JP5979047B2 - プロピレン重合用触媒およびプロピレン系重合体の製造方法 - Google Patents

プロピレン重合用触媒およびプロピレン系重合体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、プロピレン重合用触媒およびプロピレン系重合体の製造方法に関し、さらに詳しくは、溶融張力や溶融粘弾性等の流動特性がよく、それに伴って、ブロー成形時にはスウェル比が高いために成形加工性に優れ、押出発泡成形時には強い歪硬化性を示すため独立気泡率を高くできる、ブロー成形や押出発泡成形などに好適なプロピレン系重合体を製造できるプロピレン重合用触媒およびそれを用いるプロピレン系重合体の製造方法に関する。
従来、ポリプロピレンは、剛性などの機械的強度が高く、かつ物性バランスに優れ、化学的に安定で耐候性に優れ、化学薬品などに侵され難く、さらに融点が高く、耐熱性に優れ、軽量で安価である、等の特徴を有するため、多くの分野において広範囲に用いられている。
しかしながら、通常のポリプロピレンは、溶融張力、溶融粘弾性が低く、熱成型、発泡成形、ブロー成形などへの使用に制限が出る等の課題があった。
それらを解決するために、溶融張力を高める成分を添加する方法として、クロム触媒によって製造される溶融張力の高い高密度ポリエチレンを混合する方法、高圧ラジカル重合法による低密度ポリエチレンを混合する方法、プロピレン重合前段階に高分子量ポリエチレンを重合する方法等が知られているが、溶融張力を高める成分の弾性率、強度、耐熱性の不足、あるいは、流動性の低下等、ポリプロピレン本来の特徴が損なわれてしまうという欠点がある。
そこで、ポリプロピレン自体の架橋や長鎖分岐を導入することにより、溶融張力を上げられる方法が提案され、様々な試みがなされている。架橋する方法としては、重合後、電子線を照射する方法(特許文献1参照。)、過酸化物、過酸化物および架橋助剤をもちいる方法(特許文献2参照。)、また、長鎖分岐を導入する方法としては、ポリプロピレンにラジカル重合性モノマーをグラフトさせる方法(非特許文献1参照。)、プロピレンとポリエンを共重合させる方法(特許文献3参照。)等が挙げられる。
しかしながら、重合後に架橋する方法では、高次に架橋する副反応を制御することが困難であって、ゲルの発生により外観不良や機械特性に悪影響が生じる上、成型加工性を任意に制御することに限界があり、制御範囲が狭いという問題がある。一方、ラジカル重合性モノマーをグラフトさせる方法では、ポリプロピレンの化学的安定性が損なわれ、リサイクル性にも問題が生じる。さらに、ポリエンとの共重合による方法においては、溶融張力の改良効果が必ずしも十分でない上、ゲルの発生も懸念されるため、物性の制御が困難である。また、共重合終了後にポリエンの分離、回収工程が必須であり、製造コスト面でも課題が残る。
最近になって、主としてメタロセン触媒を利用したマクロマー共重合法が提案されている。
メタロセン触媒とは、広義には共役五員環配位子を少なくとも一個有する遷移金属化合物であり、プロピレン重合用としては架橋構造を有する配位子が一般に使用される。当初、アイソタクチックポリオレフィンが製造可能な錯体として見出されたエチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドやエチレンビス(4,5,6,7‐テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド(特開昭61−130314号公報)、シリレン基を架橋基として持つジメチルシリレンビス置換シクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド(特開平1−301704号公報)、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド(特開平1−275609号公報)、シクロペンタジエニル化合物の架橋基の隣(2位−)に置換基をつけることにより立体規則性及び分子量をある程度改良したジメチルシリレンビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド(特開平4−268307号公報)、さらに4位の位置にアリール基を導入して活性、立体規則性及び分子量をさらに改良したジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド(特開平6−100579号公報)やジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロリド(特開平10−226712号公報)、さらに最近になって、4位アリール基の特定部位に特定の置換基を導入したジクロロ(1,1’−ジメチルシリレンビス(2−エチル−4−(3−クロロ4−t−ブチルフェニル)−4H−アズレニル))ハフニウム(特開2003−292518号公報)、2位の位置に嵩高いヘテロ置換基を導入した特開2002−194016号公報、特表2002−535339号公報、特開2004−2259号公報、特開2004−352707号公報等が開示されている。
これらは、主として触媒活性や得られるポリプロピレンの融点及び分子量の改良を目的としており、マクロマーや長鎖分岐を持つポリプロピレンの製造適性については、示唆されていない。
メタロセン触媒を利用したマクロマー共重合法としては、例えば、重合の第一段階(以下、マクロマー合成工程ともいう。)で特定の触媒と特定の重合条件により、末端にビニル構造をもつプロピレンマクロマーを製造し、その後、重合の第二段階(以下、マクロマー共重合工程ともいう。)で特定の触媒と特定の重合条件によりプロピレンと共重合を行うことにより、高次の架橋がなく、ポリプロピレンとしての本来の化学的安定性が損なわれることなく、リサイクル性にも優れ、溶融張力改良に対してゲルの発生の懸念がない方法(以下、マクロマー共重合法ともいう。)が提案されている(特許文献4、5参照。)。
しかしながら、この方法では、前段でマクロマーとして必要な末端ビニル構造を効率的に得るために、比較的高温かつ低圧で重合する必要がある。また、後段では、前段で得たマクロマーとプロピレンの共重合を行うが、マクロマーの仕込み量に対して共重合するマクロマー量が少ないため、製品となるマクロマー共重合体の中に無視できない量で、分子量及び立体規則性が低いマクロマーが残存してしまう。さらに、マクロマー合成工程で副生する、同様に低分子量で規則性の低い末端がビニル以外の、例えば、飽和末端の成分が、共重合されることなく含有されることになり、結果として、製品の剛性や衝撃強度といった機械的物性を下げたり、べたつきの問題が生じたり、流動性と成形性の制御が困難になってしまう。
前述の多段階重合法に対して、マクロマー合成工程とマクロマー共重合工程を同時に行う単独重合法が提案されている(例えば、特許文献6参照。)。
しかしながら、この公知の技術では、マクロマーの生成量とマクロマー共重合量が必ずしも充分ではなく、溶融物性改善の効果は、不十分なレベルである。
一方、二種類の錯体を使用して、分子量分布や立体規則性分布の広いプロピレン重合体の製造法についても、公知であり、例えば、エチレンビスインデニルハフニウムジクロリドと少量のエチレンビスインデニルジルコニウムジクロリドの混入した錯体とメチルアルミノキサンから成る触媒により、分子量分布(Q値)が4.8〜6.3のポリプロピレンが得られることが報告されているが(特許文献7参照。)、単にバイモーダルな分子量分布が得られているのみで溶融物性改善の効果は大きくない。
最近になって、2種のメタロセン錯体、具体的にはrac−SiMe[2−Me−4−Ph−Ind]ZrClとrac−SiMe[2−Me−4−Ph−Ind]HfCl等の錯体を使用し、メチルアルミノキサン(MAO)を担持したシリカと組み合わせた触媒で、多段重合にて得られたプロピレン系重合体が比較的高い溶融張力を示すことが報告されている(特許文献8参照。)。
しかしながら、これらの方法は、いずれも実用化されておらず、工業的に、より簡便な手法で、溶融物性の改良が可能なプロピレン系重合体を製造する方法の開発が望まれている。
また、上記のような状況を鑑み、本発明者らは、特定の構造を有するマクロマー製造用錯体と特定の構造を有するマクロマー共重合錯体の二種類の錯体を同一担体上に担持することにより、長鎖分岐が導入された溶融物性を改良したプロピレン系重合体を製造する方法を見出した(特許文献9、10、11参照。)。
ところが、その溶融物性の改良されたプロピレン系重合体は、例えば、発泡成形に好適に用いることができるが、今後、さらに発泡倍率の高い成形体を製造するためには、さらに、分岐量の増大したプロピレン系重合体を得ることが望まれており、また、そのような重合体を効率よく製造する方法を見出すことが強く望まれている。
米国特許第5541236号明細書 WO99/27007国際公開パンフレット 特開平05−194778号公報 特表2001−525460号公報 特開平10−338717号公報 特表2002−523575号公報 特開平02−255812号公報 特開2001−064314号公報 特開2009−108247号公報 特開2009−057542号公報 特開2009−040959号公報
T.C.Chung et al,Synthesis of Polypropylene−graft−poly(methyl methacrylate) Copolymers by Borane Approach,Macromolecules,(1993),volume26,No.14、page3467−3471
本発明の目的は、上記した従来技術の問題点に鑑み、溶融張力や溶融粘弾性等の流動特性がよく、それに伴って、ブロー成形時にはスウェル比が高いために成形加工性に優れ、押出発泡成形時には強い歪硬化性を示すため独立気泡率を高くできる、ブロー成形や押出発泡成形などに好適なプロピレン系重合体を簡便な手法で効率よく製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、特定の2種類の遷移金属化合物成分およびシクロペンタジエン誘導体からなる触媒の存在下に、単段重合によりプロピレン重合を行ったところ、長鎖分岐量の多いポリマーを効率的に製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、少なくとも下記成分[A]〜[D]を含んでなること特徴とするプロピレン重合用触媒が提供される。
成分[A]:周期表4族の遷移金属化合物である次の成分[A−1]及び[A−2]からそれぞれ選択される少なくとも二種の遷移金属化合物。但し、成分[A−1]と[A−2]との合計モル量に対する[A−1]のモル量の割合{[A−1]/([A−1]+[A−2])}が0.20〜0.99である。
[A−1]:一般式(a1)で表される化合物。
[一般式(a1)中、R11およびR12は、独立して、窒素、酸素または硫黄を含有する炭素数4〜16の複素環基を表す。R13およびR14は、独立して、ハロゲン原子、ケイ素、酸素、硫黄、窒素、ホウ素、リン若しくはこれらから選択される複数のヘテロ元素を含有してもよい炭素数6〜16のアリール基、または窒素、酸素若しくは硫黄を含有する炭素数6〜16の複素環基を表す。M11は、ジルコニウムまたはハフニウムを表し、X11及びY11は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基を有するシリル基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、アミノ基または炭素数1〜20のアルキルアミノ基を表す。Q11は、炭素数1〜20の二価の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基を有していてもよいシリレン基またはゲルミレン基を表す。]
[A−2]:一般式(a2)で表される化合物。
[一般式(a2)中、R21およびR22は、それぞれ独立して、炭素数1〜6の炭化水素基である。R23およびR24は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ケイ素、またはこれらから選択される複数のヘテロ元素を含有してもよい炭素数6〜30のアリール基である。Q21は、炭素数1〜20の二価の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基を有していてもよいシリレン基またはゲルミレン基を表す。M21は、ジルコニウムまたはハフニウムを表し、X21およびY21は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基を有するシリル基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、アミノ基または炭素数1〜20のアルキルアミノ基を表す。]
成分[B]:アルミニウムオキシ化合物[B−1]、上記遷移金属化合物[A]と反応してカチオンに変換することが可能なイオン性化合物またはルイス酸[B−2]、固体酸微粒子[B−3]、およびイオン交換性層状珪酸塩[B−4]からなる化合物群から選ばれる少なくとも一種。
成分[C]:有機アルミニウム化合物。
成分[D]:それぞれ置換基を有していてもよい、インデン、フルオレン及びアズレン、並びに、下記一般式(2)で表されるシクロペンタジエン誘導体、からなる群から選択される少なくとも1つのシクロペンタジエン誘導体。
[一般式(2)中、Ea1およびEa2は、それぞれ独立して、シクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基またはアズレニル基であり、それぞれ置換基を有していてもよい。Qa1は、炭素数1〜20の二価の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基を有していてもよいシリレン基またはゲルミレン基を表す。]
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、成分[B]がイオン交換性層状珪酸塩[B−4]であることを特徴とするプロピレン重合用触媒が提供される。
さらに、本発明の第4の発明によれば、第3の発明において、イオン交換性層状珪酸塩[B−4]がスメクタイト族であることを特徴とするプロピレン重合用触媒が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第1〜4のいずれかの発明に係るプロピレン重合用触媒を用いることを特徴とするプロピレン系重合体の製造方法が提供される。
本発明のプロピレン重合用触媒およびプロピレン系重合体の製造方法によれば、長鎖分岐量の多いプロピレン系重合体を簡便な手法で効率よく製造することができる。長鎖分岐量が増大することにより、溶融張力や溶融粘弾性等の流動特性がよく、それに伴って、ブロー成形時にはスウェル比が高いために成形加工性に優れ、押出発泡成形時には強い歪硬化性を示すため独立気泡率を高くできる、ブロー成形や押出発泡成形などに好適に用いることができる。このため、本発明の工業的な意義は、非常に大きい。
実施例1と比較例1のプロピレン系重合体の3D−GPCにおける分岐指数(g’)の評価結果を示す図である。
本発明のプロピレン重合用触媒は、少なくとも後述する[A]〜[D]の成分を含むことを特徴とする。そして、この触媒により得られたポリマー(重合体)は、その特性により、溶融流動性や溶融張力が制御されており、物性と加工性のバランスに優れる長鎖分岐型のプロピレン重合体である。
以下、本発明のプロピレン重合用触媒およびそれを用いるプロピレン系重合体の製造方法について、項目毎に、詳細に説明する。
1.プロピレン重合用触媒
本発明のプロピレン系重合体の製造方法に用いられるプロピレン重合用触媒は、次の成分[A]〜成分[D]を含むことを必須とする。
1−1.プロピレン重合用触媒成分
(1)成分[A]:遷移金属化合物
成分[A]としては、次の成分[A−1]及び[A−2]からそれぞれ選択される少なくとも二種の遷移金属化合物が用いられる。
すなわち、この場合、[A−1]から少なくとも1種類、[A−2]から少なくとも1種類選んだ、2種以上の遷移金属化合物を使用することを意味し、成分[A−1]と[A−2]から各々1種を用いることが好ましい。また、各々1種以上に加え、更に成分[A−1]や[A−2]以外の他の遷移金属化合物を併用することもできる。
(1−1)成分[A−1]
成分[A−1]は、次の構造式(一般式)(a1)で表される遷移金属化合物である。
[一般式(a1)中、R11およびR12は、独立して、窒素、酸素または硫黄を含有する炭素数4〜16の複素環基を表す。R13およびR14は、独立して、ハロゲン原子、ケイ素、酸素、硫黄、窒素、ホウ素、リン若しくはこれらから選択される複数のヘテロ元素を含有してもよい炭素数6〜16のアリール基、または窒素、酸素若しくは硫黄を含有する炭素数6〜16の複素環基を表す。M11は、ジルコニウムまたはハフニウムを表し、X11及びY11は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基を有するシリル基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、アミノ基または炭素数1〜20のアルキルアミノ基を表す。Q11は、炭素数1〜20の二価の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基を有していてもよいシリレン基またはゲルミレン基を表す。]
上記R11およびR12の炭素数4〜16の窒素、酸素または硫黄を含有する複素環基は、好ましくは2−フリル基、置換された2−フリル基、置換された2−チエニル基、置換された2−フルフリル基であり、さらに好ましくは、置換された2−フリル基である。
また、置換された2−フリル基、置換された2−チエニル基、置換された2−フルフリル基の置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜6のアルキル基、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基、トリアルキルシリル基が挙げられる。これらのうち、メチル基、トリメチルシリル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
さらに、R11およびR12として、特に好ましくは、2−(5−メチル)−フリル基である。また、R11およびR12は、互いに同一である場合が好ましい。
上記R13およびR14は、炭素数6〜16の、ハロゲン、ケイ素、酸素、硫黄、窒素、ホウ素、リン、またはこれらから選択される複数のヘテロ元素を含有してもよいアリール基であり、また、アリール基としては、炭素数6〜16になる範囲で、アリール環状骨格上に、1つ以上の、炭素数1〜6の炭化水素基、炭素数1〜6のトリアルキルシリル基、炭素数1〜6のハロゲン含有炭化水素基を置換基として有していてもよい。
また、R13およびR14は、窒素、酸素または硫黄を含有する炭素数6〜16の複素環基であってもよい。このような複素環基としては、好ましくは2−フリル基、置換された2−フリル基、置換された2−チエニル基、置換された2−フルフリル基であり、さらに好ましくは、置換された2−フリル基である。これらの置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜6のアルキル基、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基、トリアルキルシリル基、が挙げられる。これらのうち、メチル基、トリメチルシリル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
13およびR14としては、好ましくは少なくとも1つがフェニル基、4−t−ブチルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、3,5−ジ−t−ブチルフェニル基、4−フェニル−フェニル基、クロロフェニル基、ナフチル基、又はフェナンスリル基であり、更に好ましくはフェニル基、4−t−ブチルフェニル基、4−クロロフェニル基である。また、R13およびR14は、互いに同一である場合が好ましい。
上記一般式(a1)中、M11は、ジルコニウムまたはハフニウムであり、好ましくはハフニウムである。
また、上記X11およびY11は、補助配位子であり、成分(B)の助触媒と反応して、オレフィン重合能を有する活性なメタロセンを生成させる。したがって、この目的が達成される限り、XとYは、配位子の種類が制限されるものではなく、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基を有するシリル基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、アミノ基または炭素数1〜20のアルキルアミノ基を表す。
ここで炭素数1〜20の炭化水素基を有するシリル基とは、炭素数1〜20のトリアルキルシリル基、ジアルキルアリールシリル基、アルキルジアリールシリル基、トリアリールシリル基である。
一般式(a1)中、Q11は、二つの五員環を結合する、炭素数1または2の炭素を介して二つの共役五員環配位子を架橋する炭素数1〜20の2価の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基を有していてもよいシリレン基またはゲルミレン基の何れかを示す。上述のシリレン基またはゲルミレン基上に2個の炭化水素基が存在する場合は、それらが互いに結合して環構造を形成していてもよい。
上記のQ11の具体例としては、メチレン、メチルメチレン、ジメチルメチレン、1,2−エチレン、等のアルキレン基;ジフェニルメチレン等のアリールアルキレン基;シリレン基;メチルシリレン、ジメチルシリレン、ジエチルシリレン、ジ(n−プロピル)シリレン、ジ(i−プロピル)シリレン、ジ(シクロヘキシル)シリレン等のアルキルシリレン基、メチル(フェニル)シリレン等の(アルキル)(アリール)シリレン基;ジフェニルシリレン等のアリールシリレン基;テトラメチルジシリレン等のアルキルオリゴシリレン基;ゲルミレン基;上記の2価の炭素数1〜20の炭化水素基を有するシリレン基のケイ素をゲルマニウムに置換したアルキルゲルミレン基;(アルキル)(アリール)ゲルミレン基;アリールゲルミレン基などを挙げることができる。
これらの中では、炭素数1〜20の炭化水素基を有するシリレン基、または、炭素数1〜20の炭化水素基を有するゲルミレン基が好ましく、アルキルシリレン基、アルキルゲルミレン基が特に好ましい。
上記一般式(a1)で表される化合物のうち、好ましい化合物として、以下に具体的に例示する。
(1)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(2−フリル)−4−フェニル−インデニル}]ハフニウム、
(2)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(2−チエニル)−4−フェニル−インデニル}]ハフニウム、
(3)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−フェニル−インデニル}]ハフニウム、
(4)ジクロロ[1,1’−ジフェニルシリレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−フェニル−インデニル}]ハフニウム、
(5)ジクロロ[1,1’−ジメチルゲルミレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−フェニル−インデニル}]ハフニウム、
(6)ジクロロ[1,1’−ジメチルゲルミレンビス{2−(5−メチル−2−チエニル)−4−フェニル−インデニル}]ハフニウム、
(7)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−t−ブチル−2−フリル)−4−フェニル−インデニル}]ハフニウム、
(8)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−トリメチルシリル−2−フリル)−4−フェニル−インデニル}]ハフニウム、
(9)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−フェニル−2−フリル)−4−フェニル−インデニル}]ハフニウム、
(10)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(4,5−ジメチル−2−フリル)−4−フェニル−インデニル}]ハフニウムジクロライド、
(11)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(2−ベンゾフリル)−4−フェニル−インデニル}]ハフニウム、
(12)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(2−フルフリル)−4−フェニル−インデニル}]ハフニウム、
(13)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−クロロフェニル)−インデニル}]ハフニウム、
(14)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−フルオロフェニル)−インデニル}]ハフニウム、
(15)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−インデニル}]ハフニウム、
(16)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル}]ハフニウム、
(17)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(2−フリル)−4−(1−ナフチル)−インデニル}]ハフニウム、
(18)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(2−フリル)−4−(2−ナフチル)−インデニル}]ハフニウム、
(19)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(2−フリル)−4−(2−フェナンスリル)−インデニル}]ハフニウム、
(20)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(2−フリル)−4−(9−フェナンスリル)−インデニル}]ハフニウム、
(21)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(1−ナフチル)−インデニル}]ハフニウム、
(22)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(2−ナフチル)−インデニル}]ハフニウム、
(23)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(2−フェナンスリル)−インデニル}]ハフニウム、
(24)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(9−フェナンスリル)−インデニル}]ハフニウム、
(25)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−t−ブチル−2−フリル)−4−(1−ナフチル)−インデニル}]ハフニウム、
(26)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−t−ブチル−2−フリル)−4−(2−ナフチル)−インデニル}]ハフニウム、
(27)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−t−ブチル−2−フリル)−4−(2−フェナンスリル)−インデニル}]ハフニウム、
(28)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−t−ブチル−2−フリル)−4−(9−フェナンスリル)−インデニル}]ハフニウム、
などを挙げることができる。
これらのうち、更に好ましいのは、ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−フェニル−インデニル}]ハフニウム、ジクロロ[1,1’−ジメチルゲルミレンビス{2−(5−メチル−2−チエニル)−4−フェニル−インデニル}]ハフニウム、ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−クロロフェニル)−インデニル}]ハフニウム、ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(2−ナフチル)−インデニル}]ハフニウム、ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル}]ハフニウム、ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−i−プロピルフェニル)−インデニル}]ハフニウム、ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−トリメチルシリルフェニル)−インデニル}]ハフニウム、ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−ビフェニリル−インデニル}]ハフニウムである。
また、特に好ましいのは、ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−フェニル−インデニル}]ハフニウム、ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル}]ハフニウム、ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−i−プロピルフェニル)−インデニル}]ハフニウム、ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−トリメチルシリルフェニル)−インデニル}]ハフニウムである。
(1−2)成分[A−2]
成分[A−2]は、次の構造式(一般式)(a2)で表される遷移金属化合物である。
[一般式(a2)中、R21およびR22は、それぞれ独立して、炭素数1〜6の炭化水素基である。R23およびR24は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ケイ素、またはこれらから選択される複数のヘテロ元素を含有してもよい炭素数6〜30のアリール基である。Q21は、炭素数1〜20の二価の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基を有していてもよいシリレン基またはゲルミレン基を表す。M21は、ジルコニウムまたはハフニウムを表し、X21およびY21は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基を有するシリル基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、アミノ基または炭素数1〜20のアルキルアミノ基を表す。]
上記R21およびR22は、それぞれ独立して、炭素数1〜6の炭化水素基であり、好ましくはアルキル基であり、さらに好ましくは炭素数1〜4のアルキル基である。具体的な例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、n−ヘキシル等が挙げられ、好ましくはメチル、エチル、n−プロピルである。
また、上記R23およびR24は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ケイ素、または、これらから選択される複数のヘテロ元素を含有してもよい炭素数6〜30の、好ましくは炭素数6〜24のアリール基である。好ましい例としては、フェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、4−メチルフェニル、4−i−プロピルフェニル、4−t−ブチルフェニル、4−トリメチルシリルフェニル、4−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)、4−(2−クロロ−4−ビフェニリル)、1−ナフチル、2−ナフチル、4−クロロ−2−ナフチル、3−メチル−4−トリメチルシリルフェニル、3,5−ジメチル−4−t−ブチルフェニル、3,5−ジメチル−4−トリメチルシリルフェニル、3,5−ジクロロ−4−トリメチルシリルフェニル等が挙げられる。
上記X21及びY21は、補助配位子であり、助触媒としての成分[B]と反応してオレフィン重合能を有する活性なメタロセンを生成させる。したがって、この目的が達成される限りX21及びY21は、配位子の種類が制限されるものではなく、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン基、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルアミド基、トリフルオロメタンスルホン酸基、炭素数1〜20のリン含有炭化水素基または炭素数1〜20のケイ素含有炭化水素基などを示す。
21は、二つの五員環を結合する、炭素数1または2の炭素を介して二つの共役五員環配位子を架橋する炭素数1〜20の2価の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基を有していてもよいシリレン基またはゲルミレン基の何れかを示す。上述のシリレン基またはゲルミレン基上に2個の炭化水素基が存在する場合は、それらが互いに結合して環構造を形成していてもよい。
上記のQ21の具体例としては、メチレン、メチルメチレン、ジメチルメチレン、1,2−エチレン、等のアルキレン基;ジフェニルメチレン等のアリールアルキレン基;シリレン基;メチルシリレン、ジメチルシリレン、ジエチルシリレン、ジ(n−プロピル)シリレン、ジ(i−プロピル)シリレン、ジ(シクロヘキシル)シリレン等のアルキルシリレン基、メチル(フェニル)シリレン等の(アルキル)(アリール)シリレン基;ジフェニルシリレン等のアリールシリレン基;テトラメチルジシリレン等のアルキルオリゴシリレン基;ゲルミレン基;上記の2価の炭素数1〜20の炭化水素基を有するシリレン基のケイ素をゲルマニウムに置換したアルキルゲルミレン基;(アルキル)(アリール)ゲルミレン基;アリールゲルミレン基などを挙げることができる。
これらの中では、炭素数1〜20の炭化水素基を有するシリレン基、または、炭素数1〜20の炭化水素基を有するゲルミレン基が好ましく、アルキルシリレン基、アルキルゲルミレン基が特に好ましい。
さらに、上記M21は、ジルコニウムまたはハフニウムであり、好ましくはハフニウムである。
上記一般式(a2)で表される遷移金属化合物の非限定的な例として、下記のものを挙げることができる。
ただし、煩雑な多数の例示を避けて代表的例示化合物のみ記載した。また、中心金属がハフニウムの化合物を記載したが、同様のジルコニウム化合物も使用可能であり、種々の配位子や架橋結合基あるいは補助配位子を任意に使用しうることは自明である。
(1)ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ハフニウム、
(2)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム、
(3)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム、
(4)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−トリメチルシリルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム、
(5)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(3−クロロ−4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム、
(6)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(3−メチル−4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム、
(7)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(3−クロロ−4−トリメチルシリルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム、
(8)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(3−メチル−4−トリメチルシリルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム、
(9)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(1−ナフチル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム、
(10)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(2−ナフチル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム、
(11)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロ−2−ナフチル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム、
(12)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム、
(13)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(2−クロロ−4−ビフェニリル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム、
(14)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(9−フェナントリル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム、
(15)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム、
(16)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−n−プロピル−4−(3−クロロ−4−トリメチルシリルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム、
(17)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(3−クロロ−4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム、
(18)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(3−メチル−4−トリメチルシリルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム、
(19)ジクロロ[1,1’−ジメチルゲルミレンビス{2−メチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム、
(20)ジクロロ[1,1’−ジメチルゲルミレンビス{2−メチル−4−(4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム、
(21)ジクロロ[1,1’−(9−シラフルオレン−9,9−ジイル)ビス{2−エチル−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム、
(22)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4−クロロ−2−ナフチル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム、
(23)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム、
(24)ジクロロ[1,1’−(9−シラフルオレン−9,9−ジイル)ビス{2−エチル−4−(3,5−ジクロロ−4−トリメチルシリルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム、
などである。
これらの中で好ましくは、ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム、ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(3−クロロ−4−トリメチルシリルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム、ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム、ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4−クロロ−2−ナフチル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム、ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(3−メチル−4−トリメチルシリルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム、ジクロロ[1,1’−(9−シラフルオレン−9,9−ジイル)ビス{2−エチル−4−(3,5−ジクロロ−4−トリメチルシリルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム、である。
また、特に好ましくは、ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム、ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム、ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(3−メチル−4−トリメチルシリルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム、ジクロロ[1,1’−(9−シラフルオレン−9,9−ジイル)ビス{2−エチル−4−(3,5−ジクロロ−4−トリメチルシリルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム、である。
(2)成分[B]
成分[B]としては、アルミニウムオキシ化合物[B−1]、上記遷移金属化合物[A‐1]、[A‐2]と反応してカチオンに変換することが可能なイオン性化合物またはルイス酸[B−2]、固体酸微粒子[B−3]、およびイオン交換性層状珪酸塩[B−4]からなる化合物群から選ばれる少なくとも一種が用いられる。
(2−1)成分[B−1]:アルミニウムオキシ化合物
アルミニウムオキシ化合物[B−1]としては、具体的には次の一般式(3)、(4)又は(5)で表される化合物が挙げられる。
上記の各一般式中、R31、R41及びR51は、水素原子または炭化水素残基、好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜6の炭化水素残基を示す。また、複数の、R31、R41及びR51は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。また、pは0〜40、好ましくは2〜30の整数を示す。
一般式(3)及び(4)で表される化合物は、アルモキサンとも呼ばれる化合物であって、これらの中では、メチルアルモキサン又はメチルイソブチルアルモキサンが好ましい。
上記のアルモキサンは、各群内および各群間で複数種併用することも可能である。そして、上記のアルモキサンは、公知の様々な条件下に調製することができる。
また、一般式(5)で表される化合物は、一種類のトリアルキルアルミニウム又は二種類以上のトリアルキルアルミニウムと次の一般式(6)で表されるアルキルボロン酸との10:1〜1:1(モル比)の反応により得ることができる。
一般式(5)、(6)中、R52及びR51は、炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6の炭化水素残基またはハロゲン化炭化水素基を示す。
成分[B−1]は、微粒子状担体に担持して使用することも可能である。微粒子状担体については後述する。
(2−2)成分[B−2]:上記遷移金属化合物[A]と反応してカチオンに変換することが可能なイオン性化合物またはルイス酸
成分[B−2]は、前述した遷移金属化合物[A]と反応してカチオンに変換することが可能なイオン性化合物またはルイス酸である。
具体的には、イオン性化合物としては、カルボニウムカチオン、アンモニウムカチオンなどの陽イオンと、テトラフェニルホウ素、テトラキス(3,5−ジフルオロフェニル)ホウ素、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素等の有機ホウ素化合物のアニオンとの錯化物等が挙げられる。
また、ルイス酸、特に成分[A]をカチオンに変換可能なルイス酸としては、種々の有機ホウ素化合物、例えばトリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素などが例示される。あるいは、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム等の金属ハロゲン化合物などが例示される。
なお、上記のルイス酸のある種のものは、成分[A]と反応して成分[A]をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物として把握することもできる。従って、上記のルイス酸およびイオン性化合物の両者に属する化合物は、何れか一方に属するものとする。微粒子状担体については後述する。
(2−3)成分[B−3]:固体酸微粒子
固体酸微粒子[B−3]としては、アルミナ、シリカ−アルミナ等の固体酸、前述した成分[B−1]および[B−2]を微粒子状担体に担持した固体酸等が挙げられる。
ここでは、成分[B−1]および[B−2]を微粒子状担体に担持した固体酸について説明する。
本発明においては、微粒子状担体は、その元素組成、化合物組成については、とくに限定されない。例えば、無機または有機の化合物から成る微粒子状担体が例示できる。無機担体としては、シリカ、アルミナ、シリカ・アルミナ塩化マグネシウム、活性炭、無機珪酸塩等が挙げられる。あるいは、これらの混合物であってもよい。
また、有機担体としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等の炭素数2〜14のα−オレフィンの重合体、スチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族不飽和炭化水素の重合体などから成る多孔質ポリマーの微粒子担体が挙げられる。あるいはこれらの混合物であってもよい。
これらの微粒子担体は、通常1μm〜5mm、好ましくは5μm〜1mm、更に好ましくは10μm〜200μmの平均粒径を有する。
(2−4)成分[B−4]:イオン交換性層状珪酸塩
成分[B−4]は、イオン交換性層状珪酸塩(以下、単に珪酸塩と略記する)である。
本発明において、原料として使用する珪酸塩は、イオン結合などによって構成される面が互いに結合力で平行に積み重なった結晶構造を有し、かつ、含有されるイオンが交換可能である珪酸塩化合物をいう。大部分の珪酸塩は、天然には主に粘土鉱物の主成分として産出されるため、イオン交換性層状珪酸塩以外の夾雑物(石英、クリストバライト等)が含まれることが多いが、それらを含んでもよい。珪酸塩の具体例としては、例えば、白水春雄著「粘土鉱物学」朝倉書店(1995年)に記載されている次のような層状珪酸塩が挙げられる。
すなわち、モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト等のスメクタイト族、バーミキュライト等のバーミキュライト族、雲母、イライト、セリサイト、海緑石等の雲母族、アタパルジャイト、セピオライト、パリゴルスカイト、ベントナイト、パイロフィライト、タルク、緑泥石群等である。
本発明で原料として使用する珪酸塩は、主成分の珪酸塩が2:1型構造を有する珪酸塩であることが好ましく、スメクタイト族であることが更に好ましく、モンモリロナイトが特に好ましい。層間カチオンの種類は、特に限定されないが、工業原料として比較的容易に且つ安価に入手し得る観点から、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属を層間カチオンの主成分とする珪酸塩が好ましい。
本発明で使用する珪酸塩は、特に処理を行うことなくそのまま用いることができるが、化学処理を施すことが好ましい。ここで化学処理とは、表面に付着している不純物を除去する表面処理と粘土の構造に影響を与える処理のいずれをも用いることができる。本発明における化学処理としては、具体的には、次に述べる(a)酸処理、(b)塩類処理、(c)アルカリ処理、(d)有機物処理、等が挙げられる。
(a)酸処理
酸処理は、表面の不純物を取り除くほか、結晶構造のAl、Fe、Mg、等の陽イオンの一部または全部を溶出させることができる。
酸処理で用いられる酸は、好ましくは塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、シュウ酸から選択される。処理に用いる塩類および酸は、2種以上であってもよい。塩類および酸による処理条件は、特には制限されないが、通常、塩類および酸濃度は、0.1〜50重量%、処理温度は室温〜沸点、処理時間は、5分〜24時間の条件を選択して、イオン交換性層状珪酸塩から成る群より選ばれた少なくとも一種の化合物を構成している物質の少なくとも一部を溶出する条件で行うことが好ましい。また、塩類および酸は、一般的には水溶液で用いられる。
(b)塩類処理
本発明においては、塩類で処理される前の、イオン交換性層状珪酸塩の含有する交換可能な1族金属の陽イオンの40%以上、好ましくは60%以上を、下記に示す塩類より解離した陽イオンと、イオン交換することが好ましい。
このようなイオン交換を目的とした塩類処理で用いられる塩類は、1〜14族原子から成る群より選ばれた少なくとも一種の原子を含む陽イオンと、ハロゲン原子、無機酸および有機酸から成る群より選ばれた少なくとも一種の陰イオンとから成る化合物であり、更に好ましくは、2〜14族原子から成る群から選ばれた少なくとも一種の原子を含む陽イオンとCl、Br、I、F、PO、SO、NO、CO、C、ClO、OOCCH、CHCOCHCOCH、OCl、O(NO、O(ClO、O(SO)、OH、OCl、OCl、OOCH、OOCCHCH、CおよびCから成る群から選ばれる少なくとも一種の陰イオンとから成る化合物である。
具体的には、LiF、LiCl、LiBr、LiI、LiSO、Li(CHCOO)、LiCO、Li(C)、LiCHO、LiC、LiClO、LiPO、CaCl、CaSO、CaC、Ca(NO、Ca(C、MgCl、MgBr、MgSO、Mg(PO、Mg(ClO、MgC、Mg(NO、Mg(OOCCH、MgC等や、Ti(OOCCH、Ti(CO、Ti(NO、Ti(SO、TiF、TiCl、Zr(OOCCH、Zr(CO、Zr(NO、Zr(SO、ZrF、ZrCl、ZrOCl、ZrO(NO、ZrO(ClO、ZrO(SO)、HF(OOCCH、HF(CO、HF(NO、HF(SO、HFOCl、HFF、HFCl、V(CHCOCHCOCH、VOSO、VOCl、VCl、VCl、VBr等や、Cr(CHCOCHCOCH、Cr(OOCCHOH、Cr(NO、Cr(ClO、CrPO、Cr(SO、CrOCl、CrF、CrCl、CrBr、CrI、Mn(OOCCH、Mn(CHCOCHCOCH、MnCO、Mn(NO、MnO、Mn(ClO、MnF、MnCl、Fe(OOCCH、Fe(CHCOCHCOCH、FeCO、Fe(NO、Fe(ClO、FePO、FeSO、Fe(SO、FeF、FeCl、FeC等や、Co(OOCCH、Co(CHCOCHCOCH、CoCO、Co(NO、CoC、Co(ClO、Co(PO、CoSO、CoF、CoCl、NiCO、Ni(NO、NiC、Ni(ClO、NiSO、NiCl、NiBr等や、Zn(OOCCH、Zn(CHCOCHCOCH、ZnCO、Zn(NO、Zn(ClO、Zn(PO、ZnSO、ZnF、ZnCl、AlF、AlCl、AlBr、AlI、Al(SO、Al(C、Al(CHCOCHCOCH、Al(NO、AlPO、GeCl、GeBr、GeI等が挙げられる。
(c)アルカリ処理
アルカリ処理で用いられる処理剤としては、LiOH、NaOH、KOH、Mg(OH)、Ca(OH)、Sr(OH)、Ba(OH)などが例示される。
(d)有機物処理
また、有機物処理に用いられる有機物は、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、N,N−ジメチルアニリニウム、トリフェニルホスホニウム、等が挙げられる。
さらに、有機物処理剤を構成する陰イオンとしては、塩類処理剤を構成する陰イオンとして例示した陰イオン以外にも、例えば、ヘキサフルオロフォスフェート、テトラフルオロボレート、テトラフェニルボレートなどが例示されるが、これらに限定されるものではない。
これらイオン交換性層状珪酸塩には、通常、吸着水および層間水が含まれる。本発明においては、これらの吸着水および層間水を除去して、成分[B−4]として使用するのが好ましい。
イオン交換性層状珪酸塩の吸着水および層間水の加熱処理方法は、特に制限されないが、層間水が残存しないように、また、構造破壊を生じないよう条件を選ぶことが必要である。加熱時間は0.5時間以上、好ましくは1時間以上である。その際、除去した後の成分bの水分含有率が、温度200℃、圧力1mmHgの条件下で2時間脱水した場合の水分含有率を0重量%とした時、3重量%以下、好ましくは1重量%以下、であることが好ましい。
以上のように、本発明において、成分[B−4]として、特に好ましいものは、塩類処理および/または酸処理を行って得られた、水分含有率が3重量%以下の、イオン交換性層状珪酸塩である。
イオン交換性層状珪酸塩は、触媒形成または触媒として使用する前に、後述する成分[C]で処理を行うことが可能で、好ましい。イオン交換性層状珪酸塩1gに対する成分[C]の使用量に制限は無いが、通常20mmol以下、好ましくは0.5mmol以上、10mmol以下で行う。処理温度や時間の制限は無く、処理温度は、通常0℃以上、70℃以下、処理時間は10分以上、3時間以下で行う。処理後に洗浄することも可能で、好ましい。溶媒は後述する予備重合やスラリー重合で使用する溶媒と同様の炭化水素溶媒を使用する。
また、成分[B−4]は、平均粒径が5μm以上の球状粒子を用いるのが好ましい。粒子の形状が球状であれば天然物あるいは市販品をそのまま使用してもよいし、造粒、分粒、分別等により粒子の形状および粒径を制御したものを用いてもよい。
ここで用いられる造粒法は、例えば攪拌造粒法、噴霧造粒法が挙げられるが、市販品を利用することもできる。
また、造粒の際に、有機物、無機溶媒、無機塩、各種バインダ−を用いてもよい。
上記のようにして得られた球状粒子は、重合工程での破砕や微粉の生成を抑制するためには、0.2MPa以上、特に好ましくは0.5MPa以上の圧縮破壊強度を有することが望ましい。このような粒子強度の場合には、特に予備重合を行う場合に、粒子性状改良効果が有効に発揮される。
上述の成分[B]の中で、好ましくは[B−3]固体酸微粒子、[B−4]イオン交換性層状珪酸塩であり、特に好ましいものは[B−4]イオン交換性層状珪酸塩である。
本発明に係るプロピレン重合用触媒において、[B−1]アルミニウムオキシ化合物、[B−2]成分[A]と反応して成分[A]をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物またはルイス酸、[B−3]固体酸微粒子、あるいは、[B−4]イオン交換性層状珪酸塩微粒子は、それぞれ単独に成分[B]として使用される他、これらの4成分を適宜組み合わせても、使用することができる。
(3)成分[C]:有機アルミニウム化合物
成分[C]としては、有機アルミニウム化合物が用いられる。本発明においては、次の一般式(7)で示される有機アルミニウム化合物が好適である。
本発明では、この式で表される化合物を単独で、または複数種混合してあるいは併用して使用することができることは言うまでもない。この式(7)中、R71は、炭素数1〜20の炭化水素基を示し、Zは、ハロゲン、水素、アルコキシ基、アミノ基を示す。qは0より大きくかつ3までの数である。R71としては、アルキル基が好ましく、また、Zは、それがハロゲンの場合には塩素が、アルコキシ基の場合には炭素数1〜8のアルコキシ基が、アミノ基の場合には炭素数1〜8のアミノ基が、好ましい。
好ましい有機アルミニウム化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリノルマルプロピルアルミニウム、トリノルマルブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリノルマルヘキシルアルミニウム、トリノルマルオクチルアルミニウム、トリノルマルデシルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムセスキクロライド、ジエチルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムジメチルアミド、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、ジイソブチルアルミニウムクロライド等が挙げられる。
これらのうち、好ましくは、q=3のトリアルキルアルミニウムおよびジアルキルアルミニウムヒドリドである。さらに好ましくは、R71が炭素数1〜8であるトリアルキルアルミニウムである。
(4)成分[D]:シクロペンタジエン誘導体
本発明のプロピレン重合用触媒では、成分[D]として、シクロペンタジエン誘導体が用いられる。シクロペンタジエン誘導体には、金属錯体を含まないものとする。
上記シクロペンタジエン誘導体とは、シクロペンタジエン、インデン、フルオレンまたはアズレンであり、それぞれ置換基を有していてもよい。置換基としては、炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基、窒素、酸素もしくは硫黄を含有する炭素数4〜16の複素環基、ハロゲン、ケイ素、あるいは、これらから選択される複数のヘテロ元素を含有してもよい炭素数6〜30のアリール基であり、また、アリール基としては、炭素数6〜16になる範囲で、アリール環状骨格上に、1つ以上の、炭素数1〜6の炭化水素基、炭素数1〜6のトリアルキルシリル基、炭素数1〜6のハロゲン含有炭化水素基を置換基として有していてもよい。
具体的な置換基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、n−ヘキシル、フリル、2−メチルフリル、フェニル基、4−i−プロピルフェニル基、4−トリメチルシリルフェニル基、4−t−ブチルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、3,5−ジt−ブチルフェニル基、4−フェニル−フェニル基、クロロフェニル基、ナフチル基、又はフェナンスリル基等が挙げられ、好ましくはメチル、エチル、フリル、2−メチルフリル、フェニル基、4−i−プロピルフェニル基、4−トリメチルシリルフェニル基、4−t−ブチルフェニル基である。
シクロペンタジエン誘導体の具体的な化合物を示せば、シクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン、エチルシクロペンタジエン、プロピルシクロペンタジエン、イソプロピルシクロペンタジエン、ブチルシクロペンタジエン、イソブチルシクロペンタジエン、t−ブチルシクロペンタジエン、ヘキシルシクロペンタジエン、オクチルシクロペンタジエン、1,2−ジメチルシクロペンタジエン、1,3−ジメチルシクロペンタジエン、メチルエチルシクロペンタジエン、メチルプロピルシクロペンタジエン、メチルブチルシクロペンタジエン、1,2,4−トリメチルシクロペンタジエン、1,2,3,4−テトラメチルシクロペンタジエン、ペンタメチルシクロペンタジエン、インデン、メチルインデン、エチルインデン、プロピルインデン、ブチルインデン、4−メチル−1−インデン、4,7−ジメチルインデン、4,5,6,7−テトラハイドロインデン、アズレン、メチルアズレン、エチルアズレン、フルオレン、メチルフルオレンのような炭素数7〜24のシクロポリエン又は置換シクロポリエン等がある。
また、シクロペンタジエン誘導体は、二つ以上のシクロペンタジエニル環が架橋基により架橋していてもよく、下記の構造を有する化合物が挙げられる。
[一般式()中、E およびE は、それぞれ独立して、シクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基またはアズレニル基であり、それぞれ置換基を有していてもよい。Q は、炭素数1〜20の二価の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基を有していてもよいシリレン基またはゲルミレン基を表す。]
上記E およびE は、それぞれ独立して、シクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基またはアズレニル基であり、それぞれ置換基を有していてもよい。
中でも、置換シクロペンタジエニル基、置換インデニル基が好ましく、特に好ましくは、置換インデニル基である。
また、上記シクロペンタジエン誘導体同士は、架橋していてもよく、下記の構造8を例示することができる。
[上記構造8中、R81、R82、R83、R84、R85、R86、R87及びR88は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基、または窒素、酸素もしくは硫黄を含有する炭素数4〜16の複素環基である。Q81は、炭素数1〜20の二価の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基を有していてもよいシリレン基またはゲルミレン基を表す。また、シクロペンタジエニル基における二重結合の位置のみが異なる異性体の存在を考えることができ、それらのうちの一種のみ例示してあるが、シクロペンタジエニル基における二重結合の位置のみが異なる他の異性体であっても良く、またはそれらの混合物であっても良い。]
上記構造8中、R81、R82、R83、R84、R85、R86、R87及びR88は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基、または窒素、酸素もしくは硫黄を含有する炭素数4〜16の複素環基である。
具体的な例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、n−ヘキシル、フリル、2−メチルフリル等が挙げられ、好ましくはメチル基である。
また、Q81は、二つの五員環を結合する、炭素数1または2の炭素を介して二つの共役五員環配位子を架橋する炭素数1〜20の2価の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基を有していてもよいシリレン基またはゲルミレン基の何れかを示す。上述のシリレン基またはゲルミレン基上に2個の炭化水素基が存在する場合は、それらが互いに結合して環構造を形成していてもよい。
上記のQ81の具体例としては、メチレン、メチルメチレン、ジメチルメチレン、1,2−エチレン、等のアルキレン基;ジフェニルメチレン等のアリールアルキレン基;シリレン基;メチルシリレン、ジメチルシリレン、ジエチルシリレン、ジ(n−プロピル)シリレン、ジ(i−プロピル)シリレン、ジ(シクロヘキシル)シリレン等のアルキルシリレン基、メチル(フェニル)シリレン等の(アルキル)(アリール)シリレン基;ジフェニルシリレン等のアリールシリレン基;テトラメチルジシリレン等のアルキルオリゴシリレン基;ゲルミレン基;上記の2価の炭素数1〜20の炭化水素基を有するシリレン基のケイ素をゲルマニウムに置換したアルキルゲルミレン基;(アルキル)(アリール)ゲルミレン基;アリールゲルミレン基などを挙げることができる。
上記構造8で表される化合物の非限定的な例として、下記のものを挙げることができる。
ただし、煩雑な多数の例示を避けて代表的例示化合物のみ記載した。
(1)ジメチル[ビス(2,3,4,5−テトラメチル−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)]シラン、
(2)ジメチル[ビス(2,3,4,5−テトラメチル−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)]メタン、
(3)[ビス(2,3,4,5−テトラメチル−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)]メタン、
(4)[ビス(2,3,4,5−テトラメチル−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)]エタン、
(5)ジメチル[ビス(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)]シラン、
(6)ジメチル[ビス(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)]メタン、
(7)[ビス(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)]メタン、
(8)[2,4−シクロペンタジエン−1−イル)]エタン、
(9)ジメチル[ビス(2,3,5−トリメチル−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)]シラン、
(10)ジメチル[ビス(2,3,5−トリメチル−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)]メタン、
(11)[ビス(2,3,5−トリメチル−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)]メタン、
(12)[ビス(2,3,5−トリメチル−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)]エタン、
(13)ジメチル[ビス(2,5−ジメチル−3−フェニル−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)]シラン、
(14)ジメチル[ビス(2,5−ジメチル−3−フェニル−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)]メタン、
(15)[ビス(2,5−ジメチル−3−フェニル−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)]メタン、
(16)[ビス(2,5−ジメチル−3−フェニル−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)]エタン、
(17)ジメチル[ビス(2−エチル−3−フェニル−5−メチル−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)]シラン、
(18)ジメチル[ビス(2−エチル−3−フェニル−5−メチル−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)]メタン、
(19)[ビス(2−エチル−3−フェニル−5−メチル−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)]メタン、
(20)[ビス(2−エチル−3−フェニル−5−メチル−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)]エタン、
(21)ジメチル[ビス(2,3,5−トリエチル−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)]シラン、
(22)ジメチル[ビス(2,3,5−トリエチル−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)]メタン、
(23)[ビス(2,3,5−トリエチル−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)]メタン、
(24)[ビス(2,3,5−トリエチル−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)]エタン、
(25)ジメチル[ビス(2,5−ジメチル−3−エチル−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)]シラン、
(26)ジメチル[ビス(2,5−ジメチル−3−エチル−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)]メタン、
(27)[ビス(2,5−ジメチル−3−エチル−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)]メタン、
(28)[ビス(2,5−ジメチル−3−エチル−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)]エタン、
(29)ジメチル[ビス(2,3−ジメチル−5−エチル−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)]シラン、
(30)ジメチル[ビス(2,3−ジメチル−5−エチル−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)]メタン、
(31)[ビス(2,3−ジメチル−5−エチル−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)]メタン、
(32)[ビス(2,3−ジメチル−5−エチル−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)]エタン、
(33)ジメチル[ビス(2,5−ジメチル−3−i−プロピル−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)]シラン、
(34)ジメチル[ビス(2,5−ジメチル−3−i−プロピル−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)]メタン、
(35)[ビス(2,5−ジメチル−3−i−プロピル−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)]メタン、
(36)[ビス(2,5−ジメチル−3−i−プロピル−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)]エタン、
などである。
また、下記の構造9を例示できる。
[上記構造9中、R91及びR93は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基、または窒素、酸素もしくは硫黄を含有する炭素数4〜16の複素環基を示す。R92及びR94は、それぞれ独立して、水素原子、またはハロゲン、ケイ素、あるいは、これらから選択される複数のヘテロ元素を含有してもよい炭素数6〜30のアリール基である。Q91は、炭素数1〜20の二価の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基を有していてもよいシリレン基またはゲルミレン基を表す。また、インデニル基中の5員環における二重結合の位置のみが異なる異性体の存在を考えることができ、それらのうちの一種のみ例示してあるが、インデニル基中の5員環における二重結合の位置のみが異なる他の異性体であっても良く、またはそれらの混合物であっても良い。]
上記R91及びR93は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基、または窒素、酸素もしくは硫黄を含有する炭素数4〜16の複素環基である。
具体的な例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、n−ヘキシル、フリル、2−メチルフリル等が挙げられ、好ましくはメチル、エチル、フリル、2−メチルフリルである。
また、上記のR92およびR94は、水素原子、またはハロゲン、ケイ素、あるいは、これらから選択される複数のヘテロ元素を含有してもよい炭素数6〜30のアリール基であり、また、アリール基としては、炭素数6〜16になる範囲で、アリール環状骨格上に、1つ以上の、炭素数1〜6の炭化水素基、炭素数1〜6のトリアルキルシリル基、炭素数1〜6のハロゲン含有炭化水素基を置換基として有していてもよい。
具体例としては、フェニル基、4−i−プロピルフェニル基、4−トリメチルシリルフェニル基、4−t−ブチルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、3,5−ジt−ブチルフェニル基、4−フェニル−フェニル基、クロロフェニル基、ナフチル基、又はフェナンスリル基等が挙げられ、好ましくは。フェニル基、4−i−プロピルフェニル基、4−トリメチルシリルフェニル基、4−t−ブチルフェニル基である。
また、Q91は、二つの五員環を結合する、炭素数1または2の炭素を介して二つの共役五員環配位子を架橋する炭素数1〜20の2価の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基を有していてもよいシリレン基またはゲルミレン基の何れかを示す。上述のシリレン基またはゲルミレン基上に2個の炭化水素基が存在する場合は、それらが互いに結合して環構造を形成していてもよい。
上記のQ91の具体例としては、メチレン、メチルメチレン、ジメチルメチレン、1,2−エチレン、等のアルキレン基;ジフェニルメチレン等のアリールアルキレン基;シリレン基;メチルシリレン、ジメチルシリレン、ジエチルシリレン、ジ(n−プロピル)シリレン、ジ(i−プロピル)シリレン、ジ(シクロヘキシル)シリレン等のアルキルシリレン基、メチル(フェニル)シリレン等の(アルキル)(アリール)シリレン基;ジフェニルシリレン等のアリールシリレン基;テトラメチルジシリレン等のアルキルオリゴシリレン基;ゲルミレン基;上記の2価の炭素数1〜20の炭化水素基を有するシリレン基のケイ素をゲルマニウムに置換したアルキルゲルミレン基;(アルキル)(アリール)ゲルミレン基;アリールゲルミレン基などを挙げることができる。
上記構造9で表される化合物の非限定的な例として、下記のものを挙げることができる。
ただし、煩雑な多数の例示を避けて代表的例示化合物のみ記載した。
(1)ジメチル[ビス{2−(2−フリル)−4−フェニル−インデニル}]シラン、
(2)ジメチル[ビス{2−(2−チエニル)−4−フェニル−インデニル}]シラン、
(3)ジメチル[ビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−フェニル−インデニル}]シラン、
(4)ジフェニル[ビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−フェニル−インデニル}]シラン、
(5)ジメチル[ビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−フェニル−インデニル}]ゲルマニウム、
(6)ジメチル[ビス{2−(5−メチル−2−チエニル)−4−フェニル−インデニル}]ゲルマニウム、
(7)ジメチル[ビス{2−(5−t−ブチル−2−フリル)−4−フェニル−インデニル}]シラン、
(8)ジメチル[ビス{2−(5−トリメチルシリル−2−フリル)−4−フェニル−インデニル}]シラン、
(9)ジメチル[ビス{2−(5−フェニル−2−フリル)−4−フェニル−インデニル}]シラン、
(10)ジメチル[ビス{2−(4,5−ジメチル−2−フリル)−4−フェニル−インデニル}]シラン、
(11)ジメチル[ビス{2−(2−ベンゾフリル)−4−フェニル−インデニル}]シラン、
(12)ジメチル[ビス{2−(2−フルフリル)−4−フェニル−インデニル}]シラン、
(13)ジメチル[ビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−クロロフェニル)−インデニル}]シラン、
(14)ジメチル[ビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−フルオロフェニル)−インデニル}]シラン、
(15)ジメチル[ビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−インデニル}]シラン、
(16)ジメチル[ビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル}]シラン、
(17)ジメチル[ビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−i−プロピルフェニル)−インデニル}]シラン、
(18)ジメチル[ビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−トリメチルシリルフェニル)−インデニル}]シラン、
(19)ジメチル[ビス{2−(2−フリル)−4−(1−ナフチル)−インデニル}]シラン、
(20)ジメチル[ビス{2−(2−フリル)−4−(2−ナフチル)−インデニル}]シラン、
(21)ジメチル[ビス{2−(2−フリル)−4−(2−フェナンスリル)−インデニル}]シラン、
(22)ジメチル[ビス{2−(2−フリル)−4−(9−フェナンスリル)−インデニル}]シラン、
(23)ジメチル[ビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(1−ナフチル)−インデニル}]シラン、
(24)ジメチル[ビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(2−ナフチル)−インデニル}]シラン、
(25)ジメチル[ビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(2−フェナンスリル)−インデニル}]シラン、
(26)ジメチル[ビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(9−フェナンスリル)−インデニル}]シラン、
(27)ジメチル[ビス{2−(5−t−ブチル−2−フリル)−4−(1−ナフチル)−インデニル}]シラン、
(28ジメチル[ビス{2−(5−t−ブチル−2−フリル)−4−(2−ナフチル)−インデニル}]シラン、
(29)ジメチル[ビス{2−(5−t−ブチル−2−フリル)−4−(2−フェナンスリル)−インデニル}]シラン、
(30)ジメチル[ビス{2−(5−t−ブチル−2−フリル)−4−(9−フェナンスリル)−インデニル}]シラン、
(31)ジメチル{ビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)}シラン、
(32)ジメチル[ビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)インデニル}]シラン、
(33)ジメチル[ビス{2−メチル−4−(4−t−ブチルフェニル)インデニル}]シラン、
(34)ジメチル[ビス{2−メチル−4−(4−トリメチルシリルフェニル)インデニル}]シラン、
(35)ジメチル[ビス{2−メチル−4−(3−クロロ−4−t−ブチルフェニル)インデニル}]シラン、
(36)ジメチル[ビス{2−メチル−4−(3−メチル−4−t−ブチルフェニル)インデニル}]シラン、
(37)ジメチル[ビス{2−メチル−4−(3−クロロ−4−トリメチルシリルフェニル)インデニル}]シラン、
(38)ジメチル[ビス{2−メチル−4−(3−メチル−4−トリメチルシリルフェニル)インデニル}]シラン、
(39)ジメチル[ビス{2−メチル−4−(1−ナフチル)インデニル}]シラン、
(40)ジメチル[ビス{2−メチル−4−(2−ナフチル)インデニル}]シラン、
(41)ジメチル[ビス{2−メチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニル)インデニル}]シラン、
(42)ジメチル[ビス{2−メチル−4−(2−クロロ−4−ビフェニル)インデニル}]シラン、
(43)ジメチル[ビス{2−メチル−4−(9−フェナントリル)インデニル}]シラン、
(44)ジメチル[ビス{2−メチル−4−(4−クロロ−2−ナフチル)インデニル}]シラン、
(45)ジメチル[ビス{2−エチル−4−(3−クロロ−4−t−ブチルフェニル)インデニル}]シラン、
(46)ジメチル[ビス{2−メチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニル)インデニル}]ゲルマニウム、
(47)ジメチル[ビス{2−メチル−4−(4−t−ブチルフェニル)インデニル}]ゲルマニウム、
である。
また、下記の構造10を例示できる。
[上記構造10中、R101、R102、R103、R104、R105、R106、R107及びR108は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基または炭素数1〜20のケイ素含有炭化水素基を表し、それぞれ同一でも異なっていてもよく、R101〜R104とR105〜R108までの隣接した置換基は、互いに結合して環を形成してもよい。Q101は、炭素数1〜20の二価の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基を有していてもよいシリレン基またはゲルミレン基を表す。]
上記Q101は、二つの五員環を結合する、炭素数1または2の炭素を介して二つの共役五員環配位子を架橋する炭素数1〜20の2価の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基を有していてもよいシリレン基またはゲルミレン基の何れかを示す。上述のシリレン基またはゲルミレン基上に2個の炭化水素基が存在する場合は、それらが互いに結合して環構造を形成していてもよい。
上記のQ101の具体例としては、メチレン、メチルメチレン、ジメチルメチレン、1,2−エチレン、等のアルキレン基;ジフェニルメチレン等のアリールアルキレン基;シリレン基;メチルシリレン、ジメチルシリレン、ジエチルシリレン、ジ(n−プロピル)シリレン、ジ(i−プロピル)シリレン、ジ(シクロヘキシル)シリレン等のアルキルシリレン基、メチル(フェニル)シリレン等の(アルキル)(アリール)シリレン基;ジフェニルシリレン等のアリールシリレン基;テトラメチルジシリレン等のアルキルオリゴシリレン基;ゲルミレン基;上記の2価の炭素数1〜20の炭化水素基を有するシリレン基のケイ素をゲルマニウムに置換したアルキルゲルミレン基;(アルキル)(アリール)ゲルミレン基;アリールゲルミレン基などを挙げることができる。
上記構造10で表される化合物の非限定的な例として、下記のものを挙げることができる。
ただし、煩雑な多数の例示を避けて代表的例示化合物のみ記載した。
(1)1,2−ジ(9H−フルオレン−9−イル)エタン、
(2)ジ(9H−フルオレン−9−イル)(ジメチル)シラン、
(3)ジ(9H−フルオレン−9−イル)(ジフェニル)シラン、
(4)1−{2,7−ジt−ブチル(9H−フルオレン−9−イル)}−2−(9H−フルオレン−9−イル)エタン、
(5){2,7−ジt−ブチル(9H−フルオレン−9−イル)}(9H−フルオレン−9−イル)(ジメチル)シラン、
(6){2,7−ジt−ブチル(9H−フルオレン−9−イル)}(9H−フルオレン−9−イル)(ジフェニル)シラン、
(7)1−{3,6−ジt−ブチル(9H−フルオレン−9−イル)}−2−(9H−フルオレン−9−イル)エタン、
(8){3,6−ジt−ブチル(9H−フルオレン−9−イル)}(9H−フルオレン−9−イル)(ジメチル)シラン、
(9){3,6−ジt−ブチル(9H−フルオレン−9−イル)}(9H−フルオレン−9−イル)(ジフェニル)シラン、
(10)1−{2,7−ジフェニル(9H−フルオレン−9−イル)}−2−(9H−フルオレン−9−イル)エタン、
(11){2,7−ジフェニル(9H−フルオレン−9−イル)}(9H−フルオレン−9−イル)(ジメチル)シラン、
(12){2,7−ジフェニル(9H−フルオレン−9−イル)}(9H−フルオレン−9−イル)(ジフェニル)シラン、
(13)1−((12H−1,1,4,4,7,7,10,10−オクタメチル−1,2,3,4,7,8,9,10−オクタヒドロジベンゾ[b,h]フルオレン−12−イル)−2−(9H−フルオレン−9−イル)エタン、
(14)(12H−1,1,4,4,7,7,10,10−オクタメチル−1,2,3,4,7,8,9,10−オクタヒドロジベンゾ[b,h]フルオレン−12−イル)(9H−フルオレン−9−イル)(ジメチル)シラン、
(15)(12H−1,1,4,4,7,7,10,10−オクタメチル−1,2,3,4,7,8,9,10−オクタヒドロジベンゾ[b,h]フルオレン−12−イル)(9H−フルオレン−9−イル)(ジフェニル)シラン、
などである。
また、下記の構造11を例示できる。
[上記構造11中、R111およびR112は、それぞれ独立して、水素原子、または炭素数1〜6の炭化水素基である。R113およびR114は、それぞれ独立して、ハロゲン、ケイ素、あるいは、これらから選択される複数のヘテロ元素を含有してもよい炭素数6〜30のアリール基である。Q111は、炭素数1〜20の二価の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基を有していてもよいシリレン基またはゲルミレン基を表す。また、アズレニル基中の5員環における二重結合の位置のみが異なる異性体の存在を考えることができ、それらのうちの一種のみ例示してあるが、アズレニル基中の5員環における二重結合の位置のみが異なる他の異性体であっても良く、またはそれらの混合物であっても良い。]
上記R111およびR112は、それぞれ独立して、水素原子、または炭素数1〜6の炭化水素基である。
具体的な例としては、メチル、エチル、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、n−ヘキシル等が挙げられ、好ましくは、メチル、エチル、n−プロピルである。
上記R113およびR114は、それぞれ独立して、ハロゲン、ケイ素、あるいは、これらから選択される複数のヘテロ元素を含有してもよい炭素数6〜30のアリール基である。
具体例としては、フェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、4−メチルフェニル、4−i−プロピルフェニル、4−t−ブチルフェニル、4−トリメチルシリルフェニル、4−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)、4−(2−クロロ−4−ビフェニリル)、1−ナフチル、2−ナフチル、4−クロロ−2−ナフチル、3−メチル−4−トリメチルシリルフェニル、3,5−ジメチル−4−t−ブチルフェニル、3,5−ジメチル−4−トリメチルシリルフェニル、3,5−ジクロロ−4−トリメチルシリルフェニル等が挙げられる。
また、Q111は、二つの五員環を結合する、炭素数1または2の炭素を介して二つの共役五員環配位子を架橋する炭素数1〜20の2価の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基を有していてもよいシリレン基またはゲルミレン基の何れかを示す。上述のシリレン基またはゲルミレン基上に2個の炭化水素基が存在する場合は、それらが互いに結合して環構造を形成していてもよい。
上記のQ151の具体例としては、メチレン、メチルメチレン、ジメチルメチレン、1,2−エチレン、等のアルキレン基;ジフェニルメチレン等のアリールアルキレン基;シリレン基;メチルシリレン、ジメチルシリレン、ジエチルシリレン、ジ(n−プロピル)シリレン、ジ(i−プロピル)シリレン、ジ(シクロヘキシル)シリレン等のアルキルシリレン基、メチル(フェニル)シリレン等の(アルキル)(アリール)シリレン基;ジフェニルシリレン等のアリールシリレン基;テトラメチルジシリレン等のアルキルオリゴシリレン基;ゲルミレン基;上記の2価の炭素数1〜20の炭化水素基を有するシリレン基のケイ素をゲルマニウムに置換したアルキルゲルミレン基;(アルキル)(アリール)ゲルミレン基;アリールゲルミレン基などを挙げることができる。
上記構造11で表される化合物の非限定的な例として、下記のものを挙げることができる。
ただし、煩雑な多数の例示を避けて代表的例示化合物のみ記載した。
(1)ジメチル{ビス(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}シラン、
(2)ジメチル[ビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]シラン、
(3)ジメチル[ビス{2−メチル−4−(4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]シラン、
(4)ジメチル[ビス{2−メチル−4−(4−トリメチルシリルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]シラン、
(5)ジメチル[ビス{2−メチル−4−(3−クロロ−4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]シラン、
(6)ジメチル[ビス{2−メチル−4−(3−メチル−4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]シラン、
(7)ジメチル[ビス{2−メチル−4−(3−クロロ−4−トリメチルシリルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]シラン、
(8)ジメチル[ビス{2−メチル−4−(3−メチル−4−トリメチルシリルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]シラン、
(9)ジメチル[ビス{2−メチル−4−(1−ナフチル)−4−ヒドロアズレニル}]シラン、
(10)ジメチル[ビス{2−メチル−4−(2−ナフチル)−4−ヒドロアズレニル}]シラン、
(11)ジメチル[ビス{2−メチル−4−(4−クロロ−2−ナフチル)−4−ヒドロアズレニル}]シラン、
(12)ジメチル[ビス{2−メチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)−4−ヒドロアズレニル}]シラン、
(13)ジメチル[ビス{2−メチル−4−(2−クロロ−4−ビフェニリル)−4−ヒドロアズレニル}]シラン、
(14)ジメチル[ビス{2−メチル−4−(9−フェナントリル)−4−ヒドロアズレニル}]シラン、
(15)ジメチル[ビス2−エチル−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]シラン、
(16ジメチル[ビス{2−n−プロピル−4−(3−クロロ−4−トリメチルシリルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]シラン、
(17)ジメチル[ビス{2−エチル−4−(3−クロロ−4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]シラン、
(18)ジメチル[ビス{2−エチル−4−(3−メチル−4−トリメチルシリルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]シラン、
(19)ジメチル[ビス{2−メチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)−4−ヒドロアズレニル}]ゲルマニウム、
(20)ジメチル[ビス{2−メチル−4−(4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ゲルマニウム、
(21)9,9−ビス{2−エチル−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]−9−シラフルオレン、
(22)ジメチル[ビス{2−エチル−4−(4−クロロ−2−ナフチル)−4−ヒドロアズレニル}]シラン、
(23)ジメチル[ビス{2−エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)−4−ヒドロアズレニル}]シラン、
(24)9,9−ビス{2−エチル−4−(3,5−ジクロロ−4−トリメチルシリルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]−9−シラフルオレン、
などである。
また、下記の構造12を例示できる。
[上記構造12中、R121は、水素原子、または炭素数1〜6の炭化水素基である。R162は、ハロゲン、ケイ素、あるいは、これらから選択される複数のヘテロ元素を含有してもよい炭素数6〜30のアリール基である。R123、R124、R125およびR126は、それぞれ独立して、水素原子、または炭素数1〜6の炭化水素基である。Q121は、炭素数1〜20の二価の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基を有していてもよいシリレン基またはゲルミレン基を表す。また、シクロペンタジエニル基とアズレニル基中の5員環における二重結合の位置のみが異なる異性体の存在を考えることができ、それらのうちの一種のみ例示してあるが、シクロペンタジエニル基とアズレニル基中の5員環における二重結合の位置のみが異なる他の異性体であっても良く、またはそれらの混合物であっても良い。]
上記構造12中、R121は、水素原子、または炭素数1〜6の炭化水素基である。具体的な例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、n−ヘキシル等が挙げられ、好ましくは、メチル、エチル、n−プロピルである。
また、上記R122は、ハロゲン、ケイ素、あるいは、これらから選択される複数のヘテロ元素を含有してもよい炭素数6〜30のアリール基である。具体的な例としては、フェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、4−メチルフェニル、4−i−プロピルフェニル、4−t−ブチルフェニル、4−トリメチルシリルフェニル、4−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)、4−(2−クロロ−4−ビフェニリル)、1−ナフチル、2−ナフチル、4−クロロ−2−ナフチル、3−メチル−4−トリメチルシリルフェニル、3,5−ジメチル−4−t−ブチルフェニル、3,5−ジメチル−4−トリメチルシリルフェニル、3,5−ジクロロ−4−トリメチルシリルフェニル等が挙げられる。
また、上記R123、R124、R125およびR126は、それぞれ独立して、水素原子、または炭素数1〜6の炭化水素基であり、具体的な例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、n−ヘキシル、フェニル等が挙げられ、好ましくは、メチル基である。
121は、炭素数1〜20の二価の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基を有していてもよいシリレン基またはゲルミレン基を表す。また、Q161は、二つの五員環を結合する、炭素数1または2の炭素を介して二つの共役五員環配位子を架橋する炭素数1〜20の2価の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基を有していてもよいシリレン基またはゲルミレン基の何れかを示す。上述のシリレン基またはゲルミレン基上に2個の炭化水素基が存在する場合は、それらが互いに結合して環構造を形成していてもよい。
上記のQ121の具体例としては、メチレン、メチルメチレン、ジメチルメチレン、1,2−エチレン、等のアルキレン基;ジフェニルメチレン等のアリールアルキレン基;シリレン基;メチルシリレン、ジメチルシリレン、ジエチルシリレン、ジ(n−プロピル)シリレン、ジ(i−プロピル)シリレン、ジ(シクロヘキシル)シリレン等のアルキルシリレン基、メチル(フェニル)シリレン等の(アルキル)(アリール)シリレン基;ジフェニルシリレン等のアリールシリレン基;テトラメチルジシリレン等のアルキルオリゴシリレン基;ゲルミレン基;上記の2価の炭素数1〜20の炭化水素基を有するシリレン基のケイ素をゲルマニウムに置換したアルキルゲルミレン基;(アルキル)(アリール)ゲルミレン基;アリールゲルミレン基などを挙げることができる。
上記構造12で表される化合物の非限定的な例として、下記のものを挙げることができる。
ただし、煩雑な多数の例示を避けて代表的例示化合物のみ記載した。
(1)ジメチル{(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}シラン、
(2)ジメチル{(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}シラン、
(3)ジメチル{(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}シラン、
(4)ジメチル{(2,3−ジt−ブチルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}シラン、
(5)ジメチル{(3,4−ジt−ブチルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}シラン、
(6)ジメチル{(2,5−ジt−ブチルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}シラン、
(7)ジメチル{(2,3−ジフェニルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}シラン、
(8)ジメチル{(3,4−ジフェニルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}シラン、
(9)ジメチル{(2,5−ジフェニルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}シラン、
(10)ジメチル{(2−メチル−4−エチルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}シラン、
(11)ジメチル{(2−エチル−4−メチルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}シラン、
(12)ジメチル{(2−メチル−4−t−ブチルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}シラン、
(13)ジメチル{(2−メチル−4−フェニルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}シラン、
(14)ジメチル{(2,3,4−トリメチルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}シラン、
(15)ジメチル{(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}シラン、
(16)ジメチル{(2,3−ジメチル−4−フェニルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}シラン、
(17)ジメチル{(2,3−ジメチル−5−フェニルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}シラン、
(18)ジメチル{(2−メチル−4−フェニルシクロペンタジエニル)(2−エチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}シラン、
(19)ジメチル{(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)(2−エチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}シラン、
(20)ジメチル{(2−メチル−4−フェニルシクロペンタジエニル)(4−フェニル−2−i−プロピル−4H−アズレニル)}シラン、
(21)ジメチル{(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)(2−i−プロピル−4−t−フェニル−2−i−プロピル−4H−アズレニル)}シラン、
(22)ジメチル{(2−メチル−4−フェニルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−2−メチル−4H−アズレニル)}シラン、
(23)ジメチル{(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−2−メチル−4H−アズレニル)}シラン、
(24)ジメチル{(2−メチル−4−フェニルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−(3−メチルフェニル)−4H−アズレニル)}シラン、
(25)ジメチル{(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−(3−メチルフェニル)−4H−アズレニル)}シラン、
(26)ジメチル{(2−メチル−4−フェニルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−(4−t−ブチルフェニル)−2−メチル−4H−アズレニル)}シラン、
(27)ジメチル{(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−(4−t−ブチルフェニル)−2−メチル−4H−アズレニル)}シラン、
(28)ジメチル{(2−メチル−4−フェニルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−(2−ナフチル)−4H−アズレニル)}シラン、
(29)ジメチル{(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−(2−ナフチル)−4H−アズレニル)}シラン、
(30)メチルフェニル{(2−メチル−4−フェニルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}シラン、
(31)1−(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)−1−(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}シラシクロブタン、
(32)1−(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)−1−(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}シラシクロペンタン、
(33)9−(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)−9−(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}シラフルオレン、
(34)メチルフェニル(2−メチル−4−フェニルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ゲルマニウム、
(35)1−(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)−1−(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ゲルマシクロブタン、
(36)1−(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)−1−(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ゲルマシクロペンタン、
(37)9−(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)−9−(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ゲルマフルオレン、
(38)ジメチル[{2−メチル−4−(2−メチルプロピル)シクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(39)ジメチル[{2−メチル−4−(シクロプロピルメチル)シクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(40)ジメチル[{3−(2−メチルブチル)−5−メチルシクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(41)ジメチル[{2−メチル−4−(2,2−ジメチルプロピル)シクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(42)ジメチル[{2−メチル−4−(シクロヘキシルメチル)シクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(43)ジメチル[{2−メチル−4−(1,2−ジメチルプロピル)シクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(44)ジメチル[{3−(1−シクロプロピルエチル)−5−メチルシクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(45)ジメチル[{3−(1,2−ジメチルブチル)−5−メチルシクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(46)ジメチル[{2−メチル−4−(1,2,2−トリメチルプロピル)シクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(47)ジメチル[{3−(1−シクロヘキシルエチル)−5−メチルシクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(48)ジメチル[{2−メチル−4−(1−i−プロピルプロピル)シクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(49)ジメチル[{2−メチル−4−(1−シクロプロピルプロピル)シクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(50)ジメチル[{3−(1−エチル−2−メチルブチル)−5−メチルシクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(51)ジメチル[{2−メチル−4−(1−t−ブチルプロピル)シクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(52)ジメチル[{2−メチル−4−(1−シクロヘキシルプロピル)シクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(53)ジメチル[{3−(1−i−プロピルブチル)−5−メチルシクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(54)ジメチル[{3−(1−シクロプロピルブチル)−5−メチルシクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(55)ジメチル[{3−(1−s−ブチルブチル)−5−メチルシクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレル)]シラン、
(56)ジメチル[{3−(1−t−ブチルブチル)−5−メチルシクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレル)]シラン、
(57)ジメチル[{3−(1−シクロヘキシルブチル)−5−メチルシクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(58)ジメチル[{2−エチル−4−(2−メチルプロピル)シクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(59)ジメチル[{2−エチル−4−(シクロプロピルメチル)シクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(60)ジメチル[{3−(2−メチルブチル)−5−エチルシクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(61)ジメチル[{2−エチル−4−(2,2−ジメチルプロピル)シクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(62)ジメチル[{2−エチル−4−(シクロヘキシルメチル)シクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(63)ジメチル[{2−エチル−4−(1,2−ジメチルプロピル)シクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(64)ジメチル[{2−エチル−4−(1−シクロプロピルエチル)−メチル)−シクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(65)ジメチル[{3−(1,2−ジメチルブチル)−5−エチルシクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(66)ジメチル[{2−エチル−4−(1,2,2−トリメチルプロピル)シクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(67)ジメチル[{2−エチル−4−(1−シクロヘキシルエチル)シクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(68)ジメチル[{2−エチル−4−(1−i−プロピルプロピル)シクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(69)ジメチル[{2−エチル−4−(1−シクロプロピルプロピル)シクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(70)ジメチル[{3−(1−エチル−2−メチルブチル)−5−エチルシクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(71)ジメチル[{2−エチル−4−(1−t−ブチルプロピル)シクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(72)ジメチル[{2−エチル−4−(1−シクロヘキシルプロピル)シクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(73)ジメチル[{3−(1−i−プロピルブチル)−5−エチルシクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(74)ジメチル[{3−(1−シクロプロピルブチル)−5−エチルシクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(75)ジメチル[{3−(1−s−ブチルブチル)−5−エチルシクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(76)ジメチル[{3−(1−t−ブチルブチル)−5−エチルシクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(77)ジメチル[{3−(1−シクロヘキシルブチル)−5−エチルシクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(78)ジメチル[{2−n−プロピル−4−(2−メチルプロピル)シクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(79)ジメチル[{3−(シクロプロピルメチル)−5−n−プロピルシクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(80)ジメチル[{3−(2−メチルブチル)−5−n−プロピルシクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(81)ジメチル[{2−n−プロピル−4−(2,2−ジメチルプロピル)シクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(82)ジメチル[{3−(シクロヘキシルメチル)−5−n−プロピルシクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(83)ジメチル[{2−n−プロピル−4−(1,2−ジメチルプロピル)シクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(84)ジメチル[{3−(1−シクロプロピルエチル)−5−n−プロピルシクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(85)ジメチル[{3−(1,2−ジメチルブチル)−5−n−プロピルシクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(86)ジメチル[{2−n−プロピル−4−(1,2,2−トリメチルプロピル)シクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(87)ジメチル[{3−(1−シクロヘキシルエチル)−5−n−プロピルシクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(88)ジメチル[{2−n−プロピル−4−(1−i−プロピルプロピル)シクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(89)ジメチル[{2−n−プロピル−4−(1−シクロプロピルプロピル)シクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(90)ジメチル[{3−(1−エチル−2−メチルブチル)−5−n−プロピルシクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(91)ジメチル[{2−n−プロピル−4−(1−t−ブチルプロピル)シクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(92)ジメチル[{2−n−プロピル−4−(1−シクロヘキシルプロピル)シクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(93)ジメチル[{3−(1−i−プロピルブチル)−5−n−プロピルシクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(94)ジメチル[{3−(1−シクロプロピルブチル)−5−n−プロピルシクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(95)ジメチル[{3−(1−s−ブチルブチル)−5−n−プロピルシクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(96)ジメチル[{3−(1−t−ブチルブチル)−5−n−プロピルシクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
(97)ジメチル[{3−(1−シクロヘキシルブチル)−5−n−プロピルシクロペンタジエニル}(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]シラン、
などである。
また、下記の構造13を例示できる。
[上記構造13中、R131、R132、R133、R134、R135、R136、R137及びR138は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基または炭素数1〜20のケイ素含有炭化水素基を表し、それぞれ同一でも異なっていてもよく、R135〜R138までの隣接した置換基は、互いに結合して環を形成してもよい。Q131は、炭素数1〜20の二価の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基を有していてもよいシリレン基またはゲルミレン基を表す。また、シクロペンタジエニル基における二重結合の位置のみが異なる異性体の存在を考えることができ、それらのうちの一種のみ例示してあるが、シクロペンタジエニル基における二重結合の位置のみが異なる他の異性体であっても良く、またはそれらの混合物であっても良い。]
上記構造13中、Q131は、二つの五員環を結合する、炭素数1または2の炭素を介して二つの共役五員環配位子を架橋する炭素数1〜20の2価の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基を有していてもよいシリレン基またはゲルミレン基の何れかを示す。上述のシリレン基またはゲルミレン基上に2個の炭化水素基が存在する場合は、それらが互いに結合して環構造を形成していてもよい。
上記のQ131の具体例としては、メチレン、メチルメチレン、ジメチルメチレン、1,2−エチレン、等のアルキレン基;ジフェニルメチレン等のアリールアルキレン基;シリレン基;メチルシリレン、ジメチルシリレン、ジエチルシリレン、ジ(n−プロピル)シリレン、ジ(i−プロピル)シリレン、ジ(シクロヘキシル)シリレン等のアルキルシリレン基、メチル(フェニル)シリレン等の(アルキル)(アリール)シリレン基;ジフェニルシリレン等のアリールシリレン基;テトラメチルジシリレン等のアルキルオリゴシリレン基;ゲルミレン基;上記の2価の炭素数1〜20の炭化水素基を有するシリレン基のケイ素をゲルマニウムに置換したアルキルゲルミレン基;(アルキル)(アリール)ゲルミレン基;アリールゲルミレン基などを挙げることができる。
上記構造13で表される化合物の非限定的な例として、下記のものを挙げることができる。
ただし、煩雑な多数の例示を避けて代表的例示化合物のみ記載した。
(1)2−(3−i−プロピルシクロペンタジエニル)−2’−フルオレニルプロパン、
(2)2−(3−t−ブチルシクロペンタジエニル)−2’−フルオレニルプロパン、
(3)2−(3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル)−2’−フルオレニルプロパン、
(4)2−{3−(t−ブチルジメチルシリル)シクロペンタジエニル}−2’−フルオレニルプロパン、
(5)2−(3−i−プロピル−5−メチルシクロペンタジエニル)−2’−フルオレニルプロパン、
(6)2−(3−t−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)−2’−フルオレニルプロパン、
(7)2−(3−トリメチルシリル−5−メチルシクロペンタジエニル)−2’−フルオレニルプロパン、
(8)2−{3−(t−ブチルジメチルシリル)−5−メチルシクロペンタジエニル}−2’−フルオレニルプロパン、
(9)2−(3−i−プロピル−5−エチルシクロペンタジエニル)−2’−フルオレニルプロパン、
(10)2−(3−t−ブチル−5−エチルシクロペンタジエニル)−2’−フルオレニルプロパン、
(11)2−(3−トリメチルシリル−5−エチルシクロペンタジエニル)−2’−フルオレニルプロパン、
(12)2−{3−(t−ブチルジメチルシリル)−5−エチルシクロペンタジエニル}−2’−フルオレニルプロパン、
(13)2−(3−i−プロピル−5−メチルシクロペンタジエニル)−2’−(3,6−ジt−ブチルフルオレニル)プロパン、
(14)2−(3−t−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)−2’−(3,6−ジt−ブチルフルオレニル)プロパン、
(15)2−(3−トリメチルシリル−5−メチルシクロペンタジエニル)−2’−(3,6−ジt−ブチルフルオレニル)プロパン、
(16)2−{3−(t−ブチルジメチルシリル)−5−メチルシクロペンタジエニル}−2’−(3,6−ジt−ブチルフルオレニル)プロパン、
(17)2−(3−i−プロピル−5−メチルシクロペンタジエニル)−2’−(2,7−ジt−ブチルフルオレニル)プロパン、
(18)2−(3−t−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)−2’−(2,7−ジt−ブチルフルオレニル)プロパン、
(19)2−(3−トリメチルシリル−5−メチルシクロペンタジエニル)−2’−(2,7−ジt−ブチルフルオレニル)プロパン、
(20)2−{3−(t−ブチルジメチルシリル)−5−メチルシクロペンタジエニル}−2’−(2,7−ジt−ブチルフルオレニル)プロパン、
(21)2−(3−t−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)−2’−(ジベンゾ[b,e]フルオレニル)プロパン、
(22)2−(3−トリメチルシリル−5−メチルシクロペンタジエニル)−2’−(ジベンゾ[b,e]フルオレニル)プロパン、
(23)2−(3−t−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)−2’−(2,2,5,5,8,8,11,11−オクタメチル−2,3,4,5,8,9,10,11−オクタヒドロジベンゾ[b,e]フルオレニル)プロパン、
(24)2−(3−トリメチルシリル−5−メチルシクロペンタジエニル)−2’−(2,2,5,5,8,8,11,11−オクタメチル−2,3,4,5,8,9,10,11−オクタヒドロジベンゾ[b,e]フルオレニル)プロパン、
(25)ジフェニル(3−i−プロピル−5−メチルシクロペンタジエニル)(3,6−ジt−ブチルフルオレニル)プロパン、
(26)ジフェニル(3−t−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)(3,6−ジt−ブチルフルオレニル)メタン、
(27)ジフェニル(3−トリメチルシリル−5−メチルシクロペンタジエニル)(3,6−ジt−ブチルフルオレニル)メタン、
(28)ジフェニル{3−(t−ブチルジメチルシリル)−5−メチルシクロペンタジエニル}(3,6−ジt−ブチルフルオレニル)メタン、
(29)ジメチル(3−i−プロピル−5−メチルシクロペンタジエニル)(3,6−ジt−ブチルフルオレニル)シラン、
(30)ジメチル(3−t−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)(3,6−ジt−ブチルフルオレニル)シラン、
(31)ジメチル(3−トリメチルシリル−5−メチルシクロペンタジエニル)(3,6−ジt−ブチルフルオレニル)シラン、
(32)メチル(3−(t−ブチルジメチルシリル)−5−メチルシクロペンタジエニル)(3,6−ジt−ブチルフルオレニル)シラン、
(33)ジフェニル(3−i−プロピル−5−メチルシクロペンタジエニル)(3,6−ジt−ブチルフルオレニル)シラン、
(34)ジフェニル(3−t−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)(3,6−ジt−ブチルフルオレニル)シラン、
(35)ジフェニル(3−トリメチルシリル−5−メチルシクロペンタジエニル)(3,6−ジt−ブチルフルオレニル)シラン、
(36)ジフェニル{3−(t−ブチルジメチルシリル)−5−メチルシクロペンタジエニル}(3,6−ジt−ブチルフルオレニル)シラン、
などである。
また、下記の構造14を例示できる。
[上記構造14中、R141およびR142は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基、または窒素、酸素もしくは硫黄を含有する炭素数4〜16の複素環基であり、R143およびR144は、それぞれ独立して、水素原子、またはハロゲン、ケイ素、あるいは、これらから選択される複数のヘテロ元素を含有してもよい炭素数6〜30のアリール基である。Q141は、炭素数1〜20の二価の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基を有していてもよいシリレン基またはゲルミレン基を表す。また、インデニル基とアズレニル基中の5員環における二重結合の位置のみが異なる異性体の存在を考えることができ、それらのうちの一種のみ例示してあるが、インデニル基とアズレニル基中の5員環における二重結合の位置のみが異なる他の異性体であっても良く、またはそれらの混合物であっても良い。]
上記R141およびR142は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基、または窒素、酸素もしくは硫黄を含有する炭素数4〜16の複素環基を示す。
具体的な例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、n−ヘキシル、フリル、2−メチルフリル等が挙げられ、好ましくは、メチル、エチル、フリル、2−メチルフリルである。
また、上記のR143およびR144は、それぞれ独立して、水素原子、またはハロゲン、ケイ素、あるいは、これらから選択される複数のヘテロ元素を含有してもよい炭素数6〜30のアリール基であり、また、アリール基としては、炭素数6〜16になる範囲で、アリール環状骨格上に、1つ以上の、炭素数1〜6の炭化水素基、炭素数1〜6のトリアルキルシリル基、炭素数1〜6のハロゲン含有炭化水素基を置換基として有していてもよい。
具体例としては、フェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、4−メチルフェニル、4−i−プロピルフェニル、4−t−ブチルフェニル、4−トリメチルシリルフェニル、4−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)、4−(2−クロロ−4−ビフェニリル)、1−ナフチル、2−ナフチル、4−クロロ−2−ナフチル、3−メチル−4−トリメチルシリルフェニル、3,5−ジメチル−4−t−ブチルフェニル、3,5−ジメチル−4−トリメチルシリルフェニル、3,5−ジクロロ−4−トリメチルシリルフェニル等が挙げられる。
また、Q141は、二つの五員環を結合する、炭素数1または2の炭素を介して二つの共役五員環配位子を架橋する炭素数1〜20の2価の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基を有していてもよいシリレン基またはゲルミレン基の何れかを示す。上述のシリレン基またはゲルミレン基上に2個の炭化水素基が存在する場合は、それらが互いに結合して環構造を形成していてもよい。
上記のQ141の具体例としては、メチレン、メチルメチレン、ジメチルメチレン、1,2−エチレン、等のアルキレン基;ジフェニルメチレン等のアリールアルキレン基;シリレン基;メチルシリレン、ジメチルシリレン、ジエチルシリレン、ジ(n−プロピル)シリレン、ジ(i−プロピル)シリレン、ジ(シクロヘキシル)シリレン等のアルキルシリレン基、メチル(フェニル)シリレン等の(アルキル)(アリール)シリレン基;ジフェニルシリレン等のアリールシリレン基;テトラメチルジシリレン等のアルキルオリゴシリレン基;ゲルミレン基;上記の2価の炭素数1〜20の炭化水素基を有するシリレン基のケイ素をゲルマニウムに置換したアルキルゲルミレン基;(アルキル)(アリール)ゲルミレン基;アリールゲルミレン基などを挙げることができる。
上記構造14で表される化合物の非限定的な例として、下記のものを挙げることができる。
ただし、煩雑な多数の例示を避けて代表的例示化合物のみ記載した。
(1)ジメチル[(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−1−アズレニル)]シラン、
(2)ジメチル[(2−エチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−1−アズレニル)]シラン、
(3)ジメチル[(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−1−アズレニル)]シラン、
(4)ジメチル[(2−エチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−1−アズレニル)]シラン、
(5)ジメチル[(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4H−1−アズレニル)]シラン、
(6)ジメチル[(2−エチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4H−1−アズレニル)]シラン、
(7)ジメチル[(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−メチル−4−(4−t−ブチルフェニル)−4H−1−アズレニル)]シラン、
(8)ジメチル[(2−エチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−メチル−4−(4−t−ブチルフェニル)−4H−1−アズレニル)]シラン、
(9)ジメチル[(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−メチル−4−(4−トリメチルシリルフェニル)−4H−1−アズレニル)]シラン、
(10)ジメチル[(2−エチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−メチル−4−(4−トリメチルシリルフェニル)−4H−1−アズレニル)]シラン、
(11)ジメチル[(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−メチル−4−(1−ナフチル)−4H−1−アズレニル)]シラン、
(12)ジメチル[(2−エチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−メチル−4−(1−ナフチル)−4H−1−アズレニル)]シラン、
(13)ジメチル[(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−メチル−4−(2−ナフチル)−4H−1−アズレニル)]シラン、
(14)ジメチル[(2−エチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−メチル−4−(2−ナフチル)−4H−1−アズレニル)]シラン、
(15)ジメチル[(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−エチル−4−フェニル−4H−1−アズレニル)]シラン、
(16)ジメチル[(2−エチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−エチル−4−フェニル−4H−1−アズレニル)]シラン、
(17)ジメチル[(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−エチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−1−アズレニル)]シラン、
(18)ジメチル[(2−エチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−エチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−1−アズレニル)]シラン、
(19)ジメチル[(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−5,6,7,8−テトラヒドロ−1−アズレニル)]シラン、
(20)ジメチル[(2−エチル−1−インデニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−5,6,7,8−テトラヒドロ−1−アズレニル)]シラン、
などである。
また、下記の構造15を例示できる。
[上記構造15中、R151は、水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基、または窒素、酸素もしくは硫黄を含有する炭素数4〜16の複素環基である。R152は、ハロゲン、ケイ素、あるいは、これらから選択される複数のヘテロ元素を含有してもよい炭素数6〜30のアリール基である。R153、R154、R155およびR156は、それぞれ独立して、水素原子、または炭素数1〜6の炭化水素基である。Q151は、炭素数1〜20の二価の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基を有していてもよいシリレン基またはゲルミレン基を表す。また、シクロペンタジエニル基とインデニル基中の5員環における二重結合の位置のみが異なる異性体の存在を考えることができ、それらのうちの一種のみ例示してあるが、シクロペンタジエニル基とインデニル基中の5員環における二重結合の位置のみが異なる他の異性体であっても良く、またはそれらの混合物であっても良い。]
上記R151は、水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基、または窒素、酸素もしくは硫黄を含有する炭素数4〜16の複素環基である。具体的な例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、n−ヘキシル、フリル、2−メチルフリル等が挙げられ、好ましくは、メチル、エチル、フリル、2−メチルフリルである。
また、上記R152は、ハロゲン、ケイ素、あるいは、これらから選択される複数のヘテロ元素を含有してもよい炭素数6〜30の、好ましくは炭素数6〜24のアリール基である。
具体的な例としては、フェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、4−メチルフェニル、4−i−プロピルフェニル、4−t−ブチルフェニル、4−トリメチルシリルフェニル、4−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)、4−(2−クロロ−4−ビフェニリル)、1−ナフチル、2−ナフチル、4−クロロ−2−ナフチル、3−メチル−4−トリメチルシリルフェニル、3,5−ジメチル−4−t−ブチルフェニル、3,5−ジメチル−4−トリメチルシリルフェニル、3,5−ジクロロ−4−トリメチルシリルフェニル等が挙げられる。
上記R153、R154、R155およびR156は、それぞれ独立して、水素原子、または炭素数1〜6の炭化水素基であり、具体的な例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、n−ヘキシル、フェニル等が挙げられ、好ましくは、メチル、エチル、n−プロピルである。
上記Q151は、炭素数1〜20の二価の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基を有していてもよいシリレン基またはゲルミレン基を表す。また、Q151は、二つの五員環を結合する、炭素数1または2の炭素を介して二つの共役五員環配位子を架橋する炭素数1〜20の2価の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基を有していてもよいシリレン基またはゲルミレン基の何れかを示す。上述のシリレン基またはゲルミレン基上に2個の炭化水素基が存在する場合は、それらが互いに結合して環構造を形成していてもよい。
上記のQ151の具体例としては、メチレン、メチルメチレン、ジメチルメチレン、1,2−エチレン、等のアルキレン基;ジフェニルメチレン等のアリールアルキレン基;シリレン基;メチルシリレン、ジメチルシリレン、ジエチルシリレン、ジ(n−プロピル)シリレン、ジ(i−プロピル)シリレン、ジ(シクロヘキシル)シリレン等のアルキルシリレン基、メチル(フェニル)シリレン等の(アルキル)(アリール)シリレン基;ジフェニルシリレン等のアリールシリレン基;テトラメチルジシリレン等のアルキルオリゴシリレン基;ゲルミレン基;上記の2価の炭素数1〜20の炭化水素基を有するシリレン基のケイ素をゲルマニウムに置換したアルキルゲルミレン基;(アルキル)(アリール)ゲルミレン基;アリールゲルミレン基などを挙げることができる。
上記構造15で表される化合物の非限定的な例として、下記のものを挙げることができる。
ただし、煩雑な多数の例示を避けて代表的例示化合物のみ記載した。
(1)1−(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)−2−{2−メチル−4−フェニル−インデニル}エタン、
(2)1−(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)−2−{2−メチル−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル}エタン、
(3)1−(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)−2−{2−メチル−4−(4−i−プロピルフェニル)−インデニル}エタン、
(4)1−(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)−2−{2−メチル−4−(4−トリメチルシリル)−インデニル}エタン、
(5)1−(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)−2−{2−(2−フリル)−4−フェニル−インデニル}エタン、
(6)1−(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)−2−{2−(2−フリル)−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル}エタン、
(7)1−(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)−2−{2−(2−フリル)−4−(4−i−プロピルフェニル)−インデニル}エタン、
(8)1−(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)−2−{2−(2−フリル)−4−(4−トリメチルシリル)−インデニル}エタン、
(9)1−(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)−2−{2−(5−メチル−2−フリル)−4−フェニル−インデニル}エタン、
(10)1−(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)−2−{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル}エタン、
(11)1−(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)−2−{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−i−プロピルフェニル)−インデニル}エタン、
(12)1−(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)−2−{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−トリメチルシリル)−インデニル}エタン、
(13)(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル){2−メチル−4−フェニル−インデニル}(ジメチル)シラン、
(14)(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル){2−メチル−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル}(ジメチル)シラン、
(15)(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル){2−メチル−4−(4−i−プロピルフェニル)−インデニル}(ジメチル)シラン、
(16)(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル){2−メチル−4−(4−トリメチルシリル)−インデニル}(ジメチル)シラン、
(17)(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル){2−(2−フリル)−4−フェニル−インデニル}(ジメチル)シラン、
(18)(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル){2−(2−フリル)−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル}(ジメチル)シラン、
(19)(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル){2−(2−フリル)−4−(4−i−プロピルフェニル)−インデニル}(ジメチル)シラン、
(20)(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル){2−(2−フリル)−4−(4−トリメチルシリル)−インデニル}(ジメチル)シラン、
(21)(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル){2−(5−メチル−2−フリル)−4−フェニル−インデニル}(ジメチル)シラン、
(22)(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル){2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル}(ジメチル)シラン、
(23)(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル){2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−i−プロピルフェニル)−インデニル}(ジメチル)シラン、
(24)(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル){2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−トリメチルシリル)−インデニル}(ジメチル)シラン、
(25)(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル){2−メチル−4−フェニル−インデニル}(ジフェニル)シラン、
(26)(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル){2−メチル−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル}(ジフェニル)シラン、
(27)(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル){2−メチル−4−(4−i−プロピルフェニル)−インデニル}(ジフェニル)シラン、
(28)(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル){2−メチル−4−(4−トリメチルシリル)−インデニル}(ジフェニル)シラン、
(29)(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル){2−(2−フリル)−4−フェニル−インデニル}(ジフェニル)シラン、
(30)(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル){2−(2−フリル)−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル}(ジフェニル)シラン、
(31)(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル){2−(2−フリル)−4−(4−i−プロピルフェニル)−インデニル}(ジフェニル)シラン、
(32)(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル){2−(2−フリル)−4−(4−トリメチルシリル)−インデニル}(ジフェニル)シラン、
(33)(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル){2−(5−メチル−2−フリル)−4−フェニル−インデニル}(ジフェニル)シラン、
(34)(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル){2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル}(ジフェニル)シラン、
(35)(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル){2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−i−プロピルフェニル)−インデニル}(ジフェニル)シラン、
(36)(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル){2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−トリメチルシリル)−インデニル}(ジフェニル)シラン、
(37)1−(2−メチル−4−t−ブチルシクロペンタジエニル)−2−{2−メチル−4−フェニル−インデニル}エタン、
(38)1−(2−メチル−4−t−ブチルシクロペンタジエニル)−2−{2−メチル−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル}エタン、
(39)1−(2−メチル−4−t−ブチルシクロペンタジエニル)−2−{2−メチル−4−(4−i−プロピルフェニル)−インデニル}エタン、
(40)1−(2−メチル−4−t−ブチルシクロペンタジエニル)−2−{2−メチル−4−(4−トリメチルシリル)−インデニル}エタン、
(41)1−(2−メチル−4−t−ブチルシクロペンタジエニル)−2−{2−(2−フリル)−4−フェニル−インデニル}エタン、
(42)1−(2−メチル−4−t−ブチルシクロペンタジエニル)−2−{2−(2−フリル)−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル}エタン、
(43)1−(2−メチル−4−t−ブチルシクロペンタジエニル)−2−{2−(2−フリル)−4−(4−i−プロピルフェニル)−インデニル}エタン、
(44)1−(2−メチル−4−t−ブチルシクロペンタジエニル)−2−{2−(2−フリル)−4−(4−トリメチルシリル)−インデニル}エタン、
(45)1−(2−メチル−4−t−ブチルシクロペンタジエニル)−2−{2−(5−メチル−2−フリル)−4−フェニル−インデニル}エタン、
(46)1−(2−メチル−4−t−ブチルシクロペンタジエニル)−2−{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル}エタン、
(47)1−(2−メチル−4−t−ブチルシクロペンタジエニル)−2−{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−i−プロピルフェニル)−インデニル}エタン、
(48)1−(2−メチル−4−t−ブチルシクロペンタジエニル)−2−{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−トリメチルシリル)−インデニル}エタン、
(49)(2−メチル−4−t−ブチルシクロペンタジエニル){2−メチル−4−フェニル−インデニル}(ジメチル)シラン、
(50)(2−メチル−4−t−ブチルシクロペンタジエニル){2−メチル−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル}(ジメチル)シラン、
(51)(2−メチル−4−t−ブチルシクロペンタジエニル){2−メチル−4−(4−i−プロピルフェニル)−インデニル}(ジメチル)シラン、
(52)(2−メチル−4−t−ブチルシクロペンタジエニル){2−メチル−4−(4−トリメチルシリル)−インデニル}(ジメチル)シラン、
(53)(2−メチル−4−t−ブチルシクロペンタジエニル){2−(2−フリル)−4−フェニル−インデニル}(ジメチル)シラン、
(54)(2−メチル−4−t−ブチルシクロペンタジエニル){2−(2−フリル)−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル}(ジメチル)シラン、
(55)(2−メチル−4−t−ブチルシクロペンタジエニル){2−(2−フリル)−4−(4−i−プロピルフェニル)−インデニル}(ジメチル)シラン、
(56)(2−メチル−4−t−ブチルシクロペンタジエニル){2−(2−フリル)−4−(4−トリメチルシリル)−インデニル}(ジメチル)シラン、
(57)(2−メチル−4−t−ブチルシクロペンタジエニル){2−(5−メチル−2−フリル)−4−フェニル−インデニル}(ジメチル)シラン、
(58)(2−メチル−4−t−ブチルシクロペンタジエニル){2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル}(ジメチル)シラン、
(59)(2−メチル−4−t−ブチルシクロペンタジエニル){2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−i−プロピルフェニル)−インデニル}(ジメチル)シラン、
(60)(2−メチル−4−t−ブチルシクロペンタジエニル){2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−トリメチルシリル)−インデニル}(ジメチル)シラン、
(61)(2−メチル−4−t−ブチルシクロペンタジエニル){2−メチル−4−フェニル−インデニル}(ジフェニル)シラン、
(62)(2−メチル−4−t−ブチルシクロペンタジエニル){2−メチル−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル}(ジフェニル)シラン、
(63)(2−メチル−4−t−ブチルシクロペンタジエニル){2−メチル−4−(4−i−プロピルフェニル)−インデニル}(ジフェニル)シラン、
(64)(2−メチル−4−t−ブチルシクロペンタジエニル){2−メチル−4−(4−トリメチルシリル)−インデニル}(ジフェニル)シラン、
(65)(2−メチル−4−t−ブチルシクロペンタジエニル){2−(2−フリル)−4−フェニル−インデニル}(ジフェニル)シラン、
(66)(2−メチル−4−t−ブチルシクロペンタジエニル){2−(2−フリル)−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル}(ジフェニル)シラン、
(67)(2−メチル−4−t−ブチルシクロペンタジエニル){2−(2−フリル)−4−(4−i−プロピルフェニル)−インデニル}(ジフェニル)シラン、
(68)(2−メチル−4−t−ブチルシクロペンタジエニル){2−(2−フリル)−4−(4−トリメチルシリル)−インデニル}(ジフェニル)シラン、
(69)(2−メチル−4−t−ブチルシクロペンタジエニル){2−(5−メチル−2−フリル)−4−フェニル−インデニル}(ジフェニル)シラン、
(70)(2−メチル−4−t−ブチルシクロペンタジエニル){2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル}(ジフェニル)シラン、
(71)(2−メチル−4−t−ブチルシクロペンタジエニル){2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−i−プロピルフェニル)−インデニル}(ジフェニル)シラン、
(72)(2−メチル−4−t−ブチルシクロペンタジエニル){2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−トリメチルシリル)−インデニル}(ジフェニル)シラン、
(73)1−(2−メチル−4−フェニルシクロペンタジエニル)−2−{2−メチル−4−フェニル−インデニル}エタン、
(74)1−(2−メチル−4−フェニルシクロペンタジエニル)−2−{2−メチル−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル}エタン、
(75)1−(2−メチル−4−フェニルシクロペンタジエニル)−2−{2−メチル−4−(4−i−プロピルフェニル)−インデニル}エタン、
(76)1−(2−メチル−4−フェニルシクロペンタジエニル)−2−{2−メチル−4−(4−トリメチルシリル)−インデニル}エタン、
(77)1−(2−メチル−4−フェニルシクロペンタジエニル)−2−{2−(2−フリル)−4−フェニル−インデニル}エタン、
(78)1−(2−メチル−4−フェニルシクロペンタジエニル)−2−{2−(2−フリル)−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル}エタン、
(79)1−(2−メチル−4−フェニルシクロペンタジエニル)−2−{2−(2−フリル)−4−(4−i−プロピルフェニル)−インデニル}エタン、
(80)1−(2−メチル−4−フェニルシクロペンタジエニル)−2−{2−(2−フリル)−4−(4−トリメチルシリル)−インデニル}エタン、
(81)1−(2−メチル−4−フェニルシクロペンタジエニル)−2−{2−(5−メチル−2−フリル)−4−フェニル−インデニル}エタン、
(82)1−(2−メチル−4−フェニルシクロペンタジエニル)−2−{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル}エタン、
(83)1−(2−メチル−4−フェニルシクロペンタジエニル)−2−{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−i−プロピルフェニル)−インデニル}エタン、
(84)1−(2−メチル−4−フェニルシクロペンタジエニル)−2−{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−トリメチルシリル)−インデニル}エタン、
(85)(2−メチル−4−フェニルシクロペンタジエニル){2−メチル−4−フェニル−インデニル}(ジメチル)シラン、
(86)(2−メチル−4−フェニルシクロペンタジエニル){2−メチル−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル}(ジメチル)シラン、
(87)(2−メチル−4−フェニルシクロペンタジエニル){2−メチル−4−(4−i−プロピルフェニル)−インデニル}(ジメチル)シラン、
(88)(2−メチル−4−フェニルシクロペンタジエニル){2−メチル−4−(4−トリメチルシリル)−インデニル}(ジメチル)シラン、
(89)(2−メチル−4−フェニルシクロペンタジエニル){2−(2−フリル)−4−フェニル−インデニル}(ジメチル)シラン、
(90)(2−メチル−4−フェニルシクロペンタジエニル){2−(2−フリル)−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル}(ジメチル)シラン、
(91)(2−メチル−4−フェニルシクロペンタジエニル){2−(2−フリル)−4−(4−i−プロピルフェニル)−インデニル}(ジメチル)シラン、
(92)(2−メチル−4−フェニルシクロペンタジエニル){2−(2−フリル)−4−(4−トリメチルシリル)−インデニル}(ジメチル)シラン、
(93)(2−メチル−4−フェニルシクロペンタジエニル){2−(5−メチル−2−フリル)−4−フェニル−インデニル}(ジメチル)シラン、
(94)(2−メチル−4−フェニルシクロペンタジエニル){2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル}(ジメチル)シラン、
(95)(2−メチル−4−フェニルシクロペンタジエニル){2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−i−プロピルフェニル)−インデニル}(ジメチル)シラン、
(96)(2−メチル−4−フェニルシクロペンタジエニル){2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−トリメチルシリル)−インデニル}(ジメチル)シラン、
(97)(2−メチル−4−フェニルシクロペンタジエニル){2−メチル−4−フェニル−インデニル}(ジフェニル)シラン、
(98)(2−メチル−4−フェニルシクロペンタジエニル){2−メチル−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル}(ジフェニル)シラン、
(99)(2−メチル−4−フェニルシクロペンタジエニル){2−メチル−4−(4−i−プロピルフェニル)−インデニル}(ジフェニル)シラン、
(100)(2−メチル−4−フェニルシクロペンタジエニル){2−メチル−4−(4−トリメチルシリル)−インデニル}(ジフェニル)シラン、
(101)(2−メチル−4−フェニルシクロペンタジエニル){2−(2−フリル)−4−フェニル−インデニル}(ジフェニル)シラン、
(102)(2−メチル−4−フェニルシクロペンタジエニル){2−(2−フリル)−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル}(ジフェニル)シラン、
(103)(2−メチル−4−フェニルシクロペンタジエニル){2−(2−フリル)−4−(4−i−プロピルフェニル)−インデニル}(ジフェニル)シラン、
(104)(2−メチル−4−フェニルシクロペンタジエニル){2−(2−フリル)−4−(4−トリメチルシリル)−インデニル}(ジフェニル)シラン、
(105)(2−メチル−4−フェニルシクロペンタジエニル){2−(5−メチル−2−フリル)−4−フェニル−インデニル}(ジフェニル)シラン、
(106)(2−メチル−4−フェニルシクロペンタジエニル){2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル}(ジフェニル)シラン、
(107)(2−メチル−4−フェニルシクロペンタジエニル){2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−i−プロピルフェニル)−インデニル}(ジフェニル)シラン、
(108)(2−メチル−4−フェニルシクロペンタジエニル){2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−トリメチルシリル)−インデニル}(ジフェニル)シラン、
などである。
これらの中で、好ましい成分[D]の形態としては、シクロペンタジエニル環に2つ以上の置換基が付いたものが好ましく、さらに好ましくはその置換基が互いに結合して複環を構成する構造が好ましい。具体的には、インデニル環、アズレニル環などが好ましい。またこの中でも、インデニル環、アズレニル環などに置換基がついているものが特に好ましい。
さらに好ましい形態としては、2つのインデニル環、アズレニル環などの環状化合物が架橋された構造のものが好ましく、さらにその架橋基は、環構造の1位同士で架橋したものが好ましく、また架橋基は、ケイ素を含むものが特に好ましい。これらの中でも最も好ましいものは置換インデニル環をケイ素で架橋された構造である。
1−2.プロピレン重合用触媒の製造方法(調製方法)
(1)接触方法
本発明による触媒は、上記の成分[A−1]、成分[A−2]、成分[B]、成分[C]及び成分[D]を同時にもしくは連続的に、あるいは一度にもしくは複数回にわたって、接触させることによって、形成させることができる。
接触順序としては、合目的的な任意の組み合わせが可能であるが、好ましいものを各成分について示せば、以下のとおりである。
(a)予め成分[C]と接触させた成分[B]に、成分[A−1]を接触させた後に、成分[D]を接触させ、さらに成分[C]を接触させた後、成分[A−2]を接触させる方法。
(b)予め成分[C]と接触させた成分[B]に、成分[A−1]を接触させた後に、さらに成分[C]を接触させて、成分[A−2]を接触させた後、成分[D]を接触させる方法。
(c)予め成分[C]と接触させた成分[D]を成分[B]に接触させた接触生成物に、予め成分[C]と接触させた成分[A−1]を接触させた後、成分[A−2]を接触させる方法。
(d)予め成分[C]と接触させた成分[A−1]を成分[B]に接触させ、予め成分[C]と接触させた成分[A−2]を接触させた後に、成分[D]を接触させる方法。
(e)予め成分[C]と接触させた成分[B]に、成分[D]を接触させた接触生成物に、成分[A−1]を接触させ、次に成分[A−2]を接触させる方法。
(f)予め成分[C]と接触させた成分[B]に、成分[A−1]を接触させ、次に成分[A−2]を接触させた後に、成分[D]を接触させる方法。
(g)予め成分[C]と接触させた成分[B]に、成分[A−1]と成分[A−2]、成分[D]を同時に接触させる方法。
以上のような例を示すことができ、これらの中で特に好ましくは、(a)予め成分[C]と接触させた成分[B]に、成分[A−1]を接触させた後に、成分[D]を接触させ、さらに成分[C]を接触させた後、成分[A−2]を接触させる方法、である。
本発明の効果を発現する反応機構に関しては、現在かならずしも明確ではないが、本発明者らは、次のように考察している。
すなわち、成分[D]を触媒成分中に添加した場合、遷移金属錯体を活性化したカチオン化錯体と助触媒のアニオンとの間に成分[D]が位置し、カチオン化錯体とアニオンのイオン相互作用の強度を変化させると考えられる。特に共重合に用いられる錯体である成分「A−2」のカチオン錯体と相互作用することにより、マクロマーが共重合可能な配位空間が広がり、高分子量側においてまで、マクロマーが挿入することができたと、考えられる。
そこで、本発明者らは、上記のような反応機構の考察に基づいて、そのような反応機構を最も発現する方法、つまり最も効果を有するような方法として、特定成分[D]と2つの遷移金属錯体成分[A]、特に成分「A−2」との組み合わせを、創意工夫することにより、より分岐が超高分子量成分にまで導入された好ましい重合体を効率よく製造できる方法を、見つけるに至った。
各成分の接触は、脂肪族炭化水素あるいは芳香族炭化水素溶媒中で、行うのが普通である。接触温度は、特に限定されないが、−20℃〜150℃の間で行うが、好ましくは0℃〜60℃の間で行い、更に好ましくは10℃〜30℃の間である。
(2)使用量
本発明で使用する成分[A−1]、成分[A−2]、成分[B]、[C]および[D]の使用量は、任意である。例えば、成分[B]に対する成分[A−1]と成分[A−2]の使用量は、成分[B]1gに対し、好ましくは0.1μmol〜100μmol、特に好ましくは0.5μmol〜50μmolの範囲である。また、成分[B]に対する成分[D]の使用量は、成分[B]1gに対し、好ましくは0.1μmol〜1000μmol、特に好ましくは0.5μmol〜500μmolの範囲である。但し、成分[A−2]に対する成分[D]のモル比率([D]/[A−2])は、0.1〜99.0であり、好ましくは1.0〜10.0である。
また、成分[A−1]、成分[A−2]、もしくは成分[D]に対する成分[C]の量は、モル比で、好ましくは0.01〜5×10、特に好ましくは0.1〜1×10、の範囲内が好ましい。
本発明で使用する成分[A−1]と成分[A−2]は、各成分[A−1]と[A−2]の合計モル量に対する成分[A−1]のモル量の割合{[A−1]/([A−1]+[A−2])}に関しては、0.20以上、0.99以下であり、好ましくは0.3以上、0.95以下であり、特に好ましくは0.4以上、0.9以下である。この割合を変化させることで、溶融物性と触媒活性のバランスを調整することが可能である。
つまり、成分[A−1]からは、低分子量の末端ビニルマクロマーを生成し、成分[A−2]からは、一部マクロマーを共重合した高分子量体を生成する。
したがって、成分[A−1]の割合を変化させることで、マクロマー濃度を変化させるこができ、それにより分岐量を変えることができる。
より分岐量を増やすことにより、分岐指数(g’)の低下した重合体を製造するために、成分[A−1]と[A−2]の合計モル量に対する[A−1]のモル量の割合は、0.20以上が必要であり、好ましくは0.30以上、より好ましくは0.40以上、さらに好ましくは0.50以上であり、特に好ましくは0.70以上である。また、上限に関しては0.99以下であり、高い触媒活性で効率的に本発明の重合体を得るためには、好ましくは0.95以下であり、より好ましくは0.93以下、さらに好ましくは0.90以下、特に好ましくは0.85以下の範囲である。
また、上記範囲で成分[A−1]を使用することにより、水素量に対する、平均分子量と触媒活性のバランスを調整することが可能である。
(3)予備重合
本発明の触媒は、これにオレフィンを接触させて少量重合されることからなる予備重合を実施することができる。
そこで予備重合するポリマー量は、成分[B]に対し重量比で、好ましくは0.01以上、さらに好ましくは0.1以上であり、上限は、経済性や取り扱いのためには100以下、さらに好ましくは50以下である。ここで成分[B]に対するポリマーの重量比のことを予備重合倍率と表現することもある。
また、予備重合に使用するオレフィンは、特に限定はないが、プロピレン、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、ビニルシクロアルカン、スチレン等を例示することができ、好ましくはプロピレンである。
オレフィンのフィード方法は、オレフィンを反応槽に定速的にあるいは定圧状態になるように維持するフィード方法やその組み合わせ、段階的な変化をさせる等、任意の方法が可能である。予備重合温度、時間は、特に限定されないが、各々−20℃〜100℃、5分〜24時間の範囲であることが好ましい。また、予備重合時に成分[C]を添加、又は追加することもできる。また、予備重合終了後に洗浄することも可能である。
なお、本発明で使用する触媒には、成分[A−1]、[A−2]、成分[B]、成分[C]及び成分[D]以外に、本発明の目的を損なわない範囲で、通常用いられるポリエチレン、ポリプロピレン等の重合体、シリカ、チタニア等の無機酸化物の固体等を添加してもよい。
2.触媒の使用/プロピレン重合
重合様式は、前記成分[A−1]、[A−2]、成分[B]、成分[C]及び成分[D]を含むプロピレン重合用触媒とモノマーが効率よく接触するならば、あらゆる様式を採用し得る。
具体的には、不活性溶媒を用いるスラリー法、不活性溶媒を実質的に用いずプロピレンを溶媒として用いる、所謂バルク法、溶液重合法あるいは実質的に液体溶媒を用いず各モノマーをガス状に保つ気相法などが採用できる。また、連続重合、回分式重合を行う方法も適用される。また、単段重合以外に、2段以上の多段重合することも可能である。
スラリー重合の場合は、重合溶媒として、ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の飽和脂肪族又は芳香族炭化水素の単独又は混合物が用いられる。
また、重合温度は、0℃以上150℃以下である。特に、バルク重合を用いる場合には、40℃以上が好ましく、更に好ましくは50℃以上である。また上限は、80℃以下が好ましく、更に好ましくは75℃以下である。
さらに、気相重合を用いる場合には、40℃以上が好ましく、更に好ましくは50℃以上である。また上限は100℃以下が好ましく、更に好ましくは90℃以下である。
重合圧力は、1.0MPa以上5.0MPa以下である。特に、バルク重合を用いる場合には、1.5MPa以上が好ましく、更に好ましくは2.0MPa以上である。また上限は、4.0MPa以下が好ましく、更に好ましくは3.5MPa以下である。
さらに、気相重合を用いる場合には、1.0MPa以上が好ましく、更に好ましくは1.5MPa以上である。また上限は3.0MPa以下が好ましく、更に好ましくは2.5MPa以下である。
さらに、分子量調節剤として、また、活性向上効果のために、補助的に水素をプロピレンに対して、モル比で1.0×10−6以上、1.0×10−2以下の範囲で用いることができる。
また、プロピレンモノマー以外に、炭素数2〜20(モノマーとして使用するものを除く)程度のα−オレフィンをコモノマーとして使用する共重合を行ってもよい。プロピレン系重合体中の(総)コモノマー含量は、0モル%以上、20モル%以下の範囲であり、上記コモノマーを複数種使用することも可能である。具体的には、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテンである。
この中では、本発明に係るプロピレン系重合体を溶融物性と触媒活性をバランスよく得るためには、エチレンを5モル%以下で用いるのが好ましい。特に、剛性の高い重合体を得るためには、重合体中に含まれるエチレンを1モル%以下になるように、エチレンを用いるのがよく、更に好ましくはプロピレン単独重合である。
3.プロピレン系重合体の分析
本発明では、特定の構造をもつ成分[A−1]からβ−メチル脱離反応により末端がビニル構造をもつマクロマーが生成し、更に、特定の構造をもつ成分[A−2]によりそのマクロマーが共重合されることにより、長鎖分岐構造をもつポリマーが生成するという特徴を有する。
そのような特定の構造をもつ成分[A−1]と[A−2]に関しては、前記したように、本発明者らは、特開2009−108247号公報(前記特許文献9)、および特開2009−057542号公報(前記特許文献10)に示すように、[A−2]として、ビスインデン構造をもつ錯体、およびビスアズレン構造をもつ錯体を使用する方法を見出している。
本発明で製造できるプロピレン系重合体は、触媒成分「D」を導入することにより、超高分子量領域(MW=300万以上)に、長鎖分岐が多く導入された重合体であることを特徴とする。また、長鎖分岐が多く導入されることにより、溶融張力(MT)が更に向上して、各種成形に有利となることが推察できる。
長鎖分岐量の定量化方法としては、13C−NMRや下記に示す3D−GPCによる測定方法が挙げられる。
本発明においては、下記に示す3D−GPC測定から算出する分岐指数(g’)を用いて、長鎖分岐量の評価を行った。
[3D−GPCによる分岐構造解析]
本明細書において、3D−GPCとは、3つの検出器が接続されたGPC装置をいう。かかる3つの検出器は、示差屈折計(RI)、粘度検出器(Viscometer)及び多角度レーザー光散乱検出器(MALLS)である。
示差屈折計(RI)および粘度検出器(Viscometer)を装備したGPC装置として、Waters社のAlliance GPCV2000を用いた。
また、光散乱検出器として、多角度レーザー光散乱検出器(MALLS)Wyatt Technology社のDAWN−Eを用いた。
検出器は、MALLS、RI、Viscometerの順で接続した。移動相溶媒は、1,2,4−trichlorobenzene(酸化防止剤のIrganox1076を0.5mg/mLの濃度で添加)である。流量は1mL/分である。カラムは、東ソー社 GMHHR−H(S) HTを2本連結して用いた。カラム、試料注入部および各検出器の温度は、140℃である。試料濃度は1mg/mLとした。注入量(サンプルループ容量)は0.2175mLである。
MALLSから得られる絶対分子量(M)、慣性二乗半径(Rg)およびViscometerから得られる極限粘度([η])を求めるにあたっては、MALLS付属のデータ処理ソフトASTRA(version4.73.04)を利用し、以下の文献を参考にして計算を行った。
参考文献:
1.Developments in polymer characterization, vol.4. Essex: Applied Science; 1984. Chapter1.
2.Polymer, 45, 6495−6505(2004)
3.Macromolecules, 33, 2424−2436(2000)
4.Macromolecules, 33, 6945−6952(2000)
[分岐指数(g’)の算出]
分岐指数(g’)は、サンプルを上記Viscometerで測定して得られる極限粘度(ηbranch)と、別途、線状ポリマーを測定して得られる極限粘度(ηlin)との比(ηbranch/ηlin)として、算出する。
ポリマー分子に長鎖分岐が導入されると、同じ分子量の線状のポリマー分子と比較して、慣性半径が小さくなる。慣性半径が小さくなると、極限粘度が小さくなることから、長鎖分岐が導入されるに従い、同じ分子量の線形ポリマーの極限粘度(ηlin)に対する分岐ポリマーの極限粘度(ηbranch)の比(ηbranch/ηlin)は小さくなっていく。
したがって、分岐指数(g’=ηbranch/ηlin)が1より小さい値になる場合には、分岐が導入されていることを意味し、その値が小さくなるに従い、導入されている長鎖分岐が増大していくことを意味する。
本発明により製造できるプロピレン系重合体は、長鎖分岐が多く導入されることに特徴があり、それにより溶融物性が向上する効果を有する。
したがって、本発明によるプロピレン系重合体は、分岐指数(g’)が、分子量(M)が300万のところで、0.82以下であることを特徴とし、さらには0.80以下であることを特徴とし、特には0.75以下であることを特徴とする。
4.プロピレン系重合体の溶融物性
本発明に係るプロピレン系重合体は、分岐量が増大しているために、溶融物性が顕著に改良される。すなわち、高い溶融張力を持つという特徴を有する。溶融張力の指標として、以下の測定方法で測定する溶融張力(MT)で表すことができる。
[溶融張力(MT)の測定]
溶融張力(MT)の測定方法について説明する。
東洋精機社製キャピログラフ1Bを用い、下記の条件で樹脂を紐状に押し出して、ローラーに巻き取っていった時にプーリーに検出される張力を溶融張力(MT)とする。
キャピラリー:直径2.1mm
シリンダー径:9.6mm
シリンダー押出速度:10mm/分
巻き取り速度:4.0m/分
温度:190℃
ここで、MTの値が大きい方が、溶融張力が高いことを意味する。
本発明のプロピレン系重合体は、分子量分布を広げ分岐を導入することにより、溶融張力が改善されており、したがって、MTは、60g以上であることが好ましい。
次に、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例における物性測定、分析等は、上記のプロピレン系重合体の分析と、下記の方法に従ったものである。
(1)メルトフローレート(MFR)
JIS K6758のポリプロピレン試験方法のメルトフローレート(試験条件:230℃、荷重2.16kgf)に従って、測定した。単位はg/10分である。
(2)3D−GPCによる分岐構造解析
上記本明細書記載の方法で行った。
(3)溶融張力(MT)の測定
上記本明細書記載の方法で行った。
[実施例1]
1.触媒成分の合成
[触媒成分[A−1]の合成例1]
(1)rac−ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−トリメチルシリル−フェニル)−インデニル}]ハフニウムの合成(成分[A−1]の合成):
ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−トリメチルシリル−フェニル)−インデニル}]ハフニウムの合成は、特開2009−299046号公報の実施例11に記載の方法と同様に、実施した。
[触媒成分[A−2]の合成例2]:
(1)rac−ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウムの合成(成分[A−2](錯体2)の合成):
rac−ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウムの合成は、特開平11―240909号公報の実施例7に記載の方法と同様に、実施した。
[触媒成分[D]の合成例3]:
(1)ジメチル[ビス{2−(2−メチル−5−フリル)−4−(4−i−プロピルフェニル)インデニル}]シランの合成:
(1−1)4−(4−i−プロピルフェニル)インデンの合成:
500mlのガラス製反応容器に、4−i−プロピルフェニルボロン酸15g(91mmol)、ジメトキシエタン(DME)200mlを加え、炭酸セシウム90g(0.28mol)と水100mlの溶液を加え、4−ブロモインデン13g(67mmol)、テトラキストリフェニルホスフィノパラジウム5g(4mmol)を順に加え、80℃で6時間加熱した。
放冷後、反応液を蒸留水500ml中に注ぎ、分液ロートに移しジイソプロピルエーテルで抽出した。エーテル層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾過し、溶媒を減圧留去して、シリカゲルカラムで精製し、4−(4−i−プロピルフェニル)インデンの無色液体15.4g(収率99%)を得た。
(1−2)2−ブロモ−4−(4−i−プロピルフェニル)インデンの合成:
500mlのガラス製反応容器に4−(4−i−プロピルフェニル)インデン15.4g(67mmol)、蒸留水7.2ml、DMSO200mlを加え、ここにN−ブロモスクシンイミド17g(93mmol)を徐々に加えた。そのまま室温で2時間撹拌し、反応液を氷水500ml中に注ぎ入れ、トルエン100mlで3回抽出した。トルエン層を飽和食塩水で洗浄し、p−トルエンスルホン酸2g(11mmol)を加え、水分を除去しながら3時間加熱還流した。反応液を放冷後、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾過し、溶媒を減圧留去して、シリカゲルカラムで精製し、2−ブロモ−4−(4−i−プロピルフェニル)インデンの黄色液体19.8g(収率96%)を得た。
(1−3)2−(2−メチル−5−フリル)−4−(4−i−プロピルフェニル)インデンの合成:
500mlのガラス製反応容器に、2−メチルフラン6.7g(82m1mol)、DME100mlを加え、ドライアイス−メタノール浴で−70℃まで冷却した。ここに1.59mol/Lのn−ブチルリチウム−n−ヘキサン溶液51ml(81mmol)を滴下し、そのまま3時間撹拌した。−70℃に冷却し、そこにトリイソプロピルボレート20ml(87mmol)とDME50mlの溶液を滴下した。滴下後、徐々に室温に戻しながら一夜撹拌した。
反応液に蒸留水50mlを加え加水分解した後、炭酸カリウム223gと水100mlの溶液、2−ブロモ−4−(4−i−プロピルフェニル)インデン19.8gg(63mmol)を順に加え、80℃で加熱し、低沸分を除去しながら3時間反応させた。放冷後、反応液を蒸留水300ml中に注ぎ、分液ロートに移しジイソプロピルエーテルで3回抽出した、エーテル層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾過し、溶媒を減圧留去して、シリカゲルカラムで精製し、2−(2−メチル−5−フリル)−4−(4−i−プロピルフェニル)インデンの無色液体19.6g(収率99%)を得た。
(1−4)ジメチル[ビス{2−(2−メチル−5−フリル)−4−(4−i−プロピルフェニル)インデニル}]シランの合成:
500mlのガラス製反応容器に、2−(2−メチル−5−フリル)−4−(4−i−プロピルフェニル)インデン9.1g(29mmol)、THF200mlを加え、ドライアイス−メタノール浴で−70℃まで冷却した。ここに1.66mol/Lのn−ブチルリチウム−ヘキサン溶液17ml(28mmol)を滴下し、そのまま3時間撹拌した。−70℃に冷却し、1−メチルイミダゾール0.1ml(2mmol)、ジメチルジクロロシラン1.8g(14mmol)を順に加え、徐々に室温に戻しながら一夜撹拌した。
反応液に蒸留水を加え、分液ロートに移し食塩水で中性になるまで洗浄し、硫酸ナトリウムを加え反応液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過し、溶媒を減圧留去して、シリカゲルカラムで精製し、ジメチル[ビス{2−(2−メチル−5−フリル)−4−(4−i−プロピルフェニル)インデニル}]シランの淡黄色固体8.6g(収率88%)を得た。
[触媒成分(B)の合成例]
イオン交換性層状珪酸塩の化学処理:
セパラブルフラスコ中で蒸留水3456gに96%硫酸(1044g)を加えその後、層状珪酸塩としてモンモリロナイト(水沢化学社製ベンクレイSL:平均粒径19μm)600gを加えた。このスラリーを0.5℃/分で1時間かけて90℃まで昇温し、90℃で120分反応させた。この反応スラリーを1時間で室温まで冷却し、蒸留水2400g加えた後にろ過したところケーキ状固体1230gを得た。
次に、セパラブルフラスコ中に、硫酸リチウム648g、蒸留水1800gを加え硫酸リチウム水溶液としたところへ、上記ケーキ上固体を全量投入し、更に蒸留水522gを加えた。このスラリーを0.5℃/分で1時間かけて90℃まで昇温し、90℃で120分反応させた。この反応スラリーを1時間で室温まで冷却し、蒸留水1980g加えた後にろ過し、更に蒸留水でpH3まで洗浄し、ろ過を行ったところ、ケーキ状固体1150gを得た。
得られた固体を窒素気流下130℃で2日間予備乾燥後、53μm以上の粗大粒子を除去し、更に215℃、窒素気流下、滞留時間10分の条件でロータリーキルン乾燥することにより、化学処理スメクタイト340gを得た。
この化学処理スメクタイトの組成は、Al:7.81重量%、Si:36.63重量%、Mg:1.27重量%、Fe:1.82重量%、Li:0.20重量%であり、Al/Si=0.222[mol/mol]であった。
2.触媒の調製
3つ口フラスコ(容積1L)中に、上で得られた化学処理スメクタイト10gを入れ、ヘプタン(66mL)を加えてスラリーとし、これにトリイソブチルアルミニウム(25mmol:濃度143mg/mLのヘプタン溶液を34.0mL)を加えて1時間攪拌後、ヘプタンで残液率が1/100になるまで洗浄し、全容量を50mLとした。
また、別のフラスコ(容積200mL)中で、前記触媒成分[A−1]の合成例1で作製したrac−ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−トリメチルシリル−フェニル)−インデニル}]ハフニウム(75μmol)をトルエン(15mL)に溶解し(溶液1)、
また、別のフラスコ(容積200mL)中で、前記触媒成分[D]の合成例1で作製したジメチル[ビス{2−(2−メチル−5−フリル)−4−(4−i−プロピルフェニル)インデニル}]シラン(75μmol)をトルエン(15mL)に溶解し(溶液2)、
更に、別のフラスコ(容積200mL)中で、前記触媒成分[A−2]の合成例2で作製したrac−ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム(75μmol)をトルエン(15mL)に溶解した(溶液3)。
先ほどの化学処理スメクタイトが入った1Lフラスコにトリイソブチルアルミニウム(0.42mmol:濃度143mg/mLのヘプタン溶液を0.6mL)を加えた後、上記溶液1(15mL)を加えて20分間室温で撹拌した。
その後、上記溶液2(15mL)を加えて20分間室温で撹拌した後、更にトリイソブチルアルミニウム(0.18mmol:濃度143mg/mLのヘプタン溶液を0.25mL)を加えた後上記溶液3(15mL)加えて、1時間室温で攪拌した。
その後、ヘプタンを170mL追加し、このスラリーを1Lオートクレーブに導入した。
オートクレーブの内部温度を40℃にしたのちプロピレンを5g/時の速度でフィードし、4時間40℃を保ちつつ予備重合を行った。その後、プロピレンフィードを止めて、1時間残重合を行った。得られた触媒スラリーの上澄みをデカンテーションで除去した後、残った部分に、トリイソブチルアルミニウム(6mmol:濃度143mg/mLのヘプタン溶液を8.5mL)を加えて5分攪拌した。
この固体を1時間減圧乾燥することにより、乾燥予備重合触媒28.6gを得た(触媒A)。予備重合倍率(予備重合ポリマー量を固体触媒量で除した値)は、1.86であった(触媒A)。
3.プロピレンの重合
3Lオートクレーブに加熱下窒素を流通させることにより、予めよく乾燥させた後、プロピレンで槽内を置換して室温まで冷却した。トリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液(144mg/mL)2.86mLを加え、水素を57Nml導入し、液体プロピレン750gを導入した後、70℃まで昇温した。
その後、上記で合成した触媒Aを、予備重合ポリマーを除いた重量で100mgを高圧アルゴンで重合槽に圧送し、重合を開始した。70℃で1時間保持した後、エタノールを加えて重合を停止した。
その結果、354gの重合体が得られた。MFRは0.7g/10minで、活性は3540gPP/g触媒・時間であった。結果を表1に纏めた。また、3D−GPCの結果を図1に示す。
[実施例2]
実施例1において、導入する触媒量を80mg導入し、水素を81Nml導入する以外は同様の重合を行った。
その結果、304gの重合体が得られた。MFRは1.3g/10minで、活性は3800gPP/g触媒・時間であった。結果を表1に纏めた。
[比較例1]
1.触媒の調製
3つ口フラスコ(容積1L)中に、上で得られた化学処理スメクタイト10gを入れ、ヘプタン(66mL)を加えてスラリーとし、これにトリイソブチルアルミニウム(25mmol:濃度143mg/mLのヘプタン溶液を34.0mL)を加えて1時間攪拌後、ヘプタンで残液率が1/100になるまで洗浄し、全容量を50mLとした。
また、別のフラスコ(容積200mL)中で、前記触媒成分[A−1]の合成例1で作製したrac−ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−トリメチルシリル−フェニル)−インデニル}]ハフニウム(75μmol)をトルエン(15mL)に溶解し(溶液1)、
更に、別のフラスコ(容積200mL)中で、前記触媒成分[A−2]の合成例2で作製したrac−ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウム(75μmol)をトルエン(15mL)に溶解した(溶液2)。
先ほどの化学処理スメクタイトが入った1Lフラスコにトリイソブチルアルミニウム(0.42mmol:濃度143mg/mLのヘプタン溶液を0.6mL)を加えた後、上記溶液1(15mL)を加えて20分間室温で撹拌した。
更にトリイソブチルアルミニウム(0.18mmol:濃度143mg/mLのヘプタン溶液を0.25mL)を加えた後、上記溶液2(15mL)加えて、1時間室温で攪拌した。
その後、ヘプタンを170mL追加し、このスラリーを1Lオートクレーブに導入した。
オートクレーブの内部温度を40℃にしたのちプロピレンを5g/時の速度でフィードし、4時間40℃を保ちつつ予備重合を行った。その後、プロピレンフィードを止めて、1時間残重合を行った。得られた触媒スラリーの上澄みをデカンテーションで除去した後、残った部分に、トリイソブチルアルミニウム(6mmol:濃度143mg/mLのヘプタン溶液を8.5mL)を加えて5分攪拌した。
この固体を1時間減圧乾燥することにより、乾燥予備重合触媒29.9gを得た(触媒B)。予備重合倍率(予備重合ポリマー量を固体触媒量で除した値)は、1.99であった(触媒B)。
2.プロピレンの重合
3Lオートクレーブに加熱下窒素を流通させることにより予めよく乾燥させた後、プロピレンで槽内を置換して室温まで冷却した。トリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液(144mg/mL)2.86mLを加え、水素を57Nml導入し、液体プロピレン750gを導入した後、70℃まで昇温した。
その後、上記で合成した触媒Bを、予備重合ポリマーを除いた重量で100mgを高圧アルゴンで重合槽に圧送し、重合を開始した。70℃で1時間保持した後、エタノールを加えて重合を停止した。
その結果、368gの重合体が得られた。MFRは0.6g/10minで、活性は3680gPP/g触媒・時間であった。結果を表1に纏めた。また、3D−GPCの結果を図1に示す。
[比較例2]
比較例1において、導入する水素を81Nml導入する以外は、同様の重合を行った。
その結果、390gの重合体が得られた。MFRは1.6g/10minで、活性は3900gPP/g触媒・時間であった。結果を表1に纏めた。
表1および図1から明らかなように、本発明のプロピレン重合用触媒Aを用いて重合した実施例1、2は、従来の方法の成分(D)を含有しない従来の方法の触媒Bの比較例1、2に比べて、例えば、実施例1では、分岐指数(g’)が0.80であって、比較例1の0.83に比べて、小さく、長鎖分岐が多く導入され、また、溶融張力(MT)が高いプロピレン系重合体を効率的に製造できることが分かる。
本発明のプロピレン重合用触媒は、長鎖分岐が導入された溶融物性を改良したプロピレン系重合体を簡便な手法で効率よく製造することができ、産業上、利用可能性が高いものである。また、本発明のプロピレン重合用触媒を用いて重合されたプロピレン系重合体は、長鎖分岐量が増大することにより、溶融張力や溶融粘弾性等の流動特性がよく、それに伴って、ブロー成形時にはスウェル比が高いために成形加工性に優れ、押出発泡成形時には強い歪硬化性を示すため独立気泡率を高くできる、ブロー成形や押出発泡成形などに好適に用いることができ、これまた、利用可能性が高いものである。

Claims (4)

  1. 少なくとも下記成分[A]〜[D]を含んでなること特徴とするプロピレン重合用触媒。
    成分[A]:周期表4族の遷移金属化合物である次の成分[A−1]及び[A−2]からそれぞれ選択される少なくとも二種の遷移金属化合物。但し、成分[A−1]と[A−2]との合計モル量に対する[A−1]のモル量の割合{[A−1]/([A−1]+[A−2])}が0.20〜0.99である。
    [A−1]:一般式(a1)で表される化合物。

    [一般式(a1)中、R11およびR12は、独立して、窒素、酸素または硫黄を含有する炭素数4〜16の複素環基を表す。R13およびR14は、独立して、ハロゲン原子、ケイ素、酸素、硫黄、窒素、ホウ素、リン若しくはこれらから選択される複数のヘテロ元素を含有してもよい炭素数6〜16のアリール基、または窒素、酸素若しくは硫黄を含有する炭素数6〜16の複素環基を表す。M11は、ジルコニウムまたはハフニウムを表し、X11及びY11は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基を有するシリル基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、アミノ基または炭素数1〜20のアルキルアミノ基を表す。Q11は、炭素数1〜20の二価の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基を有していてもよいシリレン基またはゲルミレン基を表す。]
    [A−2]:一般式(a2)で表される化合物。

    [一般式(a2)中、R21およびR22は、それぞれ独立して、炭素数1〜6の炭化水素基である。R23およびR24は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ケイ素、またはこれらから選択される複数のヘテロ元素を含有してもよい炭素数6〜30のアリール基である。Q21は、炭素数1〜20の二価の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基を有していてもよいシリレン基またはゲルミレン基を表す。M21は、ジルコニウムまたはハフニウムを表し、X21およびY21は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基を有するシリル基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、アミノ基または炭素数1〜20のアルキルアミノ基を表す。]
    成分[B]:アルミニウムオキシ化合物[B−1]、上記遷移金属化合物[A]と反応してカチオンに変換することが可能なイオン性化合物またはルイス酸[B−2]、固体酸微粒子[B−3]、およびイオン交換性層状珪酸塩[B−4]からなる化合物群から選ばれる少なくとも一種。
    成分[C]:有機アルミニウム化合物。
    成分[D]:それぞれ置換基を有していてもよい、インデン、フルオレン及びアズレン、並びに、下記一般式(2)で表されるシクロペンタジエン誘導体、からなる群から選択される少なくとも1つのシクロペンタジエン誘導体。

    [一般式(2)中、E a1 およびE a2 は、それぞれ独立して、シクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基またはアズレニル基であり、それぞれ置換基を有していてもよい。Q a1 は、炭素数1〜20の二価の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基を有していてもよいシリレン基またはゲルミレン基を表す。]
  2. 成分[B]がイオン交換性層状珪酸塩[B−4]であることを特徴とする請求項に記載のプロピレン重合用触媒。
  3. イオン交換性層状珪酸塩[B−4]がスメクタイト族であることを特徴とする請求項に記載のプロピレン重合用触媒。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載のプロピレン重合用触媒を用いることを特徴とするプロピレン系重合体の製造方法。
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