JP4928853B2 - キウイ類検出用プライマーセット - Google Patents

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本発明は、食物アレルギーの原因となる可能性があるキウイ類を特異的にかつ高感度で検出することのできるプライマーセットに関する。
キウイフルーツは、ビタミンC、ミネラル、食物繊維を豊富に含む果物として人気がある。その一方、キウイフルーツの摂取により口腔内にかゆみや腫れなどが認められる口腔アレルギー(OAS)、蕁麻疹やくしゃみ、さらには血管の浮腫や呼吸困難、血圧低下などのアナフィラキシーが引き起こされることが知られている。また、キウイフルーツアレルギー患者の中には、ラテックス、花粉やアボカド、バナナなどの果物と交差反応を示す患者もいる。
現在、アレルギー物質を含む食品については、症例数や重篤度を勘案して特に表示の必要性の高い、小麦、そば、卵、乳及び落花生の5品目(特定原材料)の表示が義務付けられている。また、特定のアレルギー体質を持つ人に対して過去に一定の頻度で重篤な健康危害が見られている20品目に関しては、これらを原材料として含む加工食品に可能な限り表示することが推奨されている。推奨品20品目のうち、果物としてはオレンジ、キウイフルーツ、モモ、リンゴ、バナナが含まれるが、なかでもキウイフルーツは症例数も多い。キウイフルーツ(A. deliciosa, A. chinensis)は、マタタビ属(Actinidia属)の植物であり、同じくマタタビ属の植物にはサルナシ(A. arguta)、シマサルナシ(A. rufa)、マタタビ(A. polygama)等がある。サルナシ(A. arguta)の一部は、「ベビーキウイ」と呼ばれて市場に流通しており、また、キウイフルーツとの掛け合わせ品種も開発され、食用とされている。これらマタタビ属の植物の中には、キウイフルーツの主要アレルゲン蛋白質の一つと言われているアクチニジンの存在が確認されているものもあり、アレルギー患者が摂取することにより発症する可能性がある。
これまで特定原材料5品目については、ELISA法と確認試験(PCR法、ウェスタンブロット法)が公定法として示されているが、推奨品20品目については示されていない。従って、今後、推奨品20品目についても食品に対する安心・安全を確保する上で、検出法を確立する必要がある。キウイ類の検出に関しては、PCR法を用いてキウイフルーツを10mg/kg(10ppm)まで検出できたことが報告されているが(非特許文献1)、その詳細は不明であり、また、検出対象としているキウイ類の種類も不明である。また、キウイ類に関連する他の報告としては、PCR-RFLP法を用いてマタタビ属の種間掛け合わせ品種における葉緑体の多型を分析した例(非特許文献2)、キウイフルーツ(A. deliciosa)の品種をRAPD markerを用いて同定、系統分類した例(非特許文献3)があるが、いずれもキウイ類を他の果物と区別して特異的に検出するものではない。
一方、リボソームRNAは、すべての生物の生命活動に不可欠なタンパク質合成に関わっており、リボソームRNAをコードする遺伝子(リボソームRNA遺伝子;rDNA)はほとんどの生物でゲノム内に複数コピー存在することが知られている。リボソームRNA遺伝子は、真核生物では一般に18S rRNA, 5.8S rRNA, 28S rRNAをコードする領域(それぞれ、18SrDNA, 5.8S rDNA, 28S rDNAという)が連続して存在し、反復配列を繰り返している。また、18Sと5.8Sの間、5.8Sと28Sの間にはそれぞれITS領域(ITS region:Internal Transcribed Spacer region)というスペーサー領域が存在し、それぞれITS-1,ITS-2と呼ばれている。このITS領域は、近縁種または種内系統群を識別する指標として用いられており、また、それを利用した植物の微量検出法についても報告(特許文献1)があるが、そばや落花生、小麦、大豆を他の植物と区別して特異的に検出するもので、キウイ類を他の果物と区別して特異的に検出するものではない。
Kiwi allergy concern drives new test methods,By Anthony Fletcher, 27/09/2005 - UK food analysis firm RSSL has added kiwi fruit to the list of allergens it can detect by PCR (polymerase chain reaction) methods (http://www.foodnavigator.com/news/ng.asp?id=62798) Guido Cipriani et al., Paternal inheritance of plastids in interspecific hybrids of the genus Actinidia revealed by PCR-amplification of chloroplast DNA fragments, Mol Gen Genet(1995)247:693-697 Shirkot P. et al., Partial molecular characterization of some kiwi fruit cultivars by RAPD markers, Indian J Exp Biol(2002) 40:233-236 2003−199599号公報
従って、本発明は、キウイ類を特異的にかつ高感度で検出する簡便な手段を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、マタタビ属植物のリボソームRNA遺伝子のITS-1領域における、マタタビ属植物に特異的な塩基配列に基づいて設計したプライマーを用いてPCRを行えば、キウイ類を含む試料において特定のサイズの断片が増幅され、キウイ類を特異的にかつ高感度に検出できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
(1) マタタビ属植物のリボソームRNA遺伝子のITS-1領域における、マタタビ属植物に特異的な塩基配列に基づいて設計した一対のオリゴヌクレオチドから構成される、キウイ類検出用プライマーセット。
(2) 下記の配列番号1、2、又は3に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドの1種又は2種以上の混合物と、配列番号4に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとから構成される、マタタビを除くキウイ類検出用プライマーセット(但し、配列番号3に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号4に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとから構成されるものは除く)。
5'-CGGGTGTGCTCGTGCTG-3' (配列番号1)
5'-CGGGTGTGCTCGTGTTG-3' (配列番号2)
5'-CGGGTGTGCTCGTGCCG-3' (配列番号3)
5'-CTTGTTCAAGTTCCTTGACGCG-3' (配列番号4)
(3) 下記の配列番号5に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと、配列番号6に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとから構成される、キウイ類検出用プライマーセット。
5'-GTGACACTCTCATTCCCCG-3' (配列番号5)
5'-TTGCATTCTTGTTCAAGTTCCTTGA-3' (配列番号6)
(4) 試料より抽出したDNAを鋳型とし、(1)〜(3)のいずれかに記載のプライマーセットを用いてPCRを行い、該PCRにより得られた増幅産物の有無を検出することを特徴とする、キウイ類の検出方法。
(5) (1)〜(3)のいずれかに記載のプライマーセットを含む、キウイ類検出用キット。
本発明によれば、食物アレルギーの原因となる可能性があるキウイ類を特異的にかつ高感度で検出することのできるプライマーセットが提供される。本発明のプライマーセットを利用することにより、一回のPCRで、食品中に混入する微量のキウイ類の有無を検出することができる。また、本発明のプライマーセットを用いたPCRで増幅される産物は約100bpと短いため、食品の加工工程でDNAが断片化した場合も、検出感度の低下を最小限に抑えることができる。
本発明のキウイ類検出用プライマーセットは、マタタビ属植物のリボソームRNA遺伝子のITS(Internal Transcribed Spacer)-1領域における、マタタビ属植物に特異的な塩基配列に基づいて設計した一対のオリゴヌクレオチドから構成される。当該オリゴヌクレオチドのうち、一方のオリゴヌクレオチドは、マタタビ属植物のリボソームRNA遺伝子のITS-1領域における、マタタビ属植物に特異的な塩基配列に相補的な塩基配列にアニーリングすることができ、キウイ類検出用プライマーセットのフォワードプライマーとして用いる。もう一方のオリゴヌクレオチドは、上記の特異的な塩基配列にアニーリングすることができ、キウイ類検出用プライマーセットのリバースプライマーとして用いる。
本発明における「キウイ類の検出」とは、試料中に混入等により含まれているかもしれないキウイ類を他の果物等と判別しながら試料中のキウイ類の有無を判定することをいう。
本明細書において「キウイ類」とはキウイフルーツ(A. deliciosa, A. chinensis)、食用とされているキウイフルーツの近縁種であるシマサルナシ(A. rufa)、キウイフルーツと交差反応性が確認されているサルナシ(A. arguta)、マタタビのほか、これらの掛け合わせ品種を含む総称である。
上記の「マタタビ属植物のリボソームRNA遺伝子のITS-1領域における、マタタビ属植物に特異的な塩基配列」は、マタタビ属植物のリボソームRNA遺伝子のITS-1領域中に含まれ、他の植物種のリボソームRNA遺伝子のITS 領域中には含まれない配列をいう。この領域は、キウイフルーツ(A. deliciosa, A. chinensis)、サルナシ(A. arguta)、シマサルナシ(A. rufa)、マタタビ(A. polygama)を含むマタタビ属植物、及びその他の果物から収集した複数のITS-1領域の塩基配列を整列(アラインメント)し、比較することにより特定することができる。具体的には、マタタビ属植物のITS-1領域における塩基配列のうち、マタタビ属植物に共通する複数の塩基を含み、その共通する塩基の中に他の果物と区別できる塩基が含まれる塩基配列を特定する。ここで、他の果物と区別できる塩基はプライマーの3'末端に置く。
アラインメントに用いる上記の複数の塩基配列のうち、公知の塩基配列としては、マタタビ属植物及びその他の果物のリボソームRNA遺伝子のITS-1領域の塩基配列として知られているものであればいずれを用いてもよく、このような塩基配列はGenBank等のDNAデータベースを用いて検索し、入手することができる。また、データベースに塩基配列がないマタタビ属植物については、新たに塩基配列を分析することにより入手する。
塩基配列の整列(アラインメント)には、インターネットで公開されているアラインメントソフト(例えば、CLUSTALW,URL:http://www.ddbj.nig.ac.jp/)を利用することができる。
次に、特定した塩基配列に基づき、プライマーを設計する。プライマーの設計にあたっては、例えば「PCR法最前線−基礎技術から応用まで」(蛋白質・核酸・酵素 臨時増刊号1996年 共立出版株式会社)や「バイオ実験イラストレイテッド3本当に増えるPCR:細胞工学別紙 目で見る実験ノートシリーズ」(中山広樹著1996年 株式会社秀潤社)、「PCRテクノロジー−DNA増幅の原理と応用−」(Henry A Erlich編、加藤邦之進 監修、宝酒造株式会社)等に基づいて設計すればよい。また、加工食品からの検出の場合には、DNAが分解して短くなっている可能性が考えられ、このような観点から100bp程度の増幅産物を得ることができるプライマーが高い感度を得ることができるという点から好ましい。
プライマーとなるオリゴヌレクチドは、オリゴヌクレオチドの合成法として当技術分野で公知の方法、例えば、ホスホトリエチル法、ホスホジエステル法等により、通常用いられるDNA自動合成装置を利用して合成することが可能である。
本発明のキウイ類検出用プライマーセットには、二通りある。第1のプライマーセットは、上記のようにして設計されたプライマーとなる一対のオリゴヌクレオチド、具体的には、配列番号1、2、又は3に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチド1種又は2種以上の混合物と、配列番号4に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとから構成される。但し、配列番号3に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号4に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとから構成されるものは除く。
第2のプライマーセットは、配列番号5に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと、配列番号6に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとから構成される。
上記の各塩基配列を有するオリゴヌクレオチドは、該塩基配列において1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入、若しくは付加された塩基配列からなり、かつキウイ類検出用プライマーとして機能しうる改変オリゴヌクレオチドであってもよい。
ここで、欠失等をする塩基の数は、改変オリゴヌクレオチドがそれぞれもとの塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと実質的に同一の機能を有する限り特に限定されないが、通常、5個以下、好ましくは3個以下、より好ましくは1個である。
上記のキウイ類検出用プライマーセットとして、第1のプライマーセット(「プライマーセットA」という)は、マタタビを除くキウイ類を検出するのに使用される。また、第2のプライマーセット(「プライマーセットB」という)は、キウイ類全体を検出するのに使用することができる。従って、キウイフルーツ、サルナシ、シマサルナシを検出する場合はいずれのプライマーセットも使用することができる。一方、キウイ類全体を検出する必要がある場合は、プライマーセットBを使用する。
上記のプライマーセットは各々キット化することもできる。本発明のキットは、上記プライマーセットを少なくとも含むものであればよく、必要に応じて、DNA抽出用試薬、PCR用緩衝液やDNAポリメラーゼ等のPCR用試薬(プライマーセットを除く)、染色剤や電気泳動用ゲル等の検出用試薬、説明書などを含んでいてもよい。
本発明によればまた、上記のプライマーセットを用いたキウイ類の検出方法が提供される。本発明の方法によって検出可能なキウイ類は、前記のとおりである。本方法は、試料より抽出したDNAを鋳型とし、上記のプライマーセットを用いてPCRを行い、該PCRにより得られた増幅産物の有無を検出することを特徴とする。
試料としては、キウイ類を含む可能性のある食品原料や製品、キウイ類が混入する可能性のある食品原料や製品であればよく、特に制限されない。本発明の方法により得られた検出結果は、食品のアレルギー表示に利用できるほか、生産者の意図していない製造ラインにおけるコンタミネーションの有無の確認に利用できる。
試料からのDNAの抽出は、核酸抽出法として当業者に公知のいかなる方法を用いてもよく、例えば、フェノール/クロロホルム法、界面活性剤による細胞溶解やプロテアーゼ酵素による細胞溶解、ガラスビーズによる物理的破壊方法、凍結溶融を繰り返す処理方法、などにより行うことができる。試薬メーカーより販売されている各種DNA抽出キットを用いても良い。試料の種類によっては、メンブランフィルターによる濾過やホモジナイズを行う。
PCRを行うには、プライマーセットとして上記のプライマーセットを用いる以外は特に制限はなく、他の試薬、条件(温度条件、サイクルの回数等)は、当業者であれば適切に選択及び設定することができる。具体的には、鋳型DNA の変性、プライマーの鋳型へのアニーリング、及び耐熱性酵素(Taq ポリメラーゼやThermus thermophilis由来のTthDNAポリメラーゼなどのDNA ポリメラーゼ)を用いたプライマーの伸長反応を含むサイクルを繰り返すことにより、ITS-1領域の特定の塩基配列を含む断片を増幅させる。上記のアニーリングの好適な条件として、60℃で、1.5mM程度のMgCl2を含むPCR反応液中で30秒間行うことが例示できるが、これは一例にすぎず、アニーリング温度、PCR反応液の組成、アニーリング時間は、プライマーとなるオリゴヌクレオチド配列の長さや塩基組成などに応じて適宜設定することができる。
上記のプライマーセットのうち、「プライマーセットA」を用いてPCR増幅を行うと、試料にマタタビを除くキウイ類が含まれる場合に標的増幅産物が認められ、その他の果物では増幅産物が得られないか、得られるものの増幅産物の大きさが異なるため、それらとは区別して検出することができる。従って、マタタビを除くキウイ類に対する特異性は確保できる。
また、「プライマーセットB」を用いてPCR増幅を行うと、試料にキウイ類が含まれる場合に標的増幅産物が認められ、その他の果物では増幅産物が得られないか、得られるものの増幅産物の大きさが異なるため、それらとは区別して検出することができる。また、キウイ類以外のマタタビ属植物もその他の果物とは区別して検出することができる。
PCRにより得られる増幅産物中に、目的の増幅断片が含まれるかどうかは、アガロースゲル電気泳動、DNAハイブリダイゼーションやReal Time PCR等の公知の方法を用いて確認することができる。目的の増幅断片のサイズは、検出しようとするITS-1領域の塩基配列において両プライマーに挟まれる領域の塩基数となる。例えば、前記の「プライマーセットA」を用いた場合には、目的とする増幅断片のサイズは約92bp、前記の「プライマーセットB」を用いた場合には、目的とする増幅断片のサイズは約74bpである。一般的な加工食品においては、加工工程でDNAが断片化している可能性が高いので、このようにPCR産物の長さが100bp程度であることは検出感度の低下を最小限に抑えられる点において有効である。
また、キウイ類の種類の同定が必要な場合は、PCR増幅産物(断片)の塩基配列を決定することによって行うことができる。
具体的には、上記のPCR増幅産物(断片)をアガロース電気泳動等により精製し、バンドを切り出してDNAを抽出し、適当なベクターに挿入後、大腸菌等にクローニングして培養し、得られたDNA断片の塩基配列を決定する。配列の決定は、サンガー法やマキサム−ギルバート法等の一般的な方法によって行うことができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)キウイ類検出用プライマーの作製
(1) ITS(Internal Trascribed Spacer)-1領域のアラインメント
マタタビ属(Actinidia属)には、キウイフルーツ(A. deliciosa, A. chinensis)のほか、その近縁種であるサルナシ(A. arguta)、シマサルナシ(A. rufa)、マタタビ(A. polygama)等が存在する。これらのうち、主に食用とされているのは、キウイフルーツとサルナシであり、キウイフルーツとサルナシの掛け合わせ品種もまた開発されている。また、シマサルナシは、キウイフルーツの近縁種であり、ジャム等で一部使用されているとの情報もある。従って、本実施例においては、主に食用とされ、掛け合わせによる品種改良が盛んなキウイフルーツとサルナシ、シマサルナシを少なくとも検出できるプライマーセットを設計することとした。
プライマー設計のために、まず、キウイフルーツ、サルナシ、シマサルナシで調べられ、かつ分類学に用いられる遺伝子情報(rbcL、ITS、matK)をGenBankから取得した。また、近縁のマタタビ属植物、マタタビ科植物、その他の果物等についてもそれら配列情報を取得した。さらに、サンプルとして購入したキウイフルーツ(Hayward、Hort16A)、サルナシ(Issai)、サルナシ(Baby kiwi)、マタタビについてはシークエンスにより決定し、それらの情報も追加した。これらの配列情報を元に、解析ソフトCLUSTAL X(1.8)、FROG-Win、SEQ-09を用い、同領域の配列をアラインメントし、比較することにより、プライマーを設計した。
(2)プライマーの設計
以下の設計方法、設計基準に基づいてプライマーの設計、選択を行った。
(a) 検知対象としている種や属に共通で、かつ他の果物と区別可能な塩基を3’末端塩基とする。
(b) プライマーとテンプレートDNA配列との相同性が全体的に高く、特に3’側が高い配列とする。
(c) Tm値が60℃付近に設定できる領域を選択する。
(d) プライマーはダイマーや立体構造を形成しないこととする。
(e) PCR増幅産物が100bp程度とする。
rbcLでは、キウイ類をその他の果物と区別して検出することのできるプライマーセットは設計できなかった。matKでは、キウイ類をその他の果物と区別して検出すると予想されるプライマーセットを1組ずつ設計できたが、プライマーの3’末端塩基以外は、キウイ類とその他の果物の相同性が非常に高いことが明らかとなった。また、ITSでは、matKと比較して、属間の変異が多く、キウイ類とその他の果物とを区別しやすく、下記に示すプライマーセットA(配列番号1,2,3のオリゴヌクレオチドと配列番号4のオリゴヌクレオチド)とプライマーセットB(配列番号5のオリゴヌクレオチドと配列番号6のオリゴヌクレオチド)を設計できた。プライマーセットAについては、キウイフルーツ・サルナシのITS上におけるプライマー領域、殊にプライマー3’側領域の多様性に対応するため、配列番号1,2,3のMixプライマーを設計した。プライマーの合成は、通常のオリゴヌクレオチド合成法に従って、合成した。
プライマーセットA(増幅産物92 bp)
F123: 5'-CGGGTGTGCTCGTGCTG-3' (配列番号1)
: 5'-CGGGTGTGCTCGTGTTG-3' (配列番号2)
: 5'-CGGGTGTGCTCGTGCCG-3' (配列番号3)
R178: 5'-CTTGTTCAAGTTCCTTGACGCG-3' (配列番号4)
プライマーセットB(増幅産物74 bp)
F151: 5'-GTGACACTCTCATTCCCCG-3' (配列番号5)
R182: 5'-TTGCATTCTTGTTCAAGTTCCTTGA-3' (配列番号6)
(3) プライマーを用いたPCRシミュレーション
プライマーセットA(配列番号1,2,3のオリゴヌクレオチド混合物と配列番号4のオリゴヌクレオチド、配列番号1のオリゴヌクレオチドと配列番号4のオリゴヌクレオチド、配列番号2のオリゴヌクレオチドと配列番号4のオリゴヌクレオチド及び配列番号3のオリゴヌクレオチドと配列番号4のオリゴヌクレオチドの4プライマーセット)、及びプライマーセットB(配列番号5のオリゴヌクレオチドと配列番号6のオリゴヌクレオチド)について、Amplify 1.0によるPCRシミュレーションを行い、キウイ類に特異的な増幅産物が得られるかどうかを確認した。塩基配列としてマタタビ属植物(キウイフルーツ、サルナシ、シマサルナシ、マタタビ等)、その他の果物及び穀物のITS配列を用いた。結果を下記表1および2に示す(表中、Accession No.:GenBankで取得したNo.、「H」:実際のシークエンスで得られた配列、Weight:増幅産物が得られる可能性の6段階評価(最大6、最小1)、「-」:増幅産物が得られないものを示す。)
Figure 0004928853
Figure 0004928853
上記のPCRシミュレーションの結果から明らかなように、配列番号1、2、又は3に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドの1種又は2種以上の混合物と配列番号4に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとの組み合わせによるプライマーセットAでは、配列番号1,2,3のオリゴヌクレオチド混合物と配列番号4のオリゴヌクレオチドのプライマーセット及び配列番号1のオリゴヌクレオチドと配列番号4のオリゴヌクレオチドのプライマーセットでキウイフルーツ(A. deliciosa, A. chinensis)、サルナシ(A. arguta)、シマサルナシ(A. rufa)に増幅産物が得られることが予想され、その他の果物ではPCR産物の増幅は予想されなかった。また、配列番号2のオリゴヌクレオチドと配列番号4のオリゴヌクレオチドのプライマーセットではほとんどのサルナシ(A. arguta) で増幅産物が得られることが予想されたが、一部で増幅産物が得られることが予想されなかった。また、配列番号3のオリゴヌクレオチドと配列番号4のオリゴヌクレオチドのプライマーセットではキウイフルーツ(A. deliciosa, A. chinensis)とシマサルナシ(A. rufa)に増幅産物が得られることが予想されなかった。なお、表には記載していないが、プライマーセットAのうち、配列番号3のオリゴヌクレオチドと配列番号4のオリゴヌクレオチドのプライマーセット以外のプライマーセット、すなわち、配列番号1と配列番号4、配列番号1,2と配列番号4、配列番号1,3と配列番号4、配列番号2,3と配列番号4のプライマーセットでは、キウイフルーツ(A. deliciosa, A. chinensis)、サルナシ(A. arguta)、シマサルナシ(A. rufa)に増幅産物が得られることが予想され、その他の果物ではPCR産物の増幅は予想されなかった。一方、プライマーセットBでは、キウイフルーツ(A. deliciosa, A. chinensis)、サルナシ(A. arguta)、シマサルナシ(A. rufa)、マタタビ(A. polygama)を含むマタタビ属に増幅産物が予想され、その他の果物ではPCR産物の増幅は予想されなかった。
(実施例2)プライマーの特異性及び感度評価
(1) PCRテンプレートDNAの抽出
[サンプル]
キウイ類:キウイフルーツ(Hayward、Hort16A)(果肉)、サルナシ(Issai、Baby kiwi)(果肉)、マタタビ(果肉)
その他の果物類:アロエ(果肉)、パイナップル(果肉)、パパイヤ(果肉)、オレンジ(果肉)、ミカン(果肉)、メロン(果肉)、カキ(種)、イチジク(果肉)、リンゴ(種)、マンゴー(果肉)、バナナ(果肉)、アボカド(果肉)、アンズ(果肉)、サクランボ(葉)、ウメ(種)、モモ(果肉)、プルーン(果肉)、洋ナシ(種)、ラズベリー(果肉)、イチゴ、ブルーベリー(種)、ブドウ(種)
主要穀物:コメ、トウモロコシ、コムギ、ダイズ
[DNA抽出]
上記サンプルのうち、リンゴやモモなどの、加工品として使用する際に皮を剥くと考えられたものについては、皮を剥いで試験に用いた。また、イチゴ、ブルーベリーなどの、加工品として使用する際に皮を剥かないと考えられたものついてはそのまま試験に用いた。
約1gのサンプル及び3mm径のジルコニアビーズを2ml容チューブに入れ、Retsh MM 300(Retsh社製)を用いて組織片が肉眼で確認できなくなるまで適宜粉砕した。粉砕後のサンプル2gを50ml容チューブに入れ、20mlのバッファー G2(QIAGEN社製)、200μlのProteinase K(20mg/ml)(QIAGEN社製)、20μlのRNase A(100mg/ml)(QIAGEN社製)を添加して混合した後、50℃で2時間保温した。その後、約3,000×gで10分間遠心分離し、その上清液を得た。さらに上清液を2ml容チューブに入れ、約20,000×gで5分間遠心分離し、その上清液を得た。得られた上清液を、予め1mlのバッファー QBT(QIAGEN社製)で平衡化したGenomic-tip 20/G(QIAGEN社製)に供してDNAをカラムに吸着させた。その後、4mlのバッファーQC(QIAGEN社製)でカラムを洗浄し、予め50℃に加温した1mlのバッファーQF(QIAGEN社製)で溶出し、イソプロパノール沈澱により回収した沈澱物を20μlのバッファー TE(pH8.0)に溶解した。抽出したDNAはND-1000 Spectrophotometer (NanoDrop Technologies,Inc)でスペクトルを測定し、DNA濃度、純度を算出した。PCRの鋳型DNA試料には、バッファーTE(pH8.0)で20ng/μlに希釈したものを用いた。DNAの質は、厚生労働省からの通知法(アレルギー物質を含む食品の検査方法について:食安発第1011002号)で用いられている下記の植物検出用プライマー(CP03-5', CP03-3’)を用いて確認した。
CP03-5' :5'-CGG ACG AGA ATA AAG ATA GAG T-3’(配列番号7)
CP03-3’:5'-TTT TGG GGA TAG AGG GAC TTG A-3’(配列番号8)
(2) プライマーの特異性評価
上記のようにしてサンプルから抽出したDNAを、PCRのテンプレートとして各反応液(tubeあたり)のDNA量が50ngDNAになるように添加し、前記2組のプライマーセットA(配列番号1,2,3のオリゴヌクレオチドの混合物と配列番号4のオリゴヌクレオチド)、及びプライマーセットB(配列番号5のオリゴヌクレオチドと配列番号6のオリゴヌクレオチド)を用いてPCR(アニーリング温度T:60℃、サイクル数N:40)を行った。
PCR反応は、AmpliTaqGold(Applied Biosystems社製)、0.2mlチューブ、GeneAmp PCR System2400,9600(PerkinElmer社製)を用い、下記表3に示す条件にて行った。
Figure 0004928853
次に、PCR増幅産物を2%アガロースゲル電気泳動によって分離し、検出を行った。
PCR増幅産物のアガロースゲル電気泳動図を図1及び2に示す。プライマーセットAでは、マタタビを除くキウイ類で約92bpの標的増幅産物が確認できたが、数種のその他の果物のサンプル(リンゴ、マンゴー、ミカン)で非標的増幅産物が見られた。しかしながら、標的増幅産物とはバンドの位置が異なるため、特異性は確保されると判断した(図1)。また、プライマーセットBでは、キウイ類で約74bpの標的増幅産物が確認でき、その他のサンプル(その他の果物、穀物)について増幅産物は得られず、特異性が確認できた(図2)。
(3) プライマーの感度評価
サンプルはキウイフルーツ(Hayward、Hort16A)、サルナシ(Issai)、サルナシ(Baby kiwi)、マタタビを用い、50〜500fg DNA/tubeを検出できるかどうかを指標にして評価した。上記と同様にしてサンプルから抽出・調製した20ng/μlDNAを5ng/μlサケ精子DNA緩衝液で段階希釈して、DNAテンプレートとし、前記2組のプライマーセットA(配列番号1,2,3のオリゴヌクレオチドの混合物と配列番号4のオリゴヌクレオチド)、及びプライマーセットB(配列番号5のオリゴヌクレオチドと配列番号6のオリゴヌクレオチド)を用いてPCRを行った。DNA量は1反応液 (25μl)あたり500pg、5pg、500fg、50fg、5fgに調製した。PCR反応は、前記表3と同じ条件で行った。
PCR増幅産物のアガロースゲル電気泳動図を図3及び4に示す。プライマーセットAでは、キウイフルーツ(Hayward、Hort16A)、サルナシ(Issai)は50fg〜500fg、サルナシ(Baby kiwi)は500fg程度であった(図3)。
一方、プライマーセットBでは、キウイフルーツ(Hayward、Hort16A)、サルナシ(Issai)、マタタビに対しては50fg〜500fgの感度が得られたが、サルナシ(Baby kiwi)に対しては5pg DNAと劣り、改善の必要があった(図4)。
各プライマーセットで増幅した標的サイズ付近の産物は、シークエンス解析によって、標的としたITS-1領域であることを確認した。また、これら増幅産物をシークエンスし、塩基配列を確認することによって、キウイフルーツ、サルナシ、シマサルナシの判別を行うことが可能である。
(実施例3)プライマーセットBのアニーリング温度、サイクル数の検討
上記プライマーセットの内、プライマーセットBについて、アニーリング温度(T)、サイクル数(N)を変更し、増幅条件を緩くすることによって感度が向上するかどうかを確認した。
(1)アニーリング温度、サイクル数の変更
PCRのアニーリング温度(T)を60℃から58℃に、サイクル数(N)を40から50に変更する以外は、実施例2と同様のサンプル、反応条件にてPCRを行い、プライマーの特異性評価及び感度評価を行った。特異性評価試験結果を図5に、また、感度評価試験結果を図6に示す。本条件では、感度の最も悪かったサルナシ(Baby kiwi)に対して50fgの感度が得られた(図6)。また、特異性も確認できたが(図5)、アボカド、アロエ、メロンなどに非標的増幅産物が出現した。
(2) サイクル数の変更
PCRのアニーリング温度(T)を60℃のままで、サイクル数(N)を40から50に変更にする以外は、実施例2と同様のサンプル、反応条件にてPCRを行い、プライマーの特異性評価及び感度評価を行った。特異性評価試験結果を図7に、また、感度評価試験結果を図8に示す。本条件では、感度が最も悪かったサルナシ(Baby kiwi)で50fgの感度が得られた(図8)。また、特異性も確認でき、しかも非標的増幅産物は減少した(図7)。再現性試験では、8回行った感度テストはすべてのサンプルで、8回とも50fgDNA/tubeが得られた。3回行った特異性については、同一抽出DNAを3回PCRに供したうち、1回でオレンジ、イチゴ、カキで非標的増幅産物が確認されたが、バンドの位置が異なるため、特異性はあると判断した。
(実施例4)掛け合わせ品種に関するプライマーの感度評価
(1) PCRテンプレートDNAの抽出
[サンプル]
キウイフルーツ同士の掛け合わせ品種「さぬきゴールド」、サルナシとキウイフルーツの掛け合わせ品種「香粋」、「信山」の3種
[DNA抽出]
上記3種を使用すること以外は実施例2と同一の方法でDNAを抽出した。
(2) プライマーの特異性評価
実施例2と同様の方法および条件でPCRを行った。次に、PCR増幅産物を2%アガロースゲル電気泳動によって分離し、検出を行った。PCR増幅産物のアガロースゲル電気泳動図を図9及び図10に示す。
プライマーセットAでは、キウイフルーツと同様に前記各サンプルで約92dpの標的増幅産物が確認された(図9)。また、プライマーセットBでは、キウイフルーツと同様に前記各サンプルで約74dpの標的増幅産物が確認された(図10)。
(3) プライマーの感度評価
前記サンプルに対し、50〜500fg DNA/tubeを検出できるかどうかを指標にして、実施例2と同様の方法でプライマーの感度評価を行った。その結果、プライマーセットAでは、「香粋」、「さぬきゴールド」、「信山」共に50fg〜500fgであった(図9)。一方、プライマーセットBでは、前記3種共に5fgの感度が得られた(図10)。
キウイ類、その他の果物、穀物由来のDNA試料に対する本発明のプライマーセットA(配列番号1,2,3のオリゴヌクレオチド混合物と配列番号4のオリゴヌクレオチド)の特異性評価試験結果を示す(アニーリング温度T:60℃、サイクル数N:40サイクルでのPCR増幅産物のアガロースゲル電気泳動写真。矢印:標的増幅産物)。 キウイフルーツ、その他の果物、穀物由来のDNA試料に対する本発明のプライマーセットB(配列番号5のオリゴヌクレオチドと配列番号6のオリゴヌクレオチド)の特異性評価試験結果を示す(アニーリング温度T:60℃、サイクル数N:40サイクルでのPCR増幅産物のアガロースゲル電気泳動写真。矢印:標的増幅産物)。 キウイフルーツ(Hayward、Hort16A)、サルナシ(Issai、Baby kiwi)由来のDNA試料に対する本発明のプライマーセットA(配列番号1,2,3のオリゴヌクレオチド混合物と配列番号4のオリゴヌクレオチド)の感度評価試験結果を示す(アニーリング温度T:60℃、サイクル数N:40サイクルでのPCR増幅産物のアガロースゲル電気泳動写真。矢印:標的増幅産物)。 キウイフルーツ(Hayward、Hort16A)、サルナシ(Issai、Baby kiwi)、マタタビ由来のDNA試料に対する本発明のプライマーセットB(配列番号5のオリゴヌクレオチドと配列番号6のオリゴヌクレオチド)の感度評価試験結果を示す(アニーリング温度T:60℃、サイクル数N:40サイクルでのPCR増幅産物のアガロースゲル電気泳動写真。矢印:標的増幅産物)。 キウイフルーツ、その他の果物、穀物由来のDNA試料に対する本発明のプライマーセットB(配列番号5のオリゴヌクレオチドと配列番号6のオリゴヌクレオチド)の特異性評価試験結果を示す(アニーリング温度T:58℃、サイクル数N:50サイクルでのPCR増幅産物のアガロースゲル電気泳動写真。矢印:標的増幅産物)。 キウイフルーツ(Hayward、Hort16A)、サルナシ(Issai)、サルナシ(Baby kiwi)、マタタビ由来のDNA試料に対する本発明のプライマーセットB(配列番号5のオリゴヌクレオチドと配列番号6のオリゴヌクレオチド)の感度評価試験結果を示す(アニーリング温度T:58℃、サイクル数N:50サイクルでのPCR増幅産物のアガロースゲル電気泳動写真。矢印:標的増幅産物)。 キウイフルーツ、その他の果物、穀物由来のDNA試料に対する本発明のプライマーセットB(配列番号5のオリゴヌクレオチドと配列番号6のオリゴヌクレオチド)の特異性評価試験結果を示す(アニーリング温度T:60℃、サイクル数N:50サイクルでのPCR増幅産物のアガロースゲル電気泳動写真。矢印:標的増幅産物)。 キウイフルーツ(Hayward、Hort16A)、サルナシ(Issai)、サルナシ(Baby kiwi)、マタタビ由来のDNA試料に対する本発明のプライマーセットB(配列番号5のオリゴヌクレオチドと配列番号6のオリゴヌクレオチド)の感度評価試験結果を示す(アニーリング温度T: 60℃、サイクル数N:50サイクルでのPCR増幅産物のアガロースゲル電気泳動写真。矢印:標的増幅産物)。 掛け合わせ品種「さぬきゴールド」、「香粋」、「信山」由来のDNA試料に対する本発明のプライマーセットA(配列番号1,2,3のオリゴヌクレオチド混合物と配列番号4のオリゴヌクレオチド)の特異性評価及び感度評価試験結果を示す(アニーリング温度T:60℃、サイクル数N:40サイクルでのPCR増幅産物のアガロースゲル電気泳動写真。矢印:標的増幅産物)。 掛け合わせ品種「さぬきゴールド」、「香粋」、「信山」由来のDNA試料に対する本発明のプライマーセットB(配列番号5のオリゴヌクレオチドと配列番号6のオリゴヌクレオチド)の特異性評価及び感度評価試験結果を示す(アニーリング温度T:60℃、サイクル数N:50サイクルでのPCR増幅産物のアガロースゲル電気泳動写真。矢印:標的増幅産物)。

Claims (4)

  1. 試料より抽出したDNAを鋳型とし、マタタビ属植物のリボソームRNA遺伝子のITS-1領域における、マタタビ属植物に特異的な塩基配列に基づいて設計した一対のオリゴヌクレオチドから構成されるプライマーセットを用いてPCRを行い、該PCRにより得られた標的増幅産物の有無を検出することを特徴とする、マタタビ属植物の検出方法であって、
    (i) 前記マタタビ属植物が、キウイフルーツ、サルナシ、シマサルナシ、又はキウイフルーツとサルナシの掛け合わせ品種の場合は、配列番号1、2、3に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドの混合物と配列番号4に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとから構成されるプライマーセットAを使用してPCRを行い、該PCRにより得られた92bpの標的増幅産物の有無を検出すること
    (ii) 前記マタタビ属植物がキウイフルーツ、サルナシ、シマサルナシ、マタタビ、又はキウイフルーツとサルナシの掛け合わせ品種の場合は、配列番号5に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号6に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとから構成されるプライマーセットBを使用してPCRを行い、該PCRにより得られた74bpの標的増幅産物の有無を検出すること、
    を特徴とする、上記検出方法。
  2. 配列番号1、2、3に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドの混合物と、配列番号4に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとから構成される、キウイフルーツ、サルナシ、シマサルナシ、及びキウイフルーツとサルナシの掛け合わせ品種から成る群から選択される1種以上のマタタビ属植物検出用プライマーセットA。
  3. 配列番号5に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと、配列番号6に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとから構成される、キウイフルーツ、サルナシ、シマサルナシ、マタタビ、及びキウイフルーツとサルナシの掛け合わせ品種から成る群から選択される1種以上のマタタビ属植物検出用プライマーセットB。
  4. 請求項2または3に記載のプライマーセットを含む、マタタビ属植物検出用キット。
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