JP2010007958A - 温度調整装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】温度調整対象の流体に対する加熱能力を向上しつつ、省エネルギーを図り、且つ安全に運転できる温度調整装置を提供する。
【解決手段】圧縮機18から吐出した高温の熱媒体の一部を加熱器14に供給すると共に、その残余部を凝縮器26に供給する比例三方弁20と、加熱器14の加熱能力を向上するヒートポンプ手段の吸熱器32と、温度調整対象の流体を所定温度に調整するように、比例三方弁20を制御する制御部22とが設けられ、凝縮器26に接続された水供給配管37に設けた、圧縮機18の吐出圧力を一定とする制水弁48のバイパス配管に制御弁51を設け、吸熱器32の水排出配管39の水温センサー60で測定した水温が所定温度以下のとき、凝縮器26及び吸熱器32に供給する水量を増加するように、制御弁51を開くバイパス制御部62を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は温度調整装置に関し、更に詳細には更に詳細には加熱手段と冷却手段とを通過する温度調整対象の流体を所定温度に調整する温度調整装置に関する。
通常、半導体装置の製造工程等の精密加工分野では、その殆どが温度及び湿度が制御されたクリーンルーム内に設置されている。
しかし、近年、精密加工分野でも、従来よりも更に加工精度の高い精密加工等が要求される工程が出現しつつある。
かかる高い精密加工等が要求される工程では、通常、クリーンルームの温度変化よりも更に小さな温度変化の環境であることが要求される。このため、高い精密加工等が要求される工程は、精密な温度管理がなされている空間ユニット内に設けられる。
この様な空間ユニットの温度調整に用いられる温度調整装置としては、例えば下記特許文献1に図12に示す温度調整装置が記載されている。
図12に示す温度調整装置には、圧縮機100、三方弁102、凝縮器104及び膨張弁106及び冷却器108から成る冷却回路と、圧縮機100、三方弁102、加熱器110及び膨張弁106から成る加熱回路とが設けられている。
冷却器108と加熱器110とによって、ファン112により送風される温度調整対象の空気流の温度が調整される。
かかる温度調整装置では、圧縮機100で圧縮された高温の熱媒体を三方弁102によって、冷却回路と加熱回路とに分配する。冷却回路側に分配された高温の熱媒体は、凝縮器104で冷却・凝縮される。この冷却・凝縮された熱媒体は、膨張弁106によって断熱的に膨張されて冷却され、冷却器108に供給される。冷却器108では、ファン112により送風される温度調整対象の空気流を冷却しつつ吸熱して昇温された熱媒体は圧縮機100に供給される。
一方、加熱回路側に分配された高温の熱媒体は加熱器110に供給され、冷却器108で冷却された温度調整対象の空気流を加熱して所望の温度に調整する。この様に、加熱器110において、冷却器108で冷却された温度調整対象の空気流を加熱しつつ放熱して降温された熱媒体は、膨張弁106及び冷却器108を通過して圧縮機100に供給される。
特開昭51−97048号公報
図12に示す温度調整装置では、圧縮機100で圧縮された高温熱媒体の全量が膨張弁106を通過して断熱的に膨張されて冷却され、冷却器108に供給されるため、ファン112により送風される温度調整対象の空気流を冷却する冷却エネルギー量は一定である。
一方、三方弁102によって加熱回路側に分配する高温熱媒体量を調整することによって、冷却器108で冷却された温度調整対象の空気流に対する加熱器110での加熱量を調整できる。
従って、図12に示す温度調整装置は、比較的小型であるため、予め温度調整が成されているクリーンルーム等の比較的狭い場所で、冷却器108及び加熱器110を通過する温度調整対象の空気流の温度を調整でき、精密な温度管理がなされている空間ユニット内の温度管理を狭い温度範囲で行うことは可能である。
しかし、図12に示す温度調整装置では、圧縮機100で圧縮された高温の熱媒体の全量が膨張弁106を通過して断熱的に膨張されて冷却され、冷却器108に供給されるため、ファン112により送風される温度調整対象の空気流に対する温度調整は、専ら加熱器110に供給する圧縮機100で圧縮された高温熱媒体の再加熱によって行われる。
従って、図12に示す温度調整装置で採用された温度制御方式では、加熱に使用した熱媒体も冷却回路に流すため、加熱できる熱量は圧縮機の動力の熱量のみとなり、冷却器108及び加熱器110に対する負荷変動への対応が困難となっている。
このため、冷却器108及び加熱器110を通過する温度調整対象の空気流の設定温度を大幅に高くする場合、温度調整対象の空気流の温度が設定温度に到達しなかったり、設定温度に到達するまでに著しく時間がかかることがある。
この様な、図12に示す温度調整装置の加熱量不足を補うべく、図13に示す様に、補助電気ヒータ114を設けることが考えられるが、エネルギー的に無駄である。
そこで、本発明では、温度調整対象の流体に対する加熱能力が不足し、補助電気ヒータ等の補助加熱手段を設けることを必要とする従来の温度調整装置の課題を解決し、温度調整対象の流体に対する加熱能力を向上しつつ省エネルギーを図り、且つ安全に運転できる温度調整装置を提供することにある。
本発明者等は、前記課題を解決すべく、図14に示す温度調整装置を試みた。図14に示す温度調整装置は、圧縮機18で圧縮されて加熱された高温の熱媒体の一部が加熱器14に供給される加熱回路と、高温の熱媒体の残余部が凝縮器26で冷却されてから第1膨張弁28で断熱的に膨張して更に冷却されて冷却器16に供給される冷却回路とが設けられ、加熱器14と冷却器16とを通過する温度調整対象の空気を所定温度に調整するように、高温の熱媒体が加熱回路と冷却回路とに分配され、且つ加熱回路と冷却回路との各々を通過した熱媒体がアキュームレータ36で合流して圧縮機18に再供給される温度調整装置である。
かかる温度調整装置には、圧縮機18から吐出された高温の熱媒体の一部を加熱回路側に分配すると共に、高温の熱媒体の残余部を冷却回路側に分配し、且つ加熱回路と冷却回路とに分配される高温の熱媒体の分配比率を変更可能な分配手段としての比例三方弁20と、加熱回路の加熱能力が向上するように、加熱器14で熱を放出して冷却されてから第2膨張弁34で断熱的に膨張されて更に冷却された熱媒体が、外部熱原としての水から吸熱する吸熱器32を具備するヒートポンプ手段と、比例三方弁20を制御し、加熱回路と冷却回路とに分配される高温の熱媒体の分配比率を調整して、加熱器14と冷却器16とを通過する温度調整対象の空気を所定温度に制御する制御部22とが具備されている。
図14に示す温度調整装置によれば、加熱回路側に設けたヒートポンプ手段によって、加熱器14の加熱能力を向上でき、図13に示す温度調整装置の如く、補助電気ヒータ114を設けることを要しないため、エネルギー的に極めて有利である。
更に、比例三方弁20によって、加熱回路と冷却回路とに分配する高温の熱媒体の分配比率を変更して、加熱器14と冷却器16とを通過する温度調整対象の空気に対する加熱量と冷却量とを容易に調整でき、温度調整対象の空気を精密に温度調整できる。
また、図14に示す温度調整装置では、凝縮器26に外部熱原としての水を供給する水供給配管の途中に、圧縮機18の吐出圧を一定圧力に制御する吐出圧用制御手段としての制水弁48を設けている。このため、圧縮機18の吐出圧力が所定圧力よりも高くなると、凝縮器26に供給する水量を増加し、凝縮26での高温の熱媒体の凝縮量を増加して吐出圧を低下する。他方、圧縮機18の吐出圧力が所定圧力以下になると、制水弁48の開度を低下し、凝縮器26での凝縮量を減少して吐出圧力を高くする。
この様に、水供給配管に制水弁48を設けることによって、無駄な水を凝縮器26及び吸熱器32に流すことを防止でき、且つ圧縮機18の吐出圧が一定に保持でき、温度調整装置の運転が安定化できる。
ところで、制御部22の温度設定温度を昇温した場合や冬季に温度調整装置の運転を開始した場合には、図14に示す温度調整装置では、圧縮機18から吐出された高温の熱媒体の略全量が加熱回路側に分配され、圧縮機18の吐出圧力は低下する。このため、制水弁48の開度が低下して、凝縮器26に供給水量は減少する。
しかしながら、この場合、吸熱器32に供給される、第2膨張弁34で断熱的に膨張されて冷却された熱媒体量が増加するものの、凝縮器26を経由して吸熱器32に供給される水量が減少して、吸熱器32内で水が凍結するおそれがある。
また、冬季で外気温が低下した場合には、水温の低下に伴って凝縮器26で凝縮される熱媒体の凝縮量が増加して、圧縮機18の吐出圧力が低下する。このため、同様にして、制水弁48の開度が低下して、凝縮器26に供給水量が減少し、吸熱器32内で水が凍結するおそれがある。
従って、本発明者等は、更に検討を重ね、冬季等の際に、或いは制御部22の設定温度を昇温した際に、吸熱器32から排出される水温が所定温度以下となったとき、凝縮器26への水の供給量を増加することによって、吸熱器32内での凍結を確実に防止でき、温度調整装置を安全に運転できることを知り、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、圧縮機で圧縮されて加熱された高温の熱媒体の一部が加熱手段に供給される加熱回路と、前記高温の熱媒体の残余部が凝縮器で冷却されてから第1膨張手段で断熱的に膨張して更に冷却されて冷却手段に供給される冷却回路とが設けられ、前記加熱手段と冷却手段とを通過する温度調整対象の流体を所定温度に調整するように、前記高温の熱媒体が加熱回路と冷却回路とに分配され、且つ前記加熱回路と冷却回路との各々を通過した熱媒体が合流して圧縮機に再供給される温度調整装置であって、前記圧縮機から吐出された高温の熱媒体の一部を前記加熱回路側に分配すると共に、前記高温の熱媒体の残余部を冷却回路側に分配し、且つ前記加熱回路と冷却回路とに分配される高温の熱媒体の分配比率を変更可能な分配手段と、前記加熱回路の加熱能力が向上するように、前記加熱手段で熱を放出して冷却されてから第2膨張手段で断熱的に膨張されて更に冷却された熱媒体が、外部から供給された外部熱源としての水から吸熱する吸熱器を具備するヒートポンプ手段と、前記分配手段を制御し、前記加熱回路と冷却回路とに分配される高温の熱媒体の分配比率を調整して、前記加熱手段と冷却手段とを通過する温度調整対象の流体を所定温度に制御する制御部とを具備し、前記凝縮器側に供給された水が前記吸熱器側に流れるように、前記凝縮器側に接続された水を供給する水供給配管に設けられ、前記圧縮機の吐出圧力を所定圧力に調整する吐出圧用制御手段と、前記吐出圧制御手段をパイパスするバイパス配管に設けられたバイパス制御弁と、前記吸熱側から排出された排水温度を測定する水温センサーと、前記水温センサーで測定された排水温度が所定温度以下のとき、前記凝縮器及び吸熱器に供給される水量を増加するように、前記パイパス制御弁を開くバイパス制御部とが設けられていることを特徴とする温度調整装置にある。
かかる本発明において、凝縮器と圧縮機とを別体に設け、前記凝縮器を通過した水が吸熱器に供給されるように、前記凝縮器と吸熱器とを接続水配管によって接続することによって、凝縮器で高温の熱媒体から除去された熱を吸熱器で確実に利用できる。
また、凝縮器と吸熱器として、冷却回路側に分配した高温の熱媒体を供給する凝縮用熱交換配管と第2膨張弁を通過して冷却された熱媒体を供給する吸熱用熱交換配管とを同一容器内に収容した熱交換器を用い、前記凝縮用熱交換配管側に供給した水が前記吸熱用熱交換配管側に流れるように、前記容器の凝縮用熱交換配管側に水を供給する水供給配管を接続することよって、凝縮用熱交換配管と吸熱用熱交換配管とを同一容器内に収容した熱交換器を用いても、凝縮用熱交換配管で高温の熱媒体から除去した熱を吸熱用熱交換配管で利用できる。
更に、吐出圧用制御手段として、圧縮機の吐出圧力が一定となるように、水の供給通路の開口面積を調整する弁体が形成された棒状部材と、前記供給通路が前記弁体によって閉塞される方向に前記棒状部材を付勢する付勢部材と、圧縮機の吐出圧力によって前記付勢手段の付勢力に抗して前記棒状部材を押圧し、前記弁体で閉塞した供給通路を前記圧縮機の吐出圧力に応じて開放する押圧部材とから成る制水弁を好適に用いることができる。
本発明に係る温度調整装置では、加熱回路側に設けたヒートポンプ手段によって、加熱手段の加熱能力を向上でき、補助電気ヒータを設けることを要しないため、エネルギー的に極めて有利である。
更に、分配手段によって、加熱回路と冷却回路とに分配する高温の熱媒体の分配比率を変更して、加熱器手段と冷却器手段とを通過する温度調整対象の流体に対する加熱量と冷却量とを容易に調整でき、温度調整対象の流体を精密に温度調整できる。
また、本発明に係る温度調整装置には、凝縮器側に供給した水が吸熱器側に流れるように接続された水を供給する水供給配管に設けた、圧縮機の吐出圧力を所定圧力に調整する吐出圧用制御手段をパイパスするバイパス配管と、このバイパス配管に設けたバイパス制御弁と、吸熱器側から排出された排水温度を測定する水温センサーで測定された排水温度が所定温度以下のとき、凝縮器及び吸熱器に供給する水量を増加するようにバイパス制御弁を開くバイパス制御部とが設けられている。
このため、冬季等の際に、或いは制御部の設定温度を昇温した際に、吸熱器から排出される水温が所定温度以下となったとき、凝縮器への水の供給量を増加することによって、吸熱器内での凍結を確実に防止できる。
その結果、本発明に係る温度調整装置では、温度調整対象の流体に対する加熱能力を向上しつつ省エネルギーを図り、且つ冬季等の際に、或いは制御部の設定温度を昇温した際にも、吸熱器内が凍結するおそれを確実に解消でき安全に運転できる。
本発明に係る温度調整装置の一例を図1に示す。図1には、温度調整が為されたクリーンルーム内に設置された空間ユニット10内に、ファン12によって吸込んだ流体としてのクリーンルーム内の温度及び湿度が調整された空気を更に精密に温度調整する加熱回路と冷却回路とが設けられている。
かかる加熱回路を構成する加熱手段としての加熱器14と冷却回路を構成する冷却手段としての冷却器16とが設けられ、空間ユニット10内にファン12によって吸引されたクリーンルーム内の空気を冷却した後、加熱して精密に温度調整する。この冷却器16と加熱器14との空気流に対する配置によれば、加熱器14及び冷却器16を通過する空気流の除湿を更に向上できる。
かかる加熱器14及び冷却器16には、熱媒体として、例えばプロパン、イソブタンやシクロペンタン等の炭化水素、フロン類、アンモニア、炭酸ガスが供給され、熱媒体の気化・液化によってクリーンルーム内の空気を加熱・冷却して所定の温度に調整する。
この様な熱媒体は、圧縮機18によって圧縮・加熱されて高温(例えば70℃)の気体状となって吐出される。圧縮機18から吐出された高温の熱媒体を、分配手段としての比例三方弁20によって、加熱器14が設けられた加熱回路側と冷却器16が設けられた冷却回路側とに分配する。
この比例三方弁20では、加熱回路側に分配する高温の熱媒体と冷却回路側に分配する高温の熱媒体との合計量が圧縮機18から吐出された高温の熱媒体量と等しくなるように分配する。
かかる比例三方弁20は、制御部22によって制御されている。この制御部22では、空間ユニット10内に設けられた温度センサー24によって測定された温度信号に基づいて、加熱回路側と冷却回路側とに分配する高温の熱媒体の分配比率を実質的に連続して変更し、空間ユニット10内に吸込まれた流体を所定温度に調整する。
この「実質的に連続して変更」とは、比例三方弁20をステップ制御で駆動するとき、微視的には比例三方弁20がステップ的に駆動されているものの、全体的には連続して駆動されている場合を含む意味である。
かかる制御部22に設定する設定温度は、任意に設定できるようにしてもよい。また、図1に示す温度センサー24は、ファン12の吐出側に設置されているが、ファン12の吸入側に設置してもよく、ファン12の吐出側及び吸入側に設けてもよい。
加熱回路側に分配された高温の熱媒体は、加熱器14に直接供給され、空間ユニット10内に、ファン12によって吸引されて冷却器16で冷却された空気流を加熱して所定温度に調整する。その際に、高温の熱媒体は、加熱器14で放熱して冷却されて凝縮液を含む熱媒体となる。
加熱器14で放熱した熱媒体は、第2膨張手段としての膨張弁34によって断熱的に膨張され、外部雰囲気温度よりも低温(10℃程度)に冷却される。冷却された熱媒体は、吸熱器32に供給される。この吸熱器32は、冷却された熱媒体が導通されるコイル状の吸熱用熱交換配管44が筒状の容器31内に収容されている熱交換器である。
かかる吸熱器32には、後述する凝縮器26から排出された水が、接続配管35を経由して容器31の一端側に供給され、供給された水は容器31の他端側に接続された水排出配管39から排出される。
吸熱用熱交換配管44に導通された熱媒体は、容器31内に供給された水と向流状態で流れ、供給された水との温度差に基づいて吸熱できる。
図1に示す吸熱器32では、凝縮器26から排出された水を熱源としているため、凝縮器26で高温の熱媒体から除去された熱を利用でき、省エネルギー的に有利である。
一方、冷却回路側に分配された高温の熱媒体は、凝縮器26に供給される。この凝縮器26は、三方弁20によって冷却回路側に分配された高温の熱媒体が導通されるコイル状の凝縮用熱交換配管46が筒状の容器33内に収容されている熱交換器である。
図1に示す温度調整装置では、凝縮器26と吸熱器32として、筒状の容器内にコイル状の熱交換配管を配設した熱交換器を用いている。このため、外部から供給された水中に異物が混入されていても、異物によって熱交換器内の流路が閉塞される事態を回避できる。
かかる凝縮器26の容器33の一端部には、外部からの水が水供給配管37を経由して供給され、供給された水は容器33の他端部に接続された接続配管35から排出されて、吸熱器32に供給される。
凝縮用熱交換配管46に導通された高温の熱媒体は、容器33内に供給された水と向流状態で流れて冷却される。冷却された熱媒体は、第1膨張手段としての膨張弁28によって断熱的に膨張され、外部雰囲気温度よりも低温に冷却される(例えば、10℃に冷却)。冷却された熱媒体は、冷却器16に供給され、空間ユニット10内に吸込まれた空気流を冷却し、その際に、冷却器16に供給された熱媒体は空気流から吸熱して昇温される。
この様に、吸熱器32と冷却器16とで吸熱した熱媒体は、合流してアキュームレータ36を経由して圧縮機18に供給される。このアキュームレータ36には、冷却器16に供給されて空間ユニット10内に吸込まれた流体から吸熱した熱媒体も供給される。かかるアキュームレータ36は、蓄圧器用タイプのアキュームレータを用いた。
アキュームレータ36としては、確実に熱媒体のガス成分のみを圧縮機18に供給すべく、液体成分を貯めてガス成分のみを圧縮機18に再供給できるタイプのアキュームレータを用いることができる。
尚、アキュームレータ36を設置しなくても、吸熱器32と冷却器16とを通過した熱媒体を合流して、圧縮機18に再供給できればよい。
図1に示す温度調整装置では、加熱器14で放熱した熱媒体を、膨張弁34によって断熱的に膨張して冷却しているが、膨張弁34での断熱膨張による冷却では、熱媒体と外部雰囲気との間での熱の遣り取りはない。このため、断熱的に冷却された熱媒体は、熱交換器40内に外部から供給された水より吸熱できる。
従って、圧縮機18から吐出される高温の熱媒体には、圧縮機18による圧縮動力エネルギーに、ヒートポンプ手段によって外部から供給された水より吸熱したエネルギーを加えることができる。その結果、補助ヒータ等の他の加熱手段を用いることを要しない。
図1に示す温度調整装置では、その加熱回路の加熱能力を向上でき、比例三方弁20によって加熱回路側に分配する高温の熱媒体と冷却回路側に分配する高温の熱媒体との分配比率を、空間ユニット10内の温度に応じて実質的に変更できる。
このため、図1に示す温度調整装置では、加熱回路及び冷却回路に高温の熱媒体が常時供給されており、加熱回路の加熱器14と冷却回路の冷却器16とを通過する温度調整対象の空気流の微小な負荷変動は、加熱回路と冷却回路とに分配する高温の熱媒体の分配比率を比例三方弁20によって直ちに微小調整することによって迅速に対応でき、応答性を向上できる。
従って、加熱回路の加熱器14と冷却回路の冷却器16とを通過する温度調整対象の空気流の温度を設定温度に対して±0.1℃以下の精度で制御でき、図1に示す温度調整装置が設置された空間ユニット10の温度変化をクリーンルームの温度変化よりも小さくでき、精密加工が要求される工程を設置できる。
また、図1に示す温度調整装置では、水供給配管37の途中に、圧縮機18の吐出圧力を一定に制御する制御手段としての制水弁48が設けられている。この制水弁48は、熱交換器40に供給する水量を制御する。
かかる制水弁48は、図2に示す様に、水の供給通路48aの開口面積を調整する弁体48bが形成された棒状部材48cと、供給通路48aが弁体48bによって閉塞される方向に棒状部材48cを付勢する付勢部材としてのバネ48dと、圧縮機18の吐出圧力によってバネ48dの付勢力に抗して棒状部材48cを押圧し、弁体48bで閉塞した供給通路48aを圧縮機18の吐出圧力に応じて開放する押圧部材としてのベローズ48eとから成る。
この制水弁48によれば、圧縮機18の吐出圧がバネ48cの付勢力以上となったとき、ベローズ48eによって弁体48bが供給通路48aを開放する方向に移動し、熱交換器40に供給される水量が増加して、凝縮用熱交換配管46の冷却能力が向上される。このため、圧縮機18の吐出圧が低下する。
他方、圧縮機18の吐出圧がバネ48dの付勢力以下となったとき、弁体48bが供給通路48aを閉じる方向に移動し、熱交換器40に供給される水量が減少して、凝縮用熱交換配管46の冷却能力が低下する。このため、圧縮機18の吐出圧が高くなる。
この様に、圧縮機18の吐出圧を一定に保持することによって、温度調整装置を安定して運転できる。また、熱交換器40に水が必要以上に供給され、系外に排出されないように調整できる。
ここで、温度調整対象の空気流の調整温度の設定を変更し、高温の熱媒体の分配率が加熱回路側に大幅に偏ったとき、冬季等において、外気温の低下に伴って供給水温も低下したとき、或いは冬季に温度調整装置の運転を開始したときには、圧縮機18の吐出圧が低下する場合がある。この場合、制水弁48は閉まる方向となって、吸熱器32に供給する水量が著しく低下し、吸熱器32に供給する水量が不足する。この様に、吸熱器32に供給される熱媒体量に対して供給水量が著しく不足したとき、吸熱器32での吸熱量が不十分となり、且つ吸熱器32内で水が凍結するおそれがある。
ところで、吸熱器32内で水が凍結するおそれがある場合には、吸熱器32からの排水温度が低下する。このため、吸熱器32の排水温度が所定温度以下となったとき、強制的に凝縮器26に水を供給することによって、吸熱器32での凍結を防止できる。
このため、図1に示す温度調整装置には、制水弁48をバイパスするバイパス配管53に、バイパス制御部62によって制御されている制御弁51が設けられている。このバイパス制御部62には、吸熱器32に接続された水排出配管39に設けられた水温センサー60によって測定された排水温度が入力される。
従って、水温センサー60で測定された温度が予め設定された所定温度以下に低下したとき、吸熱器32に供給される水量が不足しているものとバイパス制御部62が判断し、制御弁51に「開」信号を発信する。このため、水供給配管37からバイパス配管53及び凝縮器26を経過して吸熱器32に水が供給され、吸熱器32の凍結を防止できる。
尚、水温センサー60で測定された温度が予め設定された所定温度よりも高くなったとき、吸熱器32に充分な水量が供給されているものとバイパス制御部62が判断し、制御弁51に「閉」信号を発信する。
図1に示す温度調整装置では、比例三方弁20が用いられているが、比例三方弁20に代えて、図3に示す様に、2個の二方弁としてのゲートバルブ38a,38bを用いることができる。2個のゲートバルブ38a,38bの各々は、制御部22によって制御されている。かかる制御部22によって、ゲートバルブ38a,38bの各々の開度を調整し、圧縮機18で圧縮・加熱された気体状の高温の熱媒体を加熱回路と冷却回路とに分配する分配比率を実質的に連続して調整し、加熱器14と冷却器16とを通過する空気流を所定温度に制御する。その際に、加熱器14側に分配する高温の熱媒体の量と冷却器16側に分配する高温の熱媒体の量との合計量が、圧縮機18から吐出された高温の熱媒体の量と等しくなるように、ゲートバルブ38a,38bの開度を調整して連続的に比例分配される。
その際に、ゲートバルブ38a,38bの各々は、図4示す様に、バルブ開度と流量との関係は直線状でない。このため、制御部22では、図4に示すゲートバルブ38a,38bの各々についての流量特性データを保持し、制御部22からは、ゲートバルブ38a,38bの各流量特性に基づいて各ゲートバルブ38a,38bへの開度信号を発信する。
ここで、「加熱回路と冷却回路とに分配する分配比率を実質的に連続して調整」或いは「分配比率を実質的に連続して調整」するとは、ゲートバルブ38a,38bをステップ制御によって駆動し、加熱回路と冷却回路との分配比率を調整する際に、ゲートバルブ38a,38bの開度が、微視的にはステップ的に駆動されて調整されているものの、全体として連続して駆動されて調整されている場合を含むことを意味する。
図1に示す温度調整装置では、凝縮器26と吸熱器32とは、別体に形成されているが、図5に示す温度調整装置の様に、冷却回路側に分配された高温の熱媒体が供給される凝縮用熱交換配管46と、第2膨張弁としての膨張弁34を通過して冷却された熱媒体が供給される吸熱用熱交換配管44とが同一容器42内に収容された熱交換器40を用いてもよい。この熱交換器40では、凝縮用熱交換配管46の側に供給された水が吸熱用熱交換配管44の側に流れるように、容器42の凝縮用熱交換配管46の側に水を供給する水供給配管37が接続されている。
この様に、図5に示す温度調整装置では、凝縮用熱交換配管46と吸熱用熱交換配管44とが筒状の容器42内に収容されている一台の熱交換器40を用いている。このため、容器42に水供給配管37と水排出配管39とを接続することによって足り、図1に示す温度調整装置の様に、別個に設けた凝縮器26と吸熱器32との各々に水の供給配管と排出配管を接続する場合に比較して、配管本数を少なくできる。
しかも、図1に示す温度調整装置では、熱交換器40の一台を設置することで足り、図1に示す温度調整装置の様に、二台の熱交換器を設置する場合に比較して、配管本数の減少と相俟って、装置の小型化を図ることができる。
かかる熱交換器40では、凝縮用熱交換配管46と吸熱用熱交換配管44とを容器42内に併設しているが、温度調整対象の空気流の温度調整の精度には問題なかった。
図5に示す温度調整装置において、比例三方弁20に代えて、図3及び図4に示すゲートバルブ38a,38bを用いることができることは勿論である。
尚、図5に示す温度調整装置において、図1に示す温度調整装置と同一構成の構成部材については、図1と同一番号を付して詳細な説明を省略した。
図1及び図5に示す温度調整装置では、温度調整対象が空気であったが、温度調整対象を液体とした温度調整装置を図6に示す。図6に示す温度調整装置では、USERから戻ってきた液体を貯留するタンク64からポンプ66によって、温度調整対象の液体をプレート式熱交換器である冷却器16に供給する。冷却器16を通過した液体は、プレート式熱交換である加熱器14に供給され、所定温度に調整されてUSERに供給される。
ここで、水供給配管37を経由して送られてくる水に異物が殆ど存在しない場合には、図6に示す様に、凝縮器26及び吸熱器32にも、プレート式熱交換器を用いることができる。
図6に示す温度調整装置では、加熱器14の出口配管に温度センサー24が設けられている。温度センサー24で測定された液体温度は制御部22に送信されて、制御部22は、設定温度との温度差に基づいて比例三方弁20による高温の熱媒体の配分比率を決定する。
また、図6に示す温度調整装置でも、比例三方弁20に代えて、図3及び図4に示すゲートバルブ38a,38bを用いることができることは勿論である。
尚、図6に示す温度調整装置において、図1に示す温度調整装置と同一構成の構成部材については、図1と同一番号を付して詳細な説明を省略した。
図1に示す温度調整装置では、例えば、温度調整対象の空気が冷却側にある場合、空気温度が安定する所期運転状態では、図7(a)に示す様に、冷却器16を含む冷却側部で冷却した空気を加熱器14を含む加熱側部で加熱している。図7(a)に示す運転状態では、空気を冷却するに要するエネルギーAに比較して、加熱側部で加熱するエネルギーが大きくなる場合がある。この場合、図7(b)に示す様に、冷却側部と加熱側部との重複するエネルギーを可及的に少なくできれば、省エネルギーを図ることができる。
一方、温度調整対象の空気が加熱側にある場合、空気温度が安定する所期運転状態では、図8(a)に示す様に、加熱器14を含む加熱側部で加熱した空気を冷却器16を含む冷却側部で冷却している。図8(a)に示す運転状態では、空気を加熱するに要するエネルギーBに比較して、冷却側部で冷却するエネルギーが大きくなる場合がある。この場合、図8(b)に示す様に、冷却側部と加熱側部との重複するエネルギーを削減できれば、省エネルギーを図ることができる。
但し、互いに打ち消し合う熱負荷分をゼロとすべく、加熱器14と冷却器16とをON−OFF制御すると、温度調整装置の運転が不安定となり、空間ユニット10内を所定温度で安定するまで時間が掛かる。このため、温度調整装置を安定運転できる程度には、加熱器14と冷却器16との各々に加えられる熱負荷のうち、互いに打ち消し合う熱負荷分を最小限存在させることが必要である。
尚、この必要最小限の互いに打ち消し合う熱負荷分は、温度調整装置によって多少異なるため、実験的に求めておくことが好ましい。
この様に、冷却側部と加熱側部との重複するエネルギーを削減できる温度調整装置を図9に示す。図9に示す温度調整装置では、加熱手段としての加熱器14と冷却手段としての冷却器16とに分配する高温の熱媒体の分配比率を連続的に変更して、加熱器14と冷却器16とを通過する温度調整対象の流体である空気を所定温度に調整するように分配手段としての比例三方弁20を制御する第1制御部22aと、加熱器14と冷却器16との各々に加えられる熱負荷のうち、互いに打ち消し合う熱負荷分を削減できる高温の熱媒体の分配比率となるように、圧縮機18の回転数を制御する回転数制御手段であるインバータ19を介して圧縮機18の回転数を変更する第2制御部22bとから成る制御部22が設けられている。この第2制御部22aには、圧縮機18の回転数を変更する変更量が予め設定されている。
尚、図9に示す温度調整装置において、図1に示す温度調整装置と同一構成の構成部材については、図1と同一番号を付して詳細な説明を省略した。
かかる第2制御部22bは、比例三方弁20を制御する第1制御部22aと共に制御部22を構成している。この第1制御部22aによる比例三方弁20の制御と第2制御部22bによる圧縮機18の回転数の制御とを図10のフローチャートに示す。
図8に示す温度調整装置を試運転したところ、温度調整対象の空気を冷却側で運転する場合は、加熱器14に加えられる熱負荷として、比例三方弁20による加熱器14側への高温の熱媒体(図10では、「高温熱媒体」と記載している)の分配率を5〜15%(比例三方弁20による冷却器16側への高温熱媒体の分配率を95〜85%)とすることが安定運転上から好ましいことが判明した。他方、温度調整対象の空気を加熱側で運転する場合は、加熱器14側に加えられる熱負荷として、比例三方弁20による加熱器14側への高温熱媒体の分配率を95〜85%(比例三方弁20による冷却器16側への高温熱媒体の分配率を5〜15%)とすることが安定運転上から好ましいことが判明した。
このため、図10のフローチャートに示す制御では、加熱器14側に加えられる熱負荷、具体的には比例三方弁20による加熱器14側への高温の熱媒体の分配率を、温度調整対象の空気を冷却側で運転する場合は、5〜15%となるように圧縮機18の回転数を制御し、温度調整対象の空気を加熱側で運転する場合は、95〜85%の分配率となるように圧縮機18の回転数を制御することにした。
図10に示すフローチャートでは、ステップS10で圧縮機18を起動した後、ステップS12で空間ユニット10内を所定温度とするように、第1制御部22aにおいて、予め設定されている目標温度と空間ユニット10内に設けられた温度センサ24によって測定された温度とを比較して、比例三方弁20による加熱器14側と冷却器16側とに分配する高温の熱媒体の分配比率を連続的に変更し、空間ユニット10内に吸込まれた空気を所定温度に調整する。
かかる空間ユニット10内が所定温度に到達して安定しているかをステップS14で判断し、空間ユニット10内の温度が安定していない場合は、ステップS12に戻り、比例三方弁20による加熱器14側と冷却器16側とに分配する高温の熱媒体の分配比率を連続的に変更する。かかるステップS12及びステップS14は第1制御部22aで行う。
ここで、ステップS14において、予め設定時間内(例えば、数分間)で測定した空間ユニット10内の温度が所定温度にあるとき、空間ユニット10内の温度が安定していると判断する。
一方、空間ユニット10内が所定温度に到達して安定している場合は、ステップS16〜S22で加熱器14側に分配される高温の熱媒体の分配比率が所定の範囲内であるか否か判断する。このステップS16〜S22は第2制御部22bで行う。
尚、図10に示す平均高温熱媒体分配率とは、加熱器14側に分配される高温の熱媒体の分配比率にはばらつきがあるため、所定時間内の熱媒体分配率の平均をとった値である。
先ず、ステップS16とステップS18とでは、温度調整対象の空気が冷却側にあると仮定したとき、加熱器14側への平均高温熱媒体分配率が5〜15%内にあるか否か判断する。
ここで、加熱器14側への平均高温熱媒体分配率が5〜15%内にある場合は、加熱器14と冷却器16との各々に加えられる熱負荷のうち、互いに打ち消し合う熱負荷分が少なく、且つ温度調整装置の運転が安定する範囲内であるため、ステップS16を通過しステップS18からステップS28に移行する。ステップS28では、圧縮機18が運転中か否か判断して、圧縮機18が運転中であれば、ステップS14に戻る。
一方、加熱器14側への平均高温熱媒体分配率が5%未満である場合には、加熱器14側への平均高温熱媒体分配率が低過ぎるため、温度調整装置の運転が不安定となり易い。このため、加熱器14側への平均高温熱媒体分配率を増加すべく、ステップS16からステップS24に移行し、圧縮機18の回転数を増加する。ステップS24では、第2制御部22bからインバータ19に向けて、インバータ19に設定されている圧縮機18の回転数を最小変化量で増加する増加信号を発信する。圧縮機18の回転数を最小変化量で増加することによって、温度調整装置を安定して運転できるからである。
ここで、圧縮機18の回転数を変化させる変化量は、予め第2制御部22bに設定されている。この変化量は、圧縮機18の回転数の最小回転数とすることが好ましい。かかる最小回転数は、温度調整装置によって異なり、実験的に求めておくことが好ましいが、圧縮機18の回転数が2000〜5000rpmのとき、最小変化量を3〜10%の範囲とすることが好ましい。
また、加熱器14側への平均高温熱媒体分配率が15%を越えている場合には、ステップS16とステップS18とを通過して、温度調整対象の空気が冷却側にないと判断し、ステップS20とステップS22とに移行する。ステップS20とステップS22とでは、温度調整対象の空気が加熱側にあると仮定したとき、加熱器14側への平均高温熱媒体分配率が95〜85%内にあるか否か判断する。
ここで、加熱器14側への平均高温熱媒体分配率が85〜95%内にある場合は、加熱器14と冷却器16との各々に加えられる熱負荷のうち、互いに打ち消し合う熱負荷分が少なく、且つ温度調整装置の運転が安定する範囲内であるため、ステップS20を通過しステップS22からステップS28に移行する。ステップS28では、圧縮機18が運転中か否か判断して、圧縮機18が運転中であれば、ステップ14に戻る。
一方、加熱器14側への平均高温熱媒体分配率が95%を超えている場合には、加熱器14側への平均高温熱媒体分配率が高過ぎ、温度調整装置の運転が不安定となり易い。このため、加熱器14側への平均高温熱媒体分配率を減少すべく、ステップS20からステップS24に移行し、圧縮機18の回転数を増加する。ステップS24では、制御部22bからインバータ19に向けて、インバータ19に設定されている圧縮機18の回転数を最小変化量で増加する増加信号を発信する。
また、加熱器14側への平均高温熱媒体分配率が85%未満の場合には、ステップS22において、加熱器14と冷却器16との各々に加えられる熱負荷のうち、互いに打ち消し合う熱負荷分が多い状態と判断される。このため、ステップS26に移行し、圧縮機18の回転数を低下する。ステップS26では、制御部22bからインバータ19に向けて、インバータ19に設定されている圧縮機18の回転数を最小変化量で低下する低下信号を発信する。圧縮機18の回転数を最小変化量で低下し、加熱器14と冷却器16との各々に加えられる熱負荷のうち、互いに打ち消し合う熱負荷分を削減するためである。
次いで、ステップS24又はステップS26を通過してステップS28に移行し、圧縮機18が運転中であれば、ステップS14に戻る。ステップS14では、ステップS24又はステップS26において、圧縮機18の回転数を最小変化量で増加又は低下した状態で、空間ユニット10内が所定温度に到達して安定しているかを判断する。空間ユニット10内が所定温度に到達して安定している場合には、ステップS16〜S26によって、再度、加熱器14側への平均高温熱媒体分配率が所定範囲内に在るか否か判断する。
一方、ステップS14において、空間ユニット10内の温度が安定していないと判断した場合は、ステップS12に戻り、比例三方弁20による加熱器14側と冷却器16側とに分配する高温熱媒体の分配比率を連続的に変更する。空間ユニット10内が所定温度に到達して安定してからステップS16〜S26に移行する。
尚、ステップS28において、圧縮機18が運転状態にない場合には、制御部22による制御は停止する。
以上、説明してきた図10に示すフローチャートでは、第1制御部22aでは、加熱器14側への平均高温熱媒体分配率に注目して制御しているが、冷却器16側への平均高温熱媒体分配率に注目して制御してもよい。
図9に示す温度調整装置でも、図1に示す温度調整装置と同様に、吸熱器32に接続された水排出配管39に設けられた水温センサー60に測定された吸熱器32の排水温度以下となったとき、強制的に凝縮器26に水を供給して吸熱器32での凍結を防止できる様に、制水弁48をバイパスするバイパス配管53に、バイパス制御部62によって制御されている制御弁51が設けられている。
また、図9に示す温度調整装置では、温度調整対象が空気の温度調整装置を例示したが、図6に示す温度調整装置の様に、温度調整対象が液体の温度調整装置にも、図9に示す第1制御部22aと第2制御部22bとから成る制御部22及び圧縮機18の回転数を制御するインバータ19を設け、図10に示す様に、加熱器14と冷却器16との各々に加えられる熱負荷のうち、互いに打ち消し合う熱負荷分を削減するようにしてもよいことは勿論のことである。
尚、これまで述べてきた図9に示す温度調整装置の制御について、図11に示すブロック図にまとめて示す。
本発明に係る温度調整装置の一例を説明する概略図である。 図1に示す制水弁48の内部構造を説明する概略断面図である。 図1に示す温度調整装置で用いる他の分配手段について説明する概略図である。 図3に示すゲートバルブ38a,38bの開度と流量との関係を示すグラフである。 本発明に係る温度調整装置の他の例を説明する概略図である。 本発明に係る温度調整装置の他の例を説明する概略図である。 本発明に係る温度調整装置において、温度調整対象の流体が冷却側にある場合の省エネルギーの原理を説明する説明図である。 本発明に係る温度調整装置において、温度調整対象の流体が加熱側にある場合の省エネルギーの原理を説明する説明図である。 本発明に係る温度調整装置の他の例を説明する概略図である。 図9に示す制御部22の動作を説明するためのフローチャートである。 図9に示す温度調整装置の制御を説明するブロック図である。 従来の温度調整装置を説明する概略図である。 図12に示す従来の温度調整装置の改良例を説明する概略図である。 本発明者等が検討した温度調整装置を説明する概略図である。
符号の説明
10 空間ユニット
12 ファン
14 加熱器
16 冷却器
18 圧縮機
19 インバータ
20 比例三方弁
22 制御部
22a 第1制御部
22b 第2制御部
24 温度センサー
26 凝縮器
28 第1膨張弁
31,33,42 容器
32 吸熱器
34 第2膨張弁
35 接続配管
36 アキュームレータ
37 水供給配管
38a,38b ゲートバルブ
39 水排出配管
40 熱交換器
44 凝縮用熱交換配管
46 凝縮用熱交換配管
48 制水弁
51 制御弁
53 バイパス配管
60 水温センサー
62 バイパス制御部

Claims (4)

  1. 圧縮機で圧縮されて加熱された高温の熱媒体の一部が加熱手段に供給される加熱回路と、前記高温の熱媒体の残余部が凝縮器で冷却されてから第1膨張手段で断熱的に膨張して更に冷却されて冷却手段に供給される冷却回路とが設けられ、前記加熱手段と冷却手段とを通過する温度調整対象の流体を所定温度に調整するように、前記高温の第1熱媒体が加熱回路と冷却回路とに分配され、且つ前記加熱回路と冷却回路との各々を通過した第1熱媒体が合流して圧縮機に再供給される温度調整装置であって、
    前記圧縮機から吐出された高温の熱媒体の一部を前記加熱回路側に分配すると共に、前記高温の熱媒体の残余部を冷却回路側に分配し、且つ前記加熱回路と冷却回路とに分配される高温の熱媒体の分配比率を変更可能な分配手段と、
    前記加熱回路の加熱能力が向上するように、前記加熱手段で熱を放出して冷却されてから第2膨張手段で断熱的に膨張されて更に冷却された熱媒体が、外部から供給された外部熱源としての水から吸熱する吸熱器を具備するヒートポンプ手段と、
    前記分配手段を制御し、前記加熱回路と冷却回路とに分配される高温の熱媒体の分配比率を調整して、前記加熱手段と冷却手段とを通過する温度調整対象の流体を所定温度に制御する制御部とを具備し、
    前記凝縮器側に供給された水が前記吸熱器側に流れるように、前記凝縮器側に接続された水を供給する水供給配管に設けられ、前記圧縮機の吐出圧力を所定圧力に調整する吐出圧用制御手段と、
    前記吐出圧制御手段をパイパスするバイパス配管に設けられたバイパス制御弁と、前記吸熱側から排出された排水温度を測定する水温センサーと、
    前記水温センサーで測定された排水温度が所定温度以下のとき、前記凝縮器及び吸熱器に供給される水量を増加するように、前記パイパス制御弁を開くバイパス制御部とが設けられていることを特徴とする温度調整装置。
  2. 凝縮器と圧縮機とが別体に設けられ、前記凝縮器を通過した水が吸熱器に供給されるように、前記凝縮器と吸熱器とが接続水配管によって接続されている請求項1記載の温度調整装置。
  3. 凝縮器と吸熱器として、冷却回路側に分配された高温の熱媒体が供給される凝縮用熱交換配管と第2膨張弁を通過して冷却された熱媒体が供給される吸熱用熱交換配管とが同一容器内に収容された熱交換器が用いられ、前記凝縮用熱交換配管側に供給された水が前記吸熱用熱交換配管側に流れるように、前記容器の凝縮用熱交換配管側に水を供給する水供給配管が接続されている請求項1記載の温度調整装置。
  4. 吐出圧用制御手段が、圧縮機の吐出圧力が一定となるように、水の供給通路の開口面積を調整する弁体が形成された棒状部材と、前記供給通路が前記弁体によって閉塞される方向に前記棒状部材を付勢する付勢部材と、圧縮機の吐出圧力によって前記付勢手段の付勢力に抗して前記棒状部材を押圧し、前記弁体で閉塞した供給通路を前記圧縮機の吐出圧力に応じて開放する押圧部材とから成る制水弁である請求項1〜3のいずれか一項記載の温度調整装置。
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