JP3120155B2 - 火入れオリの発生しない生揚醤油の処理法 - Google Patents
火入れオリの発生しない生揚醤油の処理法Info
- Publication number
- JP3120155B2 JP3120155B2 JP03020810A JP2081091A JP3120155B2 JP 3120155 B2 JP3120155 B2 JP 3120155B2 JP 03020810 A JP03020810 A JP 03020810A JP 2081091 A JP2081091 A JP 2081091A JP 3120155 B2 JP3120155 B2 JP 3120155B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- soy sauce
- burning
- fried soy
- raw fried
- silica sol
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Soy Sauces And Products Related Thereto (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、火入れオリの発生しな
い生揚醤油の処理法に関する。
い生揚醤油の処理法に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】そもそも醤油は大豆と小麦を原
料とし、原料処理後これを全て麹にし食塩水で仕込みを
行ない、その後半年〜1年位発酵熟成させて製造される
が、この発酵熟成させたものを圧搾濾過して得られた液
体は生揚醤油と呼ばれている。
料とし、原料処理後これを全て麹にし食塩水で仕込みを
行ない、その後半年〜1年位発酵熟成させて製造される
が、この発酵熟成させたものを圧搾濾過して得られた液
体は生揚醤油と呼ばれている。
【0003】生揚醤油は、各種添加物を加えて調合した
後、80℃以上の加熱を行なって製品(火入れ醤油)と
されている。これを火入れと称しているが、この際に多
量のオリが発生するため、製品化に当っては、一般に柿
渋等の蛋白凝集剤を加えてオリ引きし、更に珪藻土濾過
により清澄化を行なっている。火入れオリは、麹菌由来
の酵素蛋白が熱凝固により不溶化し析出したもので、極
めて微細で粘性が高く、沈殿後嵩容量で10%前後に達
するものである。上記珪藻土濾過によりある程度の醤油
が回収されるものの、濾過性が悪いために一部は廃棄せ
ざるを得ず、醤油の歩留まり低下を招くことになる。し
かも濾過作業そのものが煩雑であり、更に濾過に用いら
れる大量の珪藻土は産業廃棄物としてその処理に難渋し
ているのが現状である。
後、80℃以上の加熱を行なって製品(火入れ醤油)と
されている。これを火入れと称しているが、この際に多
量のオリが発生するため、製品化に当っては、一般に柿
渋等の蛋白凝集剤を加えてオリ引きし、更に珪藻土濾過
により清澄化を行なっている。火入れオリは、麹菌由来
の酵素蛋白が熱凝固により不溶化し析出したもので、極
めて微細で粘性が高く、沈殿後嵩容量で10%前後に達
するものである。上記珪藻土濾過によりある程度の醤油
が回収されるものの、濾過性が悪いために一部は廃棄せ
ざるを得ず、醤油の歩留まり低下を招くことになる。し
かも濾過作業そのものが煩雑であり、更に濾過に用いら
れる大量の珪藻土は産業廃棄物としてその処理に難渋し
ているのが現状である。
【0004】このように醤油の火入れオリは醤油の生産
性と作業性に影響を及ぼすことが大であり、それ故火入
れオリの発生しない生揚醤油の開発が望まれている。
性と作業性に影響を及ぼすことが大であり、それ故火入
れオリの発生しない生揚醤油の開発が望まれている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、火入れオ
リが発生しない生揚醤油の処理法につき鋭意検討を重ね
た結果、生揚醤油を必要最小限の温度条件で加温するこ
と及び処理すべき生揚醤油にシリカゾルを存在させるこ
とにより、所望の生揚醤油が得られることを見い出し
た。本発明は、斯かる知見に基づき完成されたものであ
る。
リが発生しない生揚醤油の処理法につき鋭意検討を重ね
た結果、生揚醤油を必要最小限の温度条件で加温するこ
と及び処理すべき生揚醤油にシリカゾルを存在させるこ
とにより、所望の生揚醤油が得られることを見い出し
た。本発明は、斯かる知見に基づき完成されたものであ
る。
【0006】即ち、本発明は、生揚醤油を加温した後シ
リカゾルを添加するか、生揚醤油にシリカゾルを添加し
た後に加温するか、又は生揚醤油にシリカゾルを添加し
つつ加温することを特徴とする火入れオリの発生しない
生揚醤油の処理法に係る。
リカゾルを添加するか、生揚醤油にシリカゾルを添加し
た後に加温するか、又は生揚醤油にシリカゾルを添加し
つつ加温することを特徴とする火入れオリの発生しない
生揚醤油の処理法に係る。
【0007】本発明の方法においては、生揚醤油を必要
最小限の温度条件で加温すること及び処理すべき生揚醤
油にシリカゾルを存在させるという二つの要件が必要で
ある。例えば40〜65℃の範囲で短時間加温したのみ
では、オリの発生は殆んど見られず、従ってこれを清澄
濾過しても火入れ工程におけるオリの発生は到底避けら
れない。また、従来より蛋白凝集剤又はオリ下げ剤とし
て用いられている柿渋や酵素剤等を添加しても、低温短
時間の加温条件下ではオリの凝集が殆んど見られず、従
って上記と同様、これを清澄濾過しても火入れ工程にお
けるオリの発生を防止することは不可能である。これに
対して本発明の上記二要件を採用すると、醤油の火入れ
前に既にオリを凝集除去することが可能であり、火入れ
オリの発生しない生揚醤油を製造することができる。こ
こで前者の温度条件とは、具体的には圧搾後の生揚醤油
を火入れ香の着成しない範囲及びアミラーゼ活性の消失
しない範囲の条件であり、その範囲内では特に制限はな
いが、通常50〜60℃程度でよい。また加温時間は、
温度条件に応じて適宜選択すればよく、例えば50〜6
0℃程度では1〜3時間程度である。またシリカゾルの
添加量としては、生揚醤油に対して通常0.01〜1重
量%程度、好ましくは0.05〜0.2重量%程度とす
るのがよい。シリカゾルの添加量が、上記範囲より少な
くなると、本発明の所期の目的が達成され難くなり、一
方上記範囲より多くなると、オリが多くなって醤油の歩
留まりが悪くなる傾向となるので、好ましくない。本発
明で用いられるシリカゾルとしては特に限定されず、従
来公知のものを広く使用でき、例えばコポロールSA
[大塚化学社製]等を挙げることができる。
最小限の温度条件で加温すること及び処理すべき生揚醤
油にシリカゾルを存在させるという二つの要件が必要で
ある。例えば40〜65℃の範囲で短時間加温したのみ
では、オリの発生は殆んど見られず、従ってこれを清澄
濾過しても火入れ工程におけるオリの発生は到底避けら
れない。また、従来より蛋白凝集剤又はオリ下げ剤とし
て用いられている柿渋や酵素剤等を添加しても、低温短
時間の加温条件下ではオリの凝集が殆んど見られず、従
って上記と同様、これを清澄濾過しても火入れ工程にお
けるオリの発生を防止することは不可能である。これに
対して本発明の上記二要件を採用すると、醤油の火入れ
前に既にオリを凝集除去することが可能であり、火入れ
オリの発生しない生揚醤油を製造することができる。こ
こで前者の温度条件とは、具体的には圧搾後の生揚醤油
を火入れ香の着成しない範囲及びアミラーゼ活性の消失
しない範囲の条件であり、その範囲内では特に制限はな
いが、通常50〜60℃程度でよい。また加温時間は、
温度条件に応じて適宜選択すればよく、例えば50〜6
0℃程度では1〜3時間程度である。またシリカゾルの
添加量としては、生揚醤油に対して通常0.01〜1重
量%程度、好ましくは0.05〜0.2重量%程度とす
るのがよい。シリカゾルの添加量が、上記範囲より少な
くなると、本発明の所期の目的が達成され難くなり、一
方上記範囲より多くなると、オリが多くなって醤油の歩
留まりが悪くなる傾向となるので、好ましくない。本発
明で用いられるシリカゾルとしては特に限定されず、従
来公知のものを広く使用でき、例えばコポロールSA
[大塚化学社製]等を挙げることができる。
【0008】上記の方法で処理された生揚醤油は、殆ん
ど火入れ香の着生がなく、またα−アミラーゼ活性が残
存しており、火入れ醤油とは明らかに異なっていた。
ど火入れ香の着生がなく、またα−アミラーゼ活性が残
存しており、火入れ醤油とは明らかに異なっていた。
【0009】
【発明の効果】本発明の方法で処理された生揚醤油は、
従来の生揚醤油及び加温処理済みの醤油とは異なり、い
かなる条件下で火入れしても火入れオリの発生がなく、
且つ二次オリも発生せず、以下に示す特徴を有してい
る。
従来の生揚醤油及び加温処理済みの醤油とは異なり、い
かなる条件下で火入れしても火入れオリの発生がなく、
且つ二次オリも発生せず、以下に示す特徴を有してい
る。
【0010】1) 火入れ後のオリ引き工程が不要であ
り、従ってオリ引きタンク、オリ引き時間を必要としな
い。
り、従ってオリ引きタンク、オリ引き時間を必要としな
い。
【0011】2) 完全清澄醤油を得るための濾過作業が
簡素化できるし、場合によっては全く濾過を必要としな
い清澄醤油を得ることも可能である。
簡素化できるし、場合によっては全く濾過を必要としな
い清澄醤油を得ることも可能である。
【0012】3) 火入れ後、即ビン詰めができる。
【0013】4) 珪藻土の使用が極めて少量で済むか、
又は全く使用しなくて済む。
又は全く使用しなくて済む。
【0014】5) 火入れオリの発生がないため、添加物
の吸着欠減が殆んどない。
の吸着欠減が殆んどない。
【0015】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明をより一層明ら
かにする。
かにする。
【0016】
【実施例1】45〜65℃の各温度で所定時間加温処理
した生揚醤油に、0.1%のコポロールSA[シリカゾ
ル、大塚化学社製]を添加し、充分撹拌してオリ下げし
た後、セライト濾過を行ない、清澄生揚醤油を得た。次
に85℃で3時間火入れを行ない、火入れ3日後の上澄
液の濁度、沈降オリ量を調べた。更に上澄液を45℃で
10日間加温し、二次オリ発生の有無を調べた。結果を
下記表1に示す。
した生揚醤油に、0.1%のコポロールSA[シリカゾ
ル、大塚化学社製]を添加し、充分撹拌してオリ下げし
た後、セライト濾過を行ない、清澄生揚醤油を得た。次
に85℃で3時間火入れを行ない、火入れ3日後の上澄
液の濁度、沈降オリ量を調べた。更に上澄液を45℃で
10日間加温し、二次オリ発生の有無を調べた。結果を
下記表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】
【実施例2】60℃で30分間加温処理した生揚醤油
に、0.1%のコポロールSAを添加し、充分撹拌して
オリ下げした後、セライト濾過を行ない、更に下記の火
入れ条件によって虐待試験を行ない、上澄液の濁度、沈
降オリ量を調べた。
に、0.1%のコポロールSAを添加し、充分撹拌して
オリ下げした後、セライト濾過を行ない、更に下記の火
入れ条件によって虐待試験を行ない、上澄液の濁度、沈
降オリ量を調べた。
【0019】火入れ条件 65℃2時間+85℃1時間 65℃2時間+85℃3時間 65℃2時間+85℃3時間+75℃2時間 結果を下記表2に示す。
【0020】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−175473(JP,A) 特開 昭60−27376(JP,A) 特公 昭36−1144(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/238
Claims (1)
- 【請求項1】 生揚醤油を加温した後シリカゾルを添加
するか、生揚醤油にシリカゾルを添加した後に加温する
か、又は生揚醤油にシリカゾルを添加しつつ加温する火
入れオリの発生しない生揚醤油の処理法であって、加温
の温度範囲が45〜65℃であることを特徴とする火入
れオリの発生しない生揚醤油の処理法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03020810A JP3120155B2 (ja) | 1991-02-14 | 1991-02-14 | 火入れオリの発生しない生揚醤油の処理法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03020810A JP3120155B2 (ja) | 1991-02-14 | 1991-02-14 | 火入れオリの発生しない生揚醤油の処理法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04258270A JPH04258270A (ja) | 1992-09-14 |
JP3120155B2 true JP3120155B2 (ja) | 2000-12-25 |
Family
ID=12037397
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03020810A Expired - Fee Related JP3120155B2 (ja) | 1991-02-14 | 1991-02-14 | 火入れオリの発生しない生揚醤油の処理法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3120155B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009081495A1 (ja) | 2007-12-26 | 2009-07-02 | Kikkoman Corporation | 澱粉質原料としてα化玄米を用いる醤油の製造法 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109965257A (zh) * | 2017-12-28 | 2019-07-05 | 广东美味鲜调味食品有限公司 | 一种酱油的生产方法 |
-
1991
- 1991-02-14 JP JP03020810A patent/JP3120155B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009081495A1 (ja) | 2007-12-26 | 2009-07-02 | Kikkoman Corporation | 澱粉質原料としてα化玄米を用いる醤油の製造法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04258270A (ja) | 1992-09-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3120155B2 (ja) | 火入れオリの発生しない生揚醤油の処理法 | |
EP0516491B1 (en) | Process for preparing pyrodextrin hydrolyzate by enzymatic hydrolysis | |
WO1990005461A1 (en) | Process for purifying blood plasma | |
CN114957501B (zh) | 一种提高刺槐豆胶提取率和品质的方法 | |
CN115215949B (zh) | 透明质酸钠及其提纯方法 | |
JP3130669B2 (ja) | 活性炭による醤油の脱色処理方法 | |
CN107722139A (zh) | 一种发酵液分级过滤快速制备透明质酸钠的方法 | |
CN106554896B (zh) | 一种料酒澄清剂及其制备方法 | |
JPH05239106A (ja) | 精製ガラクトマンナンの製造方法 | |
JPS6043949B2 (ja) | タン白質を主体とする混濁を生ずる液状食品の滓下げ方法 | |
JPS606187B2 (ja) | しようゆの清澄化方法 | |
JP3642501B2 (ja) | 酒類、調味料の製造方法 | |
JPH05239105A (ja) | 精製ガラクトマンナンの製造方法 | |
JP3130668B2 (ja) | 醤油諸味の圧搾濾過方法 | |
JPH0260597A (ja) | キサンタンガムの精製方法 | |
US3335012A (en) | Fruit juice clarification composition and process for its use | |
JP4087529B2 (ja) | 増粘剤の製造方法及び食品の製造方法 | |
Al-Khalili et al. | Filtration with a natural coagulant | |
CN105646731A (zh) | 一种制备高品质生物多糖的方法 | |
JPS583662B2 (ja) | 液体調味料の製造法 | |
JPS63101402A (ja) | ガラクトマンナンの精製法 | |
JP2939385B2 (ja) | 肉軟化剤およびその製造法 | |
CN113208092A (zh) | 老抽酱油及其生产方法 | |
JPS5933351B2 (ja) | 清酒の清澄化方法 | |
CN1243024C (zh) | 沙枣胶多糖脱色精制方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081020 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091020 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101020 Year of fee payment: 10 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |