以下、本発明に係る遊技機の一実施の形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。本実施形態は、図柄の描かれた回転体を備えたパチンコ機1に関するものである。このパチンコ機1は、遊技状態を報知する場合において、回転体の回転による報知と、他の報知態様(照明、音声等)による報知とのタイミングを合わせ、遊技者に対して統一感のある報知を行うことが可能となっている。まず、パチンコ機1の機械的構成について、図1乃至図3を参照して説明する。図1は、パチンコ機1の正面図であり、図2は、遊技盤2の正面図であり、図3は、図柄表示装置8の拡大図である。
図1に示すように、パチンコ機1の正面の上半分の部分には、発射ハンドル7の操作により図示外の発射機から発射された遊技媒体としての遊技球が流下する遊技盤2が設けられている。この遊技盤2は略正方形であり(図2参照)、透明なガラス板を保持した前面枠11で保護されている。遊技盤2の下方部には、発射機に遊技球を供給し、且つ賞品球を受ける上皿5が設けられている。そして、上皿5の直下には、賞品球を受ける下皿6が設けられ、下皿6の右横には遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。さらに、前面枠11の上部には、左右方向の略全長に亘って前側に膨出するように照明装置35が形成されており、前面枠11の上部の左右の角にはスピーカ48がそれぞれ設けられている。また、前面枠11の前面には演出用の電飾ランプが多数設けられている。また、遊技盤2の下方中央には、押下回数により遊技演出の態様を変化させるための押ボタン69が設けられている。
また、図2に示すように、遊技盤2の前面にはガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が設けられている。この遊技領域4の略中央には、LCDから構成された表示画面28、各種ランプ、LED等を備えた図柄表示装置8が設けられている。この図柄表示装置8の上方右側には、図柄の描かれた回転体70を前面に表示するための回転体表示窓71が設けられており、図柄表示装置8の左方には普通図柄始動ゲート12が設けられており、普通図柄始動ゲート12の下方には普通電動役物13が設けられている。また、図柄表示装置8の下方には第二大入賞口17が、さらに第二大入賞口17の下方には第一大入賞口16が設けられている。尚、普通電動役物13、第一大入賞口16、及び第二大入賞口17には所定のタイミングで開放される開閉部材が備えられている。そして、開閉部材が開放された場合(普通電動役物13、第一大入賞口16、及び第二大入賞口17が開放された場合)のみ遊技球の入賞が可能となっており、開閉部材の閉鎖時(普通電動役物13、第一大入賞口16、及び第二大入賞口17の閉鎖時)には遊技球は入賞できない。
そして、第二大入賞口17の左方には、遊技盤2を流下する遊技球を2つの大入賞口16,17へ向けて誘導する遊技球誘導部材22が設けられている。また、第一大入賞口16の左方には普通入賞口18,19,20が設けられており、右方には普通入賞口21が設けられている。尚、遊技盤2には、上記以外に種々の電飾ランプやその他の電飾用LED、風車及び多数の遊技釘等が設けられている。
次に、図柄表示装置8、回転体表示窓71、及び回転体70について、図3を参照して説明する。図3に示すように、図柄表示装置8は中央に表示画面28を備えている。この表示画面28には動画やメッセージ等様々な映像が表示されるが、特に普通当たり判定の結果を報知するために、表示画面28に横並びに左、右、中央の順でデモ図柄表示部D1、デモ図柄表示部D2、デモ図柄表示部D3の3つの表示領域が設けられている。このデモ図柄表示部D1〜D3は、遊技者の目を惹くように後述の普通図柄表示部24及び特別図柄表示部25よりも広い領域を占めている。
また、図柄表示装置8には、表示画面28の下方に4つのLEDからなる普通図柄記憶数表示LED59が設けられており、その右方には1つのLEDからなる普通図柄表示部24が設けられている。そして、普通図柄表示部24は点灯状態が普通当たりの当選を示し、消灯が普通当たりの落選を示しており、点滅状態がこれから普通当たり判定の判定結果を報知することを示す変動状態とされている。また、普通図柄記憶数表示LED59には、普通図柄始動ゲート12(図2参照)を通過し、普通図柄表示部24に普通当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数、所謂普通図柄作動保留球数が、点灯するLEDの個数により表示される。
また、図柄表示装置8には、表示画面28の上方に4つのLEDからなる特別図柄記憶数表示LED60が設けられており、その上方には2つの7セグメントから構成される特別図柄表示部25が設けられている。そして、特別図柄表示部25には7セグメントにより表示可能なアルファベットや数字、またはこれらの組み合わせからなる特別図柄が表示される。この特別図柄は、その組み合わせ毎に「大当たり特別図柄」及び「はずれ特別図柄」があらかじめ定められている。また、特別図柄記憶数表示LED60は、普通電動役物13(図2参照)へ入賞し、特別図柄表示部25に大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数、所謂特別図柄作動保留球数が、点灯するLEDの数により表示される。
また、回転体表示窓71からは回転体70が視認可能な状態となっている。回転体70の表面には複数の図柄が描かれており、回転体70の停止する位置に応じて、それらの図柄のうち唯一の図柄を回転体表示窓71より遊技者に対して認識させることが可能となっている。従って、回転体70を回転させることにより、遊技者に対して停止図柄に対する期待感を持たせることができるとともに、回転体70上の特定の図柄を回転体表示窓71から認識できる位置に停止させることにより、遊技者に対して遊技状態を報知することができ、報知態様を多様化させている。
次に、回転体70及び周辺の概略構成について、図4及び図5を参照して説明する。図4は、回転体70周辺の概略構成図であり、図5は、回転体70の概略構成図である。
図4及び図5に示すように、回転体70は略円筒形状を有しており、その表側面78(図5参照)には複数の図柄が描かれている。そして、略長方形状に切り取られた窓部であって、回転体70に描かれた図柄がちょうど外部から視認できる程度の大きさを有する窓部である回転体表示窓71が、回転体70の前方に配置している。遊技者は、回転体表示窓71を通し回転体70の動作状態(回転状態、停止状態)が視認できるようになっている。
また、回転体70の内側には、円筒形状の中心軸位置に配置する支軸部73と、当該支軸部73から放射状に延び、回転体70の筒状部に延設された支持部72とが配設されている。そして、当該支軸部73には、回転体70を支軸部73を回転中心として回転駆動するためのステッピングモータ74が接続されている。さらに、当該ステッピングモータ74は、パチンコ機1の本体に固定されている基材板75より延設してなる支持板76にて支持されており、ステッピングモータ74を回転させることにより、回転体70を回転可能な状態となっている。
また、回転体70の表側面78に取り付けられている磁性被検出部80を検出するための磁気センサ77が、回転体表示窓71の下方に配設されている。この磁気センサ77は、磁性被検出部80により形成される磁場を検出することが可能なようにその検出可能範囲を回転体70に向けた状態となっている。また、回転体70の表側面78には「・」、「CHANCE」、及び「V」の合計3つの図柄が順に描かれている。そして、「・」の図柄の短手方向右側斜め下方には、磁性被検出部80が取り付けられている。この磁性被検出部80を検出することにより、回転体70の回転位置が判断可能となっており、回転体70に描かれている図柄のうちいずれが回転体表示窓71の位置に配置しているかを判断可能となっている。
ここで、本実施の形態のパチンコ機1における回転体70の回転制御の概略について説明する。回転体70はステッピングモータ74の回転に伴い回転する。ここでステッピングモータ74とは、入力されるパルス信号に応じて回転するモータであり、回転角が入力されたパルス数に比例するという特徴を有する。本実施の形態においては、1パルス入力された場合に3°回転し、120パルス出力した場合に360°回転する(1回転する)ステッピングモータを使用した場合を想定している。
加えて、ステッピングモータ74の回転時に磁気センサ77により磁性被検出部80の位置を逐次確認することにより、回転の基準とする位置を補正している。ステッピングモータ74の回転制御の際、回転による慣性モーメントの影響で、1パルスで回転する回転角がわずかにずれる現象が発生する。そしてこのずれが蓄積することにより、回転位置の制御に誤差が生じてしまう(脱調する)ことが一般的に知られている。本実施の形態のパチンコ機1では、磁気センサ77が磁性被検出部80を検出することにより、回転制御の誤差を補正している。
具体的には、回転体70の表側面78に描かれている図柄のうち「・」が回転体表示窓71より視認できる位置にステッピングモータ74が回転駆動した状態で、磁気センサ77がちょうど磁性被検出部80を検出している状態となるように、磁性被検出部80の配置が調整されている。モータ駆動基板(図4、後述)は、この状態を回転制御の基準位置(以降「回転基準位置」という。)として認識する。そして、この回転基準位置からステッピングモータ74に40パルス入力された場合に120°回転し、「・」に対して回転方向に隣接する図柄である「CHANCE」が回転体表示窓71より視認できる状態となる。また、ステッピングモータ74に80パルス入力された場合に240°回転し、「CHANCE」に対して回転方向に隣接する図柄である「V」が回転体表示窓71より視認できる状態となる。また、ステッピングモータ74に120パルス入力された場合に360°回転し、「V」に対して回転方向に隣接する図柄である「・」が回転体表示窓71より視認できる状態となる。
次いで、本実施の形態のパチンコ機1における遊技の概要について説明する。パチンコ機1では、遊技球が普通図柄始動ゲート12を通過すると、普通当たり判定が行われる。この普通当たり判定の判定結果が「当たり」であれば、パチンコ機1が普通当たり状態となり、普通電動役物13が開放されて、普通電動役物13への遊技球の入賞が可能な状態となる。この普通電動役物13は、所定時間が経過するか、遊技球が5個入賞するかのどちらかの条件が満たされると閉鎖される。ここで、普通当たり判定の判定結果は表示画面28のデモ図柄表示部D1〜D3に表示される。また、普通当たり判定となる確率が高い状態(以降「リーチ状態」という。)となった場合には、リーチ状態を遊技者に対して通知するために、表示画面28より所定のリーチ演出(以降、「特定演出」という。)が表示され、併せて、回転体70の回転が開始する。また、回転体70の回転中には、押ボタン69の押下が許可され、遊技者により押下された押下回数が累計される。そして、押下回数が所定の条件を満たしたタイミングで、特定演出が確定表示に移行し、回転体70が停止して判定結果を報知する。これら一連のリーチ演出により、あたかも遊技者が普通当たり判定に参加し、押ボタン69の押下により普通当たりを導いているかのような演出が可能となっている。
上記において普通当たり判定の結果が普通当たりとなった場合には、パチンコ機1は普通当たり状態となり普通電動役物13が開放し、この状態で普通電動役物13へ遊技球が入賞すると、大当たり判定が行われる。この大当たり判定の判定結果が「大当たり」であれば、パチンコ機1が大当たり遊技状態となり、第一大入賞口16及び第二大入賞口17が開放される大当たり遊技が実施され、第一大入賞口16及び第二大入賞口17への遊技球の入賞が可能な状態となる。そして、第一大入賞口16及び第二大入賞口17への遊技球の入賞球数に応じて、遊技球が払い戻される。なお、第一大入賞口16及び第二大入賞口17は共に所定時間が経過するか、若しくは遊技球が所定数入賞すると閉鎖される。これにより、大当たり遊技状態は終了する。
次に、本実施の形態のパチンコ機1の電気的構成について、図6を参照して説明する。図6は、パチンコ機1の電気的構成を示すブロック図である。図6に示すように、制御部40は、主基板41、電源基板42、演出制御基板43、払出制御基板45、モータ駆動基板46、中継基板47及びサブ統合基板58から構成されている。この制御部40は、パチンコ機1(図1参照)の裏側(背面側)に設けられている。
はじめに、主基板41について説明する。パチンコ機1の主制御を司る主基板41には、プログラムに従って各種の処理を行う主基板CPUユニット50が設けられている。この主基板CPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、演算処理中に発生するデータの値等を一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム、各種データの初期値、他の基板への指示を行うコマンド等を記憶したROM53とが設けられており、これらは1つのLSIとして一体にモールディングされている。また、CPUユニット50には割込信号発生回路57が接続されており、CPU51は、この割込信号発生回路57から割込信号が入力される毎に、ROM53に記憶されている制御プログラムを実行する。
また、主基板41にはI/Oインタフェイス54が設けられており、サブ統合基板58、払出制御基板45、中継基板47等のサブ基板、及び普通電動役物13に入賞した遊技球を検出するための近接スイッチである始動口スイッチ90が接続されている。また、主基板41のI/Oインタフェイス54には、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する出力ポート55が接続されている。
次いで、払出制御基板45及び中継基板47について説明する。払出制御基板45には、CPU45aや図示外の入力インタフェイス、RAM及びROMが内蔵されており、賞品球払出装置49に接続されている。そして、主基板41から送信されるコマンドに従って、賞品球払出装置49の制御を行う。また、中継基板47には、普通電動役物13の開閉部材を開放・閉鎖する電動役物開放ソレノイド81、第一大入賞口16の開閉部材を開放・閉鎖する第一大入賞口開放ソレノイド82、第二大入賞口17の開閉部材を開放・閉鎖する第二大入賞口開放ソレノイド83、普通図柄始動ゲート12を通過した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ84、第一大入賞口16に入賞した遊技球数を計数するための第一大入賞口スイッチ85、第二大入賞口17に入賞した遊技球数を計数するための第二大入賞口スイッチ86、普通入賞口18〜21に入賞した遊技球を検出する入賞口スイッチ87、普通図柄表示部24、及び特別図柄表示部25が接続されている。そして、中継基板47は、スイッチやソレノイドの配線の中継と、主基板41から直接制御される表示部等への中継とを行っている。尚、普通電動役物13、第一大入賞口16、第二大入賞口17、普通入賞口18〜21に遊技球が入賞すると、所定数の遊技球が払い出される。
次いで、サブ統合基板58について説明する。サブ統合基板58には、CPU581、RAM582、及びROM583が設けられており、演出制御基板43、モータ駆動基板46、スピーカ48、及び押ボタン69に接続されている。そして、主基板41から送信されるコマンドに従って、演出等の総合的な制御を行っている。
次いで、演出制御基板43について説明する。演出制御基板43は、CPU43a、及び図示外のRAM、ROM、入力インタフェイスを内蔵しており、表示画面28の制御を行っている。次いで、モータ駆動基板46について説明する。モータ駆動基板46は、CPU46a、RAM46b、ROM46c、及び図示外の入力インタフェイス等を内蔵し、照明装置35の制御、普通図柄記憶数表示装置LED59、及び特別図柄記憶数表示LED60の点灯制御、ステッピングモータ74の回転制御、磁気センサ77による回転体70の回転位置検出等の処理を行っている。次いで、電源基板42について説明する。電源基板42は、主基板41及び遊技球発射装置37に接続されており、各基板及び遊技球発射装置37に直流の安定化した電力を供給している。遊技球発射装置37は、図示外の発射モータや、発射ハンドル7に設けられたタッチセンサ、発射装置停止スイッチ、及び発射強弱調整ボリューム等からなり、一定間隔毎に1個ずつ遊技球を遊技領域へ発射する。
次に、モータ駆動基板46が備える記憶素子の記憶領域について、図7及び図8を参照して説明する。図7は、モータ駆動基板46が備えるROM46cの記憶エリアを示す概念図であり、図8は、モータ駆動基板46が備えるRAM46bの記憶エリアを示す概念図である。なお、主基板41が備える記憶素子(RAM52、ROM53)の記憶領域、及びサブ統合基板58が備える記憶素子(RAM582,ROM583)の記憶領域についての詳細説明は省略する。
はじめに、モータ駆動基板46が備えるROM46cの記憶エリアについて、図7を参照して説明する。図7に示すように、ROM46cには、パチンコ機1のリセットが行われる際に各記憶エリアに記憶される初期値等を記憶する初期設定記憶エリア4601、CPU46aがパチンコ機1を制御するための各種制御プログラムを記憶する制御プログラム記憶エリア4602、ステッピングモータ74の回転、及び停止を制御するために、ステッピングモータ74に対して送信するパルスのパルス数とパルス幅とを記憶するパルス列記憶エリア4603等が設けられている。さらに、ROM46cには、図示外の各種の記憶エリアが設けられている。
次に、モータ駆動基板46が備えるRAM46bの記憶エリアについて、図8を参照して説明する。図8に示すように、RAM46bには、各種のカウンタを記憶するカウンタ記憶エリア4611、各種のフラグを記憶するフラグ記憶エリア4612、ステッピングモータ74に送信するパルスの情報をROM46cのパルス列記憶エリア4603から読み出して記憶する出力パルス列記憶エリア4613等が設けられている。さらに、RAM46bには、図示外の各種の記憶エリアが設けられている。
次に、ROM46cのパルス列記憶エリア4603に記憶されているパルス列の詳細について、図9〜図13を参照して説明する。図9は、ステッピングモータ74を連続回転させる場合において、出力されるパルスのパルス数及びパルス幅の情報(以降「連続回転パルス情報」という。)を示しており、図10〜図13は、回転体70の表側面78に描かれている図柄のうち「V」が回転体表示窓71より表示される状態にステッピングモータ74を停止させる場合において、出力されるパルスのパルス数及びパルス幅の情報(以降「V停止パルス情報」という。)を示している。これらのうち、図10は、サブ統合基板58からモータ駆動基板46に対して回転停止の指示がなされた瞬間のステッピングモータ74の回転位置が、回転基準位置から「0〜29」パルス分(0°〜87°)回転した位置である場合のV停止パルス情報であり、図11は、ステッピングモータ74の回転位置が、回転基準位置から「30〜59」パルス分(90°〜177°)回転した位置である場合のV停止パルス情報であり、図12は、ステッピングモータ74の回転位置が、回転基準位置から「60〜89」パルス分(180°〜267°)回転した位置である場合のV停止パルス情報であり、図13は、ステッピングモータ74の回転位置が、回転基準位置から「90〜119」パルス分(270°〜357°)回転した位置である場合のV停止パルス情報である(以下、ステッピングモータ74に対して出力されたパルスの回転基準位置からの累計数を「出力パルス番号」という。)。
なお、同様に「・」及び「CHANCE」のが回転体表示窓71より表示される位置にステッピングモータ74を停止させる場合における出力パルスのパルス数及びパルス幅の情報についても、ROM46cに記憶されているが、これらの詳説は省略する。
はじめに、連続回転パルス情報について、図9を参照して説明する。図9に示すように、連続回転パルス情報には、Hi信号出力時間、Low信号出力時間、及び出力パルス数の情報が記憶されている。これらの情報のうち、Hi信号出力時間(以下「t(Hi)」と略す。)は、ステッピングモータ74に対して出力されるパルスのHi信号の出力時間を示しており、単位は「ms」である。また、Low信号出力時間(以下「t(Low)」と略す。)は、ステッピングモータ74に対して出力されるパルスのLow信号の出力時間を示しており、単位は「ms」である。また、出力パルス数(以下「cnt」と略す。)は、ステッピングモータ74に対して出力されるパルス数を示している。なお、上述のうちHi信号とは、ステッピングモータ74を駆動させるためのパルス信号のうち、電圧が高いレベルの部分を示している。また、Low信号とは、パルス信号のうち、電圧が低いレベルの部分を示している。また、出力パルス数は、上記Hi信号とLow信号にて構成される信号を1パルスとした数を示している。
例えば、図9に示す例においては、ステッピングモータ74に対して、Hi信号が3ms(t(Hi):3)でありLow信号が3ms(t(Low):3)であるパルスを、連続して出力する(cnt:連続)ということを示している。
次に、出力パルス番号が「0〜29」である状態(回転基準位置から「0°〜87°」回転した状態)の回転体70を停止させるためのV停止パルス情報について、図10を参照して説明する。図10に示すように、V停止パルス情報には、連続パルス情報(図9)と同様に、t(Hi)とt(Low)とcntの情報が記憶されている。
ここで、V停止パルス出力情報を参照してステッピングモータ74にパルスを出力する場合は、V停止パルス情報のうち最上位列のcnt(図10の場合、cnt:76)の値から出力パルス番号を減算した残りのパルス数をステッピングモータ74に対して出力することとなる。理由は、既述のように、ステッピングモータ74は、回転基準位置から「80」パルス入力された状態で、「V」の図柄が回転体表示窓71より表示される位置に停止するが、V停止パルス情報(図10)におけるcntの合計値は「80」(72+4+4)となっているからである。
例えば、図10に示す例においてはステッピングモータ74に対して、Hi信号が4ms(t(Hi):4)でありLow信号が4ms(t(Low):4)であるパルスを、「76(cnt:76)−出力パルス番号」出力し、次に、Hi信号が5ms(t(Hi):5)でありLow信号が5ms(t(Low):5)であるパルスを、4(cnt:4)出力することにより、ステッピングモータ74を回転させ、図柄「V」を回転体表示窓71の位置に停止させるということを示している。なお、ステッピングモータ74の回転停止までに要する時間は、「(t(Hi)+t(Low))×(cnt−出力パルス数)」の算出式より「416ms〜648ms」となる。
次に、出力パルス番号が「30〜59」、「60〜89」、「90〜119」である状態の回転体70を停止させるためのV停止パルス情報について、図11〜図13を参照して説明する。図11〜図13に示すように、V停止パルス情報には、連続パルス情報(図9)と同様に、t(Hi)とt(Low)とcntの情報が記憶されている。
ここで、V停止パルス出力情報を参照してステッピングモータ74にパルスを出力する場合は、図10の場合と同様に、V停止パルス情報のうち最上位列のcntの値から出力パルス番号を減算した残りのパルス数をステッピングモータ74に対して出力することとなる。なお、図10の場合と異なり、V停止パルス情報(図11〜図13)におけるcntの合計値は「200」となっている。従って、出力パルス番号が「30〜80」である場合、「cnt−出力パルス番号」の算出結果が120以上となる(360°以上回転する)。この理由は、ステッピングモータ74は、回転基準位置から「80」パルス分回転した状態で「V」の図柄が回転体表示窓71より表示される位置に停止するが、回転中の回転体70の回転位置が停止位置(80パルスの位置)に近接している場合、ステッピングモータ74を急に停止させてしまうことになるためである。このような場合に、余分に1回転(120パルス分)回転させ、その後に所定の位置(「V」の位置)に停止するように、cntの合計値を「200」に定めている。
図11は、出力パルス番号が「30〜59」である状態(回転基準位置から「90°〜177°」回転した状態)の回転体70を停止させるためのV停止パルス情報を示している。この場合、Hi信号が2ms(t(Hi):2)でありLow信号が1ms(t(Low):1)であるパルスを、「180(cnt:180)−出力パルス番号」出力し、次に、Hi信号が3ms(t(Hi):3)でありLow信号が2ms(t(Low):2)であるパルスを、8(cnt:8)出力し、次に、Hi信号が3ms(t(Hi):3)でありLow信号が3ms(t(Low):3)であるパルスを、4(cnt:4)出力し、次に、Hi信号が4ms(t(Hi):4)でありLow信号が4ms(t(Low):4)であるパルスを、4(cnt:4)出力し、次に、Hi信号が5ms(t(Hi):5)でありLow信号が5ms(t(Low):5)であるパルスを、4(cnt:4)出力することにより、ステッピングモータ74を回転させ、図柄「V」を回転体表示窓71の位置に停止させるということを示している。なお、ステッピングモータ74の回転停止までに要する時間は、「(t(Hi)+t(Low))×(cnt−出力パルス数)」の算出式より「499ms〜586ms」となる。
また図12は、出力パルス番号が「60〜89」である状態(回転基準位置から「180°〜267°」回転した状態)の回転体70を停止させるためのV停止パルス情報を示している。この場合、Hi信号が2ms(t(Hi):2)でありLow信号が2ms(t(Low):2)であるパルスを、「180(cnt:180)−出力パルス番号」出力し、次に、Hi信号が3ms(t(Hi):3)でありLow信号が2ms(t(Low):2)であるパルスを、8(cnt:8)出力し、次に、Hi信号が3ms(t(Hi):3)でありLow信号が3ms(t(Low):3)であるパルスを、4(cnt:4)出力し、次に、Hi信号が4ms(t(Hi):4)でありLow信号が4ms(t(Low):4)であるパルスを、4(cnt:4)出力し、次に、Hi信号が5ms(t(Hi):5)でありLow信号が5ms(t(Low):5)であるパルスを、4(cnt:4)出力することにより、ステッピングモータ74を回転させ、図柄「V」を回転体表示窓71の位置に停止させるということを示している。なお、ステッピングモータ74の回転停止までに要する時間は、「(t(Hi)+t(Low))×(cnt−出力パルス数)」の算出式より「500ms〜616ms」となる。
また図13は、出力パルス番号が「90〜119」である状態(回転基準位置から「270°〜359°」回転した状態)の回転体70を停止させるためのV停止パルス情報を示している。この場合、Hi信号が3ms(t(Hi):3)でありLow信号が2ms(t(Low):2)であるパルスを、「188(cnt:188)−出力パルス番号」出力し、次に、Hi信号が3ms(t(Hi):3)でありLow信号が3ms(t(Low):3)であるパルスを、4(cnt:4)出力し、次に、Hi信号が4ms(t(Hi):4)でありLow信号が4ms(t(Low):4)であるパルスを、4(cnt:4)出力し、次に、Hi信号が5ms(t(Hi):5)でありLow信号が5ms(t(Low):5)であるパルスを、4(cnt:4)出力することにより、ステッピングモータ74を回転させ、図柄「V」を回転体表示窓71の位置に停止させるということを示している。なお、ステッピングモータ74の回転停止までに要する時間は、「(t(Hi)+t(Low))×(cnt−出力パルス数)」の算出式より「441ms〜586ms」となる。
なお、ステッピングモータ74は120パルス入力されることにより360°回転するため、出力パルス番号は120を超えることはない。
以上のようにステッピングモータ74にパルスを出力して制御することにより、回転体70の表側面78に描かれている図柄のうち所望の図柄が回転体表示窓71の位置となるような回転位置に回転体70を停止させることが可能となっている。また、回転体70の停止までの時間を最小時間400ms〜最大時間650msの範囲に収まるようにパルス幅を調整している。そして、他の報知態様の報知タイミングをこの最小時間から最大時間の範囲内に収まるように制御することにより、全体として統一感のある報知を実行し、遊技者に対して、回転体70の回転停止のタイミングと他の報知手段の報知のタイミングとが一致しているような印象を与えることが可能となっている。(詳細は後述する。)。
なお、1パルスにより回転する回転角は等しく、パルス幅が短くなれば、回転速度は速くなり、パルス幅が長くなれば、回転速度は遅くなるため、回転速度を自在に調整して報知の興趣を高めている。図10〜図13に示す例では、ステッピングモータ74に対して出力するパルスのパルス幅を徐々に長くすることによって、回転速度を徐々に遅くし、スムーズに回転体70が停止するように制御している。
次に、本実施の形態のパチンコ機1の主基板41による動作の詳細について、図14〜図18を参照して説明する。図14は、主基板41におけるメイン処理のフローチャートであり、図15は、メイン処理の中で行われる普通図柄処理のサブルーティンフローチャートであり、図16は、メイン処理の中で行われる普通電動役物処理のサブルーティンフローチャートであり、図17は、メイン処理の中で行われる特別図柄処理のサブルーティンフローチャートであり、図18は、メイン処理の中で行われる特別電動役物処理のサブルーティンフローチャートである。以下、フローチャートの各ステップについて「S」と略記する。
パチンコ機1の制御は、ROM53に記憶されている制御プログラムにより行われる。メイン処理は、割込信号発生回路57が発生する割込信号をCPU51が感知した際に、CPU51において実行される。割込信号は、2ms毎に発生されるので、メイン処理は2ms毎に繰り返し実行されることになる。
まず、主基板41で行われるメイン処理について、図14を参照して説明する。図14に示すように、割込信号の感知によってメイン処理が開始されると、まずコマンド出力処理が行われる(S10)。このコマンド出力処理では、制御コマンドが、I/Oインタフェイス54を介してサブ統合基板58や払出制御基板45、モータ駆動基板46、中継基板47等に出力される。制御コマンドには、普通当たりの演出表示を実行させるための普通当たり演出表示コマンド、はずれ演出表示を実行させるためのはずれ演出表示コマンド、普通電動役物13を開放させるための普通電動役物開放コマンド、普通電動役物13を閉鎖させるための普通電動役物閉鎖コマンド、大当たりの演出表示を実行させるための大当たり演出表示コマンド、第一大入賞口16及び第二大入賞口17を開放させるための第一大入賞口開放コマンド及び第二大入賞口開放コマンド等、多数のコマンドがあるが、これらの詳細は後述する。ここで出力される制御コマンドは、前回実施されたメイン処理においてRAM52のコマンド関係記憶エリアに出力コマンドとして記憶された制御コマンドである。
次に、スイッチ読込処理が行われる(S13)。このスイッチ読込処理では、普通図柄始動ゲート12、普通電動役物13、第一大入賞口16、第二大入賞口17、普通入賞口18〜21への遊技球の入賞を検知する処理が行われる。具体的には、普通図柄始動ゲート12に設けられている普通図柄作動スイッチ84、普通電動役物13に設けられている始動口スイッチ90、第一大入賞口16に設けられている第一大入賞口スイッチ85、第二大入賞口17に設けられている第二大入賞口スイッチ86、普通入賞口18〜21に設けられている入賞口スイッチ87が用いられる。入賞と判断された場合には、RAM52中の各スイッチに対応したフラグがONとされるため、CPU51はこれらのフラグによりスイッチのON−OFFを判断する。
スイッチ読込処理が終了すると、次いで、カウンタ更新処理が行われる(S15)。カウンタ更新処理では、RAM52に記憶されている当たり判定用の乱数の取得カウンタの各値が所定量だけ加算される。また、時間を監視するタイマカウンタの各値が所定量だけ減算される。
カウンタ更新処理が終了すると、特別電動役物処理が行われる(S17)。この特別電動役物処理では、大当たり遊技の動作を制御するための処理等が行われるが、この詳細は、図18に示すフローチャートを参照して後述する。
特別電動役物処理が終了すると、特別図柄処理が行われる(S19)。この特別図柄処理では、大当たりの判定結果等をサブ統合基板58に通知するためのコマンドの記憶等の処理が行われる。この特別図柄処理については、図17に示すフローチャートを参照して後述する。
特別図柄処理が終了すると、普通電動役物処理が行われる(S21)。この普通電動役物処理では、普通当たりとなった場合に普通電動役物13を開閉する動作を制御するための処理が行われるが、この詳細は、図16に示すフローチャートを参照して後述する。
普通電動役物処理が終了すると、普通図柄処理が行われる(S23)。普通図柄処理では、普通当たりの判定、デモ図柄の変動を制御するためのコマンドの記憶等が行われる。この普通図柄処理については、図15に示すフローチャートを参照して後述する。
普通図柄処理が終了すると、賞品球の払い出しを行う払出処理が行われ(S25)、次いで、エラーチェックが行われる(S27)。パチンコ機1にエラーが発生している場合には、表示画面28にエラー表示を行わせたり、照明装置35を点灯・点滅させたり、スピーカ48からエラー音を発音させたりする。エラーチェック処理が終わるとメイン処理は終了する。そして、割込信号発生回路57から割込信号を受信すると、また最初からメイン処理が実行される。
次に、メイン処理の普通図柄処理(S23)の詳細について、図15を参照して説明する。図15に示すように、メイン処理の普通図柄処理が開始されると、普通図柄始動ゲート12への遊技球の通過に関する処理が行われる。まず、普通図柄始動ゲート12を遊技球が通過したか否かが判断される(S101)。メイン処理のスイッチ読込処理(S13、図14)において、普通図柄始動ゲート12に設けられている普通図柄作動スイッチ84が遊技球の通過を検出した場合には、RAM52の対応するフラグが「ON」となっている。そこで、S101ではこの普通図柄作動スイッチ84に対応するフラグが「ON」であるか否かの判断が行われ、「ON」でない場合には(S101:NO)、遊技球は普通図柄始動ゲート12を通過していないので、そのままS107の判断へ移行する。
普通図柄作動スイッチ84に対応するフラグが「ON」である場合には(S101:YES)、普通図柄始動ゲート12を遊技球が通過しているので、その遊技球についての乱数が取得されRAM52に記憶される。しかし、乱数を取得して記憶することができる普通図柄作動保留球の数は4個である。そこで、RAM52に記憶されている普通図柄作動保留球数が「4」であるか否かの判断が行われる(S102)。普通図柄作動保留球数が「4」である場合には(S102:YES)、この遊技球についての乱数は記憶できないので、そのままS107の判断へ移行する。
普通図柄作動保留球数が「4」でない場合、すなわち「0」〜「3」のいずれかである場合には(S102:NO)、普通図柄作動保留球の値に「1」が加算され、RAM52に記憶される(S103)。そして、記憶した普通図柄作動保留球数の値に対応する乱数が記憶される(S105)。
次いで、普通当たりフラグにより、普通当たり遊技状態であるか否かの判断が行われる(S107)。普通当たり遊技状態である場合には、普通当たり判定や判定結果の報知は行われない。そこで、普通当たりフラグが「ON」であり、普通当たり遊技状態である場合には(S107:YES)、次に、普通当たり遊技状態が所定時間行われたかの判断がなされる(S127)。この判断は、普通当たり遊技状態が開始された場合に初期化され、カウンタ更新処理(S15)において更新されているタイマカウンタを参照することにより行われる。そして、タイマカウンタの値が所定時間以上となっている場合は(S127:YES)、普通当たり遊技状態が所定時間実行されたものとみなして、通常の遊技状態に戻すために普通当たりフラグをOFFし(S129)、普通図柄処理を終了してメイン処理へ戻る。
普通当たりフラグが「ON」でない場合には(S107:NO)、普通当たり遊技状態でないので、次に、普通当たり判定を行うべき遊技球が存在するか否かの確認が行われる(S109)。RAM52に記憶されている普通図柄作動保留球数が「1」以上でなければ(S109:NO)、普通当たり判定を行うべき遊技球は存在しないので、そのままメイン処理へ戻る。「1」以上であれば(S109:YES)、普通当たり判定を行うべき遊技球が存在するので、普通図柄作動保留球が「1」減算され(S111)、対応する乱数がRAM52の判定エリアへシフトされる(S113)。
次いで、RAM52の判定エリアへシフトした乱数に対する普通当たり判定が行われる。普通当たり判定は、所定の普通当たり判定テーブル(図示外)が参照され、判定エリアの乱数と一致するか否かにより実行される(S115)。
ここで、「普通当たり」と判定された場合には(S115:YES)、判定エリアへシフトした乱数に応じた、表示画面28に表示する普通当たりの変動パターンが1つ決定される(S117)。次に、決定された変動パターンを示す変動パターン指定コマンドがRAM52のコマンド関係記憶エリアに記憶される(S119)。この変動パターン指定コマンドは、コマンド出力処理(S10、図14)においてサブ統合基板58に送信される。そして次に、普通当たり遊技状態であることを示す普通当たりフラグを「ON」し(S121)、普通図柄処理を終了してメイン処理に戻る。また、普通当たり判定において「普通当たり」と判定されなかった場合には(S115:NO)、はずれの変動パターンが決定され(S123)、決定された変動パターンを示す変動パターン指定コマンドがコマンド関係記憶エリアに記憶され(S125)、普通図柄処理を終了してメイン処理に戻る。
次に、メイン処理の普通電動役物処理(S21)の詳細について、図16を参照して説明する。図16に示すように、メイン処理の普通電動役物処理が開始されると、普通当たりフラグにより、普通当たり遊技状態であるか否かの判断が行われる(S161)。普通当たり遊技状態でない場合には、普通電動役物13の開放・閉鎖は行われない。そこで、普通当たりフラグが「OFF」であり、普通当たり遊技状態でない場合には(S161:NO)、普通電動役物処理を終了してそのままメイン処理へ戻る。
一方で、普通当たりフラグが「ON」であり、普通当たり遊技状態である場合には(S161:YES)、普通電動役物13の開放・閉鎖に関する処理が行われる。普通電動役物開放中フラグが「OFF」であり、普通電動役物13がまだ開放されていなければ(S163:NO)、普通電動役物13を開放させるための普通電動役物開放コマンドがRAM52のコマンド関係記憶エリアに記憶される(S165)。そして、普通電動役物13が開放中であることを示す普通電動役物開放中フラグが「ON」とされる(S167)。
次いで、RAM52に記憶されている普通電動役物入賞球数が5であるか否かの判断が行われる(S169)。普通電動役物13へ遊技球が入賞する毎に、メイン処理のスイッチ読込処理(S13、図14参照)において、普通電動役物入賞球数に「1」が加算される。この普通電動役物入賞球数の値が「5」未満、すなわち「0」〜「4」であれば(S169:NO)、普通電動役物13の開放時間が経過したか否かの判断が行われる(S171)。開放時間が経過していなければ(S171:NO)、普通電動役物処理を終了してそのままメイン処理へ戻る。
そして、その後に行われるメイン処理の普通電動役物処理で、普通当たり遊技状態であり(S161:YES)、普通電動役物13が開放中である場合には(S163:YES)、入賞球数が「5」となるか(S169:YES)、若しくは普通電動役物13の開放時間が経過するまで(S171:YES)、繰り返しこれらの判断が行われる。そして、入賞球数が「5」となった場合(S169:YES)、または開放時間が経過した場合には(S171:YES)、普通電動役物13を閉鎖させるため、普通電動役物閉鎖コマンドがコマンド関係記憶エリアに記憶される(S173)。次いで、RAM52の普通電動役物開放中フラグが「OFF」とされ(S175)、メイン処理へ戻る。
次に、メイン処理の特別図柄処理(S19)の詳細について、図17を参照して説明する。図17に示すように、メイン処理の特別図柄処理が開始されると、普通電動役物13への遊技球の入賞に関する処理が行われる。まず、普通電動役物13へ遊技球が入賞したか否かが判断される(S201)。RAM52に記憶されている始動口スイッチ90に対応するフラグが「OFF」となっている場合には(S201:NO)、遊技球は普通電動役物13へ入賞していないので、そのままS207の判断へ移行する。
始動口スイッチ90に対応するフラグが「ON」である場合には(S201:YES)、普通電動役物13へ遊技球が入賞しているので、RAM52に記憶されている特別図柄作動保留球数が「4」であるか否かの判断が行われる(S202)。「4」である場合には(S202:YES)、この遊技球についての乱数は記憶できないので、そのままS207の判断へ移行する。
特別図柄作動保留球数が「4」でない場合、すなわち「0」〜「3」のいずれかである場合には(S202:NO)、特別図柄作動保留球数の値に「1」が加算される(S203)。そして、特別図柄作動保留球数の値に対応する乱数が記憶される(S205)。
次いで、大当たりフラグにより、大当たり遊技状態であるか否かの判断が行われる(S207)。大当たり遊技状態である場合には、大当たり判定や判定結果の報知は行われない。そこで、大当たりフラグが「ON」であり、大当たり遊技状態である場合には(S207:YES)、何もせずに特別図柄処理を終了してメイン処理へ戻る。
大当たりフラグが「ON」でない場合には(S207:NO)、大当たり遊技状態でないので、次に、大当たり判定を行うべき遊技球が存在するか否かの確認が行われる(S209)。特別図柄作動保留球数が「1」以上でなければ(S209:NO)、大当たり判定を行うべき遊技球は存在しないので、そのまま特別図柄処理を終了してメイン処理へ戻る。「1」以上であれば(S209:YES)、大当たり判定を行うべき遊技球が存在するので、特別図柄作動保留球数が「1」減算され(S211)、対応する乱数が判定エリアへシフトされる(S213)。
次いで、大当たり判定が行われる(S215)。大当たり判定は、所定の大当たり判定テーブル(図示外)が参照され、判定エリアの乱数とが一致するか否かにより判断される。そして、「大当たり」と判定された場合には(S215:YES)、判定エリアの乱数に基づいて複数の大当たり図柄の中から1つが決定され(S217)、決定された大当たり図柄を示すコマンドがコマンド関係記憶エリアに記憶され(S219)、大当たり遊技状態であることを示す大当たりフラグが「ON」されて(S221)、特別図柄処理を終了し、メイン処理に戻る。
一方で、大当たり判定の結果が「はずれ」であった場合には(S215:NO)、はずれ図柄が決定され、コマンド関係記憶エリアに記憶され(S223)、特別図柄処理を終了し、メイン処理に戻る。
次に、メイン処理の特別電動役物処理(S17)の詳細について、図18を参照して説明する。図18に示すように、メイン処理の特別電動役物処理が開始されると、大当たりフラグにより、大当たり遊技状態であるか否かの判断が行われる(S231)。大当たり遊技状態でない場合には、2つの大入賞口16,17の開放・閉鎖は行われない。そこで、大当たりフラグが「OFF」であり、大当たり遊技状態でない場合には(S231:NO)、そのまま特別電動役物処理を終了してメイン処理へ戻る。
一方で、大当たりフラグが「ON」であり、大当たり遊技状態である場合には(S231:YES)、2つの大入賞口16,17を開放する処理が行われる。すなわち、第一大入賞口16を開放するために、第一大入賞口開放コマンドがコマンド関係記憶エリアに記憶され(S233)、次に、第二大入賞口開放コマンドがコマンド関係記憶エリアに記憶される(S235)。
開放した第一大入賞口16及び第二大入賞口17は、これらの入賞口に所定の数の遊技球が入賞するか、又は所定時間が経過した場合に閉鎖されることとなる。そこで次に、入賞口に入賞した遊技球数を判断する(S237)。RAM52における第一大入賞口スイッチ85、及び第二大入賞口スイッチ86に対応するフラグがONされた回数をカウントし、所定回数以上となりこれらの入賞口に所定個数の遊技球が入賞したものと判断した場合(S237:YES)、又は、第一大入賞口16及び第二大入賞口17が開放されてから所定の時間が経過したことを大入賞口開放時間カウンタにより判断した場合(S239:YES)、第一大入賞口16及び第二大入賞口17を閉鎖させるために、第一大入賞口閉鎖コマンドがコマンド関係記憶エリアに記憶し(S241)、第二大入賞口閉鎖コマンドがコマンド関係記憶エリアに記憶する(S243)。そして、大当たり遊技状態が終了したことを示すために大当たりフラグが「OFF」とされて(S245)、特別電動役物処理を終了しメイン処理に戻る。
以上のように主基板41のメイン処理が実行されている。メイン処理では、主にパチンコ機1が備えるセンサやスイッチの状態を検知して対応する処理を判断し、サブ統合基板58に対して各種コマンドを送信することにより、パチンコ機1が備える報知手段の制御を実行させるという処理をおこなっている。
次に、サブ統合基板58による動作の詳細について、図19及び図20を参照して説明する。図19は、サブ統合基板58において実行されるメイン処理のフローチャートであり、図20は、メイン処理の中で行われる、報知タイミング調整処理のサブルーティンフローチャートである。なお、サブ統合基板58の制御は、ROM583に記憶されている制御プログラムにより行われる。メイン処理の制御プログラムは、CPU581に内蔵されている割り込み処理により2ms周期で繰り返し起動され実行される。
まず、サブ統合基板58で行われるメイン処理について、図19を参照して説明する。図19に示すように、サブ統合基板58におけるメイン処理では、主基板41より受信するコマンドに応じ、各報知制御基板(演出制御基板43、モータ駆動基板46)及び報知手段の制御を行う。
はじめに、主基板41より受信したコマンドについての処理を行う。主基板41より受信したコマンドが「普通当たり演出表示コマンド」であるか(S271:YES)、または、「はずれ演出コマンド」である場合(S271:NO、S273:YES)、ROM583にあらかじめ記憶されている複数の変動表示のうち表示画面28に表示する変動表示を選択し決定する(S303)。なおここで、パチンコ機1が普通当たりとなる確率が高い状態であるリーチ状態となっていることを遊技者に通知するための特定表示が、所定の確率で選択される。この特定表示が選択された場合、表示画面28からの報知と併せて、回転体70による報知が実行される。
次に、演出制御基板43(図4参照)に対して、決定した変動表示を表示画面28に表示させるための指示コマンドとして、変動開始コマンドを演出制御基板43に対して送信する(S305)。そして、表示画面28に対して変動表示を表示中であることを示すフラグである変動表示フラグをONして変動表示中とし(S307)、次回のサブ統合基板処理において回転体70の回転を開始するために回転開始フラグをONとして(S308)、サブ統合基板メイン処理を終了する。
一方、主基板41より「普通当たり演出表示コマンド」「はずれ演出表示コマンド」のいずれも受信していない場合(S271:NO、S273:NO)、次に、回転体70が回転中であるかどうかを判断する(S275)。回転体70が回転中の場合は(S275:YES)、回転中の回転体70の停止タイミングの判断及び停止制御(S277〜S301)を実行し、回転していない場合には(S275:NO)、回転開始タイミングの判断及び開始制御(S309〜S319)を実行する。
回転体70が回転中か否かの判断は、回転中フラグが「ON」となっているかによって判断される(S275)。回転中フラグがOFFであり、回転体70が停止状態であると判断した場合(S275:NO)、次に、「普通当たり演出コマンド」又は「はずれ演出コマンド」受信時におけるS303にて決定した変動表示が特定表示であり、パチンコ機1が、普通当たりとなる確率が高い状態であるリーチ状態となっており、表示画面28より特定表示を表示しているかが判断される(S309)。S303にて決定した変動表示が特定表示でなく、通常の変動表示である場合は(S309:NO)、回転体70の回転開始処理を行う必要がないので、以降処理を行わずサブ統合基板処理メイン処理を終了する。
一方、回転体70は回転中でないが(S275:NO)、S303において決定された変動表示が特定表示であって、表示画面28より特定表示を表示中である場合(S309:YES)、回転体70の回転が停止しており、回転を開始させる必要がある。そこで次に、回転体70の回転を開始するべきタイミングであるかどうかが判断される(S311)。回転を開始するタイミングである場合としては、特定表示を開始した場合(S308)や、回転中の回転体70が一旦停止したのち、回転を再開する場合(S325)がある。これらの場合に回転開始フラグがONとされるので(S311:YES)、モータ駆動基板46(図4参照)に対してステッピングモータ74の回転開始を実行させるために、モータ駆動基板46(図4参照)に対して回転開始コマンドを送信し(S313)、回転体70が回転中であることを示すために回転中フラグをONして(S315)、サブ統合基板処理メイン処理を終了する。
一方、回転開始フラグがOFFとなっており、回転開始タイミングでない場合であって、(S311:NO)、報知開始フラグが「ON」となっている場合(S317:YES)、回転中のステッピングモータ74に対して、モータ駆動基板46よる停止制御が開始されている状態となっている。そこで、回転体70が停止するタイミングをまって、他の報知態様(表示画面、音声、照明)による報知を実行し、全体の報知タイミングを合わせる必要がある。ここで既述のように、モータ駆動基板46は、回転停止コマンドを受信(図22、S401、後述)した後、最小時間400msから最大時間650msまでの範囲内にステッピングモータ74が停止するようにパルスを出力し、回転を制御している。従ってサブ統合基板58は、モータ駆動基板46に対してステッピングモータ74を停止させるための回転停止コマンドを送信(S297、後述)してから、最小時間から最大時間までの範囲内の所定時間(536ms)待った後、他の報知態様(表示装置、音声、照明)の報知制御を行っている(S319、図20)。なお、上述における所定時間(536ms)は、モータ駆動基板46が回転停止コマンドを受信してからステッピングモータ74を停止させるまでに要する時間の平均値として算出される値である。本実施の形態においては、「V」の図柄が回転体表示窓71より表示される位置に停止させるための情報として図10〜図13にて定められている「V」停止パルス情報の最小時間と最大時間とから平均値が算出されている。
尚、照明装置35による報知制御は、他の報知態様と同様に所定時間(536ms)経過後に制御を行ってもよいが、本実施の形態では、モータ駆動基板46により照明装置35の報知態様が制御される構成となっているので、モータ駆動基板46にてステッピングモータ74を停止させたのを確認したのと同時に、モータ駆動基板46が直接照明装置35を制御して報知を実行させてもよい。
ここで、図20を参照し、報知タイミング調整処理について説明する。図20に示すように、報知タイミング調整処理では、はじめに、536msの時間を算出するためのwaitカウンタを更新する(S341)。サブ統合基板58は、2msの低周期で起動する処理であるため、waitカウンタには「2」が加算される。そして、このwaitカウンタが536以上となった場合、モータ駆動基板46に対してステッピングモータ74を停止させるための回転停止コマンドを送信(S297、後述)してから536ms経過したと判断する(S343:YES)。そしてこのタイミングで、特定表示中に抽選結果を報知するための表示(以降「特定結果表示」という。)を挿入させるために、演出制御基板43に対して特定表示コマンドを送信し(S345)、スピーカ48より抽選結果を報知するための音声出力をさせる(S347)。そして、報知開始フラグを「OFF」にして処理を終了し(S349)、サブ統合基板メイン処理に戻る。尚、本実施の形態では、サブ統合基板58が536msの時間を監視し、536ms経過の後、表示画面28に特定結果表示を挿入させるために、演出制御基板43に対して特定表示コマンドを送信しているが、演出制御基板43にて536msの時間を監視する構成としてもよい。すなわち、サブ統合基板58は、モータ駆動基板46に対してステッピングモータ74を停止させるための回転停止コマンドを送信すると同時に、演出制御基板43に対して特定表示コマンドを送信し、演出制御基板43は、特定表示コマンドを受信してから536ms待った後、表示画面28に特定結果表示を挿入するように制御してもよい。
一方、図19において報知開始フラグがセットされていない場合には(S317:NO)、次に、回転体が一時停止中であるかどうかが判断される(S321)。回転体70の図柄のうち「CHANCE」が回転体表示窓71に表示されている状態で回転体70が停止している場合(S321:YES)、次に、回転再開のタイミングであるかどうかが判断される(S323)。回転停止コマンド送信(S297、後述)と同時にクリアされたカウンタが更新された結果、所定値となった場合は(S323:YES)、回転体70の回転停止から一定期間が経過し、回転体70の回転を再開させる必要があると判断し、回転を再開させるために回転開始フラグがONされ(S325)、サブ統合基板処理を終了する。
一方、「CHANCE」が回転体表示窓71に表示される状態で停止していない場合や(S321:NO)、「CHANCE」が回転体表示窓71に表示される状態であっても、回転体70の回転停止から一定期間が経過していない場合には(S321:YES、S323:NO)、以降特段の処理を行うことなくサブ統合基板処理を終了する。
一方、図19に示すサブ統合基板58において、主基板41からの「普通当たり演出表示コマンド」又は「はずれ演出表示コマンド」の両方とも受信しておらず(S271:NO、S273:NO)、回転体70が回転中である場合(S275:YES)、回転体70の回転停止の判断及び回転停止制御が実行される。ここで、回転中の回転体70が停止する契機としては、所定の回転時間が経過した場合と、又は、パチンコ機1の前面に設けられている押ボタン69が所定回数押下された場合とがある。
このうち、押ボタン69押下による回転停止の場合には、押下回数が「5」「10」「15」となった際に、一時的に回転が停止して「CHANCE」が回転体表示窓71より表示され、一定期間後、回転が再開する。そして、押下回数が「25」となった場合に、回転体が停止して最終的な普通当たり判定結果が遊技者に対して通知され、普通当たりとなった場合には「V」、はずれとなった場合には「・」の図柄がそれぞれ回転体表示窓71より表示される。尚、上記「5」「10」「15」「25」の回数は、常時固定値として管理してもよいし、予めこれらの回数を複数パターン用意しておき、特定演出の都度、いずれかを選択することにより回数を切り替える構成としてもかまわない。さらに、押ボタン69の押下の度に所定の確率の抽選を行い、抽選の結果に応じて回転体70の回転停止の可否を定めることとしてもよい。
図19に示すように、まず、パチンコ機1の前面に設けられた押ボタン69が押下されたかどうかが判断される(S277)。押ボタン69が押下された場合は(S277:YES)押下された回数を累計した押下回数を更新し(S279)、S281に移行する。
そして、所定の回転時間が経過するか(S281:YES)、押下回数が25回以上となった場合(S283:YES)、次に、回転体70の回転開始の契機となったコマンドが普通当たり演出コマンドであるか、はずれ演出コマンドであるかを判断する(S289)。普通当たり演出コマンドである場合は(S289:YES)、回転体停止時に「V」の図柄が回転体表示窓71より表示されるように、RAM582に「V」を記憶する(S293)。そしてS297の処理に移行する。一方、はずれ演出コマンドである場合(S289:NO)、回転体停止時に「・」の図柄が回転体表示窓71より表示されるように、RAM582に「・」を記憶する(S295)。そしてS297の処理に移行する。
このことにより、遊技者に対して、表示される回転体70の図柄が「V」である場合は、判定結果が普通当たりであることを通知し、表示される回転体70の図柄が「・」である場合は、判定結果がはずれであることを通知している。
一方、所定の回転時間が経過しておらず(S281:NO)、押ボタン69の押下回数が25回以上でない場合であっても(S283:NO)、押下回数が5回、10回、15回のいずれかである場合には(S285:YES)、回転体停止時に「CHANCE」の図柄が回転体表示窓71より表示されるように、RAM582「CHANCE」を記憶する(S291)。そしてS297の処理に移行する。このことにより、遊技者に対して、いまだ普通当たりとなる可能性があることを通知している。
そしてS297において、モータ駆動基板46に対して、停止位置の情報と共に回転停止コマンドを送信し(S297)、モータ駆動基板46を制御して回転体70をS291、S293、S295にて決定した位置となるように停止させる。そして回転体70が回転中である旨を通知する回転体フラグをOFFとして回転体70の回転が停止中であることを示し(S299)、S319において回転体の停止のタイミングと他の報知態様の報知のタイミングとを合わせるため実行されるタイミング調整処理の開始の契機となる報知開始フラグをONとして(S301)サブ統合基板処理を終了する。
以上のように、モータ駆動基板46に対してステッピングモータ74の回転停止コマンドを送信してから536ms後に、他の報知態様処理(表示装置、音声、照明)の報知制御(特定結果表示コマンド送信、スピーカ出力制御)を行うことによって、回転体70の回転停止のタイミングである最小時間400msから最大時間650msまでの範囲内の時間内に他の報知態様による報知を行うことが可能となる。従って、表示画面28による報知のタイミング及びスピーカ48からの出力のタイミングとが一致しているかのような印象を遊技者に与え、全体として統一感のある報知が可能となっている。
ここで、回転体70の回転停止のタイミングは遊技者による押ボタン69の押下回数に従って定まるものであり、回転体70を回転開始させる際には不定であるため、あらかじめ回転体70を停止させるまでの時間と他の報知態様の報知までの時間とを所定値に定め、その時間に従って制御を行うことによってタイミングを合わせることはできない。しかしながら、本実施の形態では、押ボタン69押下により回転体70の回転停止の条件が成立すると、回転体70の回転位置に関わらず、一定の時間(最小時間400ms〜最大時間650ms)を費やして回転体70を停止させるように制御している。また、この停止のタイミングの範囲内に収まるように他の報知態様の報知を実行させる。このことにより、回転体70の回転停止のタイミングと、他の報知態様の報知のタイミングが一致しているかのような印象を遊技者に与え、遊技者に対して統一感のある演出を行っている。
なお、一般的に、パチンコ機1の制御基板間の通信は、コスト削減のため単方向方式で行われており、演出制御基板43やモータ駆動基板からの情報をサブ統合基板が受信して制御にフィードバックし、この情報に従って、他の報知態様と同期をとることは不可能である場合が多い。しかしながら本実施の形態では、あらかじめ定められた時間で回転体の回転を停止させることと定めることにより、他の報知態様とのタイミングの調整が可能となっている。
次に、モータ駆動基板46の制御について、図21〜25を参照して説明する。モータ駆動基板46は、ステッピングモータ74にパルスを出力することによるステッピングモータ74の回転制御と、ステッピングモータ74と同様にモータ駆動基板46に接続されている照明の点灯処理とを実行している。図21は、モータ駆動基板処理のメインフローチャートであり、図22は、回転位置制御処理のサブルーティンフローチャートであり、図23は、停止制御処理のサブルーティンフローチャートであり、図24は回転位置補正処理のサブルーティンフローチャートであり、図25は、駆動パルス出力処理のサブルーティンフローチャートである。
はじめに、モータ駆動基板処理のメインフローチャートについて、図21を参照して説明する。モータ駆動基板処理は、CPU46aの定周期割込処理により、1msの定周期で起動し、処理を行っている。図21に示すように、モータ駆動基板処理では、はじめに回転位置制御処理(S371)が行われ、次に、駆動パルス出力処理(S373)が行われる。そして、回転中フラグが「ON」から「OFF」となり、ステッピングモータ74の回転が停止したタイミングであると判断した場合には(S375:YES)、照明装置35を制御して回転体70の回転停止のタイミングに合わせて照明を点灯させ(S376)、一連の処理を終了する。
次に、回転位置制御処理の詳細について、図22を参照して説明する。回転位置制御処理では、サブ統合基板58より受信するコマンドに応じて、ステッピングモータ74の回転制御を行う。図22に示すように、回転位置制御処理では、はじめに、サブ統合基板58より送信されたコマンドがある場合に、当該コマンドを受信する(S400)。そして、受信するコマンドを判別し、その種別に応じたステッピングモータ74の制御処理を行う。
詳細には、受信したコマンドが回転開始コマンドであった場合には(S401:YES)、ステッピングモータ74に対してパルスの出力を開始し、回転を開始する(S403、S405)。また、回転停止コマンドであった場合は(S401:NO、S409:YES)、ROM46cの停止パルス列記憶エリア4603に記憶されている停止パルス列を参照してパルス数及びパルス幅を決定し、ステッピングモータ74にパルスを出力して、回転中の回転体70を所望の位置に停止させる(S411、S413)。
また、いずれのコマンドも受信していない場合であって(S401:NO、S409:NO)、ステッピングモータ74が回転中である場合には(S417:YES)、ステッピングモータ74の回転制御時において発生する制御誤差を修正するための回転位置補正処理(S419)を行う。
回転開始コマンドを受信した場合(S401:YES)、はじめに、ROM46cの停止パルス列記憶エリア4603に記憶されている情報のうち、連続パルス情報(図9参照)を、RAM46bの出力パルス列記憶エリア4613に記憶する(S403)。記憶した連続パルス情報は、駆動パルス出力処理(図25、後述)においてステッピングモータ74に対してパルスを出力する場合に用いられるが、詳細は後述する。
次に、ステッピングモータ74を連続回転駆動中としていることを示すフラグである、回転中フラグを「ON」する(S405)。そして回転位置制御処理を終了し、回転制御メイン処理に戻る。回転中フラグを「ON」とすることによって、これ以降の駆動パルス出力処理(図25参照、後述)において、ステッピングモータ74へのパルス出力が開始される。
一方、サブ統合基板58より回転停止コマンドを受信した場合(S401:NO、S409:YES)、はじめに、停止制御処理(S411、図23、後述)にて回転体70を停止させるための処理を実行する。その後、ステッピングモータ74を連続回転駆動中としていることを示す回転中フラグを「OFF」とする(S413)。そして回転位置制御処理を終了し、回転制御メイン処理に戻る。
次に、図23を参照して、停止制御処理の詳細について説明する。図23に示すように、停止制御処理では、はじめに、出力パルス番号をRAM582より抽出し、ステッピングモータ74の回転位置を把握する(S431)。既述のように、出力パルス番号は、回転基準位置から現時点まででステッピングモータ74に出力しているパルス数である。なお、出力パルス番号は、駆動パルス出力処理のS555(図25、後述)に更新処理を行っている変数である。本実施の形態にて想定しているステッピングモータ74は、1パルス入力されることにより3°回転することが既知となっているため、出力パルス番号に「3°」を乗算することによって、ステッピングモータ74の回転基準位置からの回転位置(何°回転しているか)を把握することが可能となっている。
出力パルス番号の抽出(S431)により回転位置を把握した後、次に、受信した回転停止コマンドに付随する停止図柄の情報を参照して、回転体70の停止までにステッピングモータ74に出力するパルス情報(パルス数、パルス幅)をROM46cの停止パルス列記憶エリア4603から選択して決定する。
具体的には、受信した回転停止コマンドに付随する停止図柄が「V」である場合には(S433:YES)、V停止パルス情報(図10〜図13)のうちいずれかのパルス情報を選択することとなる。ここで、S431において抽出した出力パルス番号を参照し、例えば、出力パルス番号が「0〜29」である場合には、図10に示すV停止パルス情報を選択し、出力パルス番号が「30〜59」である場合には、図11に示すV停止パルス情報を選択し、出力パルス番号が「60〜89」である場合には、図12に示すV停止パルス情報を選択し、出力パルス番号が「90〜119」である場合には、図13に示すV停止パルス情報を選択する。選択したV停止パルス情報は、RAM46bの出力パルス列記憶エリア4613に記憶する(S439)。
次に、S439においてRAM46bの出力パルス列記憶エリア4613に記憶したV停止パルス情報中のパルス数の情報について、現状の出力パルス番号にて補正を行う。具体的には、V停止パルス情報の出力パルス数に記憶されているパルス数のうち、最上位行のパルス数の値から出力パルス番号を減算する(S445)。減算結果のパルス数の総数は、回転中のステッピングモータ74を「V」の位置に停止させるために必要なパルス数となる。そして停止制御処理を終了し、回転位置制御処理に戻る。
また、受信した回転停止コマンドに付随する停止図柄が「・」である場合には(S433:NO、S435:YES)、「・」を回転体表示窓71の位置に停止させるための停止パルス情報(・停止パルス情報)(図示外)のうち、S431において抽出した出力パルス番号に対応した停止パルス情報を選択し、RAM46bの出力パルス列記憶エリア4613に記憶する(S441)。そして次に、RAM46bの出力パルス列記憶エリア4613に記憶した停止パルス情報中の出力パルス数の情報について、現状の出力パルス番号にて補正を行う(S445)。補正結果のパルス数の総数は、回転中のステッピングモータ74を「・」の位置に停止させるために必要なパルス数となる。そして停止制御処理を終了し、回転位置制御処理に戻る。
また、受信した回転停止コマンドに付随する停止図柄が「CHANCE」である場合には(S435:NO、S437:YES)、「CHANCE」を回転体表示窓71の位置に停止させるための停止パルス情報(CHANCE停止パルス情報)(図示外)のうち、S431において抽出した出力パルス番号に対応した情報を選択し、RAM46bの出力パルス列記憶エリア4613に記憶する(S443)。そして次に、RAM46bの出力パルス列記憶エリア4613に記憶したパルス情報中の出力パルス数の情報について、現状のパルス番号にて補正を行う(S445)。補正結果のパルス数の総数は、回転中のステッピングモータ74を「CHANCE」の位置に停止させるために必要なパルス数となる。そして停止制御処理を終了し、回転位置制御処理に戻る。
以上のように、出力パルス番号によって現状のステッピングモータ74の回転位置を把握し、パルス列記憶エリア4603に記憶されているパルスの情報を参照することによって、所定の回転位置に、略所定時間(約536ms)にてステッピングモータ74を停止させることが可能となっている。
また、図22における回転位置制御処理において、サブ統合基板58からコマンドを受信しなかった場合であって(S401:NO、S409:NO)、回転中フラグがONとなっており、ステッピングモータ74が回転駆動中である場合(S417:YES)、回転位置補正処理(S419、図24参照)を実行する。
次いで、回転位置補正処理について、図24を参照して説明する。回転位置補正処理では、回転体70の表側面78に備えられている磁性被検出部80を磁気センサ77が検出した場合にその回転位置を回転基準位置とし、この位置における出力パルス番号を「0」と定め、他の回転位置を出力パルス番号により把握している。なお、磁気センサ77の感知幅には一定の幅があるため、回転体70の磁性被検出部80を検出している最中に、ステッピングモータ74へパルスが複数出力される状況が想定される。このような場合には、これら複数のパルスのうち、最初に出力されたパルス(出力パルス番号「X」とする。)と最後に出力されたパルス(出力パルス番号「Y」とする。)とのちょうど中間のタイミングで出力されたパルス(出力パルス番号:X+(Y−X)/2)の出力パルス番号が「0」となるような補正を行っている。このことにより、回転位置補正の精度を高めている。
図24に示すように、回転位置補正処理では、はじめに、磁気センサ77が回転体70の表側面78に配設された磁性被検出部80を検出したかどうかが判断される(S481)。磁性被検出部を検出している場合(S481:YES)、次に、既に出力パルス番号「X」を取得しているかを判断する(S483)。磁気センサ77の感知幅の影響で磁性被検出部80を連続して検出している最中であり、既に出力パルス番号「X」を取得済みである場合には、出力パルス番号を抽出する必要はない。この場合、検出開始フラグが「ON」となっているので(S483:NO)、新たに出力パルス番号の取得を行うことなく、処理を終了して回転位置制御処理(図22参照)に戻る。
検出開始フラグが「OFF」であり、磁気センサ77が磁性被検出部80の検出を開始した状態であって、上述における出力パルス番号「X」をいまだ取得していない場合(S483:YES)、次に、この時点での出力パルス番号を、変数「Temp1」としてRAM46bに記憶する(S485)。そして、検出開始フラグを「ON」として(S487)、回転位置補正処理を処理し回転位置制御処理に戻る。
一方、磁気センサ77が磁性被検出部80を検出しなかった場合(S481:NO)、次に、磁性被検出部80が磁気センサ77の感知幅の内部に位置している状態から、ステッピングモータ74の回転により外部に配置することとなった瞬間の状態であるかが判断される(S489)。ステッピングモータ74の回転により磁気センサ77の感知幅の外部に配置することとなった瞬間の状態である場合には、出力パルス番号「Y」を取得し、出力パルス番号を修正して回転位置の補正を行う必要があるからである。なお、磁気センサ77が磁性被検出部80を検出している状態では、検出開始フラグがONとなっていることから(S487参照)、ここでの判断は開始検出フラグを参照して行われる。
検出開始フラグが「OFF」である場合には(S489:NO)、以降特段の処理を行うことなく処理を終了して回転位置制御処理に戻る。検出開始フラグが「ON」である場合には(S489:YES)、出力パルス番号を修正する処理を実行する(S491〜S499)。
はじめに、磁気センサ77が磁性被検出部80を検出していない状態となっていることを示すために検出開始フラグをOFFし(S491)、次に、この時点での出力パルス番号を、変数「Temp2」としてRAM46bに記憶する(S493)。そして次に、「Temp1」と「Temp2」とのちょうど中間のタイミングで出力されたパルスの出力パルス番号(パルス番号:Temp1+(Temp2−Temp1)/2)に「0」が割り当てられるように、出力パルス番号を修正する。
なお、出力パルス番号は、パルスが出力される度に更新され、「120」となると、ステッピングモータ74は1回転して回転基準位置に戻ることとなるため、「0」リセットしている。(図25、S555、後述)。このことを考慮して、出力パルス番号の補正が実行される。記憶した「Temp1」の値が「Temp2」の値よりも大きい場合には(S495:YES)、以下に示す算出処理を実行し、算出結果を出力パルス番号として(S499)、回転位置補正処理を終了し、回転位置制御処理に戻る。
・(120+Temp2+Temp1)/2 mod 120
一方、「Temp1」の値が「Temp2」の値以上である場合には(S495:NO)、以下に示す算出処理を実行し、算出結果を出力パルス番号として(S497)、回転位置補正処理を終了し、回転位置制御処理に戻る。
・(Temp2−Temp1)/2
以上のように、磁気センサ77による磁性被検出部80の検知情報から、回転位置の補正を行っている。使用する磁気センサ77の感知幅が広い場合であっても、高精度な補正処理を行うことができる。また、ステッピングモータ74の回転駆動中は常時上記の回転補正処理が実行されることから、モータ駆動基板46は、ステッピングモータ74の回転制御時における脱調を防止しつつ、サブ統合基板58からの回転停止コマンドに応じて所望の回転位置にてステッピングモータ74を停止させることが可能となる。
次に、駆動パルス出力処理について、図25を参照して説明する。駆動パルス出力処理では、ステッピングモータ74に対してパルスを出力する処理が実行される。本処理中では、ステッピングモータ74に対してパルスを出力するための出力ポート(図示外)の電圧レベルを、回転制御処理より呼び出される毎にHiとLowとに切り替えることにより、パルスを生成している。
なお、出力されるパルスのパルス数とパルス幅は、回転位置制御処理におけるS403(図22参照)、及び、停止制御処理におけるS439、S441、S443(図23参照)において、RAM46bの出力パルス列記憶エリア4613(図8参照)に記憶されたパルス数及びパルス幅を参照して定められる。併せて、駆動パルス出力処理では、パルスを出力する毎に、ステッピングモータ74の回転位置を把握するための出力パルス番号を更新している。
図25に示すように、駆動パルス出力処理では、はじめに、ステッピングモータ74が回転駆動中であるか、又は、ステッピングモータ74の回転要求がなされている状態であるかどうかが判断される。回転中フラグがOFFとなっており、ステッピングモータ74の回転駆動の必要がない場合は(S531:NO)、駆動パルス出力処理において特段行うべき処理はないため、処理を終了して回転制御処理に戻る。
回転中フラグがONとなっており、ステッピングモータ74にパルスを出力して回転駆動する必要があると判断した場合は(S531:YES)、RAM46bの出力パルス列記憶エリア4613(図8参照)に記憶したパルス情報を参照し、ステッピングモータ74に対してパルスを出力するために、出力ポート(図示外)の電圧レベルを切り替える処理を実行する(S533〜S551)。
既述のように、パルス情報を参照してステッピングモータ74に対してパルスを出力する場合においては、パルス情報中において同一列に記憶されている情報のうち、Hi信号出力時間に記憶されている時間と、Low出力時間に記憶されている時間とからなるパルスを、出力パルス数に記憶されている数分出力する。本処理では、まず、出力パルス数の欄のうち最上位行を処理行として選択し、選択した処理行における出力パルス数の値が「0」であるかどうかを判断する(S533)。「0」である場合は(S533:YES)、同行に記憶されているパルスは既に出力済みであると判断して、次の行を処理行として抽出し(S535)、S533に戻って出力パルス数のチェックを繰り返す。
繰り返し出力パルス数のチェックを行う中で、処理行として抽出した行の出力パルス数が「0」以外となった場合(S533:NO)、次に、本処理において使用するカウンタであるHiカウンタ及びLowカウンタを初期化する処理を行う(S534、S537)。1パルスの出力を開始するタイミングである場合には、S556(後述)において初期化フラグがONされているので(S534:YES)、S535において抽出した処理行のHi出力時間及びLow出力時間をHiカウンタ及びLowカウンタに代入して初期化する(S537)。そして初期化フラグをOFFして(S538)S539に移行する。また、初期化フラグがOFFとなっている場合には(S534:NO)、そのままS539に移行する。
次に、処理行の出力パルス数として「−」が記憶されているかどうかが判断される(S539)。出力パルス数として「−」が記憶されている場合は(S539:YES)、以降、回転駆動中のステッピングモータ74に対するパルス出力を終了し、ステッピングモータ74の回転を停止させることを意味しているので、ステッピングモータ74が回転駆動中であることを示す回転中フラグをOFFして(S557)処理を終了し、回転制御処理に戻る。
処理行として抽出した行の出力パルス数が「0」でなく(S533:NO)、「−」でもない場合(S539:NO)、ステッピングモータ74にパルスを出力する処理を実行する(S541〜S556)。はじめに、S537において初期化したHiカウンタが「0」となっているかどうかが判断される(S541)。「0」でない場合は(S541:NO)、ステッピングモータ74に対してパルスを出力するため、出力ポート(図示外)をHiに設定する(S543)。そして、参照したHiカウンタから「1」減算して(S545)、駆動パルス出力処理を終了して回転制御処理に戻る。
この処理により、ステッピングモータ74に対して出力されるパルスのうちHiの部分が出力されたこととなる。そして、この出力ポート(図示外)Hiの出力状態は、Hiカウンタが「0」となるまで繰り返し実行される。従って、例えばHiカウンタの初期値が「3」となっている場合には、合計3ms間、連続して出力ポートからHi信号が出力される。
出力ポート(図示外)がHiの状態が、Hiカウンタの数分繰り返し実行された場合、Hiカウンタが「0」となるため(S541:YES)、次に、S537において初期化したLowカウンタが「0」となっているかどうかが判断される(S547)。「0」でない場合は(S547:NO)、ステッピングモータ74に対してパルスを出力するため、出力ポート(図示外)をLowに設定する(S549)。そして、参照したLowカウンタから「1」減算して(S551)、駆動パルス出力処理を終了して回転制御処理に戻る。
この処理により、ステッピングモータ74に対して出力されるパルスのうちLowの部分が出力されたこととなる。そして、この出力ポート(図示外)Lowの出力状態は、Lowカウンタが「0」となるまで繰り返し実行される。従って、例えばLow出力時間カウンタの初期値が「2」となっている場合には、合計2ms間、連続して出力ポートからLow信号が出力される。
出力ポート(図示外)Lowの出力状態がLowカウンタの数分繰り返し実行された場合、Lowカウンタが「0」となるため(S547:YES)、次に、RAM46bの出力パルス列記憶エリア4613(図8参照)に記憶されたパルス情報のうちS535において抽出した処理行のパルス数の値から「1」減算し(S553)、次に、出力パルス番号を更新する。出力パルス番号は、1ずつ累計加算され「120」となった場合に「0」となるように更新している(S555)。次いで、次回の駆動パルス出力処理におけるS537においてHiカウンタ及びLowカウンタの値を初期化するために、初期化フラグをONして(S556)処理を終了する。
この処理により、ステッピングモータ74に対して出力されるパルスのうち1パルスが出力されたこととなる。そして、以上の処理は、RAM46bの出力パルス列記憶エリア4613(図8参照)に記憶されたパルス情報の出力パルス数がすべて「0」となるまで繰り返される。このことにより、ステッピングモータ74を回転及び回転停止させるために必要な数のパルスが、モータ駆動基板46より出力されることとなる。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機1では、回転体70の回転を停止させるまでの時間が最小時間400ms〜最大時間650msとなるように回転体の停止の制御を行い、他の報知態様(表示画面28、スピーカ48)による報知のタイミングをこの最小時間と最大時間との範囲に収まるようなタイミング(536ms)にて実行することにより、遊技者に対して、回転体70の回転停止のタイミングと他の報知手段(表示画面28、スピーカ48)の報知のタイミングとが一致しているような印象を与えることが可能となっている。サブ統合基板58は、モータ駆動基板46へのステッピングモータ停止命令の送信後、所定の停止時間(536ms)の経過後に、演出制御基板43に演出指示命令のコマンドを送信することによって、サブ統合基板58〜モータ駆動基板46間、及び、サブ統合基板58〜演出制御基板43間の通信が単方向通信であるような場合であっても、容易にステッピングモータ74の回転停止タイミングの範囲内に他の報知態様(表示画面28、スピーカ48)の報知のタイミングを調整することが可能となり、統一感のある遊技状態の報知が可能となっている。
また本実施の形態においては、4つのV停止パルス情報(図10〜図13)を備えている。そして、4つのV停止パルス情報のうちいずれかの情報に基づいてパルス数を定め、回転体70を停止させるとともに、回転停止までに要する時間の平均時間である536ms後に、他の報知手段(表示画面28、スピーカ48)による報知を行っている。このようにして、回転体70の回転停止までに要する時間の最小時間(400ms)と最大時間(650ms)との範囲内に、回転体70を停止させることが可能となっている。すなわち、ステッピングモータ74の一回転分に相当する0〜119ステップを複数に分割し、それぞれのステップに対応するV停止パルス情報(図10〜図13)の最小時間と最大時間との範囲内に、他の報知手段(表示画面28、スピーカ48)が報知を実行するまでの所定時間(536ms)を設定することにより、モータ駆動基板46が回転停止コマンドを受信した際の回転位置に関わらず、回転体停止までの時間と、他の報知手段(表示画面28、スピーカ48)による報知が実行されるまでの時間とのズレを軽減させることが可能となっている。
さらに、回転体70の回転位置を把握するための手段として、磁気センサ77が回転体70上の磁性被検出部80を検出した際にステッピングモータ74に送信したパルスを回転位置の基準とすることで、回転中の慣性モーメントによる回転位置制御の誤差を補正している。ここで、磁気センサ77の感知幅内に複数のパルスをステッピングモータ74に対して送信している場合は、それら複数のパルス順列のうち中央のパルスを回転位置の基準とすることによって、高精度な誤差補正を可能としている。
なお、図6に示すパチンコ機1の電気的構成を示すブロック図における、照明装置35、表示画面28、スピーカ48が、本発明の「報知手段」に相当し、主基板41及びサブ統合基板58が、本発明の「主制御基板」に相当し、演出制御基板43及びモータ駆動基板46が、本発明の「報知制御基板」に相当し、モータ駆動基板46が、本発明の「モータ制御基板」に相当し、図14に示す主基板41におけるメイン処理のフローチャートにおけるS10において、サブ統合基板58に対してコマンドを送信する処理を行うCPU51、図19に示すサブ統合基板58において実行されるメイン処理のフローチャートにおけるS305、S297、S313、において、モータ駆動基板46に対してコマンドを送信する処理を行うCPU581、図20に示す報知タイミング調整処理のサブルーティンフローチャートにおけるS345において、演出制御基板43に対してコマンドを送信する処理を行うCPU581が、本発明の「主制御送信手段」に相当し、図19に示すサブ統合基板58において実行されるメイン処理のフローチャートにおけるS305、S297、S313、及び、図20に示す報知タイミング調整処理のサブルーティンフローチャートにおけるS345において、送信されるコマンドが、本発明の「制御信号」に相当し、図22に示す回転位置制御処理のサブルーティンフローチャートにおけるS400において、コマンドを受信する処理を行うCPU46aが、本発明の「モータ制御受信手段」に相当し、図23に示す停止制御処理のサブルーティンフローチャートにおけるS431において、出力パルス番号を抽出して回転位置を判断する処理を行うCPU46aが、本発明の「回転位置判断手段」に相当し、図22に示す回転位置制御処理のサブルーティンフローチャートにおけるS411において停止パルスのパルス数及びパルス幅を決定した後、図25に示す駆動パルス出力処理のサブルーティンフローチャートにおいて、回転体を停止させるためにパルスを出力する処理を行うCPU46aが、本発明の「停止制御手段」に相当し、図20に示す報知タイミング調整処理のサブルーティンフローチャートにおけるS345において送信されたコマンドを受信する処理を行うCPU43aが、本発明の「報知制御受信手段」に相当し、S345において送信されたコマンドに基づき、表示画面28を駆動する処理を行うCPU43aが、本発明の「報知制御手段」に相当する。
また、図6に示すパチンコ機1の電気的構成を示すブロック図におけるモータ駆動基板46が備えるROM46cが、本発明の「パルス条件記憶手段」に相当し、図23に示す停止制御処理のサブルーティンフローチャートにおけるS439、S441,S443において、モータ駆動基板46のROM46cに記憶されている情報からパルス数及びパルス列を抽出する処理を行うCPU46aが、本発明の「パルス抽出手段」に相当する。
また、図5に示す回転体70の概略構成図における磁性被検出部80が、本発明の「被検出部」に相当し、図24に示す回転位置補正処理のサブルーティンフローチャートにおけるs481において、磁性被検出部を検出する処理を行うCPU46aが、本発明の「検出手段」に相当する。
なお、本発明は、以上詳述した実施の携帯に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。
本実施の形態においては、回転停止までの時間が400ms〜650msとなるようなパルス数とパルス幅とを予め用意し、これを参照してステッピングモータ74にパルスを出力しているが、この時間に限定されるものではなく、回転停止までの時間は他の時間であってもかまわない。
また、本実施の形態においては、あらかじめ4つのパルス数−パルス幅の組み合わせを用意しておき、回転中の回転体70の回転位置に応じてこれらの組み合わせのうちいずれか一つを選択しているが、これに限定されるものではなく、パルス数−パルス幅の組み合わせは4つ未満であってもかまわないし、4つ以上であってもかまわない。なお、この組み合わせを多くする程、回転中の回転位置に応じた回転体70停止までの時間の違いが小さくなり、回転体70の停止タイミングと他の報知手段(表示画面28、スピーカ48)の報知のタイミングとの一致性が高くなる。
また、本実施の形態においては、回転中の回転体70の回転位置が、指示のあった停止位置に近い場合に、360°余分に回転させ、その後指示のあった回転位置に停止させることとしているが、この制御に限定されるものではない。従って、回転中の回転位置に関わらず、直接指示のあった停止位置に停止させてもよい。
また、本実施の形態の変形例として、モータ駆動基板46がサブ統合基板58からの回転体停止指示を受信した段階で、所定の回転位置に回転体を停止させるために要するパルス数(P)を算出し、次に、あらかじめ定められている所定の停止時間(T)を参照して「T/P」を算出して得られるパルス幅(H)を元に、パルス幅「H」のパルスを「P」の数送信することとしてもよい。具体的には、例えば、回転停止位置が、回転基準位置から「80」パルス分回転した位置(図柄「V」の位置)であって、出力パルス番号が「20」である場合を想定する。この場合、図柄「V」の位置に停止させるために必要なパルス数は「60」(=80−20)となる。また、所定の停止時間を600msとした場合、パルス幅は、Hi出力時間、Low出力時間、それぞれ「5ms」(=600/(60×2))となる。このように算出したパルス数及びパルス幅に従い、ステッピングモータ74に対してパルスを送信することにより、ステッピングモータ74の回転位置に関わらず、所定の回転位置に、所定の時間で回転体70を停止させることが可能となる。
なお、上記に示す変形例におけるパルス数とパルス幅を算出する処理を行うモータ駆動基板46のCPU46aが、本発明の「停止パルス情報算出手段」に相当する。