JP4994338B2 - 免震構造体及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は免震構造体および免震構造体の製造方法に関し、特に低荷重の一般住宅や建物内部に置かれる装置類に適した免震構造体および免震構造体の製造方法に関する。
地震に対する対策方法としては耐震法と免震法がある。耐震法は建物などの構造物の倒壊を防止する構造体を構成するものであり、地震による揺れを失くすもしくは減少させる構成ではない。一方、免震法は地震の震動エネルギーを吸収して構造物の揺れを失くすもしくは減少させる構成である。一般的な免震法の構成としては、鉄板などの硬質層とゴムなどの軟質層を交互に積層したものがある
例えば特許文献1には、ゴム等の軟質層と鋼板等よりなる硬質層を交互に積層してなる積層体を複数個、建築物等の上部構造物と基礎側の下部構造物とに取り付けて、地震発生時に地盤から建築物等に伝わる振動エネルギーを減少させる免震装置が提案されている。
また特許文献2には、免震ゴム積層体の設計に際して、硬いゴムを用いて降伏応力を上げるとせん断剛性が上がってしまい、免震ゴム積層体の設計の自由度が奪われてしまう欠点を克服するために、複数のゴム層と鋼板とを交互に積層させてなる免震ゴム積層体において、ゴム層内部に複数の空隙を分散するように配置してなる免震ゴム積層体が提案されている。
特開2006−214187号公報 特開2002−316907号公報
しかし、特許文献1の免震装置は建築物などの大型の重荷重の構造物の免震には適しているが、1t/m 以下の低荷重の一般住宅や建物内部に置かれるコンピュータや機械装置等に用いた場合、ゴム層が硬いために十分な免震効果が得られない。また、一般住宅用の積層ゴム免震装置の一例としては、25万円/個(500mm径)程度のものが提案されているがこれらは高価であり、さらに建物内部に置かれる低荷重のコンピュータや機械装置に適した小型(例えば30〜100mm径)の免震装置は提案されていない。
特許文献2の免震ゴム積層体はゴム層の内部に空隙を分散配置してゴム積層体の変形特性を中実ゴムの降伏後の変形特性に近似させて剛性の上昇を抑制し、免震ゴム積層体の設計の自由度を向上させるもので、もとより特に1t/m以下の低荷重の軽重量物の免震を目的としたものではなく、また免震条件に適したゴム中の空隙の量や形状の正確な制御が困難である欠点を有している。
本発明は上記のような問題点に鑑み、比較的小型の低荷重の軽重量物に適した免震構造体とその製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、免震効果が大きく簡易な免震構造体の製造方法を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明では以下の免震構造体とその製造方法が提供される。
すなわち、
(1)本発明の免震構造体は、
上下の面板の間に剛性板と弾性層とが交互に積層された積層弾性体からなる免震構造体であって、
前記弾性層には、各硬質粒子が前記剛性板と接触するように介在されており、
積層方向に荷重が作用した場合に、硬質粒子で荷重を支えるようにし、
積層弾性体の圧縮が抑制されるようにしたことを特徴とする。
(2)本発明の免震構造体は、前記(1)において、
前記積層弾性体の中央には、積層方向に空洞部が形成されていることを特徴とする。
(3)本発明の免震構造体は、前記(1)において、
前記積層弾性体の中央には、積層方向に減衰部材が形成されていることを特徴とする。
(4)本発明の免震構造体は、前記(1)〜(3)のいずれかにおいて、
前記硬質粒子が、ガラス、セラミックス、金属、樹脂のいずれか、又はこれら混合したものであることを特徴とする。
(5)本発明の免震構造体は、前記(1)〜(4)のいずれかにおいて、
前記弾性層が、ポリウレタン樹脂組成物であることを特徴とする。
(6)本発明の免震構造体の製造方法は、
剛性板と硬質粒子とを交互に積層する工程と、
前記剛性板の間に介在する硬質粒子の間に弾性層形成原料を充填する工程と、
前記剛性板の間に介在する各硬質粒子が前記剛性板と接触するように積層弾性体を形成する工程と、
前記積層弾性体に上下の面板を取り付ける工程とを含むことを特徴とする。
本発明の免震構造体によれば、硬質粒子が含有された弾性層と剛性板とを交互に積層させた積層弾性体からなる免震構造体であるので、剛性板とその間に介在された硬質粒子によって一般住宅や装置類の質量を支えつつ、弾性層によって減衰能力を発揮することができる。
また、本発明の免震構造体の製造方法によれば、剛性板の上に硬質粒子とを交互に積層する工程と、前記剛性板の間に介在する硬質粒子に弾性層形成原料を充填して積層方向に空洞部が形成された積層弾性体を用意する工程と、前記積層弾性体に上下の面板を取り付ける工程とを含むので、免震構造体を簡易に製造することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る免震構造体について説明する。
図1は、本発明に係る免震構造体の一実施形態の概略断面図である。
図2は、本発明に係る免震構造体の空洞部に減衰部材を充填した例を示す概略断面図である。
本実施形態の免震構造体10は、上下に面板12,14を備え、その間に、複数枚の円盤状の金属板(剛性板)20と弾性層22とが積層方向に交互に積層された積層弾性体28が設けられ、積層弾性体28の中央には積層方向に円筒状の空洞部27が形成されている。また、弾性層22には、硬質粒子23が含有されている。
なお、図2に示すように、空洞部27には減衰部材24が充填されていてもよい。
薄板1と硬質粒子23を含む積層弾性体28の積層数は、1層であってもよく、2層以上の複数の層であってもよい。複数層を積層することによって大きな変位によっても積層弾性体28が破壊される可能性を少なくすることができる。
一方、積層数が少ないと免震装置としての効能は少なくなるが、適用する住宅や装置類の大きさや荷重により適宜選択される。また、免震構造体の大きさ(面積)も住宅や装置類の大きさや荷重により適宜選択する。
以下、本発明に係る免震構造体10について、その製造方法とともに詳細に説明する。まず、剛性板20と弾性板22とが交互に積層されており、積層方向に空洞部27が形成されている積層弾性体28を作成する。
剛性板20の材質としては、免震作動中に変形することがない剛性を有する限り特に種類を限定するものではなく、例えば、金属、セラミックス、プラスチック、FRP、ポリウレタン、木材、紙板、スレート板、化粧板などを用いることができる。金属板の中でも、鋼板は剛性が高く安価でもあるので特に好ましい。鋼板としては、防錆性を有するステンレス鋼板や、亜鉛、錫、ニッケル、クロム、またはそれらの金属の合金をめっきしためっき鋼板、弾性層3を構成する材料との密着性を向上させる表面処理を施した表面処理鋼板も含まれる。
また、ポリオレフィンやポリアミドなどの合成樹脂、合板などの木板なども使用できる。
剛性板20の大きさ(直径、厚さ等)については、特に限定されるものではなく、免震構造体10の使用目的(例えば支持する建造物の重量)等に応じて適宜選択すればよい。剛性板20の厚さは、好適には、0.3〜 2.0mmの範囲のものを用いることができる。鋼板の厚さが0.3mm未満のときは、鋼板の剛性に欠け好ましくなく、2.0mm以上のときは、免震構造体10の重量が重くなり、また構造体厚みが厚くなるために好ましくない。例えば、既存機械と床の間に当該免震装置を取り付けた場合、機械は床より免震装置高さだけ高くなるが、その許容高さは20mm以下とすることが好ましい。
よって、剛性板20を10層重ねた免震装置を仮定すると、剛性板20の厚みは20mm/10層=2mmが限度となる。
なお、剛性板20の形状は、丸、四角いずれも可能である。
弾性層22としては、低荷重の住宅や装置類でも動きやすい振動吸収性を得るために、ゴムを弾性層として用いる通常の免震ゴム積層体に用いられるゴム硬度30程度よりも柔らかいゴム硬度20以下、好ましくはゴム硬度10以下の硬さで、振動吸収特性を反映する粘弾性特性である損失正接(tanδ)が、通常の免震ゴム積層体における0.1程度よりも高い0.2以上、好ましくは0.3以上である軟質の弾性状態を有する弾性層を用いる。ここで、損失正接(tanδ)とは、静止弾性率/動的弾性率の値として表され、一般に振動エネルギー吸収性の物理的目安として知られている。
このような弾性層としては、後述する免震構造体の製造に好適に用いることが可能なポリウレタン樹脂組成物を用いることが好ましい。本発明で用いるポリウレタン樹脂組成物は、弾性層形成原料として、ポリオールおよびポリフェニルポリメチレンポリイソシアネートを、それぞれ常温、もしくは加温した状態で、これら2成分を混合したのち真空下で脱泡して、常温〜120℃で、2日〜2時間ウレタン化反応を起こさせて、軟質の樹脂組成物を得る。本発明の弾性層22は、弾性層形成原料として、共に液体であるポリオールとイソシアネートを混合した液体を注入して硬質粒子23同士の空隙を充填した後、オーブン中で加熱して反応促進させて硬化させることが望ましい。
また、予め板状に成形した加硫ゴム、未加硫ゴム、プラスチックなどの有機材料、これらの発泡体、アスファルト、粘土等の無機材質、これらの混合材料を用いることもできる。例えば、エチレンプロピレンゴム(EPR、EPDM)、ニトリルゴム(NBR)、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)等が挙げられる。これらのうち、特にハロゲン化ブチルゴム、EPR、EPDM、CR、NR、IR、BR、SBRが好ましく、これらを2種以上ブレンドして用いてもよい。
弾性板22の大きさ(直径、厚さ等)についても特に限定されるものではなく、免震構造体10の使用目的等に応じて適宜選択すればよい。
本発明の免震構造体は、弾性層22の中に硬質粒子23を含有させることに特徴がある。このことにより、積層方向に荷重が作用しても、硬質粒子23で荷重を支えることができ、積層弾性体28の圧縮(すなわち弾性層22の圧縮)が抑制される。すなわち、本発明の免震構造体は、低荷重の住宅や装置類でも動きやすい振動吸収性を得るために、軟質の弾性層22を均一な厚さで薄く形成するため、硬質粒子23を剛性板20間に介在させるのである。
硬質粒子23としては、弾性層22の硬さを下回らない限り如何なる材料も用いることが可能であるが、適度な硬さを有し、安価であり、また、地震等の横揺れで弾性層22が変形するが、この変形に支障がないように、粒子の形状や径を揃えて製造することが容易であるガラスビーズ等の球体を用いることが好ましい。
また、その他の硬質粒子としては、鋼球などの金属球、樹脂球、セラミック球なども挙げられる。
硬質粒子の粒子径は、弾性層22の硬さ、積層する層の数にもよるが、0.3〜4.0mmのものが好ましく適用できる。より好ましくは1.0〜3.0mmである。
粒子径が0.3mm未満のときは、剛性板20間の間隙が小さく、未硬化の液状の弾性層形成用の原料を注入して、剛性板20と硬質粒子23との空隙を充填する場合に、充填が難しくなり好ましくない。一方、粒子径が4.0mmを超えると、弾性層形成原料の使用量が増し、免震構造体10全体の厚み(高さ)が増え、同じ厚みの免震構造体10では積層数が減るために好ましくない。
すなわち、地震等の横揺れの免震構造体としては、積層数が多いほど揺れを吸収して好ましいので、本発明の免震構造体も一定の積層数とすることが好ましい。
なお、弾性層22の損失正接(tanδ)が高いほど積層数を少なくでき、弾性層22が変形しやすい(硬度が低い)ほど厚みを薄くできる。
地震などによる揺れの変位は、積層数が多いほど少なく、また、弾性層22の厚みが小さいほど少ない。
剛性板20と弾性層22とが交互に積層された積層弾性体28の剛性板20と弾性層22は、これらが分離しないことが重要である。剛性板20と弾性層22とが交互に積層されて強固に接合させた積層弾性体28とすることにより、地震等の際、水平方向のせん断力を受けると、積層弾性体28も弾性的にせん断変形することができる。したがって、基礎と建造物とが水平方向に相対移動(振動)すると、積層弾性体28が全体として弾性的にせん断変形し、この振動のエネルギーを吸収することができるのである。
積層弾性体28の大きさや空洞部27の大きさは特に限定されるものではなく、
免震構造体10の使用目的等に応じて適宜選択すればよい。
なお、本発明に係る積層弾性体28の形状は、円柱状(ドーナツ状)に限定されず、免震効果を発揮することができればどのような形状でもよく、例えば角柱状の積層弾性体とするともできる。
積層弾性体28の積層方向に貫通する空洞部27部には、減衰部材24を充填することができる。予め中心部に貫通孔が形成された剛性板20と硬質粒子23とを交互に積層して、空洞部27を有する、弾性層22が未充填の積層弾性体28を作製する。その後、空洞部27に減衰部材24を充填する。
また、例えば、剛性板20と弾性板22とが交互に積層された積層弾性体28の中心部を、くり貫いて所定の径の空洞部27を形成することもできる。
減衰部材24を構成する材料としては、弾性層22を形成する材料と同一のものを用いることができる。
また、低降伏点樹脂を主成分とするものを用いることもできる。そのような低降伏点樹脂としては、例えば、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリイミド、フッ素樹脂等が挙げられる。
弾性層22及び減衰部材24は、図3に示すように、液状の弾性層形成原料を積層弾性体28の空洞部27に充填することにより形成される。すなわち、本発明の免震構造体10は、剛性板20上に硬質粒子2を互いに孤立状態で載せ、2枚の剛性板20の間隙に液状の弾性層形成原料を充填した後に硬化させて弾性層22とする。
減衰部材24を不要とする場合は、硬化後にくりぬいて除去するか、空洞部に予めパイプを設けておき、そのパイプと積層された剛性板との間に形成される隙間に液状の弾性層形成原料22aを注入する。
なお、積層弾性体28には下面板14を予め取り付けておく。下面板14は、鋼板等の強度のある金属板を用い、積層弾性体28を構成する剛性板20よりも厚い金属板を用いることが好ましい。上面板12も下面板14と同様、積層弾性体28を構成する剛性板20よりも厚い鋼板等の金属板を用いることが好ましい。
また、上面板12の中心には液状の弾性層形成原料22aを注入する貫通孔を予め設けておく。
また、液状の弾性層形成原料22aが外に漏れないように円筒枠25を積層体28の外側に設けておく。
減衰部材24を積層弾性体28の空洞部27内に充填して硬化させた後、円筒枠25を除去する。
なお、上下面板12,14はそれぞれ側方に張り出すフランジ部13,15を有し、建造物、土台等に固定するための複数のボルト孔16が予め設けられているものを用いることが好ましい。
なお、本発明の免震構造体10は、その耐候性等の向上を目的として、外表面部を耐候性に優れたゴム材料で被覆するなどの改良を加えることもできる。被覆材26により積層弾性体28を被覆することにより、外部からの雨や光の作用を防ぎ、酸素やオゾン、紫外線などによる劣化を防止することができる。
上記のようにして、図1に示されるような免震構造体10を完成させる。免震構造体10を建造物などへ取り付ける場合は、上面板12,下面板14のフランジ部13,15のボルト孔にボルトを通して、免震構造体10の下面板14を基礎土台に取付け、上面板12を建造物に固定する。これにより、免震構造体10を介して建造物が基礎土台に支持されることになる。
弾性層形成原料として ポリオール成分(主剤)とイソシアネート成分(硬化剤)を用い、これらを混合して製造した。市販されている具体的な製品として、ハプラゲル#1315(株式会社ポリシス製)の原液(主剤、硬化剤)、ハプラプリンゲル#PL−15(株式会社ポリシス製)の原液(主剤、硬化剤)を用いて弾性層を製造した。
ハプラプリンゲル#PL−15を用いて製造した弾性層の特性は以下のとおりである。
ゴム硬度(JIS K6301)=0
スポンジ硬度(JIS K7312)=15
損失係数tanδ=0.43
ここで、tanδは、測定器:Dynamic mechanical Thermal analyzer(Polymer Laboratories社製)を用いて、周波数10Hzで曲げ試験における測定値である。
また、剛性板として、外径80mm、中心に16mmの貫通孔を有する、厚み0.8〜1.22mmのアルミ合金板を用いた。
硬質粒子としてガラスビーズを用いた。ガラスビーズはアズワン社製の次の仕様のものを用いた。弾性層の中に混入したガラスビーズの数は、弾性層の1層中に10個とした。
実施例1では、ガラスビーズBZ−1(平均粒径1.38mm)を用い、実施例2では、ガラスビーズBZ−1(平均粒径1.38mm)を用い、実施例3では、ガラスビーズBZ−2(平均粒径2.13mm)を用い、実施例4では、ガラスビーズBZ−3(平均粒径2.67mm)を用いた。
なお、比較例として、金属板なし(樹脂組成のみ)の防振材で、免震構造体を作成した。
(評価)
実施例1〜4の免震構造体は、ガラスビーズが荷重を支えて変形せず、4点支持で1トンの荷重がかかっていると想定されるが、耐荷重時の歪みはいずれも1%以下であった。しかし、比較例の免震構造体では、30%以上の変形があった。
また、せん断試験では、本発明の免震構造体は横方向に横揺れがあって免震構造体の横寸法の2倍の変形があっても、破壊しなかった。
さらに、垂直加振試験では、免震構造体に10kgの荷重をかけ、加振機(Emic)にて1000ガウスの加速度で5Hz〜500Hzの間で垂直振動を与えた結果、本発明の免震構造体は優れた防振効果を示した。
そして、横加振試験では、免震構造体に加振機(Emic)にて1000ガウスの加速度で8Hzの水平振動を与えた。これは震度7の地震に相当する。
その結果、本発明の免震構造体は水平振動を1/5以下に減らすことができ優れた防振効果を示した。
一方、比較例の防振材は、横加振試験(10Hz)で共振させたところ、その加速度は3200ガウスとなり、免震構造体としての使用は不可能であった。
この結果を表1にまとめた。
Figure 0004994338
以上、本発明に係る免震構造体とその製造方法について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、免震構造体の弾性層に混入する硬質粒子の数や大きさは特に限定されるものではない。さらに、本発明に係る免震構造体を製造する方法も実施形態で説明した方法に限定されない。
以上に説明したように、本発明の免震構造体は低荷重により動きやすい振動吸収性を有しているので、建物内部におかれる1t/m以下のコンピュータ、精密測定機器、陶磁器などの美術品、家電機器、食器棚、家具、建屋外の墓石、石碑、灯籠などの比較的小型で軽重量物の免震構造体として好適に用いることができる。また製造方法が平易であるので安価に製造することが可能であり、産業上の利用可能性は極めて高い。
本発明に係る免震構造体の一実施形態を示す概略断面図である。 本発明に係る免震構造体の空洞部に減衰部材を充填した例を示す概略断面図である。 弾性層形成原料を空洞部に充填する状態を示す概略図である。
符号の説明
10 免震構造体
12 上面板
13 フランジ部
14 下面板
15 フランジ部
20 剛性板
22 弾性層
23 硬質粒子
24 減衰部材
27 空洞部
28 積層弾性体

Claims (6)

  1. 上下の面板の間に剛性板と弾性層とが交互に積層された積層弾性体からなる免震構造体であって、
    前記弾性層には、各硬質粒子が前記剛性板と接触するように介在されており、
    積層方向に荷重が作用した場合に、硬質粒子で荷重を支えるようにし、
    積層弾性体の圧縮が抑制されるようにしたことを特徴とする免震構造体。
  2. 前記積層弾性体の中央には、積層方向に空洞部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の免震構造体。
  3. 前記積層弾性体の中央には、積層方向に減衰部材が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の免震構造体。
  4. 前記硬質粒子が、ガラス、セラミックス、金属、樹脂のいずれか、又はこれら混合したものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の免震構造体。
  5. 前記弾性層が、ポリウレタン樹脂組成物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の免震構造体。
  6. 剛性板と硬質粒子とを交互に積層する工程と、
    前記剛性板の間に介在する硬質粒子の間に弾性層形成原料を充填する工程と、
    前記剛性板の間に介在する各硬質粒子が前記剛性板と接触するように積層弾性体を形成する工程と、
    前記積層弾性体に上下の面板を取り付ける工程とを含むことを特徴とする免震構造体の製造方法。
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