JP5264652B2 - 空気調和機 - Google Patents

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Description

この発明は、複数の空調ユニットを備えた空気調和機に関するものである。
従来の技術では、例えば制御計測装置において、「遠隔監視装置1からの入出力負荷情報要求に応答する場合、対象となるデータの変化度合が前回のデータ送信時から一定の範囲内であれば入出力状態を返さず、要求を受理したことを通知するだけの短いデータを返信する。」ものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、例えば伝送装置において、「信号伝送用のバスを介して第1端末器としての複数の室内機,第2端末器としての複数の室外機およびコントローラを接続する。上記コントローラが室内機に対して送信する通常パケット1〜5において、連続している通常パケット1〜4の休止期間T1で、例えば通常パケット1,2間で通常パケット1の送信が終了してからバスアイドル期間T2と同期回復監視期間T3が経過した後、室外機は、コントローラに対して受信禁止期間T4内で休止時間用パケットを送信する。」ものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2006−235797号公報(要約) 特開平8−56391号公報(要約)
従来、複数の空調ユニット(冷媒配管で接続された室外機及び室内機や、リモコン等)を備えた空気調和機においては、各空調ユニット内の室外機、室内機などの各機器の間を伝送線(以下「同一冷媒系統内の伝送線」という。)により相互に接続する。また、複数の空調ユニット間、及び集中コントローラー等と空調ユニット間を伝送線(以下「集中系の伝送線」という。)により相互に接続する。
そして、集中系の伝送線と同一冷媒系統内の伝送線とを接続することにより、集中系の伝送線を用いた通信にて、各空調ユニットの相互間の通信情報(制御データなど)や、集中コントローラーから各空調ユニットへの通信情報の送受信が可能となる。
上記のような構成においては、同一冷媒系統内の伝送線に送出された通信情報は、集中系の伝送線、及びこれに接続される他の空調ユニット内の伝送線にも伝送されることになる。このため、空調ユニットの数が増加するにしたがって、また、通信頻度や通信量が増加するにしたがって、各伝送線の通信トラフィック量は増加することになる。
このようなことから、一般に、通信トラフィック量が過剰とならないように、通信制御の内容(通信コマンド、通信シーケンスやプロトコルなど)に応じて、接続可能な空調ユニットの台数などを設定する。
しかしながら、空調ユニットに供給される電源が停電した後、復電した場合には、再運転処理に必要な通信は、通常時の通信よりも頻度が高く、また通信データ(通信コマンド)の種類も多い。このため、複数の空調ユニットに供給される電源が復電すると、通信トラフィック量が増大する、という問題点があった。
特に、復電後、早期に圧縮機を起動する必要がある場合には、上記再運転に必要な通信に加え、圧縮機の運転に関する通信が行われるので、上記問題点は顕著である。
また、上記のような通信トラフィック量の増大が生じると、各機器からの通信コマンドが競合(通信衝突)し、このような通信衝突が連続することにより、通信コマンドの遅延又は消失が発生し、送信すべきタイミングに通信コマンドが送信されない、という問題点があった。
また、通信衝突が継続すると空調ユニット内の冷媒回路の制御を適切に行うことができないため、圧縮機を停止するように動作する。このため、復電後に圧縮機を起動した場合であっても、上記のような通信トラフィック量の増大が生じると、通信衝突の継続により、圧縮機が再度停止してしまう、という問題点があった。
これにより、復電後、空調ユニットが目標の空調能力に達するまでの時間が長くなる、という問題点があった。
また、空調ユニットの数が増加するのにしたがい、通信トラフィック量が増加するため、通信制御の内容を見直さなければシステム規模の拡大を図ることができない、という問題点があった。
上記特許文献1に記載の技術では、通信トラフィック量の抑制のため、データ変化の度合いを見て、前回のデータ送信時から一定の範囲時間内かつデータ変化がなければ要求を受信したことを通知するだけの短いデータを送信することで、要求時の返信データ量を削減するものである。しかし、データ変化があるものに関してはデータ量の削減はできない。
また、上記特許文献2に記載の技術では、受信禁止期間に休止期間用短パケットを送信する。しかし、この方法では、休止期間に収まらないパケット長のものは送信できない。また、分割して送信することで、システム全体としては、一処理に対する送受信期間が長引く。また、送信すべきタイミングに送信すべき通信コマンドを通信することはできない。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、復電後の通信トラフィック量の増加を抑制することができる空気調和機を得るものである。
また、復電後、早期に圧縮機を起動し、圧縮機の運転を継続することができる空気調和機を得るものである。
また、通信制御の内容を変更することなくシステム規模の拡大を図ることができる空気調和機を得るものである。
この発明に係る空気調和機は、
室外機と室内機とを冷媒配管で接続し、圧縮機により冷媒を循環させる空調ユニットを複数備え、該複数の空調ユニット間の通信が第1の伝送線により相互に接続された空気調和機において、
前記空調ユニットは、
当該空調ユニット内の前記室内機と前記室外機との間の通信を相互に接続する第2の伝送線と、
前記第1の伝送線と前記第2の伝送線との間で通信信号を中継又は遮断する中継装置と、
当該空調ユニットに供給される電源の停電後の復電を検知する復電検知手段と、
少なくとも前記圧縮機及び前記中継装置の動作を制御する制御手段と
を備え、
前記制御手段は、
前記復電検知手段が復電を検知したとき、前記中継装置により、前記第1の伝送線と前記第2の伝送線との間の通信信号を遮断させ、
前記復電検知手段が復電を検知した後、前記圧縮機を運転させる制御信号を、前記第2の伝送線を介して送信し、
前記圧縮機を運転させる制御信号を送信した後、前記中継装置により、前記第1の伝送線と前記第2の伝送線との間で通信信号を中継させるものである。
この発明は、復電を検知したとき、中継装置により、第1の伝送線と第2の伝送線との間の通信信号を遮断させる。そして、復電を検知した後、圧縮機を運転させる制御信号を、第2の伝送線を介して送信し、圧縮機を運転させる制御信号を送信した後、中継装置により、第1の伝送線と第2の伝送線との間で通信信号を中継させる。
このため、復電後の通信トラフィック量の増加を抑制することができる。
実施の形態1における空気調和機の構成を示す図である。 実施の形態1における空気調和機の構成を示す図である。 通信信号の遮断制御を行わない場合における復電後の通信トラフィック量を示す図である。 実施の形態1における空気調和機の動作を示すフローチャートである。 実施の形態1における空気調和機の復電後の通信トラフィック量を示す図である。 実施の形態2における空気調和機の動作を示すフローチャートである。 実施の形態3における空気調和機の動作を示すフローチャートである。 実施の形態3における空気調和機の動作を示すシーケンス図である。
実施の形態1.
図1及び図2は実施の形態1における空気調和機の構成を示す図である。
図1及び図2に示すように、本実施の形態における空気調和機は、複数の空調機5と、集中コントローラー6とを備える。
複数の空調機5間は、集中系の伝送線7により相互に接続されている。
また、集中コントローラー6は、集中系の伝送線7により複数の空調機5と接続されている。集中コントローラー6は、複数の空調機5の動作を制御するものである。
集中系の伝送線7は、各空調機5及び集中コントローラー6と接続されることによりバス型伝送路を形成する。
なお、「空調機5」は、本発明における「空調ユニット」に相当する。
なお、「集中系の伝送線7」は、本発明における「第1の伝送線」に相当する。
空調機5は、1つ又は複数の室外機1と、1つ又は複数の室内機2と、リモコン15とを備える。
室外機1と室内機2とは冷媒配管3により接続されており、冷媒配管3中を流れる冷媒の圧力を変化させて冷媒の吸熱、放熱により空気調和を行う。
また、空調機5内の室外機1と、室内機2と、リモコン15との間は、同一冷媒系統内の伝送線4により相互に接続されている。
同一冷媒系統内の伝送線4は、当該空調機5内の室外機1、室内機2、及びリモコン15と接続されることによりバス型伝送路を形成する。
なお、各空調機5内の室外機1、室内機2、及びリモコン15の個数は任意の数とすることができる。例えば、図2に示すように、それぞれ1台ずつであっても良いし、室内機2を2台とし室外機1を1台とする構成でも良い。また、室外機1を3台とする構成であっても良い。
また、図2では、複数の室外機1を設ける場合に、同一空調機5内の室外機1間を集中系の伝送線7により接続する場合を示すが、これに限るものではない。例えば、後述するスイッチ回路11を同一空調機5内の何れか1つに設けるようにしても良い。
なお、「同一冷媒系統内の伝送線4」は、本発明における「第2の伝送線」に相当する。
なお、以下、「集中系の伝送線7」と各空調機5内の「同一冷媒系統内の伝送線4」とを総称して単に「伝送線」ともいう。
[室内機2]
室内機2は、図示しない室内機側熱交換器、室内機側ファン、室内機側膨張弁などを備える。
室内機2は、同一冷媒系統内の伝送線4を介して、通信情報を送信及び受信する。
室内機2は、受信した通信情報等に基づいて、室内機2を構成する各部の動作を制御する。
室内機側熱交換器は、熱交換器内を通過する冷媒と空気との熱交換を行う。
室内機側ファンは、熱交換器に空気を送り熱交換させ、さらに熱交換された空気を室内に送り込む。
室内機側膨張弁は、弁の開度を調整し、冷媒の流量を制御する。これにより、室内機側熱交換器を通過する冷媒量を制御し、室内機側熱交換器における冷媒の蒸発等を調整する。
[リモコン15]
リモコン15は、同一冷媒系統内の伝送線4を介して、通信情報を送信及び受信する。
例えば使用者からの操作入力に応じて、室内の設定温度、設定湿度などの情報を、同一冷媒系統内の伝送線4を介して送信する。
[室外機1]
室外機1は、圧縮機8と、瞬時停電/停復電検知回路9と、通信回路10と、スイッチ回路11と、マイコン12と、電源回路16とを備える。また、マイコン12は、スイッチ遅延手段13を備える。
なお、「スイッチ回路11」は、本発明における「中継装置」に相当する。
なお、「瞬時停電/停復電検知回路9」は、本発明における「瞬時停電検出手段」及び「復電検知手段」に相当する。
なお、「マイコン12」は、本発明における「制御手段」に相当する。
また、室外機1は、図示しない室外機側熱交換器、室外機側ファン、室外機側膨張弁、四方切換弁などを備える。
室外機1は、マイコン12に設定された機能や、受信した通信情報等に基づいて、室外機1を構成する各部の動作を制御する。
室外機側熱交換器は、熱交換器を通過する冷媒と空気との熱交換を行う。
室外機側ファンは、熱交換器に熱交換のための空気を送る。
四方切換弁は、例えば冷房運転、暖房運転に応じて、配管経路の切り換えを行う。
膨張弁は、弁の開度を調整し、冷媒の流量を制御する。
圧縮機8は、吸入した冷媒を圧縮し、任意の圧力を加えて吐出する。これにより冷媒配管3内に冷媒を循環させる。
この圧縮機8は、マイコン12からの制御信号により運転が制御される。詳細は後述する。
スイッチ回路11は、集中系の伝送線7と同一冷媒系統内の伝送線4との間で通信信号を中継又は遮断する。
スイッチ回路11は、マイコン12により動作が制御される。
スイッチ回路11が遮断状態(OFF状態)の場合は、集中系の伝送線7と同一冷媒系統内の伝送線4との間の通信を、物理的に隔てる状態となる。つまり、集中系の伝送線7により形成されたバス型伝送路と、当該空調機5内の同一冷媒系統内の伝送線4により形成されたバス型伝送路とが接続されていない状態となる。
このとき、当該空調機5と他の空調機5との間の通信、及び当該空調機5と集中コントローラー6との間の通信は無効(遮断)となる。
一方、スイッチ回路11が中継状態(ON状態)の場合は、集中系の伝送線7と同一冷媒系統内の伝送線4との間の通信を、物理的に接続する状態となる。つまり、集中系の伝送線7により形成されたバス型伝送路と、当該空調機5内の同一冷媒系統内の伝送線4により形成されたバス型伝送路とが接続された状態となる。
このとき、当該空調機5と他の空調機5との間の通信、及び当該空調機5と集中コントローラー6との間の通信が有効(中継)となる。
例えば、通常制御時(定常時)において、スイッチ回路11がON状態となり集中系通信が有効中には、通常制御時の通信情報範囲17(図2)に示す全ての機器間で相互に通信が可能となる。
スイッチ回路11は、例えば、ネットワークにおいて伝送線上を流れる通信信号の再生及び中継を行うリピータを用いることができる。
リピータを用いる場合、ON状態においては、集中系の伝送線7又は同一冷媒系統内の伝送線4の片方から送られてきた通信信号を、例えば波形整形や増幅等を行って、他方の伝送線に送出する。つまり、経路判断等を行わない物理層(OSI参照モデルの第1層)の中継器である。
なお、スイッチ回路11としては、リピータハブを用いても良い。例えば、同一の空調機5内に複数の室外機1を設ける場合には、何れか1つの室外機1にリピータハブを設け、このリピータハブに他の室外機1の同一冷媒系統内の伝送線4を接続するようにしても良い。
なお、スイッチ回路11は、集中系の伝送線7と同一冷媒系統内の伝送線4との間で通信信号を中継又は遮断するものであれば良く、例えば、物理的に伝送線の接続を開閉する開閉器などを用いても良い。
なお、以下の説明では、スイッチ回路11としてリピータを用いるものとして説明する。
通信回路10は、例えばネットワークインタフェースなどにより構成される。
通信回路10は、マイコン12からの通信情報を伝送可能な通信信号に変換して同一冷媒系統内の伝送線4に送出する。また、通信回路は、同一冷媒系統内の伝送線4を伝送する通信信号を取得して、通信情報に復調してマイコン12へ入力する。
これにより、マイコン12は、当該空調機5内の他の機器、他の空調機5、又は集中コントローラー6と通信を行う。
マイコン12は、圧縮機8及びスイッチ回路11の動作を制御する。また、当該空調機5内の各機器の動作を制御する。
マイコン12は、電源の復電時の初期設定や定期通信などを行う。
マイコン12には、当該空調機5の圧縮機8に応じた所定の起動時間の情報が予め設定される。詳細は後述する。
マイコン12は、当該空調機5を識別する識別情報として、予め設定されたアドレス番号の情報を取得する。
このアドレス番号の設定は、例えば室外機1に設けたロータリースイッチなどにより任意の番号が設定される。
なお、アドレス番号の設定はこれに限らず、例えばディップスイッチやリモコンなどにより、任意の番号を設定するようにしても良い。
マイコン12のスイッチ遅延手段13は、アドレス番号に応じて、スイッチ回路11の中継動作を開始させるまでの遅延時間を設定する。詳細は後述する。
なお、本実施の形態1では、本発明の「制御手段」の機能を実現するソフトウェアをマイコン12により実行する場合を説明するが、これに限るものではない。例えば、「制御手段」の機能を実現する回路デバイスなどのハードウェアを用いることもできる。
瞬時停電/停復電検知回路9は、当該空調機5に供給される電源の停電後の復電を検知する。
また、瞬時停電/停復電検知回路9は、当該空調機5に供給される電源の停電から復電までの時間が、所定の時間以下であるとき、瞬時停電を検知する。
例えば、瞬時停電/停復電検知回路9は、室外機電源14の電圧波形のゼロクロス点の通過を検出し、所定時間以上の間ゼロクロス点の通過がないとき停電を検知する。その後、電圧波形のゼロクロス点の通過を検出したとき復電を検知する。
室外機電源14は、例えば商用交流電源であり、室外機1内の圧縮機8、電源回路16、室外機側ファンなどの各構成部や、室内機2内の室内機側ファンなどの各構成部に電源を供給する。
また、空気調和機を構成する複数の空調機5のうち、少なくとも2以上の空調機5の室外機電源14は、ほぼ同時に停電及び復電するものである。
例えば、少なくとも2以上の空調機5は、同一の電源系統の室外機電源14から電源が供給され、ほぼ同時に停電及び復電する。
なお、以下の説明では、複数の空調機5の全てが、ほぼ同時に停電及び復電する場合を説明する。
電源回路16は、室外機電源14からの交流電源を、所定の直流電源に変換して、マイコン12、スイッチ回路11や室外機1内の各機器に供給する。
また、電源回路16より変換された直流電源は、同一冷媒系統内の伝送線4により、制御用電源として、室内機2及びリモコン15に供給される。
なお、本実施の形態1では、電源回路16により交流電源を直流電源に変換する場合を説明するが、本発明はこれに限るものではなく、電源回路16を設けない構成とし、交流電源を各機器に供給しても良い。
以上、本実施の形態における空気調和機の構成について説明した。
ここで、本発明の実施の形態に係る空気調和機の動作説明の前に、通信信号の遮断制御を行わない場合における復電時の通信トラフィック量の増大について説明する。
上記のような構成の空気調和機において、通常制御時(定常時)には、各空調機5の室外機1は、同一冷媒系統内の伝送線4により、当該空調機5の室内機2と冷媒制御に必要なデータの通信を行う。
また、通常制御時はスイッチ回路11がON状態である。そして、スイッチ回路11を介して、集中系の伝送線7により、他の空調機5及び集中コントローラー6との冷媒制御に必要なデータの通信を行う。
このような状態において、各空調機5に供給される室外機電源14が停電し、その後に復電したとき、瞬時停電/停復電検知回路9は、室外機電源14の停電後の復電を検知する。
そして、マイコン12は、復電が検知されると、当該空調機5の室内機2などに対する初期設定の制御信号を、同一冷媒系統内の伝送線4に送信する。
また、マイコン12は、通信信号の遮断制御を行わない場合、初期設定完了後すぐに(圧縮機8が起動前に)スイッチ回路11をON状態にする。これにより、同一冷媒系統内の伝送線4と集中系の伝送線7との間の通信が有効となる。
このとき各空調機5は、ほぼ同時に復電するため、各空調機5は復電から初期設定完了までのほぼ同時刻にスイッチ回路11がON状態となる。
このため、例えば圧縮機8の起動制御信号など、復電から所定時間経過した後に送信される通信情報は、同一空調機5内の同一冷媒系統内の伝送線4のみならず、集中系の伝送線7、及び他の空調機5の同一冷媒系統内の伝送線4に対しても伝送されることとなる。
これにより、各空調機5の同一冷媒系統内の伝送線4、及び集中系の伝送線7の通信トラフィック量が増大することになる。
この通信トラフィック量の増大により、各機器から送信された通信コマンドは競合(通信衝突検知)する。そして、プロトコルで指定された通信優先度の低い通信コマンドは一定時間後の再送処理にまわされる。
また、通信衝突検知が連続することにより、通信コマンドの遅延が発生し、送信すべきタイミングに送信されない場合がある。
また、通信トラフィック量の増大により、電圧低下検知(瞬時停電検知)時に、同一冷媒系統内の伝送線4に送信すべき通信コマンドが送信されないまま電圧低下し、通信コマンドの消失が生じる場合がある。
これにより、室外機1から室内機2に対して、室外機1の「電圧低下」を通知できず、室内機2に状態変化をさせることができない現象が生じる場合がある。
また、このような送信遅延や消失により、室内機2から室外機1への通信コマンドが、変化時送信として送信されない。このため、圧縮機8を運転するための制御信号の送信が、定期通信間隔の時間分遅延する。
また、通信トラフィック量の増大により、室内機2から室外機1に対して、室内機2の「停電」を通知する通信コマンドが遅延し、室内機2は、復電後に室外機1からの「室内機停電」に対する後処理の通信コマンドを受信することがある。
これにより、室内機2が復電により運転開始したにも関わらず、室外機1が室内機2を停止させることがある。
また、復電後、ほぼ同時刻にスイッチ回路11がON状態となる。このため、復電後の処理に必要な通信と、初期設定終了後の通常制御として行う定期通信とが、各伝送線内で競合(通信衝突)する。
そして、通信衝突検知による再送処理が、規定数を超える再送回数に達すると、マイコン12は、バスビジー処理として、圧縮機8を一定時間停止させるように動作させる。
これにより、復電後に起動した圧縮機8が停止し、復電後に圧縮機8の運転が継続できなくなる。このため、空調負荷に応じた冷房運転などの空調運転が目標能力に達するまでの時間が長くなる。
このような通信信号の遮断制御を行わない場合における、復電時の通信トラフィック量の増大の一例を図3に示す。
図3は通信信号の遮断制御を行わない場合における復電後の通信トラフィック量を示す図である。
図3においては、復電後の初期処理終了時にスイッチ回路11をON状態とし、その後(約20秒経過時)、圧縮機8を起動する制御信号を送出する場合の通信トラフィック量を示している。
なお、送信コマンドの周期は、約15秒及び約60秒である。また、バスビジー状態による再送処理周期は2秒である。なお、図3の例では、空調機5が50台の場合を示している。
図3に示すように、室外機1の電源電圧の復電後、約20秒で通信トラフィック量が90パーセント以上となり、その状態が約1分20秒継続する。
このとき室外機1のマイコン12はバスビジー状態を検知する。
室外機1のマイコン12は、バスビジー状態を検知すると、バスビジー状態により送信できないコマンドの再送処理を所定時間間隔毎(2秒)に実施する。
そして、バスビジー状態による連続再送処理が所定回数(例えば15回)に達すると、室内機2との通信ができないと判断し、空調機5の冷媒回路動作を停止させるために圧縮機8を停止させる。これにより、室外機1の圧縮機8は一旦休止状態となる。
次に、上記のような通信トラフィック量の増大を抑制する、本実施の形態における空気調和機の動作について説明する。
通常制御時(定常時)には、各空調機5の室外機1は、同一冷媒系統内の伝送線4により、当該空調機5の室内機2と冷媒制御に必要なデータの通信を行う。
また、スイッチ回路11を介して、集中系の伝送線7により、他の空調機5及び集中コントローラー6との冷媒制御に必要なデータの通信を行う。
このような状態において、各空調機5に供給される室外機電源14が停電し、その後に復電したときの動作について、図4により説明する。
図4は実施の形態1における空気調和機の動作を示すフローチャートである。
以下、図4の各ステップについて説明する。
(S101)
まず、マイコン12は、瞬時停電/停復電検知回路9が復電を検知したか否かを判断する。復電を検知しない場合は、ステップS108へ進み、通常制御を行う。
(S102)
一方、瞬時停電/停復電検知回路9が復電を検知した場合、マイコン12は、スイッチ回路11をOFF状態にする。スイッチ回路11は、集中系の伝送線7と同一冷媒系統内の伝送線4との間の通信信号を遮断する。
なお、スイッチ回路11として例えばリピータを用いる場合、停電により電源が遮断され、復電時の状態が常にOFF状態であるときは、本ステップS102を省略しても良い。
(S103)
次に、マイコン12は、当該空調機5内の室内機2やリモコンなどの各機器に対する初期設定を行う。
(S104)
次に、マイコン12は、復電の検知から、圧縮機8に応じて予め設定された所定の起動時間を経過したか否かを判断する。
マイコン12は、所定の起動時間を経過していないと判断した場合、ステップS104を繰り返す。
ここで、所定の起動時間としては、例えば、圧縮機8が停電により運転を停止し、再起動する際に、圧縮機8が破損しない最短の時間を設定する。この起動時間は圧縮機の種類・能力等に応じて適宜設定される。
なお、起動時間はこれに限るものではなく、少なくとも、圧縮機8が破損しない最短の起動時間より長ければ任意の時間を設定することできる。
(S105)
ステップS104で、圧縮機8に応じて予め設定された所定の起動時間を経過したと判断した場合、マイコン12は、圧縮機8を運転させる制御信号を、同一冷媒系統内の伝送線4を介して送信する。
圧縮機8は、マイコン12からの制御信号に基づき、運転を開始する。
ここでは、スイッチ回路11はOFF状態であるため、同一冷媒系統内の伝送線4を介して送信された制御信号は、同一空調機5内の伝送路のみを伝送されることになる。
(S106)
次に、マイコン12は、当該空調機5のアドレス番号に応じて、ON遅延時間を算出する。そして、マイコン12は、圧縮機8を運転させる制御信号の送信から、ON遅延時間を経過したか否かを判断する。
このON遅延時間とは、圧縮機8を運転させる制御信号の送信から、スイッチ回路11により通信信号を中継させるまでの時間である。
本実施の形態では、例えば、ON遅延時間を「アドレス番号×1秒」とする。
(S107)
マイコン12は、ON遅延時間を経過したと判断したとき、スイッチ回路11をON状態にさせる。スイッチ回路11は、集中系の伝送線7と同一冷媒系統内の伝送線4との間で通信信号を中継可能な状態となる。
これにより、当該空調機5と他の空調機5との間の通信、及び当該空調機5と集中コントローラー6との間の通信が有効となる。
(S108)
次に、マイコン12は、通常制御状態に移行する。
これにより、復電からスイッチ回路11がON状態となるまでの時間は、「圧縮機8の起動時間+アドレス番号×1秒」となる。
つまり、各空調機5のスイッチ回路11がON状態になるタイミングは、そのアドレス番号に応じて、「アドレス番号+1秒」の間隔でずれることとなる。
なお、スイッチ回路11のON遅延時間を大きく取りすぎると、各空調機5と集中コントローラー6との通信不可時間が長くなり、通信異常が発生する場合があるため、スイッチ回路11のON遅延時間は、通信異常の検知時間よりも短くするのが望ましい。
このような動作による通信トラフィック量と経過時間との関係を図5に示す。
図5は実施の形態1における空気調和機の復電後の通信トラフィック量を示す図である。
図5においては、上述した圧縮機の起動時間を復電後20秒とし、ON遅延時間を「アドレス番号×1秒」とした場合の通信トラフィック量を示している。
なお、送信コマンドの周期は、約15秒及び約60秒である。また、バスビジー状態による再送処理周期は2秒である。なお、図5の例では、空調機5が50台の場合を示している。
図5に示すように、室外機1の電源電圧の復電後、約20秒から約1分20秒までの通信トラフィック量が抑制されているのが分かる。
また、室外機1の電源電圧の復電後、約1分20秒後に通信トラフィック量が90パーセント以上となるが、その状態の継続時間は約15秒である。
そのため、通信トラフィック量が90パーセント以上の状態において、室外機1のマイコン12がバスビジー状態による送信できないコマンドの再送処理の実施回数は、15秒÷2=7回となる。これは、室外機1の圧縮機8を一旦休止状態にする条件である「連続再送処理の所定回数(15回)」以下である。
これにより、マイコン12は、室内機2との通信ができないと判断することはなく、室外機1の圧縮機8の一旦休止を防止できる。
以上のように本実施の形態においては、復電を検知したとき、スイッチ回路11により、集中系の伝送線7と同一冷媒系統内の伝送線4との間の通信信号を遮断させる。そして、復電を検知した後、圧縮機8を運転させる制御信号を、同一冷媒系統内の伝送線4を介して送信し、圧縮機8を運転させる制御信号を送信した後、スイッチ回路11により、集中系の伝送線7と同一冷媒系統内の伝送線4との間で通信信号を中継させる。
このため、復電後に送信する圧縮機8を運転させる制御信号が、集中系の伝送線7及び他の空調機5内の同一冷媒系統内の伝送線4に伝送されることがない。
よって、復電後の各空調機5内の通信トラフィック量の増加を抑制することができる。
また、復電後の各空調機5内の通信トラフィック量の増加を抑制することにより、通信コマンドの遅延又は消失を低減することができる。
また、復電後の各空調機5内の通信トラフィック量の増加を抑制することにより、通信衝突の継続に伴う圧縮機8の停止動作を回避することができる。
これにより、復電後、空調機5が目標の空調能力に達するまでの時間を短縮することができる。
また、複数の空調機5のうち、少なくとも2以上の空調機5が、同一の電源系統からの室外機電源14の電源が供給される。
このため、複数の空調機5への電源が同時に復電し、各空調機5内のマイコン12から、圧縮機8を運転させる制御信号がほぼ同時に送信された場合であっても、通信トラフィック量の増加を抑制することができる。
また、復電の検知から少なくとも圧縮機8の起動時間を経過した後、圧縮機8を運転させる制御信号を、同一冷媒系統内の伝送線4を介して送信する。
このため、復電後に圧縮機8を再起動する際、圧縮機8が破損しない最短の時間を経過した以後に圧縮機8の運転を開始させることができる。
また、起動時間を圧縮機8が破損しない最短の時間と設定することで、復電後、圧縮機8の動作保証が可能な最短時間で圧縮機起動を再開することができる。
したがって、復電後、早期に圧縮機8を起動し、圧縮機8の運転を継続することができる。
これにより、復電後、空調機5が目標の空調能力に達するまでの時間を短縮することができる。
また、空調機5の識別番号に応じてON遅延時間を設定し、圧縮機8を運転させる制御信号の送信から、スイッチ回路11により通信信号を中継させるまでの時間を設定する。
このため、各空調機5のスイッチ回路11がON状態になるタイミングをそれぞれずらすことができる。
よって、スイッチ回路11のONにより、通信トラフィック量が急激に増加するのを抑制することができる。
また、スイッチ回路11の動作により、復電後の通信トラフィック量の増加を抑制することができるので、データ変化の有無やデータ内容に無関係に、コマンド長を変更することなく、かつプログラム容量を肥大しないよう煩雑なアルゴリズムなしに、必要な期間のトラフィック軽減させる効果が得られる。
よって、通信制御の内容を変更することなくシステム規模の拡大を図ることができる。
また、通信量タイミングの変更、通信コマンドの集約、分散、フィールド長の短縮、変化なしデータへの短パケットなど、すなわち通信シーケンスやプロトコルの変更なく、スイッチ回路11のONタイミングの制御のみで圧縮機8の起動遅延防止や一旦休止防止を実現でき、容易に実現できるというメリットがある。
なお、本実施の形態1では、空調機5の識別番号としてアドレス番号を用い、このアドレス番号に応じてON遅延時間を求める場合を説明したが、本発明はこれに限るものではない。
例えば、2以上の空調機5に識別情報としてグループ番号を設定し、このグループ番号に応じて、スイッチ回路11をON状態にするタイミングをずらすようにしても良い。
これにより、複数の空調機5全体のON遅延時間を短縮することが可能となり、復電から全ての空調機5のスイッチ回路11がON状態となるまでの時間を短縮できる。
なお、本実施の形態1では、スイッチ回路11のON遅延時間は「アドレス番号×1秒」を使用したが、本発明はこれに限るものではない。
例えば、復電後のバスビジー状態の継続時間が「連続再送処理の所定回数×再送処理の所定時間間隔」以下となるように調整すれば、任意の時間を設定することができる。
例えば、ON遅延時間を、予め設定された所定時間の範囲内でランダムに設定するようにしても良い。この所定時間としては、例えば、「連続再送処理の所定回数×再送処理の所定時間間隔」以下の任意の時間を設定する。
このような動作によっても、各空調機5のスイッチ回路11がON状態となるタイミングをそれぞれずらすことができ、同様の効果を得ることができる。
実施の形態2.
上記実施の形態1では、圧縮機8の起動後、アドレス番号に応じたON遅延時間を経過した後にスイッチ回路11をON状態とした。
本実施の形態2では、室外機電源14が瞬時停電の場合には、ON遅延時間を設けずにスイッチ回路11をON状態とする。
瞬時停電の場合には、上記実施の形態1で説明した停電後の処理とは異なり、不揮発性メモリ等の情報をマイコン12が制御に使用するため、初期設定を行うための通信量は、停電時と比較して少ない。又は初期設定を行う必要がない。
このため、本実施の形態2では、圧縮機8の運転に係る通信が完了した後、上記ステップS106のON遅延時間を待たずに、スイッチ回路11をON状態にする。
つまり、瞬時停電のときは、上記実施の形態1で説明した停復電時の場合と比べて、過渡状態の通信トラフィック量が小さいため、スイッチ回路11のONタイミングをずらさない。
以下、本実施の形態2における空気調和機の動作を説明する。
なお、本実施の形態2における空気調和機の構成は、上記実施の形態1と同様であり、同一部分には同一の符号を付する。
図6は実施の形態2における空気調和機の動作を示すフローチャートである。
以下、図6の各ステップについて、上記実施の形態1との相違点を中心に説明する。
(S201)
まず、マイコン12は、瞬時停電/停復電検知回路9が復電を検知したか否かを判断する。復電を検知しない場合は、ステップS207へ進み、通常制御を行う。
(S202)
次に、マイコン12は、瞬時停電/停復電検知回路9が瞬時停電を検知したか否かを判断する。
瞬時停電を検知していないと判断した場合、マイコン12は、上述した実施の形態1の動作(S101〜S108)により、停電時の動作を行う。
(S203)
一方、瞬時停電を検知したと判断した場合、マイコン12は、上述した実施の形態1のステップS102と同様に、スイッチ回路11をOFF状態にする。
(S204、S205)
次に、本実施の形態2では、マイコン12は、初期設定を行わずに、圧縮機8に応じた所定の起動時間の経過後、圧縮機8を運転させる起動信号を送信する。
なお、所定の起動時間として、例えば、圧縮機8が破損しない最短の時間を設定する。
なお、起動時間はこれに限るものではなく、少なくとも、圧縮機8が破損しない最短の起動時間より長ければ任意の時間を設定することできる。
(S206)
そして、マイコン12は、圧縮機8の起動信号の送受信が完了し、数秒経過したあと、スイッチ回路11をON状態にさせる。スイッチ回路11は、集中系の伝送線7と同一冷媒系統内の伝送線4との間で通信信号を中継可能な状態となる。
これにより、当該空調機5と他の空調機5との間の通信、及び当該空調機5と集中コントローラー6との間の通信が有効となる。
なお、本実施の形態2では、圧縮機8の起動信号の送受信が完了し、数秒経過したあと、スイッチ回路11をON状態にさせたが、本発明はこれに限るものではなく、復電の検知から少なくとも圧縮機8の起動時間を経過した後であれば任意の時間を設定することができる。
例えば、圧縮機8の起動信号の送受信が完了した直後にスイッチ回路11をON状態にさせても良い。
(S208)
次に、マイコン12は、通常制御状態に移行する。
このような動作により、瞬時停電の場合には、復電の検知から圧縮機8の起動時間を経過したときに、圧縮機8を運転させる制御信号を、同一冷媒系統内の伝送線4を介して送信し、スイッチ回路11により通信信号を中継させる。
以上のように本実施の形態においては、瞬時停電/停復電検知回路9が瞬時停電を検知し、かつ、復電の検知から少なくとも圧縮機8の起動時間を経過した後、圧縮機8を運転させる制御信号を、同一冷媒系統内の伝送線4を介して送信し、復電の検知から少なくとも圧縮機8の起動時間を経過した後、スイッチ回路11により通信信号を中継させる。
このため、上記実施の形態1の効果に加え、瞬時停電時には、停電時と比較して、復電から全ての空調機5のスイッチ回路11がON状態となるまでの時間を短縮できる。
また、上記動作とすることで、軽微なアルゴリズムで動作することができる。
実施の形態3.
本実施の形態3では、定期通信コマンドによる通信トラフィック量の増加を抑制する動作について説明する。
空気調和機の各空調機5は、通常制御時においては、所定の周期間隔で、定期通信に関する通信情報(定期通信コマンド)を送受信する。
このような定期通信コマンドを送受信する複数の空調機5が、ほぼ同時に復電した場合、それぞれ初期設定処理(圧縮機起動を含む)の後、定期通信を開始することになり、各空調機5から送信される定期通信コマンドが、ほぼ同じ周期で送信されることとなる。
例えば、上述した実施の形態1の図5の例に示すように、復電後の通信トラフィック量は、約60秒間隔及び約15秒間隔で増加していることが分かる。これは、定期通信間隔が約15秒及び約60秒であるため、複数の空調機5が同時に復電した場合、その定期コマンドのタイミングがほぼ同時になることに起因する。
特に、図5の例では、初期設定が約20秒経過時に完了して圧縮機8を起動し、その後、約60秒経過した1分20秒後に通信トラフィック量がピークとなっている。
実施の形態3では、定期送信用の通信コマンドの送信タイミングをずらすことにより、復電後の定期通信に伴う通信トラフィック量の増加を抑制する。
図7は実施の形態3における空気調和機の動作を示すフローチャートである。
図8は実施の形態3における空気調和機の動作を示すシーケンス図である。
以下、図7の各ステップに基づき、図8を参照しながら、本実施の形態の動作について説明する。
なお、本実施の形態3におけるマイコン12は、経過時間を計時する定期通信用タイマーを有する。その他の構成は、上記実施の形態1と同様であり、同一部分には同一の符号を付する。
(S301)
まず、マイコン12は、瞬時停電/停復電検知回路9が復電を検知した後、当該空調機5内の室内機2やリモコンなどの各機器に対する各種の初期設定を行い、初期設定が完了したか否かを判断する。
(S302)
次に、マイコン12は、定期通信用タイマーの初期値として定期通信時間値(MAX値)をセットする。ここで、定期通信時間値(MAX値)としては、例えば15秒を設定する。
(S303)
次に、マイコン12は、当該空調機5のアドレス番号が偶数であるか否かを判断する。
当該空調機5のアドレス番号が偶数でない場合はステップS305に進む。
(S304)
一方、当該空調機5のアドレス番号が偶数である場合、マイコン12は、定期通信用タイマーの初期値を減少させる。ここでは、例えば、上記の定期通信時間値(MAX値)の約半分の時間を遅延時間とし、上記ステップS302でセットした定期通信用タイマーの値から遅延時間を差し引いた値を、新たな定期通信タイマーの初期値として再セットする。
なお、遅延時間はこれに限るものではなく、通信衝突に伴う再送処理時間と定期通信間隔との関係など、空気調和機の通信動作内容に応じて適宜設定することができる。
(S305)
次に、マイコン12は、定期通信用タイマーをスタートさせ、経過時間を計時する。そして、定期通信用タイマーの値が定期通信時間値(MAX値)以上であるか否かを判断する。
(S306)
定期通信用タイマーが定期通信時間値(MAX値)以上となったとき、マイコン12は、定期通信コマンドの送信を開始する。
つまり、偶数アドレスの空調機5内のマイコン12は、上記ステップS304で設定した定期通信タイマーの初期値から、定期通信時間値(MAX値)まで経過した後、すなわち、遅延時間を経過した後、定期通信コマンドを送信する。
一方、奇数アドレスの空調機5内のマイコン12は、上記ステップS302で設定した定期通信タイマーの初期値が定期通信時間値(MAX値)であるので、遅延時間の経過を待たずに定期通信コマンドを送信する。
これにより、図8に示すように、奇数アドレス番号の室外機1は、初期設定完了後、定期通信コマンドの送信を即開始する。
一方、偶数アドレス番号の室外機1は、定期通信間隔の約半分を差し引いた時間分遅延して、定期送信コマンドの送信を開始する。
(S307)
次に、マイコン12は、定期通信用タイマーの初期値としてゼロをセットし、ステップS305に戻り、ステップS305〜S307を繰り返す。
これにより、図8に示すように、奇数アドレス及び偶数アドレスの室外機1は共に、定期通信時間値(MAX値)の間隔で、定期通信コマンドを送信する。
このように、初回の定期送信コマンドの送信タイミングを、偶数アドレスの室外機1については、遅延時間だけ遅らせることで、ほぼ同時に送信される定期コマンドを約半分にすることができる。
なお、上記説明では、初期設定の完了後から定期通信を開始するまでの時間を遅延させたが、本発明はこれに限るものではなく、復電から定期通信の開始までの時間を遅延させるものであれば良い。
例えば、復電の検知から定期通信開始までの時間を、アドレス番号に応じて遅延させるようにしても良い。また、圧縮機8の起動後から定期通信を開始するまでの時間を、アドレス番号等に応じて遅延させても良い。
以上のように本実施の形態においては、復電の検知から、識別情報に応じて定めた遅延時間を経過したとき、所定の定期通信を開始する。そして、所定の定期通信の開始後、所定周期の間隔で、定期通信に関する通信情報を送信する。
このため、上記実施の形態1又は2の効果に加え、復電後、所定周期の間隔で送信される定期通信コマンドの送信タイミングをずらすことができ、通信トラフィック量の増大を抑制することができる。
例えば図5に示す例では、復電後の定期通信コマンドの送信タイミングをずらして、通信トラフィック量を時間軸で分散することで、通信トラフィック量が90パーセント以上となる時間を短くでき、上記実施の形態1又は2よりもさらに、コマンドの連続衝突が軽減することができる。
また、復電後の過渡状態における通信トラフィック量の分散効果だけでなく、通常制御時の通信トラフィック量についても軽減することが可能となる。
なお、本実施の形態3では、アドレス番号により偶数アドレスグループと奇数アドレスグループに分けたが、任意倍数毎のグループに分けることも可能である。
定期通信の間隔が通信開始をずらすのに十分な長さがあり、ユニットの台数が多数である場合に有効である。
また、グループが奇数、偶数の2つであることから、定期通信間隔の半分の時間を開始遅延させたが、通信衝突率を下げる時間であれば、開始遅延時間は「通信時間間隔÷グループ数」に限らない。
例えば、復電の検知から、予め設定された所定周期の範囲内でランダムに設定した時間を経過したとき、所定の定期通信を開始し、定期通信の開始後、所定周期の間隔で、定期通信コマンドを送信するようにしても良い。
このような動作であっても、同様の効果を得ることができる。
なお、本実施の形態3では、室外機1から送信する定期通信コマンドをずらす場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、集中系通信コマンド(他の空調機5と、当該空調機5との間の通信コマンド、又は当該空調機5と集中コントローラー6との間の通信コマンド)でも同様の効果を得ることができる。
1 室外機、2 室内機、3 冷媒配管、4 同一冷媒系統内の伝送線、5 空調機、6 集中コントローラー、7 集中系の伝送線、8 圧縮機、9 瞬時停電/停復電検知回路、10 通信回路、11 スイッチ回路、12 マイコン、13 スイッチ遅延手段、14 室外機電源、15 リモコン、16 電源回路、17 通常制御時の通信情報範囲。

Claims (9)

  1. 室外機と室内機とを冷媒配管で接続し、圧縮機により冷媒を循環させる空調ユニットを複数備え、該複数の空調ユニット間の通信が第1の伝送線により相互に接続された空気調和機において、
    前記空調ユニットは、
    当該空調ユニット内の前記室内機と前記室外機との間の通信を相互に接続する第2の伝送線と、
    前記第1の伝送線と前記第2の伝送線との間で通信信号を中継又は遮断する中継装置と、
    当該空調ユニットに供給される電源の停電後の復電を検知する復電検知手段と、
    少なくとも前記圧縮機及び前記中継装置の動作を制御する制御手段と
    を備え、
    前記制御手段は、
    前記復電検知手段が復電を検知したとき、前記中継装置により、前記第1の伝送線と前記第2の伝送線との間の通信信号を遮断させ、
    前記復電検知手段が復電を検知した後、前記圧縮機を運転させる制御信号を、前記第2の伝送線を介して送信し、
    前記圧縮機を運転させる制御信号を送信した後、前記中継装置により、前記第1の伝送線と前記第2の伝送線との間で通信信号を中継させる
    ことを特徴とする空気調和機。
  2. 前記複数の空調ユニットのうち、少なくとも2以上の空調ユニットが、同一の電源系統から電源が供給される
    ことを特徴とする請求項1記載の空気調和機。
  3. 前記制御手段は、
    当該空調ユニットの前記圧縮機に応じた所定の起動時間の情報が予め設定され、
    前記復電の検知から少なくとも前記起動時間を経過した後、前記圧縮機を運転させる制御信号を、前記第2の伝送線を介して送信する
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の空気調和機。
  4. 前記複数の空調ユニットは、それぞれ識別情報が設定され、
    前記制御手段は、
    当該空調ユニットの前記識別情報に応じて、前記圧縮機を運転させる制御信号の送信から、前記中継装置により前記通信信号を中継させるまでの時間を設定する
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の空気調和機。
  5. 前記制御手段は、
    前記圧縮機を運転させる制御信号の送信から、前記中継装置により前記通信信号を中継させるまでの時間を、予め設定された所定時間の範囲内でランダムに設定する
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の空気調和機。
  6. 前記空調ユニットは、
    当該空調ユニットに供給される電源の停電から復電までの時間が、所定の時間以下であるとき、瞬時停電を検知する瞬時停電検出手段を備え、
    前記制御手段は、
    当該空調ユニットの前記圧縮機に応じた所定の起動時間の情報が予め設定され、
    前記瞬時停電検出手段が瞬時停電を検知し、かつ、前記復電の検知から少なくとも前記起動時間を経過した後、前記圧縮機を運転させる制御信号を、前記第2の伝送線を介して送信し、
    前記復電の検知から少なくとも前記起動時間を経過した後、前記中継装置により前記通信信号を中継させる
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の空気調和機。
  7. 前記複数の空調ユニットは、それぞれ識別情報が設定され、
    前記制御手段は、
    前記復電の検知から、前記識別情報に応じて定めた遅延時間を経過したとき、所定の定期通信を開始し、
    前記所定の定期通信の開始後、所定周期の間隔で、定期通信に関する通信情報を送信する
    ことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の空気調和機。
  8. 前記制御手段は、
    前記復電の検知から、予め設定された所定周期の範囲内でランダムに設定した時間を経過したとき、所定の定期通信を開始し、
    前記定期通信の開始後、前記所定周期の間隔で、定期通信に関する通信情報を送信する
    ことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の空気調和機。
  9. 前記第1の伝送線により前記複数の空調ユニットと接続され、該複数の空調ユニットの動作を制御する集中コントローラーを備えた
    ことを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の空気調和機。
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