JP5268189B2 - 圧力センサ - Google Patents
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Description
なお、板状のSi素子とその主面に接合された押圧部材とを備える圧力センサは、特許文献2〜6にもそれぞれ開示されている。
また、押圧部材には、Si素子の主面に直交する方向(以下、軸方向とも言う。)に作用する荷重の他に、軸方向と直交する方向(以下、横方向とも言う。)に振動する荷重が掛かることがある。このように横方向に振動する荷重が押圧部材に掛かる場合にも、Si素子(感圧抵抗体)に生じる抵抗変化の大きさに、この荷重の影響が生じることが分かってきた。即ち、従来の圧力センサでは、圧力Pを精度よく検出できないことがあった。
更に、本発明の圧力センサでは、Si素子の第1主面の面方位を{110}面とした圧縮型のSi素子とし、感圧抵抗体を、Si素子の<110>方向に延びる複数の感圧部位と、これらの端を接続する複数の方向転換部とを有する蛇行状としている。しかも、上記方向転換部の形状を円弧状としている。このような形態とすることで、感圧抵抗体は、<110>方向に延びる感圧部位において、高い感度で圧力Pに応じた抵抗変化を生じさせ得る上、方向転換部にも<110>方向に延びる成分を持たせているため、この方向転換部においても、圧力Pに応じた抵抗変化を生じさせ得る。このため、感圧抵抗体全体として、圧力Pに応じた抵抗変化を大きく生じさせることができる。
なお、{110}面は、(110)面またはこれと等価な面方位を指す。また、<110>方向は、[110]方向またはこれと等価な結晶方向を指す。また、後述する<100>方向は、[100]方向またはこれと等価な結晶方向を指す。
更に、本発明の圧力センサによれば、感圧抵抗体は、複数の感圧部位の<110>方向の寸法が、感圧体領域の中心から<100>方向に遠ざかるにつれて小さくなる形態とされている。個々の感圧部位の感度自体は変わらないが、偏荷重や横方向に振動する荷重により受ける応力が変わりやすい周囲により短い感圧部位を設け、偏荷重や横方向に振動する荷重により受ける応力が変わりにくい中央付近により長い感圧部位を設けることで、感圧抵抗体全体で見たときの偏荷重や横方向に振動する荷重に対する感度を下げることができる。これにより、押圧部材に掛かる荷重に偏荷重成分や横方向に振動する荷重が含まれていても、感圧抵抗体に生じる抵抗変化の大きさにこれらの荷重の影響が特に生じ難くなる。従って、圧力Pを特に精度よく検出できる。
更に、本発明の圧力センサでは、感圧抵抗体が感圧体領域の中心を中心とする点対称形とされている。このような形態とすることで、圧力Pにより押圧部材に掛かる荷重に偏荷重成分や横方向に振動する荷重が含まれていても、感圧抵抗体に生じる抵抗変化の大きさにこれらの荷重の影響が特に生じ難い。従って、圧力Pを特に精度よく検出できる。
更に、本発明の圧力センサでは、感圧抵抗体は、これが内接する仮想円の直径がSi素子の短辺の長さの2分の1以下となる形態とされている。このように感圧抵抗体が形成される感圧体領域をコンパクトにすることにより、偏荷重や横方向に振動する荷重による応力の偏りが生じやすい第1主面の周辺部分における応力変化の影響を受け難くできる。従って、圧力Pを特に精度よく検出できる。
一方、金属部材は前述の凸曲面をなす。このため、押圧部材(金属部材)の凸曲面の頂点が、これに当接する部材から圧力Pに応じた力を受けたときに、ガラス部材が金属部材を介して保護されているので、ガラス部材が割れにくい。従って、この点でも信頼性が高い圧力センサとすることができる。
なお、この圧力センサは、例えばグロープラグに内蔵するなど、他の内燃機関用の部材と兼用することができる。
ハウジング本体部111は、軸線AX方向の寸法が大きく、ハウジング110の大部分を構成している。このハウジング本体部111の内側には、後述する圧力検出機構120や配線基板170などが収容されている。また、ハウジング本体部111の外周のうち、軸線AX方向の中央付近の所定位置には、この筒内圧センサ付きグロープラグ100を図示しない内燃機関(ディーゼルエンジン)に取り付けるためのネジ部111cが周設されている。なお、図1、図2及び図4の各図において、ネジ山の図示は省略してある。
このうち先端部材121は、金属(具体的にはSUS430、SUJ)からなり、先端面121aが平面(具体的には円状の平面)をなし、基端面121bが、基端側に向けて突出してその中央が頂点となるドーム状の凸曲面をなす。この先端部材121の先端面121aは、後述するヒータ150の基端面150bに当接している。一方、この先端部材121の基端面121bは、その中央の頂部が次述する中間部材123の先端面123aに当接している。
中間部材123は、金属(具体的にはSUS430)からなり、先端面123aと、これに平行な基端面123bを有する板状(具体的には円板状)をなす。この中間部材123の先端面123aは、上述のように、先端部材121の基端面121bに当接している。一方、この中間部材123の基端面123bは、次述する押圧部材125の先端面125aに当接している。
前述の圧力検出機構120には、3本の配線165,165,165が接続されている。これらの配線165,165,165は、圧力検出機構120から基端側に向けて延びて後述する配線基板170にそれぞれ接続されている。また、ヒータ150にも、1本の配線(図示外)が接続され、基端側に向けて延びて配線基板170に接続されている。
先端面125aは、先端側(図6、図7及び図10中、上方)に向けて突出してその中央が頂点125azとなるドーム状の凸曲面をなす。この凸曲面(先端面125a)は、Si素子130の第1主面130aの各外周辺130aj上まで形成されている。また、この頂点125azは、厚み方向に見て、Si素子130の第1主面130aの中心H、第1主面1303aの感圧体領域130arの中心K、及び、第1主面130aの接合領域130eの中心J、及び、感圧抵抗体131の中心Gとそれぞれ重なっている(図7参照)。
この押圧部材125は、図10に縦断面図を示すように、ガラスからなるガラス部材125eと、このガラス部材125eの先端側の表面125eaに被着され、押圧部材125の先端面125aをなす金属層(金属部材)125fとからなる。
また、感圧抵抗体131は、感圧体領域130arの中心Kを中心とする点対称形とされている。このような形態とすることで、筒内圧Pにより押圧部材125に掛かる荷重に偏荷重成分や横方向に振動する荷重が含まれていても、感圧抵抗体131に生じる抵抗変化の大きさにこれらの荷重の影響が特に生じ難い。従って、筒内圧Pを特に精度よく検出できる。
一方、ガラス部材125eの先端側の表面125eaには、凸曲面をなす金属層125fが被着されている。このため、押圧部材125(金属層125f)の凸曲面(先端面)125aの頂点125azが、これに当接する中間部材123から筒内圧Pに応じた力を受けたときに、ガラス部材125eが金属層125fに保護されているので、ガラス部材125eが割れにくい。従って、この点でも信頼性が高い筒内圧センサ付きグロープラグ100とすることができる。
また、感圧抵抗体131は、これが内接する仮想円NEの直径RNが、Si素子130の一辺の長さTNの2分の1以下となる形態とされている。このように感圧抵抗体131が形成される感圧体領域131arをコンパクトにすることにより、偏荷重や横方向に振動する荷重による応力の偏りが生じやすい第1主面130aの周辺部分における応力変化の影響を受け難くできる。従って、筒内圧Pを特に精度よく検出できる。
また、感圧抵抗体131は、前述のように押圧部材125による押圧力を直接受けるように配置されているので、感圧抵抗体131が内接する仮想円NEの外側に感温抵抗体133を配置することで、感温抵抗体133に押圧部材125による押圧力の影響を生じ難くすることができる。従って、感温抵抗体125の圧力依存性を特に小さくできる。
また、本実施形態の筒内圧センサ付きグロープラグ100は、Si素子130の第2主面130bに接合されてSi素子130を支持する支持部材127を備えるので、耐荷重性が高い。
次いで、第2の実施形態について説明する。上記実施形態1の筒内圧センサ付きグロープラグ100の押圧部材125は、ガラス部材125eと、このガラス部材125eの表面125eaに被着された金属層125fとから構成されている(図10参照)。これに対し、本実施形態2の筒内圧センサ付きグロープラグ100の押圧部材225は、基端側に位置するガラス部材(ガラス層)225eと、先端側に位置する金属部材225fとから構成されている点が、上記実施形態1と異なる(図11参照)。それ以外は、基本的に上記実施形態1と同様であるので、上記実施形態1と同様な部分の説明は、省略または簡略化する。
ガラス部材225eは、基端側に位置し、平坦な先端面225eaと、これに平行な基端面225bとを有する板状(層状)をなす。このガラス部材225eの基端面225bは、押圧部材225の基端面225bでもある。
金属部材225fは、ガラス部材225eの先端側に位置し、凸曲面をなす先端面225aと、平坦な基端面225fbとを有する。この金属部材225fの先端面225aは、押圧部材225の先端面225aでもある。
一方、押圧部材225の先端側は、金属部材225fからなる。このため、押圧部材225(金属部材225f)の凸曲面(先端面225a)の頂点225azが、これに当接する中間部材123から筒内圧Pに応じた力を受けたときに、ガラス部材225eが金属部材225fを介して保護されているので、ガラス部材225eが割れにくい。従って、この点でも信頼性が高い筒内圧センサ付きグロープラグ200とすることができる。その他、上記実施形態1と同様な部分は、上記実施形態1と同様な作用効果を奏する。
例えば、上記実施形態1,2では、グロープラグに圧力検出機構120を内蔵した形態の圧力センサ100,200を例示したが、これに限らず、グロープラグとしての機能を有さずに、筒内圧Pの検出を行う圧力センサを構成することもできる。
また、上記実施形態1,2では、Si素子130の高温耐性を向上させるために、Si素子130をSOI基板としているが、筒内圧センサ付きグロープラグ100,200を適宜変更することにより、Si素子130が高温環境下に晒されない構成とする場合には、Si素子130をSOI基板以外のSi素子としてもよい。
120 圧力検出機構
125,225 押圧部材
125a,225a 先端面(凸曲面)
125aj 外周縁
125az,225az 頂点
125b,225b 基端面
125e,225e ガラス部材
125ea 表面
125f 金属層(金属部材)
225f 金属部材
127 支持部材
127a 先端面
127b 基端面
130 Si素子
130a 第1主面
130aj 外周辺
130ar 感圧体領域
130ah1,130ah2,130ah3,130ah4 角部
130b 第2主面
130e 接合領域
130f1,130f2,130f3,130f4 非接合領域
131 感圧抵抗体
131c 感圧部位
131d 方向転換部
133 感温抵抗体
133c 感温部位
133d 方向転換部
140 素子接合体
150 ヒータ
AX 軸線
G (感圧抵抗体の)中心
H (第1主面の)中心
J (接合領域の)中心
K (感圧体領域の)中心
LA 寸法
NE 内接円
RN 直径
TN 長さ
Claims (10)
- 第1主面及びこれに平行な第2主面を有する矩形板状をなし、検出対象である圧力Pにより自身に生じる応力を検出するSi素子と、
前記Si素子の前記第1主面に接合し、前記圧力Pに応じた押圧力により前記第1主面を押圧して、前記Si素子を厚み方向に圧縮する押圧部材と、
を備える圧力センサであって、
前記Si素子は、
前記第1主面の面方位が{110}面とされてなり、
前記第1主面に形成され、前記圧力Pに応じて自身の第1抵抗値が変化する感圧抵抗体を有し、
前記押圧部材は、
前記第1主面に接合してなり、前記第1主面の4つの角部を避けつつ、前記第1主面を囲む4つの外周辺までそれぞれ達する形態とされ、
自身から見て前記Si素子側とは逆方向の外側に位置し、前記逆方向に突出するドーム状の凸曲面を有し、
この凸曲面の頂点と、前記Si素子の前記第1主面のうち、前記感圧抵抗体が形成された感圧体領域の中心とが、前記Si素子の厚み方向に見て互いに重なる形態とされてなり、
前記感圧抵抗体は、
蛇行状とされてなり、
前記Si素子の<110>方向に延び、互いに間隔をあけて並ぶ複数の感圧部位と、
互いに隣り合う前記感圧部位の端同士を接続する方向転換部であって、円弧状を有する複数の方向転換部と、を有し、
複数の前記感圧部位の<110>方向の寸法が、前記感圧体領域の中心から<100>方向に遠ざかるにつれて小さくなる形態とされてなり、
前記感圧体領域の中心を中心とした点対称形とされてなり、かつ、
前記第1主面においてこの感圧抵抗体が内接する仮想円の直径が、前記第1主面の短辺の長さの2分の1以下となる形態とされてなる
圧力センサ。 - 請求項1に記載の圧力センサであって、
前記感圧抵抗体は、
前記感圧体領域の中心が前記第1主面の中心に一致する形態に配置されてなる
圧力センサ。 - 請求項1または請求項2に記載の圧力センサであって、
前記押圧部材の前記凸曲面は、
前記Si素子の4つの前記外周辺上までそれぞれ達する形態とされてなる
圧力センサ。 - 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の圧力センサであって、
前記押圧部材は、
ガラスからなり、前記Si素子の前記第1主面に接合するガラス部材と、
金属からなり、このガラス部材の前記逆方向側に位置し、前記凸曲面をなす金属部材と、を有する
圧力センサ。 - 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の圧力センサであって、
前記感圧体領域は、円状とされてなる
圧力センサ。 - 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の圧力センサであって、
前記感圧抵抗体は、
その全体が、前記第1主面のうち、前記押圧部材が接合している接合領域内に配置されてなる
圧力センサ。 - 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の圧力センサであって、
前記Si素子は、
前記第1主面に形成され、このSi素子の温度Tに応じて自身の第2抵抗値が変化する一方、前記圧力Pによる抵抗値変化率が前記感圧抵抗体よりも小さい感温抵抗体であって、
前記第1主面の4つの前記角部のいずれかに配置されてなる感温抵抗体を有する
圧力センサ。 - 請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の圧力センサであって、
前記Si素子は、SOI基板である
圧力センサ。 - 請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の圧力センサであって、
前記Si素子の前記第2主面に接合され、前記Si素子を支持する支持部材を更に備える
圧力センサ。 - 請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の圧力センサであって、
前記圧力センサは、
内燃機関に取り付け可能で、
内燃機関の筒内圧の変化に応じて、前記押圧部材による前記第1主面の押圧力が変化する形態に構成されてなる
圧力センサ。
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