JP5261150B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Description
特許文献1に開示される技術によると、車両の車速、操舵トルク、及びヨーレートによって車両が傾斜路を走行していることを検出した場合、車両を直進させるために運転者が操向ハンドルを転舵するときの操舵力を低減するような補助操舵トルクを電動パワーステアリング装置で発生して、運転者の負荷を低減できる。
また本発明の前記制御部は、所定のサイクルで定期的に前記実行頻度を設定し、前記実行頻度が前記所定値を超えた回数が所定回数以上のときに、前記車両が横方向に流されるような異常が発生したと判定することを特徴とする。
図1は、車両に備わる電動パワーステアリング装置の概略構成図、図2は、EPSECU(Electric Power Steering Electronic Control Unit)の機能ブロック図である。
そして運転者が操向ハンドル21を転舵すると、図示しないピニオンギアがステアリング軸22と一体に回転してラック軸25aを左右方向に移動し、ラック軸25aに連結される左右の前輪である転舵輪2R,2Lが転舵する。
電動パワーステアリング装置1は、運転者が操向ハンドル21を転舵するときの操舵力を低減する補助操舵力(補助操舵トルク)を電動力として発生し、転舵機構に付与する電動機23を備えている。
この電動機23の出力軸は、図示しないギアを介してステアリング軸22と噛合し、運転者が操向ハンドル21を転舵したときに、電動機23の出力軸の回転によってステアリング軸22に対する補助操舵トルクを発生して操舵力を低減する。
EPSECU20の詳細は後記するが、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを備えるマイクロコンピュータおよび周辺回路などから構成され、例えばROMに格納されるプログラムを実行して電動機23を駆動制御する。
ヨーレートセンサ18は、例えば、車両Vにヨーモーメントが発生していないときを「0」として、例えば、左方向のヨーモーメントが発生しているときに正の値、右方向のヨーモーメントが発生しているときに負の値をヨーレート信号Ysとして出力するようになっている。
そして、EPSECU20には、車速センサ17が出力する車速信号Vsとヨーレートセンサ18が出力するヨーレート信号Ysが入力され、EPSECU20は車速とヨーレートを演算できる。
そして、制御量設定部20hが演算した、電動機23の制御量Imは加算器20gに入力される。
操舵トルク及び車速に対応して電動機23の制御量Imを演算する方法は公知の技術であり、その詳細な説明は省略する。
そして横断勾配検出部20aは、車速が所定速度以上、ヨーレートが所定ヨーレート以下、操舵トルクが所定トルク以上、という条件が全て成立するときに、操舵トルクに基づいて横断勾配SLTを演算する。
また、横断勾配検出部20aが横断勾配SLTを演算する条件を判定する、車速の閾値である所定車速、操舵トルクの閾値である所定トルク、及びヨーレートの閾値である所定ヨーレートは、それぞれ車両Vに要求される性能等に基づいて適宜設定すればよい。
また、ゲイン設定部20eは、車速センサ17から入力される車速信号Vsに基づいて車速を演算し、車速に対応した補正制御量IsのゲインSLTrを設定する。ゲインSLTrは、電動機23が発生する補助操舵トルクを、車速及び横断勾配に応じて調整するための感度である。
ゲイン設定部20eで設定されたゲインSLTrは乗算器20fに入力され、補正制御量設定部20dから入力される補正制御量Isに乗算される。そして、ゲインSLTrが乗算されることでゲイン調整された補正制御量Is’が、加算器20gに入力される。
そして、出力制御部20iでは、制御量Im’に基づいて、電動機23を駆動するための駆動電流Icが設定され、電動機23に出力される。
なお、車両異常判定部20jの詳細は後記する。
そして、傾斜路用補助トルクを転舵機構に付与することで、車両Vが傾斜路を直進走行するときの運転者の負荷を低減できる。
このように、EPSECU20が傾斜路用補助トルクを転舵機構に付与する制御を、「傾斜路走行負荷低減制御」と称する。
すなわち、EPSECU20(図1参照)は、車両V(図1参照)が傾斜路を走行していない場合であっても、車両Vが横方向に流されると傾斜路走行負荷低減制御を実行し、運転者が操向ハンドル21(図1参照)を転舵した状態で保舵するための操舵力を低減する。
本実施形態のEPSECU20は、傾斜路走行負荷低減制御を実行可能な条件(以下、第1条件)の成立が確定したときに、操向ハンドル21(図1参照)に発生する操舵トルクが所定トルク以上という条件(以下、第2条件)の成立が確定すると、傾斜路走行負荷低減制御を実行する構成とする。
さらに、車両異常判定部20jには、トルクセンサ16、車速センサ17、及びヨーレートセンサ18が接続される。
図3に示すように、例えば、本実施形態に係る車両異常判定部20jが実行する車両異常判定処理は、傾斜路走行負荷低減制御の実行時間を計測する実行時間計測処理(ステップS1)と、傾斜路走行負荷低減制御の実行頻度を判定する実行頻度判定処理(ステップS2)を含んでなる。
なお、EPSECU20が、車両異常判定処理を実行する所定のサイクルは限定される値ではなく、車両Vの異常を確実に判定できる間隔であればよく、実験等によって設定できる。
実行時間計測処理は、主に、第1条件の成立が確定している時間を計測する処理と、第1条件の成立が確定しているときに第2条件の成立が確定している時間を計測する処理からなる。
さらに、ステップS108で、EPSECU20は、フラグ「F_CNTEND」に「0」を設定し、実行時間計測処理を終了する。
このときの所定値「#TIMD1」は、車両Vに求められる性能等に基づき、適宜設定すればよい値(時間)であり、実験等によって設定できる。
このときの所定値「#TIMD2」は、車両Vに求められる性能等に基づいて適宜設定すればよい値(時間)であり、実験等によって設定できる。
舵角「THE」の大きさを判定する閾値である所定値「#THED」は車両Vの特性値(角度)であり、実験等によって求めることができる。
ヨーレート「YAW」の大きさを判定する閾値である所定値「#YAWD」は、車両Vに要求される運動性能等によって適宜設定される値(ヨーレートの大きさ)であり、実験等によって設定できる。
そしてEPSECU20は、カウンタ「CNT1_1」が所定値「#TIMD1」より小さいときは(ステップS104→No)、実行時間計測処理を終了するが、カウンタ「CNT1_1」が所定値「#TIMD1」以上のときは(ステップS104→Yes)、第1条件の成立が確定したと判定する。そして、カウンタ「CNT1_1」に所定値「#TIMD1」を設定し(ステップS105)、カウンタ「CNT1」に「1」を加算する(ステップS106)。すなわち、カウンタ「CNT1」に「1」を加算した値をカウンタ「CNT1」に設定する。
例えば、車両Vに異常が発生した場合、車速「VEL」が大きいほど挙動が不安定になることから、ステップS106における加算値を大きくして、EPSECU20が車両Vの異常を速やかに検知できる構成としてもよい。
一方、操舵トルク「TRQ」が所定値「#TRQD」より小さいときは(ステップS109→No)、EPSECU20は、第2条件が成立しないと判定して、カウンタ「CNT2_1」に「0」を設定する(ステップS111)。
なお、操舵トルク「TRQ」の大きさを判定する閾値である所定値「#TRQD」は車両Vの特性値(トルクの大きさ)であり、実験等によって求めることができる。
なお、ステップS113でカウンタ「CNT2_1」に所定値「#TIMD2」を設定することで、カウンタ「CNT2_1」の上限値が所定値「#TIMD2」に規定され、例えばカウンタ「CNT2_1」の桁あふれといったプログラム上のエラーの発生を防止できる。
前記したように、車両Vに異常が発生した場合、車速「VEL」が大きいほど挙動が不安定になることから、ステップS114における加算値を大きくし、EPSECU20が車両Vの異常を速やかに検知できる構成としてもよい。
なお、第1条件の成立が確定したときに第2条件の成立が確定すると、EPSECU20は、傾斜路走行負荷低減制御を実行することから、カウンタ「CNT2」は、EPSECU20が実際に傾斜路走行負荷低減制御を実行する時間を示すことになる。
したがって、EPSECU20は、実行時間計測処理を実行することで、実際に傾斜路走行負荷低減制御を実行する時間(カウンタ「CNT2」)を計測できる。
実行頻度判定処理は、傾斜路走行負荷低減制御の実行頻度が所定値より高いか否かを判定する処理である。
EPSECU20は、実行時間計測処理で計測したカウンタ「CNT1」が所定値「#TIMD3」以上のとき(ステップS200→Yes)、処理をステップS201に進めるが、カウンタ「CNT1」が所定値「#TIMD3」より小さいときは(ステップS200→No)、処理をステップS208に進める。
所定値「#TIMD3」は、車両Vに求められる性能等に基づき、適宜設定すればよい値(時間)であり、実験等によって設定できる。
このように、傾斜路走行負荷低減制御の実行頻度の高さを判定する所定値「#RTOD」は車両Vの特性値(例えば割合を示す無次元数)であり、実験等によって設定できる。
すなわち、EPSECU20は、実行頻度判定処理の実行で車両Vの異常を検知した回数を示すカウンタ「CNT3」が所定値「#TIMD5」以上のとき、車両Vの異常を確定し、異常確定フラグ「F_ALARM」に「1」を設定する。
このような所定値「#TIMD5」は、たとえば回数を示す値であり、車両Vに要求される性能等に基づいて実験等で設定できる。
そして、EPSECU20は、車両Vの異常の発生を検知したときに、運転者に警告灯やブザー等で報知する構成とすれば、運転者は速やかに車両Vの異常を知ることができ、例えば修理工場への搬送など、必要に応じて処置できるという優れた効果を奏する。
2R,2L 転舵輪
20 EPSECU(制御部)
21 操向ハンドル(転舵機構)
22 ステアリング軸(転舵機構)
25 ラックアンドピニオン機構(転舵機構)
25a ラック軸(転舵機構)
V 車両
RTO 実行頻度
#RTOD 所定値
Claims (2)
- 車両が直進走行する際の操舵トルクが所定トルク以上のときに、前記操舵トルクを低減するために、路面の横断勾配に基づいて設定される傾斜路用補助トルクを転舵機構に付与する傾斜路走行負荷低減制御を実行する制御部を備えた電動パワーステアリング装置において、
前記制御部は、車速が所定速度以上、転舵輪の舵角が所定舵角以下、および前記車両に発生しているヨーレートが所定ヨーレート以下である時間に対する、前記傾斜路走行負荷低減制御の実行時間の比を前記傾斜路走行負荷低減制御の実行頻度として設定し、
前記実行頻度が所定値を超えた場合、前記車両が横方向に流されるような異常が発生したと判定することを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 前記制御部は、
所定のサイクルで定期的に前記実行頻度を設定し、
前記実行頻度が前記所定値を超えた回数が所定回数以上のときに、前記車両が横方向に流されるような異常が発生したと判定することを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
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