JP5271531B2 - リンゴ検出用プライマーセットおよびリンゴ検出方法 - Google Patents

リンゴ検出用プライマーセットおよびリンゴ検出方法 Download PDF

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本発明は、食物アレルギーの原因となるリンゴを特異的かつ高感度で検出することのできるプライマーセット、およびリンゴ検出方法に関する。
リンゴ(Malus domestica)は、リンゴ属(Malus属)の植物で、リンゴの摂取により口腔アレルギー(OAS)、重症例ではアナフィラキシーショックが引き起こされることが知られている。リンゴは、現在、アレルギー物質を含む食品のうち、特定原材料に準ずる20品目に含まれており、食品に対する安全・安心を確保する上で、リンゴの検出法を確立する必要がある。これまで加工食品中のリンゴ検出法としては、クロロプラストのmatK(maturase-encoding gene)遺伝子配列におけるリンゴに特異的な領域から設計したプライマーセットを用いてPCRを行う方法が報告されている(特許文献1)。
しかしながら、特許文献1のリンゴ検出法では、得られるPCR増幅産物が172bpと比較的長く、DNAが分解して短くなっている加工食品中に混在しているリンゴを検出するにはその長さがもう少し短いものであることが好ましい。また、特許文献1におけるリンゴ検出用プライマーを用いたPCRでは、リンゴのみが特異的に検出され、ナシ、モモは検出されなかったことが示されている。しかし、そのプライマー配列に対する相同性がナシ、モモよりも高いビワ、マルメロが検出されないことの確認は行っていない。ビワ、マルメロは共に商業的に流通している果物であり、リンゴと同じ長さの増幅産物が得られる場合には誤判定のおそれがある。また、リンゴDNA 1pgを検出できたことまでは示されているが、アレルギー患者の安全を考えると、より少ない量のリンゴDNAを検出できる高感度な検出法であることが望ましい。
また、特許文献1で得られる増幅産物中には、リンゴに特徴的な塩基配列がない。そのため、得られた増幅産物の配列を解析しても、得られた増幅産物がリンゴに由来する陽性か、リンゴの近縁植物に由来する偽陽性であるかを検証できない。
この他にも、リンゴ属植物の系統発生を研究することを目的にDNA配列を利用した方法として、RAPD(Random amplified polymorphic DNA)法、ITS領域および5.8S rRNA遺伝子配列、あるいはクロロプラストのmatK遺伝子配列を比較分析した方法が報告されている(非特許文献1)。しかしながら、これらの方法は、様々な原料で構成される食品中に存在するリンゴを検出することを目的としたものではない。これらの方法で使用されるPCRプライマーは、被験試料が単一の植物種(例えばリンゴ)で構成される場合に使用することを前提にしており、複数の植物種を含む試料の場合は、リンゴ以外の植物種由来のDNAとも反応する可能性が非常に高いために、試料中のリンゴの有無を判別することは困難となる。よって、食品中のリンゴ検出法として、これらの方法を使用することはできない。
特開2006−333729号公報 Forte A. V., Ignatov A. N., Ponomarenko V. V., Dorokhov D. B., and Savelyev N. I.; Phylogeny of the Malus (apple tree) species, inferred from its morphological traits and molecular DNA analysis; Genetika(2002), 38: 1357-1369
従って、本発明は、複数の植物種を含む試料であっても、リンゴを他の近縁種の果物と区別して特異的にかつ高感度で検出する簡便な手段を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、リンゴのリボソームRNA遺伝子のITS(Internal Transcribed Spacer)-1領域における、リンゴに特異的な塩基配列に基づいて設計したプライマーを用いてPCRを行えば、リンゴを含む試料において特定のサイズの断片が増幅され、リンゴを特異的にかつ高感度に検出できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
(1) リンゴのITS(Internal Transcribed Spacer)-1 領域のリンゴに特徴的な塩基配列を含むDNA断片を特異的に増幅するリンゴ検出用プライマーセットであって、当該プライマーセットの一方のプライマーが、配列番号2に示す塩基配列のうちの3’末端から連続する10塩基〜16塩基を含むオリゴヌクレオチドである、上記リンゴ検出用プライマーセット。
(2) 前記リンゴに特徴的な塩基配列が、配列番号4に示す塩基配列の78〜81番目のttcgである、(1)に記載のリンゴ検出用プライマーセット。
(3) 前記プライマーセットの他方のプライマーが、配列番号1に示す塩基配列のうちの連続する少なくとも10塩基を含むオリゴヌクレオチドである、(1)または(2)に記載のリンゴ検出用プライマーセット。
(4) 配列番号1に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと、配列番号2に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとから構成される、(1)〜(3)のいずれかに記載のリンゴ検出用プライマーセット。
(5) 試料より抽出したDNAを鋳型とし、(1)〜(4)のいずれかに記載のプライマーセットを用いてPCRを行い、当該PCRにより得られる目的とする増幅産物の有無を検出する工程を含む、リンゴの検出方法。
(6) 前記増幅産物の長さが150bp以内であることを特徴とする、(5)に記載のリンゴの検出方法。
(7) 前記増幅産物の塩基配列からプライマー配列を除いた塩基配列が、配列番号4に示す塩基配列の78〜81番目のリンゴに特徴的な塩基配列ttcgを含むかどうかを指標として前記増幅産物がリンゴ由来のDNAから増幅されたものであるかを確認する工程をさらに含む、(5)または(6)に記載のリンゴの検出方法。
(8) (1)〜(4)のいずれかに記載のプライマーセットを含む、リンゴ検出用キット。
本発明によれば、食物アレルギーの原因となる可能性があるリンゴを特異的にかつ高感度で検出することのできるリンゴ検出用プライマーセットが提供される。本発明のプライマーセットによれば、1回のPCRで食品中における微量のリンゴの有無を高感度で検出することができる。また、本発明のプライマーセットを用いたPCRで得られる増幅産物は150bp以内と比較的短いため、食品の加工工程でDNAが分解して短くなった場合でも、増幅産物が長い場合に比べてリンゴDNAを高感度に検出できる。さらに、本発明のプライマーセットを用いたPCRにより得た目的とする増幅産物の塩基配列、殊に当該増幅産物からプライマー配列を除いた塩基配列が、GenBankにAccession Number AF186484で登録されているリンゴの塩基配列中の、リンゴのITS-1領域の塩基配列の78〜81番目のリンゴに特徴的な塩基配列ttcgを含むかどうかを確認することによって、その増幅産物がリンゴDNAの混入によって得られたかどうかを検証することができるので、検査結果の信頼性を確保することができる。
本発明はリンゴのITS(Internal Transcribed Spacer)-1 領域(以下、ITS-1領域という)のリンゴに特徴的な塩基配列を含むDNA断片を特異的に増幅するリンゴ検出用プライマーセットに関するものである。
上記の「リンゴの検出」とは、食品材料や食品中に混入等により含まれているかもしれないリンゴをPCRによる増幅産物の有無によって判定することを意味する。また、ここでいう「リンゴ」とは、バラ科リンゴ属リンゴ(Malus domestica)をいい、その他のリンゴ属植物は食用として加工され流通しているものはほとんどないことから、検出の有無を問わない。リンゴ属リンゴ(Malus domestica)は、通常日本において栽培、食用されている「セイヨウリンゴ」に相当し、「陸奥」、「王林」、「ふじ」、「つがる」、「紅玉」、「ジョナゴールド」、「ゴールデンデリシャス」、「スターキングデリシャス」、「千秋」、これらの交配種などが含まれ、限定はされない。
上記の「リンゴのITS-1領域のリンゴに特徴的な塩基配列を含むDNA断片を特異的に増幅に増幅する」とは、リンゴのITS-1領域のDNA断片を鋳型としてPCRを行った場合のみ、目的とする150bp以内の大きさの増幅産物が得られ、それ以外のものを鋳型とした場合には、上記増幅産物が得られないことをいう。また、「リンゴに特徴的な塩基配列」とは、GenBankにAccession Number AF186484で登録されているリンゴの塩基配列中の、リンゴのITS-1 領域の塩基配列(配列番号4)の78〜81番目のttcgをいう。
本発明のリンゴ検出用プライマーセットとしては、リンゴのITS-1領域のリンゴに特徴的な塩基配列を含むDNA断片を特異的に増幅するリンゴ検出用プライマーセットであって、当該プライマーセットの一方のプライマーが、下記の配列番号2に示す塩基配列のうちの3’末端から連続する10塩基〜16塩基を含むオリゴヌクレオチドであるプライマーセットが挙げられる。
配列番号2:5’- acacgcgccggtgtaa-3’
上記のオリゴヌクレオチドにおいて、「連続する10塩基〜16塩基」は、その3’末端側に含まれていればよい。
上記の一方のプライマーは、リンゴに特異的な塩基配列にアニーリングすることができ、リンゴ検出用プライマーセットのリバースプライマーとして用いる。本リバースプライマーは、3’末端にリンゴに特異的な塩基としてaaの2塩基が設定されていることを特徴とする。
また、フォワードプライマーとして用いる前記プライマーセットの他方のプライマーは、3’末端がリンゴのITS-1領域の塩基配列(配列番号4)の1〜77番目の間でリンゴに共通し、プライマーとして機能しそうな箇所を適宜選択すればよい。設定したフォワードプライマーが、上記のリバースプライマーと共にリンゴ検出用プライマーセットとして機能するかどうかは、設定したフォワードプライマーと配列番号2に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるリバースプライマーのプライマーセットを用いてPCRシミュレーションを行うことによって概ね確認することができる。PCRシミュレーションに当たっては、PCRシミュレーションソフトAmplify 1.0(Bill Engels)等のソフトを使用することができる。
上記のフォワードプライマーとしては、例えば、下記の配列番号1に示す塩基配列のうちの連続する少なくとも10塩基を含むオリゴヌクレオチドが挙げられる。ここで、「少なくとも10塩基」は、好ましくは10〜15塩基、より好ましくは10〜20塩基である。また、「連続する少なくとも10塩基」は、フォワードプライマーとなるオリゴヌクレオチドにおいていずれの部位に含まれていてもよいが、3’末端側に含まれることが好ましい。
配列番号1:5’- atcattgtcgaacctgcacg-3’
本発明のリンゴ検出用プライマーセットとしては、配列番号1に示す塩基配列のうちの連続する少なくとも10塩基を含むオリゴヌクレオチドと、配列番号2に示す塩基配列のうちの3’末端から連続する10塩基〜16塩基を含むオリゴヌクレオチドとから構成されるリンゴ検出用プライマーセットが好ましい。
また、上記のリンゴ検出用プライマーセットのなかでも、配列番号1に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと、配列番号2に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとから構成されるリンゴ検出用プライマーセットが特に好ましい。
上記のプライマーとなるオリゴヌクレオチドは、その塩基配列において1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入、若しくは付加された塩基配列からなり、かつリンゴ検出用プライマーとして機能しうる改変オリゴヌクレオチドであってもよい。
ここで、欠失等をする塩基の数は、改変オリゴヌクレオチドがそれぞれもとの塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと実質的に同一の機能を有する場合に限り特に限定されないが、通常、5個以下、好ましくは3個以下、より好ましくは1個である。
上記リンゴ検出用プライマーを設計するにあたり、まず「リンゴに特異的な塩基配列」を特定する。この「リンゴに特異的な塩基配列」は、リンゴおよびその他の果物から収集した複数のITS-1領域の塩基配列を整列(アラインメント)し、比較することにより特定することができる。具体的には、リンゴおよびその他の果物のITS-1領域の塩基配列を比較し、リンゴに共通する複数の塩基を含む部分であって、その共通する塩基の中にその他の果物と区別できる塩基が含まれる塩基配列を特定する。また、上記のその他の果物と区別できる塩基は、プライマーの3’末端に配置されるような塩基配列を特定する。
上記アラインメントに用いる上記の複数の塩基配列はGenBank等のDNAデータベースを用いて検索し、入手することができる。また、データベースに塩基配列がないリンゴ栽培品種については、新たに塩基配列を独自に解析することにより入手できる。塩基配列のアラインメントには、インターネットで公開されているアラインメントソフト(例えば、CLUSTALW、URL: http://www.ddbj.nig.ac.jp/)を利用することができる。
次に、特定した塩基配列に基づき、プライマーを設計する。プライマーの設計にあたっては、例えば「PCR法最前線−基礎技術から応用まで」(蛋白質・核酸・酵素 臨時増刊号 1996年 共立出版株式会社)や、「バイオ実験イラストレイテッド3 本当にふえるPCR: 細胞工学別紙 目で見る実験ノートシリーズ」(中山広樹著 株式会社秀潤社)、「PCRテクノロジー−DNA増幅の原理と応用−」(Henry A Erlich編、加藤邦之進 監修、宝酒造株式会社)等に基づいて設計すればよい。また、加工食品での検出の場合には、DNAが分解して短くなっている可能性が考えられることから、可能な限り短い目的とする増幅産物を得ることができるプライマーであることが、加工食品でも高感度を得るという目的において好ましい。
プライマーとなるオリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの合成法として当技術分野で公知の方法、例えば、ホスホトリエチル法、ホスホジエステル法等により、通常用いられるDNA自動合成装置を利用して合成することが可能である。
本発明のプライマーセットを用いてPCR増幅を行うと、試料にリンゴが含まれる場合には150bp以下の標的増幅産物、たとえば配列番号1と2の組み合わせの場合、134bpの標的増幅産物が認められ、その他の果物ではこの標的増幅産物が得られないか、あるいは得られる増幅産物の大きさが異なるため、それらとは区別して検出することができる。従って、リンゴに対する特異性は確保できる。また、上記プライマーセットを用いてPCR増幅を行うと、例えば1ppm(リンゴ由来でないDNA 50ng中のリンゴDNA 50fg)レベルで高感度にリンゴを検出することが可能である。
上記の標的増幅産物が得られた試料においては、その増幅産物の塩基配列、特に前記増幅産物のプライマー配列を除いた塩基配列が、リンゴのITS-1領域の塩基配列(配列番号4)の78〜81番目のリンゴに特徴的な塩基配列ttcgを含むかどうかを確認することによって、その増幅産物がリンゴDNAの混入によって得られたかどうかを検証することができるので、検査結果の信頼性を確保できる。
上記プライマーセットはキット化することもできる。本発明のキットは、上記プライマーセットを少なくとも含むものであればよく、必要に応じて、DNA抽出用試薬、PCR用緩衝液やDNAポリメラーゼ等のPCR用試薬(プライマーセットを除く)、反応の陽性コントロールとなるPCR増幅領域を含むDNA溶液、染色剤や電気泳動用ゲル等の検出用試薬、説明書などを含んでいてもよい。
本発明によればまた、上記のプライマーセットを用いたリンゴの検出方法が提供される。本発明の方法によって検出可能な「リンゴ」は、前記のとおりである。本方法は、試料より抽出したDNAを鋳型とし、上記のプライマーセットを用いてPCRを行い、該PCRにより得られた標的増幅産物の有無を検出する工程を含む。
試料としては、リンゴを含む可能性のある食品原料や食品、リンゴが混入する可能性のある食品原料や食品であればよく、特に制限されない。本発明の方法により得られた検出結果は、食品のアレルギー表示に利用できるほか、製造ラインにおける生産者の意図せざる混入の有無の確認に利用できる。
試料からのDNAの抽出は、核酸抽出法として当業者に公知のいかなる方法を用いてもよく、たとえば、フェノール/クロロホルム法、界面活性剤による細胞溶解やプロテアーゼ酵素による細胞溶解、ガラスビーズによる物理的破壊方法、凍結融解を繰り返す処理方法などにより行うことができる。試薬はメーカーから販売されている各種DNA抽出キットを用いてもよい。試料の抽出によっては、メンブランフィルターによる濾過やホモジナイズを行う。
PCR増幅は上記のプライマーセットを用いる以外は特に制限はなく、常法に従って行えばよい。具体的には、鋳型DNAの変性、プライマーへの鋳型へのアニーリング、および耐熱性酵素(TaqポリメラーゼやThermus thermophilus由来のTth DNAポリメラーゼなどのDNAポリメラーゼ)を用いたプライマーの伸長反応を含むサイクルを繰り返すことにより、ITS-1領域の特定の塩基配列を含む断片を増幅させる。PCR反応液の組成、PCR条件(温度サイクル、サイクルの回数等)は、前記のプライマーセットを用いたPCRにおいて高感度でPCR増幅産物が得られるような条件を予備実験等により当業者であれば適切に選択および設定することができる。上記のアニーリングの条件としては、60℃で、1.5mM程度のMgCl2を含むPCR反応液中で1分行うことを例示することができるが、これは一例に過ぎず、アニーリング温度、PCR反応液の組成、アニーリング時間は、プライマーとなるオリゴヌクレオチド配列の長さや塩基組成などに応じて適宜設定することができる。これらPCRの一連の操作は、市販のPCRキットやPCR装置を利用して、その操作説明書に従って行うことができる。また、PCR装置は、通常はGeneAmp PCR System 9700(アプライドバイオシステムズ社製)を用いるが、他にGeneAmp PCR System 9600(アプライドバイオシステムズ社製)も使用可能である。
PCRにより標的増幅産物が得られたかどうかは、アガロースゲル電気泳動、DNAハイブリダイゼーションやリアルタイム PCR等の方法を用いて確認することができる。標的増幅産物の断片長は、検出しようとするITS-1領域の塩基配列において両プライマーに挟まれる領域の塩基数となる。例えば、配列番号1に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号2に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとから構成されるプライマーセットを用いた場合は、標的増幅産物の断片長は約134bpである。このように標的増幅産物の長さが比較的短いことは、検出感度を高めるうえで有効である。
また、本方法においては、上記のPCRの結果からリンゴが混入していると判定された試料(標的増幅産物が検出された試料)に関し、得られた増幅産物が真にリンゴDNA由来のものであることを増幅産物の塩基配列におけるリンゴに特徴的塩基部分を指標として確認する工程を行うこともできる。具体的には、増幅産物をアガロース電気泳動等により精製し、バンドを切り出してDNAを抽出し、得られたDNA断片をダイレクトシーケンス法により塩基配列の決定を行うかまたは、適当なベクターに挿入後、大腸菌等にクローニングして培養した後に、得られたDNA断片の塩基配列の決定を行う。配列の決定はサンガー法やマキサム−ギルバート法等の一般的な方法によって行えばよい。決定された増幅産物の内プライマー配列を除いた塩基配列が、リンゴのITS-1領域の塩基配列(配列番号4)の78〜81番目のリンゴに特徴的な塩基配列ttcgを含んでいた場合に、前記増幅産物がリンゴ由来DNAから増幅されたものであると判定できる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)リンゴ検出用プライマーの設計および合成
リンゴ検出用プライマーの設計にあたり、検出すべき対象をリンゴ(Malus domestica)とし、また、検出してはならないものはリンゴ属(Malus属)以外の植物とした。リンゴ以外のリンゴ属植物は、食用として加工され流通しているものはほとんどないことから、検出の有無を問わないこととした。
リンゴ検出用プライマーの設計に際し、下記のリンゴおよびリンゴ属以外のバラ科植物のリボソームRNA遺伝子のITS(Internal Transcribed Spacer)-1領域の塩基配列をGenBankから入手してアラインメントを行い、リンゴに特異的な塩基配列を探索した。
なお、後述の実施例2に使用したリンゴ(ふじ)、ビワ、マルメロ、アーモンドについてはITS-1領域およびその上流域の塩基配列をダイレクトシーケンス法により独自解析して、プライマー設計に利用した。
リンゴの塩基配列:
リンゴ:Malus domestica cultivar American Mother(AF186484)
リンゴ:Malus domestica cultivar Esopus Spitzenburg(AF186483)
リンゴ:Malus domestica cultivar D'Arcy Spice(AF186482)
リンゴ:Malus domestica cultivar Autumn Pearmain(AF186481)
リンゴ:Malus domestica cultivar Ashmeads Kernal(AF186480)
リンゴ:Malus domestica cultivar Brameleys Seedling(AF186479)
リンゴ:Malus domestica cultivar Reinette Simerenko(AF186478)
リンゴ:Malus domestica cultivar Leathercoat(AF186477)
リンゴ:Malus domestica(U16195)
リンゴ以外のバラ科植物の塩基配列:
もも:Prunus persica(AF143535)
あんず:Prunus armeniaca(AF318756)
すもも:Prunus salicina(AY735322)
うめ:Prunus mume(AY735338)
アーモンド:Prunus dulcis(AF318754)
プルーン:Prunus domestica(AF179485)
スピノサモモ:Prunus spinosa(AF318730)
桜桃:Prunus avium(AF318737)
ラズベリー:Rubus idaeus(AF055757)
いちご:Fragaria x ananassa(AF163494)
ビワ:Eriobotrya japonica(U16192)
マルメロ:Cydonia oblonga(AF186531)
ジューンベリーの近縁種:Amelanchier bartramiana(U83924)
ジューンベリーの近縁種:Amelanchier wiegandii(U83956)
ジューンベリーの近縁種:Amelanchier alnifolia(U83958)
ジューンベリーの近縁種:Amelanchier asiatica(U83968)
ナシの近縁種:Pyrus salicifolia(AF186532)
ナシの近縁種:Pyrus calleryana(U16202)
ナシ:Pyrus pyrifolia(AF287247)
アラインメントの結果を図1−1〜図1−4に示す。まず、アラインメントによりリンゴに共通である塩基、および、リンゴに共通でその他の果物とは異なる塩基を選別した。これらの選別した塩基をもとに、リンゴに共通する複数の塩基を含む部分であって、その共通する塩基の中にその他の果物と区別できる塩基が含まれる部分をリンゴに特異的な塩基配列として特定した。
特定した上記リンゴに特異的な塩基配列におけるリンゴに共通でその他の果物とは異なる塩基をプライマーの3’末端に対応する塩基とし、それより5’側方向に30bp程度を含む領域をプライマー設計領域として検討した結果、リバースプライマーとして配列番号2の塩基配列を有するオリゴヌクレオチド(5’- acacgcgccggtgtaa-3’)を決定した。また、リンゴに共通である塩基を含む領域をプライマー設計領域として検討した結果、フォワードプライマーとして配列番号1の塩基配列を有するオリゴヌクレチド(5’- atcattgtcgaacctgcacg-3’)を決定した。これらのオリゴヌクレオチドを通常のオリゴヌクレオチド合成法に従って合成した。
合成した上記のプライマーを用い、(i)リンゴ(全9配列)および独自に解析したリンゴ塩基配列、(ii)Blast検索によりフォワードプライマーとリバースプライマーのいずれにも相同性の高い配列としてヒットした、リンゴ属以外のバラ科植物(上位61配列)、(iii)主要な食用の果物(全12配列)、(iv)主要な穀物(全5配列)、および(v)主要な野菜等(全37配列)のITS-1領域を対象としてAmplify 1.0(Bill Engels)によるPCRシミュレーションを行った。その結果を表1に示す。
Figure 0005271531
PCRシミュレーションの結果、標的増幅産物(増幅断片長134bp)はリンゴの配列にのみ得られ、リンゴ以外のいずれの配列からもそれは得られないことが予想された。また、
リンゴの配列から弱いながらも非特異的増幅産物が得られる可能性があると予想されたが、いずれも標的増幅産物と断片長が40bp以上異なることから、たとえ増幅したとしても容易に判別可能であり、問題ないと考えた。
(実施例2)プライマーの特異性および感度評価
(1) DNA試料の調製
サンプルは、リンゴとして、ふじ、王林、ジョナゴールド、紅玉、陸奥の5品種(種子)、リンゴ以外の植物試料として、いちご(果実)、ラズベリー(果実)、すもも(種子)、あんず(種子)、桜桃(種子)、うめ(種子)、アーモンド(葉)、プルーン(種子)、もも(種子)、洋ナシ(種子)、ナシ(種子)、ビワ(種子)、サンザシ(果実)、ジューンベリー(葉)、かりん(果実)、マルメロ(葉)、アロエベラ(葉)、パイナップル(果実)、パパイヤ(果実)、オレンジ(果実)、ミカン(果実)、メロン(果実)、柿(種子)、いちじく(果実)、マンゴー(果実)、バナナ(果実)、アボカド(果実)、ブルーベリー(果実)、ぶどう(果実)、キウイ(果実)、コメ(種子)、大豆(種子)、とうもろこし(種子)、小麦(種子)、ばれいしょ(塊茎)、にんじん(根)、たまねぎ(鱗茎)、白菜(葉)、ほうれんそう(葉)、きゅうり(果実)、トマト(果実)の計41種を用いた。
種子については種皮をかみそりを用いて直接手を触れないように剥き、取り出した胚をDNA抽出に用いた。果実、塊茎、根および鱗茎は外皮を剥いた内部をDNA抽出に用いた。種子または葉の場合は約0.1g、果実、塊茎、根または鱗茎の場合は約2gを約1gずつ分けたものをそれぞれ2ml容チューブ(eppendorf社製)に入れ、φ7mm径のジルコニアビーズ(株式会社ニッカトー製)1粒を入れてRetsch MM 300(QIAGEN社製)により細かく粉砕した。粉砕物を、種子または葉の場合は約0.1g、果実、塊茎、根または鱗茎の場合は約2g用意し、15mlのバッファー G2(QIAGEN社製)、100μlのProteinase K(20mg/ml)(QIAGEN社製)、20μlのRNase A(100mg/ml)(QIAGEN社製)を入れた50mlチューブに加え、混合した後、50℃で2時間保温した。その後、約3,000×gで15分間遠心分離し、その上清液を得た。得られた上清液を、予め1mlのバッファー QBT(QIAGEN社製)で平衡化したGenomic-tip 20/G(QIAGEN社製)に供してDNAをtipに吸着させた。その後、6mlのバッファーQC(QIAGEN社製)でtipを洗浄し、予め50℃に加温してある1mlのバッファーQF(QIAGEN社製)でDNAを溶出させた。イソプロパノール沈澱により回収した沈澱物を50μlのTE緩衝液(pH8.0)に溶解した。DNA溶液を分光光度計で220〜350nmのスペクトルを測定し、260nmに極大値がみられたものを、260nmの吸光度から溶液中のDNA濃度を計算した。DNA溶液をTE緩衝液(pH8.0)で20ng/μlに希釈したものをPCRの鋳型DNA試料とした。なお、鋳型DNAは、リンゴDNA試料については、20ng/μlに希釈したリンゴ鋳型DNA試料をサケ精子DNA 20ng/μl含有TE緩衝液(pH8.0)で段階希釈して調製した500fg、50fg、5fgを用い、その他植物のDNA試料については1反応液あたり50ngを用いた。
20ng/μlに希釈したそれぞれの鋳型DNA試料は、全て文献(Watanabe T., Akiyama H., Maleki S., Yamakawa H., Iijima K., Yamazaki F., Matsumoto T., Futo S., Arakawa F., Watai M., and Maitani T., 2007. A specific qualitative detection method for peanut (Arachis hypogaea) in foods using polymerase chain reaction; Journal of Food Biochemistry(2006) 30:215-233)に記載の植物DNA検出PCRにより、PCR増幅産物が得られるレベルの精製度であることを確認した。
(2) PCR反応
上記のようにして調製した各DNA試料をPCRの鋳型とし、前記配列番号1の塩基配列を有するオリゴヌクレオチドをフォワードプライマー、配列番号2の塩基配列を有するオリゴヌクレオチドをリバースプライマーとするプライマーセットを用いてPCRを行った。
PCR反応は、0.2mlチューブ、GeneAmp PCR System9700(アプライドバイオシステムズ社製)を用い、下記表2のPCR反応液組成とPCR反応条件にて行った。
Figure 0005271531
(3) 検出
PCR反応後の溶液8μlをそれぞれエチジウムブロマイド含有の3%アガロースゲル電気泳動に供した。同時に分子量マーカーとして100bp DNA Ladder(タカラバイオ株式会社)を100bpのバンドのDNA量が5ngになるように供し、UV照射で視覚化することで、PCR増幅産物の有無および断片長の確認を行い、さらにPCR増幅産物の断片が100bpのバンド5ngよりも明瞭に確認できるかの判定を行った。上記電気泳動による検出結果を図2〜5に示す。図2に示すように、試験した5品種のリンゴでは、DNA 50fgを鋳型に用いた場合、約134bpの断片長の標的増幅産物が明瞭に確認された。一方、図3〜5に示すように、リンゴ以外の植物41種ではDNA 50ngを鋳型に用いても約134bpの断片長の標的増幅産物が見られなかった。このことから、本プライマーセットは、リンゴを特異的に検出することが示された。また、サケ精子DNA 50ngに添加したリンゴDNA 50fg(1ppm重量/重量)を鋳型に用いた場合でも、約134bpの断片長の標的増幅産物が明瞭に確認されたことから、1ppmレベルの感度でリンゴを検出できることが示された。
なお、ここで用いた配列番号1と2のプライマーセットのうち、フォワードプライマーとした配列番号1の塩基配列は、リンゴだけでなくビワとも完全に一致するものである(図1−1)。今回のPCRにおいて、リンゴだけで標的増幅産物が得られ、ビワでは得られていない(図3)。このことから、リンゴを特異的に検出するためにはリバースプライマーとして用いたオリゴヌクレオチドの3’末端にリンゴに特異的な塩基としてaaの2塩基が設定されている配列番号2を用いれば、フォワードプライマーがリンゴに特異的な配列を含む必要がなく、リンゴに共通する塩基部分であって、プライマーとして機能しそうな箇所であればよいことが示された。
(実施例3)標的増幅産物の塩基配列の確認による検証
リンゴ(王林)から得られた標的増幅産物の塩基配列をダイレクトシーケンス法により確認したところ、標的増幅産物のプライマー配列を除いた塩基配列は以下の塩基配列を有していた。
5’-gcagaacgacccgagaacccgtttcaacNtcgggggtcggcgggcctccNggcccggcgtccccttcgtcccgggagcccgctcccgggcgtacaaac-3’(配列番号3)
上記配列番号3の塩基配列を配列番号4に示すリンゴのITS-1領域の塩基配列とアラインメントしたところ、配列番号3の塩基配列の5’末端から数えて65〜68番目の塩基配列(下線部)と配列番号4に示す塩基配列の78〜81番目が重なり、共に「ttcg」だったことから、標的増幅産物はリンゴ由来DNAから増幅されたものであることが確認できた。
(実施例4)モデル加工食品による検知感度の確認
(1) リンゴ標準試料の調製
リンゴの果皮を剥き、芯を取り除いた果肉部分を凍結乾燥後粉砕し、直ちに等量の炭酸カルシウムを混ぜて均一化した。これをリンゴ標準試料とした。
(2) リンゴ標準試料のタンパク質定量
リンゴ標準試料2gを50mLチューブに採取し、タンパク質抽出用緩衝液(0.5% SDS、2% 2-メルカプトエタノール、0.5M NaCl、0.1M Tris-HCl (pH8.6))20mLを加え、よく混合して固形物を分散させ、室温下16時間振とう抽出した。抽出液を10,000×gで30分間遠心分離した後、上清を孔径0.8μmのミクロフィルターでろ過し、タンパク質抽出液とした。得られたタンパク質抽出液16μlについて、2-D Quant kit(GEヘルスケア バイオサイエンス社製)を用い、キットの説明に従ってタンパク質濃度を定量した。
(3)モデル加工食品の選定
リンゴを含む可能性があると思われる、市場によく見られる食品を候補に挙げ、そのうちリンゴDNAの検出が困難と思われた加工食品を選択した。その中から、モデル加工食品の1つ目には、加工工程においてDNAの分解が最も激しいと考えられ、検出できない可能性が高いと考えられるジャムを選定した。モデル加工食品の2つ目には、食品中のDNA量が多いため、添加したリンゴのDNA濃度が相対的に薄くなり、検出できない可能性が高いと考えられる、クッキーを選定した。
(4) モデル加工食品の作製
ジャムは図6、クッキーは図7に示す方法によって作製した。ジャム、クッキーともに、リンゴ標準試料 添加品/無添加品を作製した。添加品については、モデル加工食品の最終重量あたりのリンゴタンパク質が10μg/gとなるようにリンゴ標準試料を添加した。なお、添加品については、ジャム、クッキーとも、それぞれ2回反復で作製し、無添加品はそれぞれ1回作製した。
(5) DNA試料の調製
実施例2の(1)と同様にして、粉砕均一化したモデル加工食品2gからそれぞれ1回DNAを抽出しDNA濃度を測定した。20ng/μlより濃いものについてはTE緩衝液(pH8.0)で20ng/μlに希釈し、20ng/μlより薄いものについては、そのままのものをDNA試料とした(リンゴタンパク質10μg/g相当)。また、リンゴ標準試料を添加したジャムから抽出したDNA試料を、添加しなかったジャムから抽出したDNA試料で10倍希釈したものを、ジャム1/10希釈DNA試料とした。クッキーでも同様にして作製したものをクッキー1/10希釈DNA試料とした(リンゴタンパク質1μg/g相当)。これらDNA試料2.5μlを1反応液あたりのPCRに用いた。
(6) PCR反応
調製したそれぞれのDNA試料について2回反復で、実施例2の(2)と同様にしてPCR反応を行った。
(7) 検出
実施例2の(3)と同様にして検出を行った。
(8) 標的増幅産物の塩基配列の確認
標的増幅産物の塩基配列は実施例3と同様にして確認した。
(9) 検出結果および塩基配列の確認結果
作製したモデル加工食品に添加したリンゴタンパク質量、および配列番号1のプライマーと配列番号2のプライマーからなるプライマーセットを用いたPCR法での標的増幅産物の検出結果を表3に示す。PCR増幅産物のアガロースゲル電気泳動写真を図8に示す。
Figure 0005271531
表3および図8の結果から明らかなように、リンゴタンパク質10μg/g相当量のリンゴ標準試料を添加したモデル加工食品のDNA試料では、約134bpの断片長の標的増幅産物が明瞭に確認されたのに対し、リンゴ標準試料を添加しなかったモデル加工食品のDNA試料では、約134bpの断片長の標的増幅産物が見られなかった。さらに、リンゴタンパク質1μg/g相当量のDNA試料からも、約134bpの断片長の標的増幅産物が明瞭に確認された。
リンゴ標準試料を添加したジャム、クッキーから得られた標的増幅産物のプライマー配列を除いた塩基配列をそれぞれ配列番号4に示すリンゴのITS-1領域の塩基配列とアラインメントしたところ、いずれの塩基配列も配列番号3と同様に、5’末端から数えて65〜68番目の塩基配列(下線部)と配列番号4に示す塩基配列の78〜81番目が重なり、共に「ttcg」だったことから、いずれの標的増幅産物もリンゴ由来DNAから増幅されたものであることが確認できた。このことから、本プライマーセットを用いたPCRは、複数の食品において、リンゴタンパク質10μg/gレベルで混入したリンゴを特異的に検出すること、またおそらく1μg/gレベルの混入でも検出することが示された。
リンゴおよびリンゴ属以外のバラ科植物のITS-1領域の一部およびその上流域の塩基配列のアラインメントを示す(アラインメント上部の数字は、リンゴ配列(Accession Number AF186484)の塩基配列番号を表す。-:欠失、/:配列未確認、Amelanchier alnifolia:ジューンベリーの近縁種)。 リンゴおよびリンゴ属以外のバラ科植物のITS-1領域の一部の塩基配列のアラインメント(続き)を示す(アラインメント上部の数字は、リンゴ配列(Accession Number AF186484)の塩基配列番号を表す。-:欠失、/:配列未確認、Amelanchier alnifolia:ジューンベリーの近縁種)。 リンゴおよびリンゴ属以外のバラ科植物のITS-1領域の一部の塩基配列のアラインメント(続き)を示す(アラインメント上部の数字は、リンゴ配列(Accession Number AF186484)の塩基配列番号を表す。-:欠失、/:配列未確認、Amelanchier alnifolia:ジューンベリーの近縁種)。 リンゴおよびリンゴ属以外のバラ科植物のITS-1領域の一部の塩基配列のアラインメント(続き)を示す(アラインメント上部の数字は、リンゴ配列(Accession Number AF186484)の塩基配列番号を表す。-:欠失、/:配列未確認、Amelanchier alnifolia:ジューンベリーの近縁種)。 リンゴ(ふじ、王林、ジョナゴールド、紅玉、陸奥)由来のDNA試料(500fg、50fg、5fg)に対する本発明のプライマーセット(配列番号1のプライマーと配列番号2のプライマーからなるプライマーセット)の感度評価試験結果(PCR増幅産物のアガロースゲル電気泳動写真)を示す。矢印:約134bpの増幅産物のバンド。 リンゴ(ふじ)由来のDNA試料(500fg)、いちご、ラズベリー、すもも、あんず、桜桃、うめ、アーモンド、プルーン、もも、洋ナシ、ナシ、ビワ、サンザシ、ジューンベリー、かりん、マルメロ由来のDNA試料(50ng)に対する本発明のプライマーセット(配列番号1のプライマーと配列番号2のプライマーからなるプライマーセット)の特異性評価試験結果(PCR増幅産物のアガロースゲル電気泳動写真)を示す。矢印:約134bpの増幅産物のバンド。 リンゴ(ふじ)由来のDNA試料(500fg)、アロエベラ、パイナップル、パパイヤ、オレンジ、ミカン、メロン、柿、いちじく、マンゴー、バナナ、アボカド、ブルーベリー、ぶどう、キウイ由来のDNA試料(50ng)に対する本発明のプライマーセット(配列番号1のプライマーと配列番号2のプライマーからなるプライマーセット)の特異性評価試験結果(PCR増幅産物のアガロースゲル電気泳動写真)を示す。矢印:約134bpの増幅産物のバンド。 リンゴ(王林)由来のDNA試料(500fg)、コメ、大豆、とうもろこし、小麦、ばれいしょ、にんじん、たまねぎ、白菜、ほうれんそう、きゅうり、トマト由来のDNA試料(50ng)に対する本発明のプライマーセット(配列番号1のプライマーと配列番号2のプライマーからなるプライマーセット)の特異性評価試験結果(PCR増幅産物のアガロースゲル電気泳動写真)を示す。矢印:約134bpの増幅産物のバンド。 ジャムの作製方法のフロー図を示す。 クッキーの作製方法のフロー図を示す。 モデル加工食品(ジャムとクッキー)による検知感度の試験結果(PCR増幅産物のアガロースゲル電気泳動写真)を示す。矢印:約134bpの増幅産物のバンド。

Claims (4)

  1. 試料より抽出したDNAを鋳型とし、配列番号1に示す塩基配列からなるオリゴヌクレオチドと、配列番号2に示す塩基配列からなるオリゴヌクレオチドとから構成されるプライマーセットを用いてPCRを行い、当該PCRにより得られた134bpの標的増幅産物の有無を検出する工程を含む、リンゴの検出方法。
  2. 前記増幅産物の塩基配列からプライマー配列を除いた塩基配列が、配列番号4に示す塩基配列の78〜81番目のリンゴに特徴的な塩基配列ttcgを含むかどうかを指標として前記増幅産物がリンゴ由来のDNAから増幅されたものであるかを確認する工程をさらに含む、請求項に記載のリンゴの検出方法。
  3. 配列番号1に示す塩基配列からなるオリゴヌクレオチドと、配列番号2に示す塩基配列からなるオリゴヌクレオチドとから構成される、リンゴ検出用プライマーセット。
  4. 請求項に記載のプライマーセットを含む、リンゴ検出用キット。
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