JP5270797B2 - 電気紡糸用噴射ノズル及びこれを用いた電気紡糸装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電気紡糸用噴射ノズル及びこれを用いた電気紡糸装置に関し、さらに詳しくは、純粋電気紡糸、空気電気紡糸、および熱い空気を用いた空気電気紡糸を選択的に行えるようにしたものである。
一般に、電気紡糸とは、電圧の印加された繊維溶液を排出させて微細な直径の繊維を得ることをいう。
このような電気紡糸は、表面張力によって毛細管の端部にできた水滴に高電圧を与えるときに水滴の表面から微細フィラメントが放出される静電スプレー過程から変形したものである。
前記電気紡糸は、充分な粘度を持つ高分子溶液または溶融体に静電気力が与えられることにより繊維が形成される現象を利用したものであって、繊維原料液から微細な直径の繊維を得ることができる。よって、近年、前記電気紡糸は直径数〜数百nmのナノ繊維の製造に用いられている。
前記ナノ繊維は、従来の極細糸と比較して単位体積あたりの表面積が大きく、多様な表面特性や構造を持つ特性があって電気・電子及び環境・生命などの先端産業の必須素材として採用されており、その使用範囲も環境産業用濾過材、電気・電子産業用素材、医療用生体材料などに拡大しつつある。
前記ナノ繊維は、通常、空気で繊維原料液を噴射する電気紡糸用噴射ノズルを用いて製造している。
電気紡糸用噴射ノズルは、紡糸口金のボディ内に設けられ、繊維原料液を吐き出す原料液吐出し部と、紡糸口金のボディから前記原料液吐出し部の周りに設けられ、前記原料液吐出し部の周りから下部に連通した空気噴射孔を有する空気ノズル部とを含んでなり、原料液吐出し部から吐き出される繊維原料液を、空気噴射孔を介して原料液吐出し部の外側から下部への方向に供給される圧縮空気と共に噴射するのである。
また、前記電気紡糸装置は、前記電気紡糸用噴射ノズルから紡糸された繊維を捕集するコレクターを含む。
前記電気紡糸装置は、前記電気紡糸用噴射ノズルとコレクターにそれぞれ+電極と−電極を連結して電圧差による電気紡糸を行うものである。
前記電気紡糸用ノズルは、直径数〜数百nmのナノ繊維を電気紡糸するために繊維原料液を圧縮空気と共に噴射している。
前記電気紡糸用ノズルは、噴射が円滑に行われるように原料液吐出し部の端部が空気噴射孔内に挿入されるように設けられる。
ところが、前記電気紡糸用ノズルは、繊維原料液のみを吐き出させる一般電気紡糸を行う場合、繊維原料液が吐き出されながら紡糸された繊維が空気噴射孔に引っかかって空気噴射孔を塞ぐという問題点があって、高圧の空気噴射を介して、数〜数百nmの微細直径を有するナノ繊維を製造するときにのみ使用されるという問題点がある。
他の電気紡糸用ノズルは、前記原料液吐出し部の端部が空気噴射孔の外側に突出するようにしたものも提案されたことがある。
ところが、前記他の電気紡糸ノズルは、安定な電気紡糸のために原料液吐出し部の突出長さが1〜3mmに制限され、このような突出長さでは空気噴射なしで繊維原料液のみを吐き出させて純粋電気紡糸を行うことができないのである。
すなわち、繊維原料液のみを吐き出させて純粋電気紡糸する純粋電気紡糸用ノズルと、空気を供給して空気電気紡糸する電気紡糸用ノズルは、それぞれ別々に製作されて使用されているのである。
したがって、電気紡糸装置で繊維原料液のみを吐き出させて純粋電気紡糸する純粋電気紡糸用ノズルと空気を供給して空気電気紡糸する電気紡糸用ノズルをそれぞれ用いて、繊維直径の異なる多様な形態の組織層を有する製品を製造する場合、2タイプのノズルを別途備えなければならないので、高い設備費がかかり、作業中に電気紡糸用ノズルを随時取り替えて使用しなければならないという弊害があった。
また、前述した従来の電気紡糸用ノズルは、電極が紡糸口金のボディに直接連結されて原料液吐出し部内へ供給される溶液に電流が流れるようにするので、紡糸口金のボディから外部に磁場が漏れて電気紡糸が円滑でなく不安定になるのはもとより、磁場の漏洩に対する補完として高電圧を印加しなければならないという問題点があった。
その上、従来の電気紡糸用ノズルは、電極を直接連結するために導体としての金属材料からなっており、重量が重く、高い製造コストがかかるという問題点があった。
本発明の目的は、繊維原料液のみを紡糸する一般電気紡糸(Pure Electrospinning)、高圧の空気で繊維原料液を噴射させて微細な直径のナノ繊維を製造する空気電気紡糸(Air Electrospinning)、または高温、高圧の空気を用いて繊維原料液を噴射させて微細な直径のナノ繊維を製造する加熱空気電気紡糸(Hot Air Electrospinning)を選択的に行うことができる、電気紡糸用噴射ノズルおよびこれを用いた電気紡糸装置を提供することにある。
本発明の課題は、外部から繊維原料液が流入する原料液供給流路を有する第1ノズル体部材と、前記第1ノズル体部材の下部に突出するように取り付けられ、前記原料液供給流路から原料液の供給を受けて下方に吐き出すノズル部材と、前記第1ノズル体部材の下部側に分離可能に取り付けられる第2ノズル体部材とを含んでなり、前記第2ノズル体部材は、前記ノズル部材が挿入され、前記ノズル部材の下端部を覆い被せる、噴射口を下部に有する挿入部と、前記噴射口へ空気を供給する空気供給流路とを備える、電気紡糸用噴射ノズルを提供することにより解決される。
また、本発明の課題は、外部から繊維原料液が流入する原料液供給流路を有する第1ノズル体部材と、前記第1ノズル体部材の下部に突出するように取り付けられ、前記原料液供給流路から原料液の供給を受けて下方に吐き出すノズル部材と、前記第1ノズル体部材の下部側に分離可能に取り付けられるもので、前記ノズル部材が挿入され且つ前記ノズル部材の下端部を覆い被せる、噴射口を下部に有する挿入部および前記噴射口へ空気を供給する空気供給流路を備える第2ノズル体部材と、前記第1ノズル体部材の原料液供給流路に連結され、繊維原料液を貯留して電圧を印加する原料液電圧印加部材と、前記原料液電圧印加部材に繊維原料液を供給する原料液供給部と、前記空気供給流路へ空気を供給する空気供給部と、前記ノズル部材から吐き出された紡糸繊維をウェブとして捕集するコレクターとを含んでなる、電気紡糸装置を提供することにより解決される。
本発明によれば、一般電気紡糸(Pure Electrospinning)、空気電気紡糸(Air Electrospinning)および加熱空気電気紡糸(Hot Air Electrospinning)を選択的に行うことができるため、ナノウェブの組織と製品の形態に応じて紡糸の形態を自由に調整することができる。
また、本発明によれば、一つのライン工程上で紡糸形態を混用することができるため、多様な形態の組織層を積層させた製品を製造することができる。
また、本発明によれば、繊維原料液に電圧を印加することにより、低電圧でも安定な電気紡糸を行うことができる。
本発明の電気紡糸用噴射ノズルを示す断面図である。 本発明の電気紡糸用噴射ノズルを示す断面図である。 本発明の電気紡糸用噴射ノズルを示す概略図である。
図1に示すように、本発明のノズル部材10は、上下に貫通した流路が設けられており、流路の内部に供給を受けた原料液を下部の針部11へ吐き出すものである。
前記針部11は、前記流路と連通し且つ流路より小さい直径、すなわち微細直径を有する吐出口が内部に設けられており、後述の第2ノズル体部材30の噴射口32に挿入されて噴射口32内に位置する。
前記針部11は、前記ノズル部材10の端部に分離可能に取り付けられ、損傷の際に取り替えて整備することができるようにすることが好ましい。
前記針部11は、微細な直径を持つので、衝撃に折れ易いか撓み易い変形が発生するので、損傷の際に取り替えて簡単に整備することができるようにしたものである。
前記針部11は、前記ノズル部材10の端部に螺合によって分離可能に結合することを基本とする。その他にも、公知の結合構造で様々に変形実施することができる。
また、前記ノズル部材10は、導電性材料で製造して円滑な電気紡糸が行われるようにする。
一方、前記ノズル部材10は、第1ノズル体部材20の下部に取り付けられ、前記第1ノズル体部材20の下方に突出する。そして、前記ノズル部材10から突出した部分は第2ノズル体部材30の内部に挿入される。前記第2ノズル体部材30は前記第1ノズル体部材20と互いに分離可能に結合する。
前記第1ノズル体部材20の下部には、前記ノズル部材10の上部側が挿入されて取り付けられるノズル取付部21が設けられる。
前記ノズル取付部21には、前記ノズル部材10が螺合によって取り付けられる螺合部21aが設けられる。この螺合部21aを介してノズル部材10が分解可能に取り付けられる。
前記第1ノズル体部材20の内部には、前記ノズル部材10の内部、すなわち流路へ繊維原料液を供給する原料液供給流路22、および下部面に貫通して後述の第2空気流路33と連通する第1空気流路23が設けられる。
また、前記第1ノズル体部材20の下部には複数のノズル取付部21が一列に離隔して設けられ、該ノズル取付部21に複数のノズル部材10を挿入して取り付けることができる。
前記原料液供給流路22は、前記複数のノズル取付部21に挿入された複数のノズル部材10の流路に連通するメイン原料液供給路22a、および前記第1ノズル体部材20の上部面から前記複数のメイン原料液供給路22aに連通する複数の連結供給路22bとを含む。
前記連結供給路22bには、後述の原料液供給部70に連結される第1管連結口20aが結合される。この第1管連結口20aは原料液供給部から繊維原料液をメイン原料液供給路22aの内部へ供給する。
また、前記複数のノズル部材10は、上端部が前記原料液供給流路22、すなわちメイン原料液供給路22a内に一定の高さ突出するように取り付けられることが好ましい。
前記ノズル部材10は、図示してはいないが、前記ノズル部材10を把持するノズル取付用治具を用いて、上端部がメイン原料液供給路22a内に一定の高さ突出するようにノズル取付部21に結合する。
前記ノズル取付用治具は、前記ノズル部材10を把持した部分が前記第1ノズル体部材20の下部に係止されながら、ノズル部材10の上端部をメイン原料液供給路22a内に一定の高さ突出するように結合させるものである。
前記ノズル部材10の突出高さは繊維原料液の粘性に応じて変形実施できる。本発明では3〜5mm以内の高さで突出させることを基本とする。
前記ノズル部材10が前記原料液供給流路22の内部に不規則的に突出した場合には、前記連結供給路22bを介して繊維原料液が供給されると、低い高さで突出した前記ノズル部材10から順次繊維原料液を吐き出す。
したがって、複数のノズル部材10から電気放射されて捕集された繊維層にバラツキが発生するという問題がある。
前記ノズル部材10の上端部が前記メイン原料液流路22aの内周面と一致するように位置した場合には、前記連結供給路22bに近接した順に前記ノズル部材10へ繊維原料液が供給されて複数のノズル部材10から同時に電気紡糸されず、電気紡糸の後に捕集された繊維層にバラツキが発生するという問題がある。
これに対し、前記ノズル部材10の上端部が前記メイン原料液流路22aの内部に一定の高さで突出した状態で、前記原料供給液は、前記原料液供給流路22へ供給された後、前記メイン原料液流路22aの底面から段々満ちてきて、前記複数のノズル部材10の上端部が突出した高さで前記ノズル部材10へ同時に供給されるのである。
したがって、複数のノズル部材10から同時に繊維原料液が吐き出されて電気紡糸がなされるので、電気紡糸で捕集された繊維層にバラツキが発生しないのである。
一方、前記第1ノズル体部材20の下部には前述したように第2ノズル体部材30が分離可能に結合する。
前記第2ノズル体部材30は、前記第1ノズル体部材20の下部に分離可能に結合し、上部面には前記ノズル部材10の下部側が挿入される挿入部31が設けられる。
前記挿入部31の下部には、前記ノズル部材10の下端部、すなわち前記針部11の周りから下部へ空気を噴射する噴射口32が設けられる。
また、前記噴射口32内には前記ノズル部材10が配置され、前記ノズル部材10の外側へ空気が噴射される。
また、前記噴射口32は、空気供給流路から空気の供給を受けて前記針部11の周りから下方に空気を噴射する。
前記空気供給流路は、前記第1ノズル体部材20に設けられる前記第1空気流路23と、前記第1空気流路23および前記噴射口32に連通し、前記噴射口32へ空気を供給し、前記第2ノズル体部材30に設けられる第2空気流路33とを含む。
また、前記第1空気流路23は、第1ノズル体部材20の上部面に貫通し、貫通した上部には後述の空気供給部80に連結される第2管連結口(図示せず)が結合する。
前記第1ノズル体部材20と前記第2ノズル体部材30とが結合した状態で、前記ノズル部材10は、前記ノズル取付部21に取り付けられ、残りの部分が前記挿入部31内に挿入されて取り付けられる。前記針部11は前記挿入部31の下部に設けられる噴射口32内に配置される。
前記針部11は、端部が前記噴射口32の出口に挿入状態で位置する。
したがって、使用中に、前記針部11の端部では、繊維原料液が空気の流速によって吐き出された後、前記噴射口32の外側へ強く噴射される空気と共に噴射されてビーズが形成されないのである。
また、前記噴射口32は、供給された空気を針部11の吐出口の端部側へ案内して集中させることにより、繊維原料液が円滑に噴射されるようにする。
前記第2空気流路33は、前記第2ノズル体部材30の横方向の両側面部から横に噴射口32側へ貫通する第1流路33a、および前記第2ノズル体部材30の上部面から記前記第1流路33a側へ貫通する第2流路33bを含む。
前記第1流路33aには、第2ノズル体部材30の側面部側に開放された部分を塞ぐ栓部材40が結合する。
前記第2空気流路33は、前記第1空気流路23に連通するように上部面から垂直に第2流路33bを穿設し、前記第2流路33bと噴射口32とを連通させるために前記第2ノズル体部材30の横方向の両側面部から第1流路33aを水平に穿設するため、第1流路33aが第2ノズル体部材30の横方向の両側面部に貫設される。
したがって、前記栓部材40は、上述したように、第1流路33aの開放部分を塞ぎ、第1流路33aと第2流路33b、すなわち第2空気流路33を介して噴射口32へ流入する空気の流出を防止し、噴射口32へ空気を円滑に排出させる。
また、前記第2ノズル体部材30の上部面には横方向の両側にそれぞれ複数の締結溝52が隔設され、前記第1ノズル体部材20には前記締結溝52に対応するボルト貫通孔が設けられる。
前記第1ノズル体部材20と第2ノズル体部材30とは、ボルト貫通孔を貫通して締結溝52に締結される複数のボルト部材50によって互いに分離可能に結合する。その他にも、公知の結合手段を用いて多様に変形実施することができる。
前記第1ノズル体部材20の下部面と第2ノズル体部材30の上部面には前記第1空気流路23および第2空気流路33が連通するように穿設され、互いに雌雄構造で結合する結合部が備えられる。
前記結合部は、前記第2ノズル体部材30の上部面に突設され、第2空気流路33が貫通した結合案内突起34と、前記第1ノズル体部材20の下部面に前記結合案内突起34が結合するように凹設され、第1空気流路23が貫通した結合溝24とを含んでなる。
前記第1ノズル体部材20と第2ノズル体部材30は、結合案内突起34が結合溝24に結合しながら第1空気流路23と第2空気流路33とが正確に合致して組み立てられ、第1空気流路23と第2空気流路33との間も完全にシールするという効果がある。
前記結合案内突起34は第1空気流路23が穿設されて第1ノズル体部材20の下部面に突設され、前記結合溝24は第2空気流路33が穿設されて第2ノズル体部材30の上部面に設けられてもよい。
前述したように、結合案内突起34は第1ノズル体部材20の下部面と前記第2ノズル体部材30の上部面のいずれか一方に突設され、結合溝24は第1ノズル体部材20の下部面と前記第2ノズル体部材30の上部面のいずれか一方に設けられるように変形実施することができる。
前記第1ノズル体部材20と前記第2ノズル体部材30は、合成樹脂材で製造され、PEEK(Poly ether ether ketone)、アセタール(POM、Polyoxymethylene)およびMCナイロン(Mono Cast Nylon)のいずれか一つを用いて製造されることが好ましい。
前記PEEK、アセタールおよびMCナイロンは、耐熱性、耐薬品性、耐久性などの機械的性質に優れたエンジニアリグプラスチックであって、溶解成形可能な結晶性樹脂のうち、最も高い耐熱性を有するPEEKで製造することが最も好ましい。
前記第1ノズル体部材20と前記第2ノズル体部材30は、前記PEEK、アセタールまたはMCナイロンで製造されて高温、高圧の空気を用いて繊維原料液を噴射させる加熱空気電気紡糸(Hot Air Electrospinning)が可能である。
前記加熱空気電気紡糸は微細な直径のナノ繊維を製造する。
すなわち、前述した本発明の電気紡糸用噴射ノズルは、前記第2ノズル体部材30と前記第1ノズル体部材20とが結合した状態で、前記ノズル部材10へ繊維原料液を供給し、前記噴射口32へ高圧の空気を供給することにより、繊維原料液を空気噴射させる。
この場合、本発明の電気紡糸用噴射ノズルは、微細な直径のナノ繊維を製造する空気電気紡糸及び加熱空気電気紡糸を選択的に行うことができる。
また、本発明の電気紡糸用噴射ノズルは、図2に示すように、第2ノズル体部材30を前記第1ノズル体部材20から分離すると、前記ノズル部材10の針部11が外部に露出する。
すなわち、本発明の電気紡糸用噴射ノズルは、空気噴射なしで針部11を介して繊維原料のみを吐き出させて電気紡糸する一般電気紡糸が可能である。
前記針部11の端部は、前記第2ノズル体部材30と前記第1ノズル体部材20とが結合した状態で前記噴射口32の内部に挿入されて位置する。よって、空気を噴射させることなく電気紡糸を行うことは不可能である。
これは空気を噴射しなければ、挿入された針部11の端部から吐き出される繊維原料液が噴射口32にかかって円滑な電気紡糸が行われないためである。
よって、前記第2ノズル体部材30を分離して前記ノズル部材10の針部11を外部に完全に露出させることにより、空気を噴射しない一般電気紡糸が安定的に可能となる。
一方、前述した本発明の電気紡糸用ノズルを用いた電気紡糸装置は、図3に示すように、外部から繊維原料液が流入する原料液供給流路22が設けられた第1ノズル体部材20と、前記第1ノズル体部材20の下部に突出するように取り付けられ、前記原料液供給流路22から原料液の供給を受けて下方に吐き出すノズル部材10と、前記第1ノズル体部材20の下部側に分離可能に取り付けられるもので、前記ノズル部材10が挿入され且つ前記ノズル部材10の下端部を覆い被せる、噴射口32を下部に有する挿入部31、および前記噴射口32へ空気を供給する空気供給流路が設けられた第2ノズル体部材30と、前記第1ノズル体部材20の原料液供給流路22へ連結され、繊維原料液を一時的に貯留して繊維原料液に電圧を印加する原料液電圧印加部材60と、前記原料液電圧印加部材60に繊維原料液を供給する原料液供給部70と、前記空気供給流路へ空気を供給する空気供給部80と、前記ノズル部材10から吐き出された紡糸繊維をウェブとして捕集するコレクター90とを含む。
また、本発明の電気紡糸装置は、電圧を印加するいずれか一つの電極は前記原料液電圧印加部材60に貯留された繊維原料液に連結され、他の一つの電極は接地されることにより電圧差を発生させる電圧付与手段100をさらに含む。
前記原料液供給部70は、繊維原料液を貯留する原料液貯留タンク71、原料液貯留タンク71から原料液電圧印加部材60に連結される第1ホース72、および原料液電圧印加部材60から原料液供給流路22に連結される第2ホース73を含んでなり、繊維原料液を前記原料液電圧印加部材60を介して原料液供給流路22へ供給する。
また、第1ホース72または第2ホース73には繊維原料液の供給量を制御する流量制御弁が取り付けられる。この流量制御弁は前記原料液供給流路22へ供給される繊維原料液の供給量を制御することを可能にすることが好ましい。
前記第2ホース73は、前記第1ノズル体部材20の上部面で原料液供給流路22に取り付けられる第1管連結口20aに連結され、電流の流れる繊維原料液を原料液供給流路22へ供給する。
本発明の電気紡糸装置は、前述したように、原料液貯留タンク71から供給を受けた繊維原料液を原料液電圧印加部材60の内部に一時的に貯留させた後、繊維原料液に電圧を印加する。
電圧付与手段100は、いずれか一つの電極は原料液電圧印加部材60の内部に貯留された繊維原料液に連結され、他の一つの電極は接地されることにより、前記ノズル部材10と、前記ノズル部材10から電気紡糸されたウェブ状態の繊維を捕集する前記コレクター90との間に電気紡糸が可能な電圧差を与える。
前記コレクター90は、前記紡糸繊維を受け止める模造紙、不織布、フィルムなどの繊維捕集シート部材91aが巻き取られた前記第1巻取リール91と、前記第1巻取リール91から離隔して設けられ、前記第1巻取リール91に巻き取られた繊維捕集シート部材91aの端部が連結され、モーターによって回転して繊維捕集シート91aを巻き取る第2巻取リール92と、前記第1巻取リール91と前記第2巻取リール92との間に隔設され、第1巻取リール91から第2巻取リール92へ移動する繊維捕集シート部材91aの移動を案内する複数のガイドロール93と、前記第2巻取リール92側に設けられ、モーターによって回転して、繊維捕集シート部材上に捕集された紡糸繊維を巻き取る第3巻取リール94とを含んでなる。
すなわち、繊維原料液に電圧が印加されて電気紡糸がなされるので、前記第1ノズル体部材20と前記第2ノズル体部材30の外部へ磁場が漏れて電気紡糸が円滑でなく不安定になることを防止するのはもとより、コレクター90側との小さい電圧差でも安定な電気紡糸を実現することができる。
また、前記ノズル部材10の針部11を介して電気紡糸された繊維は、前記繊維捕集シート部材91aの表面にウェブとして捕集されて前記繊維捕集シート部材91aと共に移動しながら第3巻取リール94に巻き取られるのである。
前記第2巻取リール92に巻き取られた繊維捕集シート部材91aは、分離されて第1巻取リール91に再結合されることにより、再使用が可能である。
一方、前記2ノズル体部材30は、前記第1ノズル体部材20に対して結合または分離され、一般電気紡糸(Pure Electrospinning)、空気電気紡糸(Air Electrospinning)および加熱空気電気紡糸(Hot Air Electrospinning)を選択的に行うことができる。
これを含む前記第1ノズル体部材20と前記第2ノズル体部材30及びノズル部材10の実施例は詳しく上述したので、重複説明を回避するために説明を省略する。
前記空気供給部80は、空気を貯留する空気貯留タンク81と、前記空気貯留タンク81から第1流路23へ連結される空気供給管82と、前記空気供給管82に取り付けられ、前記空気供給管82の管路を開閉する空気調節弁83と、前記第1ノズル体部材20と第2ノズル体部材30との間に介在され、第2ノズル体部材30が分離または結合された状態を感知するセンサー84と、前記センサー84および前記空気調節弁83に連係し、センサー84から感知された信号で空気調節弁83を開閉する弁制御部85とを含んでなる。
前記弁制御部85は、前記第1ホース72及び第2ホース73の流量制御弁にも連係し、流量制御弁の開閉及び開閉量を制御することができる。
また、前記センサー84は、前記第1ノズル体部材20の下部面に取り付けられ、前記第2ノズル体部材30の上部面に接触する接触式感知センサーを使用する。
前記センサー84は、前記第2ノズル体部材30が前記第1ノズル体部材20の下部に対して結合または分離された状態を感知することを基本とし、その他の公知のセンサーに多様に変形実施することができる。
前記弁制御部85は、前記第2ノズル体部材30が分離された状態であることを感知した信号を前記センサー84から受信し、前記空気調節弁83が前記空気供給管82の管路を塞ぐように制御する。
したがって、前記第2ノズル体部材30が前記第1ノズル体部材20から分離されると、無駄な空気供給を遮断し、空気噴射なしで繊維原料液のみを前記針部11へ吐き出させて一般電気紡糸がなされるのである。
これに対し、前記第2ノズル体部材30が前記第1ノズル体部材に結合した状態では、前記センサー84がこれを感知して前記弁制御部85へ伝達する。
前記弁制御部85は、前記信号の伝達を受けて前記空気調節弁83を作動させて前記空気供給管82の管路を開くように制御する。
したがって、前記第2ノズル体部材30が前記第1ノズル体部材20に結合すると、前記噴射口32へ空気または加熱空気が供給され、前記ノズル部材10へ繊維原料液が供給されることにより、空気電気紡糸(Air Electrospinning)または加熱空気電気紡糸(Hot Air Electrospinning)がなされるのである。
本発明の電気紡糸装置は、前記第2ノズル体部材30の結合または分離状態を自動感知して空気供給を制御するので、空気供給を制御する別途の操作なしで電気紡糸の形態に応じて安定な電気紡糸を実現することができる。
本発明は、前述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨から逸脱することなく多様に変更して実施することができる。それらの変更実施も本発明の構成に含まれることを明かしておく。

Claims (10)

  1. 外部から繊維原料液が流入する原料液供給流路を有する第1ノズル体部材と、
    前記第1ノズル体部材の下部に突出するように取り付けられ、前記原料液供給流路から原料液の供給を受けて下方に吐き出すノズル部材と、
    前記第1ノズル体部材の下部側に分離可能に取り付けられる第2ノズル体部材とを含み、
    前記第2ノズル体部材は、前記ノズル部材が挿入され、前記ノズル部材の下端部を覆い被せる、噴射口を下部に有する挿入部と、前記噴射口へ空気を供給する空気供給流路とを備えることを特徴とする、電気紡糸用噴射ノズル。
  2. 前記第1ノズル体部材の下端に分離可能に結合し、前記噴射口内に位置する針部をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の電気紡糸用噴射ノズル。
  3. 前記空気供給流路は、前記第1ノズル体部材に設けられる第1空気流路と、前記第1空気流路および前記噴射口に連通し、前記噴射口へ空気を供給し、前記第2ノズル体部材に設けられる第2空気流路とを含み、
    前記第2空気流路は、前記第2ノズル体部材の横方向の両側面部から横に挿入部側に貫通する第1流路と、前記第2ノズル体部材の上部面から前記第1流路側に貫通する第2流路とを含むことを特徴とする、請求項1に記載の電気紡糸用噴射ノズル。
  4. 前記第1流路の両端部に結合して、前記第1流路から前記第2ノズル体部材の側面部へ開放された部分を塞ぐ栓部材をさらに含むことを特徴とする、請求項3に記載の電気紡糸用噴射ノズル。
  5. 前記第1ノズル体部材の下部面と前記第2ノズル体部材の上面部には第1空気流路および第2空気流路が互いに連通するように穿設され、互いに雄雌構造で結合する結合部が備えられることを特徴とする、請求項1に記載の電気紡糸用噴射ノズル。
  6. 前記第1ノズル体部材と前記第2ノズル体部材は、PEEK(Poly ether ether ketone)、アセタール(POM、Polyoxymethylene)およびMC(Mono Cast Nylon)ナイロンのいずれか一つを用いて製造されることを特徴とする、請求項1に記載の電気紡糸用噴射ノズル。
  7. 前記第1ノズル体部材の下部には、前記ノズル部材が取り付けられる複数のノズル取付部が隔設され、
    前記原料液供給流路は、前記複数のノズル取付部に取り付けられた複数のノズル部材の流路に連通し、それぞれのノズル部材へ繊維原料液を供給するメイン原料液供給路を含み、
    前記複数のノズル部材は、上端部が前記メイン原料液供給路内に一定の高さ突出するように取り付けられることを特徴とする、請求項1に記載の電気紡糸用噴射ノズル。
  8. 前記第1ノズル体部材と前記第2ノズル体部材との間に、前記第2ノズル体部材が分離または結合された状態を感知するセンサーが介在されることを特徴とする、請求項1に記載の電気紡糸用噴射ノズル。
  9. 外部から繊維原料液が流入する原料液供給流路を有する第1ノズル体部材と、
    前記第1ノズル体部材の下部に突出するように取り付けられ、前記原料液供給流路から原料液の供給を受けて下方に吐き出すノズル部材と、
    前記第1ノズル体部材の下部側に分離可能に取り付けられるもので、前記ノズル部材が挿入され且つ前記ノズル部材の下端部を覆い被せる、噴射口を下部に有する挿入部、および前記噴射口に空気を供給する空気供給流路を有する第2ノズル体部材と、
    前記第1ノズル体部材の原料液供給流路に連結され、繊維原料液を貯留して電圧を印加する原料液電圧印加部材と、
    前記原料液電圧印加部材に繊維原料液を供給する原料液供給部と、
    前記空気供給流路へ空気を供給する空気供給部と、
    前記ノズル部材から吐き出された紡糸繊維をウェブとして捕集するコレクターと、
    を含んでなることを特徴とする、電気紡糸装置。
  10. 前記空気供給部は、
    空気を貯留した空気貯留タンクと、
    前記空気貯留タンクから空気供給流路に連結される空気供給管と、
    前記空気供給管に取り付けられ、前記空気供給管の管路を開閉する空気調節弁と、
    前記第2ノズル体部材が前記第1ノズル体部材に分離または結合された状態を感知するセンサーと、
    前記センサーおよび前記空気調節弁に連係し、前記センサーで感知された信号で前記空気調節弁を開閉する弁制御部と、を含んでなることを特徴とする、請求項9に記載の電気紡糸装置。
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