JP5262015B2 - フィレットロール加工装置及びフィレットロール加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、クランクシャフトのピン部またはジャーナル部のフィレット溝を加工するフィレットロール加工装置及びフィレットロール加工方法に関する。
例えば、自動車などのエンジンを構成する部品のうちクランクシャフトには大きな負荷が掛かることから疲労破壊しないように、クランクピンやクランクジャーナルの隅部に形成されたフィレット溝に超鋼やハイス材からなるフィレットローラを数KN以上の押圧力で押し付け、クランクシャフトを回転させながらロール加工(塑性加工)することにより、フィレット溝に圧縮残留応力を与えるフィレットロール加工がなされている(例えば、特許文献1等に記載)。
ピン部のフィレットロール加工時には、フィレットローラを先端に有したアッパーアームと、ピン部を前記フィレットローラとで挟み込む把持ローラを先端に有したロワーアームとからなる一対のアームを、クランクシャフトの回転に応じて連れ回す必要があることから、アームをフレームに対して揺動自在に支持するアーム支持機構が必要である。また、フィレットロール加工待機時には、アッパーアームとロワーアームを開いたアンクランプ状態で待機させておく必要があるため、そのアンクランプ状態を保持させるためのアーム姿勢保持機構が必要となる。さらには、アッパーアームとロワーアームを開閉させるアーム開閉機構も必要となる。
特開昭62ー79957号公報
このように、フィレットロール加工装置には、複数の機構部が必要であるため、多数のシリンダなどからなるアクチュエータや配管、配線類が必要となる。そのため、フィレットロール加工装置の機構が複雑となり高コストになる。
また、アームがアンクランプ状態のときに、アーム支持機構とアーム姿勢保持機構の一方または両方が作動しなかった場合、アームの重量が過大であることにより、アームの姿勢が大きく傾き、その状態からアーム支持機構及びアーム姿勢保持機構が元の位置に復元しても正常位置まで復帰できない状態となり、アーム位置復元に大変な労力と時間が掛かる。
そこで、本発明は、装置構成を簡略化して装置コストを低減すると共にアーム位置復元の必要がないフィレットロール加工装置及びフィレットロール加工方法を提供することを目的とする。
本発明のフィレットロール加工装置は、フィレットローラを先端部に設けたアッパーアームと、クランクシャフトのピン部又はジャーナル部を前記フィレットローラとで挟み込む把持ローラを先端部に設けたロワーアームと、前記アッパーアームと前記ロワーアームの他端部に取り付けられ、これらアームを開閉自在として前記ピン部又はジャーナル部を前記フィレットローラと前記把持ローラとで挟み込むクランプ状態又は挟み込みを開放するアンクランプ状態とするアーム開閉機構部と、前記アッパーアーム及び前記ロワーアームをフレームに支持させるアーム支持機構部と、前記アッパーアームと前記ロワーアームをアンクランプ状態に保持させるアンクランプ保持機構部と、を備える。前記アンクランプ保持機構部は、前記フレームに固定された固定ピンと、前記アッパーアーム及び前記ロワーアームにそれぞれ取り付けられた固定ピン受け部と、を有し、前記固定ピン受け部で前記固定ピンを挟み込むことでアンクランプ状態を保持させる構成とした。
本発明のフィレットロール加工装置によれば、アクチュエータの数を減らして装置構成を簡略化することができると共に装置コストを低減でき、また、アーム位置の復元をする必要がない。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。本実施の形態は、自動車エンジンの一部を構成するクランクシャフトのフィレット溝をフィレットロール加工するフィレットロール加工装置に、本発明を適用した例である。
[フィレットロール加工装置の構成]
図1はフィレットロール加工装置のユニット全体を示す平面図、図2はクランクシャフトの正面図、図3はフィレットロール加工装置の正面図、図4は図3のA−A線矢視図、図5は退避位置にあるフィレットロール加工装置の正面図、図6はクランプ位置にあるフィレットロール加工装置の正面図である。
本実施の形態のフィレットロール加工装置は、クランクシャフトのピン部またはジャーナル部の隅部に形成されたフィレット溝をフィレットロール加工することにより圧縮残留応力を発生させて当該クランクシャフトの疲労強度を向上させる装置である。この装置は、図1に示すように、クランクシャフト1をクランプし且つ回転させるワーククランプ回転機構部2に隣接して設けられ、ベッド3上に設けられた前後スライド機構部4と左右スライド機構部5により、フィレットロール加工装置6をクランクシャフト1に対して接近離反させると共に軸方向に移動させるように構成されている。
フィレットロール加工装置6は、例えば4気筒エンジン用、6気筒エンジン用、或いは車種により数種類の形態のクランクシャフト1があるため、それらに応じて加工できるように複数設けられている。図1では、フィレットロール加工装置6をクランクシャフト1の軸方向に所定間隔で5つ配列させた構成としている。
クランクシャフト1には、図2に示すように、フロントシャフト部7と同軸上にジャーナル部8が5個所設けられると共に、そのフロントシャフト部7に偏心した位置にピン部9が4個所設けられている。かかるクランクシャフト1は、4気筒エンジンに使用されるもので、フロントシャフト部7が設けられるフロント側(向かって右側)が従動側とされ、リア側(向かって左側)がトランスミッション側とされる。
ピン部9は、フロント側からリア側に向かってそれぞれ1番ピン、2番ピン、3番ピン、4番ピンとされ、ジャーナル部8も同様に、フロント側からリア側に向かってそれぞれ1番ジャーナル、2番ジャーナル、3番ジャーナル、4番ジャーナルとされる。これらピン部9、ジャーナル部8及びフロントシャフト部7のフィレット溝9a、8a、7aは、全て本実施の形態のフィレットロール加工装置でフィレットロール加工を行う。
フィレットロール加工装置6は、図3に示すように、フィレットローラ10を先端部に設けたアッパーアーム11と、クランクシャフト1のピン部9又はジャーナル部8を前記フィレットローラ10とで挟み込む把持ローラ12を先端部に設けたロワーアーム13と、アッパーアーム11とロワーアーム13の他端部に取り付けられ、これらアーム11,13を開閉自在として前記ピン部9又はジャーナル部8を前記フィレットローラ10と前記把持ローラ12とで挟み込むクランプ状態又は挟み込みを開放するアンクランプ状態とするアーム開閉機構部14と、アッパーアーム11とロワーアーム13をフレーム15に支持させるアーム支持機構部16と、アッパーアーム11とロワーアーム13をアンクランプ状態に保持させるアンクランプ保持機構部17と、アーム支持部材の揺動を停止させるロック機構部18と、から構成される。
フィレットローラ10は、アッパーアーム11の先端部に取り付けられたフィレットローラカセット19に回転可能に設けられている。把持ローラ12は、ロワーアーム13の先端部に取り付けられた把持ローラカセット20に回転可能に設けられている。かかる把持ローラ12は、フィレットローラ10をピン部9、ジャーナル部8及びフロントシャフト部7の反対側から支えるようになっている。
アーム開閉機構部14は、アッパーアーム11とロワーアーム13を開閉自在とする駆動部であるクランプシリンダ21と、クランプシリンダ21のボディ22に取り付けられるアッパージョイント23と、クランプシリンダ21のロッド24先端に連結ネジ25で固定されるロワージョイント26と、からなる。
アッパージョイント23は、クランプシリンダ21のボディ22にアッパーアーム11を取り付けるための連結部材で、ヒンジピン27をアッパーアーム11の基端部とアッパージョイント23の先端側部に貫通させている。ヒンジピン27とアッパージョイント23との結合部分には、アッパージョイント23に対してアッパーアーム11を回動可能とするための軸受け28が設けられている。
ロワージョイント26は、クランプシリンダ21のロッド24にロワーアーム13を取り付けるための連結部材で、ヒンジピン29をその先端側部とロワーアーム13の基端部に貫通させている。ヒンジピン29とロワーアーム13との結合部分には、ロワージョイント26に対してロワーアーム13を回動可能とするための軸受け30が設けられている。
このように構成されたアーム開閉機構部14においては、クランプシリンダ21のロッド24をボディ22内へと没すると、図3及び図4に示すように、アッパーアーム11及びロワーアーム13の先端部に設けたフィレットローラ10と把持ローラ12が共にクランクシャフト1から離れアームがアンクランプ状態となる。
一方、クランプシリンダ21のロッド24をボディ22から突出させると、ロッド24先端に連結されたロワージョイント26に押されてロワーアーム13の基端部が図3中下方へ押され、ロワーアーム13の先端部に設けた把持ローラ12がクランクシャフト1に接近する。把持ローラ12がクランクシャフト1のピン部9又はジャーナル部8に接触すると、今度は、アッパーアーム11が回転して先端部に設けたフィレットローラ10を前記把持ローラ12とでピン部9又はジャーナル部8を挟み込む。このアーム開閉機構部14によるアームの開閉動作に関しては、後述するものとする。
アーム支持機構部16は、フレーム15に揺動自在に吊り下げて取り付けられた2本のアーム支持部材31と、これらアーム支持部材31の先端側部に前記アッパーアーム11及びロワーアーム13をぶら下げ且つこれらアームの開閉支点となるアーム支持開閉支持ピン32と、からなる。
アーム支持部材31は、フレーム15の天板部15aを挟んでその両側にそれぞれその長手方向を垂直に向けて配置されると共に、天板部15aの上を横切るようにして設けられた連結部材33により基端部同士が連結されている。各アーム支持部材31は、天板部15aの側面に固定された支持ピン34にその基端側部を回動自在に取り付けられ、この支持ピン34を中心として揺動自在とされている。アーム支持部材31の先端側には、アッパーアーム11及びロワーアーム13をぶら下げ且つこれらアームの開閉支点となるアーム支持開閉支持ピン32が取り付けられている。
アーム支持開閉支持ピン32は、アッパーアーム11とロワーアーム13の長手方向中央付近に取り付けられたアーム連結部材35、36とアーム支持部材31の先端側部を貫通させて取り付けられている。アッパーアーム11及びロワーアーム13は、このアーム支持開閉支持ピン32によりフレーム15に対してぶら下げられると共に、このアーム支持開閉支持ピン32を中心として相互に開閉自在とされている。なお、アーム支持開閉支持ピン32の位置は、アッパーアーム11及びロワーアーム13が前記したアーム開閉機構部14が取り付けられる基端側部にバランス的に重くなる位置に設定される。
アンクランプ保持機構部17は、フレーム15に固定された固定ピン37と、アッパーアーム11及びロワーアーム13にそれぞれ取り付けられた固定ピン受け部38,39と、を有し、前記固定ピン受け部38、39で前記固定ピン37を挟み込むことでアームのアンクランプ状態を保持させる。
固定ピン37は、フレーム15の天板部15aの両側に設けられた垂直板部15b間に固定されている。固定ピン37は、垂直板部15bの略中央高さ位置にその両端部を植立させる円柱形状のピンからなる。固定ピン受け部38、39は、固定ピン37を受ける部位を略V字形状としたブロックとして形成され、アッパーアーム11とロワーアーム13の対向位置にそれぞれ固定されている。これら固定ピン受け部38、39で固定ピン37を上下方向から挟み込むことで、前記アッパーアーム11及びロワーアーム13のアンクランプ状態を保持させることができる。
ロック機構部18は、アーム支持部材31の基端部に形成された穴部40と、この穴部40に挿入されるロックシャフト41と、ロックシャフト41を前記穴部40に挿入させると共に穴部40から抜く動作をさせる駆動部であるロックシリンダ42とからなる。
穴部40は、アーム支持部材31の基端部同士を連結させた連結部材33に円形穴として形成されている。ロックシャフト41は、ロックシリンダ42のロッド43先端に取り付けられ、ロッド43の進退操作により前記穴部40に挿入されると共に穴部40から引き抜かれる。ロックシリンダ42は、フレーム15の天板部15aに立設された支柱44に固定されてなるシリンダ取付け部材45に設けられている。
このロック機構部18によれば、ロックシリンダ42を作動させてロッド43をシリンダ本体から突出させてロックシャフト41を前記穴部40に挿入させることで、アーム支持部材31の揺動を停止させることができる。一方、ロックシリンダ42のロッド43をシリンダ本体に没してロックシャフト41を前記孔部40から引き抜くことで、アーム支持部材31を揺動可能な状態とすることができる。
そして、このように構成されたフィレットロール加工装置6には、アーム開確認センサ46と、アーム閉確認センサ47と、ロック確認センサ48と、アンロック確認センサ49と、が設けられている。
アーム開確認センサ46は、アッパーアーム11の基端部に取り付けられたセンサ取付け部材50に設けられ、ロワーアーム13の基端部に設けられたアーム開被検出部51を検出する。このアーム開確認センサ46がアーム開被検出部51を検出すると、アームが開状態のアンクランプ状態にあると判断する。
アーム閉確認センサ47は、アッパーアーム11の先端寄りの位置に取り付けられたセンサ取付け部材52に設けられ、クランクシャフト1のピン部9又はジャーナル部8をクランプした時に相対向するロワーアーム13に取り付けられたアーム閉被検出部53を検出してアームの閉状態を確認する。アーム閉被検出部53は、ロワーアーム13に取り付けられた被検出部取付け部材54に設けられている。このアーム閉確認センサ47がアーム閉被検出部53を検出すると、アームが閉状態のクランプ状態にあると判断する。
ロック確認センサ48は、前記シリンダ取付け部材45に取り付けられたセンサ取付け部材55に設けられ、ロックシリンダ42のロッド43に取り付けられた被検出部取付け部材56に固定されるロック被検出部57を検出する。このロック確認センサ48がロック被検出部57を検出すると、ロックシャフト41が穴部40に挿入され前記アーム支持部材31が揺動不可能であるロック状態にあると判断する。
アンロック確認センサ49は、前記ロック確認センサ48が取り付けられたセンサ取付け部材55に設けられ、前記被検出部取付け部材56に固定されるアンロック被検出部58を検出する。なお、アンロック確認センサ49は、ロック確認センサ48の真上に設けられ、アンロック被検出部58は、ロック被検出部57の真上に設けられている。
ロックシャフト41が穴部40から抜けると、このロックシャフト41に取り付けられたロック被検出部57及びアンロック被検出部58も該ロックシャフト41と共に上昇し、ロック確認センサ48ではロック被検出部57が検出されず、アンロック確認センサ49ではアンロック被検出部58が検出されることになる。
以上のように構成されたフィレットロール加工装置6は、前後スライド機構部4によりクランクシャフト1に対して接近離反されるようになっている。前後スライド機構部4は、前後スライドテーブル59上に固定した前後スライドレール60の上にフレーム15を載せ、前後スライド用シリンダ61でフィレットロール加工装置6を前記スライドレール60に沿ってスライドさせることにより、クランクシャフト1に対してフィレットロール加工装置6を接近離反させる。
なお、前後スライド機構部4には、フィレットロール加工装置6がクランプ位置にスライドされたことを検出するためのクランプ位置検出センサ62及びその被検出部63と、フィレットロール加工装置6がクランクシャフト1から離れた退避位置にあることを検出する退避位置検出センサ64及びその被検出部65とが設けられている。図5は、フィレットロール加工装置6の退避位置を示し、図6は、フィレットロール加工装置6のクランプ位置を示している。
「フィレット加工動作」
次に、上述のように構成されたフィレットロール加工装置6によるクランクシャフト1のピン部9またはジャーナル部8のフィレット加工動作について説明する。図7から図16はフィレットロール加工装置6の動作図である。
先ず、クランクシャフト1をワーククランプ回転機構部2にセットする。ワーククランプ回転機構部2では、チャッキング機構によってクランクシャフト1がチャッキングされる。
次に、このクランクシャフト1に対してフィレットロール加工装置6を、前後スライド機構部4及び左右スライド機構部5により位置出しを行う。すなわち、左右スライド機構部5によりフィレットロール加工装置6を、クランクシャフト1のクランク軸方向にスライドさせてフィレット加工位置に移動させる。また、前後スライド機構部4によりフィレットロール加工装置6を、図5の退避位置から図6のクランプ位置までスライドさせる。
そして、フィレットロール加工装置6がクランプ位置に位置決めされたところで、アーム開閉機構部14のクランプシリンダ21を作動させ、ロッド24をクランプシリンダ21のボディ22から突出させる。すると、このロッド24の先端に連結ネジ25で固定されたロワージョイント26が下方に押され、このロワージョイント26にヒンジピン29で連結されたロワーアーム13の基端部を下方へ押し込む。すると、ロワーアーム13は、図7に示すように、アーム支持機構部16のアーム支持部材31に軸支されたアーム支持開閉支持ピン32を回転中心として回転し、先端部に設けられた把持ローラ12をクランクシャフト1のピン部9に接近させる。
このとき、ロワーアーム13に取り付けられた固定ピン受け部39による前記固定ピン37に対する挟み込みが解除されるが、アーム支持部材31はロック機構部18により揺動不可能なロックされた状態にあるため、クランクシャフト1とロワーアーム13の位置関係が大きくずれることなくアーム閉じ動作が続けられる。ロワーアーム13のアーム閉じ動作中は、アッパーアーム11は、その自重により固定ピン受け部38を前記固定ピン37に載せた状態を保持し回転しない状態を維持する。
前記ピン部9に把持ローラ12が接触すると、図8に示すように、ロワーアーム13がそれ以上回転できなくなるため、今度は、アッパーアーム11が回転し始める。アッパーアーム11は、ヒンジピン27を介してアッパージョイント23に結合されているため、このアッパージョイント23が上昇するのに伴ってアーム支持開閉支持ピン32を中心として回転する。アッパーアーム11の回転により、このアッパーアーム11に取り付けられた固定ピン受け部38が固定ピン37から離れるが、アーム支持部材31はロック機構部18により揺動不可能なロックされた状態にあるため、クランクシャフト1とアッパーアーム11の位置関係が大きくずれることなくアーム閉じ動作が続けられる。
そして、アッパーアーム11の先端部に設けられたフィレットローラ10がクランクシャフト1のピン部9に接触すると、図9に示すように、クランプ完了となる。クランプ完了状態は、アーム閉確認センサ47で検出される。図10は、クランクシャフト1のジャーナル部8がクランプされた状態を示す。
ピン部9のクランプが完了したらフィレットロール加工を開始する。以下、ピン部9にフィレットロール加工を行う例として説明する。先ず、図11に示すように、ロック機構部18を作動させてロックシャフト41をアーム支持部材31の基端部に形成した穴部40から抜く。これにより、アーム支持部材31のロック状態が解除される。次に、ワーククランプ回転機構部2を作動してクランクシャフト1を回転させる。
すると、ピン部9は、クランクシャフト1のクランプ軸芯と偏芯した位置にあるため、そのクランプ軸芯回りに回転する。したがって、このピン部9をフィレットローラ10と把持ローラ12とで挟み込んだアッパーアーム11及びロワーアーム13は、図12から図18に示すように、フレーム15に軸支された支持ピン34を回転中心として揺動するアーム支持部材31に吊り下げられた状態で前記ピン部9に連れ回りして回転する。
図12は、クランクシャフト1が45度回転したときのアーム姿勢状態を示す。図13は、クランクシャフト1が90度回転したときのアーム姿勢状態を示す。クランクシャフト1が90度回転した位置では、アッパーアーム11とロワーアーム13がほぼ平行な状態となる。図14は、クランクシャフト1が135度回転したときのアーム姿勢状態を示す。図15は、クランクシャフト1が180度回転したときのアーム姿勢状態、図16はクランクシャフト1が225度回転したときのアーム姿勢状態、図17はクランクシャフト1が270度回転したときのアーム姿勢状態を示す。クランクシャフト1が270度回転した位置では、アッパーアーム11とロワーアーム13がほぼ平行な状態となる。図18は、クランクシャフト1が315度回転したときのアーム姿勢状態を示す。
そして、アッパーアーム11とロワーアーム13が図11に示す初期位置に戻ってアームの1回転が終了する。この動作をフィレットロールに必要な回転数だけクランクシャフト1を回転させることで、ピン部9にフィレットロール加工を行う。前後スライド機構部4のスライドシリンダと、アーム開閉機構部14のクランプシリンダと、ロック機構部18のロックシリンダと、フィレットロールの動作タイミングについては、図19のタイミングチャートに示す。
そして、ピン部9のフィレットロール加工が終了したら今度は、ロック機構部18のロックシャフト41をアーム支持部材31の基端部に形成した穴部40に挿入し、前記アーム支持部材31をロック状態とする。次に、アーム開閉機構部14のロッド24をクランプシリンダ21のボディ22内に没することでアッパーアーム11及びロワーアーム13を開き、フィレットローラ10と把持ローラ12とによるピン部9の把持状態を開放する。このアーム開動作時においては、アーム支持部材31が揺動不可能なロック状態にあるため、固定ピン37と固定ピン受け部38、39との位置関係が大きくずれることなくアームの開き動作が続けられる。
そして、固定ピン受け部38、39で固定ピン37が挟み込まれると、図6に示すアンクランプ状態に戻る。アンクランプ状態は、アーム開確認センサ46で検出される。次に、前後スライド機構部4を作動させてフィレットロール加工装置6を図5の退避位置に戻してピン部9のフィレットロール加工を終了する。ジャーナル部8をフィレット加工する場合は、ピン部9と同様の動作を行うことでジャーナル部8をフィレット加工することができる。
「本実施の形態による効果」
以上のようにして構成されたフィレットロール加工装置によれば、アッパーアーム11とロワーアーム13をアンクランプ状態に保持させるアンクランプ保持機構部を備えているため、アッパーアーム11とロワーアーム13のアンクランプ状態を保持させることができる。
また、本実施の形態によれば、そのアンクランプ保持機構部を、フレーム15に固定した固定ピン37と、この固定ピン37をアッパーアーム11及びロワーアーム13にそれぞれ取り付けた固定ピン受け部38、39とで挟み込む構造としたので、簡単な構造でアンクランプ状態を保持させることができると共に、コストダウンを図ることができる。
また、本実施の形態によれば、アッパーアーム11及びロワーアーム13をフレーム15に対して揺動自在に吊り下げたアーム支持部材31の先端側部にぶら下げたので、アーム姿勢異常状態時の復帰を容易なものとすることができると共に機械保守性を向上させることができる。すなわち、仮にアッパーアーム11及びロワーアーム13が固定ピン37から外れるという異常状態になっても、アーム自体がアーム支持部材31で吊り下げられており且つ重力により常に鉛直方向に保持されているため、アッパーアーム11及びロワーアーム13のみがアーム支持開閉支持ピン32を中心としてアーム開閉機構部14側に回転するのみでその回転モーメントの反対方向に同等またはそれ以上の回転モーメントを与えることにより、容易にアーム姿勢を復元でき、従来困難であったアーム姿勢復元作業を大幅に改善することができる。
また、本実施の形態によれば、ロック機構部18によりアーム支持部材31の揺動を停止させるようにしたので、クランクシャフト1とアームの位置関係が大きくずれることなくアーム閉じ動作を続けることができ、また、固定ピン37と固定ピン受け部38、39との位置関係が大きくずれることなくアーム開動作を続けることができる。
また、本実施の形態によれば、アーム支持部材31に形成した穴部40にロックシャフト41を挿脱させるように構成したロック機構部18を設けたので、固定ピン受け部38、39が固定ピン37から外れてクランプまたはアンクランプ動作中にアッパーアーム11が外れるといった異常状態の発生を無くすことができる。したがって、本実施の形態によれば、アクチュエータの数を減らして装置構成を簡略化することができると共に、装置コストを低減でき、また、アーム位置の復元をする必要がなくなる。
本発明のフィレットロール加工方法によれば、アクチュエータなどの機構を必要とすることなく簡単な構造でアッパーアームとロワーアームをアンクランプ状態に保持することができる。
以上、本発明を適用した具体的な実施の形態について説明したが、本発明は、上述の実施の形態に制限されることなく種々の変更が可能であることは言うまでもない。
フィレットロール加工装置のユニット全体を示す平面図である。 クランクシャフトの平面図である。 フィレットロール加工装置の正面図である。 図3のA−A線矢視図である。 退避位置にあるフィレットロール加工装置の正面図である。 クランプ位置にあるフィレットロール加工装置の正面図である。 フィレットロール加工装置によるフィレット加工動作を示し、ロワーアームが回転し始めたときの図である。 フィレットロール加工装置によるフィレット加工動作を示し、アッパーアームが回転し始めたときの図である。 フィレットロール加工装置によるフィレット加工動作を示し、ピン部のクランプ状態を示す図である。 フィレットロール加工装置によるフィレット加工動作を示し、ジャーナル部のクランプ状態を示す図である。 フィレットロール加工装置によるフィレット加工動作を示し、ロックシャフトを穴部から抜いてアーム支持部材のロック状態を解除した状態を示す図である。 フィレットロール加工装置によるフィレット加工動作を示し、クランクシャフトが45度回転したときのアーム姿勢状態を示す図である。 フィレットロール加工装置によるフィレット加工動作を示し、クランクシャフトが90度回転したときのアーム姿勢状態を示す図である。 フィレットロール加工装置によるフィレット加工動作を示し、クランクシャフトが135度回転したときのアーム姿勢状態を示す図である。 フィレットロール加工装置によるフィレット加工動作を示し、クランクシャフトが180度回転したときのアーム姿勢状態を示す図である。 フィレットロール加工装置によるフィレット加工動作を示し、クランクシャフトが225度回転したときのアーム姿勢状態を示す図である。 フィレットロール加工装置によるフィレット加工動作を示し、クランクシャフトが270度回転したときのアーム姿勢状態を示す図である。 フィレットロール加工装置によるフィレット加工動作を示し、クランクシャフトが315度回転したときのアーム姿勢状態を示す図である。 前後スライド機構部のスライドシリンダと、アーム開閉機構部のクランプシリンダと、ロック機構部のロックシリンダと、フィレットロールの動作タイミングを示すタイミングチャートである。
符号の説明
1…クランクシャフト
2…ワーククランプ回転機構部
3…ベッド
4…前後スライド機構部
5…左右スライド機構部
6…フィレットロール加工装置
8…ジャーナル部
9…ピン部
10…フィレットローラ
11…アッパーアーム
12…把持ローラ
13…ロワーアーム
14…アーム開閉機構部
15…フレーム
16…アーム支持機構部
17…アンクランプ保持機構部
18…ロック機構部
21…クランプシリンダ
23…アッパージョイント
26…ロワージョイント
31…アーム支持部材
32…アーム支持開閉支持ピン
34…支持ピン
37…固定ピン
38,39…固定ピン受け部
40…穴部
41…ロックシャフト
42…ロックシリンダ

Claims (5)

  1. フィレットローラを先端部に設けたアッパーアームと、
    クランクシャフトのピン部又はジャーナル部を前記フィレットローラとで挟み込む把持ローラを先端部に設けたロワーアームと、
    前記アッパーアームと前記ロワーアームの他端部に取り付けられ、これらアームを開閉自在として前記ピン部又はジャーナル部を前記フィレットローラと前記把持ローラとで挟み込むクランプ状態又は挟み込みを開放するアンクランプ状態とするアーム開閉機構部と、
    前記アッパーアーム及び前記ロワーアームをフレームに支持させるアーム支持機構部と、
    前記アッパーアームと前記ロワーアームをアンクランプ状態に保持させるアンクランプ保持機構部と、を備え
    前記アンクランプ保持機構部は、前記フレームに固定された固定ピンと、前記アッパーアーム及び前記ロワーアームにそれぞれ取り付けられた固定ピン受け部と、を有し、前記固定ピン受け部で前記固定ピンを挟み込むことでアンクランプ状態を保持させる構成としたことを特徴とするフィレットロール加工装置。
  2. 請求項に記載のフィレットロール加工装置であって、
    前記アーム支持機構部は、前記フレームに揺動自在に吊り下げて取り付けられたアーム支持部材と、前記アーム支持部材の先端側部に前記アッパーアーム及び前記ロワーアームをぶら下げ且つこれらアームの開閉支点となるピンと、からなることを特徴とするフィレットロール加工装置。
  3. 請求項に記載のフィレットロール加工装置であって、
    前記アーム支持部材の揺動を停止させるロック機構部を備えたことを特徴とするフィレットロール加工装置。
  4. 請求項に記載のフィレットロール加工装置であって、
    前記ロック機構部は、前記アーム支持部材の基端部に形成された穴部と、前記穴部に挿入されるロックシャフトと、前記ロックシャフトを前記穴部に挿入させると共に穴部から抜く動作をさせる駆動部と、からなることを特徴とするフィレットロール加工装置。
  5. アッパーアームの先端部に設けたフィレットローラと、ロワーアームの先端部に設けた把持ローラとで、クランクシャフトのピン部又はジャーナル部を挟み込んだ状態で該クランクシャフトを回転させながらフレームに支持したアッパーアーム及びロワーアームを前記ピン部又はジャーナル部に連れ回りさせながらロール加工するフィレットロール加工方法において、
    ロール加工しない加工待機時には、前記アッパーアーム及び前記ロワーアームにそれぞれ取り付けた固定ピン受け部で前記フレームに設けた固定ピンを挟み込んで、当該アッパーアームとロワーアームをアンクランプ状態に保持させることを特徴とするフィレットロール加工方法。
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