JP5259161B2 - 芳香族または複素芳香族ニトリルを触媒的に製造する方法 - Google Patents

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Description

本発明は、シアニド源としてヘキサシアノ鉄(II)酸カリウムまたはヘキサシアノ鉄(III)酸カリウムを使用してパラジウム錯体をベースとする触媒を用いて、対応するハロゲン化アリールをシアン化することによって、場合により置換された芳香族または複素芳香族ニトリルを製造する方法に関する。
芳香族または複素芳香族ニトリルは、ファインケミカルズ、農薬製品および医薬品中間体用の出発原料として工業的重要性を有する。芳香族ニトリルを製造するための工業的に用いられる方法は置換トルエンのアンモオキシデーションである。この方法は、対応するトルエンが安価に入手可能であるときにのみ工業的に関心を引く。さらに、アンモオキシデーションは、基質中に酸化感受性置換基が存在すると成功しない。ベンゾニトリルを製造するためのさらなる工業的方法は、強く水と結合する物質(例えばP)と一緒の蒸留によるカルボン酸およびアンモニウム塩またはアミドの反応、ならびに500℃でのAl固定床上で気相でのカルボン酸またはエステルのアンモニアとの反応である。
芳香族ニトリルのための安価な出発原料は、対応するクロロベンゼンおよび幾つかのケースでは対応するブロモベンゼンである。しかしながら、公知方法によるシアニドとの塩素の置換はしばしば不満足に成功するにすぎない。例えば、芳香族ハロゲン化物は、金属触媒または金属酸化物触媒の存在下に650℃でのまたは480〜650℃での気相でHCNと反応する。比較的穏和な反応条件下でのハロゲン化アリールのシアニドとの反応を加速する触媒は、パラジウム錯体およびニッケル錯体である。例えば、R.ブライトシュー(R.Breitschuh)、B.プギン(B.Pugin)、A.アイドレセ(A.Idolese)およびV.ギシン(V.Gisin)((特許文献1)および(特許文献2))は、好ましくはNi錯体および化学量論量の錯化物質の存在下での対応する置換3−アミノクロロベンゼンからの置換3−アミノベンゾニトリルの製造を記載している。この方法の不利点は、過剰の還元剤の使用およびある特定の基質クラスへの該反応の限定である。
B.R.コッター(B.R.Cotter)(特許文献3)は、助触媒としての18−クラウン−6、ポリエーテル、200〜25,000のモル質量を有するアルコキシポリエーテルまたはその混合物の群からのエーテル成分の、ハロゲン化アリールのパラジウム触媒シアン化へのプラスの影響を記載している。しかしながら、言及された出願の実施例で、4−クロロベンゾトリフルオリドなどの活性化(電子不足の)クロロ芳香族化合物が発明反応条件下に反応するにすぎず、対応するベンゾニトリルの生成物収率はおおよそ45%にすぎないことが明らかになる。クロロトルエンなどの非活性化クロロ芳香族化合物は、たったの5〜11%収率でターゲット生成物を生成する。かかる収率は該方法の工業的実施を経済的に不可能なものにする。
J.B.デービソン(J.B.Davison)、R.J.ジャシンスキー(R.J.Jasinski)およびP.J.ピアス−ランダース(P.J.Peerce−Landers)((特許文献4))は、電気化学的に形成されるVIII族金属(0)錯体によって触媒される、クロロ芳香族化合物からの芳香族ニトリルの製造を記載している。しかしながら、この手順は通常のバッチ法と比較して非常に高くつく。さらに、良好な収率でのクロロ芳香族化合物の成功した転化の例は全くない。
A.ビアウビィ(A.Viauvy)およびM.カサド(M.Casado)(特許文献5)はさらに、シアン化銅およびブロミド源、または臭化銅および相間移動触媒もしくはシアン化銅およびヨウ化リチウムの存在下にアルカリ金属シアン化物もしくはシアン化テトラアルキルアンモニウムとの対応するニトリルを与えるためのクロロ芳香族化合物の反応を記載している。これらの手順は、超化学量論量の重金属塩廃棄物が形成されるという不利点を有する。さらに、クロロ芳香族化合物からのベンゾニトリルの収率は満足できるものではない。
M.−H.ロック(M.−H.Rock)およびA.マーホルド(A.Merhold)((特許文献6)および(特許文献7))は、ニッケル触媒のおよびケトンの存在下でのシアニドとの反応によるクロロ芳香族化合物からの芳香族ニトリルの製造を記載している。しかしながら、触媒がさもなければ不可逆的にシアン化されるので、反応は、シアニド濃度が厳密にコントロールされるときにのみ成功裏に行うことができる。この方法の不利点は再び、追加の重金属塩廃棄物につながる亜鉛などの還元剤を使用する必要性、および溶媒としての特定ケトンの使用である。
(非特許文献1)は、化学量論量の臭化ニッケル(II)およびシアン化ナトリウムの存在下でのクロロ芳香族化合物のシアン化を記載している。それから生じるニッケル塩廃棄物の量に加えて、エネルギー導入のためのマイクロ波放射の使用が工業的反応にとって不利点である。
(非特許文献2)は、配位子としてのS−Phosと共にPd触媒を使用するクロロ芳香族化合物のシアン化亜鉛(II)との反応を記載している。ここでの不利点もまた、化学量論量の重金属塩廃棄物の発生および高濃度(クロロ芳香族化合物を基準として2〜10モル%)での高価なホスフィン配位子の使用である。
ベラー(Beller)および共同研究者は、ハロゲン化アリールのアルカリ金属シアン化物とのパラジウム触媒反応へのクラウンエーテル、ジホスフィン配位子およびジアミン配位子の影響を記載している((特許文献8)、(非特許文献3))。これらの研究に基づいて、シアニド供与体としてのアセトンシアノヒドリンの計量供給添加が記載システムで試験された((非特許文献4))。さらに、TMSCN((非特許文献5))またはシアン化水素酸((特許文献9))の計量供給が記載された。
ハロゲン化アリールまたはハロゲン化ヘテロアリールをシアン化するためのすべての上記方法は、遊離シアニドが過剰に存在するシアニド源をそれらが使用し、その結果シアニド配位子が、その強く錯化する作用のために、Pd触媒をブロックし得るという不利点を有する。それ故、これらの方法は一般に、シアニド源がコントロールされたやり方で計量供給されなければならないというおよび/またはしばしば不満足は触媒活性および生産性が観察されるという不利点を有する。加えて、これらのシアニド源は高度に有毒であり、シアン化水素酸を容易に放出し得るので、それらの工業的使用は特定の安全性対策付きでのみ可能である。
これらの不利点はベラーらによって、非毒性で取り扱いが容易なシアニド源としてヘキサシアノ鉄(II)酸カリウムK[Fe(CN)]を使用することによって回避された。このシアン化剤は、低毒性のものであり、分解なしで水に溶解し、食品および飲料産業においてでさえ、例えば食卓塩の製造でまたはワインの保存のために使用される((非特許文献6))。(非特許文献7)は、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウムを使用するシアン化のためのPd触媒法を記載している。出願(特許文献10)および(特許文献11)は、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウムK[Fe(CN)]、またはヘキサシアノ鉄(III)酸カリウムK[Fe(CN)]を使用するシアン化のためのCu触媒法を記載している。しかしながら、不利点は、これらの方法が臭化アリールおよび臭化ヘテロアリールを効率的に転化できるにすぎないことである。しかしながら、工業的応用のためには、塩化アリールおよび塩化ヘテロアリールが、それらが一般的に入手可能であり、そして他のハロゲン化アリール、ハロゲン化ヘテロアリール、擬ハロゲン化アリールまたは擬ハロゲン化ヘテロアリールより高価でなくそして広く得ることができるので、大いにより魅力的である。しかしながら、ヘキサシアノ鉄酸カリウムをシアン化のために使用する先行技術から今までに知られている方法では、臭化アリールまたは臭化ヘテロアリールと比較して反応性が低い塩化アリールまたは塩化ヘテロアリールの反応は、仮にそうであるとしても、非常に低い収率で可能であるにすぎない。これは、非活性化されたまたは不活性化された(電子に富む)および立体障害のある塩化アリールまたは塩化ヘテロアリールについて特に当てはまる。記載されてきた成功反応の唯一の例は、上に引用された(非特許文献7)の発表、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウムを使用する強く活性化された4−クロロキノリンのPd触媒シアン化である。
従って、ヘキサシアノ鉄酸カリウムでのハロゲン化アリールおよびハロゲン化ヘテロアリールのシアン化方法であって、特により大きい基質範囲について、特に活性化および不活性化された塩化アリールおよび塩化ヘテロアリールの両方の効率的な反応に関して先行技術と比較して注目に値する方法を開発することが本発明の目的である。同様に、本発明による方法は工業的規模で容易に使用可能であり、そして触媒生産性に関して、従ってまた経済的な観点に関して先行方法より優れているべきである。
EP−A 0 787 124 B1 US−A 5,883,283 US−A 4,211,721 US−A 4,499,025 EP−A 0 994 099 A1 DE−A 197 06 648 A1 WO 98/37 058 DE−A 101 13 976 DE−A 103 23 574 DE−A 10 2005 009 517.8 DE−A 10 2006 042439.5 R.K.アーベラ(R.K.Arvela)、N.E.リードビーター(N.E.Leadbeater)著、J.Org.Chem.68(2003)、9122〜5ページ H.R.チョバニアン(H.R.Chobanian)、B.P.フォース(B.P.Fors)、L.S.リン(L.S.Lin)著、Tetrahedron Lett.47(2006)、3303〜5ページ ベラーら著、Tetrahedron Lett.42(2001)、6707〜10ページ Angew.Chem.115(2003)、1700〜3ページ J.Organomet.Chem.684(2003)、50〜5ページ Roempp Lexikon Chemie,Georg Thieme Verlag,Stuttgart/New York,1999 Chem.Commun.2004、1388〜1389ページ
述べられた目的は、本発明による方法において、一般式(I)
Ar−CN (I)
の、場合により置換された芳香族または複素芳香族ニトリルの、
一般式(II)
Ar−X (II)
(式中、
Xは塩素、臭素、ヨウ素、トリフラート(トリフルオロメタンスルホネート)、ノナフラート(ノナフルオロブタンスルホネート)、メシラートまたはトシラート、好ましくは塩素および臭素、より好ましくは塩素であり、そしてArは場合により置換された芳香族または複素芳香族基、好ましくは場合により置換された芳香族基である)
の対応するハロゲン化アリールを、場合により塩基の存在下にならびにPd化合物のおよび式(III)または(IV)のリン配位子の存在下に、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウムおよび/またはヘキサシアノ鉄(III)酸カリウムを使用して反応させることによる触媒的製造を行うことによって達成され、式中、Rは環式または非環式の、分岐または非分岐のアルキル基であり、R’、R’’およびR’’’は上に定義されたようなアルキル基か場合により置換されたアリールまたはヘテロアリール基かのどちらかであり、そしてAは場合により置換されたアルキレン基またはアリーレン単位である。R、R’およびR’’基は好ましくはそれぞれ、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基であり、そしてAは1〜10個の炭素原子を有するアルキレン単位である。
Figure 0005259161
使用されるパラジウム化合物は公知のPd(0)およびPd(II)化合物であってもよい。典型的な例は塩、例えばPdClおよびPd(OAc)、そしてまたPd錯体、例えばPd(PPh、Pd(dba)、PdCl(PhCN)、アリルパラジウムクロライド二量体、そしてまた式(III)および(IV)の上述の配位子とのパラジウム(0)もしくは(II)の錯体である。Pd(dba)およびPd(OAc)が好ましい。
使用されるパラジウム化合物は十分な量で反応混合物中に存在するべきである。当業者は、経済的考慮(反応の速度、収率、原材料コスト)に関して必要な使用量を選択するであろう。本発明による方法では、ほぼ少なくとも10〜100,000の程度の大きさの触媒のターンオーバー値を実現することができる。ハロゲン化アリールまたはハロゲン化ヘテロアリールを基準として0.001〜10モル%の量でパラジウム化合物を使用することが有利であり、0.01モル%〜2モル%の量を使用することが好ましい。
使用されるホスフィン配位子は式(III)の一座ホスフィンまたは式(IV)の二座ホスフィンであってもよい。ホスフィンは、そのようなものとしてまたはホスホニウム塩、例えば酸付加体、例えばPR・HX(ここで、HXはブレンステッド酸である)の形態で使用されてもよく、そのケースでは反応混合物中に同時に存在する塩基がホスフィンのその場放出を確実にする。式(III)(ここで、RおよびR’はそれぞれ、以下に詳細に記載される定義のアルキル基であり、R’’は以下に詳細に記載される定義のアリール基である)のホスフィンの使用が好ましい。n−ブチルビス(アダマンチル)ホスフィン、トリ(第三ブチル)ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、フェニルジ(第三ブチル)ホスフィン、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−1−フェニルピロール、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−1−(2’,4’,6’−トリメチルフェニル)イミダゾール、2−(ジ第三ブチルホスフィノ)−1−(2’,4’,6’−トリメチルフェニル)イミダゾール、2−(ジ第三ブチルホスフィノ)−1−(2’−トリメチルシリルフェニル)ピロールおよび2−ジアルキルホスフィノ−2’−ジアルキルアミノビフェニレンの使用が特に好ましい。n−ブチルビス(アダマンチル)ホスフィンおよびトリ(第三ブチル)ホスフィンの使用が非常に特に好ましい。
使用されるホスフィン配位子の量に関して、本発明による方法では、1:100から10:1以下のパラジウム:ホスフィン配位子モル比を用いることが可能である。1:10〜2:1のパラジウム:ホスフィン配位子モル比を使用することが好ましく、1:5〜1:1のモル比が特に好ましい。
ホスフィン配位子およびパラジウムは錯体として一緒にまたは個別に添加されてもよい。
本発明による方法に使用される溶媒は一般に不活性有機溶媒および/または水である。双極性非プロトン溶媒、例えば脂肪族エステルまたはアミドおよびそれらの混合物が好ましい。N,N−ジメチルアセトアミドおよびN−メチルピロリジン−2−オンの使用が特に好ましい。反応はまた、バルクで、すなわち溶媒なしで行われてもよい。
幾つかのケースでは、塩基の添加が本発明による方法で有利であるかもしれない。このケースでは、有機塩基か無機塩基かのどちらかが使用されてもよい。例は、アミン、カルボン酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、アルコキシドおよび水酸化物である。アルカリ金属酢酸塩、炭酸塩および水酸化物、ならびにアルカリ土類金属酢酸塩、炭酸塩および水酸化物を使用することが好ましい。炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩の添加が特に好ましい。
使用される塩基は、ハロゲン化アリールまたはハロゲン化ヘテロアリールを基準として1〜100モル%の量で好ましくは使用される。10〜50モル%の塩基の量が特に好ましい。
本発明による方法に使用されるシアニド源は、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウムおよびヘキサシアノ鉄(III)酸カリウムであってもよい。ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウムの使用が好ましい。すべての6個のシアニド配位子が本発明による方法での反応のために利用可能であるので、16.7モル%の量でのまたはより多い量でのシアニド源の使用が有利である。当業者は、経済的考慮(反応の速度、収率、原材料コスト)に基づいてシアニド源の必要な使用量を選択するであろう。ハロゲン化アリールまたはハロゲン化ヘテロアリールを基準として、15モル%〜50モル%のシアニド源の使用が好ましく、16〜25モル%のシアニド源の使用が特に好ましい。
反応は20〜220℃の温度で行われる。80〜200℃の反応温度が好ましく、100〜180℃での操作が特に好ましい。
反応は通常、雰囲気圧で行われる。しかしながら、それはまた、圧力下に、例えばオートクレーブまたは圧力管中でいかなる問題もなしに行うこともできる。
ハロゲン化アリールおよびハロゲン化ヘテロアリールのシアノ化で一般に公知の反応システムでより著しく良好な結果を実現することは、本発明による方法に使用されるヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム・シアニド源および例えばパラジウム化合物の、ホスフィン配位子の、および場合により塩基の組み合わせからなる、対応する触媒システムで可能である。先行技術と比較して、本発明による方法がシアニド源として安全で安価なヘキサシアノ鉄酸カリウムの使用、比較的反応しない、しかし安価で広く入手可能なクロロ芳香族化合物のシアノ化でさえ可能にすることは大幅な進歩と見ることができる。
原則として、芳香族化合物または複素芳香族化合物の使用に関して制限は全くない。特に、Ar基は、環中に窒素、酸素または硫黄などの1、2または3つのヘテロ原子を持った(C〜C19)アリール基または(C〜C18)ヘテロアリール基であってもよい。
Ar基が、それぞれ独立して(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C20)アラルキル基、OH、O−[(C〜C)アルキル]、OC(O)−[(C〜C)アルキル]、O−フェニル、フェニル、NH、NO、NO、N[(C〜C)アルキル]、NH[(C〜C)アルキル]、NHC(O)−[(C〜C)アルキル]、N[(C〜C)アルキル]C(O)−[(C〜C)アルキル]、SH、S−フェニル、S−[(C〜C)アルキル]、フッ素、塩素、CF、CN、COOH、COO−[(C〜C)アルキル]、CONH−[(C〜C)アルキル]、COO−フェニル、CONH−フェニル、CHO、SO−(C〜C)アルキル、SO−(C〜C)アルキル、PO−(フェニル)、PO−[(C〜C)アルキル]、PO、PO[O−(C〜C)アルキル]、SOH、SOM、SO−[(C〜C)アルキル]、Si[(C〜C)アルキル]、(C〜C)ハロアルキルおよび(C〜C)アシルであってもよい、8つ以下の置換基を有してもよい可能性がある。
(C〜C)アルキルは、すべての結合異性体を含む、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチルまたはオクチルであると考えられる。これらは、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)ハロアルキル、OH、ハロゲン、NH、NO、SH、S−(C〜C)アルキルで一置換または多置換されていてもよい。
(C〜C)アルケニルは、メチルを除いて、少なくとも1つの二重結合を有する上にリストされた(C〜C)アルキル基を意味すると理解される。
(C〜C)アルキニルは、メチルを除いて、少なくとも1つの三重結合を有する上にリストされた(C〜C)アルキル基を意味すると理解される。
(C〜C)アシルは、−C=O機能によって分子に結合する(C〜C)アルキル基を意味すると理解される。
(C〜C)シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチル基などを意味すると理解される。これらは、1つもしくはそれ以上のハロゲンおよび/またはN−、O−、P−、S−含有基で置換されていてもよいしおよび/または環中にN、O、P、S原子を有してもよく、例えば1−、2−、3−、4−ピペリジル、1−、2−、3−ピロリジニル、2−、3−テトラヒドロフリル、2−、3−、4−モルホリニルであってもよい。これは、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)ハロアルキル、OH、ハロゲン、NH,NO、SH、S−(C〜C)アルキル、(C〜C)アシル、(C〜C)アルキルで一置換または多置換されていてもよい。
(C〜C19)アリール基は、6〜18個の炭素原子を有する芳香族基を意味すると理解される。特に、これらには、フェニル、ナフチル、アントラニル、フェナントリル、ビフェニル基などの化合物が含まれる。これは、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)ハロアルキル、OH、ハロゲン、NH、NO、SH、S−(C〜C)アルキル、(C〜C)アシル、(C〜C)アルキルで一置換または多置換されていてもよい。
(C〜C20)アラルキル基は、(C〜C)アルキル基によって分子に結合する(C〜C19)アリール基である。
(C〜C)アルコキシは、酸素原子によって問題の分子に結合した(C〜C)アルキル基である。
(C〜C)ハロアルキルは、1つもしくはそれ以上のハロゲン原子で置換された(C〜C)アルキル基である。
本発明との関連で、(C〜C18)ヘテロアリール基は、3〜18個の炭素原子からなる5−、6−、または7−員環芳香環システムを意味し、環中に1、2または3つのヘテロ原子、例えば窒素、酸素または硫黄を有する。かかる複素芳香族化合物は、1−、2−、3−フリル、1−、2−、3−ピロリル、1−、2−、3−チエニル、2−、3−、4−ピリジル、2−、3−、4−、5−、6−、7−インドリル、3−、4−、5−ピラゾリル、2−、4−、5イミダゾリル、アクリジニル、キノリニル、フェナントリジニル、2−、4−、5−、6−ピリミジニルなどの基であると特に考えられる。(C〜C19)ヘテロアラルキルは、(C〜C20)アラルキル基に対応する複素芳香族システムを意味すると理解される。
可能なハロゲンはフッ素、塩素、臭素およびヨウ素である。
以下に記載される実施例のための基本手順:
0.4ミリモルの炭酸ナトリウム、0.4ミリモルのヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム、好適な量の酢酸パラジウムおよび配位子を、表に明記されるように、圧力管中で2mlの乾燥NMP中にアルゴン下で懸濁させた。2ミリモルのハロ芳香族化合物およびGC分析用の内部標準としての200mlのヘキサデカンを加えた。圧力管を閉じ、規定温度に16時間加熱した。室温に冷却した後、混合物を2mlの水および2mlのエーテルで希釈した。有機相のサンプルをガスクロマトグラフィーによって分析した。生成物を単離するために、水相をエーテルで抽出した。一緒にした有機相を水および飽和NaCl溶液で洗浄し、最後に硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒を取り除いた後、粗生成物を、シリカゲルを用いるカラムクロマトグラフィーによってまたは蒸留によって精製した。
Figure 0005259161

Claims (1)

  1. 一般式(I)
    Ar−CN (I)
    の、場合により置換された芳香族または複素芳香族ニトリルを、一般式(II)
    Ar−X (II)
    (式中、
    Xは塩素、臭素、ヨウ素、トリフラート、ノナフラート、メシラートまたはトシラートであり、そして
    Arは場合により置換された芳香族または複素芳香族基である)
    の対応するハロゲン化アリールを反応させることによって触媒的に製造する方法であって、前記反応が、パラジウム化合物、n−ブチルビス(アダマンチル)ホスフィンまたはトリ(第三ブチル)ホスフィン、ならびにヘキサシアノ鉄(II)酸カリウムまたはヘキサシアノ鉄(III)酸カリウムの存在下に、場合により溶媒中でおよび場合により塩基を添加して行われることを特徴とする方法。
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