、特許文献2には固体電解質型燃料電池のセパレータとして、Fe:60〜82%及びCr:18〜40%に前記単電池の空気極との間の接触抵抗を低減する添加元素(La、Y、CeまたはAlをそれぞれ単独で含有させる)からなる合金を使用することが提案されている。更に、特許文献3特開平7−145454号には、固体電解質型燃料電池用金属材料としてCr:5〜30%、Co:3〜45%、La:1%以下、残部Feからなる材料が提案されている。
このうち、特許文献1に開示されたオーステナイト系ステンレス鋼は電解質である安定化ジルコニアに比べて熱膨張係数が大きいため、電池の起動、停止に伴う熱サイクルによる電解質の割れなどによる電池の性能劣化を起こしやすい。これに対して、特許文献2や特許文献3に開示された材料は、オーステナイト系ステンレス鋼に比べて熱膨張係数が小さく、電解質である安定化ジルコニアに近いため長時間使用における安定性に有利であり、また、電気伝導率も高い。しかし、長時間使用後の耐酸化性が不十分であり、酸化層の増大に伴う剥離現象を引き起こし、電池のガス流路を狭めて電池性能を低下させるという問題がある。
これに対して、特許文献4では、金属セパレータの金属基材表面に耐酸化性の薄膜を形成することで、空気極の酸化を抑制する方法が記載されている。また、特許文献5には、セパレータ母材の表面に導電性セラミックス粉末とガラスを含む表面保護層を形成することで、耐酸化性と導電性を確保する方法が記載されており、特許文献6には空気極とセパレータの接合界面にガラスフリット添加導電性ペーストを塗布、焼成することで、空気極とセパレータとの接触抵抗を低減する方法が記載されている。
特開平6−264193号公報 特開平7−166301号公報 特開平7−145454号公報 特開平10−92446号公報 特開平10−270062号公報 特開2006−190593号公報
しかしながら、上記の特許文献4による方法では、長時間の使用や入り切り動作に伴う繰り返しの温度サイクルに伴い、薄膜表面に亀裂が入り、この亀裂から金属セパレータ本体へ酸化性雰囲気ガスが浸入し、金属セパレータの酸化が進行してしまい、長期間の安定性が十分とはいえないという問題があった。また、特許文献5や特許文献6による方法では、ガラスの軟化温度が固体電解質型燃料電池の動作温度より低いため、金属セパレータからCr又はCr化合物(以下、Crと略記)が揮発して電極に付着し、電極特性を劣化させるいわゆるCr被毒を抑制するのに十分とはいえないという問題があった。
本発明の目的は、長時間の高温での運転においても劣化しない信頼性の高い固体酸化物電解質型燃料電池用セパレータ及びそれを用いた固体酸化物電解質型燃料電池を得ることにある。
本発明の固体電解質型燃料電池用部材は、金属基材と、この金属基材の表面に形成された酸化物層と、この酸化物層の表面に形成されたコーティング層とを含み、このコーティング層がガラスと導電材とを含むことを特徴とする。
本発明によれば、長時間の使用や繰り返しの温度サイクルに対しても割れ等が発生せず、長期間信頼性の高い固体酸化物燃料電池を得ることができる。
本発明による実施例の固体電解質型燃料電池用部材を示す拡大断面図である。 本発明による実施例の固体電解質型燃料電池用部材を示す拡大断面図である。 本発明による実施例の固体電解質型燃料電池用部材のコーティング層に用いるガラスの組成を示す一覧表である。 熱膨張係数とB/SiO比との関係を示すグラフである。 熱膨張係数とZrO/SiO比との関係を示すグラフである。 熱膨張係数とMgO/SiO比との関係を示すグラフである。 熱膨張係数とCaO/SiO比との関係を示すグラフである。 熱膨張係数とSrO/SiO比との関係を示すグラフである。 熱膨張係数とBaO/SiO比との関係を示すグラフである。 電気抵抗値の測定装置を示す概略構成図である。 本発明に係る固体電解質型燃料電池用部材のコーティング層に含まれる導電材の量と750℃における当該固体電解質型燃料電池用部材の高温抵抗値との関係を示すグラフである。 コーティング層に含まれる導電材の種類と750℃での高温抵抗値との関係を示すグラフである。 Crの揮発量の評価装置を示す概略断面図である。 加熱時間とCrの揮発量との関係を示すグラフである。 ガラス量とCrの揮発量との関係を示すグラフである。 ガラスの軟化点とCrの揮発量との関係を示すグラフである。 濡れ広がり比率とAl/SiO比との関係を示すグラフである。 濡れ広がり比率とMgO/SiO比との関係を示すグラフである。 濡れ広がり比率とCaO/SiO比との関係を示すグラフである。 濡れ広がり比率とSrO/SiO比との関係を示すグラフである。 濡れ広がり比率とBaO/SiO比との関係を示すグラフである。 コーティング層の膜厚と高温抵抗値との関係を示すグラフである。 Cr揮発性評価試験後のアルミナ板のSEM−EDX分析結果を示す画像及びグラフである。 本発明による実施例の固体電解質型燃料電池用部材を示す断面SEM画像である。 Cr揮発性評価試験後のアルミナ板のSEM−EDX分析結果を示す画像及びグラフである。
以下、本発明の実施形態である固体電解質型燃料電池用部材、セパレータ、集電体及びこれらを用いた固体電解質型燃料電池について説明する。
前記固体電解質型燃料電池用部材において、前記ガラスは、SiOを25〜65mass%含有し、アルカリ金属成分の含有量が0.1mass%以下である。
前記固体電解質型燃料電池用部材において、前記ガラスは、Alを5〜30mass%、アルカリ土類金属酸化物を25〜60mass%、ZrOを0〜30mass%、希土類酸化物を0〜20mass%含有する。
前記固体電解質型燃料電池用部材において、前記導電材は、温度上昇に伴い、導電率が高くなる金属酸化物で形成されている。
前記固体電解質型燃料電池用部材において、前記導電材は、Fe、Cr、Ni、Co、Cu、Mn又はLaを含む酸化物又は複合酸化物で形成されている。
前記固体電解質型燃料電池用部材は、前記コーティング層の厚さが0.1〜300μmである。
前記固体電解質型燃料電池用部材は、前記コーティング層の熱膨張係数が金属基材の熱膨張係数と同等か、それより小さい。
前記固体電解質型燃料電池用部材においては、前記コーティング層に含まれる前記ガラスの量が体積基準で20〜80%である。
前記固体電解質型燃料電池用部材においては、前記ガラスの軟化点が固体電解質型燃料電池の運転温度以上である。
前記固体電解質型燃料電池用部材においては、前記ガラスの熱膨張係数が金属基材の熱膨張係数と同等か、それより小さい。
前記固体電解質型燃料電池用部材においては、前記導電材の粒径と前記コーティング層の厚さとの比が、前記導電材の粒径/コーティング層の厚さ=1/300〜1/1である。
前記固体電解質型燃料電池用部材は、セパレータ又は集電体に好適である。
前記固体電解質型燃料電池は、前記固体電解質型燃料電池用部材をセパレータ又は集電体として用いる。
前記固体電解質型燃料電池用部材は、前記固体電解質型燃料電池において、セル間を電気的に接続し、金属基材と、この金属基材の酸化物層と、コーティング層とを含み、このコーティング層がガラスと導電材とを含む。
固体電解質型燃料電池は、運転温度が700〜1000℃と高温であるため、金属基材には高温酸化雰囲気に対して化学的に安定であるとともに、導電性を備えることが要求される。このような用途に適した金属基材用の材料として、Fe基合金、Ni基合金などが挙げられるが、Ni基合金は高価なNiを含むため高価であるのに対して、Fe基合金はこれに比べて安価であるため好ましい。
また、Fe基合金のなかでも、特許文献1に記載のようなオーステナイト系合金は高価なNiを大量に含むため高価である。これに対して、フェライト系合金はNiを含まないか、又は含んでも少量であり安価であり好ましい。特に高温酸化雰囲気に対する安定性および導電特性の点から金属基材用の材料としてはFe−Cr系合金が好適である。
金属基材の酸化物層は、金属基材とコーティング層のガラスとが強固な結合を確保する上で必須である。酸化物層の組成は金属基材の組成に依存するため、一概には述べられないが、例えばFe−Cr系合金の場合、Crを主成分とした酸化物層が形成される。この酸化物層は、例えば、コーティング層にSiO系ガラスを用いた場合、ガラスとの濡れ性が高く、緻密なコーティング層を形成することができるため好ましい。なお、Niを含有した酸化物層の場合、特にコーティング層にSiO系ガラスを用いた場合、ガラスとの濡れ性が低く、緻密なコーティング層を形成することができないため好ましくない。
金属基材の酸化物層の厚さは50μm以下であることが好ましい。酸化物層の厚さがこれより厚いと、導電特性が低下するとともに、その上に形成するコーティング層が剥離しやすくなるためである。
コーティング層のガラスが金属基材の酸化物層を介して金属基材と結合することで、強固な結合を確保している。形成するコーティング層の厚さは0.1〜300μmであることが好ましく、さらに0.5〜100μmであればより好ましい。これは、例えば金属基材にFe−Cr系合金を用いた場合、コーティング層の厚さが0.1μmより小さいとCrの揮発防止に不十分であり、300μmより大きいと固体電解質型燃料電池の作動−停止時などの温度変動に伴う熱衝撃によりクラックを生じやすくなるためである。
電解質である安定化ジルコニアの30〜750℃での熱膨張係数は11×10−6/℃であり、金属基材にはこれと同等の熱膨張係数を有する材料を用いることが望ましい。この点からも、安定化ジルコニアに比べて熱膨張係数が大きなオーステナイト系合金は不適であり、同等の熱膨張係数を有するFe−Cr系合金が好ましい。コーティング層の熱膨張係数は金属基材の熱膨張係数と同等か、それより小さいことが望ましい。これは、コーティング層の熱膨張係数が金属基材の熱膨張係数より大きいと、固体電解質型燃料電池の作動−停止時などの温度変動に伴い、コーティング層内やコーティング層と金属基材との界面などでクラックを生じるためである。また、金属基材の熱膨張係数に対して、コーティング層の熱膨張係数が小さすぎると、端部や凹凸部などでクラックを生じるため、金属基材の熱膨張係数が11×10−6/℃の場合、コーティング層の熱膨張係数は、6×10−6/℃〜11×10−6/℃であることが好ましく、さらに、8×10−6/℃〜11×10−6/℃であればより好ましい。
なお、十分な導電性を確保するために、コーティング層を形成したセパレータの750℃での電気抵抗は30mΩcm以下であることが望ましい。また、電極へのCr付着による特性劣化を防止するため、酸化雰囲気中、900℃にて1000h加熱保持したセパレータからのCrの揮発量は、ICPで測定した場合、測定下限(0.3mg/cm)未満であり、SIMSで測定した場合、コーティング層を形成していない金属基材のCr量を基準(=1)として、その1/50未満であることが好ましい。これはCr量がこれら未満であれば、実質電極の特性に影響を及ぼさないためである。
本発明のコーティング層は、高温酸化雰囲気に対して化学的に安定であるとともに、導電性を備えているため、集電部材にも用いることができる。ここで、集電部材とは、金属シート又は多孔質金属シートなどであり、セパレータと空気極や燃料極などの電極の間やセパレータとセルから構成されるスタック間などに設置され、これらの間での電気的接続を良好に保つものである。この集電部材は平板型固体燃料電池に限らず、円筒型や扁平円筒型の固体燃料電池に於いても用いられている。
ガラスの軟化点が固体電解質型燃料電池の運転温度より低いと、固体電解質型燃料電池作動時にガラスの粘性が低くなりすぎてCrの揮発防止が不十分となる。そのためガラスの軟化点は固体電解質型燃料電池の運転温度以上であることが好ましい。但し、軟化点が高すぎると、コーティング層を形成する際の焼成温度を高くすることが必要であり、それにより金属基材の酸化が促進され導電特性の悪影響を及ぼすため、軟化点が1200℃以下のガラスを用いることが望ましい。なお、ガラスの転移点が固体電解質型燃料電池の運転温度より高いと、固体電解質型燃料電池作動時にガラスの粘性が高くなりすぎて、ガラスと金属基材の間で十分な密着性を確保できないため、転移点は固体電解質型燃料電池の運転温度以下であることが好ましい。
ガラスの熱膨張係数は金属基材の熱膨張係数と同等か、それより小さいことが望ましい。これは、ガラスの熱膨張係数が金属基材の熱膨張係数より大きいと、固体電解質型燃料電池の作動−停止時などの温度変動に伴い、コーティング層内やコーティング層と金属基材との界面などでクラックを生じるためである。また、金属基材の熱膨張係数に対して、ガラスの熱膨張係数が小さすぎると、端部や凹凸部などでクラックを生じるため、金属基材の熱膨張係数が11×10−6/℃の場合、ガラスの熱膨張係数は、6×10−6/℃〜11×10−6/℃であることが好ましく、さらに、8×10−6/℃〜11×10−6/℃であればより好ましい。
コーティング層に含まれるガラスの量は体積分率で20〜80%であることが好ましい。これは20%より少ないとCrの揮発防止に不十分となるためであり、80%より多くなると導電性を確保できなくなるためである。
コーティング層のガラスはSiOを25〜65mass%含み、アルカリ金属成分の含有量が0.1mass%以下であるガラスが好ましい。さらに、SiOを25〜65mass%含有し、少なくともAl、アルカリ土類金属酸化物、ZrO、希土類酸化物より選ばれた酸化物を、Alを5〜30mass%、アルカリ土類金属酸化物を25〜60mass%、ZrOを0〜30mass%、希土類酸化物を0〜20mass%含有し、アルカリ金属成分の含有量が0.1mass%以下であることが好ましい。アルカリ金属成分はCrの揮発を促進するため、アルカリ金属酸化物などのアルカリ金属を含む成分は意図的に添加しないことが好ましい。
以下、ガラスの組成に関して説明する。
SiO量は25mass%〜65mass%が好ましく、さらに40mass%〜60mass%であればより好ましい。これは、25mass%より少ないと軟化点が700℃より低くなるためであり、65mass%より多いと軟化点が1200℃より高くなるためである。
Alはガラスの耐熱性を向上させる効果があるが、その量は5mass%〜30mass%が好ましい。これは、5mass%より少ないと耐熱性向上に効果がないためであり、30%より多いと軟化点が1200℃より高くなるためである。
アルカリ土類金属酸化物はガラスの高温粘性を低下させ、熱膨張係数を大きくする効果があるが、その量は25mass%〜60mass%が好ましい。これは、25mass%より少ないと、軟化点が1200℃より高くなるためであり、60mass%より多いと熱膨張係数が11×10−6/℃より大きくなるためである。
ZrOはガラスの耐食性を向上させる効果があるが、その量は30mass%以下が好ましい。これは、30mass%より多いと熱膨張係数が11×10−6/℃より大きくなるためである。なお、1mass%より少ないと耐食性向上に効果がないため、1mass%〜30mass%であることがより好ましい。
希土類酸化物の添加はガラスの転移点を上昇させ、熱膨張係数を大きくする効果があるが、その量は20mass%以下が好ましく、さらに10mass%以下であればより好ましい。これは20mass%より大きいと熱膨張係数が11×10−6/℃より大きくなるためである。
また、本ガラスは必要に応じてB、ZnOなどを添加することができる。Bはガラスの高温粘性を改善するのに効果的であるが、10mass%より多いと軟化点が700℃より低くなるため好ましくない。
また、ZnOは耐食性を改善するのに効果的であるが、10mass%より多いと軟化点が700℃より低くなるため好ましくない。
コーティング層の導電材は温度上昇に伴い、導電率が大きくなる金属酸化物が好ましく、特にFe、Cr、Ni、Co、Cu、Mn、Laを含む酸化物、複合酸化物が好適である。このほか、高温酸素雰囲気中で安定な金属や合金、特に白金、イリジウム、ロジウム、パラジウム、金、銀などの貴金属およびこれらの合金や金属窒化物なども用いることができる。
導電材の粒径とコーティング層の厚さの比は導電材の粒径/コーティング層の厚さ=1/300〜1/1であることが望ましい。これは1/300より小さいと導電性を確保できなくなるためであり、1/1より大きいとCrの揮発防止が不十分となるためである。
コーティング層の成膜方法としては、ドクタブレード法、スプレーコート法、スラリーコート法、溶射法、スパッタリング法、蒸着法、エアロゾルデポジッション法、コールドスプレー法などが挙げられる。これらに用いるペースト又はスラリーはガラスおよび導電材にテルピネオール、ブチルカルビトールなどの有機溶媒を加えてペースト化またはスラリー化したものを用いることができる。ペーストやスラリーの粘度は溶媒や混合するバインダの量により調整することが可能であり、バインダとしてはエチルセルロースが挙げられる。ペーストを作製する際のガラスの粒径は200μm以下がよく、100μm以下であればより好ましい。これは200μmより大きいと、焼成する際にガラスが十分に軟化せず、焼成後の保護コートに凹凸を生じるためである。またスラリーを作製する際のガラスの粒径は50μm以下がよく、10μm以下であればより好ましい。これは50μmより大きいと、ガラスを均一にコートできないためである。
形成したコーティング膜を焼成する際の焼成温度は酸化雰囲気中であれば1300℃以下とすることが好ましい。これは、1300℃より高い温度では、金属基材の酸化が進行して導電性が低下するためである。なお窒素や不活性ガスなど金属基材の酸化が促進されない環境であれば、1300℃以上での焼成を行うことが可能である。なお、コーティング層には必要に応じて、ガラス以外にも、アルミナ、ジルコニア、炭化珪素、窒化珪素、ムライトなどの酸化雰囲気で安定なセラミックスを用いることができる。これらのセラミックスは前記と同様の方法で形成することができる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。
本実施例においては、固体酸化物燃料電池用金属セパレータの基材としてFe−22Cr鋼を用いる。そして、平均粒径3μmのガラス及び平均粒径10μmの導電材粒子を有機溶剤中に分散し、スプレー法等を用いて上記の基材の酸素極側に厚さ50μmとなるように塗布した。さらに、電気炉にて1000℃、1時間空気中で焼成し、コーティング層を形成した。
図1にセパレータの断面の拡大図を示す。
本図において、1はFe−22Cr鋼、2はCr酸化物層、3はコーティング層、4はガラス、5は導電材である。
Fe−22Cr鋼1の表面に形成したCr酸化物層2とガラス4は一体結合し、強固なコーティング層を形成している。また、コーティング層のガラス中に導電材5が分散しているが、導電材5は相互に接触することで導電性を確保している。
図2は、コーティング層の厚さが10μmの場合におけるセパレータの拡大断面図である。ここでは、導電材5の粒径がコーティング層3の厚さとほぼ等しいため、導電材5は相互に接触しなくても、単体で導電性を確保することが可能となる。ガラス4は導電材5の隙間を埋めており、これにより、Crの揮発を防止している。
図3にガラスの実施例の組成を示す。なお、本実施例においては、金属セパレータの基材として、Fe−22Cr鋼(熱膨張係数11×10−6/℃)を用いた。
No.1〜11にはSiO量を、No.12〜19にはAl量を、No.20〜29にはアルカリ土類金属酸化物量を、No.30〜36にはZrO量を、No.37〜42にはGd量を変化させたガラス組成を示す。
ここに示すように、SiOを25〜65mass%、Alを5〜30mass%、アルカリ土類金属酸化物を25〜60mass%、ZrOを0〜30mass%、希土類酸化物を0〜20mass%の組成範囲において、軟化点が700〜1200℃、熱膨張係数が11×10−6/℃以下のコーティング層に適したガラスが得られた。
図3のNo.15をベースにして、さらに熱膨張係数とSiOに対する各構成酸化物の重量比との関係を検討した結果を図4〜図9に示す。
図4に示すように、B/SiO比が0.6より大きくなると、熱膨張係数が11×10−6/℃より大きくなるため、B/SiO比は0.6以下が好ましい。
図5に示すように、ZrO/SiO比が0.8より大きくなると、熱膨張係数が11×10−6/℃より大きくなるため、ZrO/SiO比は0.8以下が好ましい。
図6に示すように、MgO/SiO比が0.7より大きくなると、熱膨張係数が11×10−6/℃より大きくなるため、MgO/SiO比は0.7以下が好ましい。
図7に示すように、CaO/SiO比が0.8より大きくなると、熱膨張係数が11×10−6/℃より大きくなるため、CaO/SiO比は0.8以下が好ましい。
図8に示すように、SrO/SiO比が0.3より大きくなると、熱膨張係数が11×10−6/℃より大きくなるため、SrO/SiO比は0.3以下が好ましい。
図9に示すように、BaO/SiO比が1.6より大きくなると、熱膨張係数が11×10−6/℃より大きくなるため、BaO/SiO比は1.6以下が好ましい。
本実施例においては、金属基材にFe−22Cr鋼を用いる。そして、図3のNo.6に記載のガラス粉末(平均粒径3μm)及びFe粉末(平均粒径50μm)を、テルピネオール、エチルセルロースと混合してペースト化し、ドクタブレード法を用いて上記の金属基材の表面に厚さ100μmになるように塗布した。さらに、電気炉にて900℃、1時間空気中で焼成し、コーティング層を形成した。
得られたサンプルに関して、高温での電気抵抗の測定を行った。
図10に電気抵抗値の測定装置の構成を示す。
コーティング層3を形成した金属基材6(10mm×10mm×2mm)の上下面に測定端子を設置し、電源7より測定端子間に電流Iを供給し、上下間での電圧降下ΔVを電位差計11により測定した。測定された電圧値ΔV及び供給電流値Iより抵抗値R=ΔV/Iを算出した。
なお、本サンプルでは金属基材の両面にコーティング層を形成したため、この抵抗値Rにコーティング層の面積S(2cm)を乗じ、さらに2で割った値R・S/2(単位mΩ・cm)で評価した。
図11に導電材の量と750℃での高温抵抗値との関係を示す。
本図に示すように、導電材量が20vol%以上で、750℃での高温抵抗値は30mΩcm以下の値を示している。これにより、本サンプルが高導電性を有することがわかる。
次に、混合する導電材の種類を変えて評価を行った。ここで、導電材の量は60vol%とした。
図12に導電材の種類と750℃での高温抵抗値との関係を示す。
本図に示すように、Fe、Cr、Ni、Co、Cu、Mn又はLaを含む酸化物、複合酸化物は、750℃での高温抵抗値は30mΩcm以下の値を示している。これにより、本サンプルが高導電性を有することがわかる。
本実施例においては、金属基材にFe−22Cr鋼を用いる。そして、図3のNo.15に記載のガラス粉末(平均粒径5μm)及び平均粒径10μmのCoO粉末を、ブチルカルビトールアセテート等の有機溶剤中に分散し、スプレー法等を用いて上記の金属基材の表面に厚さ50μmとなるように塗布した。さらに、電気炉にて900℃、1時間空気中で焼成し、コーティング層を形成した。得られたサンプルを900℃にて所定の時間保持して、Cr揮発量の測定を行った。
図13にCrの揮発量を評価するための装置の構成を示す。
コーティング層3を形成した金属基材6(10mm×10mm×2mm)の周囲にアルミナ材8a、8b、8cを配置し、これを900℃で加熱して、金属基材6の上部に配置したアルミナ材8aに付着したCrをマイクロウエーブ法で抽出して、誘電結合プラズマ発行分光装置(ICP:エスアイアイ・ナノテクノロジー製 SPS5100)で測定評価した。ここで、金属基材6と上部に配置したアルミナ材8aとの間隔は0.5mmとした。
図14に導電材量60vol%(ガラス量40vol%)のコーティング層について、加熱時間とCrの揮発量との関係を示す。
コーティング層を形成していない金属基材は加熱時間の増加に伴い、Crの揮発量が増加しているのに対して、コーティング層を形成したものは0.3mg(測定下限)未満であり、長時間にわたってCrの揮発が抑制されていることを示している。
図15にガラス量とCr揮発量との関係を示す。ここで、加熱温度は900℃で、加熱時間は1000時間とし、そのほかの条件は前記と同様である。
本図に示すように、ガラス量が20vol%以上でのCr量は0.3mg(測定下限)未満であり、Crの揮発が抑制されていることを示している。
次に、ガラスの軟化点とCr量の関係を評価した。ここで、ガラス量は40vol%、加熱温度は900℃で、加熱時間は1000時間とし、そのほかの条件は前記と同様である。評価には図3よりNo.1〜No.10のガラスを用いた。
図16に評価結果を示す。
軟化点が900℃より高いガラスの場合、Cr量が0.3mg(測定下限)未満であるのに対して、軟化点が900℃未満のガラス材では、軟化点の低下に伴いCr量が増加しており、Crの揮発防止が不十分であることを示している。
本発明のガラスを用いてコーティング層を形成する場合、前記のように導電材や溶媒などと混合したペーストやスラリーを塗布、焼成してコーティング層を形成する。ここで、コーティング層の形成性はガラスの高温粘性に依存するため、これを簡便に評価する方法としてガラスの広がり比率の測定を行った。
粒径150μm以下に粉砕して分級したガラス粉末を、ハンドプレスを用いて直径10mm、高さ5mmのガラスペレットとした。このガラスペレットをアルミナ板の上に載せて大気中で1時間加熱した。
加熱後の濡れ広がり面積を算出し、基準材に対する濡れ広がり比率(=ガラスの濡れ広がり面積/基準材の濡れ広がり面積)を算出した。ここで、広がり比率が1より大きい場合、厚さが均一で、かつ緻密なコーティング層を形成することができたが、1より小さいと、ガラスが十分に流動せず、コーティング層の厚さが不均一となり、緻密なコーティング層を形成することはできなかった。
図17〜図21には、図3のNo.6をベースにして、1000℃で加熱した場合の濡れ広がり比率とSiOに対する各構成酸化物の重量比との関係を示す。
図17に示すように、Al/SiO比が0.6より大きくなると、広がり比率は1より小さくなるため、Al/SiO比は0.6以下が好ましい。
図18に示すように、MgO/SiO比が0.4より大きくなると、広がり比率は1より小さくなるため、MgO/SiO比は0.6以下が好ましい。
図19に示すように、CaO/SiO比が0.7より大きくなると、広がり比率は1より小さくなるため、CaO/SiO比は0.7以下が好ましい。
図20に示すように、SrO/SiO比が0.3より大きくなると、広がり比率は1より小さくなるため、SrO/SiO比は0.3以下が好ましい。
図21に示すように、BaO/SiO比が1.5より大きくなると、広がり比率は1より小さくなるため、BaO/SiO比は1.5以下が好ましい。
なお、加熱温度が1000℃より高くなると、広がり比率が1より小さくなる各構成酸化物とSiOとの重量の比は、1100℃の場合より大きくなる。その増加割合は0.2〜0.5/100℃であった。
本実施例においては、金属基材にFe−22Cr鋼を用いる。そして、図3のNo.15に記載のガラス粉末(平均粒径2μm)とFe粉末(平均粒径16μm)とを体積基準で40:60の割合で混合した混合粉末に、バインダとしてエチルセルロースを混合した。混合粉末とバインダとの混合比は、質量基準で98:2である。これに溶媒としてテルピネオールを混合してペースト化し、上記の金属基材の表面にスクリーン印刷法を用いて成膜した。
成膜後のサンプルを電気炉にて950℃、1時間空気中で焼成し、コーティング層を形成した。得られたサンプルに関して、実施例3において図10を用いて説明したように、高温(750℃)での電気抵抗の測定を行った。
図22にコーティング層の膜厚と高温抵抗値との関係を示す。
本図に示すように、膜厚の低下に伴い、高温抵抗値は低下し、平均粒子径16μmのFe粉末を用いた場合、特に膜厚60μm以下にて、750℃での高温抵抗値は30mΩcm以下の値を示しており、高導電性を有することがわかる。
膜厚47μmのサンプルについて実施例4において図13を用いて説明したように、Cr揮発性の評価を行った。
図23にCr揮発性評価試験後のアルミナ板(図13においてサンプル上方に設置したアルミナ材8a)のSEM−EDX分析結果を示す。
SEM画像は、このアルミナ板の表面の形態であり、EDX分析は、SEM画像の中央部において長方形の枠で囲った箇所を分析した結果である。
このEDX分析結果に示すように、アルミナ板からはCrは検出されていない。これは、本発明の成膜材がCr揮発の抑制に有効であることを示している。
本実施例においては、金属基材にFe−22Cr鋼を用いる。そして、図3のNo.25に記載のガラス粉末(平均粒径1μm)とFe粉末(平均粒径1μm)とを体積基準で40:60の割合で混合した混合粉末を、上記の金属基材の表面にエアロゾルデポジション法(以下、AD法と記す。)により成膜を行った。
図24に成膜材の断面SEM画像を示す。
膜厚約1μmのガラス膜が金属基材の上に成膜されていることが分かる。また、ガラス膜と金属基材との界面、及びガラス膜中などにクラックや剥離などは見られず、緻密な膜が形成されていることを示している。このAD法で成膜した成膜材に関してCr揮発性の評価および高温抵抗の測定を実施した。Cr揮発性評価方法は実施例4において図13を用いて説明した通りである。
図25にCr揮発性評価試験後のアルミナ板(図13においてサンプル上方に設置したアルミナ材8a)のSEM−EDX分析結果を示す。
SEM画像は、このアルミナ板の表面の形態であり、EDX分析は、SEM画像の中央部において長方形の枠で囲った箇所を分析した結果である。
本図におけるEDX分析結果に示すように、アルミナ板からはCrは検出されていない。これは、成膜材がCrの揮発を抑制するために有効であることを示している。
実施例3において図10を用いて説明したように、750℃での高温抵抗値を測定した結果、23mΩcmとなり、高温抵抗値の基準値である30mΩcm以下の値を示した。これにより、本成膜材が高導電性を有することを確認した。
本発明のセパレータを用いた固体電解質型燃料電池は、従来の金属セパレータやセラミックスセパレータなどを用いた固体電解質型燃料電池に比べて発電特性の長期安定性及び信頼性を確保することが可能であるため、一般家庭や工場などの事業所に置ける分散発電電源システムとして用いることができる。また、火力発電や原子力発電などの既存の発電システムと組み合わせたコンバインド発電システムとしても用いることもできる。
1 Fe−22Cr鋼
2 Cr酸化物層
3 コーティング層
4 ガラス
5 導電材
6 金属基材
7 電源
8 アルミナ材

Claims (12)

  1. 金属基材と、この金属基材の表面に形成された酸化物層と、この酸化物層の表面に形成されたコーティング層とを含み、このコーティング層がガラスと導電材とを含む固体電解質型燃料電池用部材であって、前記ガラスは、SiOを25〜65mass%、Alを5〜30mass%、アルカリ土類金属酸化物を25〜60mass%、ZrOを0〜30mass%、希土類酸化物を0〜20mass%含有し、アルカリ金属成分の含有量が0.1mass%以下であることを特徴とする固体電解質型燃料電池用部材。
  2. 前記導電材は、温度上昇に伴い、導電率が高くなる金属酸化物で形成されていることを特徴とする請求項1記載の固体電解質型燃料電池用部材。
  3. 前記導電材は、Fe、Cr、Ni、Co、Cu、Mn又はLaを含む酸化物又は複合酸化物で形成されていることを特徴とする請求項1記載の固体電解質型燃料電池用部材。
  4. 前記コーティング層の厚さが0.1〜300μmであることを特徴とする請求項1記載の固体電解質型燃料電池用部材。
  5. 前記コーティング層の熱膨張係数が金属基材の熱膨張係数と同等か、それより小さいことを特徴とする請求項1記載の固体電解質型燃料電池用部材。
  6. 前記コーティング層に含まれる前記ガラスの量が体積基準で20〜80%であることを特徴とする請求項1記載の固体電解質型燃料電池用部材。
  7. 前記金属基材は、少なくともCrを含み、前記ガラスの軟化点が固体電解質型燃料電池の運転温度以上であることを特徴とする請求項1記載の固体電解質型燃料電池用部材。
  8. 前記ガラスの熱膨張係数が金属基材の熱膨張係数と同等か、それより小さいことを特徴とする請求項1記載の固体電解質型燃料電池用部材。
  9. 前記導電材の粒径と前記コーティング層の厚さとの比が、前記導電材の粒径/コーティング層の厚さ=1/300〜1/1であることを特徴とする請求項1記載の固体電解質型燃料電池用部材。
  10. 請求項1〜のいずれか一項に記載の固体電解質型燃料電池用部材を用いることを特徴とするセパレータ。
  11. 請求項1〜のいずれか一項に記載の固体電解質型燃料電池用部材を用いることを特徴とする集電体。
  12. 請求項1〜のいずれか一項に記載の固体電解質型燃料電池用部材をセパレータ又は集電体として用いることを特徴とする固体電解質型燃料電池。
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