JP2009115442A - 温度調整装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】温度調整対象の流体に対する加熱能力が不足し、補助電気ヒータ等の補助加熱手段を必要とする従来の温度調整装置の課題を解決した温度調整装置を提供する。
【解決手段】加熱回路の加熱器14と冷却回路の冷却器16とを通過する温度調整対象の流体を温度調整するように、圧縮機18から吐出した高温の熱媒体の一部を加熱器14に供給すると共に、残余部を凝縮・冷却してから断熱的に膨張して更に冷却して冷却器16に供給する比例三方弁20と、加熱器14で冷却・凝縮してから断熱的に膨張して、外部雰囲気温度の空気流から吸熱する吸熱器32と、冷却器16と吸熱器32で吸熱して昇温された熱媒体を合流し圧縮機18に供給する供給手段と、温度調整対象の流体を所定温度に調整するように、比例三方弁20と、吸熱器のファン30a,凝縮器のファン30bの回転数を制御する制御部22が設けられる。
【選択図】図1

Description

本発明は温度調整装置に関し、更に詳細には加熱手段と冷却手段とを通過する温度調整対象の流体を所定温度に調整する温度調整装置に関する。
通常、半導体装置の製造工程等の精密加工分野では、その殆どが温度及び湿度が制御されたクリーンルーム内に設置されている。
しかし、近年、精密加工分野でも、従来よりも更に加工精度の高い精密加工等が要求される工程が出現しつつある。
かかる高い精密加工等が要求される工程では、通常、クリーンルームの温度変化よりも更に小さな温度変化の環境であることが要求される。このため、高い精密加工等が要求される工程は、精密な温度管理がなされている空間ユニット内に設けられる。
この様な空間ユニットの温度調整に用いられる温度調整装置としては、例えば下記特許文献1に図18に示す温度調整装置が記載されている。
図18に示す温度調整装置には、圧縮機100、三方弁102、凝縮器104及び膨張弁106及び冷却器108から成る冷却回路と、圧縮機100、三方弁102、加熱器110及び膨張弁106から成る加熱回路とが設けられている。
冷却器108と加熱器110とによって、ファン112により送風される温度調整対象の空気流の温度が調整される。
かかる温度調整装置では、圧縮機100で圧縮された高温の第1熱媒体を三方弁102によって、冷却回路と加熱回路とに分配する。冷却回路側に分配された高温の第1熱媒体は、凝縮器104で冷却・凝縮される。この冷却・凝縮された第1熱媒体は、膨張弁106によって断熱的に膨張されて冷却され、冷却器108に供給される。冷却器108では、ファン112により送風される温度調整対象の空気流を冷却しつつ吸熱して昇温された第1熱媒体は圧縮機100に供給される。
一方、加熱回路側に分配された高温の第1熱媒体は加熱器110に供給され、冷却器108で冷却された温度調整対象の空気流を加熱して所望の温度に調整する。この様に、加熱器110において、冷却器108で冷却された温度調整対象の空気流を加熱しつつ放熱して降温された第1熱媒体は、膨張弁106及び冷却器108を通過して圧縮機100に供給される。
特開昭51−97048号公報
図18に示す温度調整装置では、圧縮機100で圧縮された高温第1熱媒体の全量が膨張弁106を通過して断熱的に膨張されて冷却され、冷却器108に供給されるため、ファン112により送風される温度調整対象の空気流を冷却する冷却エネルギー量は一定である。
一方、三方弁102によって加熱回路側に分配する高温第1熱媒体量を調整することによって、冷却器108で冷却された温度調整対象の空気流に対する加熱器110での加熱量を調整できる。
従って、冷却器108及び加熱器110を通過する温度調整対象の空気流の温度を調整でき、精密な温度管理がなされている空間ユニット内の温度管理を狭い温度範囲で行うことは可能である。
しかし、図18に示す温度調整装置では、圧縮機100で圧縮された高温の第1熱媒体の全量が膨張弁106を通過して断熱的に膨張されて冷却され、冷却器108に供給されるため、ファン112により送風される温度調整対象の空気流に対する温度調整は、専ら加熱器110に供給する圧縮機100で圧縮された高温第1熱媒体の再加熱によって行われる。
従って、図18に示す温度調整装置で採用された温度制御方式では、加熱に使用した第1熱媒体も冷却回路に流すため、加熱できる熱量は圧縮機の動力の熱量のみとなり、冷却器108及び加熱器110に対する負荷変動への対応が困難となっている。
このため、冷却器108及び加熱器110を通過する温度調整対象の空気流の設定温度を大幅に高くする場合、温度調整対象の空気流の温度が設定温度に到達しなかったり、設定温度に到達するまでに著しく時間がかかることがある。
この様な、図18に示す温度調整装置の加熱量不足を補うべく、図19に示す様に、補助電気ヒータ114を設けることが考えられるが、エネルギー的に無駄である。
そこで、本発明では、温度調整対象の流体に対する加熱能力が不足し、補助電気ヒータ等の補助加熱手段を設けることを必要とする従来の温度調整装置の課題を解決し、温度調整対象の流体に対する加熱能力を向上できると共に、省エネルギーを図ることができる温度調整装置を提供することにある。
本発明者等は、前記課題を達成するには、冷却回路と加熱回路とを設けること、冷却回路の冷却手段及び加熱回路の加熱手段を通過する温度調整対象の流体に対する冷却量と加熱量とを変更可能な分配手段を設けること、及び加熱回路の加熱能力を向上すべく、低温の部分から温度の高い部分へ熱を移動できるヒートポンプ手段を設けることが有効であると考え検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、第1の本発明は、圧縮機で圧縮されて加熱された高温の第1熱媒体の一部が加熱手段に供給される加熱回路と、前記高温の第1熱媒体の残余部が凝縮器で冷却されてから第1膨張手段で断熱的に膨張して更に冷却されて冷却手段に供給される冷却回路とが設けられ、前記加熱手段と冷却手段とを通過する温度調整対象の流体を所定温度に調整するように、前記高温の第1熱媒体が加熱回路と冷却回路とに分配され、且つ前記加熱回路と冷却回路との各々を通過した第1熱媒体が合流して圧縮機に再供給される温度調整装置であって、前記圧縮機から吐出された高温の第1熱媒体の一部を前記加熱回路側に分配すると共に、前記高温の第1熱媒体の残余部を冷却回路側に分配し、且つ前記加熱回路と冷却回路とに分配される高温の第1熱媒体の分配比率を変更可能な分配手段と、前記加熱回路の加熱能力が向上するように、前記加熱手段で熱を放出して冷却されてから第2膨張手段で断熱的に膨張されて更に冷却された第1熱媒体が、外部熱源である第2熱媒体から吸熱する吸熱器を具備するヒートポンプ手段と、前記分配手段を制御し、前記加熱回路と冷却回路とに分配される高温の第1熱媒体の分配比率を調整して、前記加熱手段と冷却手段とを通過する温度調整対象の流体を所定温度に制御する制御部とを具備し、前記冷却回路の凝縮器と前記ヒートポンプ手段の吸熱器との各々に個別に外部から第2熱媒体を供給する供給手段が設けられ、且つ前記供給手段の各々には、前記第2熱媒体の供給量を制御する制御手段が設けられていることを特徴とする温度調整装置にある。
かかる第1の本発明において、第2熱媒体として、空気を用い、冷却回路の凝縮器に空気流を送風する凝縮器用ファンと、ヒートポンプ手段の吸熱器に空気流を送風する吸熱器用ファンと、前記圧縮機に液状の第1熱媒体が供給されることを防止できるように、前記凝縮器用ファンと吸熱器用ファンとの各々の回転数を制御する制御部とを設けることによって、冷却水を使用できない場所にも温度調整装置を設置できる。
この凝縮器用ファンと吸熱器用ファンとの各回転数を、圧縮機の入口温度が入口圧力での第1熱媒体の飽和温度又はその近傍温度であるとき、前記吸熱器用ファンの回転数を増加して、吸熱器での第1熱媒体の蒸発量を増加し、前記圧縮機の吐出圧力と予め制御部に設定された設定圧力との圧力差に基づいて、前記凝縮器用ファンの回転数を増減して、前記吐出圧力を設定圧力に維持できるように、前記制御部によって制御することによって、圧縮機に液状の第1熱媒体が供給されることを防止しつつ、圧縮機の吐出圧力を一定に保持できる。
また、第2熱媒体として、水を用い、冷却回路の凝縮器に外部から水を供給する水供給回路と、ヒートポンプ手段の吸熱器に外部から水を供給する水供給回路とを設け、前記水供給回路の各々に水供給量を制御する制御手段を設けることによって、空冷タイプの温度調整装置よりも小型化を図ることができる。
この冷却回路の凝縮器に外部から水を供給する水供給回路には、圧縮機の吐出圧力を一定にできるように、前記凝縮器に供給する水量を制御する制御手段を設けることにより、温度調整対象の流体を容易に精密温度調整できる。
かかる制御手段としては、水の供給通路の開口面積を調整する弁体が形成された棒状部材と、前記供給通路が前記弁体によって閉塞される方向に前記棒状部材を付勢する付勢部材と、圧縮機の吐出圧力によって前記付勢手段の付勢力に抗して前記棒状部材を押圧し、前記弁体で閉塞した供給通路を前記圧縮機の吐出圧力に応じて開放する押圧部材とから成る制水弁を好適に用いることができる。
更に、ヒートポンプ手段の吸熱器に外部から水を供給する水供給回路に、前記吸熱器に所定量の水量が常時供給されるように手動弁を設けることによって、冷却回路に高温の第1熱媒体の殆どが分配される場合にも、吸熱器に水が供給されるため、吸熱器が凍結してしまうことを防止できる。
また、第2の本発明は、圧縮機で圧縮されて加熱された高温の第1熱媒体の一部が加熱手段に供給される加熱回路と、前記高温の第1熱媒体の残余部が凝縮器で冷却されてから第1膨張手段で断熱的に膨張して更に冷却されて冷却手段に供給される冷却回路とが設けられ、前記加熱手段と冷却手段とを通過する温度調整対象の流体を所定温度に調整するように、前記高温の第1熱媒体が加熱回路と冷却回路とに分配され、且つ前記加熱回路と冷却回路との各々を通過した第1熱媒体が合流して圧縮機に再供給される温度調整装置であって、前記圧縮機から吐出された高温の第1熱媒体の一部を前記加熱回路側に分配すると共に、前記高温の第1熱媒体の残余部を冷却回路側に分配し、且つ前記加熱回路と冷却回路とに分配される高温の第1熱媒体の分配比率を変更可能な分配手段と、前記加熱回路の加熱能力が向上するように、前記加熱手段で熱を放出して冷却されてから第2膨張手段で断熱的に膨張されて、外部雰囲気温度よりも冷却された第1熱媒体が、前記外部雰囲気温度の空気流から吸熱する吸熱器を具備するヒートポンプ手段と、前記分配手段を制御し、前記加熱回路と冷却回路とに分配される高温の第1熱媒体の分配比率を調整して、前記加熱手段と冷却手段とを通過する温度調整対象の流体を所定温度に制御する制御部とを具備し、前記冷却回路の凝縮器とヒートポンプ手段の吸熱器とに外部雰囲気温度の空気流を送風する1台のファンが設けられ、且つ前記凝縮器を通過した空気流が吸熱器に供給されるように、前記凝縮器と吸熱器とが配設されていることを特徴とする温度調整装置でもある。
かかる第2の本発明において、ファンとして、一定速度で回転するファンを用いることによって、高温の第1熱媒体の分配率が冷却回路側に偏っても、一定量の空気流を吸熱器に供給でき、吸熱器に供給する外部熱量の過剰の低下に因る吸熱器の凍結を防止できる。
また、ファンとして、回転数可変のファンを用い、圧縮機に液状の第1熱媒体が供給されることを防止できるように、前記ファンの回転数を制御する制御部を設けることによって、圧縮機の液圧縮に因る故障を防止できる。
本発明に係る温度調整装置では、加熱回路の加熱手段と冷却回路の冷却手段との各々に、圧縮機から吐出された高温の第1熱媒体が供給される。更に、分配手段によって、加熱回路と冷却回路とに分配する高温の第1熱媒体の分配比率を変更して、加熱手段と冷却手段とを通過する温度調整対象の流体に対する加熱量と冷却量とを容易に調整できる。
しかも、本発明の温度調整装置では、ヒートポンプ手段を設けている。このヒートポンプ手段は、低温の部分から温度の高い部分へ熱を移動できる手段であるため、圧縮機によって圧縮されて加熱された高温の第1熱媒体(温度の高い部分)のうち、加熱回路の加熱手段で熱を放出して冷却してから第2膨張手段で断熱的に膨張して更に冷却した第1熱媒体を、ヒートポンプ手段を構成する吸熱器によって、外部雰囲温度の空気流(温度の低い部分)から吸熱し昇温して圧縮機に戻すことができる。
このため、本発明の温度調整装置では、圧縮機から吐出される高温の第1熱媒体(温度の高い部分)には、圧縮機による圧縮動力エネルギーに、ヒートポンプ手段によって外部雰囲温度の空気流(温度の低い部分)から吸熱されたエネルギーを加えることができ、高温の第1熱媒体が供給される加熱手段の加熱能力を向上できる。
また、第1の本発明に係る温度調整装置では、冷却回路の凝縮器とヒートポンプ手段の吸熱器との各々に外部から第2熱媒体を供給する供給手段を個別に設け、供給手段の各々には第2熱媒体の供給量を制御する制御手段を設けており、冷却回路の凝縮器とヒートポンプ手段の吸熱器との各々を独立して制御できる。このため、冷却回路と加熱回路とに分配される第1熱媒体の分配率に応じて、凝縮器と吸熱器とに適正な第2熱媒体を供給でき、温度調整装置の適用幅の拡大を図ることができる。
一方、第2の本発明に係る温度調整装置では、冷却回路の凝縮器とヒートポンプ手段の吸熱器とに外部雰囲気温度の空気流を送風する1台のファンを設け、凝縮器を通過した空気流が吸熱器に供給されるように凝縮器と吸熱器とを配設している。このため、凝縮器で除熱された熱を吸熱器で利用でき、省エネルギー的に優れている。更に、凝縮器と吸熱器とに外部雰囲気温度の空気流を送風するファンが1台であるため、温度調整装置の小型化を図ることができる。
第1の本発明に係る温度調整装置の一例を説明する概略図を図1に示す。図1に示す温度調整装置には、温度調整が成されたクリーンルーム内に設置された空間ユニット10内に、ファン12によって吸込んだ流体としてのクリーンルーム内の温度及び湿度が調整された空気を更に精密に温度調整する加熱回路と冷却回路とが設けられている。
かかる加熱回路を構成する加熱手段としての加熱器14と冷却回路を構成する冷却手段としての冷却器16とが設けられ、空間ユニット10内にファン12によって吸引されたクリーンルーム内の空気を冷却した後、加熱して精密に温度調整する。この冷却器16と加熱器14との空気流に対する配置によれば、加熱器14及び冷却器16を通過する空気流の除湿を更に向上できる。
かかる加熱器14及び冷却器16には、第1熱媒体として、例えばプロパン、イソブタンやシクロペンタン等の炭化水素、フロン類、アンモニア、炭酸ガスが供給され、第1熱媒体の気化・液化によってクリーンルーム内の空気を加熱・冷却して所定の温度に調整する。
この様な第1熱媒体は、圧縮機18によって圧縮・加熱されて高温(例えば70℃)の気体状となって吐出される。圧縮機18から吐出された高温の第1熱媒体を、分配手段としての比例三方弁20によって、加熱器14が設けられた加熱回路側と冷却器16が設けられた冷却回路側とに分配する。
この比例三方弁20では、加熱回路側に分配する高温の第1熱媒体と冷却回路側に分配する高温の第1熱媒体との合計量が圧縮機18から吐出された高温の第1熱媒体量と等しくなるように分配する。
かかる比例三方弁20は、制御部22によって制御されている。この制御部22では、空間ユニット10内に設けられた温度センサー24によって測定された温度信号と目標設定温度とを比較判定手段によって比較して、加熱回路側と冷却回路側とに分配する高温の第1熱媒体の分配比率を実質的に連続して変更し、空間ユニット10内に吸込まれた流体を所定温度に調整する。
この「実質的に連続して変更」とは、比例三方弁20をステップ制御で駆動するとき、微視的には比例三方弁20がステップ的に駆動されているものの、全体的には連続して駆動されている場合を含む意味である。
かかる制御部22に設定する目標設定温度は、任意に設定できるようにしてもよい。また、図1に示す温度センサー24は、ファン12の吐出側に設置されているが、ファン12の吸入側に設置してもよく、ファン12の吐出側及び吸入側に設けてもよい。
加熱回路側に分配された高温の第1熱媒体は、加熱器14に直接供給され、空間ユニット10内に、ファン12によって吸引されて冷却器16で冷却された空気流を加熱して所定温度に調整する。その際に、高温の第1熱媒体は、加熱器14で放熱して冷却されて凝縮液を含む第1熱媒体となる。
加熱器14で放熱した第1熱媒体は、膨張弁34によって断熱的に膨張され、外部雰囲気温度よりも低温(10℃程度)に冷却される。冷却された第1熱媒体は、吸熱器32に供給されて、吸熱器用ファンであるファン30aによって供給される第2熱媒体である外部雰囲気温度の空気流との温度差に基づいて空気流から吸熱できる。
一方、冷却回路側に分配された高温の第1熱媒体は、凝縮器26によって冷却されてから膨張手段としての膨張弁28によって断熱的に膨張され、外部雰囲気温度よりも低温に冷却される(例えば、10℃に冷却)。冷却された第1熱媒体は、冷却器16に供給され、空間ユニット10内に吸込まれた空気流を冷却し、その際に、冷却器16に供給された第1熱媒体は空気流から吸熱して昇温される。
かかる凝縮器26には、冷却器16側に分配された高温の第1熱媒体を冷却する冷却用として、外部雰囲気温度の空気流が凝縮用ファンとしてのファン30bによって供給される。
この様に、吸熱器32と冷却器16とで吸熱した第1熱媒体は、合流してアキュームレータ36を経由して圧縮機18に供給される。このアキュームレータ36には、冷却器16に供給されて空間ユニット10内に吸込まれた流体から吸熱した第1熱媒体も供給される。かかるアキュームレータ36は、蓄圧器用タイプのアキュームレータを用いた。
アキュームレータ36としては、確実に第1熱媒体のガス成分のみを圧縮機18に供給すべく、液体成分を貯めてガス成分のみを圧縮機18に再供給できるタイプのアキュームレータを用いることができる。
尚、アキュームレータ36を設置しなくても、吸熱器32と冷却器16とを通過した第1熱媒体を合流して、圧縮機18に再供給できればよい。
図1に示す温度調整装置では、加熱器14で放熱した第1熱媒体を、膨張弁34によって断熱的に膨張して冷却しているが、膨張弁34での断熱膨張による冷却では、第1熱媒体と外部雰囲気との間での熱の遣り取りはない。このため、断熱的に冷却された第1熱媒体は、ファン30bによって外部から外部雰囲気温度の空気流が凝縮器26を経由して吸熱器32に供給された空気流から吸熱できる。
従って、圧縮機18から吐出される高温の第1熱媒体には、圧縮機18による圧縮動力エネルギーに、ヒートポンプ手段の吸熱器32によって外部から供給された外部雰囲気温度の空気流から吸熱したエネルギーを加えることができる。その結果、補助ヒータ等の他の加熱手段を用いることを要しない。
この様に、図1に示す温度調整装置では、その加熱回路の加熱能力を向上でき、比例三方弁20によって加熱回路側に分配する高温の第1熱媒体と冷却回路側に分配する高温の第1熱媒体との分配比率を、空間ユニット10内の温度に応じて実質的に変更できる。
このため、図1に示す温度調整装置では、加熱回路及び冷却回路に高温の第1熱媒体が常時供給されており、加熱回路の加熱器14と冷却回路の冷却器16とを通過する温度調整対象の空気流の微小な負荷変動は、加熱回路と冷却回路とに分配する高温の第1熱媒体の分配比率を比例三方弁20によって直ちに微小調整することによって迅速に対応でき、応答性を向上できる。
その結果、加熱回路の加熱器14と冷却回路の冷却器16とを通過する温度調整対象の空気流の温度を設定温度に対して±0.1℃以下の精度で制御でき、図1に示す温度調整装置が設置された空間ユニット10の温度変化をクリーンルームの温度変化よりも小さくでき、精密加工が要求される工程を設置できる。
また、図1に示す温度調整装置では、加熱回路の加熱能力が向上されているため、加熱器14と冷却器16とを通過する温度調整対象の空気流の設定温度を大幅に高くする場合でも、比例三方弁20によって高温の第1熱媒体の分配比率を冷却回路よりも加熱回路に分配する分配比率を大幅に高くすることによって、温度調整対象の空気流を所定温度に迅速に調整できる。
その結果、例えば、図18に示す温度調整装置では、その温度設定範囲が20〜26℃程度であるが、図1に示す温度調整装置では、その温度設定範囲を18〜35℃と大幅に拡大できる。
更に、図1に示す温度調整装置では、加熱回路の加熱能力が向上され、補助ヒータ等の他の加熱手段を用いることを要しないため、図19に示す補助ヒータ114を設けた温度調整装置に比較して、大幅な省エネルギーを図ることができる。
例えば、図19に示す補助ヒータ114を設けた温度調整装置では、全消費エネルギーの内訳は、圧縮機100が18%、補助ヒータ114が69%、及び送風機112が13%である。この点、図1に示す温度調整装置では、補助ヒータ114の消費エネルギーをカットできる。
このため、吐出量が20m/min程度の水冷式空調機に、図19示す温度調整装置の方式を適用した場合には、最大消費電力が11.7KWであったが、図1に示す温度調整装置の方式を適用すると、最大消費電力を2.4KW程度とすることができる。
図1の温度調整装置に用いた分配手段としての比例三方弁20に代えて、図2に示す様に、2個の二方弁としてのゲートバルブ38a,38bを用いることができる。2個のゲートバルブ38a,38bの各々は、制御部22によって制御されている。かかる制御部22によって、二方弁38a,38bの各々の開度を調整し、圧縮機18で圧縮・加熱された気体状の高温の第1熱媒体を加熱回路と冷却回路とに分配する分配比率を実質的に連続して調整し、加熱器14と冷却器16とを通過する空気流を所定温度に制御する。その際に、加熱器14側に分配する高温の第1熱媒体量と冷却器16側に分配する高温の第1熱媒体量との合計量が、圧縮機18から吐出された高温の第1熱媒体量と等しくなるように、ゲートバルブ38a,38bの開度を調整して連続的に比例分配される。
その際に、ゲートバルブ38a,38bの各々は、図3に示す様に、バルブ開度と流量との関係は直線状でない。このため、制御部22では、図3に示すゲートバルブ38a,38bの各々についての流量特性データを保持し、制御部22からは、ゲートバルブ38a,38bの各流量特性に基づいて各ゲートバルブ38a,38bへの開度信号を発信する。
ここで、「加熱回路と冷却回路とに分配する分配比率を実質的に連続して調整」或いは「分配比率を実質的に連続して調整」するとは、ゲートバルブ38a,38bをステップ制御によって駆動し、加熱回路と冷却回路との分配比率を調整する際に、ゲートバルブ38a,38bの開度が、微視的にはステップ的に駆動されて調整されているものの、全体として連続して駆動されて調整されている場合を含むことを意味する。
かかる図1に示す温度調整装置では、圧縮機18の入口付近に、圧縮機18に供給される第1熱媒体の温度を測定する温度センサー38と、圧縮機18に供給される第1熱媒体の圧力を測定する圧力センサー40とを設け、温度センサー38と圧力センサー30との測定値は制御部22に送信される。制御部22では、受信した圧縮機の入口近傍の温度と圧力とに基づいてファン30a,30bの各々の回転数を制御する。ファン30a,30bの各回転数の制御には、スピードコントローラを用いることが好ましい。スピードコントローラによれば、ファン30a,30bは回転数の急激な変動を避けて滑らかに制御でき、応答性を向上でき、温度調整の精度を向上できる。
図1に示す制御部22では、通常時には、受信した圧縮機18の入口近傍の温度と圧力とに基づいて液バック推定手段で推定した圧縮器18の吐出圧力と目標圧縮機吐出圧設定に設定された目標圧力とを比較判定手段で比較して、目標圧力となるように制御する。
具体的には、圧縮機18の吐出圧が制御部22に予め設定した設定圧力以上となったとき、ファン30bの回転数を増加し、凝縮器26に供給される送風量を増加して、凝縮器26の冷却能力を向上する。このため、圧縮機18の吐出圧が低下する。
他方、圧縮機18の吐出圧が設定圧力以下となったとき、ファン30bの回転を減少し、凝縮器26に供給される送風量を減少して、凝縮器26の冷却能力を低下する。このため、圧縮機18の吐出圧が高くなる。
また、制御部22では、吸熱器32に送風するファン30aも、加熱回路の加熱器14に分配される高温の第1熱媒体の分配率に応じて回転数を制御し、適正範囲の送風量となるように調整している。
尚、図1に示す温度調整装置では、圧縮機18の入口近傍の温度と圧力とに基づいて圧縮器18の吐出圧力を推定しているが、圧縮機18の吐出圧力を直接測定した測定値を採用してもよいことは勿論のことである。
図1に示す温度調整装置では、高温の第1熱媒体の分配率が冷却回路側と加熱回路側との一方側に大きく偏ったとき、圧縮機18に液状の第1熱媒体が供給される事態が生じることがある。
例えば、高温の第1熱媒体の分配率が冷却回路側よりも加熱回路側に大きく偏って、吸熱器32に供給される空気量が過少であるとき、圧縮機18の入口温度が入口圧力での第1熱媒体の飽和温度又はその近傍温度となり、圧縮機18に液状の第1熱媒体が供給される現象(液バック現象)のおそれが生じる場合がある。この場合には、温度センサー51と圧力センサー53とからの各々の測定値に基づいて制御部55の液バック推定手段から比例判定手段を経由してファン30aに回転数を増加し、吸熱器32で吸熱される吸熱量を増加して、吸熱器32での第1熱媒体の蒸発を促進することにより、圧縮機18に液状の第1熱媒体が供給される事態を防止できる。
他方、高温の第1熱媒体の分配率が加熱回路側よりも冷却回路側に大きく偏って、凝縮器26に供給される空気量が過大であるとき、圧縮機18の入口温度が入口圧力における第1熱媒体の飽和温度又はその近傍温度となり、圧縮機18に液状の第1熱媒体が供給される液バック現象のおそれが生じる場合がある。この場合にも、温度センサー51と圧力センサー53とからの各々の測定値に基づいて制御部55の液バック推定手段から比例判定手段を経由してファン30bに回転数を低下して、冷却器16への第1熱媒体の供給量を減少し、冷却器16での第1熱媒体の蒸発を促進することにより、圧縮機18に液状の第1熱媒体が供給される事態を防止できる。
尚、これまで述べてきた図1に示す温度調整装置の制御について、図4に示すブロック図にまとめて示す。
図1に示す温度調整装置では、温度調整対象が空気流であったが、工作機械等に用いられる冷却液の温度調整装置にも適用できる。かかる冷却液の温度調整装置の一例を図5に示す。
図5に示す冷却液の温度調整装置では、インバータによって所定回転数で回転するように制御されている圧縮機50で圧縮された高温の第1熱媒体は分配手段としての比例三方弁52によって加熱回路と冷却回路とに分配される。
かかる比例三方弁52は、加熱回路側に分配する高温の第1熱媒体と冷却回路側に分配する高温の第1熱媒体との合計量が圧縮機から吐出された高温の第1熱媒体量と等しくなるように、圧縮機50で圧縮された高温の第1熱媒体を比例分配する。この比例三方弁52は、制御部55で制御されており、後述する様に、温度調整装置の出口の冷却液の温度を測定する温度センサー62からの信号に基づいて、加熱回路と冷却回路とに分配する高温の第1熱媒体の分配率を実質的に連続して変更し、冷却液を所定温度に調整する。
尚、この「実質的に連続して変更」とは、比例三方弁52をステップ制御で駆動するとき、微視的には比例三方弁52がステップ的に駆動されているものの、全体的には連続して駆動されている場合を含む意味である。
圧縮機50から吐出された高温の第1熱媒体の一部が分配された冷却回路には、分配された高温の第1熱媒体を冷却する冷却手段として、高温の第1熱媒体を凝縮する凝縮器56と、凝縮器56によって凝縮された第1熱媒体を断熱的に膨張して更に冷却する第1膨張手段としての膨張弁58と、この冷却された第1熱媒体が供給される冷却器60とが設けられている。この冷却器60には、貯留槽64に貯留されているUSERから戻った温度調整対象の冷却液がポンプ66によって供給されて冷却される。冷却器60で吸熱して昇温された第1熱媒体は、アキュームレータ71に戻り圧縮機50に供給される。かかる冷却回路の凝縮器56には、凝縮用ファンとしてのファン78aによって外部雰囲気温度の空気流が冷却媒体として送風される。
また、加熱回路には、高温の第1熱媒体が供給される加熱手段としての加熱器54が設けられている。この加熱器54には、冷却器60で冷却された温度調整対象の冷却液が供給され、供給された高温の第1熱媒体によって所定温度に調整されてUSERに送液される。
かかる加熱回路及び冷却回路には、ヒートポンプ手段の吸熱器68が設けられている。この吸熱器68には、加熱器54で放熱して凝縮した第1熱媒体を第2膨張手段としての膨張弁70で断熱的に膨張して更に冷却された第1熱媒体と、吸熱器用ファンとしてのファン78bによって外部雰囲気温度の空気流とが供給され、供給された空気流から吸熱した第1熱媒体はアキュームレータ71に戻り圧縮機50に供給される。
尚、アキュームレータ71を設置しなくても、吸熱器68で空気流から吸熱して昇温された第1熱媒体と、冷却器60に供給された冷却液から吸熱した第1熱媒体とを合流して、圧縮機18に供給できればよい。
図5に示す温度調整装置でも、図1に示す温度調整装置の様に、凝縮器56と吸熱器68との各々にファン78a,78bを設け、凝縮器56と吸熱器68との各々に外部雰囲温度の空気流を送風することによって、凝縮器56と吸熱器68とに加えられる負荷に応じてファン78a,78bの回転数を制御できる。
図5に示す温度調整装置では、圧縮機50の入口付近に、圧縮機50に供給される第1熱媒体の温度を測定する温度センサー51と、圧縮機50に供給される第1熱媒体の圧力を測定する圧力センサー53とが設けられている。
かかる温度センサー51と圧力センサー45の測定値は制御部55の液バック推定手段に送信され、液バック推定手段では、比例判定手段を経由して、受信した圧縮機の入口近傍の温度と圧力とに基づいて、凝縮器56と吸熱器68との各々に設けられたファン78a,78bの各回転数を制御する。
すなわち、図5に示す制御部55では、通常時には、受信した圧縮機の入口近傍の温度と圧力とに基づいて液バック推定手段によって推定した圧縮器18の吐出圧力が目標圧縮機吐出圧設定に設定された目標圧力となるように比較判定手段によって制御する。
具体的には、圧縮機50の吐出圧が目標圧力以上となったとき、ファン78aの回転数を増加し、凝縮器56に供給される送風量を増加して、凝縮器56の冷却能力を向上する。このため、圧縮機50の吐出圧が低下する。
他方、圧縮機50の吐出圧が所定圧以下となったとき、ファン78aの回転を減少し、凝縮器56に供給される送風量を減少して、凝縮器56の冷却能力を低下する。このため、圧縮機50の吐出圧が高くなる。
また、制御部55の比較判定手段では、吸熱器68に送風するファン78bも、加熱回路の加熱器54に分配される高温の第1熱媒体の分配率に応じて回転数を制御し、適正範囲の送風量となるように調整している。
更に、図5に示す温度調整装置では、高温の第1熱媒体の分配率が冷却回路側と加熱回路側との一方側に大きく偏ったとき、圧縮機50に液状の第1熱媒体が供給される液バック現象が生じることがある。
例えば、高温の第1熱媒体の分配率が冷却回路側よりも加熱回路側に大きく偏って、吸熱器68に供給される空気量が過少であるとき、圧縮機50の入口温度が入口圧力における第1熱媒体の飽和温度又はその近傍温度となって、圧縮機50に液状の第1熱媒体が供給されるおそれが生じる場合がある。この場合には、制御部55の液バック推定手段から比較判定手段を経由してファン78bの回転数を増加し、吸熱器68で吸熱される吸熱量を増加して、吸熱器68での第1熱媒体の蒸発を促進することにより、圧縮機50に液状の第1熱媒体が供給される事態を防止できる。
他方、高温の第1熱媒体の分配率が加熱回路側よりも冷却回路側に大きく偏って、凝縮器56に供給される空気量が過大であるとき、圧縮機50の入口温度が入口圧力における第1熱媒体の飽和温度又はその近傍温度となって、圧縮機50に液状の第1熱媒体が供給される液バック現象のおそれが生じる場合がある。この場合にも、制御部55の液バック推定手段から比較判定手段を経由してファン78aの回転数を低下して、冷却器60への第1熱媒体の供給量を減少し、冷却器60の第1熱媒体の蒸発を促進することにより、圧縮機50に液状の第1熱媒体が供給される事態を防止できる。
尚、これまで述べてきた図5に示す温度調整装置の制御について、図6に示すブロック図にまとめて示す。
図1及び図5に示す温度調整装置では、凝縮器26,56と吸熱器32,68として空冷タイプの熱交換器を用いていたが、図7に示す様に、水冷タイプの熱交換器を用いることができる。
図7に示す温度調整装置では、水冷タイプのプレート式熱交換器から成る凝縮器27と吸熱器33とを用いている。かかる凝縮器27と吸熱器33との各々には、外部から水を供給する水供給回路が互いに独立して設けられており、水供給回路の各々には、水の供給量を制御する制御弁が設けられている。
この制御弁のうち、凝縮器27に外部の水を供給する水供給回路の途中には、圧縮機18の吐出圧力を一定とするように、凝縮器27に供給する水量を調整する制水弁80が設けられている。
かかる制水弁80は、図8に示す様に、水の供給通路80aの開口面積を調整する弁体80bが形成された棒状部材80cと、供給通路80aが弁体80bによって閉塞される方向に棒状部材80cを付勢する付勢部材としてのバネ80dと、圧縮機18の吐出圧力によってバネ80dの付勢力に抗して棒状部材80cを押圧し、弁体80bで閉塞した供給通路80aを圧縮機18の吐出圧力に応じて開放する押圧部材としてのベローズ80eとから成る。
この制水弁80によれば、圧縮機18の吐出圧がバネ80cの付勢力以上となったとき、ベローズ80eによって弁体80bが供給通路80aを開放する方向に移動し、凝縮器27に供給される冷却水量が増加して、凝縮器27の冷却能力が向上される。このため、圧縮機18の吐出圧が低下する。
他方、圧縮機18の吐出圧がバネ80dの付勢力以下となったとき、弁体80bが供給通路80aを閉じる方向に移動し、凝縮器27に供給される冷却水量が減少して、凝縮器27の冷却能力が低下する。このため、圧縮機18の吐出圧が高くなる。
この様に、圧縮機18の吐出圧を一定に保持することによって、温度調整装置を安定して運転できる。また、凝縮器27に冷却水量が必要以上に供給され、系外に排出されないように調整できる。
また、吸熱器33への水供給回路に制御手段としての手動弁35が設けられている。この手動弁35は、所定量の水が吸熱器33に常時供給されるように開度調整されている。このため、圧縮機18から吐出された高温の第1熱媒体の分配率が冷却回路側に大きく偏り、吸熱器33に流入する第1熱媒体量が大幅に低下しても、吸熱器33には所定量の水が常時供給されているため、吸熱器33内で第1熱媒体が凍結する事態を防止できる。
尚、図7に示す温度調整装置において、図1に示す温度調整装置の構成部材と同一部材については、図1と同一番号を付して詳細な説明を省略した。
図1及び図5に示す温度調整装置では、冷却回路に設けられた凝縮器と加熱回路に設けられた吸熱器との各々にファンを設けているため、温度調整装置が大型化する傾向にある。
この点、図9に示す温度調整装置の様に、凝縮器26及び吸熱器32に1台のファン30から送風する構成を採用することによって、温度調整装置を小型化できる。
図9に示す温度調整装置では、ファン30から送風された空気流が凝縮器26を通過してから吸熱器32に供給される。このため、凝縮器26で高温の第1熱媒体から除去した熱を吸熱器32で利用できる。従って、図9に示す温度調整装置は、省エネルギー的に有利である。
また、ファン30は、一定の回転速度で回転しているため、高温の第1熱媒体の分配率が冷却回路側に偏っても、一定量の空気流が吸熱器26に供給される。このため、吸熱器26に供給する外部熱量の過剰の低下に因る吸熱器26の凍結を防止できる。
但し、図9に示す温度調整装置は、ファン30の回転速度を変更して空気量を変更できないため、図1及び図5に示す温度調整装置に比較して、その適用範囲は狭くなるが、小型化が可能であるため、クリーンルーム内の様に、狭く且つ温度調整が成されている場所の精密温度調整用としては、充分に使用できる。
ここで、図9に示す温度調整装置において、図1に示す精密温度調整の構成部材と同一部材について、図1に示す構成部材と同一番号を付して詳細な説明を省略する。
更に、図9に示す温度調整装置においても、分配手段としての比例三方弁20に代えて、図2に示す2個の二方弁としてのゲートバルブ38a,38bを用いることができる。ゲートバルブ38a,38bについては、図2及び図3について前述しているため、ここでは詳細な説明を省略する。
また、図5に示す温度調整対象が水である温度調整装置でも、図10に示す様に、凝縮器56と吸熱器68に1台のファン78から送風するようにしてもよい。この場合も、ファン78から送風された空気流が凝縮器56を通過してから吸熱器68に供給される。
尚、図10に示す温度調整装置において、図5に示す精密温度調整の構成部材と同一部材について、図5に示す構成部材と同一番号を付して詳細な説明を省略する。
図9に示す温度調整装置においても、図11に示す様に、ファン30を回転数可変とし、制御部22によってファン30の回転数を制御可能としてもよい。
図11に示す温度調整装置では、圧縮機18の入口付近に、圧縮機18に供給される第1熱媒体の温度を測定する温度センサー38と、圧縮機18に供給される第1熱媒体の圧力を測定する圧力センサー40とを設け、温度センサー38と圧力センサー40との測定値は制御部22の液バック推定手段に送信される。制御部22の液バック推定手段では、受信した圧縮機の入口近傍の圧力と温度とから圧縮機の吐出圧力を推定し、目標圧縮機吐出設定に設定された目標圧力とを比較する比較判定手段によってファン30の回転数を制御する。
この場合、制御部22の比較判定手段では、受信した圧縮機の入口近傍の温度と圧力とに基づいて液バック推定手段で求めた圧縮機18の吐出圧が一定となるようにファン30の回転数を制御してもよい。
また、高温の第1熱媒体の分配率が冷却回路側と加熱回路側との一方側に大きく偏ったとき、圧縮機18に液状の第1熱媒体が供給される液バック現象の事態が生じる場合がある。
かかる場合には、圧縮機18の保護のために、制御部22の液バック推定手段は、比較判定手段を介してファン30の回転数を強制的に変更する。
例えば、高温の第1熱媒体の分配率が冷却回路側よりも加熱回路側に大きく偏り、圧縮機50の入口温度が入口圧力における第1熱媒体の飽和温度又はその近傍温度となって、圧縮機50に液状の第1熱媒体が供給されるおそれが生じる場合には、吸熱器68で吸熱される吸熱量を増加して、吸熱器68での第1熱媒体の蒸発を促進するように、制御部22の液バック推定手段は、比較判定手段を介してファン30の回転数を増加する信号を発信する。この場合には、凝縮器26での第1熱媒体に対する冷却が促進されるが、冷却回路側に分配される高温の第1熱媒体量が少ないため、その影響は少ない。
他方、高温の第1熱媒体の分配率が加熱回路側よりも冷却回路側に大きく偏り、圧縮機18の入口温度が入口圧力における第1熱媒体の飽和温度又はその近傍温度となって、圧縮機18に液状の第1熱媒体が供給される液バック現象のおそれが生じる場合には、冷却器16での第1熱媒体の蒸発を促進するように、制御部22の液バック推定手段は、比較判定手段を介してファン30の回転数を減少する信号を発信する。この場合には、吸熱器32における第1熱媒体に吸熱される吸熱量が低下するが、加熱回路側に分配される高温の第1熱媒体量が少ないため、その影響は少ない。
尚、これまで述べてきた図11に示す温度調整装置の制御について、図12に示すブロック図にまとめて示す。
ところで、図1に示す温度調整装置では、例えば、温度調整対象の空気が冷却側にある場合、空気温度が安定する所期運転状態では、図13(a)に示す様に、冷却器16を含む冷却側部で冷却した空気を加熱器14を含む加熱側部で加熱している。図13(a)に示す運転状態では、空気を冷却するに要するエネルギーAに比較して、加熱側部で加熱するエネルギーが大きくなる場合がある。この場合、図13(b)に示す様に、冷却側部と加熱側部との重複するエネルギーを可及的に少なくできれば、省エネルギーを図ることができる。
一方、温度調整対象の空気が加熱側にある場合、空気温度が安定する所期運転状態では、図14(a)に示す様に、加熱器14を含む加熱側部で加熱した空気を冷却器16を含む冷却側部で冷却している。図14(a)に示す運転状態では、空気を加熱するに要するエネルギーBに比較して、冷却側部で冷却するエネルギーが大きくなる場合がある。この場合、図14(b)に示す様に、冷却側部と加熱側部との重複するエネルギーを削減できれば、省エネルギーを図ることができる。
但し、互いに打ち消し合う熱負荷分をゼロとすべく、加熱器14と冷却器16とをON−OFF制御すると、温度調整装置の運転が不安定となり、空間ユニット10内を所定温度で安定するまで時間が掛かる。このため、温度調整装置を安定運転できる程度には、加熱器14と冷却器16との各々に加えられる熱負荷のうち、互いに打ち消し合う熱負荷分を最小限存在させることが必要である。
尚、この必要最小限の互いに打ち消し合う熱負荷分は、温度調整装置によって多少異なるため、実験的に求めておくことが好ましい。
この様に、冷却側部と加熱側部との重複するエネルギーを削減できる温度調整装置を図15に示す。図15に示す温度調整装置では、加熱手段としての加熱器14と冷却手段としての冷却器16とに分配する高温の第1熱媒体の分配比率を連続的に変更して、加熱器14と冷却器16とを通過する温度調整対象の流体である空気を所定温度に調整するように分配手段としての比例三方弁20を制御する比較判定手段と、圧縮機18に供給される第1熱媒体の圧力及び温度とから液バック現象を推定する液バック推定手段とが設けられた第1制御部22aと、加熱器14と冷却器16との各々に加えられる熱負荷のうち、互いに打ち消し合う熱負荷分を削減できる高温の第1熱媒体の分配比率となるように、圧縮機18の回転数を制御する回転数制御手段であるインバータ19を介して圧縮機18の回転数を変更する回転数変更手段が設けられた第2制御部22bとから成る制御部22が設けられている。この第2制御部22aの回転数変更手段には、圧縮機18の回転数を変更する変更量が予め設定されている。
尚、図15に示す温度調整装置において、図1に示す温度調整装置と同一構成の構成部材については、図1と同一番号を付して詳細な説明を省略した。
かかる第2制御部22bは、比例三方弁20を制御する第1制御部22aと共に制御部22を構成している。この第1制御部22aによる比例三方弁20の制御と第2制御部22bによる圧縮機18の回転数の制御とを図16のフローチャートに示す。
図16に示す温度調整装置を試運転したところ、温度調整対象の空気を冷却側で運転する場合は、加熱器14に加えられる熱負荷として、比例三方弁20による加熱器14側への高温の第1熱媒体(図16では、「高温熱媒体」と記載している)の分配率を5〜15%(比例三方弁20による冷却器16側への高温熱媒体の分配率を95〜85%)とすることが安定運転上から好ましいことが判明した。他方、温度調整対象の空気を加熱側で運転する場合は、加熱器14側に加えられる熱負荷として、比例三方弁20による加熱器14側への高温熱媒体の分配率を95〜85%(比例三方弁20による冷却器16側への高温熱媒体の分配率を5〜15%)とすることが安定運転上から好ましいことが判明した。
このため、図16のフローチャートに示す制御では、加熱器14側に加えられる熱負荷、具体的には比例三方弁20による加熱器14側への高温の第1熱媒体の分配率を、温度調整対象の空気を冷却側で運転する場合は、5〜15%となるように圧縮機18の回転数を制御し、温度調整対象の空気を加熱側で運転する場合は、95〜85%の分配率となるように圧縮機18の回転数を制御することにした。
図16に示すフローチャートでは、ステップS10で圧縮機18を起動した後、ステップS12で空間ユニット10内を所定温度とするように、空間ユニット10内に設けられた温度センサ24によって測定された温度信号に基づいて、比例三方弁20による加熱器14側と冷却器16側とに分配する高温の第1熱媒体の分配比率を連続的に変更し、空間ユニット10内に吸込まれた空気を所定温度に調整する。
かかる空間ユニット10内が所定温度に到達して安定しているかをステップS14で判断し、空間ユニット10内の温度が安定していない場合は、ステップS12に戻り、比例三方弁20による加熱器14側と冷却器16側とに分配する高温の第1熱媒体の分配比率を連続的に変更する。かかるステップS12及びステップS14は第1制御部22aで行う。
ここで、ステップS14において、予め設定時間内(例えば、数分間)で測定した空間ユニット10内の温度が所定温度にあるとき、空間ユニット10内の温度が安定していると判断する。
一方、空間ユニット10内が所定温度に到達して安定している場合は、ステップS16〜S22で加熱器14側に分配される高温の第1熱媒体の分配比率が所定の範囲内であるか否か判断する。このステップS16〜S22は第2制御部22bで行う。
尚、図16に示す平均高温熱媒体分配率とは、加熱器14側に分配される高温の第1熱媒体の分配比率にはばらつきがあるため、所定時間内の熱媒体分配率の平均をとった値である。
先ず、ステップS16とステップS18とでは、温度調整対象の空気が冷却側にあると仮定したとき、加熱器14側への平均高温熱媒体分配率が5〜15%内にあるか否か判断する。
ここで、加熱器14側への平均高温熱媒体分配率が5〜15%内にある場合は、加熱器14と冷却器44との各々に加えられる熱負荷のうち、互いに打ち消し合う熱負荷分が少なく、且つ温度調整装置の運転が安定する範囲内であるため、ステップS16を通過しステップS18からステップS28に移行する。ステップS28では、圧縮機18が運転中か否か判断して、圧縮機18が運転中であれば、ステップ14に戻る。
一方、加熱器14側への平均高温熱媒体分配率が5%未満である場合には、加熱器14側への平均高温熱媒体分配率が低過ぎるため、温度調整装置の運転が不安定となり易い。このため、加熱器14側への平均高温熱媒体分配率を増加すべく、ステップS16からステップS24に移行し、圧縮機18の回転数を増加する。ステップS24では、第2制御部22bからインバータ18に向けて、インバータ18に設定されている圧縮機18の回転数を最小変化量で増加する増加信号を発信する。圧縮機18の回転数を最小変化量で増加することによって、温度調整装置を安定して運転できるからである。
ここで、圧縮機18の回転数を変化させる変化量は、予め第2制御部22bの回転数変更手段に設定されている。この変化量は、圧縮機18の回転数の最小回転数とすることが好ましい。かかる最小回転数は、温度調整装置によって異なり、実験的に求めておくことが好ましいが、圧縮機18の回転数が2000〜5000rpmのとき、最小変化量を3〜10%の範囲とすることが好ましい。
また、加熱器14側への平均高温熱媒体分配率が15%を越えている場合には、ステップS16とステップS18とを通過して、温度調整対象の空気が冷却側にないと判断し、ステップS20とステップS22とに移行する。ステップS20とステップS22とでは、温度調整対象の空気が加熱側にあると仮定したとき、加熱器14側への平均高温熱媒体分配率が95〜85%内にあるか否か判断する。
ここで、加熱器14側への平均高温熱媒体分配率が85〜95%内にある場合は、加熱器14と冷却器44との各々に加えられる熱負荷のうち、互いに打ち消し合う熱負荷分が少なく、且つ温度調整装置の運転が安定する範囲内であるため、ステップS20を通過しステップS22からステップS28に移行する。ステップS28では、圧縮機18が運転中か否か判断して、圧縮機18が運転中であれば、ステップ14に戻る。
一方、加熱器14側への平均高温熱媒体分配率が95%を超えている場合には、加熱器14側への平均高温熱媒体分配率が高過ぎ、温度調整装置の運転が不安定となり易い。このため、加熱器14側への平均高温熱媒体分配率を減少すべく、ステップS20からステップS24に移行し、圧縮機18の回転数を増加する。ステップS24では、制御部22bからインバータ18に向けて、インバータ18に設定されている圧縮機18の回転数を最小変化量で増加する増加信号を発信する。
また、加熱器14側への平均高温熱媒体分配率が85%未満の場合には、ステップS22において、加熱器14と冷却器44との各々に加えられる熱負荷のうち、互いに打ち消し合う熱負荷分が多い状態と判断される。このため、ステップS26に移行し、圧縮機18の回転数を低下する。ステップS26では、制御部22bからインバータ18に向けて、インバータ18に設定されている圧縮機18の回転数を最小変化量で低下する低下信号を発信する。圧縮機18の回転数を最小変化量で低下し、加熱器14と冷却器44との各々に加えられる熱負荷のうち、互いに打ち消し合う熱負荷分を削減するためである。
次いで、ステップS24又はステップS26を通過してステップS28に移行し、圧縮機18が運転中であれば、ステップS14に戻る。ステップS14では、ステップS24又はステップS26において、圧縮機18の回転数を最小変化量で増加又は低下した状態で、空間ユニット10内が所定温度に到達して安定しているかを判断する。空間ユニット10内が所定温度に到達して安定している場合には、ステップS16〜S26によって、再度、加熱器14側への平均高温熱媒体分配率が所定範囲内に在るか否か判断する。
一方、ステップS14において、空間ユニット10内の温度が安定していないと判断した場合は、ステップS12に戻り、比例三方弁20による加熱器14側と冷却器16側とに分配する高温熱媒体の分配比率を連続的に変更する。空間ユニット10内が所定温度に到達して安定してからステップS16〜S26に移行する。
尚、ステップS28において、圧縮機18が運転状態にない場合には、制御部22による制御は停止する。
以上、説明してきた図16に示すフローチャートでは、第1制御部22aでは、加熱器14側への平均高温熱媒体分配率に注目して制御しているが、冷却器16側への平均高温熱媒体分配率に注目して制御してもよい。
図15では、温度調整対象が空気の温度調整装置を例示したが、図5に示す温度調整装置の様に、温度調整対象が液体の温度調整装置にも、加熱器54と冷却器60との各々に加えられる熱負荷のうち、互いに打ち消し合う熱負荷分を削減し得る高温の第1熱媒体の分配比率となるように、圧縮機50の回転数を制御する回転数制御手段としてのインバータを介して圧縮機50の回転数を変更する制御部を設けてよい。
また、図7に示す温度調整装置の様に、水冷タイプのプレート式熱交換器から成る凝縮器27と吸熱器33とを用いた温度調整装置、或いは図9、図10、図11に示す温度調整装置の様に、凝縮器及び吸熱器に対して一台のファンが設けられた温度調整装置でも、加熱器と冷却器との各々に加えられる熱負荷のうち、互いに打ち消し合う熱負荷分を削減し得る高温の第1熱媒体の分配比率となるように、圧縮機の回転数を制御する回転数制御手段としてのインバータを介して圧縮機の回転数を変更する制御部を設けてよいことは勿論のことである。
尚、これまで述べてきた図15に示す温度調整装置の制御について、図17に示すブロック図にまとめて示す。
本発明に係る温度調整装置の一例を説明する概略図である。 図1に示す温度調整装置で用いることのできる他の分配手段を説明する説明図である。 図2に示す分配手段で用いるゲートバルブの流量特性を示すグラフである。 図1に示す温度調整装置の制御を説明するブロック図である。 本発明に係る温度調整装置の他の例を説明する概略図である。 図5に示す温度調整装置の制御を説明するブロック図である。 本発明に係る温度調整装置の他の例を説明する概略図である。 図7に示す制水弁80の内部構造を説明する断面図である。 本発明に係る温度調整装置の他の例を説明する概略図である。 本発明に係る温度調整装置の他の例を説明する概略図である。 本発明に係る温度調整装置の他の例を説明する概略図である。 図11に示す温度調整装置の制御を説明するブロック図である。 本発明に係る温度調整装置において、温度調整対象の流体が冷却側にある場合の省エネルギーの原理を説明する説明図である。 本発明に係る温度調整装置において、温度調整対象の流体が加熱側にある場合の省エネルギーの原理を説明する説明図である。 本発明に係る温度調整装置の他の例を説明する概略図である。 図15に示す制御部22の動作を説明するためのフローチャートである。 図15に示す温度調整装置の制御を説明するブロック図である。 従来の温度調整装置を説明する概略図である。 従来の温度調整装置の改良例を説明する概略図である。
符号の説明
10 空間ユニット
12,30,30a、30b,78,78a,78b ファン
14,54 加熱器
16,60 冷却器
18,50 圧縮機
20,52 比例三方弁
22,55 制御部
24,38,51,62 温度センサー
26,27,56 凝縮器
28,34,58,70 膨張弁
32,33,68 吸熱器
36,71 アキュームレータ
40,53 圧力センサー
64 貯留槽
66 ポンプ
80 制水弁

Claims (10)

  1. 圧縮機で圧縮されて加熱された高温の第1熱媒体の一部が加熱手段に供給される加熱回路と、前記高温の第1熱媒体の残余部が凝縮器で冷却されてから第1膨張手段で断熱的に膨張して更に冷却されて冷却手段に供給される冷却回路とが設けられ、前記加熱手段と冷却手段とを通過する温度調整対象の流体を所定温度に調整するように、前記高温の第1熱媒体が加熱回路と冷却回路とに分配され、且つ前記加熱回路と冷却回路との各々を通過した第1熱媒体が合流して圧縮機に再供給される温度調整装置であって、
    前記圧縮機から吐出された高温の第1熱媒体の一部を前記加熱回路側に分配すると共に、前記高温の第1熱媒体の残余部を冷却回路側に分配し、且つ前記加熱回路と冷却回路とに分配される高温の第1熱媒体の分配比率を変更可能な分配手段と、
    前記加熱回路の加熱能力が向上するように、前記加熱手段で熱を放出して冷却されてから第2膨張手段で断熱的に膨張されて更に冷却された第1熱媒体が、外部熱源である第2熱媒体から吸熱する吸熱器を具備するヒートポンプ手段と、
    前記分配手段を制御し、前記加熱回路と冷却回路とに分配される高温の熱媒体の分配比率を調整して、前記加熱手段と冷却手段とを通過する温度調整対象の流体を所定温度に制御する制御部とを具備し、
    前記冷却回路の凝縮器と前記ヒートポンプ手段の吸熱器との各々に個別に外部から第2熱媒体を供給する供給手段が設けられ、且つ前記供給手段の各々には、前記第2熱媒体の供給量を制御する制御手段が設けられていることを特徴とする温度調整装置。
  2. 第2熱媒体が、空気であって、冷却回路の凝縮器に空気流を送風する凝縮器用ファンと、ヒートポンプ手段の吸熱器に空気流を送風する吸熱器用ファンと、圧縮機に液状の熱媒体が供給されることを防止できるように、前記凝縮器用ファンと吸熱器用ファンとの各々の回転数を制御する制御部とが設けられている請求項1記載の温度調整装置。
  3. 凝縮器用ファンと吸熱器用ファンとの各回転数が、圧縮機の入口温度が入口圧力での熱媒体の飽和温度又はその近傍温度であるとき、前記吸熱器用ファンの回転数を増加して、吸熱器での第1熱媒体の蒸発量を増加し、前記圧縮機の吐出圧力と予め制御部に設定された設定圧力との圧力差に基づいて、前記凝縮器用ファンの回転数を増減して、前記吐出圧力を設定圧力に維持できるように、前記制御部によって制御される請求項2記載の温度調整装置。
  4. 第2熱媒体が、水であって、冷却回路の凝縮器に外部から水を供給する水供給回路と、ヒートポンプ手段の吸熱器に外部から水を供給する水供給回路とが設けられ、前記水供給回路の各々に水供給量を制御する制御手段が設けられている請求項1記載の温度調整装置。
  5. 冷却回路の凝縮器に外部から水を供給する水供給回路には、圧縮機の吐出圧力が一定となるように、前記凝縮器に供給される水量を制御する制御手段が設けられている請求項4記載の温度調整装置。
  6. 冷却回路の凝縮器に外部から水を供給する水供給回路には、圧縮機の吐出圧力が一定となるように、水の供給通路の開口面積を調整する弁体が形成された棒状部材と、前記供給通路が前記弁体によって閉塞される方向に前記棒状部材を付勢する付勢部材と、圧縮機の吐出圧力によって前記付勢手段の付勢力に抗して前記棒状部材を押圧し、前記弁体で閉塞した供給通路を前記圧縮機の吐出圧力に応じて開放する押圧部材とから成る制水弁が設けられている請求項4又は請求項5記載の温度調整装置。
  7. ヒートポンプ手段の吸熱器に外部から水を供給する水供給回路には、前記吸熱器に所定量の水量が常時供給されるように手動弁が設けられている請求項4〜6のいずれか一項記載の温度調整装置。
  8. 圧縮機で圧縮されて加熱された高温の熱媒体の一部が加熱手段に供給される加熱回路と、前記高温の熱媒体の残余部が凝縮器で冷却されてから第1膨張手段で断熱的に膨張して更に冷却されて冷却手段に供給される冷却回路とが設けられ、前記加熱手段と冷却手段とを通過する温度調整対象の流体を所定温度に調整するように、前記高温の熱媒体が加熱回路と冷却回路とに分配され、且つ前記加熱回路と冷却回路との各々を通過した熱媒体が合流して圧縮機に再供給される温度調整装置であって、
    前記圧縮機から吐出された高温の熱媒体の一部を前記加熱回路側に分配すると共に、前記高温の熱媒体の残余部を冷却回路側に分配し、且つ前記加熱回路と冷却回路とに分配される高温の熱媒体の分配比率を変更可能な分配手段と、
    前記加熱回路の加熱能力が向上するように、前記加熱手段で熱を放出して冷却されてから第2膨張手段で断熱的に膨張されて、外部雰囲気温度よりも冷却された熱媒体が、前記外部雰囲気温度の空気流から吸熱する吸熱器を具備するヒートポンプ手段と、
    前記分配手段を制御し、前記加熱回路と冷却回路とに分配される高温の熱媒体の分配比率を調整して、前記加熱手段と冷却手段とを通過する温度調整対象の流体を所定温度に制御する制御部とを具備し、
    前記冷却回路の凝縮器とヒートポンプ手段の吸熱器とに外部雰囲気温度の空気流を送風する1台のファンが設けられ、且つ前記凝縮器を通過した空気流が吸熱器に供給されるように、前記凝縮器と吸熱器とが配設されていることを特徴とする温度調整装置。
  9. ファンが、一定速度で回転するファンである請求項8記載の温度調整装置。
  10. ファンが、回転数可変のファンであって、圧縮機に液状の熱媒体が供給されることを防止できるように、前記ファンの回転数を制御する制御部が設けられている請求項8記載の温度調整装置。
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