JP5271518B2 - 溶融物性が改良されたプロピレン系重合体の製造方法 - Google Patents
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それらの課題を解決するために、溶融張力を高める成分を添加する方法として、クロム触媒によって製造される溶融張力の高い高密度ポリエチレンを混合する方法、高圧ラジカル重合法による低密度ポリエチレンを混合する方法、プロピレン重合前段階に高分子量ポリエチレンを重合する方法等が知られているが、それらの方法では、溶融張力を高める成分の弾性率、強度、耐熱性の不足、あるいは、流動性の低下等、ポリプロピレン本来の特徴が損なわれてしまうという欠点がある。
しかしながら、重合後に架橋する方法では、高次に架橋する副反応を制御することが困難であって、ゲルの発生により外観不良や機械特性に悪影響が生じる上、成形加工性を任意に制御することに限界があり、制御範囲が狭いという問題がある。一方、ラジカル重合性モノマーをグラフトさせる方法では、ポリプロピレンの化学的安定性が損なわれ、リサイクル性にも問題が生じる。さらに、ポリエンとの共重合による方法においては、溶融張力の改良効果が必ずしも十分でない上、ゲルの発生も懸念されるため、物性の制御が困難である。また、共重合終了後にポリエンの分離、回収工程が必須であり、製造コスト面でも課題が残る。
メタロセン触媒とは、広義には共役五員環配位子を少なくとも一個有する遷移金属化合物であり、プロピレン重合用としては、架橋構造を有する配位子が一般に使用される。当初、アイソタクチックポリオレフィンが製造可能な錯体として見出されたエチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドやエチレンビス(4,5,6,7‐テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド(特開昭61−130314号公報)、シリレン基を架橋基として持つジメチルシリレンビス置換シクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド(特開平1−301704号公報)、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド(特開平1−275609号公報)、シクロペンタジエニル化合物の架橋基の隣(2位‐)に置換基をつけることにより立体規則性及び分子量をある程度改良したジメチルシリレンビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド(特開平4−268307号公報)、さらに4位の位置にアリール基を導入して活性、立体規則性及び分子量をさらに改良したジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド(特開平6−100579号公報)やジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロリド(特開平10−226712号公報)、さらに最近になって、4位アリール基の特定部位に特定の置換基を導入したジクロロ(1,1’−ジメチルシリレンビス(2−エチル−4−(3−クロロ4−t−ブチルフェニル)−4H−アズレニル))ハフニウム(特開2003−292518号公報)、2位の位置に嵩高いヘテロ置換基を導入した特開2002−194016号公報、特表2002−535339号公報、特開2004−2259号公報、特開2004−352707号公報等が開示されている。
これらは、主として触媒活性や得られるポリプロピレンの融点及び分子量の改良を目的としており、マクロマーや長鎖分岐を持つポリプロピレンの製造適性については、示唆されていない。
しかしながら、この方法では、前段でマクロマーとして必要な末端ビニル構造を効率的に得るために、比較的高温かつ低圧で重合する必要がある。後段では、前段で得たマクロマーとプロピレンの共重合を行うが、マクロマーの仕込み量に対して共重合するマクロマー量が少ないため、製品となるマクロマー共重合体の中に無視出来ない量で、分子量及び立体規則性が低いマクロマーが残存してしまう。また、マクロマー合成工程で副生する、同様に低分子量で規則性の低い末端がビニル基以外の、例えば飽和末端の成分が、共重合されることなく含有されることになり、結果として、製品の剛性や衝撃強度といった機械的物性を下げたり、べたつきの問題が生じたり、流動性と成形性の制御が困難になってしまう。
しかしながら、公知の技術では、マクロマーの生成量とマクロマー共重合量が必ずしも充分ではなく、工業的な製造を行うためには、制限が多く、更なる改良が必要であった。
最近になって、2種のメタロセン錯体、具体的にはrac‐SiMe2[2−Me−4−Ph−Ind]2ZrCl2とrac‐SiMe2[2−Me−4−Ph−Ind]2HfCl2等の錯体を使用し、メチルアルミノキサン(MAO)を担持したシリカと組み合わせた触媒で、多段重合にて、得られたプロピレン系重合体が比較的高い溶融張力を示すことが報告されている(例えば、特許文献8参照。)。
しかしながら、この手法では、低温あるいは低圧での重合ステップが必須である多段重合であり、そのため、実用的な条件で、簡便な手法による溶融物性の改良が可能なプロピレン系重合体を製造する方法の開発が、強く望まれている。
また、極最近、C1対称型メタロセン錯体で末端ビニル選択性が高い錯体系が報告されている(例えば、特許文献9、10参照。)。
成分[A]:下記成分[A−1]及び下記成分[A−2]。
[A−1]:一般式(1)で表される化合物
[A−2]:一般式(2)で表される化合物
成分[B]:アルミニウムオキシ化合物[B−1]、成分[A]の遷移金属化合物と反応してカチオンに変換することが可能なイオン性化合物またはルイス酸[B−2]、固体酸微粒子[B−3]、およびイオン交換性層状珪酸塩[B−4]からなる化合物群から選ばれる少なくとも一種。
成分[C]:有機アルミニウム。
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、成分[B]がイオン交換性層状珪酸塩[B−4]であることを特徴とするプロピレン系重合体の製造方法が提供される。
さらに、本発明の第4の発明によれば、第1〜3のいずれかの発明において、イオン交換性層状珪酸塩[B−4]がスメクタイト族であることを特徴とするプロピレン系重合体の製造方法が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第1〜5のいずれかの発明において、成分[A−2]のMe2がハフニウムであることを特徴とするプロピレン系重合体の製造方法が提供される。
さらに、本発明の第7の発明によれば、第1〜6のいずれかの発明において、成分[A−1]のR5が分岐状構造を有する炭素数3〜6の炭化水素基であることを特徴とするプロピレン系重合体の製造方法が提供される。
(1)第1の発明において、成分[A]として、成分[A−1]及び[A−2]をそれぞれ1種用いることを特徴とするプロピレン系重合体の製造方法が提供される。
(2)成分[A−1]は、ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレン(2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル)(2−イソプロピル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ハフニウムであり、成分[A−2]は、rac−ジクロロ(1,1’−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル))ハフニウムであることを特徴とする上記のプロピレン系重合体の製造方法が提供される。
(3)成分[C]は、トリアルキルアルミニウム、好ましくは、トリイソブチルアルミニウム(TiBA)であることを特徴とする上記のプロピレン系重合体の製造方法が提供される。
以下、プロピレン系重合体の製法、その製法に使用する触媒、重合工程、プロピレン系重合体の特徴等について、項目毎に詳細に説明する。
本発明の製法に用いられる触媒は、次の成分[A]〜成分[C]を含むことを必須とする。
(1)成分[A]
成分[A]としては、次の成分[A−1]及び[A−2]から選択される少なくとも二種の遷移金属化合物が用いられる。その際、成分[A−1]や[A−2]に属する遷移金属化合物を1種以上用いることや、成分[A−1]や[A−2]以外の他のメタロセン化合物を併用することもできるが、通常は、成分[A−1]と[A−2]とをそれぞれ1種づつ用いることが好ましい。
成分[A−1]は、次の構造式(1)を有するメタロセン化合物である。
具体的な例としては、メチレン、ジメチルメチレン、エチレン−1,2−ジイル、ジメチルシリレン、ジエチルシリレン、ジフェニルシリレン、メチルフェニルシリレン、9−シラフルオレン−9,9−ジイル、ジメチルシリレン、ジエチルシリレン、ジフェニルシリレン、メチルフェニルシリレン、9−シラフルオレン−9,9−ジイル、ジメチルゲルミレン、ジエチルゲルミレン、ジフェニルゲルミレン、メチルフェニルゲルミレン等が挙げられる。
X1およびY1は、補助配位子であり、成分[B]の助触媒と反応してオレフィン重合能を有する活性なメタロセンを生成させる。したがって、この目的が達成される限りX1とY1は、配位子の種類が制限されるものではなく、それぞれ独立して、水素、ハロゲン基、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基、トリフルオロメタンスルホン酸基、炭素数1〜20のリン含有炭化水素基または炭素数1〜20のケイ素含有炭化水素基を示す。
R1〜R4が示す炭化水素基の具体的例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のアルキル基、ビニル、プロペニル、シクロヘキセニル等のアルケニル基の他、フェニル基などが挙げられる。
R1〜R4が示すケイ素含有炭化水素基の具体例としては、トリメチルシリル、トリエチルシリル、t−ブチルジメチルシリル等のトリアルキルシリル基などが挙げられる。
R1〜R4が示すハロゲン化炭化水素基は、上記の炭化水素基の任意の位置にハロゲン原子が置換したものであり、ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子のいずれであってもよい。その具体例としては、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、2,6−ジフルオロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、2,6−ジクロロフェニル、2,5−ジクロロフェニル、2,4,6−トリフルオロフェニル、ペンタフルオロフェニルなどが挙げられる。
好ましい例としては、R1〜R4が全て同一の炭化水素基であり、特に好ましくはメチル基である。
R1とR2および/またはR3とR4が結合して2価の基を形成する場合、炭素数は、通常、3以上好ましくは4以上であって、通常9以下、好ましくは6以下である。2価の基の種類としては、炭化水素基が好ましい。2価の炭化水素基の具体例としては、ジメチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ヘプタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、ノナメチレンが挙げられ、トリメチレン、テトラメチレン、ヘプタメチレンが好ましく、テトラメチレンが特に好ましい。
R1とR2またはR3とR4のいずれか一方のみ2価の基を形成するよりも、いずれも2価の基を形成する方が好ましい。
また、R6は、炭素数6〜30の、好ましくは炭素数6〜24の、ハロゲン、ケイ素、あるいは、これらから選択される複数のヘテロ元素を含有してもよいアリール基である。好ましい例としてはフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、4−メチルフェニル、4−i−プロピルフェニル、4−t−ブチルフェニル、4−トリメチルシリルフェニル、4−(2−フルオロビフェニリル)、4−(2−クロロビフェニリル)、1−ナフチル、2−ナフチル、3,5−ジメチル−4−t−ブチルフェニル、3,5−ジメチル−4−トリメチルシリルフェニル等が挙げられる。
(略号:OHFlu:1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−9−フルオレニル。TMCp:2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル。Azu:4H−1−アズレニル。THAzu:5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−1−アズレニル。)
(2)ジクロロ[ジメチルシリレン(OHFlu)(2−i−プロピル−4−(4−クロロフェニル)−Azu)]ハフニウム
(3)ジクロロ[ジメチルシリレン(OHFlu)(2−i−プロピル−4−(4−フルオロフェニル)−Azu)]ハフニウム
(4)ジクロロ[ジメチルシリレン(OHFlu)(2−i−プロピル−4−(3−クロロフェニル)−Azu)]ハフニウム
(5)ジクロロ[ジメチルシリレン(OHFlu)(2−i−プロピル−4−(3−フルオロフェニル)−Azu)]ハフニウム
(6)ジクロロ[ジメチルシリレン(OHFlu)(2−i−プロピル−4−(4−メチルフェニル)−Azu)]ハフニウム
(7)ジクロロ[ジメチルシリレン(OHFlu)(2−i−プロピル−4−(4−i−プロピルフェニル)−Azu)]ハフニウム
(8)ジクロロ[ジメチルシリレン(OHFlu)(2−i−プロピル−4−(4−t−ブチルフェニル)−Azu)]ハフニウム
(9)ジクロロ[ジメチルシリレン(OHFlu)(2−i−プロピル−4−(4−トリメチルシリルフェニル)−Azu)]ハフニウム
(10)ジクロロ[ジメチルシリレン(OHFlu)(2−i−プロピル−4−(4−(2−フルオロビフェニリル))−Azu)]ハフニウム
(11)ジクロロ[ジメチルシリレン(OHFlu)(2−i−プロピル−4−(4−(2−クロロビフェニリル))−Azu)]ハフニウム
(12)ジクロロ[ジメチルシリレン(OHFlu)(2−i−プロピル−4−(4−(2−クロロビフェニリル))−Azu)]ハフニウム
(13)ジクロロ[ジメチルシリレン(OHFlu)(2−i−プロピル−4−(1−ナフチル)−Azu)]ハフニウム
(14)ジクロロ[ジメチルシリレン(OHFlu)(2−i−プロピル−4−(2−ナフチル)−Azu)]ハフニウム
(15)ジクロロ[ジメチルシリレン(OHFlu)(2−i−プロピル−4−(3,5−ジメチル−4−t−ブチルフェニル)−Azu)]ハフニウム
(16)ジクロロ[ジメチルシリレン(OHFlu)(2−i−プロピル−4−(3,5−ジメチル−4−トリメチルシリルフェニル)−Azu)]ハフニウム
(17)ジクロロ[ジメチルシリレン(OHFlu)(2−sec−ブチル−4−フェニル−Azu)]ハフニウム
(18)ジクロロ[ジメチルシリレン(OHFlu)(2−sec−ブチル−4−(4−クロロフェニル)−Azu)]ハフニウム
(19)ジクロロ[ジメチルシリレン(OHFlu)(2−sec−ブチル−4−(4−フルオロフェニル)−Azu)]ハフニウム
(20)ジクロロ[ジメチルシリレン(OHFlu)(2−シクロヘキシル−4−フェニル−Azu)]ハフニウム
(22)ジクロロ[ジメチルシリレン(OHFlu)(2−シクロヘキシル−4−(4−フルオロフェニル)−Azu)]ハフニウム
(23)ジクロロ[ジメチルシリレン(OHFlu)(2−フェニル−4−フェニル−Azu)]ハフニウム
(24)ジクロロ[ジメチルシリレン(OHFlu)(2−フェニル−4−(4−クロロフェニル)−Azu)]ハフニウム
(25)ジクロロ[ジメチルシリレン(OHFlu)(2−フェニル−4−(4−フルオロフェニル)−Azu)]ハフニウム
(26)ジクロロ[ジメチルシリレン(OHFlu)(2−sec−ペンチル−4−(4−クロロフェニル)−Azu)]ハフニウム
(27)ジクロロ[ジメチルシリレン(OHFlu)(2−sec−ブチル−4−(4−t−ブチルフェニル)−Azu)]ハフニウム
(25)ジクロロ[ジメチルシリレン(OHFlu)(2−sec−ブチル−4−(4−トリメチルシリルフェニル)−Azu)]ハフニウム
(26)ジクロロ[ジメチルシリレン(OHFlu)(2−sec−ブチル−4−(4−(2−フルオロビフェニリル))−Azu)]ハフニウム
(27)ジクロロ[ジメチルシリレン(2,7−ジ−t−ブチル−OHFlu)(2−i−プロピル−4−(4−クロロフェニル)−Azu)]ハフニウム
(28)ジクロロ[ジメチルシリレン(2,7−ジ−t−ブチル−OHFlu)(2−i−プロピル−4−フェニル−Azu)]ハフニウム
(29)ジクロロ[ジメチルシリレン(TMCp)(2−i−プロピル−4−フェニル−Azu)]ハフニウム
(29)ジクロロ[ジメチルシリレン(TMCp)(2−i−プロピル−4−(4−クロロフェニル)−Azu)]ハフニウム
(30)ジクロロ[ジメチルシリレン(TMCp)(2−i−プロピル−4−(4−フルオロフェニル)−Azu)]ハフニウム
(31)ジクロロ[ジメチルシリレン(TMCp)(2−i−プロピル−4−(3−クロロフェニル)−Azu)]ハフニウム
(32)ジクロロ[ジメチルシリレン(TMCp)(2−i−プロピル−4−(3−フルオロフェニル)−Azu)]ハフニウム
(33)ジクロロ[ジメチルシリレン(TMCp)(2−i−プロピル−4−(4−メチルフェニル)−Azu)]ハフニウム
(34)ジクロロ[ジメチルシリレン(TMCp)(2−i−プロピル−4−(4−i−プロピルフェニル)−Azu)]ハフニウム
(35)ジクロロ[ジメチルシリレン(TMCp)(2−i−プロピル−4−(4−t−ブチルフェニル)−Azu)]ハフニウム
(36)ジクロロ[ジメチルシリレン(TMCp)(2−i−プロピル−4−(4−トリメチルシリルフェニル)−Azu)]ハフニウム
(37)ジクロロ[ジメチルシリレン(TMCp)(2−i−プロピル−4−(4−(2−フルオロビフェニリル))−Azu)]ハフニウム
(38)ジクロロ[ジメチルシリレン(TMCp)(2−i−プロピル−4−(4−(2−クロロビフェニリル))−Azu)]ハフニウム
(39)ジクロロ[ジメチルシリレン(TMCp)(2−i−プロピル−4−(1−ナフチル)−Azu)]ハフニウム
(40)ジクロロ[ジメチルシリレン(TMCp)(2−i−プロピル−4−(2−ナフチル)−Azu)]ハフニウム
(42)ジクロロ[ジメチルシリレン(TMCp)(2−i−プロピル−4−(3,5−ジメチル−4−トリメチルシリルフェニル)−Azu)]ハフニウム
(43)ジクロロ[ジメチルシリレン(TMCp)(2−sec−ブチル−4−フェニル−Azu)]ハフニウム
(44)ジクロロ[ジメチルシリレン(TMCp)(2−sec−ブチル−4−(4−クロロフェニル)−Azu)]ハフニウム
(45)ジクロロ[ジメチルシリレン(TMCp)(2−sec−ブチル−4−(4−フルオロフェニル)−Azu)]ハフニウム
(46)ジクロロ[ジメチルシリレン(TMCp)(2−シクロヘキシル−4−フェニル−Azu)]ハフニウム
(47)ジクロロ[ジメチルシリレン(TMCp)(2−シクロヘキシル−4−(4−クロロフェニル)−Azu)]ハフニウム
(48)ジクロロ[ジメチルシリレン(TMCp)(2−シクロヘキシル−4−(4−フルオロフェニル)−Azu)]ハフニウム
(49)ジクロロ[ジメチルシリレン(TMCp)(2−フェニル−4−フェニル−Azu)]ハフニウム
(50)ジクロロ[ジメチルシリレン(TMCp)(2−フェニル−4−(4−クロロフェニル)−Azu)]ハフニウム
(51)ジクロロ[ジメチルシリレン(TMCp)(2−フェニル−4−(4−フルオロフェニル)−Azu)]ハフニウム
(52)ジクロロ[ジメチルシリレン(TMCp)(2−sec−ペンチル−4−(4−クロロフェニル)−Azu)]ハフニウム
(53)ジクロロ[ジメチルシリレン(TMCp)(2−sec−ブチル−4−(4−t−ブチルフェニル)−Azu)]ハフニウム
(54)ジクロロ[ジメチルシリレン(TMCp)(2−sec−ブチル−4−(4−トリメチルシリルフェニル)−Azu)]ハフニウム
(55)ジクロロ[ジメチルシリレン(TMCp)(2−sec−ブチル−4−(4−(2−フルオロビフェニリル))−Azu)]ハフニウム
(56)ジクロロ[ジメチルメチレン(TMCp)(2−i−プロピル−4−フェニル−Azu)]ハフニウム
(57)ジクロロ[ジメチルメチレン(TMCp)(2−i−プロピル−4−(4−クロロフェニル)−Azu)]ハフニウム
(58)ジクロロ[ジフェニルシリレン(TMCp)(2−i−プロピル−4−フェニル−Azu)]ハフニウム
(59)ジクロロ[ジフェニルシリレン(TMCp)(2−i−プロピル−4−(4−クロロフェニル)−Azu)]ハフニウム
(60)ジクロロ[ジフェニルシリレン(TMCp)(2−i−プロピル−4−フェニル−Azu)]ハフニウム
(62)ジクロロ[ジメチルゲルミレン(TMCp)(2−i−プロピル−4−フェニル−Azu)]ハフニウム
(63)ジクロロ[ジメチルゲルミレン(TMCp)(2−i−プロピル−4−(4−クロロフェニル)−Azu)]ハフニウム
(64)ジクロロ[ジメチルゲルミレン(TMCp)(2−i−プロピル−4−(4−t−ブチルフェニル)−Azu)]ハフニウム
また、上記に例示した(1)〜(64)式の化合物の中心金属Mがハフニウムの代わりに、ジルコニウムに代わった化合物も、同様に重合触媒成分として、用いることができる。
成分[A−2]は、次の構造式(2)を有するメタロセン化合物である。
X2およびY2は、補助配位子であり、成分[B]の助触媒と反応してオレフィン重合能を有する活性なメタロセンを生成させる。したがって、この目的が達成される限りX2およびY2は、配位子の種類が制限されるものではなく、それぞれ独立して、水素、ハロゲン基、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基、トリフルオロメタンスルホン酸基、炭素数1〜20のリン含有炭化水素基または炭素数1〜20のケイ素含有炭化水素基を示す。
また、R9およびR10は、それぞれ独立して、炭素数6〜30の、好ましくは炭素数6〜24の、ハロゲン、ケイ素、あるいは、これらから選択される複数のヘテロ元素を含有してもよいアリール基である。好ましい例としてはフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、4−メチルフェニル、4−i−プロピルフェニル、4−t−ブチルフェニル、4−トリメチルシリルフェニル、4−(2−フルオロビフェニリル)、4−(2−クロロビフェニリル)、1−ナフチル、2−ナフチル、3,5−ジメチル−4−t−ブチルフェニル、3,5−ジメチル−4−トリメチルシリルフェニル等が挙げられる。
さらに、R11およびR12は、それぞれ独立して、炭素数3〜5の不飽和の2価の炭化水素基であり、好ましくは3、4、特に好ましくは4である。従って、形成される縮合環は6〜8員環であり、好ましくは6、7員環、特に好ましくは7員環である。
さらに、mおよびnは、それぞれ独立して、0またはR13およびR14の炭素数の2倍以下の整数(ただし、mおよびnが2以上の場合、各々R13、R14同士が任意の位置で結合して環構造を形成していてもよい。)を示し、好ましくは0である。
(1)ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ハフニウム
(2)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム
(3)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム
(4)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−トリメチルシリルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム
(5)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(3−クロロ−4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム
(6)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(3−メチル−4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム
(7)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(3−クロロ−4−トリメチルシリルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム
(8)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(3−メチル−4−トリメチルシリルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム
(9)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(1−ナフチル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム
(10)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(2−ナフチル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム
(12)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(2−クロロ−4−ビフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム
(13)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(9−フェナントリル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム
(14)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロ−2−ナフチル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム
(15)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム
(16)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−n−プロピル−4−(3−クロロ−4−トリメチルシリルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム
(17)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(3−クロロ−4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム
(18)ジクロロ[1,1’−ジメチルゲルミレンビス{2−メチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム
(19)ジクロロ[1,1’−ジメチルゲルミレンビス{2−メチル−4−(4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム
(20)ジクロロ[1,1’−(9−シラフルオレン−9,9−ジイル)ビス{2−エチル−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム
(22)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)インデニル}]ハフニウム
(23)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−t−ブチルフェニル)インデニル}]ハフニウム
(24)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−トリメチルシリルフェニル)インデニル}]ハフニウム
(25)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(3、5−ジ−t−ブチルフェニル)インデニル}]ハフニウム
(26)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(3、5−ジメチル−4−t−ブチルフェニル)インデニル}]ハフニウム
(27)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(3−メチル−4−トリメチルシリルフェニル)インデニル}]ハフニウム
(28)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(1−ナフチル)インデニル}]ハフニウム
成分[B]としては、アルミニウムオキシ化合物[B−1]、上記遷移金属化合物と反応してカチオンに変換することが可能なイオン性化合物またはルイス酸[B−2]、固体酸微粒子[B−3]、およびイオン交換性層状珪酸塩[B−4]からなる化合物群の中から選ばれる少なくとも一種が用いられる。
アルミニウムオキシ化合物[B−1]としては、具体的には、次の一般式(4)、(5)又は(6)で表される化合物が挙げられる。
上記のアルモキサンは、各群内および各群間で複数種併用することも可能である。そして、上記のアルモキサンは、公知の様々な条件下に調製することができる。
R16B(OH)2 ・・・・(7)
成分[B−2]は、前述した遷移金属化合物と反応してカチオンに変換することが可能なイオン性化合物またはルイス酸である。
具体的には、イオン性化合物としては、カルボニウムカチオン、アンモニウムカチオンなどの陽イオンと、トリフェニルホウ素、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ホウ素、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素等の有機ホウ素化合物のカチオンとの錯化物等が挙げられる。
固体酸微粒子[B−3]としては、アルミナ、シリカ−アルミナ等の固体酸が挙げられる。
ここで、前述した[B−1]および[B−2]における微粒子状担体について説明する。
本発明においては、微粒子状担体は、その元素組成、化合物組成について、特に限定されない。例えば、無機または有機の化合物から成る微粒子状担体が例示できる。無機担体としては、シリカ、アルミナ、シリカ・アルミナ塩化マグネシウム、活性炭、無機珪酸塩等が挙げられる。あるいは、これらの混合物であってもよい。
これらの微粒子担体は、通常1μm〜5mm、好ましくは5μm〜1mm、更に好ましくは10μm〜200μmの平均粒径を有する。
成分[B−4]は、イオン交換性層状珪酸塩(以下、単に珪酸塩と略記する)である。本発明において、原料として使用する珪酸塩は、イオン結合などによって構成される面が互いに結合力で平行に積み重なった結晶構造を有し、かつ、含有されるイオンが交換可能である珪酸塩化合物をいう。大部分の珪酸塩は、天然には主に粘土鉱物の主成分として産出されるため、イオン交換性層状珪酸塩以外の夾雑物(石英、クリストバライト等)が含まれることが多いが、それらを含んでもよい。珪酸塩の具体例としては、例えば、白水春雄著「粘土鉱物学」朝倉書店(1995年)に記載されている次のような層状珪酸塩が挙げられる。
酸処理は、表面の不純物を取り除くほか、結晶構造のAl、Fe、Mg、等の陽イオンの一部または全部を溶出させることができる。
酸処理で用いられる酸は、好ましくは塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、シュウ酸から選択される。処理に用いる酸は、2種以上であってもよい。酸による処理条件は、特には制限されないが、通常、酸濃度は、0.1〜50重量%、処理温度は、室温〜沸点、処理時間は、5分〜24時間の条件を選択して、イオン交換性層状珪酸塩から成る群より選ばれた少なくとも一種の化合物を構成している物質の少なくとも一部を溶出する条件で行うことが好ましい。また、酸は、一般的には水溶液で用いられる。
本発明においては、塩類で処理される前の、イオン交換性層状珪酸塩の含有する交換可能な1族金属の陽イオンの40%以上、好ましくは60%以上を、下記に示す塩類より解離した陽イオンと、イオン交換することが好ましい。
また、処理に用いる塩類は、2種以上であってもよい。塩類による処理条件は、特には制限されないが、通常、塩類および酸濃度は、0.1〜50重量%、処理温度は、室温〜沸点、処理時間は、5分〜24時間の条件を選択することができる。また、塩類および酸は、一般的には水溶液で用いられる。
アルカリ処理で用いられる処理剤としては、LiOH、NaOH、KOH、Mg(OH)2、Ca(OH)2、Sr(OH)2、Ba(OH)2などが例示される。
また、有機物処理に用いられる有機物は、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、N,N−ジメチルアニリニウム、トリフェニルホスホニウム、等が挙げられる。
また、有機物処理剤を構成する陰イオンとしては、塩類処理剤を構成する陰イオンとして例示した陰イオン以外にも、例えばヘキサフルオロフォスフェート、テトラフルオロボレート、テトラフェニルボレートなどが例示されるが、これらに限定されるものではない。
これら、酸処理、塩類処理、アルカリ処理、有機物処理の中で、好ましい処理法は、酸処理、塩類処理である。これらは、任意な手法を選択することが可能であり、酸処理、塩類処理、酸と塩類を共存させた処理を1回以上行うことが一般的で、特に好ましくは、酸あるいは酸と塩類を共存させた処理後に、塩類処理を行う方法である。
イオン交換性層状珪酸塩の吸着水および層間水の加熱処理方法は、特に制限されないが、層間水が残存しないように、また、構造破壊を生じないよう条件を選ぶことが必要である。加熱時間は、0.5時間以上、好ましくは1時間以上である。その際、除去した後の成分[B]の水分含有率が、温度200℃、圧力1mmHgの条件下で2時間脱水した場合の水分含有率を0重量%とした時、3重量%以下、好ましくは1重量%以下、であることが好ましい。
ここで用いられる造粒法は、例えば攪拌造粒法、噴霧造粒法が挙げられるが、市販品を利用することもできる。
上記のようにして得られた球状粒子は、重合工程での破砕や微粉の生成を抑制するためには、0.2MPa以上、特に好ましくは0.5MPa以上の圧縮破壊強度を有することが望ましい。このような粒子強度の場合には、特に予備重合を行う場合に、粒子性状改良効果が有効に発揮される。
本発明の製法に用いられる触媒において、[B−1]アルミニウムオキシ化合物、[B−2]成分[A]と反応して成分[A]をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物またはルイス酸、[B−3]固体酸微粒子、あるいは、[B−4]イオン交換性層状珪酸塩微粒子は、それぞれ単独に成分[B]として使用される他、これらの4成分を適宜組み合わせて使用することができる。
成分[C]としては、有機アルミニウム化合物が用いられる。本発明においては、一般式:AlR11 qZ3−qで示される有機アルミニウム化合物が適当である。
本発明では、この式で表される化合物を単独で、複数種混合してあるいは併用して使用することができることは言うまでもない。この式中、R11は、炭素数1〜20の炭化水素基を示し、Zは、ハロゲン、水素、アルコキシ基、アミノ基を示す。qは、0より大きくかつ3までの数である。R11としては、アルキル基が好ましく、また、Zは、水素が、それがハロゲンの場合には塩素が、アルコキシ基の場合には炭素数1〜8のアルコキシ基が、アミノ基の場合には炭素数1〜8のアミノ基が、好ましい。
本発明による触媒は、上記の各成分を(予備)重合槽内で、同時にもしくは連続的に、あるいは一度にもしくは複数回にわたって、接触させることによって形成させることができる。各成分の接触は、脂肪族炭化水素あるいは芳香族炭化水素溶媒中で行うのが普通である。接触温度は、特に限定されないが、−20℃から150℃の間で行うのが好ましい。
接触順序としては、合目的的な任意の組み合わせが可能であるが、特に好ましいものを各成分について示せば次の通りである。
成分[C]を使用する場合は、成分[A]と成分[B]を接触させる前に、成分[A]と、あるいは成分[B]と、または成分[A]及び成分[B]の両方に成分[C]を接触させること、または、成分[A]と成分[B]を接触させるのと同時に成分[C]を接触させること、または、成分[A]と成分[B]を接触させた後に成分[C]を接触させることが可能であるが、好ましくは、成分[A]と成分[B]を接触させる前に成分[C]といずれかに接触させる方法である。
各成分を接触させた後、脂肪族炭化水素あるいは芳香族炭化水素溶媒にて洗浄することが可能である。
オレフィンのフィード方法は、オレフィンを反応槽に定速的にあるいは定圧状態になるように維持するフィード方法やその組み合わせ、段階的な変化をさせる等、任意の方法が可能である。
予備重合温度、時間は、特に限定されないが、各々−20℃〜100℃、5分〜24時間の範囲であることが好ましい。また、予備重合量は、予備重合ポリマー量が成分[B]に対し、重量比で、好ましくは0.01〜100、さらに好ましくは0.1〜50である。また、予備重合時に成分[C]を添加、又は追加することもできる。また、予備重合終了後に洗浄することも可能である。
上記の各成分の接触の際もしくは接触の後に、ポリエチレン、ポリプロピレン等の重合体、シリカ、チタニア等の無機酸化物の固体を共存させる等の方法も可能である。
重合様式は、前記成分[A]、成分[B]、及び成分[C]を含むオレフィン重合用触媒とモノマーが効率よく接触するならば、あらゆる様式を採用し得る。具体的には、不活性溶媒を用いるスラリー法、不活性溶媒を実質的に用いずプロピレンを溶媒として用いる、所謂バルク法、溶液重合法あるいは実質的に液体溶媒を用いず各モノマーをガス状に保つ気相法などが採用できる。また、連続重合、回分式重合、又は予備重合を行う方法も適用される。また、単段重合以外に、2段以上の多段重合することも可能である。
重合温度は0〜150℃であり、また分子量調節剤として補助的に水素を用いることができる。重合圧力は0〜200MPa、好ましくは0〜5MPaが適当である。
本発明に係るプロピレン系重合体は、通常のプロピレン系重合体に対し、溶融物性が改良されている。
本発明において、溶融物性の指標として規定している伸長粘度測定における歪硬化度(λmax)は、溶融時強度を表す指標であり、この値が大きいと、溶融張力が向上する効果がある。その結果、例えば、ブロー成形の時に偏肉がおきにくい。また、発泡成形を行ったときに、独立気泡率を高くできる効果がある。本発明に係るプロピレン系重合体の伸長粘度測定に於ける歪硬化度(λmax)は、2.0以上であり、好ましくは4.0以上、特に好ましくは5.0以上である。
歪硬化度の測定方法に関しては、一軸伸長粘度を測定できれば、どのような方法でも原理的に同一の値が得られ、例えば、公知文献Polymer 42(2001)8663に測定方法及び測定機器の詳細が記載されている。本発明に係るプロピレン系重合体の測定に当り、好ましい測定方法及び測定機器として、以下を挙げることができる。
・装置:Rheometorics社製 Ares
・冶具:ティーエーインスツルメント社製 Extentional Viscosity Fixture
・測定温度:180℃
・歪み速度:0.1/sec
・試験片の作成:プレス成形して18mm×10mm、厚さ0.7mm、のシートを作成する。
・装置:東洋精機社製、Melten Rheometer
・測定温度:180℃
・歪み速度:0.1/sec
・試験片の作成:東洋精機社製キャピログラフを用い、180℃で内径3mmのオリフィスを用いて、速度10〜50mm/minで押し出しストランドを作成する。
歪み速度:0.1/secの場合の伸長粘度を、横軸に時間t(秒)、縦軸に伸長粘度ηE(Pa・秒)を両対数グラフでプロットする。その両対数グラフ上で歪み硬化を起こす直前の粘度を直線で近似し、歪量が4.0となるまでの伸長粘度ηEの最大値(ηmax)を求め、また、その時間までの近似直線上の粘度をηlinとする。
図2は、伸長粘度のプロット図の一例である。ηmax/ηlinを、λmaxと定義し、歪硬化度の指標とする。
分岐量の算出は、全骨格形成炭素(プロピレンが規則的に結合している炭素に加え、2,1結合または1,3結合している場合のメチレン炭素とメチン炭素の積分値)に対し、31.6〜31.7ppmに観測されるメチン炭素のピーク強度を使用して算出する。
マクロマーの生成は、β−メチル脱離と一般に呼ばれる特殊な連鎖移動反応により生成すると考えており、驚くことに成分[A−1]のR5がi−プロピル基のような分岐状構造の炭化水素基を有する錯体が、特にβ−メチル脱離反応が起きやすいことが分かった。
一方、成分[A−2]は、マクロマーに対する共重合性が高いため、マクロマー生成工程とマクロマー共重合工程を同時に実施しても、目的とする高い溶融物性を有するプロピレン系重合体の製造(即ち単段重合)が可能であり、水素を添加しても、溶融物性が低下することなく、分子量の制御が可能になり、工業的な製造技術として、重要な進歩と考えている。
試料350〜400mgをNMRサンプル管(10φ)中で重水素化1,1,2,2、−テトラクロロエタン2.5mlに完全に溶解させた後、125℃でプロトン完全デカップリング法により測定した。ケミカルシフトは、重水素化1,1,2,2−テトラクロロエタンの3本のピークの中央のピークを74.3ppmに設定し、他の炭素ピークのケミカルシフトはこれを基準とした。
パルス間隔:10秒
共鳴周波数:100MHz以上
積算回数:10,000回以上
観測域:−20ppmから179ppm
データポイント数:32768
mm分率は、ポリマー鎖中、頭−尾結合からなる任意のプロピレン単位3連鎖中、各プロピレン単位中のメチル分岐の方向が同一であるプロピレン単位3連鎖の割合である。このmm分率は、ポリプロピレン分子鎖中のメチル基の立体構造がアイソタクティックに制御されていることを示す値であり、高いほど高度に制御されていることを意味する。
mm分率は、mm、mr、rr各構造のスペクトル強度から以下の式により算出した。
mm分率(%)=PPP[mm]/(PPP[mm]+PPP[mr]+PPP[rr])×100
スペクトルの帰属は、前記した文献に加え、Macromolecules,(1975年)8卷,687頁やPolymer,30巻,1350頁(1989年)を参考に実施した。
また、末端プロペニル構造の割合については、特開平11−349634号公報と同様の手法で算出した。
JIS K6758のポリプロピレン試験方法のメルトフローレート(試験条件:230℃、荷重2.16kgf)に従って、測定した。単位はg/10分である。
重量平均分子量(Mw)の値は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって得られるものであるが、その測定法、測定機器の詳細は、以下の通りである。
装置:Waters社製GPC(ALC/GPC、150C)
検出器:FOXBORO社製MIRAN、1A、IR検出器(測定波長:3.42μm)
カラム:昭和電工社製AD806M/S(3本)
移動相溶媒:o−ジクロロベンゼン(ODCB)
測定温度:140℃
流速:1.0ml/分
注入量:0.2ml
なお、得られたクロマトグラムのベースラインと区間は、図1のように行う。
また、GPC測定で得られた保持容量から分子量への換算は、予め作成しておいた標準ポリスチレンによる検量線を用いて行う。使用する標準ポリスチレンは、何れも東ソー社製の以下の銘柄である。
銘柄:F380、F288、F128、F80、F40、F20、F10、F4、F1、A5000、A2500、A1000
各々が0.5mg/mLとなるように、ODCB(0.5mg/mLのBHTを含む)に溶解した溶液を0.2mL注入して、較正曲線を作成する。較正曲線は、最小二乗法で近似して得られる三次式を用いる。
分子量への換算に使用する粘度式:[η]=K×Mαは、以下の数値を用いる。
PS:K=1.38×10−4、α=0.7
PP:K=1.03×10−4、α=0.78
タカラ社製のメルトインデクサーを用い、190℃でオリフィス径1.0mm、長さ8.0mm中を、荷重をかけて押し出し、押し出し速度が0.1g/min.の時に、オリフィスから押し出されたポリマーを、メタノール中で急冷し、その際のストランド径の値をオリフィス径で除した値として算出した。この値は、MFRと相関する値であり、この値が大きいと、スウェルが大きく射出成形したときの製品外観がよくなることを示す。
日本電子社製、GSX−400、FT−NMRを用い、上記本明細書記載の方法で測定した。単位は%である。
レオメータを用いて、上記本明細書記載の方法で測定した。
セイコーインスツルメンツ社製DSC6200を使用し、シート状にしたサンプル片を5mgアルミパンに詰め、室温から一旦200℃まで昇温速度100℃/分で昇温し、5分間保持した後に、10℃/分で20℃まで降温して結晶化させた後に、10℃/分で200℃まで昇温させた時の融解最大ピーク温度(℃)として求めた。
(1)成分[A−1]:ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレン(2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル)(2−イソプロピル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ハフニウムの合成
2−イソプロピルアズレン(1.00g,5.9mmol)をヘキサン(30mL)に溶解し、フェニルリチウムのシクロヘキサン−ジエチルエーテル溶液(5.6mL,5.9mmol,1.04N)を0℃で滴下した。滴下後、室温まで昇温して約2時間攪拌した。縣濁反応溶液を静沈後上澄(20mL)を除き、テトラヒドロフラン(10mL)とヘキサン(10mL)、N−メチルイミダゾール(15mL)を加え、0℃でクロロジメチル(2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル)シラン(Aldrich社製、1.3mL,5.9mmol)を滴下した。滴下後、室温まで昇温して1.5時間攪拌した後、反応液に蒸留水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層は、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去し、ジメチル(2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル)(2−イソプロピル−4−フェニル−1,4−ジヒドロアズレニル)シランの粗生成物(2.48g)を得た。
得られた配位子粗生成物(2.48g)をジエチルエーテル(15mL)に溶解し、n−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(7.4mL,11.6mmol,1.58N)を0℃で滴下した。室温で3時間攪拌した後、トルエン(70mL)を加え、−10℃に冷却し、四塩化ハフニウム(1.8g,5.8mmol)を添加した。ゆっくり昇温し、室温で3時間攪拌した。
得られた反応溶液を1/2程度まで濃縮し、一夜冷却して放置した。溶液部をデカントにより除去し、析出分を減圧乾燥すると、無機塩を含む錯体(2.9g)が得られた。これにトルエン(50mL)を加えて70℃に加熱し、不溶分を沈降させて可溶分を分離した。得られた可溶分を1/2程度まで濃縮し、0℃に冷却して析出したものをろ別、ヘキサンで洗浄すると、目的のジクロロ{1,1’−ジメチルシリレン(2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル)(2−イソプロピル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ハフニウム(1.75g)を収率:52%で得た。
得られた錯体についてのプロトン核磁気共鳴法(1H−NMR)による同定値を以下に記す。
1HNMR(400MHz,CDCl3)?1.00(s,6H,Me2Si),1.01(d,J=8Hz,3H,CH3CH’3CH),1.06(d,J=8Hz,3H, CH3CH’3CH),2.01(s,3H,Me4Cp),2.05(s,3H,Me4Cp),2.11(s,3H,Me4Cp),2.13(s,3H,Me4Cp),3.1(m,1H,CH),5.2(br s,1H,4−H),5.76(s,1H,3−H),5.90−5.93(m,2H),6.09−6.11(m,1H),6.75(d,J=11Hz,1H,8−H),7.2−7.45(m,5H,arom).
rac−ジクロロ(1,1’−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル))ハフニウムの合成は、特開平11―240909号公報の実施例1と同様に実施した。
(3−1)イオン交換性層状珪酸塩の化学処理
セパラブルフラスコ中で蒸留水3456gに96%硫酸(1044g)を加えその後、層状珪酸塩としてモンモリロナイト(水沢化学社製ベンクレイSL:平均粒径19μm)600gを加えた。このスラリーを0.5℃/分で1時間かけて90℃まで昇温し、90℃で120分反応させた。この反応スラリーを1時間で室温まで冷却し、蒸留水2400g加えた後にろ過したところケーキ状固体1230gを得た。
次に、セパラブルフラスコ中に、硫酸リチウム648g、蒸留水1800gを加え硫酸リチウム水溶液としたところへ、上記ケーキ上固体を全量投入し、更に蒸留水522gを加えた。このスラリーを0.5℃/分で1時間かけて90℃まで昇温し、90℃で120分反応させた。この反応スラリーを1時間で室温まで冷却し、蒸留水1980g加えた後にろ過し、更に蒸留水でpH3まで洗浄し、ろ過を行ったところ、ケーキ状固体1150gを得た。
得られた固体を窒素気流下130℃で2日間予備乾燥後、53μm以上の粗大粒子を除去し、更に215℃、窒素気流下、滞留時間10分の条件でロータリーキルン乾燥することにより、化学処理スメクタイト340gを得た。
この化学処理スメクタイトの組成は、Al:7.81重量%、Si:36.63重量%、Mg:1.27重量%、Fe:1.82重量%、Li:0.20重量%であり、Al/Si=0.222[mol/mol]であった。
その後、触媒成分として使用する前に、200℃減圧乾燥を5時間実施して、以下の触媒調製で使用した。
以下の操作は、全て不活性ガス下で実施した。また使用する溶媒は、脱水、脱酸素処理したものを使用した。
前記合成したイオン交換性層状珪酸塩200mgを100ml二口フラスコに秤量し、n−ヘプタンを1.30ml添加後、室温下トリイソブチルアルミニウム(TiBA)−ヘプタン溶液(140mg/ml)を0.70ml添加し、撹拌し反応させた。1時間後、n−ヘプタンを50ml追加、撹拌を5分間実施し、静置した。上澄み液をサイホンで50ml抜き出した。このヘプタン追加、トータル2回実施した。
並行して、前記(1)、(2)で合成した、ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレン(2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル)(2−イソプロピル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ハフニウム及びrac−ジクロロ(1,1’−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル))ハフニウムを秤量し、トルエンで溶解させ、成分[A−1]は0.5mg/ml(0.590マイクロモル/ml)、成分[A−2]は0.3mg/ml(0.369マイクロモル/ml)の溶液を調製した。
先に調製したTiBA処理したイオン交換性層状珪酸塩に、成分[A−1]のジクロロ{1,1’−ジメチルシリレン(2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル)(2−イソプロピル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ハフニウム溶液を2.08ml(1.20マイクロモル)添加、反応させ、5分後に、rac−ジクロロ(1,1’−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル))ハフニウム0.81ml(0.3マイクロモル)を添加、反応させた。
3Lオートクレーブに加熱下窒素を流通させて十分に乾燥させ、冷却後、プロピレンで槽内を置換した。40℃以下に冷却後、トリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液(140mg/mL)2.86mL(2.02mmol)を加え、液体プロピレン750gを導入した後、75℃まで昇温した。
温度が安定した後に、前記調製した触媒を全量、アルゴンで圧入し、プロピレン重合を開始した。1時間後に、エタノールを5ml添加し、重合を停止させ、残プロピレンモノマーをパージし、プロピレン重合体を283g回収した。
固体触媒当たりの触媒活性は、1410g/g−固体触媒.時間、金属錯体当たりの活性は、220,000g/g−錯体.時間であった。
得られたポリマーの伸長粘度測定による歪硬化性(λmax)は3.1、MFRは0.29g/10分、重量平均分子量(Mw)は558,000、分子量分布(Mw/Mn)は7.98、及び融点は153.3℃であった。結果を表1に纏めた。
成分[A]として、[A−1]のジクロロ{1,1’−ジメチルシリレン(2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル)(2−イソプロピル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ハフニウム溶液のみを2.54ml(1.5マイクロモル)使用し、重合温度を50℃で実施した以外は、実施例1と同様に実施した。
その結果、プロピレン重合体を32g回収した。固体触媒当たりの触媒活性は、160g/g.時間、金属錯体当たりの活性は、26,700g/g−錯体.時間であった。
得られたポリマーの伸長粘度測定による歪硬化性(λmax)は1.9、MFRは4.50g/10分、重量平均分子量(Mw)は28,000、分子量分布(Mw/Mn)は3.30、MEは1.64、及び融点は152.2℃であった。結果を表1に纏めた。
成分[A]として、[A−2]のrac−ジクロロ(1,1’−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル))ハフニウム溶液のみを2.44ml(1.5マイクロモル)使用した以外は、実施例1と同様に実施した。
その結果、プロピレン重合体を340g回収した。固体触媒当たりの触媒活性は、1,700g/g.時間、金属錯体当たりの活性は、279,000g/g−錯体.時間であった。
得られたポリマーは、伸長粘度測定において歪硬化性を示さず、MFRは0.07g/10分、重量平均分子量(Mw)は938,000、分子量分布(Mw/Mn)は3.11、及び融点は154.6℃であった。結果を表1に纏めた。
重合温度を75℃で実施した以外は、比較例1と同様に実施した。その結果、プロピレン重合体を98g回収した。
固体触媒当たりの触媒活性は、490g/g.時間、金属錯体当たりの活性は、81,700g/g−錯体.時間であった。MFRは700g/10分と高いため、伸長粘度とMEは、測定できなかった。重量平均分子量(Mw)は74,000、分子量分布(Mw/Mn)は4.07、及び融点は143.7℃であった。結果を表1に纏めた。
また、13CNMRにより末端構造解析を実施したところ、末端プロペニル構造の割合が高く、その量は、GPCから求めた数平均分子量(Mn)を標準にして換算すると、ポリマー鎖一本当たり一つのプロペニル末端が存在することが分かった。すなわち、停止末端のほぼ100%がプロペニル構造であり、β−メチル反応による連鎖移動反応が優先的に起こっていることを示している。
プロピレンを導入する前に水素300mlを添加する以外は、実施例1と同様に実施した。その結果、プロピレン重合体を364g回収、固体触媒当たりの触媒活性は、1,820g/g.時間、金属錯体当たりの活性は、284,000g/g−錯体.時間であった。
得られたポリマーの伸長粘度測定による歪硬化性(λmax)は6.35、MFRは0.93g/10分、重量平均分子量(Mw)は415,000、分子量分布(Mw/Mn)は6.68、MEは1.86、及び融点は152.1℃であった。結果を表1に纏めた。
成分[A−1]のジクロロ{1,1’−ジメチルシリレン(2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル)(2−イソプロピル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ハフニウム溶液の量を2.08ml(1.20マイクロモル)から1.30ml(0.75マイクロモル)に、rac−ジクロロ(1,1’−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル))ハフニウム溶液の量を0.81ml(0.3マイクロモル)から2.03ml(0.75マイクロモル)に、さらにプロピレンを導入する前に、水素450mlを添加する以外は、実施例1と同様に実施した。
その結果、プロピレン重合体を450g回収、固体触媒当たりの触媒活性は、2,250g/g.時間、金属錯体当たりの活性は、357,000g/g−錯体.時間であった。
得られたポリマーの伸長粘度測定による歪硬化性(λmax)は3.10、MFRは1.1g/10分、重量平均分子量(Mw)は398,000、分子量分布(Mw/Mn)は6.31、MEは1.79、及び融点は152.9℃であった。結果を表1に纏めた。
Claims (7)
- 少なくとも下記[A]〜[C]に示す成分を含む触媒の存在下に、プロピレンを重合してプロピレン系重合体を製造する方法であって、得られたプロピレン系重合体は、伸長粘度の測定における歪硬化度(λmax)が2.0以上の特性を有することを特徴とするプロピレン系重合体の製造方法。
成分[A]:下記成分[A−1]及び下記成分[A−2]。
[A−1]:一般式(1)で表される化合物
[A−2]:一般式(2)で表される化合物
成分[B]:アルミニウムオキシ化合物[B−1]、成分[A]の遷移金属化合物と反応してカチオンに変換することが可能なイオン性化合物またはルイス酸[B−2]、固体酸微粒子[B−3]、およびイオン交換性層状珪酸塩[B−4]からなる化合物群から選ばれる少なくとも一種。
成分[C]:有機アルミニウム。 - 成分[A−1]と[A−2]との合計量に対する[A−1]の量の割合がモル比で0.30〜0.99であることを特徴とする請求項1に記載のプロピレン系重合体の製造方法。
- 成分[B]がイオン交換性層状珪酸塩[B−4]であることを特徴とする請求項1又は2に記載のプロピレン系重合体の製造方法。
- イオン交換性層状珪酸塩[B−4]がスメクタイト族であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のプロピレン系重合体の製造方法。
- 成分[A−1]のMe1がハフニウムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のプロピレン系重合体の製造方法。
- 成分[A−2]のMe2がハフニウムであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のプロピレン系重合体の製造方法。
- 成分[A−1]のR5が分岐状構造を有する炭素数3〜6の炭化水素基であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のプロピレン系重合体の製造方法。
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