JP5271276B2 - 澱粉質原料としてα化玄米を用いる醤油の製造法 - Google Patents

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Description

本発明は、澱粉質原料としてα化米を使用する醤油の製造法の改良に係り、特に水分が1%(w/w)以下であり、α化度が40%以上であり、かつ焦臭を有していないα化玄米を、澱粉質原料として用いて、生醤油の濁度が低く、醤油の火入れ工程において、火入れオリ発生の少ない醤油を得る方法に関する。
日本の伝統的な醤油は、一般的には蛋白質原料と澱粉質原料が用いられ、蛋白質原料としては主として脱脂大豆又は大豆が、また澱粉質原料としては主として小麦が用いられる。蛋白質原料と澱粉質原料の配合比は、重量比で概略1対1である。そして、脱脂大豆は、蒸煮缶に入れ110〜140(w/w)%撒水し、大豆は精選、洗浄後蒸煮缶に入れ、水浸漬した後、水を抜き、1.0〜3.0kg/cm(ゲージ圧)の飽和水蒸気で、約10分から1時間蒸煮(現在大メーカーは連続蒸煮缶を使用している)する。このよく蒸煮された脱脂大豆又は大豆を35〜40℃程度に放冷(冷却)した後、これに小麦を精選し炒って(焙煎ともいう)4〜6つ割り程度に割砕した小麦と種麹(アスペルギルス・ソーヤ、アスペルギルス・オリーゼ又はアスペルギルス・タマリ)を加えて混合し、製麹室(大メーカーは、自動通風式製麹装置を使用している)に入れ、温度を調節しながら、42〜72時間製麹し、その後麹室から出す。この出麹を仕込みタンクに入れ、次いで食塩を清水に溶かし、適当な濃度に調整した塩水を混合して(これを仕込みという)、諸味を調製する。この諸味を約6カ月〜1年の間時々攪拌して発酵熟成を行ない、熟成した諸味を合成繊維の濾布の中に入れて包み、積み重ねて圧搾機にかけ、搾り出す。得られた清澄な液汁(これを生醤油又は生揚げ醤油という)を得る。この生醤油に若干の食塩水を添加してその成分の規格を調整し、火入れ殺菌し、エタノール又は防黴剤を添加した後、清澄オリ引きし、試験に合格した醤油は、よく洗った清潔なビン、缶などに詰め、王冠、栓などにより密封した後、ラベルを貼付して、醤油(製品)として出荷される。火入れ殺菌する工程を「火入れ工程」と呼ぶことがある。また火入れ工程後の醤油を「火入れ醤油」と呼ぶことがある。
このように、醤油は大豆と小麦を主たる原料として製造される、アミノ酸を主体とする旨味に富んだ調味料であるが、塩味が強く、色調が濃厚であるため、近年の消費者のマイルドな風味を有し、淡色な醤油を希望する嗜好にそわない欠点を有する。
従来、このような欠点を解消するため、上記醤油の製造法において、該澱粉質原料として、小麦に代えて、α化米(例えば、精白米、未熟米、死米、被害米、玄米、破砕精米、米粉、白糠等を、膨化、蒸煮、焙煎、又は炒煎等の加熱により変性を行って得られる米を指す)を用い醤油を製造する方法が知られている(特許文献1参照)。そして、この方法によれば、風味がマイルドで、しかも旨味に富む淡色な醤油を得ることができる利点を有する。
特開平10−276716号公報 特許第3120155号公報 特許第2936502号公報
しかし、本発明者らの検討によれば、α化米を蛋白質原料として用いる特許文献1に記載の醤油の製造法では、小麦を澱粉質原料とする通常の醤油の製造法に比べて、得られる生醤油の濁度が約2倍以上高く、且つ、火入れ工程でのオリの発生量が約2倍以上多いという課題が存在することが見出された。なお本明細書では火入れ工程において発生するオリを「火入れオリ」と称することがある。
本発明は、澱粉質原料として小麦に代えて、α化米を使用するにも拘らず、生醤油の濁度が通常の醤油と同程度に低く、また醤油の火入れ工程において、火入れオリ発生量が通常の醤油と同程度に少ない醤油を得ることを目的とする。
本発明者らは、上記α化米を使用する醤油の製造法において、上記不都合の生じないα化米を得るべく、米の表面を覆う糠層をもつ玄米に着目した。そして該玄米を温度190〜220℃の熱媒体で120〜180秒焙煎すると、水分1%以下、α化度40%以上で焦臭のないα化玄米が得られること、このα化米を醤油製造の澱粉質原料として使用するときは、上記課題を解決できることを見出し、本発明をなすに至った。本発明は、この知見に基づいて完成したものであって、以下の発明を包含する。
(1)蛋白質原料と澱粉質原料とを原料として用いて製麹及び発酵熟成を行い製造される醤油であって、前記澱粉質原料が、水分が1%(w/w)以下であり、α化度が40%以上であり、かつ焦臭を有していないα化玄米であることを特徴とする前記醤油。
(2)前記α化玄米が、玄米を、温度190〜220℃の熱媒体で120〜180秒焙煎することにより調製されたものである、(1)記載の醤油。
(3)蛋白質原料と澱粉質原料とを原料として用いて製麹及び発酵熟成を行う醤油の製造方法であって、前記澱粉質原料が、水分が1%(w/w)以下であり、α化度が40%以上であり、かつ焦臭を有していないα化玄米であることを特徴とする前記方法。
(4)前記α化玄米が、玄米を、温度190〜220℃の熱媒体で120〜180秒焙煎することにより調製されたものである、(3)記載の方法。
(5)水分が1%(w/w)以下であり、α化度が40%以上であり、かつ焦臭を有していないことを特徴とする醤油製造用α化玄米。
(6)玄米を、温度190〜220℃の熱媒体で120〜180秒焙煎することにより調製されたものである(5)記載の醤油製造用α化玄米。
本発明によれば、水分1%以下、α化度40%以上で焦臭がなく、醤油製造に適したα化玄米を容易に得ることができる。また本発明は、α化米を使用するにも拘らず、生醤油の濁度が低く、醤油の火入れ工程において、火入れオリ発生の少ない醤油を容易に得ることができる。
以下、この効果について詳述する。
通常の醤油の製造方法では、諸味の発酵熟成物を圧搾濾過して得られた生醤油は、80℃以上に加熱(これを火入れという)して最終製品(火入れ醤油)とする。この際に多量のオリ(火入れオリ)が発生するため、製品化に当たっては、一般に、火入れ工程後に柿渋等の蛋白凝集剤を加えてオリ引きし、更に珪藻土濾過により清澄化を行っている。火入れオリは、麹菌由来の酵素蛋白が熱凝固により不溶化し析出したもので、極めて微細で粘性が高く、沈殿後嵩容量で10%前後に達するものである。上記珪藻土濾過によりある程度の醤油が回収されるものの、濾過性が悪いために一部は廃棄せざるを得ず、最終製品の歩留まり低下を招くことになる。しかも濾過作業そのものが煩雑であり、更に濾過に用いられる大量の珪藻土は産業廃棄物としてその処理に難渋しているのが現状である(特許文献2参照)。
またこのように火入れ工程の際にオリが生じると、火入れ工程後の清澄に長期間必要となること、火入れ装置にオリが付着するので火入れ効率が低下すること、そして微細なオリが存在するので濾過性が低下するなどの問題が生ずる(特許文献3参照)。
このように火入れオリは醤油の生産性と作業性に影響を及ぼすことが大であり、それ故、火入れを行ったときにオリの発生しない、あるいは少ない生醤油の開発が望まれているのである。
本発明は、澱粉質原料として小麦に代えて、α化米を使用するにも拘らず、得られる生醤油の濁度が、小麦を澱粉質原料とする通常の醤油と同程度に低く、また火入れオリ発生量が通常の醤油製造法におけるのと同程度に少ない、画期的な効果を奏する醤油の製造法を提供する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において「玄米」とは、未精白米を意味する。未精白米は表面に糠の層を有する点において精白米と異なる。玄米としては、通常の玄米、破砕玄米、及び未熟米、被害米等の玄米が挙げられる。また、長粒硬質玄米(タイ産玄米など)を用いても良い。
本発明において、玄米を使用することは極めて重要である。精白米を澱粉質原料として用いるときは、得られる生醤油の濁度が高くなり、また火入れ工程において、火入れオリ発生が多くなるので、本発明の目的が達成できなくなる。これに対し、玄米を使用するときは、得られる生醤油の濁度が低く、醤油の火入れ工程において、火入れオリの発生が非常に少なくなる効果を奏する。
次に本発明において、玄米を温度190〜220℃の熱媒体と120〜180秒焙煎することも極めて重要である。玄米を温度190℃未満の熱媒体と接触加熱するときはα化度が40%以上であるα化玄米を得ることができない。反対に、220℃を越える熱媒体と接触するときは玄米に焦臭が付着し、最終製品の風味が劣化する危険性があるので好ましくない。
また、前述の温度条件で、120〜180秒間焙煎することも重要である。焙煎時間が120秒未満であるときはα化度が40%以上であるα化玄米を得ることができない。反対に、焙煎時間が180秒を越えるときは玄米に焦臭が付着し、最終製品の風味が劣化する危険性があるので好ましくない。
本発明において使用できる加熱媒体としては、加熱砂、加熱石、炎熱空気、乾熱空気、フライパン等が挙げられる。通常の醤油製造に用いられる小麦の焙煎機、流動焙焼機等を用いても良い。
上記のように、玄米を、温度190〜220℃の熱媒体で120〜180秒焙煎することにより、水分が1%(w/w)以下であり、α化度が40%以上であり、かつ焦臭を有していないα化玄米が得られる。水分の下限は特に限定されないが通常は、0.1%程度である。澱粉質原料のα化度が40%未満の場合、火入れ工程において、オリの析出量が多くなるので好ましくない。α化度の上限は特に限定されないが通常は約80%である。ここで「焦臭を有していない」とは、焙焼香以外に不快な異臭を殆ど或いは全く有していないことを意味する。本発明の醤油は、上述の、水分が1%(w/w)以下であり、α化度が40%以上であり、かつ焦臭を有していないα化玄米を澱粉質原料として用い、更に蛋白質原料を用いて製麹及び発酵熟成を行うことにより製造される。
本発明において「蛋白質原料と澱粉質原料とを原料として用いて製麹及び発酵熟成を行う」とは、通常の醤油の製造方法であれば特に限定されないが、典型的には以下の工程を含む:
(1)蛋白質原料と澱粉質原料との混合物に種麹(アスペルギルス・ソーヤ、アスペルギルス・オリーゼ又はアスペルギルス・タマリ)を加えて混合し、麹菌を繁殖させ、醤油麹を得る工程(製麹工程と呼ばれる)。
(2)前記工程(1)により得られた醤油麹を食塩水と混合して醤油諸味を得る工程(仕込み工程と呼ばれる)。
(3)前記工程(2)により得られた醤油諸味を発酵熟成する工程。
(4)前記工程(3)により得られた醤油諸味の発酵熟成物を圧搾濾過して清澄な液汁、すなわち生醤油を得る工程。
(5)必要に応じて、前記工程(4)により得られた生醤油を加熱殺菌して火入れ醤油を得る工程(火入れ工程と呼ばれる)。
(6)火入れ工程で生じた火入れオリを除去する工程。
次に、本発明で用いられる蛋白質原料及び加熱変性方法としては、通常の醤油の製造において用いられるものであれば特に限定されない。蛋白質原料としては、例えば脱脂大豆、大豆が挙げられる。加熱変性の方法としては、通常の蒸煮が挙げられる。すなわち、脱脂大豆の蒸煮は、蒸煮缶内で脱脂大豆に110〜140(w/w)%撒水し、1.0〜3.0kg/cm(ゲージ圧)の飽和水蒸気で、約10分から1時間蒸煮(現在大メーカーは連続蒸煮缶を使用している)することにより行うことができる。大豆の蒸煮は、大豆を精選し洗浄後に蒸煮缶に入れ、水漬した後に水を抜き、次いで飽和水蒸気を用い上記条件で蒸煮することにより行うことができる。
また、本発明で澱粉質原料として使用されるα化玄米は、α化した玄米を4〜6つ割り程度に割砕したものを用いることが好ましい。
蛋白質原料と澱粉質原料との配合比は、任意ではあるが、重量比で、例えば20:80〜80:20が好ましく、30:70〜70:30がより好ましい。
製麹方法は、温度25℃〜30℃、湿度95%〜100%に調整された空気を送風し製麹温度25〜35℃で、42〜72時間製麹室にて培養することが好ましい(こうして得られる麹を醤油麹という)。仕込み工程は、醤油麹を仕込みタンクに入れ、次いで食塩を清水に溶かし、適当な濃度に調整した塩水(例えば食塩濃度20〜25%)を、原料処理前の原料嵩容量に対し、1.0〜4.0容量倍混合して(これを仕込みという)、諸味を調製する。この諸味をそのまま、又はこれに必要に応じ仕込み時あるいは仕込み初期に醤油用乳酸菌(Pediococcus halophilus)あるいは醤油用酵母(Zygosaccharomyces rouxii)を添加し、15〜30℃で約6カ月〜1年の間時々攪拌して発酵熟成を行なう。発酵熟成した諸味を合成繊維の濾布の中に入れて包み、積み重ねて圧搾機にかけ、搾り出し、清澄な液汁(これを生醤油又は生揚げ醤油という)を得る。この生醤油に若干の食塩水を添加してその成分の規格を調整し、80〜85℃で30〜60分火入れ殺菌し、エタノール又は防黴剤を添加した後、4〜7日間清澄オリ引きし、上部の清澄部分を採取して火入れ醤油を得る。この火入れ醤油を品質検査し、検査に合格した醤油は、よく洗った清潔なビン、缶などに詰め、王冠、栓などにより密封した後、ラベルを貼付して、醤油(製品)として出荷される。
以下実施例を示して本発明をより具体的に説明する。
[実施例1]
(本発明のα化玄米の製造例)
市販の米飯用玄米を、精白することなくそのままで、表1に記載の条件で焙煎する。表1において、温度190〜220℃の熱風で120〜180秒加熱する条件は本発明の区分である。他の条件は比較例の区分である。そして、本発明及び比較例のα化玄米を得た。そして、各α化玄米のα化度、水分を測定した。その結果をそれぞれ表1及び表2に示した。
なお、焙煎には、大阪ガスエンジニアリング株式会社製流動焙煎装置(形式:FBDR―5−53D)を用いた。
また、α化度の測定は醤油の科学と技術(日本醸造協会)に従った。
また、水分の測定はしょうゆ試験法(日本醤油協会)の分析法に従った。
表1に、焙煎条件と玄米のα化度の関係を示す。
表2に、焙煎条件と玄米の水分の関係を示す。
Figure 0005271276
Figure 0005271276
表1の結果から、玄米の焙煎温度が、190℃未満(例えば180℃)の熱風と接触するときはα化度が40%以上であるα化玄米を得ることができないことが判る。また反対に、220℃を越える(例えば240℃)熱風と接触するときは玄米に焦臭が付着することが判る。
また、玄米の焙煎時間が120秒未満(例えば90秒)であるときはα化度が40%以上であるα化玄米を得ることができないことが判る。反対に、180秒を越えるときは玄米に焦臭が付着することが判る。
これに対し、玄米を温度190〜220℃の熱風で120〜180秒焙煎するときは、α化度が40%以上であるα化玄米が得られることが判る。
また、表1及び表2の結果から、玄米を温度190〜220℃の熱媒体で120〜180秒焙煎するときは、水分が1%(w/w)以下で、α化度が40%以上であるα化玄米が得られることが判る。
(比較例1)
比較のため、実施例1のα化玄米の製造法において、米飯用玄米の代わりに、米飯用精白米(精米歩合約90%)を用いる以外は、全く同様にして各種α化精白米を得た。得られた各種α化精白米のα化度、水分を実施例1と同様にして測定した。その結果をそれぞれ表3及び表4に示した。
表3に、焙煎条件と精白米のα化度の関係を示す。
表4に、焙煎条件と精白米の水分の関係を示す。
Figure 0005271276
Figure 0005271276
表3の結果から、精白米は焙煎温度160〜240℃と焙煎時間90〜200秒間の組合せにおいては、α化度はいずれの区分も20%以下で、目標の40%を大きく下回り、しかも220℃以上では、焦げて、苦味を呈するため、醸造用α化米として不適切であることが判る。
また、表4の結果から、焙煎温度160〜240℃と焙煎時間90〜200秒間の組合せにおいて得られるα化精白米は、水分がすべて1%以下であることが判る。
[実施例2]
(α化玄米を使用した醤油の製造例)
米飯用玄米を温度200℃で150秒流動焙煎してα化玄米を得た。これを通常の醤油製造法における澱粉質原料(焙煎小麦)の割砕粒度と同程度(4〜6つ割り程度)に割砕し、割砕α化玄米を得た。一方、一夜水浸漬し水切りした大豆を1.8kg/cm(ゲージ圧)の飽和水蒸気で20分間加圧蒸煮し蒸煮大豆を得た。上記割砕α化玄米と蒸煮大豆を、原料重量配合比で35対65となるように均一に混和し、これに種麹菌を接種し、湿度97%、温度30℃で42時間製麹して醤油麹を得た。次に、原料処理前の原料嵩容量に対し1.2容量倍の、食塩濃度24%の食塩水に、上記で得られた醤油麹を仕込み、以下15℃〜30℃で6ヶ月間発酵熟成させて圧搾し生醤油を得た。
(比較例)
(α化精白米を使用した醤油の製造法)
米飯用精白米(精米歩合約95%)を温度200℃で150秒流動焙煎してα化精白米を得た。
これを、上記実施例2の醤油の製造法と同様に処理して、比較例の生醤油を得た。
(対照例)
(焙煎α化小麦を使用した醤油の製造法)
小麦を温度200℃で150秒流動焙煎してα化小麦を得た。
これを、上記実施例2の醤油の製造法と同様に処理して、対照の生醤油を得た。
(火入れ試験)
実施例2、比較例及び対照例で得られた3種類の生醤油について、濁度を測定した。また、3種類の生醤油を、それぞれ、80℃60分間火入れし、その後4日間静置してオリ引きを行ない、全容積に対する火入れオリの容積の割合を測定した。
表5に、澱粉質原料の種別と生醤油の濁度の関係、および澱粉質原料の種別と火入れオリの割合の関係を示す。
濁度は、コロナ社製濁度計による。
火入れオリの割合は、火入れ直後の醤油を、1リットルメスシリンダーに1リットル採り、4日静置したとき肉眼で沈殿層の容積を計り、全容積1リットルに対する割合で示した。
Figure 0005271276
表5の結果から、α化玄米を使用した生醤油(実施例2)は、濁度が78ppm及び火入れオリの割合が10(v/v%)で、焙煎小麦を使用した通常の醤油(対照例)と対比すると、ほぼ同様に少ないことが判る。これに対し、α化精白米を使用した生醤油(比較例)は、濁度が205ppm及び火入れオリの割合が25(v/v%)で、通常の醤油(対照例)と対比すると、それぞれ2倍以上も高いことが判る。
次に実施例2、比較例及び対照例で得られた3種類の生醤油について、成分分析を行なった。分析方法はしょうゆ試験法(日本醤油研究所)に従った。表6に醤油の成分分析値を示す。
Figure 0005271276
表6の結果から、α化玄米を使用した生醤油(実施例2)は、焙煎小麦を使用した通常の生醤油(対照例)と対比すると、総窒素、食塩、還元糖、pHが殆ど同一であり、高品質の醤油であることが判る。また、本発明の生醤油の色度は28であって、対照のそれ20と比べると、非常に淡色であることが判る。したがって、本発明により得られた醤油は近年の消費者の淡色な醤油を希望する嗜好にも適うものであることが判る。

Claims (2)

  1. 蛋白質原料と澱粉質原料とを原料として用いて製麹及び発酵熟成を行い製造される醤油であって、前記澱粉質原料が、玄米を温度190〜220℃の熱媒体で120〜180秒焙煎することにより調製され、かつ水分が1%(w/w)以下であり、α化度が40%以上であα化玄米であることを特徴とする前記醤油。
  2. 蛋白質原料と澱粉質原料とを原料として用いて製麹及び発酵熟成を行う醤油の製造方法であって、前記澱粉質原料が、玄米を温度190〜220℃の熱媒体で120〜180秒焙煎することにより調製され、かつ水分が1%(w/w)以下であり、α化度が40%以上であα化玄米であることを特徴とする前記方法。
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