JP6400978B2 - 熱媒体循環システム - Google Patents

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本発明は、熱源装置で生成された熱を熱媒体を介して移動させる熱媒体循環システムに関する。
例えば特許文献1に記載の熱媒体循環システムでは、熱源装置にて冷熱を生成し、当該冷熱にて冷却された冷水を空調機に循環させることにより、上記冷熱を冷却対象に移動ささせている。
特許第4333818号明細書
ところで、データセンター等の空調制御に高い信頼性が求められる建築物にあっては、室内に吹き出す空気の温度が急変すると、データセンターに設置された機器に悪影響を及ぼす可能性が高くなる。
本発明は、上記点に鑑み、高い信頼性が求められる空調機等に適した熱媒体循環システムを提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、熱を生成する熱源装置(7)を有し、当該熱を移動させる熱媒体を循環させる熱媒体循環システムにおいて、熱媒体と熱交換対象とを熱交換する熱交換器(5A)と、熱交換器(5A)で発生する熱交換能力を調整する能力調整装置(5B、5C、P2、P3、7C、7D)と、能力調整装置(5B、5C、P2、P3、7C、7D)にて調整可能な最大熱交換能力と現実の熱交換能力との差に関するパラメータ(以下、「余裕度(A)」という。)を演算する余裕度演算部(10)と、余裕度(A)を予め決められた値以上に維持した状態で能力調整装置(5B、5C、P2、P3、7C、7D)の作動を制御する制御部(10)とを備えることを特徴とする。
これにより、本発明では、余裕度(A)が予め決められた値以上に維持された状態で能力調整装置(5B、5C、P2、P3、7C、7D)の作動が制御されるので、高い信頼性を担保することが可能な熱媒体循環システムを得ることができ得る。
因みに、上記各手段等の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段等との対応関係を示す一例であり、本発明は上記各手段等の括弧内の符号に示された具体的手段等に限定されるものではない。
本発明の実施形態に係る空調システムの概要を示す図である。 本発明の実施形態に係る空調システムの制御系の概要を示す図である。 本発明の実施形態に係る冷却塔7Bの説明図である。 段階制御モード時における冷却水循環量の変化を示す図である。 本発明の第1実施形態における段階制御モードを示すフローチャートである。 消費電力と冷却水量との関係を示す図である。 冷却水最適流量と熱源機7Aの負荷率との関係等を示す図である。 本発明の第2実施形態における段階制御モードを示すフローチャートである。 本発明の第3実施形態の特徴を示すフローチャートである。 本発明の第4実施形態の特徴を示すフローチャートである。 本発明の第5実施形態に係る段階制御モードを示すフローチャートである。 本発明の第6実施形態に係る段階制御モードを示すフローチャートである。 本発明の第7実施形態に係る段階制御モードを示すフローチャートである。
以下に説明する「発明の実施形態」は実施形態の一例を示すものである。つまり、特許請求の範囲に記載された発明特定事項等は、下記の実施形態に示された具体的手段や構造等に限定されるものではない。
以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。なお、少なくとも符号を付して説明した部材又は部位は、「複数」や「2つ以上」等の断りをした場合を除き、少なくとも1つ設けられている。
(第1実施形態)
1.空調システムの構成
1.1 空調システムの概要
本実施形態は、サーバ室や通信機器室等の空調を行う空調システムに本発明に係る熱媒体循環システムを適用したものである。すなわち、本実施形態に係る空調システムは、情報通信技術用機器(以下、ICT機器という。)等の発熱機器に冷却用の空気を供給することにより、複数のICT機器等を冷却する。
複数のICT機器1は、図1に示すように、ラック3に組み付けられた状態でデータセンタ室等に設置される。ラック3は、金属製の棚枠及び柱壁等を組み合わせた枠状の収納棚にて構成されている。
ラック3を挟んで一方には、冷風が供給される冷風通路(コールドアイル)3Aが設けられている。冷風は、冷風通路3Aの床下に設けられたダクト空間3Cからラック3側に供給された後、床に設けられた複数の冷風吹出口(図示せず。)から冷風通路3Aに供給される。
なお、ラック3を挟んで冷風通路3Aと反対側の通路3Bには、冷風吹出口が設けられていない。当該通路3Bには、冷風通路3AからICT機器1に供給された空気であって、ICT機器1との熱交換を終えた空気が流通する。つまり、通路3Bは、加熱された空気(温風)が流通する温風通路(ホットアイル)となる。
空調ユニット5はICT機器1側に供給される冷却風を生成する。複数のICT機器1が設置されたサーバ室等には、少なくとも1台(図1では、2台)の空調ユニット5が設置されている。
各空調ユニット5は、図2に示すように、室内熱交換器5A、流量調整弁5B及び室内送風機5C等を有するエアーハンドリングユニット(AHU)にて構成されている。室内熱交換器5Aは、熱源装置7から供給される冷水と熱交換対象をなす空気とを熱交換する。
熱源装置7は冷熱を生成する。当該冷熱は熱媒体をなす冷水により室内熱交換器5Aに供給される。熱媒体、つまり冷水は、一次ポンプP1及び二次ポンプP2により室内熱交換器5A(空調ユニット5)に供給される。
流量調整弁5Bは各室内熱交換器5Aに設けられている。当該流量調整弁5Bは、室内熱交換器5Aに供給する冷水の循環水量を調節する。室内送風機5Cは、ICT機器1側に冷風を供給するとともに、その風量を調節可能な送風機である。
熱源装置7は室外に設置されている。熱源装置7にて生成された冷水は、一次ポンプP1にて室内(空調ユニット5)側に供給された後、二次ポンプP2にて各空調ユニット5に分配供給される。バイパス流路L1は、一次ポンプP1の吐出流量と二次ポンプP2の吐出流量とが相違する際に、その流量差を吸収する冷水回路である。
熱源装置7は、熱源機7A、冷却塔7B及び冷却水ポンプP3等を有して構成されている。熱源機7Aは、フロン等の冷媒を循環させて低温側の熱を高温側に移動させる蒸気圧縮式冷凍機にて構成されている。
冷却塔7Bは、冷媒と熱交換した冷却水を大気及び水のうち少なくとも一方と熱交換させて当該冷却水を冷却する。本実施形態に係る冷却塔7Bは、図3に示すように、密閉式冷却塔である。当該冷却塔7Bには、室外送風機7C、散水器7D及び室外熱交換器7E等が設けられている。
室外熱交換器7Eは、主に大気と冷却水とを熱交換する。室外送風機7Cは、室外熱交換器7Eに大気を送風するとともに、その送風量を調節可能な送風機である。このため、室外送風機7Cの回転数を増減させて送風量を増減させれば、冷却水と大気との熱交換能力を増減させることができる。
散水器7Dは室外熱交換器7Eに水を散水する。室外熱交換器7Eに散水されると、散水された水が室外熱交換器7Eから吸熱して蒸発又は温度上昇する。これにより、散水しない場合に比べて冷却水が大きく冷却される。つまり、散水器7Dの作動を制御することにより、冷却水と大気との熱交換能力を調節できる。
1.2 空調システムの能力調整装置
室内熱交換器5Aで発生する熱交換能力、つまり室内熱交換器5Aで発生する冷却能力は、流量調整弁5Bの開度、室内送風機5Cの送風量、室内熱交換器5Aに供給される冷水量(二次ポンプP2の送水量)、及び当該冷水の温度(熱源装置7で発生する冷凍能力)によって変化する。
熱源装置7で発生する冷凍能力、つまり熱源機7A(蒸気圧縮式冷凍機)で発生する冷凍能力は、冷却塔7Bの冷却能力、冷却水の循環水量等に加えて、蒸気圧縮式冷凍機に設けられた圧縮機の回転数及び膨張弁の開度等によって変化する。冷却塔7Bの冷却能力は、室外送風機7Cの送風量及び散水器7Dの散水量等によって変化する。
つまり、流量調整弁5B、室内送風機5C、二次ポンプP2、冷却水ポンプP3、室外送風機7C及び散水器7D等は、室内熱交換器5Aで発生する熱交換能力を調整する能力調整装置として機能する。なお、以下、流量調整弁5B及び室内送風機5C等を総称するときは、能力調整装置という。
図2に示すように、能力調整装置の作動は統合制御装置10により制御されている。統合制御装置10は、空調機制御部10A、二次ポンプ制御部10B、一次ポンプ制御部10C、熱源制御部10D、冷却水ポンプ制御部10E、及び冷却塔制御部10Fを介して、能力調整装置を構成する各機器を間接的に制御する。
空調機制御部10Aは、空調ユニット5、つまり流量調整弁5B及び室内送風機5C等の作動を制御する。二次ポンプ制御部10Bは、二次ポンプP2の作動を制御して空調ユニット5に供給する冷水量を制御する。
一次ポンプ制御部10Cは一次ポンプP1の作動を制御する。熱源制御部10Dは、熱源機7A、つまり圧縮機の回転数及び膨張弁の開度等を制御する。冷却水ポンプ制御部10Eは、冷却水ポンプP3の作動を制御して冷却水の循環量を制御する。冷却塔制御部10Fは、室外送風機7Cの送風量及び散水器7Dの散水量等を制御する。
なお、統合制御装置10及び各制御部10A〜10Fは、CPU、ROM及びRAM等を有するコンピュータを有して構成されている。制御を実行するためのプログラムは、統合制御装置10及び各制御部10A〜10Fそれぞれに設けられたROM等の不揮発性記憶部に予め記憶されている。
2.統合制御装置等による制御作動
2.1 制御作動の概要
<各制御部の自律制御>
各制御部10A〜10Fは、当該制御部の制御対象を駆動する駆動回路等を有し、当該制御対象を直接的に制御する。統合制御装置10は、各制御部10A〜10Fに制御指令信号を発する。
つまり、各制御部10A〜10Fは、統合制御装置10からの制御指令信号を受信した後、その制御指令信号の内容を実現するような具体的な制御を自律的に実行する。統合制御装置10及び各制御部10A〜10Fは、制御モードとして、少なくとも通常制御モード及び段階制御モードが実行可能である。
例えば、各空調ユニット5には吹出空気温度センサS1が設けられている。吹出空気温度セサS1は、空調ユニット5から室内に供給される空気、つまり室内熱交換器5Aにて熱交換が終了した空気の温度(以下、熱交換後温度という。)を検出する。
空調機制御部10Aは、通常制御モード時においては、吹出空気温度センサS1にて検出された熱交換後温度(以下、吹出空気温度という。)が、統合制御装置10により設定された「目標とする熱交換後温度(以下、目標吹出温度Taoという。)」となるように、流量調整弁5B及び室内送風機5Cを制御する。
つまり、空調機制御部10Aは、新たな目標吹出温度Taoが統合制御装置10により設定されない限り、現状の目標吹出温度Taoとなるように空調ユニット5の作動を自律的に制御する。
一次ポンプ制御部10C及び二次ポンプ制御部10Bは、通常制御モード時においては、予め設定された流量(以下、目標冷水循環量Wroという。)の冷水が循環するように一次ポンプP1、二次ポンプP2を自律的に制御する。
そして、一次ポンプ制御部10C及び二次ポンプ制御部10Bは、通常制御モード時において、統合制御装置10からの流量変更指令を受信したときには、その受信した新たな循環量を目標冷水循環量Wroとして、一次ポンプP1、二次ポンプP2を自律的に制御する。
一次ポンプP1又は二次ポンプP2(本実施形態では、一次ポンプP1)の吐出側には、冷水の温度を検出する冷水温度センサS2が設けられている。熱源制御部10Dは、通常制御モード時においては、冷水温度センサS2にて検出された冷水温度(以下、冷水吐出温度という。)が、統合制御装置10により設定された「目標とする冷水吐出温度(以下、目標冷水温度Twoという。)」となるように、熱源機7Aを制御する。
つまり、熱源制御部10Dは、新たな目標冷水温度Twoが統合制御装置10により設定されない限り、現状の目標冷水温度Twoとなるように熱源機7Aの作動を自律的に制御する。
冷却水ポンプ制御部10Eは、通常制御モード時においては、冷却水の循環量が、統合制御装置10により設定された「目標とする冷却水の循環量(以下、目標循環量Wfoという。)」となるように冷却水ポンプP3を制御する。
冷却塔制御部10Fは、冷却塔7Bにて冷却された冷却水の温度が、統合制御装置10により設定された「目標とする冷却水の温度(以下、目標冷却水温度Tcoという。)」となるように冷却塔7Bを制御する。「冷却水の温度」は、冷却水温度センサS3により検出される。
なお、通常制御モード時において、熱源機7Aの制御のみでは、冷水吐出温度を目標冷水温度Twoまで冷却することができない場合には、統合制御装置10は、冷却水ポンプ制御部10E及び冷却塔制御部10Fのうち少なくとも一方に対して目標循環量Wfoを増大させる指令、又は目標冷却水温度Tcoを低下させる指令を発する。
<余裕度制御>
余裕度制御時においては、能力調整装置を構成する各機器は、余裕度Aが予め決められた値以上に維持されるように制御される。当該余裕度制御は、少なくとも通常制御モード時及び段階制御モード時において実行される。
余裕度Aとは、能力調整装置にて調整可能な最大熱交換能力と現実の熱交換能力との差に関するパラメータをいう。
例えば、空調ユニット5についての余裕度Aは、下記のいずれかにより定義される。
(1)1−(複数の流量調整弁5Bの平均開度)
(2)1−{(現実の室内送風機5Cの回転数/室内送風機5Cの最大回転数)の平均}
最大回転数:各室内送風機5Cの上限回転数
(3)1/{(吹出空気温度−目標吹出温度Tao)の平均}
(4)1−{(吹出空気温度−目標吹出温度Tao)の平均}/n
n:(吹出空気温度−目標吹出温度Tao)に相当する値であって、予め設定された値
つまり、nは許容温度差(許容乖離温度)を意味する。
(5)1/{(冷水吐出温度−目標冷水温度Two)の平均}
(6)1−{(冷水吐出温度−目標冷水温度Two)の平均}/n
n:(冷水吐出温度−目標冷水温度Two)に相当する値であって、予め設定された値
つまり、nは許容温度差(許容乖離温度)を意味する。
<段階制御モード>
段階制御モードとは、現在の状態から制御目標値まで段階的に状態を変更していく制御モードである。
例えば、現在の冷却水の循環量を制御目標循環量に変更する際に、段階制御モードでは、図4に示すように、目標循環量Wfoを段階的に変更することにより、現在の冷却水の循環量を制御目標循環量まで段階的に変更する。
つまり、通常制御モードでは、現在の状態を制御目標値に変更する際には、現状の制御目標値をいきなり制御目標循環量に変更する。一方、段階制御モードでは、現状の制御目標値と変更後の制御目標値との間に、少なくとも1種類の目標値が設定される。換言すれば、段階制御モードでは、少なくとも1ステップの段階が存在すれば十分であり、ステップ数は不問である。
そして、段階制御モードが実行される際の一段当たりの変更量をステップ変更量Δとしたとき、段階制御モードでは、例えば、下記の数式7に示されるように、ステップ変更量Δが余裕度Aに基づいて決定される。
Δ=N×(A−k) 但し、N、k:定数 (数式7)
なお、本実施形態では、制御目標値が統合制御装置10によって変更される際に、統合制御装置10が指令することより段階制御モードが実行される。そして、現在の状態が制御目標値に到達すると、制御モードが段階制御モードから通常制御モードに移行し、当該制御目標値が各制御部10A〜10Fにて自律的に維持される。
2.2 段階制御モードの詳細
図5に示すフローチャートは、現在の冷却水循環量を目標循環量Wfoまで減少変更する場合を例に、本実施形態に係る段階制御モードを示したものである。図5に示す制御は、空調システムの起動した時から所定時間が経過したときに実行される。
本実施形態では、冷却水ポンプP3の吐出圧を制御することにより、冷却水の循環量を制御する。したがって、図5に示すフローチャートでは、吐出圧を段階的に変更することにより、冷却水の循環量を目標循環量Wfoまで段階的に変更する。
図5に示す制御が統合制御装置10にて起動されると、先ず、目標循環量Wfoが決定されるとともに、その目標循環量Wfoに対応する吐出圧力(以下、目標吐出圧Pwoという。)演算決定される(S1)。なお、目標循環量Wfoの決定手法は後述する。
次に、余裕度Aが予め決められた閾値以上であるか否かが判定される(S3)。余裕度Aが予め決められた閾値以上でないと判定された場合には(S3:NO)、S1が実行される。つまり、余裕度Aが閾値未満の場合には、段階制御モードが実行されない。
なお、S1が実行される時点で既に段階制御モードが実行されていた場合には、その実行されている段階制御モードが停止又は中止されるとともに、余裕度Aが予め決められた閾値以上に維持される。
余裕度Aが予め決められた閾値以上であると判定された場合には(S3:YES)、ステップ変更量Δ(本実施形態では、吐出圧のステップ変化量ΔPWc)が、数式7に従って決定される(S5)。
次に、目標冷水温度Two、目標冷水循環量Wro及び目標吹出温度Taoのうち少なくとも1つが設定又は変更された時から予め設定された所定時間が経過したか否かが判定される(S7)。
所定時間が経過していないと判定された場合には(S7:NO)、以降の制御ステップで実行される段階制御モードが実行されない。このため、S1が実行される時点で既に段階制御モードが実行されていた場合には、その実行されている段階制御モードは停止又は中止される。
所定時間が経過したと判定された場合には(S7:YES)、現時の吐出圧PwcからΔPwcを減じた吐出圧(以下、変更後吐出圧という。)が、冷却水ポンプP3の下限吐出圧より大きいか否かが判定される(S9)。
下限吐出圧とは、ポンプの能力を最小状態としたときの吐出圧であって、当該吐出圧より低い吐出圧でポンプを安定稼働させることができない吐出圧をいう。このため、吐出圧が下限吐出圧以上に維持されと、冷却水の循環水量が予め設定された閾値、つまり下限循環量(第2閾値)以上に維持される。
変更後吐出圧が下限吐出圧以下となると判定された場合には(S9:NO)、冷却水ポンプP3の吐出圧を下限吐出圧とする指令が冷却水ポンプ制御部10Eに発せられた後(S15)、S1が実行される。
変更後吐出圧が下限吐出圧より大きいと判定された場合には(S9:YES)、変更後吐出圧が目標吐出圧Pwoより大きいか否か判定される(S11)。変更後吐出圧が目標吐出圧Pwoより大きいと判定された場合には(S11:YES)、冷却水ポンプP3の吐出圧を変更後吐出圧とする指令が冷却水ポンプ制御部10Eに発せられた後(S13)、S1が実行される。
変更後吐出圧が目標吐出圧Pwo以下であると判定された場合には(S11:NO)、現状の吐出圧を変更する旨の指令が冷却水ポンプ制御部10Eに発せられることなく、S1が実行される。
2.3 目標循環量の決定手法
<目標循環量の概要>
目標循環量Wfoは、(a)室内熱交換器5Aにて必要とされる熱交換能力、(b)冷却塔7Bで冷却された冷却水の温度、(c)熱源装置7の消費動力、(d)熱源装置7にて必要とされる冷熱量、(e)熱源機(蒸気圧縮式冷凍機)7Aで稼働する圧縮機の回転数、(f)冷凍機7Aにおいて循環する冷媒の高圧側温度及び低圧側温度、(g)当該冷媒の高圧側圧力及び低圧側圧力、並びに(h)冷水を循環させるポンプ(主に、二次ポンプP2)の回転数のうち少なくとも1つに基づいて決定される。
なお、本実施形態では熱源装置7が1台であるが、熱源装置7が複数設けられている場合には、目標循環量Wfoは、(a)〜(h)に加えて、稼働している熱源装置7の台数も考慮して決定される。
熱源装置7の台数とは、熱源機7Aの蒸発器の台数を基準に数える。例えば、複数の圧縮機又は複数の冷却水ポンプP3が設置されている場合であっても、熱源機7Aの蒸発器が1台である場合には、熱源装置7の台数は1台である。
<目標循環量の決定手法の一例>
第1ステップ
熱源装置7の負荷率が特定状態となる場合において、(a)冷却水の温度をパラメータとして、(b)熱源装置7の消費電力及び冷却水ポンプP3の消費電力と(c)冷却水循環量との関係を実験又はコンピュータシミレーションにより求め、消費電力が最小となる循環量を冷却水温度毎に決定する(図6参照)。
第2ステップ
熱源装置7の負荷率を変化させながら上記第1ステップを行い、消費電力が最小となる循環量及び熱源装置7の負荷率を冷却水温度毎に求める(図7参照)。そして、現在の熱源装置7の負荷率(X%)と現在の冷却水温度とに基づいて最適流量、つまり目標循環量Wfoを決定する。
3.本実施形態に係る空調システムの特徴
本実施形態では、余裕度Aを予め決められた値以上に維持した状態で能力調整装置の作動が制御されるので、高い信頼性を担保することが可能な空調システムを得ることができ得る。
ところで、従来の空調システムに係る冷却水ポンプは、冷凍機の熱負荷及び室内の冷房負荷等に影響されることなく、その最大能力で稼働していた。つまり、通常の空調システムでは、冷凍機の熱負荷及び室内の冷房負荷等によらず、冷却水の循環水量はほぼ一定であった。
しかし、冷凍機の熱負荷及び室内の冷房負荷等は変動している。このため、冷却水ポンプを最大能力にて一定稼働させると、冷却水ポンプで消費動力を低減することが難しいので、空調システムの消費動力を低減することが難しい。
そこで、発明者は、冷却水ポンプP3を可変制御することにより「空調システムの消費動力を低減する発明」を新たに考案した。当該発明の試験・検討結果によると、冷却水ポンプP3を可変制御する際に、冷水の温度が過渡的に急変するという新たな問題が発生することを発明者は発見した。
具体的には、例えば、循環する冷却水量を目標循環量まで減少させる際に、冷凍機で生成された冷水の温度が過渡的に急激上昇してしまうため、室内に吹き出す空気の温度が上昇してしまう、という新たな問題を発明者は発見した。
そして、特に、データセンター等の空調制御に高い信頼性が求められる建築物にあっては、室内に吹き出す空気の温度が急変すると、データセンターに設置された機器に悪影響を及ぼす可能性が高くなる。
これに対して、本実施形態では、上述したように、余裕度Aを予め決められた値以上に維持した状態で冷却水ポンプP3の作動を制御するので、冷却能力に関する信頼性を高めた空調システムを得ることができ得る。
また、統合制御装置10は、余裕度Aに基づいてステップ変更量Δ(本実施形態では、ΔPwc)を決定して冷却水ポンプP3を可変制御するので、冷水の温度が過渡的に急変することを抑制できる。
すなわち、余裕度Aは、室内に吹き出す空気の温度(以下、吹出空気温度という。)が急変するか否か、つまり吹出空気温度の信頼性確保を評価する評価因子として機能を担う。したがって、余裕度Aに基づいてステップ変更量Δを決定して冷却水ポンプP3を可変制御すれば、吹出空気温度の信頼性確保しながら、空調システムの消費動力を低減することが可能となる。
(第2実施形態)
本実施形態は第1実施形態の変形例である。具体的には、図8に示すように、本実施形態では、余裕度Aが閾値未満であると判定された場合には(S3:NO)、冷却水ポンプP3の吐出圧を大きくする旨の指令が冷却水ポンプ制御部10Eに発せられた後(S17)、S1が実行される。
なお、図8において、図5(第1実施形態)と同一の制御ステップについては、同一符号が付されている。
これにより、本実施形態では、段階制御モードが停止又は中止された後、「冷却水の循環水量」は、段階制御モードが停止又は中止される前に比べて増大される。したがって、余裕度Aが現状よりも大きくなるので、冷却信頼性を確保することができる。
(第3実施形態)
本実施形態は、図9に示すように、目標冷水温度Twoを上昇変更する指令が統合制御装置10から空調機制御部10A等に発せられた場合に、上記の「余裕度制御」を停止又は中止するものである。
図9に示すフローチャートは、図5や図8に示す制御と並列的に稼働している。つまり、空調システムの起動した時から所定時間が経過したときに、図5又は図8に示す制御とは独立して起動される。
当該制御が起動されると、目標冷水温度Twoが上昇変更されたか否かが判定される(S21)。なお、目標冷水温度Twoは、室内熱交換器5Aにて必要とされる熱交換能力(冷却能力)等に基づいて決定される。例えば、目標吹出温度Taoが上昇変更されると、これに応じて必要な冷却能力が小さくなるので、目標冷水温度Twoも上昇変更される。
目標冷水温度Twoが上昇変更されていないと判定された場合には(S21:NO)、現状の制御モード(余裕度制御)が維持される。目標冷水温度Twoが上昇変更されたと判定された場合には(S21:YES)、余裕度制御が中止又は停止させられた後(S23)、冷却水ポンプP3の吐出圧が現状よりもΔPwcだけ上昇変更される(S25)。
なお、S25のΔPwcは、余裕度制御が停止又は中止する直前に決定された値、及び予め決められた値のうちいずれか一方が用いられる。
(第4実施形態)
本実施形態は、冷却水ポンプP3の吐出圧が下限吐出圧、つまり下限循環量(第3閾値)となった場合に実行される冷却塔制御モードの一例である。なお、吐出圧が下限吐出圧となった場合とは、「吐出圧が下限吐出圧と一致した場合」は勿論のこと、「吐出圧が下限吐出圧を含む所定の範囲になった場合」も含むものである。
具体的には、図10に示すように、本実施形態では、余裕度Aが予め決められた閾値未満となっているか否かが判定される(S27)。余裕度Aが予め決められた閾値未満となっている場合には(S27:YES)、冷却塔7Bの冷却能力を大きくする制御モードが実行される(S29)。余裕度Aが予め決められた閾値以上となっている場合には(S27:NO)、冷却塔7Bの冷却能力が小さくなる制御モードが実行される(S31)。
なお、冷却塔7Bの冷却能力を変更する際には、室外送風機7Cの送風量変更、及び散水器7Dの散水の有無又は散水量の変更のうち、少なくとも一方を変更すればよい。因みに、室外送風機7Cが複数設けられている場合には、稼働させる室外送風機7Cの台数を変更して送風量を変更してもよい。
(第5実施形態)
本実施形態は、目標冷却水温度Tcoを変更制御する場合に段階制御モードを適用した例である。
すなわち、図11に示す制御が統合制御装置10にて起動されると、先ず、目標冷却水温度Tcoが決定された後(S33)、余裕度Aが予め決められた閾値以上であるか否かが判定される(S35)。なお、目標冷却水温度Tcoは、目標循環量Wfoと同様な手法にて決定される。
余裕度Aが予め決められた閾値以上でないと判定された場合には(S35:NO)、S33が実行される。これにより、以降の制御ステップで実行される段階制御モードが実行されない。
そして、S33が実行される時点で既に段階制御モードが実行されていた場合には、その実行されている段階制御モードが停止又は中止されるとともに、余裕度Aが予め決められた閾値以上に維持される。
余裕度Aが予め決められた閾値以上であると判定された場合には(S35:YES)、ステップ変更量Δ(本実施形態では、冷却水温度のステップ変化量ΔTwc)が、数式7に従って決定される(S37)。
次に、目標冷水温度Two、目標冷水循環量Wro及び目標吹出温度Taoのうち少なくとも1つが設定又は変更された時から予め設定された所定時間が経過したか否かが判定される(S39)。
所定時間が経過していないと判定された場合には(S39:NO)、以降の制御ステップで実行される段階制御モードが実行されない。このため、S33が実行される時点で既に段階制御モードが実行されていた場合には、その実行されている段階制御モードが停止又は中止される。
所定時間が経過したと判定された場合には(S39:YES)、現時の冷却水温度TwcからΔTwcを減じた冷却水温度(以下、変更後冷却水温度という。)が、目標冷却水温度Tcoより大きいか否か判定される(S41)。
変更後冷却水温度が目標冷却水温度Tcoより大きいと判定された場合には(S41:YES)、冷却水温度を変更後冷却水温度とする指令が冷却塔制御部10Fに発せられた後(S43)、S33が実行される。
変更後冷却水温度が目標冷却水温度Tco以下であると判定された場合には(S41:NO)、現状の冷却水温度を変更する旨の指令が冷却塔制御部10Fに発せられることなく、S33が実行される。
(第6実施形態)
本実施形態は、冷却水温度制御を目的として、室外送風機7Cの送風量を変更制御する場合に段階制御モードを適用した例である。
すなわち、図12に示す制御が統合制御装置10にて起動されると、先ず、目標送風量が決定された後(S45)、余裕度Aが予め決められた閾値以上であるか否かが判定される(S47)。なお、目標送風量は、目標循環量Wfoと同様な手法にて決定される。
余裕度Aが予め決められた閾値以上でないと判定された場合には(S47:NO)、S45が実行される。これにより、以降の制御ステップで実行される段階制御モードが実行されない。
そして、S45が実行される時点で既に段階制御モードが実行されていた場合には、その実行されている段階制御モードは停止又は中止されるとともに、余裕度Aが予め決められた閾値以上に維持される。
余裕度Aが予め決められた閾値以上であると判定された場合には(S47:YES)、ステップ変更量Δ(本実施形態では、送風量のステップ変化量ΔWc)が、数式7に従って決定される(S49)。
次に、目標冷水温度Two、目標冷水循環量Wro及び目標吹出温度Taoのうち少なくとも1つが設定又は変更された時から予め設定された所定時間が経過したか否かが判定される(S51)。
所定時間が経過していないと判定された場合には(S51:NO)、以降の制御ステップで実行される段階制御モードが実行されない。このため、S45が実行される時点で既に段階制御モードが実行されていた場合には、その実行されている段階制御モードが停止又は中止される。
所定時間が経過したと判定された場合には(S51:YES)、現時の送風量からΔWwcを減じた送風量(以下、変更後送風量という。)が、目標送風量より大きいか否か判定される(S53)。
変更後送風量が目標送風量より大きいと判定された場合には(S53:YES)、冷却水温度を変更後送風量とする指令が冷却塔制御部10Fに発せられた後(S55)、S45が実行される。
変更後送風量が目標送風量以下であると判定された場合には(S53:NO)、現状の冷却水温度を変更する旨の指令が冷却塔制御部10Fに発せられることなく、S45が実行される。
(第7実施形態)
本実施形態は、冷却水温度制御を目的として、散水器7Dの散水量を変更制御する場合に段階制御モードを適用した例である。
すなわち、図13に示す制御が統合制御装置10にて起動されると、先ず、目標散水量が決定された後(S57)、余裕度Aが予め決められた閾値以上であるか否かが判定される(S59)。なお、目標散水量は、目標循環量Wfoと同様な手法にて決定される。
余裕度Aが予め決められた閾値以上でないと判定された場合には(S59:NO)、S57が実行される。これにより、以降の制御ステップで実行される段階制御モードが実行されない。
そして、S57が実行される時点で既に段階制御モードが実行されていた場合には、その実行されている段階制御モードは停止又は中止されるとともに、余裕度Aが予め決められた閾値以上に維持される。
余裕度Aが予め決められた閾値以上であると判定された場合には(S59:YES)、ステップ変更量Δ(本実施形態では、散水量のステップ変化量ΔWwc)が、数式7に従って決定される(S61)。
次に、目標冷水温度Two、目標冷水循環量Wro及び目標吹出温度Taoのうち少なくとも1つが設定又は変更された時から予め設定された所定時間が経過したか否かが判定される(S63)。
所定時間が経過していないと判定された場合には(S63:NO)、以降の制御ステップで実行される段階制御モードが実行されない。このため、S57が実行される時点で既に段階制御モードが実行されていた場合には、その実行されている段階制御モードが停止又は中止される。
所定時間が経過したと判定された場合には(S63:YES)、現時の散水量からΔWwcを減じた散水量(以下、変更後散水量という。)が、目標散水量より大きいか否か判定される(S65)。
変更後散水量が目標散水量より大きいと判定された場合には(S65:YES)、冷却水温度を変更後散水量とする指令が冷却塔制御部10Fに発せられた後(S67)、S57が実行される。
変更後散水量が目標散水量以下であると判定された場合には(S65:NO)、現状の冷却水温度を変更する旨の指令が冷却塔制御部10Fに発せられることなく、S57が実行される。
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、冷熱のみを利用した空調システムに本発明を適したが、本発明の適用はこれに限定されるものではなく、本発明は温熱及び冷熱も利用可能な空調システムにも適用できる。
上述の実施形態では、熱媒体として水を用い、かつ、熱交換対象が空気であったが、本発明の適用はこれに限定されるものではなく、例えば、熱交換対象を冷却液とし、当該冷却液をICT機器の放熱部に供給する冷却システムにも適用できる。
上述の実施形態では、発熱機器としてICT機器1を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ICT機器に電力を供給するための蓄電池や無停電電源装置等の電力供給機器にも適用できる。
上述の実施形態に係る熱源装置7は、冷却塔7Bを備える水冷式であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、空冷式の熱源装置7(熱源機7A)であってもよい。
上述の実施形態に係る空調システムは、ICT機器が設置されたサーバ室の空調を行うものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、オフィスビル用空調システムにも適用可能である。
上述の実施形態では、各制御部10A〜10Fが自律制御可能なコントローラにて構成され、かつ、統合制御装置10は各制御部10A〜10Fを統合的に制御する構成であったが、本発明はこれに限定されるものではない。
すなわち、例えば、各制御部10A〜10F及び統合制御装置10を1つのコントローラとして、1つの統合制御装置10にて空調システム(熱媒体循環システム)全体を制御する構成であってもよい。
本発明に係る段階制御モードの制御対象は、上述の実施形態に例示されたものに限定されるものではなく、室内熱交換器5Aで発生する熱交換能力を調整する能力調整装置を構成する機器であれば、いずれの機器に対して段階制御モードを実行してもよい。この際、2以上の機器に対して同時に段階制御モードを実行してもよい。
上述の実施形態に係る冷却塔7Bは、密閉式冷却塔であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、開放式冷却塔7Bであってもよい。
上述の実施形態に係る熱源装置7は、冷却塔7Bを有していたが、本発明はこれに限定されるものではなく、冷却塔7Bを廃止し、熱源機7Aの高圧側熱交換器(例えば、凝縮器)を大気にて冷却する方式であってもよい。
上述の実施形態に係るステップ変化量Δは、数式7に示されるように、余裕度Aとステップ変化量Δとが1対1の対応関係であった。このため、余裕度Aの変化に対してステップ変化量Δが連続的に変化するものであったが、本発明はこれに限定されるものではない。
すなわち、余裕度Aの変化に対してステップ変化量Δが段階的に変化するものであってもよい。例えば、ステップ変化量Δの最小(単位)変化量Δoを予め設定された固定値とし、ステップ変化量Δを単位変化量Δoの倍数(Δ=Δo×n)として決定するとともに、当該倍数(n)を余裕度Aに基づいて決定してもよい。
上述の実施形態では、ステップ変化量Δを直接的に決定したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ステップ変化量Δを余裕度Aに基づいて間接的に決定してもよい。すなわち、例えば、制御目標値まで段階的(ステップ的)に変更させる際のステップ数を余裕度Aに基づいて決定した後、現在値と制御目標値との差分を当該決定したステップ数で除した値をステップ変化量Δとしてもよい。
上述の実施形態では、蒸気圧縮機式冷凍機にて冷熱を生成したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、廃熱が十分に確保可能な場合には、吸着式冷凍機又は吸収式冷凍機にて冷熱を生成してもよい。
また、本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。
1… ICT機器
3… ラック
3A… 冷風通路
3C… ダクト空間
3B… 通路
5… 空調ユニット
5A… 室内熱交換器
5B… 流量調整弁
5C… 室内送風機
7… 熱源装置
7A… 熱源機
7B… 冷却塔
7C… 室外送風機
7D… 散水器
7E… 室外熱交換器
10… 統合制御装置
10A… 空調機制御部
10B… 二次ポンプ制御部
10C… 一次ポンプ制御部
10D… 熱源制御部
10E… 冷却水ポンプ制御部
10F… 冷却塔制御部

Claims (16)

  1. 熱を生成する熱源装置を有し、当該熱を移動させる熱媒体を循環させる熱媒体循環システムにおいて、
    前記熱媒体と熱交換対象とを熱交換する熱交換器と、
    前記熱交換器で発生する熱交換能力を調整する能力調整装置と、
    前記能力調整装置にて調整可能な最大熱交換能力と現実の熱交換能力との差に関するパラメータ(以下、「余裕度」という。)を演算する余裕度演算部と、
    前記余裕度を予め決められた値以上に維持した状態で前記能力調整装置の作動を制御する制御モードが実行可能な制御部とを備え
    記制御部は、前記能力調整装置を制御目標値まで段階的に変更する段階制御モードを実行することが可能であり、
    前記段階制御モードが実行される際の一段当たりの変更量をステップ変更量としたとき、前記段階制御モードでは、
    前記ステップ変更量を前記余裕度に基づいて決定するステップ変更量決定機能、及び
    前記ステップ変更量決定機能により決定されたステップ変更量となるように前記能力調整装置の作動を制御するステップ制御機能
    が実行されることを特徴とする熱媒体循環システム。
  2. 前記熱源装置は、
    冷媒を循環させて低温側の熱を高温側に移動させる冷凍機、
    前記冷媒と熱交換した冷却水を、大気及び水のうち少なくとも一方と熱交換させる冷却塔、及び
    前記冷却塔と前記冷凍機との間で前記冷却水を循環させる冷却水ポンプを有し、
    前記冷却水ポンプは前記能力調整装置の少なくとも一部を構成し、
    さらに、前記制御部は、前記余裕度を予め決められた値以上に維持した状態で前記冷却水ポンプの作動を制御することを特徴とする請求項に記載の熱媒体循環システム。
  3. 前記制御部は、「前記冷却水の循環水量」を「目標とする循環水量(以下、目標循環量という。)」まで段階的に変更する際に前記段階制御モードを実行することが可能であることを特徴とする請求項に記載の熱媒体循環システム。
  4. 前記制御部は、「前記冷却水の温度」を「目標とする冷却水温度(以下、目標冷却水温度という。)」まで段階的に変更する際に前記段階制御モードを実行することが可能であることを特徴とする請求項に記載の熱媒体循環システム。
  5. 前記制御部は、前記冷却水の循環水量を段階的に変更することにより、前記冷却水の温度を前記目標冷却水温度まで段階的に変更することを特徴とする請求項に記載の熱媒体循環システム。
  6. 前記冷却塔には、前記能力調整装置の少なくとも一部を構成するとともに、前記冷却水と大気との熱交換能力を調整する送風機が設けられており、
    前記制御部は、「前記送風機の送風量」を「目標とする送風量」まで段階的に変更することにより、前記冷却水の温度を前記目標冷却水温度まで段階的に変更することを特徴とする請求項に記載の熱媒体循環システム。
  7. 前記冷却塔には、前記能力調整装置の少なくとも一部を構成するとともに、前記冷却水と大気との熱交換能力を調整する散水器が設けられており、
    前記制御部は、「前記散水器の散水量」を「目標とする散水量」まで段階的に変更することにより、「前記冷却水の温度」を前記目標冷却水温度まで段階的に変更することを特徴とする請求項に記載の熱媒体循環システム。
  8. 前記制御部は、前記余裕度が予め設定された第1閾値以下の場合には、前記段階制御モードを停止又は中止することを特徴とする請求項ないしのいずれか1項に記載の熱媒体循環システム。
  9. 前記制御部は、「目標とする前記熱媒体の温度」又は「目標とする前記熱媒体の流量」が変更された場合には、前記段階制御モードを停止又は中止することを特徴とする請求項ないしのいずれか1項に記載の熱媒体循環システム。
  10. 前記熱交換器で熱交換が終了した前記熱交換対象の温度を熱交換後温度としたとき、
    前記制御部は、「目標とする前記熱交換後温度」が変更された場合には、前記段階制御モードを停止又は中止することを特徴とする請求項ないしのいずれか1項に記載の熱媒体循環システム。
  11. 前記制御部は、前記段階制御モードを停止又は中止した後、「前記冷却水の循環水量」を、前記段階制御モードを停止又は中止する前に比べて増大させることを特徴とする請求項に記載の熱媒体循環システム。
  12. 前記制御部は、前記冷却水の循環水量を、常に、予め設定された第2閾値以上とすることを特徴とする請求項に記載の熱媒体循環システム。
  13. 前記制御部は、前記冷却水の循環水量が予め設定された第3閾値に至った場合には、前記冷却塔の冷却能力を変更制御する冷却塔制御モードに移行することを特徴とする請求項1に記載の熱媒体循環システム。
  14. 前記目標循環量は、前記熱交換器にて必要とされる熱交換能力、前記冷却塔で熱交換を終えた前記冷却水の温度、前記熱源装置の消費動力、前記熱源装置にて必要とされる生成熱量、前記冷凍機で稼働する圧縮機の回転数、前記冷凍機において循環する冷媒の高圧側温度及び低圧側温度、当該冷媒の高圧側圧力及び低圧側圧力、並びに前記熱媒体を循環させるポンプの回転数のうち少なくとも1つに基づいて決定されることを特徴とする請求項に記載の熱媒体循環システム。
  15. 前記熱源装置は複数設けられており、
    前記目標循環量は、稼働している前記熱源装置の台数に基づいても決定されることを特徴とする請求項1に記載の熱媒体循環システム。
  16. 熱を生成する熱源装置と、
    当該熱を移動させる熱媒体と熱交換対象とを熱交換する熱交換器と、
    前記熱交換器で発生する熱交換能力を調整する能力調整装置と、
    コンピュータを有して構成され、前記能力調整装置の作動を制御する制御部とを備える熱媒体循環システムに用いられる制御プログラムであって、
    前記制御部を
    前記能力調整装置にて調整可能な最大熱交換能力と現実の熱交換能力との差に関するパラメータ(以下、「余裕度」という。)を演算する余裕度演算部、及び
    前記余裕度を予め決められた値以上に維持した状態で前記能力調整装置の作動を制御する能力調整制御部として機能させ、
    さらに、前記能力調整装置を制御目標値まで段階的に変更する段階制御モードを前記制御部に実行させることが可能であり、
    前記段階制御モードが実行される際の一段当たりの変更量をステップ変更量としたとき、前記段階制御モードでは、
    前記ステップ変更量を前記余裕度に基づいて決定するステップ変更量決定機能、及び
    前記ステップ変更量決定機能により決定されたステップ変更量となるように前記能力調整装置の作動を制御するステップ制御機能が実行され
    ことを特徴とする熱媒体循環システム用制御プログラム。
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