JP5256445B2 - ジベンズアゼピン共重合体 - Google Patents
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Description
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、優れた蛍光性を有し、合成が容易である架橋型ジフェニルアミン系の重合体を提供することを課題とする。
(式中、Rは置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアリーロキシ基または水素原子を示し、Arは二価のアリール基を示す。nは重合度を示す。)
(式中、Rは置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアリーロキシ基または水素原子を示し、X1,X2はハロゲン元素を示す。)
(式中、Rは置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアリーロキシ基または水素原子を示し、X1,X2はハロゲン元素を示す。)
(式中、Rは、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアリーロキシ基または水素原子を示す。)
反応式(a)において、R及びArは、いずれも前記一般式(1)で説明したと同意義である。また、X1及びX2はそれぞれ独立にハロゲン原子を示し、Y1、Y2は、ボリル基又はスタニル基を示す。nは重合度である。
使用する塩基の量としては、前記反応式(a)に示したジベンズアゼピン化合物1当量に対して1〜100当量、好ましくは1〜20当量である。また、これらの塩基は水溶液にして使用してもよい。
反応式(a’)において、Rは、前記一般式(1)で説明したと同意義である。 ArおよびAr’は、二価のアリール基であり、前記一般式(1)で説明したと同意義である。また、X1、X2、X3、X4はそれぞれ独立にハロゲン原子を示し、Y1、Y2は、それぞれ独立にボリル基又はスタニル基を示す。nは重合度である。
反応式(b)において、R及びArは、いずれも前記一般式(1)で説明したと同意義である。また、X1、X2、X3、X4はそれぞれ独立にハロゲン原子を示し、前記一般式(2)で説明したものと同意義である。nは重合度である。
反応式(c)において、R及びArは、いずれも前記一般式(1)で説明したと同意義である。nは平均重合度を示す。)
実施例1
下記式に示すポリ{(5−(3−ジメチルアミノプロピル)−10,11−ジヒドロジベンズアゼピン−2,8−ジイル)−alt−(チオフェン−2,5−ジイル)}の合成(一般式(1),R=3−ジメチルアミノプロピル基,Ar=チオフェン−2,5−ジイル基,ジベンズアゼピン含有比0.5)
窒素雰囲気下で2,8−ジブロモ−5−(3−ジメチルアミノプロピル)−10,11−ジヒドロジベンズアゼピン560mg(1.28mmol)とビス(トリメチルスタニル)チオフェン(反応式(a)参照、Ar=チオフェン−2,5−ジイル基,Y1=Y2=トリメチルスタニル基)525mg(1.28mmol)をDMF10mLに加えて溶解させた。次に、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)74mgを加えた後、90℃に昇温して48時間かくはんした。生成した反応液をメタノールに注ぎ、得られた粉末をろ過した。この粉末をフッ化カリウム水溶液、メタノール水溶液の順で洗浄することにより、上記化学式に示すポリマー261mg(モノマー単位として0.73mmol)を単離した。
下記式に示すポリ{((5−(3−ジメチルアミノプロピル)−10,11−ジヒドロジベンズアゼピン−2,8−ジイル)−co−(チオフェン−2,5−ジイル))の合成(一般式(1),R=3−ジメチルアミノプロピル基,Ar=チオフェン−2,5−ジイル基,ジベンズアゼピン含有比0.24)
窒素雰囲気下で2,8−ジブロモ−5−(3−ジメチルアミノプロピル)−10,11−ジヒドロジベンズアゼピン(反応式(a’)参照、X1=X2=臭素原子)451mg(0.54mmol)、2,5−ジブロモチオフェン(反応式(a’)参照、Ar’=チオフェン−2,5−ジイル基,X3=X4=臭素原子)136mg(0.56mmol)とビス(トリメチルスタニル)チオフェン(反応式(a’)参照、Ar=チオフェン−2,5−ジイル基,Y1=Y2=トリメチルスタニル基)525mg(1.1mmol)をDMF10mLに加えて溶解させた。次に、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)64mgを加えた後、90℃に昇温して48時間かくはんした。生成した反応液をメタノールに注ぎ、得られた粉末をろ過した。この粉末をフッ化カリウム水溶液、メタノール水溶液の順で洗浄することにより、上記化学式に示すポリマー172mgを赤色粉末として単離した。
下記式に示すポリ{(10,11−ジヒドロジベンズアゼピン−2,8−ジイル)−co−(ピリジン−2,5−ジイル)}の酸化剤を用いる合成(一般式(1),R=水素原子,Ar=ピリジン−2,5−ジイル基,ジベンズアゼピン含有比0.5)
窒素雰囲気下でビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)0.82g(2.98mmol)に1,5−シクロオクタジエン1mLを加えた後にトルエンを2.5mL加えて懸濁させた。更に2,2’−ビピリジル0.47g(2.98mmol)を加えてかくはんした。更に438mg(1.24mmol)の2,8−ジブロモ−10,11−ジヒドロジベンズアゼピン(反応式(b)参照,X1=X2=臭素原子,R=水素原子)と295mg(1.24mmol)2,5−ジブロモピリジン(反応式(b)参照、Ar=ピリジン−2,5−ジイル基,X3=X4=臭素原子)を5mLのトルエンに溶かしたものを加えた後に60℃に昇温して48時間かくはんした。反応液をメタノールに注ぎ、得られた粉末をろ過した。この粉末を水、メタノール、ヘキサンの順で洗浄することにより、275mgのポリマーを黄緑色の粉末として単離した。
下記式に示すポリ{(10,11−ジヒドロジベンズアゼピン−2,8−ジイル)−co−(チオフェン−2,5−ジイル)}の酸化剤を用いる合成(一般式(1),R=水素原子,Ar=チオフェン−2,5−ジイル基,ジベンズアゼピン含有比0.5)
窒素雰囲気のシュレンク管に、無水塩化鉄0.65g(4mmol)とクロロホルム10mLを加え、さらにジベンズアゼピン1mmol(0.1953g)とチオフェン1mmol(0.08ml)を10mLのクロロホルムに溶かしたものを加えて6日間撹拌した。反応液を多量のメタノールに注ぎ、吸引ろ過して得られた粉末をヒドラジン水溶液、メタノールのそれぞれで撹拌洗浄し、減圧乾燥することにより、上記化学式に示すポリマー上記化学式に示すポリマー120mgを赤色粉末として単離した。
ポリ乳酸(ユニチカ(株)製、商品名:テラマックT−4000)50gに実施例4で得たポリ{(10,11−ジヒドロジベンズアゼピン−2,8−ジイル)−co−(チオフェン−2,5−ジイル)}を25mg加え、小型押出機(CSI社 MAX MIXING EXSTRUDER モデルCS194A)により180℃で溶融混練し、蛍光顔料としてのマスターバッチ1を得た。
さらに、このマスターバッチ1を0.15g量り採り、マスターバッチ1を調製するために用いたポリ乳酸と同じポリ乳酸1.35gに加え、小型押出機により、180℃の温度で溶融混練して蛍光性樹脂とし、この蛍光性樹脂を小型射出成形機(CSI社 MINI MAX MOLDER モデルCS−183MMX)で180℃で射出成形してダンベル形状の試験片1を得た。
実施例6では、マスターバッチの調製及び蛍光性樹脂の調製に用いる樹脂として、ポリスチレン(A&M(株)製、商品名:ポリスチレンHF55、色番:クリスタル)を用い、それらの調製時の温度は220℃とした。他の条件は実施例5と同様である。こうして実施例4に係るマスターバッチ2及び試験片2を得た。
実施例5と同様の条件で、ジベンズアゼピン誘導体の重合物を加えていないポリ乳酸の試験片を比較例1として作製した。また、比較例2として、ジベンズアゼピン誘導体の重合物を加えていないポリスチレンの試験片を作製した。
上記試験片1及び比較例1について、紫外線照射下における蛍光スペクトル測定を行った。その結果、実施例1に示したジベンズアゼピン誘導体の重合物を含有する試験片1では、380nm付近に蛍光のピークが認められた。また、試験片2においても、380nm付近に蛍光のピークが認められた。これに対し、ジベンズアゼピンを含まない樹脂である比較例1および比較例2については、蛍光が認められなかった。
Claims (6)
-
下記一般式(1)で表されるジベンズアゼピン共重合体。
(式中、Rは置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアリーロキシ基または水素原子を示し、Arはチオフェンジイルまたはピリジンジイルを示す。nは重合度を示す。)
-
下記一般式(2)で表されるハロゲン化ジベンズアゼピン化合物と、チオフェン化合物またはピリジン化合物モノマーとを、触媒の存在下で反応させることによって、請求項1に記載のジベンズアゼピン共重合体を生成させることを特徴とする請求項1に記載の重合体の製造方法。
(式中、Rは置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアリーロキシ基または水素原子を示し、X1,X2はハロゲン元素を示す。)
-
前記触媒はパラジウム錯体であり、チオフェンまたはピリジン化合物はチオフェンまたはピリジンを有するジスタニル化合物及び/又はチオフェンまたはピリジンを有するジボリル化合物であることを特徴とする請求項2記載のジベンズアゼピン共重合体の製造方法。
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下記一般式(1)で表されるジベンズアゼピン共重合体からなる蛍光剤。
(式中、Rは置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアリーロキシ基または水素原子を示し、Arはチオフェンジイルまたはピリジンジイルを示す。nは重合度を示す。)
-
下記一般式(1)で表されるジベンズアゼピン共重合体を蛍光成分として含有することを特徴とする蛍光材料。
(式中、Rは置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアリーロキシ基または水素原子を示し、Arはチオフェンジイルまたはピリジンジイルを示す。nは重合度を示す。)
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請求項1に記載のジベンズアゼピン重合体が樹脂に含有されていることを特徴とする蛍光性樹脂組成物。
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