JP3805213B2 - 軸肥大加工装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、金属軸材あるいは金属管の中間部に素材径よりも大径の肥大部を成形する軸肥大加工装置及び軸肥大加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、一対の保持部を一定間隔離間した状態でワークである金属軸材あるいは金属管を保持し、両保持部間のワークに軸回りの回転と曲げ及び圧縮圧力を作用させ、ワークの中間部任意の位置に軸肥大部を形成させる軸肥大加工を行う装置として、いくつかの提案がなされている。
【0003】
しかしながら、これらはほとんどが専用機としての構成であり、軸肥大加工後に切削加工を行う場合には旋盤等で行わなければならず、不便である。
【0004】
また、旋盤を用いて軸肥大加工を行う際には旋盤に通常の旋削加工等で発生しない大きなスラスト荷重がかかることになり、旋盤を破損する恐れがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
解決しようとする課題は、軸肥大加工後に旋削することが可能な軸肥大加工装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の軸肥大加工装置は、一対の保持部によって一定間隔離間した状態でワークを保持し、少なくとも一方の保持部を他方の保持部に対して偏倚させることによってワークに曲げを作用させるとともに該ワークを軸回りに回転させながら、少なくとも一方の保持部を他方の保持部に接近させることによってワークに圧縮圧力を作用させ、ワークの曲げ内側に生じる凸部をワーク全周に累積肥大させた後、両保持部の軸線が同一直線上に位置するよう両保持部を配置し、ワークの真直化を行いワークの中間部任意の位置に肥大部を形成加工する軸肥大加工装置として、普通旋盤と軸肥大加工ユニット及び固定台からなる構成とするものであって、該軸肥大加工ユニットはワークを保持可能に構成されるとともにワークを保持した状態でワークが軸回りに回転自在に構成された従動回転保持体を備え、該従動回転保持体後部に設けた回動支軸を旋盤の案内面に沿って前後に摺動可能なベースフレームに回動自在に軸承させ、この回動支軸よりも前方でベースフレームと従動回転保持体間に前記回動支軸を基端として従動回転保持体を回動させる偏倚手段を備えており、前記固定台は旋盤の案内面に沿って前後に移動可能であるとともに、所定位置で前後移動できない拘束された状態とする固定手段を有し、前記軸肥大加工ユニットと該固定台間に固定台を固定した状態で軸肥大加工ユニットを前後に移動させる移動手段を設けたものであることを最も主要な特徴とする。
請求項2は、上記固定台の固定手段として、固定台に取り付けられた係合部材と旋盤のベッド側に設けた係合孔とからなるもの、あるいは固定台に設けた係合孔と旋盤のベッド側に取り付けられた係合部材とからなるものであって、夫々の係合孔と係合部材の係合によって固定台を旋盤の案内面上の所定位置において固定可能としたことを特徴とする。
請求項3は、上記固定台の固定手段として、固定台に上下に回動自在に係合部材を軸着し、該係合部材を左右方向の軸に軸承された偏心カムによって上下回動させ、前記軸の少なくとも一端部に偏心カムの回転操作を行う操作レバーを設け、さらに、旋盤のベース部に前記係合部材が係合可能な係合孔を設けたことを特徴とする。
請求項4は、上記軸肥大加工ユニットの従動回転保持体内のスリーブ交換により心押し台として使用できることを特徴とする。
請求項5は、ワークに作用させる圧縮圧力を保持するため、旋盤の主軸台側にはチャックにかかるスラスト荷重を保持するスラスト軸受を内臓させるとともに、主軸スピンドルに挿通した保持スリーブにかかるスラスト荷重を前記スラスト軸受で支持し、従動回転部側には保持筒内に軸方向にスラスト軸受を複数個配列し、個々のスラスト軸受にかかるスラスト荷重を分散させるよう保持子を挿通させたことを特徴とする。
請求項6は、一対の保持体でワークを保持し、該ワークに回転と曲げ及び圧縮圧力を作用させ曲げ内側に生じる凸部をワーク全周に累積肥大させる軸肥大加工方法において、曲げ戻しを行う際にワークの1回転当たり2度以内の曲げ戻しを行うことを特徴とする。
【0007】
請求項1の発明によれば、ワークを保持する一方の保持部を旋盤の主軸側に設け、他方の保持部を軸肥大加工ユニット内に設けている。そのため、主軸側保持部でワークを保持した後、軸肥大加工ユニットを接近させ、両保持部間に所定間隔Dをおいて保持する。然る後、固定台の固定手段により旋盤の案内面上で移動できない拘束された状態とする。そして、旋盤の主軸を回転させるとともに、移動手段を作動させ軸肥大加工ユニットを旋盤の主軸側に接近させる。次に偏倚手段により従動回転保持体を傾斜させ、ワークに曲げを作用させる。このとき、ワークの曲げ外側の引張力が相殺されて圧縮力になる程度の圧縮圧力を作用させる。この状態でワークの曲げ内側に生じる凸部が回転によって、ワーク全周に累積され、所望の肥大部が形成される。このように旋盤を用いて軸肥大加工が行えるので、切削加工が必要な際にはワークを装填しなおさずにそのままで加工を行うことができる。
請求項2の発明によれば、旋盤側に設けた係合孔と固定台側に設けた係合凸部の係合によって固定台を固定することができる。また、逆に旋盤側に設けた係合凸部と、固定台側に設けた係合孔の係合によって固定台の固定ができる。これによって、案内面上に固定された固定台を基端として軸肥大加工ユニットを移動手段によって前後に移動させることができる。
請求項3の発明によれば、固定台の固定手段の操作が旋盤に付属の心押し台の固定手段の操作方法と同様とすることができる。
請求項4の発明によれば、軸肥大加工ユニットと心押し台を交換することなく心押し台として使用できるので至便である。すなわち、軸肥大加工後の切削加工が容易に行える。
請求項5の発明によれば、軸肥大加工を行う際に作用させる圧縮圧力が旋盤に対して前後方向のスラスト荷重となり作用する。このスラスト荷重を旋盤に止着したスラスト軸受と、上記固定手段で保持され、旋盤の主軸スピンドルあるいはチャック等の破損を起こさない構成となっている。また、従動回転保持体側には、スラスト軸受を軸方向に複数配列し、このスラスト軸受にスラスト荷重を分散させて保持させることができるので、従動回転保持体の外径を小さくすることができる。
請求項6の発明によれば、ワークの曲げを戻す際にワークの一回転当たり2度以内とすることによってワークの捩れを軽減させることができ、より精度の良い加工軸を得ることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる軸肥大加工装置の一実施形態を図面に基づいて説明する。この軸肥大加工装置1は、普通旋盤Lと、該旋盤Lの主軸スピンドルSに取り付けられる保持部2と、該保持部2に接近あるいは離間自在かつ該保持部2に対して傾斜可能な従動回転保持体3を備えてなる軸肥大加工ユニット4と、旋盤Lのベッド案内面B上で前後移動を拘束する固定手段5を備えた固定台6と、前記軸肥大加工ユニット4と固定台6間に設ける移動手段7によって主に構成されている。
【0009】
まず、旋盤Lについて説明する。この旋盤の主軸スピンドルSには、チャックTが取り付けられるバックプレート8を止着している。そして、この主軸スピンドルS内には前記バックプレート8の前面に接当する顎部9aを備えたバックアップスリーブ9を挿通されており、該バックアップスリーブ9内にワークW端面が接当する面が設けられている。本実施形態ではバックアップスリーブ9に螺着したボルト部材10がワークWの端面を接当保持する構成としている。そして、バックアップスリーブ9の前面にはチャックTの爪で挟持される保持スリーブ11が接当した状態でセットされる。すなわち、ワークWを旋盤L側の保持部2となる保持スリーブ11及びバックアップスリーブ9に挿通後、チャックTの爪で保持スリーブ11を挟持することによって、ワークWにかかるスラスト荷重が顎部9aからバックプレート8、そして主軸スピンドルSに伝達される。これに耐えられる旋盤Lとするために主軸台にはスラスト軸受12が取り付けられており、通常の旋削加工においては発生しない大きなスラスト荷重に耐える旋盤Lとしている。なお、保持スリーブ11は後部に抜け防止の顎部11aを供えた筒体を複数に分割したものであり、ワークWの取り外しを容易にする効果がある。
【0010】
次に軸肥大加工ユニット4について説明する。
この軸肥大加工ユニット4は、旋盤Lのベッド案内面B上を前後に摺動自在なベースフレーム13を備えている。図5に示すベースフレーム13は一般的なベッド案内面Bの形状にセット可能なものを示しているが、これは使用するベッド案内面Bの形状によって変更するもので、軸肥大加工ユニット4が前後に移動自在かつ左右方向の動きを拘束できる形状であれば良い。そして、このベースフレーム13上には側板14,14が立設されており、この側板14,14間に従動回転保持体3が配される。この従動回転保持体3は、後部保持筒15と前部保持筒16を螺着し、前端部に耐圧キャップ17を螺着している。この耐圧キャップ17後端面に接するようにスラスト軸受18と、外側保持子19が取り付けられる。さらに、外側保持子19に接するようにスラスト軸受20が取り付けられ、前記スラスト軸受18の内輪18a側には、内側保持子21が取り付けられている。そして、前記スラスト軸受20と内側保持子21に接当する顎部22a,22bを供えた支持筒22が挿通される。なお、この支持筒22後端部は軸受23で保持されており、回転自在な構成とされている。この支持筒22内にはワークW保持部となるワーク保持スリーブ24と圧力保持スリーブ25が螺着された状態で挿通されている。なお、26は中子であり、第4図に示すようにワークW軸心上に位置する凸部26aを設けておけば、軸肥大加工と同時にセンタ穴の加工も行うことができ至便である。そして、圧力保持スリーブ25前部にはネジ部25aが設けられており、該ネジ部25aにはネジ27が螺合され前記耐圧キャップ17に軸受28,29を介して回転自在に支承されている。なお、該ネジ27前端部にはハンドル30が止着されており、ネジ27の回転操作を行う。このように構成された従動回転保持体3では、軸肥大加工時に発生するスラスト荷重を中子26から圧力保持スリーブ25、そして支持筒22からスラスト軸受20と内側保持子30からスラスト軸受18に伝達され、耐圧キャップ26で保持する構成となっている。すなわち、軸肥大加工中に作用させる圧縮圧力を複数のスラスト軸受へ分散させて保持させるので、従動回転保持部3を小径に構成することが可能となる。なお、本実施形態においては2個のスラスト軸受18,20による構成としているが、内側保持子21、外側保持子19を同様に重ねることによって3個以上のスラスト軸受に分散させる構成としても良い。
【0011】
次に、第7図に示すようにワーク保持スリーブ24を交換し、ドリルチャックあるいはセンタが取り付け可能な内径形状をしたスリーブ31としておけば、心押し台として使用できる構成となっている。なお、前部保持筒16に設けたネジ部16aにストッパネジ32を螺着し、支持筒22及びスリーブ31に設けた空孔部22c及びスライド溝31aにより、スリーブ31の回転を拘束させることも可能であり、穴あけ加工等も可能となる。
【0012】
そして、33は偏倚手段であり、上記従動回転保持体3を旋盤Lの主軸側に設けた保持部2の軸心に対して傾斜する方向に回動させるものである。
まず、上記従動回転保持体3の後部保持筒15に回動支軸34,34が止着されており、この回動支軸34,34を前記側板14,14に設けた軸受孔14a,14aに軸着することによって回動自在に構成されている。そして、この回動支軸34よりも前方側すなわち前部保持筒16に支点ピン35が固着されている。また、ベースフレーム13には取付部材36が止着されている。該取付部材36の上部には空孔部36aが設けられており、流体シリンダ37を揺動自在に支承するとともに流体シリンダ37先端部に螺着したクレビス38を前記支点ピン35に枢着している。このように構成された軸肥大加工ユニット4の従動回転保持体3は、流体シリンダ37の伸縮によって回動支軸34,34を基端として回動するものである。
【0013】
次に固定台6について説明する。この固定台6は旋盤Lのベッド案内面B上を前後に移動可能に構成されたベースフレーム39を備えている。このベースフレーム39には固定台6の前後移動を拘束する固定手段5が設けられている。
まず、軸肥大加工を行う際に上記軸肥大加工ユニット4を固定する固定手段5について説明する。この固定手段5は旋盤Lのベッドに設けられている鋳抜き穴上に係合孔40aを設けた固定プレート40を止着し、この係合孔40aに係合凸部41aを係合させ、固定するものであり詳述すると次のような構成である。
【0014】
41は係合凸部41aを有するロックプレートであり、軸42によって側板43,43間に回動自在に軸承されている。このロックプレート41には偏心カム44のガイド孔41bが設けられている。そして、前記偏心カム44は中空軸45に止着されている。この中空軸45の一端部には回動操作可能な操作レバー46が止着されている。すなわち、操作レバー46を回動操作することによって、中空軸45に止着された偏心カム44が回転し、ロックプレート41を上下に回動させる。この回動に伴って、該ロックプレート41の係合凸部41aが固定プレート40の係合孔40aに係合され、固定台6が固定される構成である。
【0015】
次に前記軸肥大加工ユニット4を心押台として使用する際の固定手段5について説明する。これは、前記中空軸45の内部を通る軸47に止着された偏心カム48が従動部材49を上下運動をさせる。そして、この従動部材49下面に止着された固定部材50を引上げ旋盤Lのベッド案内面Bを挟持する構成である。この把握力が不足する場合には側板43,43に設けた貫通孔43a,43aにロックボルト51,51を通し、前記固定部材50を締め付ければより把握力を上げたロックが可能となる。なお、52は操作レバーであり、軸42の回転操作を行うものである。
【0016】
第12図は上記固定手段5の別の実施形態を示すもので、固定台6上のベースフレーム39上に固着された取付台53に流体シリンダ54を螺着し、その先端に係合ピン55を取り付け、この係合ピン55の上下動によって、前述した固定プレート40の係合孔40aに係合させるものである。
【0017】
また、第13図は固定台6のベースフレーム39に設けた係合孔39aに旋盤L側に設けた昇降自在な係合ピン56を係合させるものである。詳述すると鋳抜き孔内に止着された案内筒57内に係合ピン56を摺動可能に配し、該係合ピン56の下端部に側面視において下方が開口した略々個字状のブラケット58を備えている。該ブラケットには軸59,60が止着されている。また、案内筒57にはブラケット61が固着されている。そして、旋盤Lに取り付けた支持軸62に回動可能に取り付けられる昇降ペタル63、ロック解除ペタル64に回動自在にロッド66,67に枢着している。ロッド66は前記ブラケット58の軸59に枢着されている。また、前記ブラケット61にはロック片68が枢着されており、ロッド67を該ロック片68に枢着している。なお、ロック片68は係合ピン56を上昇させた際、軸60に係合するロック孔68aが設けられており、係合ピン56の上昇位置を保持するよう構成されている。このロックは、ロック解除ペタル64を踏み込むとロック片68が時計回りに回動され、ロック解除する構成である。
【0018】
7は、上記軸肥大加工ユニットと固定台間に配された移動手段であり、本実施形態では流体シリンダ69を用いている。この流体シリンダ69は一端部を軸肥大加工ユニット4の側板14,14間に配された軸70に軸承されたクレビス71に螺着し、他端部を固定台6の側板43,43間に配された軸72に軸承されたクレビス73に羅着されている。このように構成した移動手段は固定台を固定した後、流体シリンダを伸縮させることによって,軸肥大加工ユニットを旋盤側の保持部に対して接近あるいは離間できる構成である。
【0019】
なお、本実施形態において流体シリンダ37,54,69の制御装置は図示していないが夫々の流体シリンダを個別に伸縮できるものであればよく、特に限定する条件はない。
【0020】
次に上記のように構成された軸肥大加工装置1を用いて、軸肥大加工を行う手順を説明する。
まず、旋盤LのチャックTを緩め、ワークWを保持部2であるバックアップスリーブ9及び保持スリーブ11内に挿通する。然る後、保持スリーブ11前端面がバックアップスリーブ9後端面に接する状態でチャックTを締める。そして、軸肥大加工ユニット4を前方へスライドさせ、ワーク保持スリーブ24と圧力保持スリーブ内にワークWを挿通させる。このとき、両保持部間には適当な間隔を取る。この間隔はワークWの軸径及び成形する肥大部の径によって異なるものであり、最適なものを選択すればよい。
【0021】
然る後、固定台6の固定手段5を作用させるため、操作レバー46を回動させ、ロックプレート41の係合凸部41aを固定プレート40の係合孔40aに係合させる。そして、移動手段7である流体シリンダ69を伸長させ、ワークWに圧縮圧力を作用させる。このとき、旋盤Lの主軸側ではボルト部材10にかかるスラスト荷重がバックアップスリーブ9の顎部9aからバックプレート8、そして主軸スピンドルSからスラスト軸受12へ伝達され、チャックTあるいは主軸スピンドルSにムリな負荷がかからないよう構成されている。また、軸肥大ユニット4側では中子26にかかるスラスト荷重をスラスト軸受18,20に分散して保持する構成となっており、従動回転保持体3を小径で大きなスラスト荷重に耐えるようになっている。
【0022】
次に旋盤を回転させた後、偏倚手段33である流体シリンダ37を伸長させ、従動回転保持体3を保持部2に対して傾斜させる。このとき、作用させる圧縮圧力は曲げの外側に発生する引張力を相殺し、圧縮圧力となる程度の圧力であり、曲げ角度はワークWの軸径によって異なるが6度程度までの角度でよい。
【0023】
この状態で数回転乃至数十回転させるとワークWの曲げ内側に生じる僅かな凸部が回転によってワークW全周に累積され、所望の肥大部を得ることができる。そして、所望の肥大部が形成できれば偏倚手段33である流体シリンダ37を縮小させ、互いの保持部軸心が同一直線状に配置されるよう曲げ戻しを行う。このときの曲げ戻しはワーク1回転当たり2度までとするとワークWに捩れが残存することなく真直化された肥大部を備えたワークWを得ることができる。
【0024】
そして、圧縮圧力と回転を停止させ、ワークWを抜き取る。このとき移動手段である流体シリンダを縮小すると旋盤側の保持部2にワークWが挟持されたままワーク保持スリーブ24からワークWが抜き取れる。次にチャックTを緩めると保持スリーブ11からワークWを簡単に取り外すことができる。
【0025】
なお、このとき旋削加工をする場合には保持部2でワークを保持したまま、あるいは軸肥大加工ユニット4のワーク保持スリーブ24をハンドル30の回転によって後方に押し出し、スリーブ31に交換し、センタ支持して旋削すれば良い。
【0026】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、ワークを保持する一方の保持部を旋盤の主軸側に設け、他方の保持部を軸肥大加工ユニット内に設けている。そのため、主軸側保持部でワークを保持した後、軸肥大加工ユニットを接近させ、両保持部間に所定間隔Dをおいて保持する。然る後、固定台の固定手段により旋盤の案内面上で移動できない拘束された状態とする。そして、旋盤の主軸を回転させるとともに、移動手段を作動させ軸肥大加工ユニットを旋盤の主軸側に接近させる。次に偏倚手段により従動回転保持体を傾斜させ、ワークに曲げを作用させる。このとき、ワークの曲げ外側の引張力が相殺されて圧縮力になる程度の圧縮圧力を作用させる。この状態でワークの曲げ内側に生じる凸部が回転によって、ワーク全周に累積され、所望の肥大部が形成される。このように旋盤を用いて軸肥大加工が行えるので、切削加工が必要な際にはワークを装填しなおさずにそのままで加工を行うことができる。
請求項2の発明によれば、旋盤側に設けた係合孔と固定台側に設けた係合凸部の係合によって固定台を固定することができる。また、逆に旋盤側に設けた係合凸部と、固定台側に設けた係合孔の係合によって固定台の固定ができる。これによって、案内面上に固定された固定台を基端として軸肥大加工ユニットを移動手段によって前後に移動させることができる。
請求項3の発明によれば、固定台の固定手段の操作が旋盤に付属の心押し台の固定手段の操作方法と同様とすることができる。
請求項4の発明によれば、軸肥大加工ユニットと心押し台を交換することなく心押し台として使用できるので至便である。すなわち、軸肥大加工後の切削加工が容易に行える。
請求項5の発明によれば、軸肥大加工を行う際に作用させる圧縮圧力が旋盤に対して前後方向のスラスト荷重となり作用する。このスラスト荷重を旋盤に止着したスラスト軸受と、上記固定手段で保持され、旋盤の主軸スピンドルあるいはチャック等の破損を起こさない構成となっている。また、従動回転保持体側には、スラスト軸受を軸方向に複数配列し、このスラスト軸受にスラスト荷重を分散させて保持させることができるので、従動回転保持体の外径を小さくすることができる。
請求項6の発明によれば、ワークの曲げを戻す際にワークの一回転当たり2度以内とすることによってワークの捩れを軽減させることができ、より精度の良い加工軸を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】軸肥大加工装置を示す全体側面図
【図2】旋盤の主軸部を示す要部側断面図
【図3】軸肥大加工ユニットを示す全体側面図
【図4】その全体側断面図
【図5】その全体正面図
【図6】その全体平面図
【図7】軸肥大加工ユニットを心押し台として使用する際の状態を示す側断面図
【図8】偏倚手段を示す側面図
【図9】固定手段を示す断面図
【図10】図8のa−a線断面図
【図11】図8のb−b線断面図
【図12】第二の実施形態の固定手段を示す側断面図
【図13】第3の実施形態の固定手段を示す要部断面図
【符号の説明】
1 軸肥大加工装置
2 保持部
3 従動回転保持体
4 軸肥大加工ユニット
5 固定手段
6 固定台
7 移動手段
B ベッド案内面
L 旋盤
S 主軸スピンドル
T チャック
W ワーク

Claims (6)

  1. 一対の保持部によって一定間隔離間した状態でワークを保持し、少なくとも一方の保持部を他方の保持部に対して偏倚させることによってワークに曲げを作用させるとともに該ワークを軸回りに回転させながら、少なくとも一方の保持部を他方の保持部に接近させることによってワークに圧縮圧力を作用させ、ワークの曲げ内側に生じる凸部をワーク全周に累積肥大させた後、両保持部の軸線が同一直線上に位置するよう両保持部を配置し、ワークの真直化を行いワークの中間部任意の位置に肥大部を形成加工する軸肥大加工装置として、普通旋盤と軸肥大加工ユニット及び固定台からなる構成とするものであって、該軸肥大加工ユニットはワークを保持可能に構成されるとともにワークを保持した状態でワークが軸回りに回転自在に構成された従動回転保持体を備え、該従動回転保持体後部に設けた回動支軸を旋盤の案内面に沿って前後に摺動可能なベースフレームに回動自在に軸承させ、この回動支軸よりも前方でベースフレームと従動回転保持体間に前記回動支軸を基端として従動回転保持体を回動させる偏倚手段を備えており、前記固定台は旋盤の案内面に沿って前後に移動可能であるとともに、所定位置で前後移動できない拘束された状態とする固定手段を有し、前記軸肥大加工ユニットと該固定台間に固定台を固定した状態で軸肥大加工ユニットを前後に移動させる移動手段を設けたものであることを特徴とする軸肥大加工装置。
  2. 上記固定台の固定手段として、固定台に取り付けられた係合部材と旋盤のベッド側に設けた係合孔とからなるもの、あるいは固定台に設けた係合孔と旋盤のベッド側に取り付けられた係合部材とからなるものであって、夫々の係合孔と係合部材の係合によって固定台を旋盤の案内面上の所定位置において固定可能としたことを特徴とする請求項1記載の軸肥大加工装置。
  3. 上記固定台の固定手段として、固定台に上下に回動自在に係合部材を軸着し、該係合部材を左右方向の軸に軸承された偏心カムによって上下回動させ、前記軸の少なくとも一端部に偏心カムの回転操作を行う操作レバーを設け、さらに、旋盤のベース部に前記係合部材が係合可能な係合孔を設けたことを特徴とする請求項1あるいは請求項2記載の軸肥大加工装置。
  4. 上記軸肥大加工ユニットの従動回転保持体内のスリーブ交換により心押し台として使用できることを特徴とする請求項1記載の軸肥大加工装置。
  5. ワークに作用させる圧縮圧力を保持するため、旋盤の主軸台側にはチャックにかかるスラスト荷重を保持するスラスト軸受を内臓させるとともに、主軸スピンドルに挿通した保持スリーブにかかるスラスト荷重を前記スラスト軸受で支持し、従動回転部側には保持筒内に軸方向にスラスト軸受を複数個配列し、個々のスラスト軸受にかかるスラスト荷重を分散させるよう保持子を挿通させたことを特徴とする請求項1乃至請求項4記載の軸肥大加工装置。
  6. 一対の保持体でワークを保持し、該ワークに回転と曲げ及び圧縮圧力を作用させ曲げ内側に生じる凸部をワーク全周に累積肥大させる軸肥大加工方法において、曲げ戻しを行う際にワークの1回転当たり2度以内の曲げ戻しを行うことを特徴とする軸肥大加工方法。
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