JP5266759B2 - 鉛蓄電池 - Google Patents

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Description

本発明は、電槽の上端部を覆う電槽蓋に、電解液の液面を検知する液面センサ等の電気部品と、この電気部品と繋がる電子回路部品とが取り付けられた鉛蓄電池に関するものである。
近年、アイドリングストップシステムやエアコン、ブレーキ、パワーステアリング等、補機類の電子化が進んでおり、従来にもまして蓄電池の信頼性が要求され、蓄電池の充電状態、劣化状態を正確に検知するための技術が必要になってきている。例えば液式の鉛蓄電池のなかには、メンテナンス時に、電槽のセル室内に注液されている電解液の液面が所定高さより低下していないかどうかを検査するために、電槽蓋に液面センサと液面検出回路が取り付けられていて、電解液の液面が所定高さより低下した場合に、ブザーやランプ等の警報装置を作動させるようにしたものがあった(例えば、特許文献1〜3参照。)。
上記鉛蓄電池の一例を図15に示す。この鉛蓄電池は、電槽1の上端部を覆う電槽蓋2に液面センサ装着部2aが設けられ、この液面センサ装着部2aに液面センサ3が装着されると共に、この電槽蓋2に凹部2bが形成され、この凹部2bに電子回路基板4が収納されるようになっている。また、この電槽蓋2の上面からは、鉛蓄電池の正負の端子5、6が突出している。
液面センサ3は、電槽1のセル室内に注液されている電解液の液面が所定高さ以上であるかどうかを検知するセンサであり、電子回路基板4は、この液面センサ3からのセンサ信号に基づいて電解液の液面が所定高さより低下したことを検出する液面検出回路を実装した基板である。また、この電子回路基板4の基板上面には、電解液の液面が所定高さより低下したことを液面検出回路が検出した場合に警報を発するLED4aとブザー4bが実装されると共に、この液面検出回路の電源をON/OFFするスイッチ4cも実装されている。この電子回路基板4を収納した凹部2bは、適宜凹部蓋で覆ったり樹脂を充填する。
上記液面センサ3からはリード線3fが導出され、このリード線3fを電子回路基板4に接続することによりセンサ信号を出力するようになっている。また、電槽蓋2の上面から突出する端子5、6には、それぞれ接続リング7、7が接続され、これらの接続リング7、7から導出されたリード線7a、7aを電子回路基板4に接続することにより電源を供給するようになっている。
ところが、上記液面センサ3のリード線3fや接続リング7、7のリード線7a、7aを電子回路基板4に接続すると、電槽蓋2の上面をこれらのリード線3f、7aが通るので、鉛蓄電池の搬送時にリード線3f、7aが物に引っ掛かったり、自動車等への装着時にそれが装着金具に挟まれて、断線するおそれがあり、さらに、電槽蓋2の上面に電解液が付着すると腐食するおそれもあるという問題があった。また、外観上の見栄えも悪いという問題があった。そこで、リード線3f、7aの引っ掛かり等による断線を防ぐために、電槽蓋2の上面の液面センサ装着部2aや端子5、6と凹部2bとの間に溝を形成し、この溝にリード線3fやリード線7a、7aを嵌め込んで通すようにすることもできるが、この場合であっても、電解液による腐食の問題を解消することはできない。また、外観上の見栄えが悪い問題も解消することはできない。
実開平5−15322号公報 特開平5−82174号公報 特開平5−74502号公報
本発明は、電槽蓋にインサート成形された端子接続導体や電気部品接続導体を介して正負の端子や電気部品を電子回路部品に接続することにより、リード線等が電槽蓋の上面を通らないようにでき、断線のおそれという問題や電解液による腐食という問題が解消でき、さらに見栄えもよい鉛蓄電池を提供しようとするものである。
請求項に記載の鉛蓄電池は、電槽蓋上面の電気部品装着部に装着された電気部品と、前記電槽蓋上面の凹部に収納された電子回路部品と、前記電気部品と前記電子回路部品とを繋いで、前記電槽蓋にインサート成形された電気部品接続導体とを備え、前記電気部品接続導体は、前記電気部品を接続するための第1の凸状端子部と、電子回路部品を接続するための第2の凸状端子部と、前記両凸状端子部間を接続するための棒状中間導体部とを備えたことを特徴とする。
請求項に記載の鉛蓄電池は、前記電気部品は液面センサであることを特徴とする。
請求項に記載の鉛蓄電池は、電槽蓋上面の凹部に収納された電子回路部品と、前記電槽蓋にインサート成形された、電子回路部品と蓄電池の端子とを繋ぐ端子接続導体とを備え、前記電子回路部品は、前記凹部の底面に形成された支持用凸体により前記凹部の底面から離反して配置されたことを特徴とする。
請求項に記載の鉛蓄電池は、前記電槽蓋には、電解液又は水蒸気の凝結液を電槽内に還流させるための還流室が設けられていることを特徴とする。
請求項に記載の鉛蓄電池は、前記凹部は凹部蓋で覆われたことを特徴とする。
請求項に記載の鉛蓄電池は、電槽蓋上面の凹部に収納された電子回路部品と、前記凹部を覆う凹部蓋とを備え、前記凹部蓋には前記凹部に樹脂を充填するための充填開口部が少なくとも2つ形成されたことを特徴とする。
請求項の発明によれば、電気部品と電子回路部品とを接続する電気部品接続導体が電槽蓋にインサート成形されているので、この電気部品接続導体が電槽蓋の上面を通ることがなくなる。このため、電槽蓋の上面で物が引っ掛かる等によって断線することがなくなる。また、電気部品接続導体は、単に電槽蓋の上面の溝等に嵌め込まれるのではなく、インサート成形によって埋め込まれるので、電槽蓋の上面に電解液が付着したとしても、この電解液による腐食を防ぐことができる。さらに、電槽蓋の上面の外観上の見栄えもよくなる。また、電気部品接続導体が凸状端子部を備えているので、電気部品や電子回路部品を接続する際の溶接作業を容易にすることができる。
請求項の発明によれば、液面センサと電子回路部品との接続を行う電気部品接続導体や端子接続導体が電槽蓋の上面を通ることがなくなる。このため、電槽蓋の上面で物が引っ掛かる等によって断線することがなくなる。また、電気部品接続導体や端子接続導体は、単に電槽蓋の上面の溝等に嵌め込まれるのではなく、インサート成形によって埋め込まれるので、電槽蓋の上面に電解液が付着したとしても、この電解液による腐食を防ぐことができる。さらに、電槽蓋の上面の外観上の見栄えもよくなる。
請求項の発明によれば、電子回路部品が支持用凸体に支持されることにより、凹部の底面から離反して配置することができ、この凹部の底面に水や電解液が浸入しても、回路部品が腐食しないようにすることができる。
請求項の発明によれば、電槽蓋に還流室が設けられた鉛蓄電池であっても、電子回路部品と電気部品や端子との接続を行う電気部品接続導体や端子接続導体が電槽蓋の上面を通ることがなくなる。このため、電槽蓋の上面で物が引っ掛かる等によって断線することがなくなる。また、電気部品接続導体や端子接続導体は、単に電槽蓋の上面の溝等に嵌め込まれるのではなく、インサート成形によって埋め込まれるので、電槽蓋の上面に電解液が付着したとしても、この電解液による腐食を防ぐことができる。さらに、電槽蓋の上面の外観上の見栄えもよくなる。
請求項の発明によれば、凹部を凹部蓋で覆うことにより、電子回路部品を収納した凹部への水や電解液の浸入を確実に防止することができる。
請求項の発明によれば、凹部蓋に樹脂を充填するための充填開口部を2つ以上形成して、この充填開口部のうちの少なくとも一つから凹部に樹脂を充填すると共に、他の充填開口部のうちの少なくとも一つから凹部内の空気を排出させることができるので、この凹部の奥まで樹脂を十分に充填して電子回路部品を確実に保護することができるようになる。
本発明の第1実施形態を示すものであって、鉛蓄電池の構成を示す分解斜視図である。 本発明の第1実施形態を示すものであって、液面センサ接続導体を介した液面センサと電子回路基板との接続部を示す部分拡大縦断面図である。 本発明の第1実施形態を示すものであって、端子接続導体を介した正極端子と電子回路基板との接続部を示す部分拡大縦断面図である。 本発明の第2実施形態を示すものであって、鉛蓄電池の構成を示す分解斜視図である。 本発明の第2実施形態を示すものであって、液面センサ接続導体を介した液面センサと電子回路基板との接続部を示す部分拡大分解斜視図である。 本発明の第2実施形態を示すものであって、液面センサ接続導体を電槽蓋にインサート成形する工程を示した縦断面図である。 本発明の第3実施形態を示すものであって、鉛蓄電池の構成を示す分解斜視図である。 本発明の第3実施形態を示すものであって、電槽蓋の凹部に収納した液面検出回路基板を示す部分拡大縦断面図である。 本発明の第4実施形態を示すものであって、鉛蓄電池の構成を示す分解斜視図である。 本発明の第4実施形態を示すものであって、従来の凹部蓋を用いた場合の凹部への樹脂の充填工程を示す電槽蓋の部分拡大縦断面図である。 本発明の第5実施形態を示すものであって、鉛蓄電池の構成を示す分解斜視図である。 本発明の第5実施形態を示すものであって、電槽蓋の凹部に収納した電子回路基板を示す部分拡大縦断面図である。 本発明の第5実施形態を示すものであって、電槽蓋の凹部を凹部蓋で覆った鉛蓄電池の構成を示す斜視図である。 本発明の第5実施形態を示すものであって、鉛蓄電池の電槽蓋の縦断面図である。 従来例を示すものであって、鉛蓄電池の構成を示す分解斜視図である。
符号の説明
1 電槽
2 電槽蓋
2a 液面センサ装着部
2b 凹部
2c 用嵌合部
2d 貫通孔
2e 窪み
2f 環状溝
2g 支持用凸体
2h 還流空間
2i 注液口
2j 注液口
2k 溝部
2m 位置決め用凸体
2n 樹脂
2o 凸状部
3 液面センサ
3a 頭部
3b 環状突体
3c 位置決め用嵌合突起
3d 液面検知電極
3e 接続端子
3f リード線
4 電子回路基板
4a LED
4b ブザー
4c スイッチ
4d 液面センサ接続端子
4e 電源接続端子
4f 電源接続端子
5 正極端子
5a 端子接続導体
5b 副端子
5c 環状突起
6 負極端子
6a 端子接続導体
6b 副端子
7 接続リング
7a リード線
8 液面センサ接続導体
8a 第1の凸状端子部
8b 第2の凸状端子部
8c 棒状中間導体部
8d 環状突起
8e インサート成形用支持体
9 凹部蓋
9a 開口窓
9b 開口窓
9c 開口窓
9d 充填開口部
9e 充填開口部
10 還流室蓋
11 フィルタ
12 透明樹脂カバー
以下、本発明の最良の実施形態について図1〜図14を参照して説明する。なお、これらの図において、同様の機能を有する構成部材には同じ番号を付記する。
〔第1実施形態〕
本実施形態の鉛蓄電池は、主に電子回路部品と蓄電池の端子とを繋ぐ端子接続導体に注目して説明する。この鉛蓄電池は、図1に示すように、樹脂製の方形容器状の電槽1と、この電槽1の上端開口部を塞いで封止する樹脂製の電槽蓋2とを備えている。電槽1の内部は、隔壁によって複数のセル室に区切られていて、各セル室にはそれぞれ蓄電要素が収納されると共に電解液が注液されている。また、これらの蓄電要素は電槽1内で直列に接続されている。
電槽蓋2は、上記電槽1の上端開口部に熱溶着等により封止固着されている。また、この電槽蓋2には、鉛等からなる正負の端子5、6がインサート成形され、これらの端子5、6の上端部が電槽蓋2の上面から突出するようになっている。これらの端子5、6は、電槽1内の直列接続された蓄電要素の両端に接続されて鉛蓄電池の外部端子となる。
上記電槽蓋2の上面には、液面センサ装着部2aが形成されている。液面センサ装着部2aは、電槽蓋2の上面に形成された穴であり、この穴には後方端からさらに後方に向けて穿設された矩形の位置決め用嵌合部2cと、この穴の底面の後方部から電槽1内に通じる貫通孔2dとを備えている。また、この液面センサ装着部2aの穴における底面の前方部には、後述の液面センサ接続導体8の第1の凸状端子部8aの上部が突出している。
上記液面センサ装着部2aには液面センサ3が装着される。液面センサ3は、樹脂製の棒状体からなり、円盤状の頭部3aの下方に薄い円板を上下に多数配置した環状突体3bを設けると共に、その下方に細い筒体を突出させたものであり、頭部3aの後方端からは位置決め用嵌合突起3cが後方に突設されている。また、この液面センサ3は、軸心部に鉛等の導体からなる液面検知電極3dを埋め込んで筒体の下方からその下端部を露出させると共に、頭部3aの前方端からは鉛等の導体からなる接続端子3eを突出させている。接続端子3eは、頭部3aの内部で液面検知電極3dに接続されていて、この頭部3aから導出され、前方の先端部に孔部が形成されている。これらの液面検知電極3dと接続端子3eは、鉛の鋳物により一体成形したものを用いて、インサート成形によって液面センサ3としている。
また、上記電槽蓋2の上面には、電子回路基板4を収納するための凹部2bが形成されている。凹部2bは、電槽蓋2の上面に形成された窪み2eの前方部を方形の仕切壁で囲んだ凹状の部分であり、この内部に電子回路基板4が収納される。そして、この凹部2bの底面の右側後方の隅部には、液面センサ接続導体8の第2の凸状端子部8bの上部が突出すると共に、この底面の左右端部には、後述の端子接続導体5a、6aの副端子5b、6bの上部が突出している。
液面センサ接続導体8は、図2に示すように、鉛等からなる接続導体であり、上記第1の凸状端子部8aと第2の凸状端子部8bとの間を棒状中間導体部8cで接続したものである。第1の凸状端子部8aは、液面センサ3に接続するための端子部であり、棒状中間導体部8cに接続された大径部と、この大径部の上にあってこの大径部よりも細い小径部とからなる。第2の凸状端子部8bは、電子回路基板4に接続するための端子部であり、棒状中間導体部8cに接続された大径部と、この大径部の上にあってこの大径部よりも細い小径部とからなる。棒状中間導体部8cは、これら両凸状端子部8a、8bの大径部間を繋ぐ角棒状の部分であり、長手方向の中央部付近の3箇所に鍔状の環状突起8dが形成されている。そして、これら両凸状端子部8a、8bと棒状中間導体部8cは、鉛の鋳物により一体成形されている。
上記液面センサ接続導体8は、電槽蓋2にインサート成形されている。この際、第1の凸状端子部8aの小径部の全てと大径部の上部は液面センサ装着部2aの穴の底面から突出して露出させると共に、第2の凸状端子部8bの小径部の全てと大径部の上部は凹部2bの底面の右側後方の隅部から突出して露出させている。
液面センサ3は、図1に示すように、下方に液面検知電極3dが露出した筒体を液面センサ装着部2aの貫通孔2dに挿入すると共に、環状突体3bをこの貫通孔2dに圧入し、頭部3aを液面センサ装着部2aの穴に嵌合させることにより装着される。また、この際に、液面センサ3の頭部3aの位置決め用嵌合突起3cを液面センサ装着部2aの位置決め用嵌合部2cに嵌合させることにより、この液面センサ3の接続端子3eの孔部を液面センサ接続導体8の第1の凸状端子部8aの小径部に嵌合させて大径部上で係止する。そして、この第1の凸状端子部8aの小径部を上方から加熱溶融させて、接続端子3eを溶接接続する。液面センサ3は、このようにして液面センサ装着部2aに装着されると、電槽1のセル室内に電解液を注液して液面が所定高さ以上になったときに、下端部で露出した液面検知電極3dがこの電解液に浸かるようになっている。
端子接続導体5aは、図3(a)に示すように、正極端子5から導出された鉛等からなる接続導体部分であり、先端部に上記副端子5bを備えている。この副端子5bは、電子回路基板4に接続するための端子部であり、端子接続導体5aの先端部となる大径部と、この大径部の上にあってこの大径部よりも細い小径部とからなる。また、端子接続導体5aにおける副端子5bに至る部分は、正極端子5の中間部から左側に導出されて下方の所定位置まで垂下した後、水平方向に引き出されることによりクランク状に曲がった角棒状の部分であり、この引き出し方向の途中の複数箇所に鍔状の環状突起5cが形成されている。そして、この端子接続導体5aは、正極端子5と共に鉛の鋳物により一体成形されている。
端子接続導体6aは、図1に示すように、負極端子6から導出された鉛等からなる接続導体部分であり、先端部に上記副端子6bを備えている。この副端子6bも、電子回路基板4に接続するための端子部であり、端子接続導体6aの先端部となる大径部と、この大径部の上にあってこの大径部よりも細い小径部とからなる。また、端子接続導体6aにおける副端子6bに至る部分は、負極端子6の中間部から右側に導出されて下方の所定位置まで垂下した後、水平方向に引き出されることによりクランク状に曲がった角棒状の部分であり、この引き出し方向の途中の複数箇所に、上記環状突起5cと同様の鍔状の環状突起(図示は省略)が形成されている。そして、この端子接続導体6aは、負極端子6と共に鉛の鋳物により一体成形されている。
上記端子接続導体5a、6aは、端子5、6と共に電槽蓋2にインサート成形されている。この際、副端子5b、6bの小径部の全てと大径部の上部は凹部2bの底面から突出して露出させている。また、これらの副端子5b、6bの大径部の周囲を囲む凹部2bの底面には環状溝2f、2fが形成されている。
電子回路基板4は、凹部2bの底面から突設された4箇所の支持用凸体2gに係止されて収納される。そして、図1及び図2に示すように、この電子回路基板4から導出された液面センサ接続端子4dの孔部を液面センサ接続導体8の第2の凸状端子部8bの小径部に嵌合させて大径部上で係止し、この第2の凸状端子部8bの小径部を上方から加熱溶融させて、液面センサ接続端子4dを溶接接続する。これにより、電子回路基板4は、液面センサ接続導体8を介して液面センサ3の液面検知電極3dに接続されることになる。また、図1及び図3(a)に示すように、この電子回路基板4から導出された電源接続端子4e、4fを凹部2bの底面の左右両端部に突出する副端子5b、6bの小径部に嵌合させて大径部上で係止し、この第2の凸状端子部8bの小径部を上方から加熱溶融させて、液面センサ接続端子4dを溶接接続する。これにより、電子回路基板4は、鉛蓄電池の正負の端子5、6から電源の供給を受けることができる。
上記電子回路基板4は、液面検出と状態検知の機能を併せ持つ回路を実装した基板である。液面検出機能は、電解液の減少により液面が所定高さより低下して、液面センサ3の液面検知電極3dがこの電解液に浸からなくなった場合の電位の変化を検出する機能であり、状態検知機能は、エンジン始動時の電池電圧の変化や蓄電池電圧の常時検出により、鉛蓄電池の劣化状態や充電状態を総合的に診断する機能である。そして、液面検出機能により電解液の液面が所定高さより低下したことが検出された場合や、状態検知機能による診断結果が所定の条件に合致した場合に、基板上面に実装されたLED4aやブザー4bにより警報を発するようになっている。また、この電子回路基板4の基板上面には、液面検出機能や状態検知機能の回路の電源をON/OFFするスイッチ4cも実装されている。
上記電子回路基板4によるLED4aやブザー4bの制御は、適宜の条件によって行うことができ、例えば液面検出機能の場合、振動等により電解液の液面が上下することもあるので、液面検知電極3dの電位が一時的に変化しただけではLED4aを点灯したりブザー4bを鳴らすことがないようにできる。また、端子5、6間の電圧を検出して、例えばこの電圧が所定電圧以上であればエンジンが駆動中で騒音が大きいと判断できるので、この電圧が所定電圧未満となるのを待ってブザー4bを鳴らすようにすることもできる。
上記凹部2bは、凹部蓋9で覆われて、内部に樹脂が充填される。従って、電子回路基板4は、この樹脂に被覆されて保護される。また、この電子回路基板4から導出された液面センサ接続端子4dや電源接続端子4e、4fと第2の凸状端子部8bや副端子5b、6bとの溶接部もこの樹脂に被覆されて保護される。そして、上記液面センサ3の接続端子3eと第1の凸状端子部8aとの溶接部も、樹脂やシールにより被覆される。これらの樹脂は、例えばエポキシ樹脂を用いることができ、シールとしては、コーションラベルのように接着剤を付着させた耐酸性、耐水性、撥水性を有する素材、例えばポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等を用いることができる。
また、本実施形態に係る鉛蓄電池は、電槽1内から漏出した電解液や水蒸気の凝結液を再びこの電槽1内に還流させるための還流室が設けられているので、上記電槽蓋2には還流空間2hが形成されている。還流空間2hは、電槽蓋2の上面に形成された窪み2eにおける凹部2bより後方側を多数の仕切壁によって仕切られた上部が開口した空間である。そして、この還流空間2hの開口部を還流室蓋10で塞ぐことにより還流室が構成される。
上記構成によれば、液面センサ3と電子回路基板4とを接続する液面センサ接続導体8や正負の端子5、6と電子回路基板4とを接続する端子接続導体5a、6aが電槽蓋2にインサート成形されているので、この電槽蓋2の上面で物が引っ掛かる等して液面センサ3と電子回路基板4との間や端子5、6と電子回路基板4との間が断線することがなくなる。しかも、電槽蓋の上面の外観上の見栄えもよくなる。
また、これらの液面センサ接続導体8や端子接続導体5a、6aは、電槽蓋2にインサート成形によって埋め込まれるので、電槽蓋2の上面に電解液が付着したとしても、この電解液による腐食を防ぐことができる。さらに、液面センサ装着部2aや凹部2bに露出する両凸状端子部8a、8bと副端子5b、6bやこれらの接続部は樹脂やシールで被覆されるので、電解液が液面センサ接続導体8や端子接続導体5a、6aの表面と電槽蓋2の樹脂との界面に沿って浸入するのを防ぐことができる。しかも、この界面に沿って電解液が浸入して来たとしても、液面センサ接続導体8の棒状中間導体部8cには環状突起8dが形成され、端子接続導体5aには環状突起5cが形成され、端子接続導体6aには環状突起が形成されて、これらの界面の距離が長くなっているので、電解液の浸入を遅らせて腐食を進行を妨げることができる。
また、これらの液面センサ接続導体8や端子接続導体5a、6aは、両凸状端子部8a、8bや副端子5b、6bが大径部とその上の小径部を備えているので、液面センサ3の接続端子3eの孔部や電子回路基板4の接続端子4d〜4fの孔部を小径部に嵌合させて大径部上で係止することができ、溶接作業を容易にすることができる。
なお、上記実施形態で示した端子接続導体5a、6aの構成は一例にすぎず、樹脂にインサート成形が可能な導体であれば、形状や材質は実施形態のものに限定されない。例えば、上記実施形態では、端子接続導体5a、6aが正負の端子5、6と一体成形されたものである場合を示したが、これらの端子5、6とは別部品を接続したものであってもよい。さらに、上記実施形態では、これらの端子接続導体5a、6aが図3(a)等に示すようにクランク状に折れ曲がったものを示したが、図3(b)に示すように、直線状になっていてもよい。上記実施形態で示したように、端子接続導体5a、6aをクランク状に折り曲げたものの方が、この端子接続導体5aに環状突起5cを形成し端子接続導体6aに環状突起を形成することで界面の距離を長くすることができ、電解液の浸入を遅らせて接続端子4d〜4fとの接続部の腐食を防ぐことができるようになる。
また、端子接続導体5aの副端子5b、6bは、図3(b)に示すように、小径部のみを凹部2bの底面から上方に突出させ、電源接続端子4eをこの底面上で接続されるようにすることができる。しかしながら、このような構成では、端子接続導体5aの界面に沿って電解液が浸入して来た場合に、副端子5b、6bと電源接続端子4e、4fとの接続部が腐食されやすくなる。そこで、上記実施形態では、図3(a)等に示すように、副端子5b、6bの大径部を凹部2bの底面から上方に突出させて、電子回路基板4の電源接続端子4eがこの底面から離反して接続されるようにすると共に、この底面における副端子5b、6bの周囲には環状溝2fを形成している。そして、凹部2bにエポキシ樹脂を充填することにより、このエポキシ樹脂が副端子5b、6bの大径部の周囲を覆うだけでなく、環状溝2fの内部にまで入り込んで副端子5b、6bとの界面の距離を長くすることになる。しかも、このエポキシ樹脂は鉛等との接着性が良いので、電解液が凹部2bの底面まで達したとしても、それ以上の浸入を防いで、副端子5b、6bと電源接続端子4e、4fとの接続部の腐食を確実に防止することができる。
ただし、電槽蓋2の樹脂と端子接続導体5a、6aとの接着性が良好である等の理由により、界面に沿った電解液の浸入のおそれがない場合には、これらの端子接続導体5a、6aは、図3(b)に示すような構成であってもよく、端子接続導体5aの環状突起5cや端子接続導体6aの環状突起も必ずしも形成する必要はない。また、これらの端子接続導体5a、6aは、正負の端子5、6とは別部品として、溶接等により接続したものであってもよい。さらに、副端子5b、6bは、大径部と小径部からなるものに限らず、端子接続導体5a、6aの先端部に単なる接続部が形成されただけのものであってもよい。さらに、副端子5b、6bの周囲の凹部底面に形成されている環状溝2fは環状であることがより好ましいが、どのような形状の溝でもよく、また周囲を囲んで形成されていてもかまわない。
また、上記実施形態では、液面センサ接続導体8の両凸状端子部8a、8bや端子接続導体5a、6aの副端子5b、6bに接続端子3eや接続端子4d〜4fを接続する際に溶接を用いたが、ロウ付けや半田付け、かしめ等の他の接続手段を用いることもできる。例えば、液面センサ接続導体8が銅や真鍮、洋白等からなる場合には、半田付けによる接続が容易となる。
また、上記実施形態で示した液面センサ3の構成も一例にすぎない。例えば、液面検知電極3dと接続端子3eは、内部で接続されていればよいので、必ずしも一体成形したものである必要はないが、一体成形したものを用いれば、接続のための作業工程を省くことができる。さらに、上記実施形態では、これら液面検知電極3dと接続端子3eを接続したものを樹脂にインサート成形することにより液面センサ3を作製したが、インサート成形によらない方法により作製したものであってもよい。さらに、液面センサ装着部2aの穴の内部であれば、液面センサ接続導体8との接続のためにリード線等を用いることもでき、接続端子3eを用いることなく液面検知電極3dに直接接続することもできる。さらに、液面センサ3は、液面検知電極3dを用いたものに限らず、例えば光学センサを用いて電解液の液面を検出するようなものであってもよく、電解液の液面状態を電気信号等の信号として出力するものであれば、どのようなものであってもよい。
また、上記液面センサ3と液面センサ装着部2aの装着構造も任意であり、確実に封止できるのであれば、必ずしも環状突体3bを用いる必要はなく、例えばねじとパッキンを用いたものであってもよい。さらに、液面センサ3の装着の際に位置決めが特に必要なければ、位置決め用嵌合部2cや位置決め用嵌合突起3cのような構成も不要となる。
また、上記実施形態で示した液面センサ装着部2aの構成も一例にすぎず、必ずしも図に示した形状の穴を設ける必要はなく、少なくとも任意形状の貫通孔2dを備え、ここに装着した液面センサ3と、電槽蓋2にインサート成形された液面センサ接続導体8とが接続可能な構造になっていればよい。
また、上記実施形態では、一つの液面センサ3を用いて一つのセル室の電解液の液面だけを検出する場合を示したが、2つ以上の液面センサ3を用いて、2つ以上のセル室の電解液の液面を検出するようにしてもよい。また、一つのセル室に、液面検知電極3dの長さの異なる液面センサ3を2つ以上装着して、液面の高さを段階的に検出できるようにしてもよい。これらの場合には、各液面センサ3と電子回路基板4等との間がそれぞれ別の液面センサ接続導体8を介して接続されることになる。
また、上記実施形態で示した液面センサ接続導体8の構成は一例にすぎず、樹脂にインサート成形が可能な導体であれば、形状や材質は実施形態のものに限定されない。例えば、棒状中間導体部8cは、真っ直ぐな棒状に限らず、クランク状に折れ曲がったものや曲線状に折れ曲がったものであってもよい。また、液面センサ接続導体8の両凸状端子部8a、8bは、大径部と小径部からなるものに限らず、単なる接続部が形成されただけのものであってもよい。さらに、液面センサ接続導体8は、両凸状端子部8a、8bと棒状中間導体部8cを溶接等により接続したものでもよく、単に棒状中間導体部8cのみで構成されるものであってもよい。さらに、棒状中間導体部8cには、必ずしも環状突起8dは形成されていなくてもよい。
また、上記実施形態で示した凹部2bの構成も一例にすぎず、電槽蓋2の上面に形成された凹状の部分であれば、形状や構造は任意である。さらに、この凹部2bは、凹部蓋9で覆ったり樹脂を充填するかどうかも任意である。
また、上記実施形態では、電子回路基板4が液面検出機能と状態検知機能を併せ持つ回路を実装したものである場合を示したが、この電子回路基板4は、例えば、液面検出機能の回路のみを実装したものでもよく、逆に液面検出機能以外の機能を持った回路を実装したものでもよい。液面検出機能を持たない電子回路基板4の場合には、液面センサ3を用いる必要もなく、液面センサ装着部2aも不要となる。この電子回路基板4が備え得る機能としては、上記液面検出機能や鉛蓄電池の劣化状態や充電状態を検出する状態検知機能の他に、例えば盗難防止機能や鉛蓄電池の使用期間をカウントして知らせるタイマ機能や劣化状態や充電状態以外の鉛蓄電池の状態を検出する機能が挙げられる。また、液面検出機能に対しては液面センサ3を設けたように、電子回路基板4が備える機能によっては、適宜この機能に対応する電気部品を設ける場合がある。上記実施形態では、液面検出機能を状態検知機能と組み合わせているが、電子回路基板4に組み込まれる機能は1つ以上であればよく、複数組み合わせてもよい。
ここで、鉛蓄電池が液面センサ3に代えて他の電気部品を用いる場合、この電気部品と電子回路基板4との間は、液面センサ接続導体8と同様の構成の電気部品接続導体を用いて接続すればよい。ただし、液面センサ装着部2aや電気部品装着部が凹部2bと隣接し一体的に形成されている等の事情があれば、必ずしもこのように電槽蓋2にインサート成形された液面センサ接続導体8や電気部品接続導体を用いる必要はない。
上記電子回路基板4の液面検出機能や状態検知機能等は、これら複数の機能を備えた1つの回路として実装されていてもよく、例えば電源回路やLED4a等のみを共用する、機能ごとに独立した複数の回路として実装されていてもよい。また、例えば電子回路基板4にマイクロコンピュータを実装し、このマイクロコンピュータ上で動作するプログラムによって複数の機能を果たすようにすることもできる。
また、上記実施形態では、基板に回路を実装した電子回路基板4を用いる場合を示したが、液面検出機能等の回路を備えた電子回路部品であれば、必ずしも基板上に実装されたものである必要はなく、ケース内に納めたものや、ICを含む数個の回路部品をリード板等で配線したものを直接凹部2bに収納することもできる。さらに、上記実施形態では、電子回路部品がLED4aやブザー4bによって警報を発する場合を示したが、LED4a以外の発光手段やブザー4b以外の発音手段を用いたり、これらのいずれか一方だけを用いることもでき、その他ディスプレイを用いる等して何らかの手段により警報を発するものであれば、警報発生手段の構成は任意である。さらに、この電子回路部品からの有線や無線による信号により、外部で警報が発せられるようになっていてもよい。
また、上記実施形態で示した電槽蓋2の還流室の構造も一例にすぎず、電槽1内から漏出した電解液や水蒸気の凝結液を電槽1内に還流させるためのものであれば、どのような構造のものであってもよい。さらに、本発明は、電槽蓋2にこのような還流室を設けていない鉛蓄電池にも同様に実施可能である。
また、上記実施形態では、電槽1の内部が複数のセル室に区切られた鉛蓄電池について説明したが、単セルの鉛蓄電池についても同様に実施可能である。さらに、上記実施形態では、液式の鉛蓄電池について説明したが、液式に限定されるわけではなく、VRLAやゲル式等でもよい。
〔第2実施形態〕
本実施形態の鉛蓄電池は、主に電気部品と電子回路部品とを繋ぐ電気部品接続導体に注目して説明する。この鉛蓄電池は、図4に示すように、樹脂製の方形容器状の電槽1と、この電槽1の上端開口部を塞いで封止する樹脂製の電槽蓋2とを備えているが、電槽1の内部構造は前述したとおりであるので、説明は省略する。
電槽蓋2は、上記電槽1の上端開口部に熱溶着等により封止固着されていることは前述した通りであるので説明は省略する。
上記電槽蓋2の上面に液面センサ装着部2aが形成されていることも前述したとおりであるので説明は省略する。
上記液面センサ装着部2aに図4及び図5に示した液面センサ3が装着されることも前述したとおりであるので説明は省略する。
また、図4に示すように、上記電槽蓋2の上面に電子回路基板4を収納するための凹部2bが形成されていることも前述したとおりであるので説明は省略する。
液面センサ接続導体8は、図4及び図5に示すが、その構成は前述したとおりであるので説明は省略する。
上記液面センサ接続導体8は、電槽蓋2にインサート成形されている。この際、第1の凸状端子部8aの小径部の全てと大径部の上部は液面センサ装着部2aの穴の底面の前方部に突出して露出させると共に、第2の凸状端子部8bの小径部の全てと大径部の上部は凹部2bの底面の右側後方の隅部に突出して露出させている。この液面センサ接続導体8は、図6(a)に示すように、両凸状端子部8a、8bの下面からそれぞれ下方に突出するインサート成形用支持体8e、8fを備えたものを用い、これらのインサート成形用支持体8e、8fを金型で支持した状態でインサート成形を行うことにより、電槽蓋2の埋め込み位置が正確になるようにしている。そして、インサート成形後に、電槽蓋2における液面センサ接続導体8を埋め込んだ部分の裏面側からインサート成形用支持体8e、8fを抜き取り、この電槽蓋2の裏面におけるインサート成形用支持体8e、8fを抜き取ったあとの空間部に樹脂棒を嵌合挿入して熱と圧を加えながら封口することにより、図6(b)に示すように、樹脂2nで被覆した状態となる。電槽蓋2の裏面は、電槽1に注液された電解液に直接触れることになるので、インサート成形用支持体8e、8fを抜き取ったあと空間部が露出したままでは、ここから腐食が広がるおそれがあるが、樹脂2nで被覆することによりこの腐食を防止することができる。
液面センサ3は、図4に示すように、下方に液面検知電極3dが露出した筒体を液面センサ装着部2aの貫通孔2dに挿入すると共に、環状突体3bをこの貫通孔2dに圧入し、頭部3aを液面センサ装着部2aの穴に嵌合させることにより装着されるが、その装着方法は前述したとおりであるので説明は省略する。
ここで、液面センサ3の環状突体3bは、薄い円板を上下に隙間をあけて多数配置したものであるため、これらの円板の径が液面センサ装着部2aの貫通孔2dの径よりも十分に大きくても、薄い樹脂の円板の可撓性により圧入が可能となる。しかも、いずれかの円板と貫通孔2dとの間に隙間が生じたとしても、他の複数の円板が確実に封止するので、電解液が貫通孔2dを通って漏れ出すようなことはない。これに対して、環状突体3bを単なる円筒体に代えたとすると、圧入を可能にするために径を十分に大きくすることができないので、この円筒体か貫通孔2dのいずれかが僅かでも楕円形に変形しているだけで、上下方向に隙間が生じて電解液が漏れ出すおそれが生じる。また、環状突体3bを雄ねじに代えて、貫通孔2dを雌ねじに代えたとすると、パッキンを介して螺着することにより電解液の漏液は防げるが、回転しながら螺着した後の接続端子3eの向きがバラバラになるので、リード線等を用いて第1の凸状端子部8aに接続する必要が生じる。
電子回路基板4は、図4に示すように、凹部2bの底面から突設された4箇所の支持用凸体2gに係止されて収納される。そして、図4及び図5に示すように、この電子回路基板4から導出された液面センサ接続端子4dの孔部を液面センサ接続導体8の第2の凸状端子部8bの小径部に嵌合させて大径部上で係止し、この第2の凸状端子部8bの小径部を上方から加熱溶融させて、液面センサ接続端子4dを溶接接続する。これにより、電子回路基板4は、液面センサ接続導体8を介して液面センサ3の液面検知電極3dに接続されることになる。また、図4に示すように、この電子回路基板4から導出された電源接続端子4e、4fを凹部2bの底面の左右両端部に突出する正負の副端子5b、6bに同様に溶接接続する。副端子5b、6bは、それぞれ電槽蓋2の内部で正負の端子5、6に接続されているので、これにより、電子回路基板4は、鉛蓄電池から電源の供給を受けることができる。
上記電子回路基板4は、液面検出と状態検知の機能を併せ持つ回路を実装した基板であることは前述したとおりであるので説明は省略する。
上記電子回路基板4によるLED4aやブザー4bの制御についても前述したとおりであるので説明は省略する。
上記凹部2bは、凹部蓋9で覆われて、内部に樹脂が充填される前述したとおりであるので説明は省略する。
また、本実施形態に係る鉛蓄電池は、電槽1内から漏出した電解液や水蒸気の凝結液を再びこの電槽1内に還流させるための還流室が設けられていることも前述したとおりであるので説明は省略する。
上記構成によれば、液面センサ3と電子回路基板4とを接続する液面センサ接続導体8が電槽蓋2にインサート成形されているので、この電槽蓋2の上面で物が引っ掛かる等して液面センサ3と電子回路基板4との間が断線するようなことがなくなる。しかも、電槽蓋の上面の外観上の見栄えもよくなる。
また、この液面センサ接続導体8は、電槽蓋2にインサート成形によって埋め込まれるので、電槽蓋2の上面に電解液が付着したとしても、この電解液による腐食を防ぐことができる。さらに、液面センサ装着部2aや凹部2bに露出する両凸状端子部8a、8bやこれらの接続部は樹脂やシールで被覆されるので、電解液が液面センサ接続導体8の表面と電槽蓋2の樹脂との界面に沿って浸入するのを防ぐことができる。しかも、この界面に沿って電解液が浸入して来たとしても、液面センサ接続導体8の棒状中間導体部8cには環状突起8dが形成されて界面の距離が長くなっているので、電解液の浸入を遅らせて腐食を進行を妨げることができるようになる。
また、この液面センサ接続導体8は、棒状中間導体部8cを介して接続された両凸状端子部8a、8bが大径部とその上の小径部を備えているので、液面センサ3の接続端子3eの孔部や電子回路基板4の液面センサ接続端子4dの孔部を小径部に嵌合させて大径部上で係止することができ、溶接作業を容易にすることができる。
なお、上記実施形態で示した液面センサ接続導体8の構成は一例にすぎず、樹脂にインサート成形が可能な導体であれば、形状や材質は実施形態のものに限定されない。例えば、棒状中間導体部8cは、真っ直ぐな棒状に限らず、クランク状に折れ曲がったものや曲線状に折れ曲がったものであってもよい。また、液面センサ接続導体8の両凸状端子部8a、8bは、大径部と小径部からなるものに限らず、単なる接続部が形成されただけのものであってもよい。さらに、液面センサ接続導体8は、両凸状端子部8a、8bと棒状中間導体部8cを溶接等により接続したものでもよく、単に棒状中間導体部8cのみで構成されるものであってもよい。さらに、棒状中間導体部8cには、必ずしも環状突起8dは形成されていなくてもよい。
また、上記実施形態では、液面センサ接続導体8の両凸状端子部8a、8bに接続端子3eや液面センサ接続端子4dを接続する際に溶接を用いたが、前述した他の接続手段を用いることもできる。
また、上記実施形態で示した凹部2bの構成も一例であることは前述したとおりである。
また、上記実施形態では、電子回路基板4が電源接続端子4e、4fと副端子5b、6bを介して電槽蓋2の内部で正負の端子5、6に接続される場合を示したが、電子回路基板4への電源供給手段は任意であり、例えば外部や鉛蓄電池に装着された別の電池から電源の供給を受けるようにすることもできる。
また、上記実施形態では、電子回路基板4が液面検出機能と状態検知機能を併せ持つ回路を実装したものである場合を示したが、この電子回路基板4が他の機能を有することについては前述したとおりである。なお、液面検出機能に対しては液面センサ3を設けたように、電子回路基板4が備える機能によっては、適宜この機能に対応する電気部品を設ける場合があり、適宜のセンサ等を鉛蓄電池やその取付金具等に設ける場合がある。
ここで、鉛蓄電池が液面センサ3に代えて他の電気部品を用いる場合、この電気部品と電子回路基板4との間は、液面センサ接続導体8と同様の構成の電気部品接続導体を用いて接続すればよい。
上記電子回路基板4の液面検出機能や状態検知機能等は、これら複数の機能を備えた1つの回路として実装されていてもよいことは前述したとおりであるので説明は省略する。
また、上記実施形態では、基板に回路を実装した電子回路基板4を用いる場合を示したが、その形態は前述したとおりである。さらに、上記実施形態では、LED4aやブザー4bによって警報を発する場合を示したが、その形態は前述したとおりである。
また、上記実施形態で示した液面センサ3の構成も一例にすぎない。例えば、液面検知電極3dと接続端子3eは、内部で接続されていればよいので、必ずしも一体成形したものである必要はないが、一体成形したものを用いれば、接続のための作業工程を省くことができる。さらに、液面センサ装着部2aの穴の内部であれば、液面センサ接続導体8との接続のためにリード線等を用いることもでき、接続端子3eを用いることなく液面検知電極3dに直接接続することもできる。さらに、液面センサ3は、液面検知電極3dを用いたものに限らず、例えば光学センサを用いて電解液の液面を検出するようなものであってもよく、電解液の液面状態を電気信号等の信号として出力するものであれば、どのようなものであってもよい。
また、上記液面センサ3と液面センサ装着部2aの装着構造も任意であり、確実に封止できるのであれば、必ずしも環状突体3bを用いる必要はなく、例えばねじとパッキンを用いたものであってもよい。さらに、液面センサ3の装着の際の位置決めは、位置決め用嵌合部2cと位置決め用嵌合突起3cを嵌合させる場合に限らず、例えば液面センサ3の頭部3aを円形以外のものにし、液面センサ装着部2aの穴も、この頭部3aが特定の向きでしか嵌合しないような形状とするようにしてもよい。さらに、液面センサ3の装着の際に位置決めが特に必要なければ、これらの位置決め用嵌合手段も不要となる。
また、上記実施形態で示した液面センサ装着部2aの構成も一例にすぎず、必ずしも図面に示した形状の穴を設ける必要はなく、少なくとも任意形状の貫通孔2dを備え、ここに装着した液面センサ3と、電槽蓋2にインサート成形された液面センサ接続導体8とが接続可能な構造になっていればよい。
また、上記実施形態では、一つの液面センサ3を用いて一つのセル室の電解液の液面だけを検出する場合を示したが、2つ以上の液面センサ3を用いること等については前述したとおりである。
また、上記実施形態で示した電槽蓋2の還流室の構造も一例にすぎないことは前述したとおりである。
また、上記実施形態では、電槽1の内部が複数のセル室に区切られた鉛蓄電池について説明したが、単セルの鉛蓄電池についても同様に実施可能である。さらに、上記実施形態では、液式の鉛蓄電池について説明したが、電槽1内に流動性のある電解液を注入した液式の蓄電池であれば、ニッケルカドミウム電池等の他の蓄電池でも同様に実施可能である。
〔第3実施形態〕
本実施形態の鉛蓄電池は、主に電子回路部品を凹部に配置する支持用凸体に注目して説明する。この鉛蓄電池は、図7に示すように、樹脂製の方形容器状の電槽1と、この電槽1の上端開口部を塞いで封止する樹脂製の電槽蓋2とを備えているが、電槽1の内部構造は前述したとおりであるので説明は省略する。
電槽蓋2は、上記電槽1の上端開口部に熱溶着等により封止固着され、鉛等からなる正負の端子5、6がインサート成形されていることは前述したとおりであるので説明は省略する。
上記電槽蓋2の上面には、液面センサ装着部2aが形成されていることも前述したとおりであるので説明は省略する。
上記液面センサ装着部2aには液面センサ3が装着されることも前述したとおりであるので説明は省略する。
また、上記電槽蓋2の上面には、電子回路基板4を収納するための凹部2bが形成されている。凹部2bは、電槽蓋2の上面に形成された窪み2eの前方部を方形の仕切壁で囲んだ凹状の部分であり、底面の4箇所に形成された支持用凸体2gに支持されて電子回路基板4が収納される。さらに、この凹部2bの底面の右側後方の隅部には、液面センサ接続導体の第2の凸状端子部8bの上部が突出すると共に、この底面の左右端部には、後述の端子接続導体5a、6aの副端子5b、6bの上部が突出している。
液面センサ接続導体は、鉛等からなる接続導体であり、上記第1の凸状端子部8aと第2の凸状端子部8bとの間を図示しない棒状中間導体部で一体的に接続したものであるが、その構成は前述したとおりであるので説明は省略する。
液面センサ3は、図7に示すように、下方に液面検知電極3dが露出した筒体を液面センサ装着部2aの貫通孔に挿入すると共に、環状突体3bをこの貫通孔に圧入し、頭部3aを液面センサ装着部2aの穴に嵌合させることにより装着されるが、その装着方法は前述したとおりであるので説明は省略する。
端子接続導体5a、6aは、図8に示すように、正負の端子5、6から導出された鉛等からなる接続導体部分であり、先端部に上記副端子5b、6bを備えている。これらの副端子5b、6bは、電子回路基板4に接続するための端子部であり、端子接続導体5a、6aの先端部となる大径部と、この大径部の上にあってこの大径部よりも細い小径部とからなる。また、これらの端子接続導体5a、6aは、端子5、6の中間部から導出されて下方の所定位置まで垂下した後、水平方向に引き出されることによりクランク状に曲がって副端子5b、6bに至るようになっている。これらの端子接続導体5a、6aは、端子5、6と共にそれぞれ鉛の鋳物により一体成形されている。そして、これらの端子接続導体5a、6aは、端子5、6と共に電槽蓋2にインサート成形されている。この際、副端子5b、6bの小径部の全てと大径部の上部は凹部2bの底面から突出して露出させている。従って、これらの副端子5b、6bは、小径部が凹部2bの底面から上方に離反した位置に突出することになる。
電子回路基板4は、液面検出と状態検知の機能を併せ持つ回路を実装した基板であることは前述したとおりであるので説明は省略する。
上記電子回路基板4によるLED4aやブザー4bの制御についても前述したとおりであるので説明は省略する。
上記電子回路基板4は、4箇所の支持用凸体2gに支持されて凹部2bに収納される。ここで、図15に示した従来の位置決め用凸体2mは、凹部2bの底面から円柱形の突起を突出させただけのものであったので、電子回路基板4の左右の基板端面に形成された半円状の切欠き部に係合して位置決めを行って、電子回路基板4を直接凹部2bの底面に載置するものであった。これに対して、本実施形態の支持用凸体2gは、図7及び図8に示すように、位置決め用凸体2mと同様の円柱形の突起の下部に長円柱形の突起を設けたものであるが、電子回路基板4は、左右の基板端面に形成された半円状の切欠き部を、この支持用凸体2gの上部の円柱形に係合させて下部の長円柱形上で係止されるものである。従って、電子回路基板4は、凹部2bの底面から上方に離反した位置に浮いた状態で配置され、この底面と基板の下面との間には十分な隙間が生じることになる。
このようにして電子回路基板4を凹部2bに収納するが、その詳細については前述したとおりであるので説明は省略する。
上記凹部2bは、凹部蓋9で覆われて、内部に樹脂が充填されることも前述したとおりであるので説明は省略する。
また、本実施形態に係る鉛蓄電池は、電槽1内から漏出した電解液や水蒸気の凝結液を再びこの電槽1内に還流させるための還流室が設けられていることも前述したとおりであるので説明は省略する。
上記構成によれば、電子回路基板4は支持用凸体2gに支持されることにより、凹部2bの底面よりも上方に離反して配置することができる。また、電子回路基板4から導出された液面センサ接続端子4dと第2の凸状端子部8bとの溶接部や電源接続端子4e、4fと副端子5b、6bとの溶接部も、凹部2bの底面よりも上方に離反して配置することができる。しかも、凹部2bには封口剤が充填され、電子回路基板4の下面にも回り込むようにすることができる。従って、この凹部2bの底面に水や電解液が浸入しても、電子回路基板4やその部品の腐食を確実に防止することができる。
特に、凹部2bの底面には、端子接続導体5a、6aを介して正負の端子5、6に繋がる副端子5b、6bの上部が突出するので、インサート成形された電槽蓋2の樹脂との界面に沿って電槽1のセル室内の電解液が浸入するおそれがあるが、このような電解液による電子回路基板4等の腐食も確実に防止することができる。
また、この凹部2bに充填する封口剤に、第2の凸状端子部8bや副端子5b、6bの鉛等と接着性が良好なエポキシ樹脂を用いれば、このエポキシ樹脂と第2の凸状端子部8bや副端子5b、6bの大径部との界面に沿って電解液が浸入することが防止できるので、電子回路基板4等の腐食をさらに確実に防止することができる。
なお、上記実施形態で示した支持用凸体2gの構成は一例にすぎず、電子回路基板4を支持して凹部2bの底面から離反して配置させるものであれば、形状や材質は実施形態のものに限定されない。また、上記実施形態では、支持用凸体2gが電槽蓋2と共に一体的に成形される場合を示したが、別部品の支持用凸体2gを凹部2bの底面に取り付けるようにしてもよい。
また、上記実施形態で示した凹部2bの構成が一例であることは前述したとおりである。
また、上記実施形態で示した液面センサ3の構成が一例であることも前述したとおりである。
また、上記液面センサ3と液面センサ装着部2aの装着構造が任意であることも前述したとおりである。
また、上記実施形態で示した液面センサ装着部2aの構成も一例であることは前述したとおりである。
また、上記実施形態では、一つの液面センサ3を用いて一つのセル室の電解液の液面だけを検出する場合を示したが、2つ以上の液面センサ3を用いること等については前述したとおりである。
また、上記実施形態では、電子回路基板4が液面検出機能と状態検知機能を併せ持つ回路を実装したものである場合を示したが、この電子回路基板4が他の機能を有することについては前述したとおりである。
上記電子回路基板4の液面検出機能や状態検知機能等は、これら複数の機能を備えた1つの回路として実装されていてもよいことは前述したとおりであるので説明は省略する。
また、上記実施形態では、基板に回路を実装した電子回路基板4を用いる場合を示したが、その形態は前述したとおりである。さらに、上記実施形態では、電子回路部品がLED4aやブザー4bによって警報を発する場合を示したが、その形態は前述したとおりである。
また、上記実施形態では、液面センサ3や正負の端子5、6を電子回路基板4に接続するために、電槽蓋2にインサート成形された液面センサ接続導体や端子接続導体5a、6aを用いる場合を示したが、これらの接続構造は特に限定されるものではなく、例えば電槽蓋2の上面に施した配線により接続することも可能である。さらに、上記実施形態では、液面センサ接続導体の両凸状端子部8a、8bや副端子5b、6bに接続端子3eや接続端子4d〜4fを接続する際に溶接を用いたが、ロウ付けや半田付け、かしめ等の他の接続手段を用いることもできる。
また、上記実施形態で示した電槽蓋2の還流室の構造も一例にすぎないことは前述したとおりである。
また、上記実施形態では、電槽1の内部が複数のセル室に区切られた鉛蓄電池について説明したが、単セルの鉛蓄電池についても同様に実施可能である。さらに、上記実施形態では、液式の鉛蓄電池について説明したが、液式に限定されるわけではなく、VRLAやゲル式等でもよい。
〔第4実施形態〕
本実施形態の鉛蓄電池は、主に充填開口部が2つ形成された凹部蓋に注目して説明する。この鉛蓄電池は、図9に示すように、樹脂製の方形容器状の電槽1と、この電槽1の上端開口部を塞いで封止する樹脂製の電槽蓋2とを備えているが、電槽1の内部構造は前述したとおりであるので説明は省略する。
電槽蓋2は、上記電槽1の上端開口部に熱溶着等により封止固着されていることは前述したとおりであるので説明は省略する。
上記電槽蓋2の上面には、液面センサ装着部2aが形成されている。液面センサ装着部2aは、電槽蓋2の上面に形成された穴であり、この穴の底面は電槽1内に通じる貫通孔となり、液面センサ3については前述したとおりであるので説明は省略する。
また、上記電槽蓋2の上面には、電子回路基板4を収納するための凹部2bが形成されている。凹部2bは、電槽蓋2の上面に形成された窪み2eの一部を方形の仕切壁で囲んだ凹状の部分であり、この内部に電子回路基板4が収納される。電子回路基板4の詳細は前述したとおりであるので説明は省略する。
上記電子回路基板4は、電槽蓋2に埋め込まれた接続導体を介して、正負の端子5、6と接続され、また、液面センサ3の接続端子3eにも接続されるようになっている。そして、この電子回路基板4の液面検出回路は、正負の端子5、6から電源の供給を受けて、液面センサ3の液面検知電極3dの電位を随時モニタし、この電位が所定値以下になると、LED4aやブザー4bにより警報を発して、電解液の液面が所定高さより低下したことを警告するようになっている。また、この電子回路基板4の状態検出回路は、正負の端子5、6から電源の供給を受けると共に、これら端子5、6間の電圧をモニタし、この電圧の変化や値が所定値に合致した場合にLED4aやブザー4bにより警報を発して、鉛蓄電池の劣化状態や充電状態を警告するようになっている。
上記電子回路基板4によるLED4aやブザー4bの制御については前述したとおりであるので説明は省略する。
上記凹部2bは、凹部蓋9で覆われる。凹部蓋9は、方形の盆を伏せたような形状の樹脂製の蓋材であり、電子回路基板4のLED4aの点灯状態を上方から目視するための開口窓9aと、ブザー4bのブザー音を上方に伝搬させるための開口窓9bと、スイッチ4cを上方から操作するための開口窓9cが一つずつ形成されると共に、凹部2bに樹脂を充填するための2つの充填開口部9d、9eが形成されている。また、ブザー4bのブザー音を伝搬させるための開口窓9bは、多孔質シートからなるフィルタ11によって開口部が塞がれている。さらに、この電子回路基板4の基板上面には、図8に示すように、透明なポリウレタンフィルム製の透明樹脂カバー12が配置され、この透明樹脂カバー12の凸部によってLED4aやスイッチ4cが覆われるようにしている。フィルタ11の多孔質シートは、撥水性のある素材を多孔質のシート状にしたものであり、ここではポリプロピレン(PP)とフィラーからなるものを用いた。空気が音を通すためブザー4bのブザー音は容易に通すようにしたシート材である。透明樹脂カバー12は、透明なポリウレタンを可撓性のあるフィルム状にすることにより、LED4aの点灯状態を目視できるようにすると共に、外部からスイッチ4cの操作を可能にしたものである。
また、本実施形態に係る鉛蓄電池は、電槽1内から漏出した電解液や水蒸気の凝結液を再びこの電槽1内に還流させるための還流室が設けられていることは前述したとおりであるので説明は省略する。
上記鉛蓄電池の製造方法を説明する。電槽1に取り付ける前の電槽蓋2の凹部2bに電子回路基板4を収納して、これらと接続導体との接続を行う。なお、この電子回路基板4を収納する前に、電槽蓋2を電槽1に固着することもできるが、作業上は、電槽1に取り付ける前の方が好ましい。
電子回路基板4を収納した凹部2bを凹部蓋9で覆い、この凹部蓋9の一方の充填開口部9dから凹部2bにエポキシ樹脂を充填する。すると、凹部2b内では、空気が他方の充填開口部9eから円滑に排出されるので、一方の充填開口部9dから流入したエポキシ樹脂が速やかに凹部2bに入り込み確実に奥まで回り込むようになる。また、この際、他方の充填開口部9eから強制的に空気を排出させて、さらに迅速にエポキシ樹脂の充填が行われるようにすることもできる。なお、エポキシ樹脂は、電子回路基板4を確実に覆うように充填すべきであるが、凹部蓋9の内側天井面まで完全に充填する必要はなく、透明樹脂カバー12の凸部の上部やブザー4bの上面までは覆わないように充填する。このようにして充填されたエポキシ樹脂を常温又は温度を少し上げて硬化させることにより、電子回路基板4やその接続部を保護することができる。
上記電槽蓋2は、電槽1の上端開口部に封止固着される。そして、この電槽蓋2の上面に開口する注液口2iや還流空間2hに開口する複数の注液口2jや液面センサ装着部2aの貫通孔から電槽1の各セル室に電解液を注液する。ここで、還流空間2hに開口する複数の注液口2jから全てのセル室に電解液を注液できる場合には、電槽蓋2の上面に注液口2iを形成する必要はなく、液面センサ装着部2aの貫通孔を注液に利用する必要もない。なお、電解液の注液が完了しても、鉛蓄電池は未化成であるため、電子回路基板4のスイッチ4cは予めOFFにしておく。
電解液の注液が完了すると、電槽蓋2の液面センサ装着部2aに液面センサ3を装着して接続導体との接続を行う。また、この液面センサ3の装着の前後に、電槽蓋2の還流空間2hを還流室蓋10で覆い熱溶着等により封止固着する。さらに、電解液の注液完了後の適当な時期に、電槽蓋2の上面に開口する注液口2iに栓をして塞ぐ。なお、電解液の注液に液面センサ装着部2aの貫通孔を利用しない場合には、事前にこの液面センサ装着部2aに液面センサ3を装着しておくこともできる。
上記構成によれば、一方の充填開口部9dからエポキシ樹脂を充填すると共に、他方の充填開口部9eから凹部2b内の空気を排出させることができるので、この凹部2bの奥まで樹脂を十分に充填して電子回路基板4を確実に覆い、電解液やその他の水分、塵、外力などから実装部品や接続部分等を保護することができるようになる。
即ち、図10に示すように、凹部蓋9の充填開口部9dが一つしかない従来の鉛蓄電池の場合には、この充填開口部9dからエポキシ樹脂を充填すると、矢印A、Bに示すように広がろうとするが、凹部2bの奥までエポキシ樹脂が十分に入り込まないために、電子回路基板4を確実に覆って樹脂封止することができなかった。これは、一つしかない充填開口部9dからエポキシ樹脂が充填されると、凹部2b内の空気の逃げ場がなくなり、この空気溜まりによってエポキシ樹脂の回り込みが妨げられるからである。また、凹部蓋9には、充填開口部9d以外にも、開口窓9a〜9cが開口されているが、開口窓9a、9cはLED4aやスイッチ4cを覆う透明樹脂カバー12の凸部が嵌まり込んだり、開口窓9bは多孔質のフィルタ11によって塞がれるために、空気の流通が悪く十分に排出させることはできないからである。
なお、上記実施形態では、凹部蓋9にエポキシ樹脂を充填するために2つの充填開口部9d、9eを形成する場合を示したが、3つ以上の充填開口部を形成してもよく、この場合には、3つ以上の充填開口部のうちの少なくとも一つからエポキシ樹脂を充填すると共に、他の充填開口部のうちの少なくとも一つから凹部2b内の空気を排出させるようにすればよい。
また、上記実施形態で示した凹部2bや凹部蓋9の構成は一例にすぎず、電槽蓋2の上面よりも窪んだ凹部2bと、この凹部2bを覆う凹部蓋9であれば、これらの形状や構造は任意である。さらに、上記実施形態では、エポキシ樹脂を凹部2bに充填する場合を示したが、樹脂の種類は任意であり、電子回路基板4の実装部品に熱の影響がなければ、熱可塑性樹脂を充填することもできる。
また、上記実施形態では、電子回路基板4が液面検出機能と状態検出機能を併せ持つ回路を実装したものである場合を示したが、この電子回路基板4が他の機能を有することについては前述したとおりである。
上記電子回路基板4の液面検出機能や状態検出機能等は、実際にはこれら複数の機能を備えた1つの回路として実装されていてもよいことは前述したとおりであるので説明は省略する。
また、上記実施形態では、基板に電子回路を実装した電子回路基板4を用いる場合を示したが、その形態は前述したとおりである。さらに、上記実施形態では、電子回路部品がLED4aやブザー4bによって警報を発する場合を示したが、その形態は前述したとおりである。
また、上記実施形態では、凹部蓋9に開口窓9a〜9cを形成する場合を示したが、例えば電子回路部品が警報発生手段等を備えていない場合には、これらは不要であり、LED4a等の発光手段や表示手段を備えている場合には例えば凹部蓋9自体を透明な樹脂で作製すればよく、この凹部蓋9に開口窓9a〜9cを形成するかどうかは任意である。
また、上記実施形態で示した液面センサ3や液面センサ装着部2aの構成も一例にすぎないことは前述したとおりである。
また、上記実施形態で示した電槽蓋2の還流室の構造も一例にすぎないことは前述したとおりである。
また、上記実施形態では、還流室を設けた液式の鉛蓄電池について説明したが、電槽蓋2の上面の凹部2bに電子回路部品が収納されていればよく、還流室を設けていない鉛蓄電池にも同様に実施可能である。従って、この鉛蓄電池は、制御弁式やゲル式等のどのような種類のものであっても実施可能である。
〔第5実施形態〕
本実施形態の鉛蓄電池は、主に凹部を覆う凹部蓋に注目して説明する。この鉛蓄電池は、図11に示すように、樹脂製の方形容器状の電槽1と、この電槽1の上端開口部を塞いで封止する樹脂製の電槽蓋2とを備えているが、電槽1の内部構造は前述したとおりであるので説明は省略する。
電槽蓋2は、上記電槽1の上端開口部に熱溶着等により封止固着され、鉛等からなる正負の端子5、6がインサート成形されていることは前述したとおりであるので説明は省略する。
上記電槽蓋2の上面には、液面センサ装着部2aが形成されていることも前述したとおりであるので説明は省略する。
上記液面センサ装着部2aには液面センサ3が装着されることも前述したとおりであるので説明は省略する。
また、上記電槽蓋2の上面には、電子回路基板4を収納するための凹部2bが形成されているが、その詳細は前述したとおりである。
液面センサ接続導体は、鉛等からなる接続導体であり、上記第1の凸状端子部8aと第2の凸状端子部8bとの間を図示しない棒状中間導体部で一体的に接続したものであるが、その構成は前述したとおりであるので説明は省略する。
液面センサ3は、下方に液面検知電極3dが露出した筒体を液面センサ装着部2aの貫通孔に挿入すると共に、環状突体3bをこの貫通孔に圧入し、頭部3aを液面センサ装着部2aの穴の後部に嵌合させることにより装着されるが、その装着方法は前述したとおりであるので説明は省略する。
副端子5b、6bは、正負の端子5、6から導出された鉛等からなる端子部であり、電子回路基板4に接続するためのものであるが、その詳細は前述したとおりであるので説明は省略する。
電子回路基板4は、液面検出機能や状態検出機能を併せ持つ回路を実装した基板であることは前述したとおりであるので説明は省略する。
上記電子回路基板4によるLED4aやブザー4bの制御についても前述したとおりであるので説明は省略する。
上記電子回路基板4は、4箇所の支持用凸体2gに支持されて凹部2bに収納されているが、その詳細は前述したとおりである。
上記凹部2bに収納された電子回路基板4の基板上面には、図12に示すように、透明樹脂カバー12が配置される。透明樹脂カバー12は、透明で可撓性のあるポリウレタン等からなる平坦なシート材を成形して凸部や窓部を設けたものであり、LED4aとスイッチ4cを凸部で覆うと共に、窓部からブザー4bを露出させて基板上面に載置する。
上記凹部2bは、凹部蓋9で覆って熱溶着等により固定する。凹部蓋9は、図11〜図12に示すように、方形の盆を伏せたような形状の樹脂製の蓋材であり、3箇所に開口窓9a〜9cが開口されると共に、その両側に充填開口部9d、9eが開口されている。また、中央の開口窓9bは、フィルタ11が張り付けられて塞がれている。フィルタ11は、撥水性の高い多孔質シートからなり、空気や音は通すが、水分は遮蔽することができるポリプロピレン(PP)と有機フィラーからなるシートである。
上記凹部蓋9は、凹部2bを覆ったときに、開口窓9a〜9cがそれぞれ電子回路基板4のLED4aとブザー4bとスイッチ4cの上方に配置されるようになっている。従って、LED4aからの光は、透明樹脂カバー12の凸部と開口窓9aを通して上方に透過し、ブザー4bが発するブザー音は透明樹脂カバー12の窓部と開口窓9bを通して上方に伝わり、スイッチ4cは開口窓9cを通して上方から押すと、透明樹脂カバー12の凸部が撓んで操作ができる。
上記凹部2bには、凹部蓋9の充填開口部9d、9eのいずれかから樹脂を充填する。これにより、電子回路基板4は、上下面がこの樹脂に被覆されて保護され、透明樹脂カバー12も凸部の上部を除いてこの樹脂に被覆されるので、LED4aやスイッチ4cが密閉される。しかも、充填する樹脂は、凹部蓋9の内側天井面まで完全に充填する必要はないので、透明樹脂カバー12の凸部やブザー4bの上部を覆わないように充填することにより、LED4aからの光やブザー4bが発するブザー音を凹部蓋9の開口窓9a、9bを通して確実に外部に透過又は伝達することができ、開口窓9cを通してスイッチ4cを確実に操作することも可能となる。なお、フィルタ11は、ブザー4bのブザー音が開口窓9bを通って伝達するのを遮ることなく、凹部蓋9の上面に付着した水や電解液が開口窓9bを通して内部に浸入するのを防いでいる。
また、上記電子回路基板4から導出された液面センサ接続端子4dや電源接続端子4e、4fと第2の凸状端子部8bや副端子5b、6bとの溶接部もこの樹脂に被覆されて保護されるが、その詳細は前述したとおりであるので説明は省略する。
また、上記電槽蓋2には、還流室が設けられているが、その詳細は前述したとおりであるので説明は省略する。
上記凹部蓋9と還流室蓋10は、図13及び図14に示すように、電槽蓋2の上面に形成された窪み2eを2分割して覆うことになる。ここで、これらの凹部蓋9と還流室蓋10は、一体化した上蓋として、窪み2e全体を覆うことも可能である。ただし、凹部2bへの電子回路基板4の収納と凹部蓋9で覆って樹脂を充填する作業は、電槽蓋2を電槽1に取り付ける前に行う方が作業性が良く、電槽1に取り付けた後の電解液の注液工程では電解液が付着するおそれがあるので、その前に作業を済ませることが好ましい。しかしながら、電槽1の各セル室に電解液を注液するための注液口の多くは還流空間2h内に形成されているので、還流室蓋10は、電槽蓋2を電槽1に取り付けて電解液の注液を行った後でなければ、この電槽蓋2に取り付けることができない。このため、本実施形態では、窪み2eの凹部2bと還流空間2hを凹部蓋9と還流室蓋10とで別個に覆うようにしている。
また、上記のように凹部蓋9と還流室蓋10とを2分割すれば、凹部蓋9と樹脂の充填により凹部2bに収納された電子回路基板4等をより確実に封止して水や電解液の浸入を防ぐことができるようになる。しかも、本実施形態では、これら凹部蓋9と還流室蓋10との間の隙間に溝部2kが形成されるので、電槽蓋2の上面に付着した水や電解液は、この溝部2kに入り込むことにより凹部2bへの浸入を阻止することができる。特に、本実施形態では、この溝部2kが形成される窪み2eの上面が電槽蓋2の側面に繋がっているので、溝部2kに入り込んだ水や電解液を速やかに外部に排出することができる。
また、本実施形態では、凹部蓋9の上面を還流室蓋10の上面よりも少し低くしているので、例えば鉛蓄電池を自動車等に装着する際に、電槽蓋2の上に取付金具を渡し下方に締めつけたとしても、この締め付け力は還流室蓋10に加わり凹部蓋9に加わるのを防ぐことができる。凹部蓋9は、電子回路基板4を収納した凹部2bを覆って樹脂が充填されるので、この凹部蓋9に外力が加わると電子回路基板4に歪みが生じるおそれがある。従って、凹部蓋9の上面を還流室蓋10の上面よりも低く形成することで、この歪みによる回路の断線や実装部品の破損を防止することができる。
また、本実施形態では、電槽蓋2の上面における凹部2bの手前側に、凹部蓋9よりも上面が高い凸状部2oを設けているので、取付金具等をこの凸状部2oと還流室蓋10とで支えることができ、凹部蓋9に外力が加わるのをより確実に防ぐことができる。なお、この凸状部2oの大きさや形状は、図示のものには限定されず、この凸状部2oを設けずに取付金具等を還流室蓋10だけで支えることもできる。さらに、還流室蓋10の上面を凹部蓋9の上面よりも高くせずに、この凸状部2oだけで取付金具等を支えるようにしてもよい。しかも、このような凸状部2oは、本実施形態で示す部位に限らず、電槽蓋2の他の部位の上面に形成してもよく、複数箇所に形成してもよい。さらに、このような凸状部2oに代えて、又は、凸状部2oと共に、電槽蓋2の他の部位に取り付けた部品の上面を凹部蓋9の上面より高くして、取付金具等を支えるようにしてもよい。
本実施形態によれば、電槽蓋2に、電子回路基板4を収納すると共に還流室を設けることができる。しかも、電子回路基板4は、電槽蓋2の上面に形成された凹部2bに収納されて凹部蓋9で覆われ樹脂が充填され、還流室は、電槽蓋2の上面に形成された還流空間2hを還流室蓋10で覆うので、組み立て作業性を向上させると共に、電子回路基板4を収納した凹部2bへの水や電解液の浸入を確実に防止することができ、この電子回路基板4に外力による歪みが生じるのを防ぐこともできる。
なお、上記実施形態では、電子回路基板4が液面検出機能や状態検出機能を併せ持つ回路を実装したものである場合を示したが、その詳細は前述したとおりであるので説明は省略する。
上記電子回路基板4の液面検出回路や状態検出回路等は、実際にはこれら複数の機能を備えた1つの電子回路として実装されていてもよいことも前述したとおりである。
また、上記実施形態では、基板に電子回路を実装した電子回路基板4を用いる場合を示したが、他の形態については前述したとおりである。
また、上記実施形態で示した凹部2bの構成は一例にすぎず、電槽蓋2の上面に形成された凹状の部分であれば、形状や構造は任意である。さらに、上記実施形態で示した凹部蓋9の構成も一例にすぎず、凹部2bを覆うものであれば、形状や構造は任意である。さらに、この凹部蓋9の中央の開口窓9bを覆うフィルタ11は、撥水性の高い多孔質シートであって空気や音は通すが、水分は遮蔽することができるものであれば、必ずしもポリプロピレンと有機フィラーからなるシートには限定されない。さらに、この凹部2bは、必ずしも凹部蓋9で覆ったり樹脂を充填するものには限定されない。さらに、電子回路基板4の収納手段や接続手段も、支持用凸体2gや接続端子4d〜4fに限定されず任意である。
また、上記実施形態で示した液面センサ3の構成も一例にすぎず、液面センサ3を用いる場合には、他の構成の液面センサ3であってもよい。例えば光学センサを用いて電解液の液面を検出するような液面センサ3であってもよく、電解液の液面状態を電気信号等の信号として出力するものであれば、どのようなものであってもよい。さらに、液面センサ装着部2aも、この液面センサ3に応じて、適宜な構成とすることができる。さらに、上記実施形態で示した電子回路基板4を液面センサ3や正負の端子5、6に接続するための構成も、電槽蓋2にインサート成形された液面センサ接続導体や副端子5b、6bに限定されず任意である。
また、上記実施形態では、一つの液面センサ3を用いて一つのセル室の電解液の液面だけを検出する場合を示したが、2つ以上の液面センサ3を用いること等については前述したとおりである。
また、上記実施形態で示した電槽蓋2の還流室の構造も一例にすぎないことは前述したとおりである。
また、上記実施形態では、電槽1の内部が複数のセル室に区切られた鉛蓄電池について説明したが、他の電池にも適用できることは前述したとおりである。
電子回路部品と電気部品又はこれらと端子との接続を行う電気部品接続導体や端子接続導体によって電槽蓋の上面で物が引っ掛かる等して断線するのを防ぐことができ、電槽蓋の上面に付着した電解液による腐食も防ぐことができ、外観上の見栄えもよくなるので、その産業上の利用可能性は大である。

Claims (6)

  1. 電槽蓋上面の電気部品装着部に装着された電気部品と、前記電槽蓋上面の凹部に収納された電子回路部品と、前記電気部品と前記電子回路部品とを繋いで、前記電槽蓋にインサート成形された電気部品接続導体とを備えており、
    前記電気部品接続導体は、前記電気部品を接続するための第1の凸状端子部と、電子回路部品を接続するための第2の凸状端子部と、前記両凸状端子部間を接続するための棒状中間導体部とを備えたことを特徴とする鉛蓄電池。
  2. 前記電気部品は液面センサであることを特徴とする、請求項1記載の鉛蓄電池。
  3. 電槽蓋上面の凹部に収納された電子回路部品と、前記電槽蓋にインサート成形された、電子回路部品と蓄電池の端子とを繋ぐ端子接続導体とを備え、前記電子回路部品は、前記凹部の底面に形成された支持用凸体により前記凹部の底面から離反して配置されたことを特徴とする鉛蓄電池。
  4. 前記電槽蓋には、電解液又は水蒸気の凝結液を電槽内に還流させるための還流室が設けられていることを特徴とする、請求項1乃至請求項のいずれかに記載の鉛蓄電池。
  5. 前記凹部は凹部蓋で覆われたことを特徴とする、請求項1乃至請求項のいずれかに記載の鉛蓄電池。
  6. 電槽蓋上面の凹部に収納された電子回路部品と、前記凹部を覆う凹部蓋とを備え、前記凹部蓋には前記凹部に樹脂を充填するための充填開口部が少なくとも2つ形成されたことを特徴とする鉛蓄電池。
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