JP6211799B2 - 装置冷却システムおよび装置冷却システムの制御方法 - Google Patents

装置冷却システムおよび装置冷却システムの制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、ICT装置(情報通信装置)の冷却に用いて好適な装置冷却システムおよび装置冷却システムの制御方法に関する。
データセンタ等には、収納されたICT装置を冷却する空調機が設けられている。空調機は、ICT装置が収納されたラックの近傍まで冷気を送風しており、ICT装置はその冷気を内部に取り込むことにより冷却されている。ICT装置内には、CPU(中央演算ユニット)や、電源トランス等の機器が収納されているのが一般的である。これら収納された機器から発生した熱は、直接または放熱フィン等を介して上述の冷気に放熱されている(以下、「空冷方式」と表記する。)。
近年ではICT装置の高密度化が図られており、各機器から発生する熱量は増加する傾向にある。ICT装置を安定して稼働させるためには、各機器を所定の温度に保つ必要がある。そのため発熱量が増加すると、発生した熱を奪いICT装置の外側に運びだす冷気の風量を増加させる必要がある。しかしながら空気を介した放熱方法では、空気の熱伝達率などの物性により限界があることが知られていた。
これに対応する技術として、ICT装置に収納されたCPU等の機器を、循環する水または冷媒で直接冷却する技術(以下、「液冷方式」と表記する。)が提案されている(例えば、特許文献1および2参照。)。液冷方式は空気よりも熱伝達率が高いため、空冷方式よりも放熱量を増やしやすい。さらに液冷方式は、空気を介さずに熱をICT装置の外へ直接搬送できる点、冷媒の温度を高く設定できるため外気冷熱の利用が簡易になる点、および、機器から吸収して回収した熱を他の設備や空間で利用できる点といった利点を有しており、空冷方式よりも省エネルギ性が高いという特徴がある。
液冷方式は更に、空冷方式と比較して冷媒の運用温度を高めに設定できる特徴がある。そのため、液冷方式および空冷方式を併用する場合に、液冷方式におけるICT装置との熱交換部と、空冷方式における空調機とを直列につなぎ、冷媒を空冷方式の空調機、液冷方式の熱交換部の順にカスケードに流す構成を採用することができる。言い換えると、空冷方式の空調機で熱交換を行った後の冷媒を液冷方式の熱交換部に導く構成を採用することができる。
この冷媒をカスケードに流す構成を採用することにより、液冷方式における冷媒の流路と、空冷方式における冷媒の流路とをパラレルに構成する場合と比較して、必要となる冷媒の循環量を減らすことができ、冷媒を循環させるために必要な動力を削減することができる。
特開2013−003636号公報 特開2013−008888号公報
上述の液冷方式と空冷方式とは、ICT装置を冷却するという目的は同じであるが、具体的な冷却対象が異なるとともに、熱の伝達経路が異なっている。そのため、一つの冷媒流路によって液冷方式によるICT装置の冷却能力と、空冷方式によるICT装置の冷却能力と、をそれぞれ制御することは難しいという問題があった。
言い換えると、それぞれの状況において液冷方式に要求される冷却能力と、空冷方式に要求される冷却能力とは異なっているため、冷媒がカスケードに流れる構成では、冷媒の流量および温度を調整することで異なる冷却能力を満たすことは困難であった。そのため、液冷方式および空冷方式の一方における冷却能力を満たすように冷媒の流量および温度を調整すると、他方の冷却能力が不足したり、逆に過剰になったりするおそれがあった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、運転の高効率化を図るとともに、冷却能力の制御性を高めることができる装置冷却システムおよび装置冷却システムの制御方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明の装置冷却システムは、所定空間に収容されるとともに、前記所定空間内の空気を吸気して当該空気に熱を放出し、熱を吸収した前記空気を前記所定空間に排気する冷却対象装置を冷却する装置冷却システムであって、前記所定空間の外に配置されるとともに冷却された冷媒を供給する室外部と、前記冷却対象装置と熱的に接触して配置され、前記冷却対象装置から発生する熱を、前記室外部から供給される前記冷媒とは異なる液冷用冷媒に吸収させて冷却を行う液冷部と、前記冷媒および前記液冷用冷媒との間で熱交換を行わせる中間熱交換部と、前記中間熱交換部で熱交換が行われる前の前記冷媒を利用して前記所定空間内の前記空気の冷却を行う空冷部と、が設けられていることを特徴とする。
本発明の装置冷却システムによれば、室外部から供給された冷媒は、空冷部、液冷部の順に冷却に利用された後、再び室外部に戻りカスケード利用される。そのため、空冷部および液冷部のそれぞれが別に冷媒を循環させるパラレルな構成を備えている場合と比較して、装置冷却システムの運転効率を高めやすくなる。
さらに液冷部は、室外部から供給される冷媒とは異なる液冷用冷媒を用いて冷却を行うため、冷媒を用いて冷却を行う場合と比較して、液冷部による冷却能力の調節を行いやすくなる。例えば冷媒の流量とは独立して液冷用冷媒の流量を調節することが可能となるため、液冷部における冷却能力を調節しやすくなる。
また、液冷部と比較して低温の冷媒を用いる必要がある空冷部において先に冷媒を利用した冷却を行い、その後に比較的高温の冷媒でも冷却能力を確保できる液冷部において冷媒を利用した冷却を行うため、冷媒の利用順序を逆にした場合と比較して、空冷部および液冷部における冷却能力を確保しやすくなる。
上記発明において前記空冷部は、少なくとも前記室外部との間で前記冷媒を循環させる冷媒回路を構成することが好ましい。
このように冷媒回路によって少なくとも室外部と空冷部との間で冷媒を循環させることにより、例えば、室外部および空冷部のそれぞれが別々に冷媒を循環させる構成を備える場合と比較して、装置冷却システムを構成する要素を減らすことができる。
上記発明において前記冷媒回路には、前記冷媒を圧縮する圧縮部と、圧縮された前記冷媒を減圧させる減圧部と、が少なくとも設けられ、前記冷媒は前記空冷部において蒸発することにより前記空気を冷却し、前記熱源部において凝縮することにより熱を放出することが好ましい。
このように冷媒回路を流れる冷媒として、相変化により熱を吸収・放出するものを用いることにより、相変化による熱の吸収・放出を利用しない冷媒を用いる場合と比較して、冷却対象装置を冷却する能力の向上を図ることができる。
上記発明においては、前記室外部は前記中間熱交換部との間で前記冷媒を循環させる冷媒回路を構成し、前記液冷部は前記中間熱交換部との間で前記液冷用冷媒を循環させる液冷回路を構成し、前記空冷部は前記中間熱交換部との間で前記冷媒および前記液冷用冷媒とは異なる更に別の空冷用冷媒を循環させる空冷回路を構成し、前記中間熱交換部は、前記冷媒と前記空冷用冷媒との間で熱交換を行い、前記空冷用冷媒との熱交換を行った後の前記冷媒と前記液冷用冷媒との間で熱交換を行うことが好ましい。
このように冷媒回路、液冷回路および空冷回路を設けることにより、冷媒の流量、液冷用冷媒の流量および空冷用冷媒の流量をそれぞれ独立して調節できるため、空冷部および液冷部における冷却能力の調節を行いやすくなる。
本発明の装置冷却システムの制御方法は、上記本発明の装置冷却システムの制御方法であって、前記冷却対象装置から発生する熱を前記室外部から排出させる熱処理負荷に対する前記空冷部が負担する空冷処理負荷の割合を、前記液冷部が負担する液冷処理負荷を確保した残りとすることを特徴とする。
本発明の装置冷却システムの制御方法によれば、上記本発明の装置冷却システムを用いているため、運転の高効率化を図るとともに、冷却能力の制御性を高めることができる。また、熱の搬送効率が高い液冷部により負担される液冷処理負荷を優先して確保し、その残りを比較的搬送効率が低い空冷部により負担される空冷処理負荷とするため、装置冷却システムにおける運転の高効率化を更に図ることができる。
本発明の装置冷却システムおよび装置冷却システムの制御方法によれば、室外部から供給された冷媒を空冷部、液冷部の順に冷却に利用した後、再び室外部に戻してカスケード利用するため、運転の効率化を図ることができる。さらに液冷部を、室外部から供給される冷媒とは異なる液冷用冷媒を用いて冷却を行うため冷却能力の制御性を高めることができるという効果を奏する。
本発明の第1の実施形態に係る装置冷却システムの概略構成を説明する斜視図である。 図1の装置冷却システムの概略構成を説明する模式図である。 図1の制御部を説明するブロック図である。 熱処理負荷と液冷処理負荷および空冷処理負荷との関係を説明する図である。 本発明の第2の実施形態に係る装置冷却システムの概略構成を説明する斜視図である。 図5の装置冷却システムの概略構成を説明する模式図である。 図5の制御部を説明するブロック図である。 本発明の第3の実施形態に係る装置冷却システムの概略構成を説明する斜視図である。 図8の制御部を説明するブロック図である。
〔第1の実施形態〕
以下、本発明の第1の実施形態に係る装置冷却システム1ついて図1から図4を参照しながら説明する。
本実施形態では、データセンタの空調に本発明に係る装置冷却システム1を用いた例に適用して説明する。図1に示すように、データセンタにはIT(情報技術)装置やICT(情報通信技術)装置を構成する多数のサーバやコンピュータなどの演算装置(冷却対象装置)70が、フロア(所定空間)F内に配置されたラック71に収納されている。装置冷却システム1は、ラック71に収納された演算装置70から発生する大量の熱を処理するために用いられるものである。
ラック71は、フロアF内にコールドアイルCおよびホットアイルHを形成するように複数の並列な列をなして配置されている。このラック71からなる列中には演算装置70の冷却に用いられるタスク空調機72が適宜間隔をあけて配置されている。
装置冷却システム1には、図1および図2に示すように、フロアF内の空気を冷却するアンビエント空調機(空冷部)10および室外機(室外部)20と、演算装置70を直接冷却する液冷部30と、アンビエント空調機10および室外機20を少なくとも循環する二相冷媒および液冷部30での冷却に用いられる液冷用冷媒である冷水との間で熱交換を行う中間熱交換部40と、制御部50と、が主に設けられている。
アンビエント空調機10は、フロアF内に配置されて室外機20とともに蒸気圧縮式冷凍サイクルを構成するものであり、フロアFにおけるホットアイルHの空気を吸入し、冷却した空気をコールドアイルCに供給するものである。
演算装置70には、フロアF内の空気を取り込むファンなど(図示せず)が設けられ、取り込まれた空気によって装置内の熱を発生するCPU(中央演算ユニット)などの電子部品が冷却される。冷却に用いられた空気はフロアFに排気され、アンビエント空調機10により再び冷却される。
アンビエント空調機10には、室外機20および中間熱交換部40との間で冷媒を循環させる冷媒回路11が配置されている。アンビエント空調機10の内部には、冷媒回路11に組み込まれる圧縮機(圧縮部)12と、膨張弁(減圧部)13と、室内熱交換器14と、バイパス回路15とが配置されている。さらにアンビエント空調機10の内部には、送風部17が配置されている。
圧縮機12は室内熱交換器14および後述する中間熱交換器43において気化した冷媒を吸入して圧縮し、高温高圧の冷媒として吐出するものである。圧縮機12としては旋回スクロール式の圧縮機やベーン式の圧縮機など公知の圧縮方式を用いたものを利用することができる。さらに圧縮機12を回転駆動させる動力源としては回転数を制御可能な電動機を例示することができるが、電動機に限定するものではない。なお、圧縮機12から吐出される冷媒の流量は制御部50から入力される制御信号に基づいて調節される。
膨張弁13は、室外機20から供給された高圧の液冷媒を減圧して低圧の冷媒とし、低圧の冷媒を室内熱交換器14や中間熱交換器43に供給するものである。膨張弁13としては公知の構成を用いることができ、その形式等を限定するものではない。
本実施形態では圧縮機12および膨張弁13がアンビエント空調機10の内部に配置されている例に適用して説明するが、両者またはどちらか一方が室外機20の内部に配置されていてもよく、配置位置を限定するものではない。
室内熱交換器14は、膨張弁13により減圧された低温の液冷媒と、送風部17により導入されたフロアF内の空気との間で熱交換を行い、液冷媒を蒸発させるとともに蒸発させる際の気化熱を空気から奪い空気を冷却するものである。室内熱交換器14としては公知の構成を用いることができる。
バイパス回路15は、室内熱交換器14における冷媒の流入側と流出側との間をバイパスする回路であり、膨張弁13により減圧された冷媒の少なくとも一部を、室内熱交換器14を迂回させて中間熱交換部40へ導くものである。バイパス回路15には冷媒の流量を調整する調整弁16が設けられ、調整弁16の開度は制御部50から入力される制御信号に基づいて制御される。
室外機20はフロアFの外に配置されるものであり、アンビエント空調機10および液冷部30に冷却に利用される冷媒を供給するものである。室外機20には冷媒回路11に組み込まれる室外熱交換器21が配置され、さらにフロアF外の空気を室外熱交換器21に通風させる室外ファン22が配置されている。
室外熱交換器21は、圧縮機12から吐出された高温の気体冷媒が流入するものであり、高温の気体冷媒の熱をフロアF外の空気へ放熱させるものである。室外熱交換器21としては公知の構成を用いることができる。室外ファン22は、フロアF外の空気を室外熱交換器21に導くものである。
液冷部30は、複数のラック71のうちの液冷部30に対応した一部のラック71に収納された演算装置70の内部に配置されるものであり、演算装置70のCPUなどの熱を発生する電子部品と熱伝導ができるように接触して配置されるものである。液冷部30には液冷回路41により液冷用冷媒が導かれ、この液冷用冷媒と上述の電子部品との間で熱交換を行い、電子部品を冷却する構成が採用されている。なお、液冷部30における構成としては、公知の構成を用いることができ特に限定するものではない。
本実施形態では、複数のラック71のうち液冷部30に対応したラック71が一部である例に適用して説明したが、全てのラック71が液冷部30に対応したものであってもよく、特に限定するものではない。
液冷回路41は、中間熱交換部40の中間熱交換器43と液冷部30との間で液冷用冷媒である冷水を循環させる回路である。液冷回路41には液冷用冷媒を送出する液冷用ポンプ42が設けられている。液冷用ポンプ42は制御部50から入力される制御信号に基づいて、送出する液冷用冷媒の流量を調節するものである。本実施形態では、液冷用ポンプ42が中間熱交換部40の内部に配置されている例に適用して説明する。
制御部50は装置冷却システム1を統合的に制御するものであり、CPU(中央演算ユニット)、ROM、RAM、入出力インタフェース等を有するマイクロコンピュータである。ROM等に記憶されている制御プログラムは、図3に示すように、CPUを演算部51として機能させるものであり、ROM等を記憶部52として機能させるものである。なお、制御部50による装置冷却システム1の詳細な制御については後述する。
制御部50には、冷媒温度センサ61により測定されたアンビエント空調機10に流入する冷媒温度の測定信号、冷媒温度センサ62により測定されたアンビエント空調機10から流出した冷媒温度の測定信号、液冷用冷媒温度センサ63により測定された中間熱交換部40に流入する液冷用冷媒温度の測定信号、液冷用冷媒温度センサ64により測定された中間熱交換部40から流出する冷媒温度の測定信号が、入力されている。また、制御部50には、表面温度センサ65により測定された演算装置70における液冷部30によって冷却される部分の表面温度の測定信号が入力されている。
制御部50からは、圧縮機12の運転状態を制御する制御信号、送風部17から送風される空気の流量を制御する制御信号、調整弁16の弁開度を制御する制御信号、室外ファン22の回転周波数を制御する制御信号、液冷用ポンプ42から送出される液冷用冷媒の流量を制御する制御信号などが主に出力されている。
次に、上記の構成からなる装置冷却システム1における演算装置70の冷却について説明する。まず、図2を参照しながら演算装置70の冷却時における各冷媒の流れについて説明する。演算装置70を冷却する場合、アンビエント空調機10によるフロアF内の空気を介した冷却と、液冷部30による直接的な冷却と、が行われる。
圧縮機12で圧縮されて高温高圧になった気体冷媒は、圧縮機12から吐出されて室外機20の室外熱交換器21に流入する。室外熱交換器21に流入した気体冷媒は、室外ファン22により導入されたフロアFの外の空気に熱を放出して凝縮し、高圧の液体冷媒となる。高圧の液冷媒は室外熱交換器21から流出して膨張弁13に導かれ、膨張弁13において断熱膨張により減圧され低圧の冷媒となる。
膨張弁13において減圧された冷媒は室内熱交換器14に流入する。流入した冷媒の一部は、送風部17により導入されたフロアF内の空気から熱を奪い気化して気体冷媒となる。熱を奪われて冷却された空気は、送風部17により再びフロアF内へ送りだされる。
室内熱交換器14において蒸発した気体冷媒および残りの液体冷媒は、アンビエント空調機10から流出して中間熱交換部40の中間熱交換器43に流入する。残りの液体冷媒は、中間熱交換器43において液冷用冷媒から熱を奪い気化して気体冷媒となる。気体となった冷媒は中間熱交換器43から再び圧縮機12に吸入され上述のサイクルを繰り返す。
その一方で、液冷用ポンプ42により送出された液冷用冷媒は、中間熱交換器43に流入して上述のように冷媒によって熱を奪われて冷却される。冷却された液冷用冷媒は、中間熱交換部40から流出して複数の液冷部30に分岐しながら流入する。本実施形態では複数の液冷部30が並列に並んで配置されている例に適用して説明する。
液冷部30に供給された液冷用冷媒は、液冷部30と熱伝導可能に接触している演算装置70の電子部品から発生した熱を吸収することにより演算装置70を冷却する。電子部品の熱を吸収して温度が上昇した液冷用冷媒は、液冷部30から流出して合流した後、再び液冷用ポンプ42により中間熱交換器43に向けて送出され、上述のサイクルを繰り返し行う。
制御部50は、冷媒温度センサ61および冷媒温度センサ62により測定された冷媒温度、液冷用冷媒温度センサ63および液冷用冷媒温度センサ64により測定された液冷用冷媒温度、表面温度センサ65により測定された表面温度等に基づいて、圧縮機12や送風部17や調整弁16や室外ファン22や、液冷用ポンプ42の制御を行う。
制御部50の演算部51は、表面温度センサ65から入力された表面温度や、演算装置70における演算負荷などの情報に基づいて演算装置70から発生する熱量を推定する。この熱量に対応して装置冷却システム1全体の熱処理負荷が求められ、図4に示すように、アンビエント空調機10および液冷部30のそれぞれが担う空冷処理負荷および液冷処理負荷が定められる。本実施形態では、液冷部30による演算装置70の冷却を優先し、アンビエント空調機10による冷却を補助的に用いるようにアンビエント空調機10が担う空冷処理負荷および液冷部30が担う液冷処理負荷を定める例に適用して説明する。
なお、演算装置70から発生する熱量を推定する方法としては、演算式を用いて推定してもよいし、予め記憶部52に記憶してあるマップに基づいて推定してもよく、推定方法を特に限定するものではない。
制御部50は、液冷用ポンプ42により送りだされる液冷用冷媒の流量を調整することにより、液冷部30が担う液冷処理負荷を制御する。液冷処理負荷は液冷用冷媒の流量と、液冷用冷媒温度センサ63および液冷用冷媒温度センサ64により測定された液冷用冷媒温度とに基づいて算出することができる。
また制御部50は、送風部17や調整弁16を制御することにより、アンビエント空調機10が担う空冷処理負荷を制御する。例えば、送風部17により送風される空気の流量を増減させることにより、空冷処理負荷を増減させることができる。また、調整弁16の弁開度を制御することにより、バイパス回路15を流れる冷媒の流量を制御し、室内熱交換器14に流入する冷媒の流量を制御する。これにより、室内熱交換器14おいて空気の冷却に用いる冷媒の量を制御し、空冷処理負荷を制御することができる。
上述のように、液冷部30による演算装置70の冷却を優先し、アンビエント空調機10による冷却を補助的に用いるようにアンビエント空調機10が担う空冷処理負荷および液冷部30が担う液冷処理負荷を定めることにより、送風部17と比較して駆動動力が低い液冷用ポンプ42の駆動量が多くなり、駆動動力が高い送風部17の駆動量が少なくなる。そのため、装置冷却システム1の全体として消費されるエネルギが少なくなり、運転の高効率化が図られる。
また、液冷部30において、液冷用ポンプ42が故障するなどの冷却を継続できなくなる非常事態が発生した場合には、調整弁16を閉じるとともに、送風部17による空気の送風量を増やすことにより、熱処理負荷の全てを空冷処理負荷で補うことができる。
上記の構成の装置冷却システム1によれば、室外機20から供給された冷媒は、アンビエント空調機10、液冷部30の順に冷却に利用された後、再び室外機20に戻りカスケード利用される。そのため、アンビエント空調機10および液冷部30のそれぞれが別に冷媒を循環させるパラレルな構成を備えている場合と比較して、装置冷却システム1の運転効率を高めやすくなる。
液冷部30は、室外機20から供給される冷媒とは異なる液冷用冷媒を用いて冷却を行うため、液冷部30が冷媒を用いて冷却を行う場合と比較して、液冷部30による冷却能力の調節を行いやすくなる。例えば冷媒の流量とは独立して液冷用冷媒の流量を調節することが可能となるため、液冷部30における冷却能力を調節しやすくなる。さらには、不具合により液冷部30による冷却が困難になった場合であっても、アンビエント空調機10による演算装置70の冷却を継続しやすい。
冷媒回路11を流れる冷媒として、相変化により熱を吸収・放出するフロン類などの熱媒体を用いることにより、相変化による熱の吸収・放出を利用しない水などの熱媒体を用いる場合と比較して、単位質量当たりの熱を運搬する能力が高く演算装置70を冷却する能力の向上を図ることができる。
冷媒回路11によって少なくとも室外機20とアンビエント空調機10との間で冷媒を循環させることにより、例えば、室外機20およびアンビエント空調機10のそれぞれが別々に冷媒を循環させる構成を備える場合と比較して、装置冷却システム1を構成する要素を減らすことができる。
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態に係る装置冷却システムついて図5から図7を参照しながら説明する。本実施形態の装置冷却システムの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、冷却に用いられる冷媒の循環方式が異なっている。よって、本実施形態においては、図5から図7を用いて冷媒循環の周辺について説明し、その他の構成等の説明を省略する。
本実施形態の装置冷却システム101には、図5および図6に示すように、フロアF内の空気を冷却するアンビエント空調機(空冷部)110および中央熱源(室外部)120と、演算装置70を直接冷却する液冷部30と、中央熱源120により冷却される冷水(冷媒)と、アンビエント空調機110による冷却に用いられる空冷用冷媒および液冷部30による冷却に用いられる液冷用冷媒との間で熱交換を行う中間熱交換部140と、制御部150と、が主に設けられている。
アンビエント空調機110は、フロアF内に配置されてフロアFにおけるホットアイルHの空気を吸入し、冷却した空気をコールドアイルCに供給するものである。アンビエント空調機110には、空冷用冷媒が循環する空冷回路111に設けられた室内熱交換器14と、フロアF内の空気を室内熱交換器14に導く送風部17と、が主に設けられている。
中央熱源120はフロアFの外に配置されるものであり、アンビエント空調機110に用いられる空冷用冷媒、および液冷部30に用いられる液冷用冷媒と熱交換を行う冷水を冷却するものである。中央熱源120と中間熱交換部140との間には冷水が循環する冷水回路121が設けられている。
中央熱源120には、冷水回路121の冷水を循環させる冷水用ポンプ122と、冷水の熱をフロアF外の空気に放熱させる室外熱交換器21と、フロアF外の空気を室外熱交換器21に通風させる室外ファン22と、が設けられている。本実施形態では中央熱源120の内部に冷水用ポンプ122が配置されている例に適用して説明する。なお、中央熱源120としてはチラーやクーリングタワーなどの公知の構成の物を用いることができる。
中間熱交換部140には、冷水と、空冷用冷媒および液冷用冷媒との間で熱交換を行う中間熱交換器143と、空冷用冷媒を空冷回路111で循環させる空冷用ポンプ118と、液冷用冷媒を液冷回路41で循環させる液冷用ポンプ42と、が主に設けられている。中間熱交換器143は、中央熱源120から送られてきた冷媒と空冷用冷媒との間で熱交換を行った後に、冷媒と液冷用冷媒との間で熱交換を行う構成が採用されている。
制御部150は装置冷却システム101を統合的に制御するものであり、CPU(中央演算ユニット)、ROM、RAM、入出力インタフェース等を有するマイクロコンピュータである。ROM等に記憶されている制御プログラムは、図7に示すように、CPUを演算部151として機能させるものであり、ROM等を記憶部152として機能させるものである。なお、制御部150による装置冷却システム101の詳細な制御については後述する。
制御部150には、冷水温度センサ161により測定された中央熱源120から流出する冷水温度の測定信号、冷水温度センサ162により測定された中央熱源120に流入する冷水温度の測定信号、空冷用冷媒温度センサ163により測定されたアンビエント空調機110に流入する空冷用冷媒温度の測定信号、空冷用冷媒温度センサ164により測定されたアンビエント空調機110から流出した空冷用冷媒温度の測定信号、液冷用冷媒温度センサ63により測定された中間熱交換部140に流入する液冷用冷媒温度の測定信号、液冷用冷媒温度センサ64により測定された中間熱交換部140から流出した冷媒温度の測定信号が、入力されている。また、制御部150には、表面温度センサ65により測定された演算装置70における液冷部30によって冷却される部分の表面温度の測定信号が入力されている。
制御部150からは、送風部17から送風される空気の流量を制御する制御信号、室外ファン22の回転周波数を制御する制御信号、冷水用ポンプ122から送出される冷水の流量を制御する制御信号、液冷用ポンプ42から送出される液冷用冷媒の流量を制御する制御信号、および、空冷用ポンプ118から送出される空冷用冷媒の流量を制御する制御信号などが主に出力されている。
次に、上記の構成からなる装置冷却システム101における演算装置70の冷却について説明する。まず、図6を参照しながら演算装置70の冷却時における各冷媒の流れについて説明する。演算装置70を冷却する場合、第1の実施形態と同様にアンビエント空調機110によるフロアF内の空気を介した冷却と、液冷部30による直接的な冷却と、が行われる。
冷水用ポンプ122から送出された冷水は、室外熱交換器21においてフロアF外の空気に熱を放出して冷却される。冷却された冷水は冷水回路121によって中間熱交換部140へ導かれ、中間熱交換器143に流入する。中間熱交換器143に流入した冷水は、最初に空冷用冷媒から熱を奪い空冷用冷媒を冷却する。その後冷水は液冷用冷媒から熱を奪い、液冷用冷媒を冷却する。空冷用冷媒および液冷用冷媒から熱を奪い温度が上昇した冷水は、冷水用ポンプ122に吸入され上述のサイクルを繰り返す。
その一方で、空冷用ポンプ118から送出された空冷用冷媒は、アンビエント空調機110の室内熱交換器14に流入する。室内熱交換器14において空冷用冷媒は、送風部17から導入されたフロアF内の空気から熱を奪い、当該空気を冷却する。空気を冷却して温度が上昇した空冷用冷媒は、室内熱交換器14から中間熱交換器143に流入する。空冷用冷媒は、中間熱交換器143において冷水に冷却された後、空冷用ポンプ118に吸入され上述のサイクルを繰り返し行う。
また、液冷用ポンプ42から送出された液冷用冷媒は、分岐しながら液冷部30に流入する。液冷部30に供給された液冷用冷媒は、液冷部30と熱伝導可能に接触している演算装置70の電子部品から発生した熱を吸収することにより演算装置70を冷却する。電子部品の熱を吸収して温度が上昇した液冷用冷媒は、液冷部30から流出して合流した後、中間熱交換部140に流入する。液冷用冷媒は中間熱交換部140において冷水に冷却された後、液冷用ポンプ42に吸入され上述のサイクルを繰り返し行う。
制御部150は、冷水温度センサ161および冷水温度センサ162により測定された冷水温度、空冷用冷媒温度センサ163および空冷用冷媒温度センサ164により測定された空冷用冷媒温度、液冷用冷媒温度センサ63および液冷用冷媒温度センサ64により測定された液冷用冷媒温度、表面温度センサ65により測定された表面温度等に基づいて、送風部17や、室外ファン22や、冷水用ポンプ122や、液冷用ポンプ42や、空冷用ポンプ118等の制御を行う。
制御部150の演算部151は、表面温度センサ65から入力された表面温度や、演算装置70における演算負荷などの情報に基づいて演算装置70から発生する熱量を推定する。この熱量に対応して装置冷却システム101全体の熱処理負荷が求められ、アンビエント空調機110および液冷部30のそれぞれが担う空冷処理負荷および液冷処理負荷が定められる(図4参照。)。
本実施形態では、液冷部30による演算装置70の冷却を優先し、アンビエント空調機110による冷却を補助的に用いるようにアンビエント空調機110が担う空冷処理負荷および液冷部30が担う液冷処理負荷を定める例に適用して説明する。
制御部150は、空冷用ポンプ118により送りだされる空冷用冷媒の流量、および、送風部17により送風される空気の流量を調整することによりアンビエント空調機110が担う空冷処理負荷を制御する。同様に、液冷用ポンプ42により送りだされる液冷用冷媒の流量を調整することにより、液冷部30が担う液冷処理負荷を制御する。さらに、冷水用ポンプ122により送りだされる冷水の流量を調整することにより装置冷却システム101が担う熱処理負荷を制御する。
上述のように、液冷部30による演算装置70の冷却を優先し、アンビエント空調機110による冷却を補助的に用いるようにアンビエント空調機110が担う空冷処理負荷および液冷部30が担う液冷処理負荷を定めることにより、送風部17と比較して駆動動力が低い液冷用ポンプ42の駆動量が多くなり、駆動動力が高い送風部17の駆動量が少なくなる。そのため、装置冷却システム101の全体として消費されるエネルギが少なくなり、運転の高効率化が図られる。
また、液冷部30において、液冷用ポンプ42が故障するなどの冷却を継続できなくなる非常事態が発生した場合には、空冷用ポンプ118から送り出される空冷用冷媒の流量を増やすとともに、送風部17による空気の送風量を増やすことにより、熱処理負荷の全てを空冷処理負荷で補うことができる。
上記の構成の装置冷却システム101によれば、中央熱源120から供給された冷水は、アンビエント空調機110、液冷部30の順に冷却に利用された後、再び中央熱源120に戻りカスケード利用される。そのため、アンビエント空調機110および液冷部30のそれぞれが別に冷媒を循環させるパラレルな構成を備えている場合と比較して、中央熱源120から供給される冷水と、中央熱源120に戻る得冷水との温度差(冷媒往還温度差)を大きくとることができ、装置冷却システム101の運転効率を高めやすくなる。
また、液冷部30と比較して低温の冷媒を用いる必要があるアンビエント空調機110において先に冷水を利用した冷却を行い、その後に比較的高温の冷媒でも冷却能力を確保できる液冷部30において冷水を利用した冷却を行うため、冷媒の利用順序を逆にした場合と比較して、アンビエント空調機110および液冷部30における冷却能力を確保しやすくなる。
〔第3の実施形態〕
次に、本発明の第3の実施形態に係る装置冷却システムついて図8および図9を参照しながら説明する。本実施形態の装置冷却システムの基本構成は、第2の実施形態と同様であるが、第2の実施形態とは、冷却に用いられる冷媒の循環方式が異なっている。よって、本実施形態においては、図8および図9を用いて冷媒循環の周辺について説明し、その他の構成等の説明を省略する。
本実施形態の装置冷却システム201には、図8に示すように、フロアF内の空気を冷却するアンビエント空調機(空冷部)210および中央熱源120と、演算装置70を直接冷却する液冷部30と、中央熱源120により冷却される冷水と、液冷部30による冷却に用いられる液冷用冷媒との間で熱交換を行う中間熱交換部240と、制御部250と、が主に設けられている。
アンビエント空調機210は、フロアF内に配置されてフロアFにおけるホットアイルHの空気を吸入し、冷却した空気をコールドアイルCに供給するものである。アンビエント空調機210には、冷水が循環する冷水回路121に設けられた室内熱交換器214と、フロアF内の空気を室内熱交換器214に導く送風部17と、が主に設けられている。
中間熱交換部240には、冷水と液冷用冷媒との間で熱交換を行う中間熱交換器243と、液冷用冷媒を液冷回路41で循環させる液冷用ポンプ42と、が主に設けられている。中間熱交換器243は、中央熱源120から送られてきた冷媒と空冷用冷媒との間で熱交換を行った後に、冷媒と液冷用冷媒との間で熱交換を行うものである。
制御部250は装置冷却システム201を統合的に制御するものであり、CPU(中央演算ユニット)、ROM、RAM、入出力インタフェース等を有するマイクロコンピュータである。ROM等に記憶されている制御プログラムは、図7に示すように、CPUを演算部251として機能させるものであり、ROM等を記憶部252として機能させるものである。なお、制御部250による装置冷却システム201の詳細な制御については後述する。
制御部250には、冷水温度センサ161により測定された中央熱源120から流出する冷水温度の測定信号、冷水温度センサ162により測定された中央熱源120に流入する冷水温度の測定信号、空冷用冷水温度センサ264により測定されたアンビエント空調機210から流出した冷水温度の測定信号、液冷用冷媒温度センサ63により測定された中間熱交換部140に流入する液冷用冷媒温度の測定信号、液冷用冷媒温度センサ64により測定された中間熱交換部140から流出した冷媒温度の測定信号が、入力されている。また、制御部250には、表面温度センサ65により測定された演算装置70における液冷部30によって冷却される部分の表面温度の測定信号が入力されている。
制御部250からは、送風部17から送風される空気の流量を制御する制御信号、室外ファン22の回転周波数を制御する制御信号、冷水用ポンプ122から送出される冷水の流量を制御する制御信号、および、液冷用ポンプ42から送出される液冷用冷媒の流量を制御する制御信号などが主に出力されている。
次に、上記の構成からなる装置冷却システム201における演算装置70の冷却について説明する。まず、図8を参照しながら演算装置70の冷却時における各冷媒の流れについて説明する。演算装置70を冷却する場合、第3の実施形態と同様にアンビエント空調機210によるフロアF内の空気を介した冷却と、液冷部30による直接的な冷却と、が行われる。
冷水用ポンプ122から送出された冷水は、室外熱交換器21においてフロアF外の空気に熱を放出して冷却される。冷却された冷水は冷水回路121によってアンビエント空調機210へ導かれ、室内熱交換器214に流入する。室内熱交換器214において冷水は、送風部17から導入されたフロアF内の空気から熱を奪い、当該空気を冷却する。空気を冷却して温度が上昇した冷水は、中間熱交換部240へ導かれ、中間熱交換器243に流入する。中間熱交換器243に流入した冷水は液冷用冷媒から熱を奪い、液冷用冷媒を冷却する。液冷用冷媒から熱を奪い温度が上昇した冷水は、冷水用ポンプ122に吸入され上述のサイクルを繰り返す。
また、液冷用ポンプ42から送出された液冷用冷媒は、分岐しながら液冷部30に流入する。液冷部30に供給された液冷用冷媒は、液冷部30と熱伝導可能に接触している演算装置70の電子部品から発生した熱を吸収することにより演算装置70を冷却する。電子部品の熱を吸収して温度が上昇した液冷用冷媒は、液冷部30から流出して合流した後、中間熱交換部240に流入する。液冷用冷媒は中間熱交換部240において冷水に冷却された後、液冷用ポンプ42に吸入され上述のサイクルを繰り返し行う。
制御部250は、冷水温度センサ161および冷水温度センサ162により測定された冷水温度、空冷用冷水温度センサ264により測定された冷水温度、液冷用冷媒温度センサ63および液冷用冷媒温度センサ64により測定された液冷用冷媒温度、表面温度センサ65により測定された表面温度等に基づいて、送風部17や、室外ファン22や、冷水用ポンプ122や、液冷用ポンプ42等の制御を行う。
制御部250の演算部251は、表面温度センサ65から入力された表面温度や、演算装置70における演算負荷などの情報に基づいて演算装置70から発生する熱量を推定する。この熱量に対応して装置冷却システム201全体の熱処理負荷が求められ、アンビエント空調機210および液冷部30のそれぞれが担う空冷処理負荷および液冷処理負荷が定められる(図4参照。)。
本実施形態では、液冷部30による演算装置70の冷却を優先し、アンビエント空調機210による冷却を補助的に用いるようにアンビエント空調機210が担う空冷処理負荷および液冷部30が担う液冷処理負荷を定める例に適用して説明する。
制御部250は、送風部17により送風される空気の流量を調整することによりアンビエント空調機210が担う空冷処理負荷を制御する。同様に、液冷用ポンプ42により送りだされる液冷用冷媒の流量を調整することにより、液冷部30が担う液冷処理負荷を制御する。さらに、冷水用ポンプ122により送りだされる冷水の流量を調整することにより装置冷却システム201が担う熱処理負荷を制御する。
上述のように、液冷部30による演算装置70の冷却を優先し、アンビエント空調機210による冷却を補助的に用いるようにアンビエント空調機210が担う空冷処理負荷および液冷部30が担う液冷処理負荷を定めることにより、送風部17と比較して駆動動力が低い液冷用ポンプ42の駆動量が多くなり、駆動動力が高い送風部17の駆動量が少なくなる。そのため、装置冷却システム201の全体として消費されるエネルギが少なくなり、運転の高効率化が図られる。
また、液冷部30において、液冷用ポンプ42が故障するなどの冷却を継続できなくなる非常事態が発生した場合には、冷水用ポンプ122から送り出される空冷用冷媒の流量を増やすとともに、送風部17による空気の送風量を増やすことにより、熱処理負荷の全てを空冷処理負荷で補うことができる。
上記の構成の装置冷却システム201によれば、中央熱源120から供給された冷水は、アンビエント空調機210、液冷部30の順に冷却に利用された後、再び中央熱源120に戻りカスケード利用される。そのため、アンビエント空調機210および液冷部30のそれぞれが別に冷媒を循環させるパラレルな構成を備えている場合と比較して、中央熱源120から供給される冷水と、中央熱源120に戻る得冷水との温度差(冷媒往還温度差)を大きくとることができ、装置冷却システム201の運転効率を高めやすくなる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。本発明を上記の実施形態に適用したものに限られることなく、これらの実施形態を適宜組み合わせた実施形態に適用してもよく、特に限定するものではない。
1,101,201…装置冷却システム、10,110,210…アンビエント空調機(空冷部)、11…冷媒回路、12…圧縮機(圧縮部)、13…膨張弁(減圧部)、20…室外機(室外部)、30…液冷部、40,140,240…中間熱交換部、41…液冷回路、70…演算装置(冷却対象装置)、111…空冷回路、120…中央熱源(室外部)、121…冷水回路、F…フロア(所定空間)

Claims (5)

  1. 所定空間に収容されるとともに、前記所定空間内の空気を吸気して当該空気に熱を放出し、熱を吸収した前記空気を前記所定空間に排気する冷却対象装置を冷却する装置冷却システムであって、
    前記所定空間の外に配置されるとともに冷却された冷媒を供給する室外部と、
    前記冷却対象装置と熱的に接触して配置され、前記冷却対象装置から発生する熱を、前記室外部から供給される前記冷媒とは異なる液冷用冷媒に吸収させて冷却を行う液冷部と、
    前記冷媒および前記液冷用冷媒との間で熱交換を行わせる中間熱交換部と、
    前記中間熱交換部で熱交換が行われる前の前記冷媒を利用して前記所定空間内の前記空気の冷却を行う空冷部と、
    が設けられていることを特徴とする装置冷却システム。
  2. 前記空冷部は、少なくとも前記室外部との間で前記冷媒を循環させる冷媒回路を構成することを特徴とする請求項1記載の装置冷却システム。
  3. 前記冷媒回路には、前記冷媒を圧縮する圧縮部と、圧縮された前記冷媒を減圧させる減圧部と、が少なくとも設けられ、
    前記冷媒は前記空冷部において蒸発することにより前記空気を冷却し、熱源部において凝縮することにより熱を放出することを特徴とする請求項2記載の装置冷却システム
  4. 前記室外部は前記中間熱交換部との間で前記冷媒を循環させる冷媒回路を構成し、
    前記液冷部は前記中間熱交換部との間で前記液冷用冷媒を循環させる液冷回路を構成し、
    前記空冷部は前記中間熱交換部との間で前記冷媒および前記液冷用冷媒とは異なる更に別の空冷用冷媒を循環させる空冷回路を構成し、
    前記中間熱交換部は、前記冷媒と前記空冷用冷媒との間で熱交換を行い、前記空冷用冷媒との熱交換を行った後の前記冷媒と前記液冷用冷媒との間で熱交換を行うことを特徴とする請求項1記載の装置冷却システム。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の装置冷却システムの制御方法であって、
    前記冷却対象装置から発生する熱を前記室外部から排出させる熱処理負荷に対する前記空冷部が負担する空冷処理負荷の割合を、前記液冷部が負担する液冷処理負荷を確保した残りとすることを特徴とする装置冷却システムの制御方法。
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