JP5259868B1 - 構造物の免震システム - Google Patents

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Abstract

【課題】構造物に免震機能を付与させるだけでなく、構造物に緩衝機能も付与させて、さらに、構造物を所定の位置に容易に復元させる復元機能をも付与させる構造物の免震システムを提供する。
【解決手段】構造物6を下方から支持して地震動を吸収する構造物6の免震システムに関し、基礎盤5aと構造物床部6aとの間に設けられて構造物6を支持する免震装置7と、基礎盤5a又は側壁面5bと構造物6との間に設けられて構造物6の地震動による移動を復元する第1復元装置3、第2復元装置とを備え、免震装置7は、上面に複数の上向きの凸曲面部が形成された平板状の基台の上に、下面に滑走部が形成された平板状の滑走板を載せ置くことにより設けられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、構造物に免震機能を付与させるだけでなく、構造物に緩衝機能も付与させて、さらに、構造物を所定の位置に容易に復元させる復元機能をも付与させる構造物の免震システムに関する。
従来より、地震等による振動が建物に作用した場合に、建物を地震の変位に円滑に対応させることを目的として、特許文献1に開示される免震建物が提案されている。
特許文献1に開示される免震建物は、主躯体部とエレベータシャフトとで構成され、地下の基礎の上に構築された下主躯体部と、下主躯体部の上方に構築された上主躯体部との間に、積層ゴムや、スライドシュー等で構成される複数の免震装置が配置され、この複数の免震装置により、上主躯体部の水平方向の変位を許容するものである。
また、特許文献1に開示される免震建物は、上主躯体部に一体に結合されたエレベータシャフトの下シャフト部の外周部と、エレベータシャフトのシャフト収容空間の内周部との間に、スプリングや、ダンパー等で構成される複数の水平変位吸収機構が配置され、この複数の水平変位吸収機構により、下シャフト部の水平方向の変位を制御するものである。
特開平11−350782号公報
しかし、特許文献1に開示される免震建物は、下主躯体部と上主躯体部との間に配置された複数の免震装置が、積層ゴムや、スライドシュー等で構成され、積層ゴムが弾性変形することのできる範囲や、スライドシューのレールが有する長さの範囲のみで、地震動による水平方向の変位に追従するものである。このため、特許文献1に開示される免震建物は、地震動に対して建物が共振するおそれがあるとともに、想定外の地震動が建物に作用した場合に、これらの免震装置で追従することのできる水平方向の変位が制限され、建物の水平方向の想定外の大きな変位を十分に吸収することができず、建物が積層ゴムから脱落して倒壊するおそれがあるという問題点があった。
また、特許文献1に開示される免震建物は、スライドシューで構成された複数の免震装置が配置された場合に、スライドシューのレールが井の字状に設けられ、水平方向で2方向にのみ変位に追従するものである。このため、特許文献1に開示される免震建物は、建物にあらゆる方向から作用する地震動に対して、複数の免震装置で追従することのできる水平方向が2方向にのみ限定され、ねじれ変位を十分に吸収することができず、レールから脱落して建物が倒壊するおそれがあるという問題点があった。
さらに、特許文献1に開示された免震建物は、下シャフト部の外周部とシャフト収容空間の内周部との間に配置された複数の水平変位吸収機構が、スプリングや、ダンパー等で構成され、このスプリングや、ダンパー等により、下シャフト部の水平方向の変位を制御するものである。このため、特許文献1に開示される免震建物は、想定外の地震動が建物に作用して、建物が水平方向に変位して静止した場合に、この水平方向に変位した建物を元の位置に復元させることができず、再度の地震動がこの建物に作用したときに建物を水平方向に変位させることができないことになり、建物が積層ゴムから脱落して倒壊するおそれがあるという問題点があった。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、構造物に想定外の大きな地震動が作用した場合であっても、構造物が倒壊することのないように、構造物に免震機能を付与させるだけでなく、構造物に緩衝機能も付与させて、さらに、構造物を所定の位置に容易に復元させる復元機能をも付与させる構造物の免震システムを提供することにある。
第1発明に係る構造物の免震システムは、構造物を下方から支持して地震動を吸収する構造物の免震システムであって、基礎盤と構造物との間に設けられて構造物を支持する免震装置と、側壁面と構造物との間に設けられて構造物の地震動による変位を復元する第1復元装置とを備え、前記免震装置は、上面に複数の上向きの凸曲面部が形成された平板状の基台の上に、下面に滑走部が形成された平板状の滑走板を載せ置くことにより設けられ、前記第1復元装置は、支持部と、前記支持部に接続されて軸芯方向に圧縮する変位部とを有し、側壁面と構造物との間で、構造物を取り囲むようにして複数設けられ、構造物に地震動が作用する前の状態で、前記変位部が軸芯方向で前記支持部に向けてのみ圧縮するように前記支持部に接続されることを特徴とする。
第2発明に係る構造物の免震システムは、第1発明において、複数の前記第1復元装置に取り付けられ、各々の前記支持部を複数に亘って直列に連結する加圧装置をさらに備え、前記第1復元装置は、構造物に地震動が作用する前の状態で、前記変位部が軸芯方向で前記支持部に向けてのみ圧縮するように前記支持部に接続され、前記加圧装置は、構造物に地震動が作用した後の状態で、各々の前記支持部を複数に亘って直列に加圧することにより、前記変位部を軸芯方向で伸長させることを特徴とする。
第3発明に係る構造物の免震システムは、第1発明又は第2発明において、前記第1復元装置は、前記変位部の軸芯方向で構造物に向けた先端面部に、前記基台と前記滑走板とが、重ね合わされて取り付けられることを特徴とする。
発明に係る構造物の免震システムは、第1発明〜第発明の何れかにおいて、基礎盤と構造物との間で、基礎盤から構造物の内部空間に亘って設けられる第2復元装置をさらに備え、前記第2復元装置は、基礎盤に取り付けられる下段板部と、構造物の内部空間に取り付けられる上段板部と、前記下段板部と前記上段板部とに連結される弾性柱体とを有することを特徴とする。
発明に係る構造物の免震システムは、第発明において、前記第2復元装置は、前記下段板部及び前記弾性柱体を取り外して、構造物をジャッキアップするためのジャッキ部材を、前記上段板部に取り付けることができることを特徴とする。なお、第発明に係る構造物の免震システムは、はじめから復元装置の弾性柱体の代わりにジャッキ部材を内蔵しておき、常時は基礎盤に非接触で保持するものとすることもできる。
第6発明に係る第1復元装置は、第1発明〜第3発明の何れかの構造物の免震システムが備える第1復元装置であって、前記第1復元装置は、各々の前記支持部で連結される第1電磁弁を開放するとともに、各々の前記支持部を複数に亘って直列に連結する第2電磁弁を閉じた状態とすることで、構造物に作用する地震動による衝撃を、前記変位部の軸芯方向の圧縮によってエネルギー吸収させるものであり、かつ、前記第1電磁弁を閉じるとともに、前記第2電磁弁を開放した状態として、各々の前記支持部を複数に亘って直列に加圧することにより、構造物に作用した地震動による変位を、前記変位部の軸芯方向の伸長によって復元させるものであることを特徴とする。
第1発明〜第6発明によれば、凸曲面部が形成された平板状の基台の上に、滑走部が形成された平板状の滑走板を載せ置くことにより、構造物から負荷される荷重を均一なものとして、構造物の構造物床部を下方から支持することが可能となる。
また、第1発明〜第6発明によれば、凸曲面部が形成された平板状の基台の上に、滑走部が形成された平板状の滑走板を載せ置くことにより、構造物を載せた状態で安定的な滑りを実現して、免震の可動距離をいくらでも大きく取ることができ、想定外の大きな地震であっても、あらゆる方向から作用する振動を十分に減衰させる効果を発揮させ、構造物に免震機能を付与することが可能となる。
特に、第1発明によれば、構造物を所定の位置に復元させる前の状態で、第1復元装置をショックアブソーバーとして用いることができ、地震によって構造物が水平方向に変位するときの衝撃エネルギーを吸収させる効果を発揮させ、構造物に緩衝機能を付与することが可能となる。
特に、第2発明によれば、構造物に地震動が作用した後の状態で、加圧装置を用いて変位部を軸芯方向で構造物に向けて一括して伸長させることができ、構造物が地震動によって水平方向に変位した場合であっても、構造物を第1復元装置の変位部で四方から押して第1復元装置の変位部が全長状態となることで、構造物を所定の位置に復元させることのできる復元機能を構造物に付与することが可能となる。
特に、第3発明によれば、変位部の先端面部と構造物壁部とに作用する上下左右方向の摩擦力を低減させることができ、地震動の作用によって構造物の構造物壁部が上下左右方向に変位した場合であっても、構造物壁部から作用する上下左右方向の摩擦力によって変位部が上下左右方向に折れ曲がること等による第1復元装置の損傷を回避することが可能となる。
特に、第発明によれば、下段板部と上段板部とが弾性柱体で連結され、構造物に地震動が作用した状態で、下段板部と上段板部の水平方向における相対変位に弾性柱体を追従させることができ、水平方向の変位を所定の位置に復元させることのできる復元機能を構造物に付与することが可能となる。
特に、第5発明によれば、構造物を第2復元装置でジャッキアップして基礎盤から離間させ、免震装置の修理や交換を容易に実現するものとすることが可能となる。また、第5発明によれば、第2復元装置において、はじめから弾性柱体の代わりにジャッキ部材を内蔵しておき、常時は基礎盤に非接触で保持するものとすることもできる。
特に、第6発明によれば、構造物を所定の位置に復元させる前の状態で、第1復元装置をショックアブソーバーとして用いることができ、地震によって構造物が水平方向に変位するときの衝撃をエネルギー吸収させる効果を発揮させ、構造物に緩衝機能を付与することが可能となる。また、第発明によれば、構造物に地震動が作用した後の状態で、加圧装置を用いて変位部を軸芯方向で構造物に向けて一括して伸長させることができ、構造物が地震動によって水平方向に変位した場合であっても、構造物を第1復元装置の変位部で四方から押して第1復元装置の変位部が全長状態となることで、構造物を所定の位置に復元させることのできる復元機能を構造物に付与することが可能となる。
(a)は、本発明に係る免震システムの第1実施形態が設けられた構造物を示す正面図であり、(b)は、本発明に係る免震システムの第1実施形態が設けられた構造物を示す平面図である。 (a)は、本発明に係る免震システムの免震装置を示す正面図であり、(b)は、本発明に係る免震システムの免震装置の基台を示す平面図であり、(c)は、本発明に係る免震システムの免震装置の滑走板を示す平面図である。 本発明に係る免震システムの免震装置の基台の変形例を示す平面図である。 (a)は、本発明に係る免震システムの免震装置の基台の凸曲面部を示す側面図であり、(b)は、基台の凸曲面部を示す平面図であり、(c)は、基台の凸曲面部の変形例を示す側面図であり、(d)は、基台の凸曲面部の変形例を示す平面図である。 本発明に係る免震システムの免震装置の基台の凸曲面部にスリットが形成された状態を示す平面図である。 (a)は、本発明に係る免震システムの免震装置の基台の凸曲面部の他の変形例を示す平面図であり、(b)は、本発明に係る免震システムの免震装置の基台の凸曲面部の他の変形例を示す側面図である。 本発明に係る免震システムの免震装置が基礎盤に載せ置かれた状態を示す側面図である。 本発明に係る免震システムの免震装置の基台と滑走板の変形例とを示す側面図である。 本発明に係る免震システムの第1復元装置と加圧装置とを示す説明図である。 (a)は、本発明に係る免震システムの第2実施形態が設けられた構造物を示す正面図であり、(b)は、本発明に係る免震システムの第2実施形態が設けられた構造物を示す平面図である。 本発明に係る免震システムの第2復元装置で構造物をジャッキアップした状態を示す正面図である。 本発明に係る免震システムの第1実施形態において第2復元装置で構造物をジャッキアップする状態を示す正面図である。
以下、本発明を適用した免震システム1を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明を適用した免震システム1は、図1に示すように、地下収容部5に建設される中小規模から大規模の建物や、原子力発電所等のような、半地下構造物、地下構造物又は地上構造物等の構造物6に付属させて設けられる。
地下収容部5は、構造物6を支持する基礎盤5aと、構造物6を四方から取り囲む側壁面5bとを備え、構造物6を収容することができるように、地盤面5cより下方の地下部分に構築されるものである。
構造物6は、地下収容部5の基礎盤5aから支持される構造物床部6aと、構造物床部6aを取り囲むようにして設けられる構造物壁部6bとを備え、構造物床部6aと構造物壁部6bとによって内側に内部空間6cが形成される。
本発明を適用した免震システム1は、第1実施形態において、基礎盤5aと構造物床部6aとの間に設けられる複数の免震装置7と、側壁面5bと構造物壁部6bとの間で上下方向に並べて設けられる複数の第1復元装置3とを備える。本発明を適用した免震システム1は、さらに、複数の第1復元装置3に連結される加圧装置4を備える。
本発明を適用した免震システム1は、地下収容部5の基礎盤5aの上に載せ置かれた免震装置7の上に、さらに、構造物床部6aが載せ置かれることにより、構造物6の構造物床部6aを免震装置7で下方から支持して地震動を吸収するものである。
免震装置7は、図2(a)に示すように、上面11aに複数の上向きの凸曲面部12が形成された平板状の基台11と、下面21bに略平坦の滑走部23が形成された平板状の滑走板21とを備え、基台11の上に滑走板21を載せ置くことにより設けられる。免震装置7は、基台11から滑走板21から脱落したときであっても、滑走板21が慣性によってある程度移動してから自然停止するように設けられる。
基台11は、図2(b)に示すように、四隅が面取りされた略正方形の平板状に形成され、複数の凸曲面部12が、滑走板21側の上面11aに規則的に配置される。基台11は、略正方形の四辺の長さが約50cm、厚さが約1.5mmであるが、これに限らず、如何なるサイズであってもよい。基台11は、材質を金属製のものとし、特に、ステンレス製であることが望ましいが、これに限らず、ガラス、樹脂等を材質とするものであってもよい。
基台11は、摩擦係数をコントロールし、又は、腐食から保護するために、所定の物性からなる皮膜をコーティングしてもよい。基台11は、少なくとも凸曲面部12の表層に、金属、セラミックス等の硬質材を被せてもよく、また、浸炭処理、ホウ化処理等の表面硬化処理を追加して、表面粗さを調節して摩擦係数をコントロールすることもできる。
凸曲面部12は、隣り合う凸曲面部12の頂部12aの間隔tを約25mm程度とする。凸曲面部12は、許容積載荷重等から間隔tが決定され、この間隔tが2mm〜100mmの範囲となることで、隣り合う凸曲面部12の間の粉塵やゴミを排除したり、凸曲面部12をプレス成型で製造することが容易となる。凸曲面部12は、略円形状に形成されることが望ましいが、これに限らず、如何なる形状で形成されてもよい。
凸曲面部12は、平面視において縦横に規則的に整列させて形成されるものであるが、これに限らず、図3(a)に示すように、千鳥状に形成するようにしてもよく、また、図3(b)に示すように、不規則に形成することもできるし、図3(c)に示すように、大きさの異なる凸曲面部12を規則的に配列して形成することもできる。
凸曲面部12は、図4(a)、(b)に示すように、例えば、凸曲面部12の直径d12が平面視で約10mm、頂部12aの曲率半径が約30mm、高さHが約1.0mmとなるように、プレス加工等により形成される。凸曲面部12は、これに限らず、図4(c)、(d)に示すように、平面視で凸曲面部12の同心円外側に、略円形状の隆起部12bが形成されてもよい。これにより、凸曲面部12は、上下方向に柔性(バネ性)が付与され、また、基礎盤5aの不陸(平面精度の悪さ)を吸収することができる。凸曲面部12は、同心円外側に隆起部12bを形成させることにより、加工のときに仮りに歪みが生じた場合であっても、この隆起部12bが自在に弾性変形することにより、当該歪みを吸収することが可能となる。
凸曲面部12は、図5(a)、(b)に示すように、平面視で凸曲面部12の周方向に沿って、断続的なスリット12cが形成されてもよい。スリット12cは、貫通されていてもよいし、また非貫通の溝で構成されもよい。凸曲面部12は、スリット12cが設けられていることにより、多数の凸曲面部12を一枚の鋼板にプレス成型したときに発生する内部応力を解放することができ、鋼板の平面精度を確保することができる。
凸曲面部12は、図6(a)、(b)に示すように、基台11の材質を合成樹脂として、凸曲面部12の内部に硬化剤87を充填させることもでき、これにより、凸曲面部12の圧縮強度を向上させることができ、十分な支持力を保持することができる。また、凸曲面部12は、凸曲面部12の周囲に発泡体85を嵌合させて、潤滑材を蓄えて滑走性能を安定させることもできる。さらに、凸曲面部12は、頂部12aに微小な窪みを設けてオイルを満たしておくこともでき、この凸曲面部12の頂部12aを通じてオイルを滑走板21の下面21bに塗布させて、滑走板21と基台11との動摩擦係数を自然に調整することが可能となる。
滑走板21は、図2(c)に示すように、四隅が面取りされた略正方形の平板状に形成され、略正方形の四辺の長さが約50cm、厚さが約1.6mmとなるが、これに限らず、基台11よりも大きいサイズで構成されてもよく、如何なるサイズであってもよい。滑走板21は、材質を金属製のものとし、特に、ステンレス製であることが望ましいが、これに限らず、ガラス、樹脂等を材質とするものでもよく、表層にのみステンレスを用いるものでもよい。
滑走板21は、図7(a)に示すように、凹曲面部22も貫通孔22aも形成させずに、下面21bを略平坦として、凸曲面部12との当接部分以外である滑走部23に、潤滑材を塗布することができる。この潤滑材は、グリース、四フッ化エチレン樹脂、シリコン樹脂等に代表されるものであり、滑走板21の下面21bの滑走部23における摩擦係数を低減させて、滑り性を向上させるものである。この潤滑材は、ダイヤモンド等の粒径1μm〜50μmの粉体が混入したものを用いてもよく、また、シリコンオイル、グリース、重油、ワックス等、100cst以上の粘度を有するものを塗布するものとしてもよい。
滑走板21は、図7(b)に示すように、下面21bに滑走部23を形成するとともに、凸曲面部12との当接部分にサンドブラスト等を施すことにより、摩擦係数の大きい高摩擦部22bを形成することもできる。滑走板21は、摩擦係数の大きい高摩擦部22bを、凸曲面部12との当接部分とし、また、凸曲面部12との当接部分以外に、摩擦係数の小さい潤滑剤を塗布することで、滑走板21が滑走を開始するまでの抵抗力と、滑走板21が滑走を開始した後の滑り性の両者とを自在に調整することができる。
滑走板21は、高摩擦部22bと凸曲面部12とが当接された状態の静止摩擦係数を0.10〜0.40に設定しておくことで、地震の発生していない通常時に滑走板21の移動を抑制することができ、構造物6が僅かな衝撃によって容易に移動してしまうことを防止することができる。
滑走板21は、図7(c)に示すように、平面視で凸曲面部12の配列位置に対応させて、下面21bに複数の凹曲面部22が規則的に配列されてもよい。滑走板21は、これに限らず、図7(d)に示すように、平面視で凸曲面部12の配列位置に対応させて、凹曲面部22の代わりに、貫通孔22aが規則的に配列されてもよい。
凹曲面部22は、凸曲面部12の頂部12aと同一の曲率半径を有することが望ましいが、これに限らず、凸曲面部12の頂部12aより大きい曲率半径を有するものとしてもよい。凹曲面部22は、図8(a)に示すように、凸曲面部12の頂部12aの高さHより浅い深さh22とすることができ、例えば、0.05mm〜0.50mmの深さh22となるように、プレス加工等により形成される。凹曲面部22は、凸曲面部12の頂部12aが凹曲面部22の内側に当接可能となるように、凸曲面部12の直径d12以上の大きさの直径d22とすることが望ましい。
凹曲面部22は、凸曲面部12が嵌合された状態の静止摩擦係数が、嵌合の深さに依存する。例えば、凹曲面部22は、この静止摩擦係数を0.10〜0.40に設定しておくことで、地震の発生していない通常時に滑走板21の移動を抑制することができ、構造物6が僅かな衝撃によって容易に移動してしまうことを防止することができる。
貫通孔22aは、図8(b)に示すように、凸曲面部12の頂部12aのみが嵌合するように、凸曲面部12の直径d12よりも直径d22aを短くして、パンチ等の押し抜き具を用いて形成される。貫通孔22aは、凸曲面部12が平面視で略円形状に形成されるものであれば、それに対応させて平面視で略円形状に形成されることで、互いに安定した状態で嵌合することができる。
貫通孔22aは、凸曲面部12が嵌合された状態の静止摩擦係数が、嵌合の深さに依存する。例えば、貫通孔22aは、この静止摩擦係数を0.10〜0.40に設定しておくことで、地震の発生していない通常時に滑走板21の移動を抑制することができ、構造物6が僅かな衝撃によって容易に移動してしまうことを防止することができる。
免震装置7は、基台11と滑走板21との間に、ゲル状、ゾル状のグリース又はワックス等の止水材が充填されてもよい。これにより、免震装置7は、基台11と滑走板21との間に、水や粉塵等を侵入させることを防止して、免震装置7の防錆、防食を実現することができる。また、免震装置7は、滑走板21の周縁において止水材が設けられていることで、内部に雨水等が浸入するのを回避することができる。
免震装置7は、基台11と滑走板21との間を、免震装置7の周縁においてシール材を用いて密閉し、内部における既存の空気を窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスに置換することによって、金属製等の基台11及び滑走板21が空気によって酸化等することを防ぎ、免震装置7の防錆、防食を実現することができる。免震装置7は、基台11及び滑走板21の表層をポリエチレン等で被覆することにより、硫酸、塩酸、王水などに対する耐薬品性を向上させることもできる。
免震装置7は、略平坦の滑走部23に凸曲面部12が当接された場合に、動摩擦係数が0.04程度となるように低く設定される。このため、免震装置7は、地震動の作用によって凸曲面部12と高摩擦部22bとの静止摩擦力を上回り、凸曲面部12が滑走部23に移動したときに、凸曲面部12が滑走部23でスムーズに摺動可能となる。これにより、免震装置7は、地震のときに凸曲面部12が滑走部23で摺動することにより、地震の振動を吸収することができる。なお、この動摩擦係数は、凸曲面部12の表層に金属、セラミックス等の硬質材を被せたり、浸炭処理、ホウ化処理等の表面硬化処理を追加して施すことによって、さらに低く設定することができ、安定した滑走性能を得ることができる。
第1復元装置3は、図9に示すように、構造物6の地震動による水平方向の変位を復元するものであり、側壁面5bに取り付けられる支持部31と、支持部31に接続されて軸芯方向に変位する変位部32とを備え、構造物6を四方から取り囲むようにして複数設けられる。
支持部31は、側壁面5bにアンカーボルト等で固定され、内側に変位部収容室31aが形成される。支持部31は、支持部31の内側に形成された変位部収容室31aに、空気や油等を充填して用いられる。支持部31は、これに限らず、構造物壁部6bにアンカーボルト等で固定されてもよい。
変位部32は、軸芯方向に変位することで支持部31の変位部収容室31aに収容される。変位部32は、支持部31の変位部収容室31aに充填された空気や油等により、軸芯方向に変位するときに緩衝機能を発揮するものとなる。変位部32は、構造物6に地震動が作用する前の状態で、変位部32が軸芯方向で側壁面5bに向けてのみ圧縮するようにして、全長状態で支持部31に接続される。変位部32は、これに限らず、支持部31が構造物壁部6bに固定された場合は、変位部32が軸芯方向で構造物壁部6bに向けてのみ圧縮するようにして、全長状態で支持部31に接続されてもよい。
変位部32は、構造物6に地震動が作用したときに、構造物壁部6bによって側壁面5bに向けて押されて、構造物6の水平方向の移動を緩衝させるエアダンパー又はオイルダンパーを圧縮ダンパーとして用いるものである。変位部32は、構造物壁部6bから軸芯方向に作用する変位の速度により、当初は変位の速度に比例して押圧力が増大する。変位部32は、この押圧力と軸芯方向の変位の速度との関係がバイリニアとなっており、所定の押圧力に到達した段階で、この軸芯方向の変位の速度の増大にかかわらず押圧力がほぼ一定となる。
変位部32は、構造物6の構造物壁部6bと対向する先端面部32aに、免震装置7として用いられた平板状の基台11と、平板状の滑走板21とが、重ね合わされて取り付けられる。変位部32は、これに限らず、ベアリングや、2枚重ねのポリエチレンシート、2枚重ねのテフロン(登録商標)シート、グリース、四フッ化エチレン樹脂、シリコン樹脂等が用いられてもよい。
変位部32は、免震装置7として用いられた平板状の基台11と、平板状の滑走板21とを横向きに取り付けることにより、複数の凸曲面部12が横向きに形成された基台11と、凸曲面部12に対向して滑走部23が形成された滑走板21とが重ね合わされる。
変位部32は、先端面部32aに基台11と滑走板21とが重ね合わされて用いられること等により、変位部32の先端面部32aと構造物壁部6bとに作用する上下左右方向の摩擦力を低減させることができる。これにより、変位部32は、地震動の作用によって構造物6の構造物壁部6bが上下左右方向に変位した場合であっても、構造物壁部6bから作用する上下左右方向の摩擦力によって変位部32が上下左右方向に折れ曲がること等による第1復元装置3の損傷を回避することができる。
加圧装置4は、第1復元装置3の支持部31の変位部収容室31aにホース41等を接続して、複数の第1復元装置3の支持部31の変位部収容室31aを直列に連結するものである。加圧装置4は、複数の第1復元装置3の支持部31の変位部収容室31aを直列に連結するホース41等の始端部41a及び終端部41bに、1台のポンプ42等が接続される。
加圧装置4は、第1復元装置3の各々の支持部31の変位部収容室31aにオリフィスや予備タンクとともに連結される第1電磁弁43と、第1復元装置3の支持部31の変位部収容室31aに接続されるホース41によって、各々の支持部31を複数に亘って直列に連結する第2電磁弁44とを備える。
加圧装置4は、構造物6に地震動が作用した後の状態で、変位部32の軸芯方向で側壁面5bに向けた変位が、各々の支持部31をポンプ42で直列に加圧することにより、変位部32を軸芯方向で構造物6に向けて伸長させるものである。加圧装置4は、これに限らず、支持部31が構造物壁部6bに固定された場合は、変位部32を軸芯方向で側壁面5bに向けて伸長させるものでもよい。
加圧装置4は、図9に示すように、構造物6を所定の位置に復元させる前の状態で、第1電磁弁43を常時開放し、第2電磁弁44は常時閉じた状態とする。これにより、第1復元装置3は、構造物6が地震動によって水平方向に変位するときの衝撃を、変位部32の軸芯方向の圧縮によってエネルギー吸収させるショックアブソーバーとして用いられ、構造物6に緩衝機能を付与することができる。
また、加圧装置4は、地震が発生した後に構造物6を所定の位置に復元させるときに、第1電磁弁43を閉じるとともに第2電磁弁44を開放した状態として、ポンプ42で各々の支持部31を複数に亘って直列に加圧することにより、第1復元装置3の変位部32を軸芯方向で全長状態に伸長させることができ、構造物6を第1復元装置3の変位部32で四方から押して、構造物6に作用した地震動による変位を、変位部32の軸芯方向の伸長によって復元させることができる。
本発明を適用した免震システム1は、凸曲面部12が形成された平板状の基台11の上に、滑走部23が形成された平板状の滑走板21を載せ置くことにより、構造物6から負荷される荷重を均一なものとして、構造物6の構造物床部6aを下方から支持することが可能となる。
本発明を適用した免震システム1は、凸曲面部12が形成された平板状の基台11の上に、滑走部23が形成された平板状の滑走板21を載せ置くことにより、滑走板21の滑りを滑らかにすることが可能となり、構造物6を載せた状態で安定的な滑りを実現して、免震の可動距離をいくらでも大きく取ることができ、想定外の大きな地震であっても、あらゆる方向から作用する振動を十分に減衰させる効果を発揮させ、構造物6に免震機能を付与することが可能となる。
本発明を適用した免震システム1は、構造物6を所定の位置に復元させる前の状態で、加圧装置4の第1電磁弁43を常時開放し、第2電磁弁44は常時閉じた状態とすることで、第1復元装置3をショックアブソーバーとして用いることができ、地震によって構造物6が水平方向に変位するときの衝撃エネルギーを吸収させる効果を発揮させ、構造物6に緩衝機能を付与することが可能となる。
本発明を適用した免震システム1は、構造物6に地震動が作用した後の状態で、加圧装置4を用いて各々の支持部31をポンプ42等で直列に加圧して、変位部32を軸芯方向で構造物6に向けて一括して伸長させることができる。これにより、本発明を適用した免震システム1は、構造物6が地震動によって水平方向に変位した場合であっても、構造物6を第1復元装置3の変位部32で四方から押すことができ、第1復元装置3の変位部32が全長状態となることで、構造物6を所定の位置に復元させることのできる復元機能を構造物6に付与することが可能となる。
次に、本発明を適用した免震システム1の第2実施形態について説明する。なお、上述した構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付すことにより以下での説明を省略する。
本発明を適用した免震システム1は、図10(a)、(b)に示すように、第2実施形態において、基礎盤5aと構造物床部6aとの間に設けられる複数の免震装置7と、側壁面5bと構造物壁部6bとの間に設けられる複数の第1復元装置3と、さらに、基礎盤5aと構造物床部6aとの間で、基礎盤5aから構造物6の内部空間6cに亘って設けられる第2復元装置9とを備える。本発明を適用した免震システム1は、さらに、複数の第1復元装置3に連結される加圧装置4を備える。
第2復元装置9は、基礎盤5aと構造物床部6aとの間に設けられ、基礎盤5aに取り付けられる下段板部91と、構造物6の内部に取り付けられる上段板部92と、下段板部91と上段板部92とに連結され、下段板部91と上段板部92との相対変位を復元させる弾性柱体93とを有する。
下段板部91は、略正方形の平板状に形成され、四辺においてボルト等を基礎盤5aに打ち込むことにより固定される。上段板部92は、略正方形の平板状に形成され、内部空間6cで四辺においてボルト等を構造物床部6aに打ち込むことにより固定される。弾性柱体93は、積層ゴム等の弾性体が用いられ、下段板部91と上段板部92の水平方向における相対的な変位に追従し、構造物6の水平方向の変位を所定の位置に復元させるものである。
第2復元装置9は、図11に示すように、免震装置7の修理や交換のときに、下段板部91及び弾性柱体93を取り外し、ジャッキ部材94を取り付けるものとすることができる。第2復元装置9は、これに限らず、図12に示すように、はじめから弾性柱体93の代わりにジャッキ部材94を内蔵しておき、常時は基礎盤5aに非接触で保持することもできる。これにより、本発明を適用した免震システム1は、第2実施形態において、構造物6を第2復元装置9でジャッキアップして基礎盤5aから離間させ、免震装置7の修理や交換を容易に実現するものとすることが可能となる。
本発明を適用した免震システム1は、第2実施形態においても、凸曲面部12が形成された平板状の基台11の上に、滑走部23が形成された平板状の滑走板21を載せ置くことにより、構造物6から負荷される荷重を均一なものとして、構造物6の構造物床部6aを下方から支持することが可能となる。
本発明を適用した免震システム1は、第2実施形態においても、凸曲面部12が形成された平板状の基台11の上に、滑走部23が形成された平板状の滑走板21を載せ置くことにより、滑走板21の滑りを滑らかにすることが可能となり、構造物6を載せた状態で安定的な滑りを実現して、免震の可動距離をいくらでも大きく取ることができ、想定外の大きな地震であっても、あらゆる方向から作用する振動を十分に減衰させる効果を発揮させ、構造物6に免震機能を付与することが可能となる。
本発明を適用した免震システム1は、第2実施形態においても、構造物6を所定の位置に復元させる前の状態で、加圧装置4の第1電磁弁43を常時開放し、第2電磁弁44は常時閉じた状態とすることで、第1復元装置3をショックアブソーバーとして用いることができ、地震によって構造物6が水平方向に変位するときの衝撃エネルギーを吸収させる効果を発揮させ、構造物6に緩衝機能を付与することが可能となる。
本発明を適用した免震システム1は、第2実施形態においても、構造物6に地震動が作用した後の状態で、加圧装置4を用いて各々の支持部31をポンプ42等で直列に加圧して、変位部32を軸芯方向で構造物6に向けて一括して復元することができる。これにより、本発明を適用した免震システム1は、構造物6が地震動によって水平方向に変位した場合であっても、構造物6を第1復元装置3の変位部32で四方から押すことができ、第1復元装置3の変位部32が全長状態となることで、構造物6を所定の位置に復元させることのできる復元機能を構造物6に付与することが可能となる。
さらに、本発明を適用した免震システム1は、第2実施形態において、構造物6に地震動が作用した状態で、下段板部91と上段板部92とが弾性柱体93で連結され、下段板部91と上段板部92との水平方向における相対変位に弾性柱体93を追従させることができ、地震動に対して構造物6を共振させずに、水平方向の変位を所定の位置に復元させることのできる復元機能を構造物6に付与することが可能となる。
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明したが、上述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
例えば、本発明を適用した免震システム1は、図12に示すように、基礎盤5aと構造物床部6aとの間に設けられる複数の免震装置7と、側壁面5bと構造物壁部6bとの間で上下方向に並べて設けられる複数の第1復元装置3と、下段板部91及び弾性柱体93の代わりにジャッキ部材94が取り付けられた第2復元装置9とを備えるものとすることもできる。
また、本発明を適用した免震システム1は、原子力発電所等の構造物6を廃炉とする場合においては、水や土砂等で構造物6を地下収容部5に埋めて、蓋体8を被せることにより、構造物6を地下に埋没させることもでき、安全な原子力発電所となる。
1 :免震システム
11 :基台
11a :上面(基台)
12 :凸曲面部
12a :頂部
12b :隆起部
12c :スリット
21 :滑走板
21b :下面(滑走板)
22 :凹曲面部
22a :貫通孔
22b :高摩擦部
23 :滑走部
3 :第1復元装置
31 :支持部
31a :変位部収容室
32 :変位部
32a :先端面部
4 :加圧装置
41 :ホース
41a :始端部
41b :終端部
42 :ポンプ
43 :第1電磁弁
44 :第2電磁弁
5 :地下収容部
5a :基礎盤
5b :側壁面
5c :地盤面
6 :構造物
6a :構造物床部
6b :構造物壁部
6c :内部空間
7 :免震装置
8 :蓋体
9 :第2復元装置
91 :下段板部
92 :上段板部
93 :弾性柱体
94 :ジャッキ部材

Claims (6)

  1. 構造物を下方から支持して地震動を吸収する構造物の免震システムであって、
    基礎盤と構造物との間に設けられて構造物を支持する免震装置と、側壁面と構造物との間に設けられて構造物の地震動による変位を復元する第1復元装置とを備え、
    前記免震装置は、上面に複数の上向きの凸曲面部が形成された平板状の基台の上に、下面に滑走部が形成された平板状の滑走板を載せ置くことにより設けられ、
    前記第1復元装置は、支持部と、前記支持部に接続されて軸芯方向に圧縮する変位部とを有し、側壁面と構造物との間で、構造物を取り囲むようにして複数設けられ、構造物に地震動が作用する前の状態で、前記変位部が軸芯方向で前記支持部に向けてのみ圧縮するように前記支持部に接続されること
    を特徴とする構造物の免震システム。
  2. 複数の前記第1復元装置に取り付けられ、各々の前記支持部を複数に亘って直列に連結する加圧装置をさらに備え、
    前記第1復元装置は、構造物に地震動が作用する前の状態で、前記変位部が軸芯方向で前記支持部に向けてのみ圧縮するように前記支持部に接続され、
    前記加圧装置は、構造物に地震動が作用した後の状態で、各々の前記支持部を複数に亘って直列に加圧することにより、前記変位部を軸芯方向で伸長させること
    を特徴とする請求項1記載の構造物の免震システム。
  3. 前記第1復元装置は、前記変位部の軸芯方向で構造物に向けた先端面部に、前記基台と前記滑走板とが、重ね合わされて取り付けられること
    を特徴とする請求項1又は2記載の構造物の免震システム。
  4. 基礎盤と構造物との間で、基礎盤から構造物の内部空間に亘って設けられる第2復元装置をさらに備え、
    前記第2復元装置は、基礎盤に取り付けられる下段板部と、構造物の内部空間に取り付けられる上段板部と、前記下段板部と前記上段板部とに連結される弾性柱体とを有すること
    を特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の構造物の免震システム。
  5. 前記第2復元装置は、前記下段板部及び前記弾性柱体を取り外して、構造物をジャッキアップするためのジャッキ部材を、前記上段板部に取り付けることができること
    を特徴とする請求項4記載の構造物の免震システム。
  6. 請求項1〜3の何れか1項記載の構造物の免震システムが備える第1復元装置であって、
    前記第1復元装置は、各々の前記支持部で連結される第1電磁弁を開放するとともに、各々の前記支持部を複数に亘って直列に連結する第2電磁弁を閉じた状態とすることで、構造物に作用する地震動による衝撃を、前記変位部の軸芯方向の圧縮によってエネルギー吸収させるものであり、かつ、前記第1電磁弁を閉じるとともに、前記第2電磁弁を開放した状態として、各々の前記支持部を複数に亘って直列に加圧することにより、構造物に作用した地震動による変位を、前記変位部の軸芯方向の伸長によって復元させるものであること
    を特徴とする第1復元装置。
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