JP5264652B2 - 空気調和機 - Google Patents
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Description
そして、集中系の伝送線と同一冷媒系統内の伝送線とを接続することにより、集中系の伝送線を用いた通信にて、各空調ユニットの相互間の通信情報(制御データなど)や、集中コントローラーから各空調ユニットへの通信情報の送受信が可能となる。
このようなことから、一般に、通信トラフィック量が過剰とならないように、通信制御の内容(通信コマンド、通信シーケンスやプロトコルなど)に応じて、接続可能な空調ユニットの台数などを設定する。
特に、復電後、早期に圧縮機を起動する必要がある場合には、上記再運転に必要な通信に加え、圧縮機の運転に関する通信が行われるので、上記問題点は顕著である。
これにより、復電後、空調ユニットが目標の空調能力に達するまでの時間が長くなる、という問題点があった。
また、復電後、早期に圧縮機を起動し、圧縮機の運転を継続することができる空気調和機を得るものである。
また、通信制御の内容を変更することなくシステム規模の拡大を図ることができる空気調和機を得るものである。
室外機と室内機とを冷媒配管で接続し、圧縮機により冷媒を循環させる空調ユニットを複数備え、該複数の空調ユニット間の通信が第1の伝送線により相互に接続された空気調和機において、
前記空調ユニットは、
当該空調ユニット内の前記室内機と前記室外機との間の通信を相互に接続する第2の伝送線と、
前記第1の伝送線と前記第2の伝送線との間で通信信号を中継又は遮断する中継装置と、
当該空調ユニットに供給される電源の停電後の復電を検知する復電検知手段と、
少なくとも前記圧縮機及び前記中継装置の動作を制御する制御手段と
を備え、
前記制御手段は、
前記復電検知手段が復電を検知したとき、前記中継装置により、前記第1の伝送線と前記第2の伝送線との間の通信信号を遮断させ、
前記復電検知手段が復電を検知した後、前記圧縮機を運転させる制御信号を、前記第2の伝送線を介して送信し、
前記圧縮機を運転させる制御信号を送信した後、前記中継装置により、前記第1の伝送線と前記第2の伝送線との間で通信信号を中継させるものである。
このため、復電後の通信トラフィック量の増加を抑制することができる。
図1及び図2は実施の形態1における空気調和機の構成を示す図である。
図1及び図2に示すように、本実施の形態における空気調和機は、複数の空調機5と、集中コントローラー6とを備える。
複数の空調機5間は、集中系の伝送線7により相互に接続されている。
また、集中コントローラー6は、集中系の伝送線7により複数の空調機5と接続されている。集中コントローラー6は、複数の空調機5の動作を制御するものである。
集中系の伝送線7は、各空調機5及び集中コントローラー6と接続されることによりバス型伝送路を形成する。
なお、「集中系の伝送線7」は、本発明における「第1の伝送線」に相当する。
室外機1と室内機2とは冷媒配管3により接続されており、冷媒配管3中を流れる冷媒の圧力を変化させて冷媒の吸熱、放熱により空気調和を行う。
また、空調機5内の室外機1と、室内機2と、リモコン15との間は、同一冷媒系統内の伝送線4により相互に接続されている。
同一冷媒系統内の伝送線4は、当該空調機5内の室外機1、室内機2、及びリモコン15と接続されることによりバス型伝送路を形成する。
また、図2では、複数の室外機1を設ける場合に、同一空調機5内の室外機1間を集中系の伝送線7により接続する場合を示すが、これに限るものではない。例えば、後述するスイッチ回路11を同一空調機5内の何れか1つに設けるようにしても良い。
なお、以下、「集中系の伝送線7」と各空調機5内の「同一冷媒系統内の伝送線4」とを総称して単に「伝送線」ともいう。
室内機2は、図示しない室内機側熱交換器、室内機側ファン、室内機側膨張弁などを備える。
室内機2は、同一冷媒系統内の伝送線4を介して、通信情報を送信及び受信する。
室内機2は、受信した通信情報等に基づいて、室内機2を構成する各部の動作を制御する。
室内機側熱交換器は、熱交換器内を通過する冷媒と空気との熱交換を行う。
室内機側ファンは、熱交換器に空気を送り熱交換させ、さらに熱交換された空気を室内に送り込む。
室内機側膨張弁は、弁の開度を調整し、冷媒の流量を制御する。これにより、室内機側熱交換器を通過する冷媒量を制御し、室内機側熱交換器における冷媒の蒸発等を調整する。
リモコン15は、同一冷媒系統内の伝送線4を介して、通信情報を送信及び受信する。
例えば使用者からの操作入力に応じて、室内の設定温度、設定湿度などの情報を、同一冷媒系統内の伝送線4を介して送信する。
室外機1は、圧縮機8と、瞬時停電/停復電検知回路9と、通信回路10と、スイッチ回路11と、マイコン12と、電源回路16とを備える。また、マイコン12は、スイッチ遅延手段13を備える。
なお、「瞬時停電/停復電検知回路9」は、本発明における「瞬時停電検出手段」及び「復電検知手段」に相当する。
なお、「マイコン12」は、本発明における「制御手段」に相当する。
室外機1は、マイコン12に設定された機能や、受信した通信情報等に基づいて、室外機1を構成する各部の動作を制御する。
室外機側熱交換器は、熱交換器を通過する冷媒と空気との熱交換を行う。
室外機側ファンは、熱交換器に熱交換のための空気を送る。
四方切換弁は、例えば冷房運転、暖房運転に応じて、配管経路の切り換えを行う。
膨張弁は、弁の開度を調整し、冷媒の流量を制御する。
この圧縮機8は、マイコン12からの制御信号により運転が制御される。詳細は後述する。
スイッチ回路11は、マイコン12により動作が制御される。
スイッチ回路11が遮断状態(OFF状態)の場合は、集中系の伝送線7と同一冷媒系統内の伝送線4との間の通信を、物理的に隔てる状態となる。つまり、集中系の伝送線7により形成されたバス型伝送路と、当該空調機5内の同一冷媒系統内の伝送線4により形成されたバス型伝送路とが接続されていない状態となる。
このとき、当該空調機5と他の空調機5との間の通信、及び当該空調機5と集中コントローラー6との間の通信は無効(遮断)となる。
このとき、当該空調機5と他の空調機5との間の通信、及び当該空調機5と集中コントローラー6との間の通信が有効(中継)となる。
例えば、通常制御時(定常時)において、スイッチ回路11がON状態となり集中系通信が有効中には、通常制御時の通信情報範囲17(図2)に示す全ての機器間で相互に通信が可能となる。
リピータを用いる場合、ON状態においては、集中系の伝送線7又は同一冷媒系統内の伝送線4の片方から送られてきた通信信号を、例えば波形整形や増幅等を行って、他方の伝送線に送出する。つまり、経路判断等を行わない物理層(OSI参照モデルの第1層)の中継器である。
なお、スイッチ回路11は、集中系の伝送線7と同一冷媒系統内の伝送線4との間で通信信号を中継又は遮断するものであれば良く、例えば、物理的に伝送線の接続を開閉する開閉器などを用いても良い。
通信回路10は、マイコン12からの通信情報を伝送可能な通信信号に変換して同一冷媒系統内の伝送線4に送出する。また、通信回路は、同一冷媒系統内の伝送線4を伝送する通信信号を取得して、通信情報に復調してマイコン12へ入力する。
これにより、マイコン12は、当該空調機5内の他の機器、他の空調機5、又は集中コントローラー6と通信を行う。
マイコン12は、電源の復電時の初期設定や定期通信などを行う。
マイコン12には、当該空調機5の圧縮機8に応じた所定の起動時間の情報が予め設定される。詳細は後述する。
このアドレス番号の設定は、例えば室外機1に設けたロータリースイッチなどにより任意の番号が設定される。
なお、アドレス番号の設定はこれに限らず、例えばディップスイッチやリモコンなどにより、任意の番号を設定するようにしても良い。
また、瞬時停電/停復電検知回路9は、当該空調機5に供給される電源の停電から復電までの時間が、所定の時間以下であるとき、瞬時停電を検知する。
例えば、瞬時停電/停復電検知回路9は、室外機電源14の電圧波形のゼロクロス点の通過を検出し、所定時間以上の間ゼロクロス点の通過がないとき停電を検知する。その後、電圧波形のゼロクロス点の通過を検出したとき復電を検知する。
また、空気調和機を構成する複数の空調機5のうち、少なくとも2以上の空調機5の室外機電源14は、ほぼ同時に停電及び復電するものである。
例えば、少なくとも2以上の空調機5は、同一の電源系統の室外機電源14から電源が供給され、ほぼ同時に停電及び復電する。
なお、以下の説明では、複数の空調機5の全てが、ほぼ同時に停電及び復電する場合を説明する。
また、電源回路16より変換された直流電源は、同一冷媒系統内の伝送線4により、制御用電源として、室内機2及びリモコン15に供給される。
なお、本実施の形態1では、電源回路16により交流電源を直流電源に変換する場合を説明するが、本発明はこれに限るものではなく、電源回路16を設けない構成とし、交流電源を各機器に供給しても良い。
また、通常制御時はスイッチ回路11がON状態である。そして、スイッチ回路11を介して、集中系の伝送線7により、他の空調機5及び集中コントローラー6との冷媒制御に必要なデータの通信を行う。
そして、マイコン12は、復電が検知されると、当該空調機5の室内機2などに対する初期設定の制御信号を、同一冷媒系統内の伝送線4に送信する。
また、マイコン12は、通信信号の遮断制御を行わない場合、初期設定完了後すぐに(圧縮機8が起動前に)スイッチ回路11をON状態にする。これにより、同一冷媒系統内の伝送線4と集中系の伝送線7との間の通信が有効となる。
このとき各空調機5は、ほぼ同時に復電するため、各空調機5は復電から初期設定完了までのほぼ同時刻にスイッチ回路11がON状態となる。
これにより、各空調機5の同一冷媒系統内の伝送線4、及び集中系の伝送線7の通信トラフィック量が増大することになる。
また、通信衝突検知が連続することにより、通信コマンドの遅延が発生し、送信すべきタイミングに送信されない場合がある。
また、通信トラフィック量の増大により、電圧低下検知(瞬時停電検知)時に、同一冷媒系統内の伝送線4に送信すべき通信コマンドが送信されないまま電圧低下し、通信コマンドの消失が生じる場合がある。
これにより、室外機1から室内機2に対して、室外機1の「電圧低下」を通知できず、室内機2に状態変化をさせることができない現象が生じる場合がある。
また、このような送信遅延や消失により、室内機2から室外機1への通信コマンドが、変化時送信として送信されない。このため、圧縮機8を運転するための制御信号の送信が、定期通信間隔の時間分遅延する。
これにより、室内機2が復電により運転開始したにも関わらず、室外機1が室内機2を停止させることがある。
そして、通信衝突検知による再送処理が、規定数を超える再送回数に達すると、マイコン12は、バスビジー処理として、圧縮機8を一定時間停止させるように動作させる。
これにより、復電後に起動した圧縮機8が停止し、復電後に圧縮機8の運転が継続できなくなる。このため、空調負荷に応じた冷房運転などの空調運転が目標能力に達するまでの時間が長くなる。
図3においては、復電後の初期処理終了時にスイッチ回路11をON状態とし、その後(約20秒経過時)、圧縮機8を起動する制御信号を送出する場合の通信トラフィック量を示している。
なお、送信コマンドの周期は、約15秒及び約60秒である。また、バスビジー状態による再送処理周期は2秒である。なお、図3の例では、空調機5が50台の場合を示している。
このとき室外機1のマイコン12はバスビジー状態を検知する。
室外機1のマイコン12は、バスビジー状態を検知すると、バスビジー状態により送信できないコマンドの再送処理を所定時間間隔毎(2秒)に実施する。
そして、バスビジー状態による連続再送処理が所定回数(例えば15回)に達すると、室内機2との通信ができないと判断し、空調機5の冷媒回路動作を停止させるために圧縮機8を停止させる。これにより、室外機1の圧縮機8は一旦休止状態となる。
また、スイッチ回路11を介して、集中系の伝送線7により、他の空調機5及び集中コントローラー6との冷媒制御に必要なデータの通信を行う。
以下、図4の各ステップについて説明する。
まず、マイコン12は、瞬時停電/停復電検知回路9が復電を検知したか否かを判断する。復電を検知しない場合は、ステップS108へ進み、通常制御を行う。
一方、瞬時停電/停復電検知回路9が復電を検知した場合、マイコン12は、スイッチ回路11をOFF状態にする。スイッチ回路11は、集中系の伝送線7と同一冷媒系統内の伝送線4との間の通信信号を遮断する。
なお、スイッチ回路11として例えばリピータを用いる場合、停電により電源が遮断され、復電時の状態が常にOFF状態であるときは、本ステップS102を省略しても良い。
次に、マイコン12は、当該空調機5内の室内機2やリモコンなどの各機器に対する初期設定を行う。
次に、マイコン12は、復電の検知から、圧縮機8に応じて予め設定された所定の起動時間を経過したか否かを判断する。
マイコン12は、所定の起動時間を経過していないと判断した場合、ステップS104を繰り返す。
ここで、所定の起動時間としては、例えば、圧縮機8が停電により運転を停止し、再起動する際に、圧縮機8が破損しない最短の時間を設定する。この起動時間は圧縮機の種類・能力等に応じて適宜設定される。
なお、起動時間はこれに限るものではなく、少なくとも、圧縮機8が破損しない最短の起動時間より長ければ任意の時間を設定することできる。
ステップS104で、圧縮機8に応じて予め設定された所定の起動時間を経過したと判断した場合、マイコン12は、圧縮機8を運転させる制御信号を、同一冷媒系統内の伝送線4を介して送信する。
圧縮機8は、マイコン12からの制御信号に基づき、運転を開始する。
ここでは、スイッチ回路11はOFF状態であるため、同一冷媒系統内の伝送線4を介して送信された制御信号は、同一空調機5内の伝送路のみを伝送されることになる。
次に、マイコン12は、当該空調機5のアドレス番号に応じて、ON遅延時間を算出する。そして、マイコン12は、圧縮機8を運転させる制御信号の送信から、ON遅延時間を経過したか否かを判断する。
このON遅延時間とは、圧縮機8を運転させる制御信号の送信から、スイッチ回路11により通信信号を中継させるまでの時間である。
本実施の形態では、例えば、ON遅延時間を「アドレス番号×1秒」とする。
マイコン12は、ON遅延時間を経過したと判断したとき、スイッチ回路11をON状態にさせる。スイッチ回路11は、集中系の伝送線7と同一冷媒系統内の伝送線4との間で通信信号を中継可能な状態となる。
これにより、当該空調機5と他の空調機5との間の通信、及び当該空調機5と集中コントローラー6との間の通信が有効となる。
次に、マイコン12は、通常制御状態に移行する。
つまり、各空調機5のスイッチ回路11がON状態になるタイミングは、そのアドレス番号に応じて、「アドレス番号+1秒」の間隔でずれることとなる。
図5においては、上述した圧縮機の起動時間を復電後20秒とし、ON遅延時間を「アドレス番号×1秒」とした場合の通信トラフィック量を示している。
なお、送信コマンドの周期は、約15秒及び約60秒である。また、バスビジー状態による再送処理周期は2秒である。なお、図5の例では、空調機5が50台の場合を示している。
また、室外機1の電源電圧の復電後、約1分20秒後に通信トラフィック量が90パーセント以上となるが、その状態の継続時間は約15秒である。
そのため、通信トラフィック量が90パーセント以上の状態において、室外機1のマイコン12がバスビジー状態による送信できないコマンドの再送処理の実施回数は、15秒÷2=7回となる。これは、室外機1の圧縮機8を一旦休止状態にする条件である「連続再送処理の所定回数(15回)」以下である。
これにより、マイコン12は、室内機2との通信ができないと判断することはなく、室外機1の圧縮機8の一旦休止を防止できる。
このため、復電後に送信する圧縮機8を運転させる制御信号が、集中系の伝送線7及び他の空調機5内の同一冷媒系統内の伝送線4に伝送されることがない。
よって、復電後の各空調機5内の通信トラフィック量の増加を抑制することができる。
また、復電後の各空調機5内の通信トラフィック量の増加を抑制することにより、通信コマンドの遅延又は消失を低減することができる。
また、復電後の各空調機5内の通信トラフィック量の増加を抑制することにより、通信衝突の継続に伴う圧縮機8の停止動作を回避することができる。
これにより、復電後、空調機5が目標の空調能力に達するまでの時間を短縮することができる。
このため、複数の空調機5への電源が同時に復電し、各空調機5内のマイコン12から、圧縮機8を運転させる制御信号がほぼ同時に送信された場合であっても、通信トラフィック量の増加を抑制することができる。
このため、復電後に圧縮機8を再起動する際、圧縮機8が破損しない最短の時間を経過した以後に圧縮機8の運転を開始させることができる。
また、起動時間を圧縮機8が破損しない最短の時間と設定することで、復電後、圧縮機8の動作保証が可能な最短時間で圧縮機起動を再開することができる。
したがって、復電後、早期に圧縮機8を起動し、圧縮機8の運転を継続することができる。
これにより、復電後、空調機5が目標の空調能力に達するまでの時間を短縮することができる。
このため、各空調機5のスイッチ回路11がON状態になるタイミングをそれぞれずらすことができる。
よって、スイッチ回路11のONにより、通信トラフィック量が急激に増加するのを抑制することができる。
よって、通信制御の内容を変更することなくシステム規模の拡大を図ることができる。
例えば、2以上の空調機5に識別情報としてグループ番号を設定し、このグループ番号に応じて、スイッチ回路11をON状態にするタイミングをずらすようにしても良い。
これにより、複数の空調機5全体のON遅延時間を短縮することが可能となり、復電から全ての空調機5のスイッチ回路11がON状態となるまでの時間を短縮できる。
例えば、復電後のバスビジー状態の継続時間が「連続再送処理の所定回数×再送処理の所定時間間隔」以下となるように調整すれば、任意の時間を設定することができる。
例えば、ON遅延時間を、予め設定された所定時間の範囲内でランダムに設定するようにしても良い。この所定時間としては、例えば、「連続再送処理の所定回数×再送処理の所定時間間隔」以下の任意の時間を設定する。
このような動作によっても、各空調機5のスイッチ回路11がON状態となるタイミングをそれぞれずらすことができ、同様の効果を得ることができる。
上記実施の形態1では、圧縮機8の起動後、アドレス番号に応じたON遅延時間を経過した後にスイッチ回路11をON状態とした。
本実施の形態2では、室外機電源14が瞬時停電の場合には、ON遅延時間を設けずにスイッチ回路11をON状態とする。
このため、本実施の形態2では、圧縮機8の運転に係る通信が完了した後、上記ステップS106のON遅延時間を待たずに、スイッチ回路11をON状態にする。
つまり、瞬時停電のときは、上記実施の形態1で説明した停復電時の場合と比べて、過渡状態の通信トラフィック量が小さいため、スイッチ回路11のONタイミングをずらさない。
なお、本実施の形態2における空気調和機の構成は、上記実施の形態1と同様であり、同一部分には同一の符号を付する。
以下、図6の各ステップについて、上記実施の形態1との相違点を中心に説明する。
まず、マイコン12は、瞬時停電/停復電検知回路9が復電を検知したか否かを判断する。復電を検知しない場合は、ステップS207へ進み、通常制御を行う。
次に、マイコン12は、瞬時停電/停復電検知回路9が瞬時停電を検知したか否かを判断する。
瞬時停電を検知していないと判断した場合、マイコン12は、上述した実施の形態1の動作(S101〜S108)により、停電時の動作を行う。
一方、瞬時停電を検知したと判断した場合、マイコン12は、上述した実施の形態1のステップS102と同様に、スイッチ回路11をOFF状態にする。
次に、本実施の形態2では、マイコン12は、初期設定を行わずに、圧縮機8に応じた所定の起動時間の経過後、圧縮機8を運転させる起動信号を送信する。
なお、所定の起動時間として、例えば、圧縮機8が破損しない最短の時間を設定する。
なお、起動時間はこれに限るものではなく、少なくとも、圧縮機8が破損しない最短の起動時間より長ければ任意の時間を設定することできる。
そして、マイコン12は、圧縮機8の起動信号の送受信が完了し、数秒経過したあと、スイッチ回路11をON状態にさせる。スイッチ回路11は、集中系の伝送線7と同一冷媒系統内の伝送線4との間で通信信号を中継可能な状態となる。
これにより、当該空調機5と他の空調機5との間の通信、及び当該空調機5と集中コントローラー6との間の通信が有効となる。
なお、本実施の形態2では、圧縮機8の起動信号の送受信が完了し、数秒経過したあと、スイッチ回路11をON状態にさせたが、本発明はこれに限るものではなく、復電の検知から少なくとも圧縮機8の起動時間を経過した後であれば任意の時間を設定することができる。
例えば、圧縮機8の起動信号の送受信が完了した直後にスイッチ回路11をON状態にさせても良い。
次に、マイコン12は、通常制御状態に移行する。
このため、上記実施の形態1の効果に加え、瞬時停電時には、停電時と比較して、復電から全ての空調機5のスイッチ回路11がON状態となるまでの時間を短縮できる。
また、上記動作とすることで、軽微なアルゴリズムで動作することができる。
本実施の形態3では、定期通信コマンドによる通信トラフィック量の増加を抑制する動作について説明する。
このような定期通信コマンドを送受信する複数の空調機5が、ほぼ同時に復電した場合、それぞれ初期設定処理(圧縮機起動を含む)の後、定期通信を開始することになり、各空調機5から送信される定期通信コマンドが、ほぼ同じ周期で送信されることとなる。
特に、図5の例では、初期設定が約20秒経過時に完了して圧縮機8を起動し、その後、約60秒経過した1分20秒後に通信トラフィック量がピークとなっている。
図8は実施の形態3における空気調和機の動作を示すシーケンス図である。
以下、図7の各ステップに基づき、図8を参照しながら、本実施の形態の動作について説明する。
なお、本実施の形態3におけるマイコン12は、経過時間を計時する定期通信用タイマーを有する。その他の構成は、上記実施の形態1と同様であり、同一部分には同一の符号を付する。
まず、マイコン12は、瞬時停電/停復電検知回路9が復電を検知した後、当該空調機5内の室内機2やリモコンなどの各機器に対する各種の初期設定を行い、初期設定が完了したか否かを判断する。
次に、マイコン12は、定期通信用タイマーの初期値として定期通信時間値(MAX値)をセットする。ここで、定期通信時間値(MAX値)としては、例えば15秒を設定する。
次に、マイコン12は、当該空調機5のアドレス番号が偶数であるか否かを判断する。
当該空調機5のアドレス番号が偶数でない場合はステップS305に進む。
一方、当該空調機5のアドレス番号が偶数である場合、マイコン12は、定期通信用タイマーの初期値を減少させる。ここでは、例えば、上記の定期通信時間値(MAX値)の約半分の時間を遅延時間とし、上記ステップS302でセットした定期通信用タイマーの値から遅延時間を差し引いた値を、新たな定期通信タイマーの初期値として再セットする。
次に、マイコン12は、定期通信用タイマーをスタートさせ、経過時間を計時する。そして、定期通信用タイマーの値が定期通信時間値(MAX値)以上であるか否かを判断する。
定期通信用タイマーが定期通信時間値(MAX値)以上となったとき、マイコン12は、定期通信コマンドの送信を開始する。
つまり、偶数アドレスの空調機5内のマイコン12は、上記ステップS304で設定した定期通信タイマーの初期値から、定期通信時間値(MAX値)まで経過した後、すなわち、遅延時間を経過した後、定期通信コマンドを送信する。
一方、奇数アドレスの空調機5内のマイコン12は、上記ステップS302で設定した定期通信タイマーの初期値が定期通信時間値(MAX値)であるので、遅延時間の経過を待たずに定期通信コマンドを送信する。
一方、偶数アドレス番号の室外機1は、定期通信間隔の約半分を差し引いた時間分遅延して、定期送信コマンドの送信を開始する。
次に、マイコン12は、定期通信用タイマーの初期値としてゼロをセットし、ステップS305に戻り、ステップS305〜S307を繰り返す。
例えば、復電の検知から定期通信開始までの時間を、アドレス番号に応じて遅延させるようにしても良い。また、圧縮機8の起動後から定期通信を開始するまでの時間を、アドレス番号等に応じて遅延させても良い。
このため、上記実施の形態1又は2の効果に加え、復電後、所定周期の間隔で送信される定期通信コマンドの送信タイミングをずらすことができ、通信トラフィック量の増大を抑制することができる。
定期通信の間隔が通信開始をずらすのに十分な長さがあり、ユニットの台数が多数である場合に有効である。
例えば、復電の検知から、予め設定された所定周期の範囲内でランダムに設定した時間を経過したとき、所定の定期通信を開始し、定期通信の開始後、所定周期の間隔で、定期通信コマンドを送信するようにしても良い。
このような動作であっても、同様の効果を得ることができる。
Claims (9)
- 室外機と室内機とを冷媒配管で接続し、圧縮機により冷媒を循環させる空調ユニットを複数備え、該複数の空調ユニット間の通信が第1の伝送線により相互に接続された空気調和機において、
前記空調ユニットは、
当該空調ユニット内の前記室内機と前記室外機との間の通信を相互に接続する第2の伝送線と、
前記第1の伝送線と前記第2の伝送線との間で通信信号を中継又は遮断する中継装置と、
当該空調ユニットに供給される電源の停電後の復電を検知する復電検知手段と、
少なくとも前記圧縮機及び前記中継装置の動作を制御する制御手段と
を備え、
前記制御手段は、
前記復電検知手段が復電を検知したとき、前記中継装置により、前記第1の伝送線と前記第2の伝送線との間の通信信号を遮断させ、
前記復電検知手段が復電を検知した後、前記圧縮機を運転させる制御信号を、前記第2の伝送線を介して送信し、
前記圧縮機を運転させる制御信号を送信した後、前記中継装置により、前記第1の伝送線と前記第2の伝送線との間で通信信号を中継させる
ことを特徴とする空気調和機。 - 前記複数の空調ユニットのうち、少なくとも2以上の空調ユニットが、同一の電源系統から電源が供給される
ことを特徴とする請求項1記載の空気調和機。 - 前記制御手段は、
当該空調ユニットの前記圧縮機に応じた所定の起動時間の情報が予め設定され、
前記復電の検知から少なくとも前記起動時間を経過した後、前記圧縮機を運転させる制御信号を、前記第2の伝送線を介して送信する
ことを特徴とする請求項1又は2記載の空気調和機。 - 前記複数の空調ユニットは、それぞれ識別情報が設定され、
前記制御手段は、
当該空調ユニットの前記識別情報に応じて、前記圧縮機を運転させる制御信号の送信から、前記中継装置により前記通信信号を中継させるまでの時間を設定する
ことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の空気調和機。 - 前記制御手段は、
前記圧縮機を運転させる制御信号の送信から、前記中継装置により前記通信信号を中継させるまでの時間を、予め設定された所定時間の範囲内でランダムに設定する
ことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の空気調和機。 - 前記空調ユニットは、
当該空調ユニットに供給される電源の停電から復電までの時間が、所定の時間以下であるとき、瞬時停電を検知する瞬時停電検出手段を備え、
前記制御手段は、
当該空調ユニットの前記圧縮機に応じた所定の起動時間の情報が予め設定され、
前記瞬時停電検出手段が瞬時停電を検知し、かつ、前記復電の検知から少なくとも前記起動時間を経過した後、前記圧縮機を運転させる制御信号を、前記第2の伝送線を介して送信し、
前記復電の検知から少なくとも前記起動時間を経過した後、前記中継装置により前記通信信号を中継させる
ことを特徴とする請求項1又は2記載の空気調和機。 - 前記複数の空調ユニットは、それぞれ識別情報が設定され、
前記制御手段は、
前記復電の検知から、前記識別情報に応じて定めた遅延時間を経過したとき、所定の定期通信を開始し、
前記所定の定期通信の開始後、所定周期の間隔で、定期通信に関する通信情報を送信する
ことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の空気調和機。 - 前記制御手段は、
前記復電の検知から、予め設定された所定周期の範囲内でランダムに設定した時間を経過したとき、所定の定期通信を開始し、
前記定期通信の開始後、前記所定周期の間隔で、定期通信に関する通信情報を送信する
ことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の空気調和機。 - 前記第1の伝送線により前記複数の空調ユニットと接続され、該複数の空調ユニットの動作を制御する集中コントローラーを備えた
ことを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の空気調和機。
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