JP5266455B2 - 温度調整装置 - Google Patents
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Description
しかし、近年、精密加工分野でも、従来よりも更に加工精度の高い精密加工等が要求される工程が出現しつつある。
かかる高い精密加工等が要求される工程では、通常、クリーンルームの温度変化よりも更に小さな温度変化の環境であることが要求される。このため、高い精密加工等が要求される工程は、精密な温度管理がなされている空間ユニット内に設けられる。
この様な空間ユニットの温度調整に用いられる温度調整装置としては、例えば下記特許文献1に図10に示す温度調整装置が記載されている。
図10に示す温度調整装置には、圧縮機100、三方弁102、凝縮器104及び膨張弁106及び冷却器108から成る冷却回路と、圧縮機100、三方弁102、加熱器110及び膨張弁106から成る加熱回路とが設けられている。
冷却器108と加熱器110とによって、ファン112により送風される温度調整対象の空気流の温度が調整される。
一方、加熱回路側に分配された高温の熱媒体は加熱器110に供給され、冷却器108で冷却された温度調整対象の空気流を加熱して所望の温度に調整する。この様に、加熱器110において、冷却器108で冷却された温度調整対象の空気流を加熱しつつ放熱して降温された熱媒体は、膨張弁106及び冷却器108を通過して圧縮機100に供給される。
一方、三方弁102によって加熱回路側に分配する高温熱媒体量を調整することによって、冷却器108で冷却された温度調整対象の空気流に対する加熱器110での加熱量を調整できる。
従って、図10に示す温度調整装置は、比較的小型であるため、予め温度調整が成されているクリーンルーム等の比較的狭い場所で、冷却器108及び加熱器110を通過する温度調整対象の空気流の温度を調整でき、精密な温度管理がなされている空間ユニット内の温度管理を狭い温度範囲で行うことは可能である。
しかし、図10に示す温度調整装置では、圧縮機100で圧縮された高温の熱媒体の全量が膨張弁106を通過して断熱的に膨張されて冷却され、冷却器108に供給されるため、ファン112により送風される温度調整対象の空気流に対する温度調整は、専ら加熱器110に供給する圧縮機100で圧縮された高温熱媒体の再加熱によって行われる。
このため、冷却器108及び加熱器110を通過する温度調整対象の空気流の設定温度を大幅に高くする場合、温度調整対象の空気流の温度が設定温度に到達しなかったり、設定温度に到達するまでに著しく時間がかかることがある。
この様な、図10に示す温度調整装置の加熱量不足を補うべく、図11に示す様に、補助電気ヒータ114を設けることが考えられるが、エネルギー的に無駄である。
そこで、本発明では、温度調整対象の流体に対する加熱能力が不足し、補助電気ヒータ等の補助加熱手段を設けることを必要とする従来の温度調整装置の課題を解決し、温度調整対象の流体に対する加熱能力を向上できると共に、省エネルギーを図ることができる小型化可能の温度調整装置を提供することにある。
かかる温度調整装置には、圧縮機18から吐出された高温の第1熱媒体の一部を加熱回路側に分配すると共に、高温の第1熱媒体の残余部を冷却回路側に分配し、且つ加熱回路と冷却回路とに分配される高温の第1熱媒体の分配比率を変更可能な分配手段としての比例三方弁20と、加熱回路の加熱能力が向上するように、加熱器14で熱を放出して冷却されてから第2膨張弁34で断熱的に膨張されて更に冷却された第1熱媒体が、外部熱原としての第2熱媒体である水から吸熱する吸熱器32を具備するヒートポンプ手段と、比例三方弁20を制御し、加熱回路と冷却回路とに分配される高温の第1熱媒体の分配比率を調整して、加熱器14と冷却器16とを通過する温度調整対象の空気を所定温度に制御する制御部22とが具備されている。
更に、比例三方弁20によって、加熱回路と冷却回路とに分配する高温の第1熱媒体の分配比率を変更して、加熱器14と冷却器16とを通過する温度調整対象の空気に対する加熱量と冷却量とを容易に調整でき、温度調整対象の空気を精密に温度調整できる。
しかしながら、図12に示す温度調整装置では、吸熱器26と凝縮器26として、別体の熱交換器を用いているため、熱交換器の各々に第1熱媒体の給排配管と水の給排配管との接続を行うことを要し、配管が複雑化して、吸熱器26と凝縮器26として、別体の熱交換器を用いていることと相俟って、装置が大型化することが判明した。
このため、本発明者等は、更に検討を重ね、吸熱器26に用いる吸熱用熱交換配管と凝縮器26に用いる凝縮用熱交換器配管とを同一の容器内に収容した熱交換器を用いることによって、配管を簡易化でき装置の小型化を図れることを知り、本発明に到達した。
更に、分配手段によって、加熱回路と冷却回路とに分配する高温の第1熱媒体の分配比率を変更して、加熱器手段と冷却器手段とを通過する温度調整対象の流体に対する加熱量と冷却量とを容易に調整でき、温度調整対象の流体を精密に温度調整できる。
また、凝縮器と吸熱器として、凝縮用熱交換配管と吸熱用熱交換配管とを同一容器内に収容した熱交換器を用いるため、第2熱媒体としての水の給排配管を熱交換器の容器に接続することで足りる。
その結果、本発明に係る温度調整装置では、凝縮器と吸熱器とを個別に設け、この凝縮器と吸熱器との各々に水の給排配管を接続した温度調整装置に比較して、配管を簡易化できることと相俟って、装置の小型化及び製造コストの低減を図ることができる。
かかる加熱回路を構成する加熱手段としての加熱器14と冷却回路を構成する冷却手段としての冷却器16とが設けられ、空間ユニット10内にファン12によって吸引されたクリーンルーム内の空気を冷却した後、加熱して精密に温度調整する。この冷却器16と加熱器14との空気流に対する配置によれば、加熱器14及び冷却器16を通過する空気流の除湿を更に向上できる。
かかる加熱器14及び冷却器16には、第1熱媒体として、例えばプロパン、イソブタンやシクロペンタン等の炭化水素、フロン類、アンモニア、炭酸ガスが供給され、第1熱媒体の気化・液化によってクリーンルーム内の空気を加熱・冷却して所定の温度に調整する。
この様な第1熱媒体は、圧縮機18によって圧縮・加熱されて高温(例えば70℃)の気体状となって吐出される。圧縮機18から吐出された高温の第1熱媒体を、分配手段としての比例三方弁20によって、加熱器14が設けられた加熱回路側と冷却器16が設けられた冷却回路側とに分配する。
この比例三方弁20では、加熱回路側に分配する高温の第1熱媒体と冷却回路側に分配する高温の第1熱媒体との合計量が圧縮機18から吐出された高温の第1熱媒体量と等しくなるように分配する。
かかる比例三方弁20は、制御部22によって制御されている。この制御部22では、空間ユニット10内に設けられた温度センサー24によって測定された温度信号に基づいて、加熱回路側と冷却回路側とに分配する高温の第1熱媒体の分配比率を実質的に連続して変更し、空間ユニット10内に吸込まれた流体を所定温度に調整する。
この「実質的に連続して変更」とは、比例三方弁20をステップ制御で駆動するとき、微視的には比例三方弁20がステップ的に駆動されているものの、全体的には連続して駆動されている場合を含む意味である。
かかる制御部22に設定する設定温度は、任意に設定できるようにしてもよい。また、図1に示す温度センサー24は、ファン12の吐出側に設置されているが、ファン12の吸入側に設置してもよく、ファン12の吐出側及び吸入側に設けてもよい。
加熱器14で放熱した第1熱媒体は、第2膨張手段としての膨張弁34によって断熱的に膨張され、外部雰囲気温度よりも低温(10℃程度)に冷却される。冷却された第1熱媒体は、熱交換器40の吸熱用熱交換配管44に供給される。
かかる熱交換器40は、筒状の容器42内の上部側に、冷却された第1熱媒体が供給されるコイル状の吸熱用熱交換配管44が収容されていると共に、容器42内の下部側に、後述する高温の第1熱媒体が供給されるコイル状の凝縮用熱交換配管46が収容されて成る熱交換器である。
更に、容器42の底部側には、外部熱原としての第2熱媒体である水を容器42内に供給する水供給配管37が接続されており、容器の42の上部側には、容器42内の水を排出する水排出配管39が接続されている。
このため、容器42の底部側に供給された水は、容器42の上部側に流れ、容器42の水供給口側に配設された凝縮用熱交換配管46で除去した熱を、容器42の水排出口側に配設された吸熱用熱交換配管44で利用でき、省エネルギー的には有利である。
従って、凝縮用熱交換配管46と吸熱用熱交換配管44と近接して配設することが好ましい。
一方、冷却回路側に分配された高温の第1熱媒体は、熱交換器40の凝縮用熱交換配管46に供給されて水によって冷却されてから第1膨張手段としての膨張弁28によって断熱的に膨張され、外部雰囲気温度よりも低温に冷却される(例えば、10℃に冷却)。冷却された第1熱媒体は、冷却器16に供給され、空間ユニット10内に吸込まれた空気流を冷却し、その際に、冷却器16に供給された第1熱媒体は空気流から吸熱して昇温される。
この様に、吸熱器32と冷却器16とで吸熱した熱媒体は、合流してアキュームレータ36を経由して圧縮機18に供給される。このアキュームレータ36には、冷却器16に供給されて空間ユニット10内に吸込まれた流体から吸熱した熱媒体も供給される。かかるアキュームレータ36は、蓄圧器用タイプのアキュームレータを用いた。
アキュームレータ36としては、確実に熱媒体のガス成分のみを圧縮機18に供給すべく、液体成分を貯めてガス成分のみを圧縮機18に再供給できるタイプのアキュームレータを用いることができる。
尚、アキュームレータ36を設置しなくても、吸熱器32と冷却器16とを通過した熱媒体を合流して、圧縮機18に再供給できればよい。
従って、圧縮機18から吐出される高温の第1熱媒体には、圧縮機18による圧縮動力エネルギーに、ヒートポンプ手段によって外部から供給された水より吸熱したエネルギーを加えることができる。その結果、補助ヒータ等の他の加熱手段を用いることを要しない。
このため、図1に示す温度調整装置では、加熱回路及び冷却回路に高温の第1熱媒体が常時供給されており、加熱回路の加熱器14と冷却回路の冷却器16とを通過する温度調整対象の空気流の微小な負荷変動は、加熱回路と冷却回路とに分配する高温の第1熱媒体の分配比率を比例三方弁20によって直ちに微小調整することによって迅速に対応でき、応答性を向上できる。
従って、加熱回路の加熱器14と冷却回路の冷却器16とを通過する温度調整対象の空気流の温度を設定温度に対して±0.1℃以下の精度で制御でき、図1に示す温度調整装置が設置された空間ユニット10の温度変化をクリーンルームの温度変化よりも小さくでき、精密加工が要求される工程を設置できる。
図1に示す熱交換器40の容器42は、断面円筒形や流線形等の任意の形状を採用してもよいが、内部に配設される凝縮用熱交換配管46と吸熱用熱交換配管44との形状に合せて、水の流れがスムーズに流れる形状とすることが好ましい。この容器42の材質としては、ステンレスや樹脂等の耐食性や強度等を考慮して適宜選択できる。
また、図1に示す熱交換器40では、凝縮用熱交換配管46の上方に冷却用熱交換配管44を配設しているが、冷却用熱交換配管44の上方に凝縮用熱交換配管46を配設して、容器42内の水に自然対流を発生させてもよい。
尚、図1の熱交換器40では、凝縮用熱交換配管46と吸熱用熱交換配管44とを一の容器42内に併設しているが、温度調整対象の空気流の温度調整の精度には問題なかった。
かかる制水弁48は、図2に示す様に、水の供給通路48aの開口面積を調整する弁体48bが形成された棒状部材48cと、供給通路48aが弁体48bによって閉塞される方向に棒状部材48cを付勢する付勢部材としてのバネ48dと、圧縮機18の吐出圧力によってバネ48dの付勢力に抗して棒状部材48cを押圧し、弁体48bで閉塞した供給通路48aを圧縮機18の吐出圧力に応じて開放する押圧部材としてのベローズ48eとから成る。
他方、圧縮機18の吐出圧がバネ48dの付勢力以下となったとき、弁体48bが供給通路48aを閉じる方向に移動し、熱交換器40に供給される水量が減少して、凝縮用熱交換配管46の冷却能力が低下する。このため、圧縮機18の吐出圧が高くなる。
この様に、圧縮機18の吐出圧を一定に保持することによって、温度調整装置を安定して運転できる。また、熱交換器40に水が必要以上に供給され、系外に排出されないように調整できる。
このため、図1に示す温度調整装置では、制水弁48をバイパスするバイパス配管53に、制御部22によって開閉が制御されている制御弁51が設けられている。この制御弁51は、高温の第1熱媒体の分配率が加熱回路側に大幅に偏って、圧縮機18の吐出圧が低下するおそれがあると制御部22が判断したとき、制御部22からの信号によって開き、水を容器42内に導入して吸熱用熱交換配管44が凍結するおそれを解消できる。
その際に、ゲートバルブ38a,38bの各々は、図4示す様に、バルブ開度と流量との関係は直線状でない。このため、制御部22では、図4に示すゲートバルブ38a,38bの各々についての流量特性データを保持し、制御部22からは、ゲートバルブ38a,38bの各流量特性に基づいて各ゲートバルブ38a,38bへの開度信号を発信する。
ここで、「加熱回路と冷却回路とに分配する分配比率を実質的に連続して調整」或いは「分配比率を実質的に連続して調整」するとは、ゲートバルブ38a,38bをステップ制御によって駆動し、加熱回路と冷却回路との分配比率を調整する際に、ゲートバルブ38a,38bの開度が、微視的にはステップ的に駆動されて調整されているものの、全体として連続して駆動されて調整されている場合を含むことを意味する。
かかる容器52内に供給された温度調整対象の液体は、加熱用熱交換配管54で加熱されると共に、冷却用熱交換配管56によって冷却されて温度調整されて、USERに供給される。
図5に示す温度調整装置では、熱交換器50の出口配管に温度センサー24が設けられている。温度センサー24で測定された液体温度は制御部22に送信されて、制御部22は、設定温度との温度差に基づいて比例三方弁20による高温の第1熱媒体の配分比率を決定する。
尚、図5に示す温度調整装置において、図1に示す温度調整装置と同一構成の構成部材については、図1と同一番号を付して詳細な説明を省略した。
この様に、筒状の容器52内に加熱用熱交換配管54と冷却用熱交換配管56とを併設した熱交換器50を用いることによって、個別に冷却器と加熱器とを配設した場合に比較して、配管を簡素化でき、温度調整装置の小型化を図ることができる。
また、図5に示す温度調整装置では、凝縮用熱交換配管46と吸熱用熱交換配管44とを容器42内に併設した熱交換器40を採用しているため、熱交換器50の採用と相俟って、温度調整装置の更なる小型化を図ることができる。
尚、図5に示す温度調整装置でも、比例三方弁20に代えて、図3及び図4に示すゲートバルブ38a,38bを用いることができることは勿論である。
一方、温度調整対象の空気が加熱側にある場合、空気温度が安定する所期運転状態では、図7(a)に示す様に、加熱器14を含む加熱側部で加熱した空気を冷却器16を含む冷却側部で冷却している。図6(a)に示す運転状態では、空気を加熱するに要するエネルギーBに比較して、冷却側部で冷却するエネルギーが大きくなる場合がある。この場合、図3(b)に示す様に、冷却側部と加熱側部との重複するエネルギーを削減できれば、省エネルギーを図ることができる。
但し、互いに打ち消し合う熱負荷分をゼロとすべく、加熱器14と冷却器16とをON−OFF制御すると、温度調整装置の運転が不安定となり、空間ユニット10内を所定温度で安定するまで時間が掛かる。このため、温度調整装置を安定運転できる程度には、加熱器14と冷却器16との各々に加えられる熱負荷のうち、互いに打ち消し合う熱負荷分を最小限存在させることが必要である。
尚、この必要最小限の互いに打ち消し合う熱負荷分は、温度調整装置によって多少異なるため、実験的に求めておくことが好ましい。
尚、図8に示す温度調整装置において、図1に示す温度調整装置と同一構成の構成部材については、図1と同一番号を付して詳細な説明を省略した。
図8に示す温度調整装置を試運転したところ、温度調整対象の空気を冷却側で運転する場合は、加熱器14に加えられる熱負荷として、比例三方弁20による加熱器14側への高温の第1熱媒体(図9では、「高温熱媒体」と記載している)の分配率を5〜15%(比例三方弁20による冷却器16側への高温熱媒体の分配率を95〜85%)とすることが安定運転上から好ましいことが判明した。他方、温度調整対象の空気を加熱側で運転する場合は、加熱器14側に加えられる熱負荷として、比例三方弁20による加熱器14側への高温熱媒体の分配率を95〜85%(比例三方弁20による冷却器16側への高温熱媒体の分配率を5〜15%)とすることが安定運転上から好ましいことが判明した。
このため、図9のフローチャートに示す制御では、加熱器14側に加えられる熱負荷、具体的には比例三方弁20による加熱器14側への高温の第1熱媒体の分配率を、温度調整対象の空気を冷却側で運転する場合は、5〜15%となるように圧縮機18の回転数を制御し、温度調整対象の空気を加熱側で運転する場合は、95〜85%の分配率となるように圧縮機18の回転数を制御することにした。
かかる空間ユニット10内が所定温度に到達して安定しているかをステップS14で判断し、空間ユニット10内の温度が安定していない場合は、ステップS12に戻り、比例三方弁20による加熱器14側と冷却器16側とに分配する高温の第1熱媒体の分配比率を連続的に変更する。かかるステップS12及びステップS14は第1制御部22aで行う。
ここで、ステップS14において、予め設定時間内(例えば、数分間)で測定した空間ユニット10内の温度が所定温度にあるとき、空間ユニット10内の温度が安定していると判断する。
一方、空間ユニット10内が所定温度に到達して安定している場合は、ステップS16〜S22で加熱器14側に分配される高温の第1熱媒体の分配比率が所定の範囲内であるか否か判断する。このステップS16〜S22は第2制御部22bで行う。
尚、図9に示す平均高温熱媒体分配率とは、加熱器14側に分配される高温の第1熱媒体の分配比率にはばらつきがあるため、所定時間内の熱媒体分配率の平均をとった値である。
ここで、加熱器14側への平均高温熱媒体分配率が5〜15%内にある場合は、加熱器14と冷却器44との各々に加えられる熱負荷のうち、互いに打ち消し合う熱負荷分が少なく、且つ温度調整装置の運転が安定する範囲内であるため、ステップS16を通過しステップS18からステップS28に移行する。ステップS28では、圧縮機18が運転中か否か判断して、圧縮機18が運転中であれば、ステップ14に戻る。
一方、加熱器14側への平均高温熱媒体分配率が5%未満である場合には、加熱器14側への平均高温熱媒体分配率が低過ぎるため、温度調整装置の運転が不安定となり易い。このため、加熱器14側への平均高温熱媒体分配率を増加すべく、ステップS16からステップS24に移行し、圧縮機18の回転数を増加する。ステップS24では、第2制御部22bからインバータ18に向けて、インバータ18に設定されている圧縮機18の回転数を最小変化量で増加する増加信号を発信する。圧縮機18の回転数を最小変化量で増加することによって、温度調整装置を安定して運転できるからである。
ここで、圧縮機18の回転数を変化させる変化量は、予め第2制御部22bに設定されている。この変化量は、圧縮機18の回転数の最小回転数とすることが好ましい。かかる最小回転数は、温度調整装置によって異なり、実験的に求めておくことが好ましいが、圧縮機18の回転数が2000〜5000rpmのとき、最小変化量を3〜10%の範囲とすることが好ましい。
ここで、加熱器14側への平均高温熱媒体分配率が85〜95%内にある場合は、加熱器14と冷却器44との各々に加えられる熱負荷のうち、互いに打ち消し合う熱負荷分が少なく、且つ温度調整装置の運転が安定する範囲内であるため、ステップS20を通過しステップS22からステップS28に移行する。ステップS28では、圧縮機18が運転中か否か判断して、圧縮機18が運転中であれば、ステップ14に戻る。
一方、加熱器14側への平均高温熱媒体分配率が95%を超えている場合には、加熱器14側への平均高温熱媒体分配率が高過ぎ、温度調整装置の運転が不安定となり易い。このため、加熱器14側への平均高温熱媒体分配率を減少すべく、ステップS20からステップS24に移行し、圧縮機18の回転数を増加する。ステップS24では、制御部22bからインバータ18に向けて、インバータ18に設定されている圧縮機18の回転数を最小変化量で増加する増加信号を発信する。
次いで、ステップS24又はステップS26を通過してステップS28に移行し、圧縮機18が運転中であれば、ステップS14に戻る。ステップS14では、ステップS24又はステップS26において、圧縮機18の回転数を最小変化量で増加又は低下した状態で、空間ユニット10内が所定温度に到達して安定しているかを判断する。空間ユニット10内が所定温度に到達して安定している場合には、ステップS16〜S26によって、再度、加熱器14側への平均高温熱媒体分配率が所定範囲内に在るか否か判断する。
一方、ステップS14において、空間ユニット10内の温度が安定していないと判断した場合は、ステップS12に戻り、比例三方弁20による加熱器14側と冷却器16側とに分配する高温熱媒体の分配比率を連続的に変更する。空間ユニット10内が所定温度に到達して安定してからステップS16〜S26に移行する。
尚、ステップS28において、圧縮機18が運転状態にない場合には、制御部22による制御は停止する。
図8では、温度調整対象が空気の温度調整装置を例示したが、図5に示す温度調整装置の様に、温度調整対象が液体の温度調整装置にも、加熱手段としての加熱器44と冷却手段としての冷却器46とに分配する高温の第1熱媒体の分配比率を連続的に変更して、加熱器44と冷却器46とを通過する温度調整対象としての流体である液体を所定温度に調整するように分配手段としての比例三方弁20を制御する第1制御部22aと、加熱器14と冷却器16との各々に加えられる熱負荷のうち、互いに打ち消し合う熱負荷分を削減し得る高温の第1熱媒体の分配比率となるように、圧縮機18の回転数を制御する回転数制御手段としてのインバータ19を介して圧縮機18の回転数を変更する第2制御部22bとから成る制御部22を設けてよいことは勿論のことである。
12 ファン
14 加熱器
16 冷却器
18 圧縮機
20 比例三方弁
22 制御部
22a 第1制御部
22b 第2制御部
24 温度センサー
28 膨張弁(第1膨張手段)
32 吸熱器
32 凝縮器
34 膨張弁(第2膨張手段)
36 アキュームレータ
37 水供給配管
38a,38b ゲートバルブ
39 水排出配管
40 熱交換器
42 容器
44 吸熱用熱交換配管
46 凝縮用熱交換配管
48 制水弁
50 熱交換器
51 制御弁
52 容器
54 加熱用熱交換配管
56 冷却用熱交換配管
60 タンク
62 ポンプ
Claims (1)
- 圧縮機で圧縮されて加熱された高温の第1熱媒体の一部が加熱手段に供給される加熱回路と、前記高温の第1熱媒体の残余部が凝縮器で冷却されてから第1膨張手段で断熱的に膨張して更に冷却されて冷却手段に供給される冷却回路とが設けられ、前記加熱手段と冷却手段とを通過する温度調整対象の流体を所定温度に調整するように、前記高温の第1熱媒体が加熱回路と冷却回路とに分配され、且つ前記加熱回路と冷却回路との各々を通過した第1熱媒体が合流して圧縮機に再供給される温度調整装置であって、
前記圧縮機から吐出された高温の第1熱媒体の一部を前記加熱回路側に分配すると共に、前記高温の第1熱媒体の残余部を冷却回路側に分配し、且つ前記加熱回路と冷却回路とに分配される高温の第1熱媒体の分配比率を変更可能な分配手段と、
前記加熱回路の加熱能力が向上するように、前記加熱手段で熱を放出して冷却されてから第2膨張手段で断熱的に膨張されて更に冷却された第1熱媒体が、外部熱原としての第2熱媒体から吸熱する吸熱器を具備するヒートポンプ手段と、
前記分配手段を制御し、前記加熱回路と冷却回路とに分配される高温の第1熱媒体の分配比率を調整して、前記加熱手段と冷却手段とを通過する温度調整対象の流体を所定温度に制御する制御部とを具備し、
温度調整対象の流体が液体であって、高温の第1熱媒体が供給されて前記液体を加熱する加熱手段としての加熱用熱交換配管と、前記第1膨張手段を通過して冷却された第1熱媒体が供給されて前記液体を冷却する冷却手段としての冷却用熱交換配管とが同一容器内に収容された第1の熱交換器が用いられ、前記容器に温度調整対象の液体を供給する供給配管と前記容器から温度調整された液体を排出する排出配管とが設けられ、
前記凝縮器と吸熱器として、前記冷却回路側に分配された高温の第1熱媒体が供給される凝縮用熱交換配管と前記第2膨張手段を通過して冷却された第1熱媒体が供給される吸熱用熱交換配管とが同一容器内に収容された第2の熱交換器が用いられ、前記凝縮用熱交換配管に供給された高温の第1熱媒体が冷却されて凝縮されると共に、前記吸熱用熱交換配管に供給された第1熱媒体が吸熱して加温されるように、前記容器内に第2熱媒体としての水を供給する水供給配管が設けられ、
前記第1の熱交換器を構成する容器及び前記第2の熱交換器を構成する容器は、それぞれ筒状であり、
前記第2の熱交換器は、筒状の容器の上部側に前記吸熱用熱交換配管が収容され、筒状の容器の下部側に凝縮用熱交換配管が収容され、前記水供給配管が筒状の容器の底部に接続され、筒状の容器内の水を排出する水排出配管が筒状の容器の上部側に接続されていることを特徴とする温度調整装置。
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