なお、このようなパチンコ遊技機において、抽選手段での抽選結果が大当たりとなる確率の高い高確率状態(例えば確変状態)と確率の低い低確率状態(例えば通常状態)とを問わず適用可能であり、「複数の始動口」は3個以上を含む。また、「付与する特典の差異(特典が相対的に多いか少ないか)」は、高確率状態・低確率状態を問わず、大当たりの当選確率(の大小)、大当たり時のラウンド数の選択率(の大小)等によって設定される。高確率状態では、高確率状態の継続率(の大小)等によって設定することもできる。
このようなパチンコ遊技機では、第1及び第2の始動口への入賞に基づき、付与する特典(例えば1回の大当たりで獲得できる賞球数)が異なる第1及び第2の大当たりを含む抽選を実行可能とし、相対的に多くの特典が付与される大当たりの選択率が高い第2の始動口への入賞に基づく変動表示の実行比率の演算値(実績値)が基準値(理論値)を上回る場合と、実行比率の演算値が基準値を下回る場合とで異なる期待度情報が表示されるので、相対的に付与される特典が多い第2の大当たりの選択される期待度がどの程度であるのか、遊技者は遊技中の期待度情報の表示から判断(把握)することができる。よって、これらの期待度情報の表示から遊技者は、遊技機の特性(例えば癖)や遊技者自身の技量(例えば腕前)をも推し量ることができるようになり、遊技に対する興趣の向上に寄与することができる。
具体的には、第1の始動口への入賞に基づき表示手段で実行される変動表示の回数を第1の変動回数とし、第2の始動口への入賞に基づき表示手段で実行される変動表示の回数を第2の変動回数として計数する計数手段を備え、
演算手段は、第1の変動回数と第2の変動回数とによって実行比率を演算することができる。
これによって、第2の始動口への入賞に基づく変動表示の実行比率の演算値を第2変動率R2とし、第1の変動回数(第1変動カウンタの値)をC1、第2の変動回数(第2変動カウンタの値)をC2とすると、
R2=C2/(C1+C2)×100(%)
と表わすことができる。このように、第1の変動回数C1と第2の変動回数C2とを計数する計数手段を設けることにより、遊技の進行につれて第2変動率R2が変化しても常時正確に演算することができる。
そして、第1又は第2の大当たり終了後に、抽選手段での抽選結果が第1又は第2の大当たりとなる確率の低い低確率状態から確率の高い高確率状態に変動する際に、第1の始動口への入賞に基づく抽選結果が相対的に多く表示される第1の高確率状態と、第2の始動口への入賞に基づく抽選結果が相対的に多く表示される第2の高確率状態とに変動可能な状態変動手段を備え、
演算手段は、状態変動手段が第1又は第2の高確率状態に変動する際に、実行比率の演算を開始し、
表示制御手段は、第1又は第2の大当たり終了後に状態変動手段が第1の高確率状態と第2の高確率状態とのいずれに変動するかを、大当たりの実行中に表示手段に演出表示させることができる。
このように、遊技状態が低確率状態(例えば通常状態)又は(第1若しくは第2の)高確率状態(例えば確変状態)にあるときに発生した第1又は第2の大当たり終了後に、上記第2変動率R2が相対的に高く設定された第2の高確率状態に変動(又は維持)するか否かを、その大当たりの実行中に演出表示することができる。これによって、第1又は第2の大当たり終了後の(第1又は第2の)高確率状態への期待感を持たせて、(第1又は第2の)大当たり実行中の遊技に対する興趣が失われて(薄れて)しまうのを防止することができる。
なお、表示制御手段は、大当たり終了後いずれの高確率状態に変動するかを大当たりの実行中に表示手段に演出表示することに引き続いて、その高確率状態への変動後において第1の大当たりと第2の大当たりとのいずれに当選するかを表示手段に継続的に演出表示可能に構成することができる。これによって、(第1又は第2の)高確率状態への変動(又は維持)後においても、(第1又は第2の)大当たりに対する期待感を持続させ、遊技に対する興趣が失われて(薄れて)しまうのを防止することができる。
このように、第1の始動口が可変入賞装置を構成し、第2の高確率状態へ変動(又は維持)するときに、第1の始動口への入賞が困難になるように調整すれば、第2の始動口への入賞率が相対的に高くなる。これによって、上記第2変動率R2が相対的に高く設定された第2の高確率状態を容易に実現することができる。
具体的には、遊技制御手段は、状態変動手段が第2の高確率状態に変動する際、第1の始動口への入賞を困難にするために、第1の始動口への入賞を阻止可能な可動役物(可動体)を移動(遊技盤に対する出没移動及び/又は盤面に沿って離間移動)させることにより、第2の始動口への入賞率を相対的に高くする。これによって、上記第2変動率R2が相対的に高く設定された第2の高確率状態を容易に実現することができる。
あるいは、遊技制御手段は、状態変動手段が第1の高確率状態に変動する際には、第1の始動口への入賞に基づく抽選結果を記憶手段から優先的に読み出すとともに、第2の高確率状態に変動する際には、第2の始動口への入賞に基づく抽選結果を優先的に読み出すことができる。
このように、遊技制御手段が第2の抽選結果の記憶(第2保留情報)を優先的に情報処理することにより、上記第2変動率R2が相対的に高く設定された第2の高確率状態を容易に実現することができる。
このように、複数(例えば2個)の始動口への入賞に基づき、付与する特典(例えば1回の大当たりで獲得できる賞球数)が異なる複数の大当たりを含む抽選を実行可能とし、相対的に多くの特典が付与される大当たりの選択率が高い始動口への入賞数に基づく入賞比率の演算値(実績値)が基準値(理論値)を上回る場合と、入賞比率の演算値が基準値を下回る場合とで異なる期待度情報が表示されるので、相対的に付与される特典が多い大当たりの選択される期待度がどの程度であるのか、遊技者は遊技中の期待度情報の表示から判断(把握)することができる。よって、これらの期待度情報の表示から遊技者は、遊技機の特性(例えば癖)や遊技者自身の技量(例えば腕前)をも推し量ることができるようになり、遊技に対する興趣の向上に寄与することができる。
ところで、冒頭に記載したような「セブン機」では、一旦大当たりが発生すると、遊技者は大当たり終了までアタッカーの開閉動作が所定ラウンド数繰り返されるのを待つだけとなり、大当たり実行中の遊技に対する興趣が失われ(薄れ)勝ちとなる。そこで、特開平9−99142号公報では、大当たり期間中に勝敗を決しうるゲームの表示を行い、その勝敗の結果に基づき大当たりが終了してから付加価値(特典)を付与するか否かを決定することが開示されている。これによれば、大当たり期間中の期待感は高められても、その大当たりが終了すると期待感を継続することができなくなる。
したがって、第1及び第2の始動口への入賞に基づき、付与する特典が異なる第1及び第2の大当たりを選択して実行可能とするとともに、大当たり実行中の期待感を高め、その大当たりが終了しても期待感を継続できるようにすることにより、現在実行中の大当たり終了後においても遊技に対する興趣が失われ(薄れ)ないようにすることが重要である。
第1及び第2の始動口への入賞に基づき、付与する特典(例えば1回の大当たりで獲得できる賞球数)が異なる第1及び第2の大当たりを含む抽選を実行可能とする。さらに大当たり中には、その大当たり終了後に第1及び第2の大当たりの選択率が異なるいずれの高確率状態へ変動するかを演出表示することで、大当たり実行中の期待感を高めるとともに、その大当たりが終了しても期待感を継続することができるようになる。
すなわち、遊技状態が低確率状態(例えば通常状態)又は(第1若しくは第2の)高確率状態(例えば確変状態)にあるときに発生した第1又は第2の大当たり終了後に、上記第2変動率R2が相対的に高く設定された第2の高確率状態に変動(又は維持)するか否かを、その大当たりの実行中に演出表示することができる。これによって、第1又は第2の大当たり終了後の(第1又は第2の)高確率状態への期待感を持たせて、(第1又は第2の)大当たり実行中の遊技に対する興趣が失われて(薄れて)しまうのを防止することができる。また、表示制御手段は、大当たり終了後いずれの高確率状態に変動するかを大当たりの実行中に表示手段に演出表示することに引き続いて、その高確率状態への変動後において第1の大当たりと第2の大当たりとのいずれに当選するかを表示手段に継続的に演出表示可能に構成することができる。これによって、(第1又は第2の)高確率状態への変動(又は維持)後においても、(第1又は第2の)大当たりに対する期待感を持続させ、遊技に対する興趣が失われて(薄れて)しまうのを防止することができる。
(実施例1)
以下、本発明の実施の形態につき図面に示す実施例を参照して説明する。図1は本発明に係るパチンコ遊技機の一例を示す正面模式図、図2は第1スタートチャッカーに設けた可動役物の作動を示す正面斜視図である。図1に示すパチンコ遊技機1は、台枠に取り付けられた透明のガラス扉2と、台枠の内側に配置されてガラス扉2によって覆われる遊技盤3を有する。遊技盤3には、円形状の遊技領域3aが形成されている。遊技領域3aの下方には、玉供給皿4が設けられている。玉供給皿4に準備された玉(遊技玉;遊技媒体)は、ハンドル装置5を含んで構成される発射装置110(図3参照)によって遊技領域3aに向けて発射される。遊技領域3aには釘3bが多数植設されているので、レール(図示省略)を通じて遊技盤3の遊技領域3aに達した玉は、それらの釘3bに弾かれながら遊技領域3aを落下する。なお、102はスピーカ、103は装飾ランプ類を示す。
遊技領域3aの中央付近には横長矩形状の液晶表示装置20(特図表示部;表示手段)が配設されている。この液晶表示装置20には、所定条件の成立に基づいて実行される抽選処理の結果を特別図柄(特図)として複数列の図柄(例えば、3桁のアラビア数字;識別情報)を変動表示した後停止表示したり、各種の表示演出を行ったりして、遊技者に遊技の状況を報知するための図柄表示領域が形成されている。
液晶表示装置20の下方中央部には、上方に開口する第1スタートチャッカー12U(第1の始動口)が配置されている。また、第1スタートチャッカー12Uのすぐ下には、開閉する一対の回動翼片12a,12aを有する電動チューリップ(電チュー)で構成される第2スタートチャッカー12D(第2の可変入賞装置;第2の始動口)が配置されている。これらの第1スタートチャッカー12U及び第2スタートチャッカー12Dの下方には、第1スタートチャッカー12Uへの入賞又は第2スタートチャッカー12Dへの入賞に基づいて実行される特図抽選(大当たり抽選)において、当選(大当たり)したときに開放するアタッカー13(大入賞装置;大入賞口)が設けられている。さらに、液晶表示装置20の左方には、玉が通過したとき普図抽選(当たり抽選)を行いその結果が当たりであると第2スタートチャッカー12Dの回動翼片12a,12aを所定時間及び所定回数だけ開放するための通過ゲート11(スルーチャッカー)が配置されている。なお、符号14は玉を回収するための玉排出口を示す。
液晶表示装置20の右斜め下方には、1又は複数(例えば1つ)のLEDにより普通図柄(普図)を表示する普図表示部15と、複数(例えば4つ)のLEDからなる普図保留表示部16とが上下に配設されている。この普図表示部15においては、玉が通過ゲート11を通過したときに行われる普図抽選の結果に応じ、LEDを点滅表示(遊技状態にかかわらず変動時間は2秒間)することによって普図の変動表示を行った後、当たりの場合には点灯表示し、ハズレの場合には消灯表示する。普図抽選の結果が当たりの場合、通常状態(低確率状態)であれば回動翼片12a,12aを短い時間(例えば、0.2秒間で1回)開放し、時短状態や確変状態であれば回動翼片12a,12aを長い時間(例えば、1.5秒間で3回)開放する。したがって、時短状態や確変状態(高確率状態)では通常状態に比べて第2スタートチャッカー12Dへの入賞比率が高くなり、持玉をあまり減らすことなく遊技を継続することができる。
また、液晶表示装置20の上方には、横一列状に並ぶ複数(例えば4つ)のLEDからなる第1特図保留表示部21Uと、横一列状に並ぶ複数(例えば4つ)のLEDからなる第2特図保留表示部21Dとが左右方向に設置されている。
液晶表示装置20では、第1スタートチャッカー12U又は第2スタートチャッカー12Dへの入賞に基づいて実行される特図抽選の結果に応じて、各桁毎に所定時間にわたり特図が変動表示される。その後、所定の順(例えば、左図柄→右図柄→中図柄の順)に停止表示され、3桁のアラビア数字からなる大当たり図柄(例えば「777」等のゾロ目)又はハズレ図柄(例えば「246」等のバラケ目)が液晶表示装置20に確定表示される。
液晶表示装置20での変動表示中あるいは大当たり中において、玉が第1スタートチャッカー12Uを通過したとき、その玉の通過に基づいて行われた特図抽選の結果を一時記憶(保留)し、第1特図保留表示部21UのLEDを1つ点灯する。同様に、液晶表示装置20での変動表示中あるいは大当たり中において、玉が第2スタートチャッカー12Dを通過したとき、その玉の通過に基づいて行われた特図抽選の結果を一時記憶(保留)し、第2特図保留表示部21DのLEDを1つ点灯する。第1スタートチャッカー12Uへの入賞に基づく特図抽選の結果と、第2スタートチャッカー12Uへの入賞に基づく特図抽選の結果とは、それぞれ4つずつ最大8つまで、入賞順(保留順)と入賞チャッカーとを判別して保留することが可能である。そして、先の液晶表示装置20における変動表示や大当たりが終わった後、保留した順に読み出して新たな特図の変動表示を液晶表示装置20で開始する。
第1スタートチャッカー12Uのすぐ上方には、遊技盤3と交差(例えば直交)する前後方向に直線状にスライド移動して、その盤面に対して出退可能な円柱状の可動役物10(可動体)が設置されている。図2に示すように、この可動役物10は、第1スタートチャッカー12Uの開口幅にほぼ等しい間隔で稙設された一対の釘3b,3bの中央に位置している。また、第2スタートチャッカー12Dの回動翼片12a,12aは第1スタートチャッカー12Uの直下に位置している。
このように、第1スタートチャッカー12Uと可動役物10とによって、遊技の状況により入賞率が変化する第1の可変入賞装置を構成している。すなわち、可動役物10が後方に退入し、回動翼片12a,12aが閉じた状態(図2(a);通常状態)では、第1スタートチャッカー12Uへの玉B1の入賞が極めて容易となるとともに、第2スタートチャッカー12Dへの玉B2の入賞は困難となる。一方、可動役物10が前方に突出し、回動翼片12a,12aが開いた状態(図2(b))では、可動役物10によって第1スタートチャッカー12Uへの玉B1の入賞が阻止されるとともに、第2スタートチャッカー12Dへの玉B2の入賞は容易となる。なお、後述するように、確変状態において可動役物10の移動態様を変更することにより、第1スタートチャッカー12Uと第2スタートチャッカー12Dとの入賞比率を調節することができる。
図3は、パチンコ遊技機の電気的構成を概略的に示すブロック図である。パチンコ遊技機1の主制御部100には主回路120が搭載され、副制御回路101及び払出制御回路107が接続されている。
主回路120は、演算装置であるCPU(Central Processing Unit)121(抽選手段;遊技制御手段;状態変動手段;変動時間決定手段)、プログラム格納用の読み取り専用記憶装置であるROM(Read Only Memory)122、ワークエリアや各種カウンタ等が割り当てられる読み書き可能な記憶装置であるRAM(Random Access Memory)123(記憶手段;演算手段;計数手段)、及び入出力インターフェースであるI/O(Input/Output)124を備えており、これらはバス(図示せず)を介して相互に接続されている。なお、その他の各回路も、個別にCPU(制御回路)やメモリを備える構成が一般的であるが、図3では省略している。また、各回路には、電源回路117にて生成された所定電圧の電力が主回路120を介して供給されている。
RAM123は、主回路120(CPU121)での特図抽選の結果を入賞チャッカー(第1スタートチャッカー12U又は第2スタートチャッカー12D)とともに記憶する記憶領域(記憶手段)を有する。また、RAM123は、液晶表示装置20で実行される図柄変動表示に関して、第1スタートチャッカー12U又は第2スタートチャッカー12Dへの入賞に基づく抽選結果の表示割合(すなわち、液晶表示装置20における図柄変動表示の実行比率)を演算し、その実行比率の演算値(実績値)と、遊技状態に応じて予め設定された実行比率の基準値(理論値)とを比較する演算領域(演算手段)を有する。
具体的には、RAM123は、第1スタートチャッカー12Uへの入賞に基づき液晶表示装置20で実行される変動表示回数を第1の変動回数として計数する第1変動カウンタと、第2スタートチャッカー12Dへの入賞に基づき液晶表示装置20で実行される変動表示回数を第2の変動回数として計数する第2変動カウンタとを有する計数手段を備えている。これによって、第2スタートチャッカー12Dへの入賞に基づく変動表示の比率の演算値である第2変動率R2は、第1の変動回数(第1変動カウンタの値)をC1、第2の変動回数(第2変動カウンタの値)をC2としたとき、
R2=C2/(C1+C2)×100(%)…………(1)
と表わされる。なお、第1変動カウンタで合計の変動回数C1+C2を計数してもよく、第2変動率R2の演算結果は同じである。
副制御回路101は、主回路120より入力される音声制御信号に応じてアンプ/スピーカ102より音声を出力させる。また、副制御回路101は、主回路120より入力されるランプ制御信号に応じて装飾ランプ類103の点灯/消灯を制御する。さらに、副制御回路101は、主回路120より入力される表示制御信号を表示制御回路104(表示制御手段)に出力する。表示制御回路104は、副制御回路101を介して入力される表示制御信号に応じて液晶表示装置20を制御し、特図の変動表示や演出表示を実行させる。払出制御回路107は、主回路120より入力される賞球払出信号に応じて払出装置108を制御する。これにより、遊技者に対して所定数の賞球が玉供給皿4に払い出される。発射制御回路109は、遊技者がハンドル装置5を操作することに応じて、ハンドル装置5に対応して設けられた発射装置110を作動させ、玉供給皿4に準備された玉を遊技領域3aに向けて発射する(図1参照)。ハンドル装置5の操作量に応じて、玉の打ち出し強さ(玉の飛距離)を調節することが可能となっている。
主回路120には、通過ゲート11に付設されたゲート通過検出器111、第1スタートチャッカー12Uに付設された第1始動入賞検出器112U、第2スタートチャッカー12Dに付設された第2始動入賞検出器112D、アタッカー13に付設された大入賞検出器113からの玉検知信号がそれぞれ入力されている(図1参照)。各検出器111,112U,112D,113は、有接点式または無接点式のセンサ(スイッチ)により構成することができる。
主回路120は、可動役物10を出退移動する可動役物ソレノイド114、第2スタートチャッカー12Dの可動翼片12a,12aを開閉する電チューソレノイド115、アタッカー13を開閉する大入賞ソレノイド116、第1特図保留表示部21UのLED、第2特図保留表示部21DのLED、普図表示部15のLED、普図保留表示部16のLEDをそれぞれ駆動制御している(図1参照)。
次に、図1及び図2を用いて、パチンコ遊技機1における遊技の流れ(遊技盤3上での遊技状態の変化)について概要を説明する。
通常状態では、図2(a)に示すように、可動役物10は遊技盤2に退入し、第1スタートチャッカー12Uを開口状態に維持しているので、第1スタートチャッカー12Uへの入賞割合の基準値(理論値)は98%を占める(図15(c)参照)。玉B1が第1スタートチャッカー12Uに入賞して第1始動入賞検出器112Uで検知されると始動条件が成立し、所定数の賞球(例えば1入賞当たり3個)を払い出し、特図抽選(特図用乱数カウンタから値を抽出)が実行されて抽選結果が第1特図保留として記憶され、第1特図保留表示部21UのLEDを1個点灯させる。
一方、玉が通過ゲート11に入球してゲート通過検出器111で検知されると、普図抽選(普図用乱数カウンタから値を抽出)が実行されて抽選結果が普図保留として記憶される。通常用の普図判定テーブル(普図当選確率:1/100)を用いて普図抽選の抽選結果を判定し、その判定結果に応じて普図表示部15に抽選結果を表示する。普図抽選の結果が当たりであると、普図表示部15のLEDを点灯表示させるとともに、電チューソレノイド115を励磁して回動翼片12a,12aを所定時間(0.2秒間を1回)開放する。このとき、玉B2が第2スタートチャッカー12Dに入賞して第2始動入賞検出器112Dで検知されると始動条件が成立し、所定数の賞球(例えば1入賞当たり3個)を払い出し、特図抽選(特図用乱数カウンタから値を抽出)が実行されて抽選結果が第2特図保留として記憶され、第2特図保留表示部21DのLEDを1個点灯させる。
次に、第1特図保留と第2特図保留とのうち最古の保留情報を読み出し、通常用の特図判定テーブル(特図当選確率:1/300)を用いて大当たり抽選の抽選結果を判定し、その判定結果に応じた図柄変動が液晶表示装置20で開始される。液晶表示装置20では、3桁の特図が所定時間にわたり変動表示され、判定結果が大当たりであれば3桁の大当たり図柄(例えば「777」等のゾロ目)が確定表示(停止表示)され、判定結果がハズレであれば3桁のハズレ図柄(例えば「246」等のバラケ目)が確定表示(停止表示)される。
液晶表示装置20に大当たり図柄が停止表示されると「大当たり状態(特別遊技状態)」となり、大入賞ソレノイド116を励磁することでアタッカー13を開放し、玉が極めて入り易い状況をもたらす。アタッカー13は、開放された後、大入賞検出器113による所定数(例えば10個)の入賞検知又は所定時間(例えば25秒)の経過を1ラウンド(1R)とし、大入賞ソレノイド116を非励磁にすることで閉鎖される。そして、偶数の大当たり図柄(例えば「666」等)では7Rの大当たり(第1の大当たり)、奇数の大当たり図柄(例えば「777」等)では15Rの大当たり(第2の大当たり)が実行され、これらの大当たり終了後には確変状態(高確率状態)に変動する。よって遊技者は、15Rの大当たりに当選すると7Rの大当たりよりも多数の賞球(例えば1入賞当たり15個)を得ることができる。なお、予め定められた特定組合せの大当たり図柄(例えば「123」,「357」等)で停止表示すると、2Rの大当たりが実行され、大当たり終了後には時短状態(非確変状態)に変動する。また、いずれの大当たり状態においても、可動役物10は通常状態と同様に遊技盤2に退入した状態を維持している。
非確変の2R大当たりが終了すると時短状態に変動し、玉が通過ゲート11に入球してゲート通過検出器111で検知されると、当選確率が通常用よりも高い確変・時短用の普図判定テーブル(普図当選確率:99/100)を用いて普図抽選の抽選結果を判定する。時短状態では通常状態と同様に可動役物10は遊技盤2に退入し、第1スタートチャッカー12Uを開口状態に維持しており、普図抽選の結果が当たりであると、電チューソレノイド115を励磁して回動翼片12a,12aを通常状態よりも長い時間(1.5秒間を3回)開放して、第2スタートチャッカー12Dに入賞しやすくする。これによって、第1スタートチャッカー12Uへの入賞に基づく抽選結果の表示割合の基準値(理論値)は40%、第2スタートチャッカー12Dへの入賞に基づく抽選結果の表示割合の基準値は60%になる(図15(c)参照)。以後、第1スタートチャッカー12U又は第2スタートチャッカー12Dへの入賞に基づく特図抽選は、通常状態と同様に実行される。この時短状態は、非確変の2R大当たり終了後、液晶表示装置20での特図の変動表示が100回に達するか、次の大当たりに当選するまで継続する。
確変15R大当たり又は確変7R大当たりが終了すると、複数の確変状態(例えば、確変A,確変B,確変Cの3種)のいずれかに変動し、次回の大当たりまで継続する。大当たり終了後に確変A,確変B,確変Cのいずれに変動するかは、通常用の特図判定テーブルを用いた特図判定により、確変15Rと確変7Rとのうちいずれの大当たりで当選したかと同時に内部的にはすでに所定の振分率に沿って決定されている(図13〜図15参照)。そこで、後述するように、その大当たりの終了後にいずれの確変状態に変動するかを、大当たりの実行中に液晶表示装置20で演出表示することによって、遊技者に報知する(図16参照)。また、大当たり実行中の演出表示に引き続いて、確変A,確変B,確変Cのいずれの確変状態に変動後においても、確変用の特図判定テーブルを用いた特図判定により、確変15Rと確変7Rとのうちいずれかの大当たりで当選した場合には、いずれの大当たりで当選したかを液晶表示装置20で演出表示することによって、遊技者に報知する(図16参照)。
確変15R大当たり又は確変7R大当たりの終了後に確変A,確変B,確変Cのいずれの確変状態に変動した場合でも、普図抽選の抽選結果は確変・時短用の普図判定テーブル(普図当選確率:99/100)により判定され、回動翼片12a,12aの開放時間が長くなる(1.5秒間×3回)。また、特図抽選の抽選結果は、当選確率が通常用よりも高い(特図当選確率:1/30)確変用の特図判定テーブルにより判定される。ただし、確変用の特図判定テーブルは大当たりの振分率が異なる2種が準備され(図15(a)参照)、当否判定は入賞したスタートチャッカー12U,12Dに応じて選択されたテーブルを使って行われる。具体的には、第1スタートチャッカー12Uへの入賞に基づく特図抽選は、確変大当たりの振分率が41%(確変15R大当たり3%+確変7R大当たり38%)、非確変大当たりの振分率が59%を占める第1確変用の特図判定テーブルを用いて当否判定が行われる。これに対して、第2スタートチャッカー12Dへの入賞に基づく特図抽選は、確変大当たりの振分率が88%(確変15R大当たり81%+確変7R大当たり7%)、非確変大当たりの振分率が12%を占める第2確変用の特図判定テーブルを用いて当否判定が行われる。その結果、第2スタートチャッカー12Dへの入賞割合が高いほど確変継続率が高くなり、連続大当たりの期待感を高めることができる(図15(d)参照)。
そして、確変C状態(第1の高確率状態)では、確変15R大当たり又は確変7R大当たりの終了後においても、図2(a)に示すように、可動役物10が遊技盤3に退入したままであり、第1スタートチャッカー12Uを開口状態に維持しているので、第1スタートチャッカー12Uへの入賞に基づく抽選結果の表示割合の基準値(理論値)は40%を占める(図15(c)参照)。また、確変B状態(第2の高確率状態)では、確変15R大当たり又は確変7R大当たりの終了後において、図2(a),(b)に示すように、可動役物10が遊技盤3に対して定期的に出退移動を繰り返すので、第1スタートチャッカー12Uには入賞しにくくなり、第2スタートチャッカー12Dへの入賞に基づく抽選結果の表示割合の基準値(理論値)が80%に達する(図15(c)参照)。さらに、確変A状態では、確変15R大当たり又は確変7R大当たりの終了後において、図2(b)に示すように、可動役物10が遊技盤3に対して突出状態に維持されるので、第1スタートチャッカー12Uへの入賞が阻止され、第2スタートチャッカー12Dへの入賞のみが可能となる(図15(c)参照)。
つまり、A〜Cのいずれの確変状態でも、通常状態に比べて第2スタートチャッカー12Dへの入賞が容易になるので、持玉をさほど減らすことなく遊技できるとともに、比較的早期に次の大当たりに当選することができる。しかも、第2スタートチャッカー12Dへの入賞率が高い確変状態ほど確変継続率が高くなり、連続大当たりの期待感が高くなる(図15(d)参照)。したがって、第2スタートチャッカー12Dへの入賞に基づく抽選結果の表示割合の演算値(実績値)が基準値(理論値)を上回る場合[又は下回る場合]には、確変継続率が高く[低く]なるので、確変状態の継続と連続大当たりに対する期待度が高くなっている[低くなっている]ことを遊技者に報知することができる(図16参照)。
以上の説明から明らかなように、図15(d)に示す確変継続率Zは、第1確変用の特図判定テーブルの確変割合をX1、第2確変用の特図判定テーブルの確変割合をX2とし(図15(b)参照)、第1スタートチャッカー12Uの入賞に基づく抽選結果の表示割合をY1、第2スタートチャッカー12Dの入賞に基づく抽選結果の表示割合をY2としたとき(図15(c)参照)、
Z=X1・Y1+X2・Y2(%)…………(2)
と表わされる。
次に、パチンコ遊技機1の制御態様について、図4〜図12に示すフローチャートと図13〜図15に示す一覧表に従って説明する。なお、以後のフローチャートにおいて、状態フラグは遊技状態を表わす変数を示し、制御プログラムのスタート時において、状態フラグは0(通常状態)に初期化されている(図14参照)。
図4は第1始動入賞処理のフローチャートである。第1スタートチャッカー12Uに併設される第1始動入賞検出器112Uが玉の通過を検出すると、検出信号が主回路120に送信される。主回路120は、第1始動入賞検出器112Uから検出信号を受信すると(S1:YES)、第1特図保留が3つ以下か否かを判定する(S2)。なお、第1特図保留は、主回路120のRAM123の所定領域に一時記憶されることになっている。主回路120は、第1特図保留が3つ以下と判定すると(S2:YES)、特図用乱数カウンタより値を抽出し(S3)、その抽出した値を第1特図保留としてRAM123の所定領域に記憶して(S4)、第1始動入賞処理を終了する。なお、第1始動入賞検出器112Uから検出信号を受信しないとき(S1:NO)、及び第1特図保留が4つであったときには(S2:NO)、直ちに第1始動入賞処理を終了する。
図5は第2始動入賞処理のフローチャートである。第2スタートチャッカー12Dに併設される第2始動入賞検出器112Dが玉の通過を検出すると、検出信号が主回路120に送信される。主回路120は、第2始動入賞検出器112Dから検出信号を受信すると(S11:YES)、第2特図保留が3つ以下か否かを判定する(S12)。なお、第2特図保留は、主回路120のRAM123の所定領域に一時記憶されることになっている。主回路120は、第2特図保留が3つ以下と判定すると(S12:YES)、特図用乱数カウンタより値を抽出し(S13)、その抽出した値を第2特図保留としてRAM123の所定領域に記憶して(S14)、第2始動入賞処理を終了する。なお、第2始動入賞検出器112Dから検出信号を受信しないとき(S11:NO)、及び第2特図保留が4つであったときには(S12:NO)、直ちに第2始動入賞処理を終了する。
なお、S4(図4)にて第1特図保留として記憶し、S14(図5)にて第2特図保留として記憶する際に、通算での記憶順も記憶されている。
次に、図6は特図読出処理のフローチャートを示す。主回路120は、RAM123の所定領域に第1特図保留と第2特図保留との少なくとも一方があるかを確認し(S21)、少なくとも一方の特図保留があれば(S21:YES)、状態フラグが1〜7のいずれかであるか(すなわち、図14によれば大当たり中であるか)を判定する(S22)。大当たり中でない(すなわち、状態フラグは0,8〜11のいずれか)と判定したとき(S22:NO)、主回路120は、液晶表示装置20が特図の変動表示中であるか否か判定する(S23)。変動表示中でないと判定したとき(S23:NO)、RAM123から最古の特図保留を読み出す(S24)。次に、主回路120は、状態フラグが9又は10であるか(すなわち、図14によれば確変B状態又は確変C状態であるか)を判定する(S25)。
このとき、状態フラグが9(確変B状態)又は10(確変C状態)であれば(S25:YES)、主回路120は、読み出した特図保留が第1特図保留であるかを判定する(S26)。RAM123は、判定結果が第1特図保留の場合には(S26:YES)、第1変動カウンタC1の値(第1の変動回数)をインクリメント(+1)し(S27)、第2特図保留の場合には(S26:NO)、第2変動カウンタC2の値(第2の変動回数)をインクリメント(+1)して(S28)、上記した(1)式により第2変動率R2を演算する(S29)。その後、主回路120は、遊技状態に応じて当否判定に用いる特図判定テーブルを図13より選択する(S30)。ここでは状態フラグが9(確変B状態)又は10(確変C状態)であるから(S25:YES)、第1特図保留を読み出した場合には(S26:YES)、第1確変用の特図判定テーブルを選択し、第2特図保留を読み出した場合には(S26:NO)、第2確変用の特図判定テーブルを選択する。さらに、主回路120は、選択した第1確変用又は第2確変用の特図判定テーブルを用いて当否判定を行い、当否判定結果に応じて液晶表示装置20での特図の停止図柄と変動時間とを決定し(S31)、特図変動処理を実行して(S40)、特図読出処理を終了する。
一方、状態フラグが9又は10以外(このとき状態フラグは0(通常状態),8(確変A状態),11(時短状態)のいずれか)であれば(S25:NO)、主回路120は、遊技状態に応じて当否判定に用いる特図判定テーブルを図13より選択する(S30)。具体的には、状態フラグが0(通常状態)であれば通常用の特図判定テーブルを選択し、状態フラグが8(確変A状態)であれば第2確変用の特図判定テーブルを選択し、状態フラグが11(時短状態)であれば通常用の特図判定テーブルを選択する。通常状態及び時短状態では読み出した特図保留にかかわらず通常用の特図判定テーブルを用いることになっており、確変A状態では、第2スタートチャッカー12Dのみに入賞可能なため第2特図保留しか選択されない(図15(c)参照)からである。なお、通常状態及び時短状態での判定には通常用の特図判定テーブルが第1特図保留と第2特図保留とに共通して用いられ、確変A状態での第2変動率は100%であるから、これらの状態では第2変動率(S29)を演算しない。さらに、主回路120は、選択した通常用又は第2確変用の特図判定テーブルを用いて当否判定を行い、当否判定結果に応じて液晶表示装置20での特図の停止図柄と変動時間とを決定し(S31)、特図変動処理を実行して(S40)、特図読出処理を終了する。
なお、第1特図保留と第2特図保留とがともにないとき(S21:NO)、大当たり中である(すなわち、状態フラグが1〜7のいずれかである)と判定したとき(S22:YES)、及び特図の変動表示中であると判定したときには(S23:YES)、直ちに特図読出処理を終了する。
次に、図7は図6の特図変動処理サブルーチンを示すフローチャートである。図7に示す特図変動処理(S40)では、主回路120は、液晶表示装置20にて特図の変動を開始し(S41)、状態フラグが9又は10であるか(すなわち、図14によれば確変B状態又は確変C状態であるか)を判定する(S42)。状態フラグが9(確変B状態)又は10(確変C状態)であれば(S42:YES)、主回路120は、S29(図6)で演算した第2変動率の演算値と基準値(図15(c)の第2始動口の欄)との差が所定値(例えば3%)を超えるか否か判定する(S43)。
第2変動率の演算値が基準値を3%超上回っていれば(S43:YES)、表示制御回路104は、確変B状態又は確変C状態において、多くの特典(例えば賞球数)を期待できる旨のメッセージ表示(入賞状況表示)を液晶表示装置20で実行する(S44)。例えば、演出パターンの表示例を示す図16において、確変B状態(中央列)にて敵方のキャラクタEと対峙する味方のキャラクタFが“いい感じだね”とのメッセージを発することによって、獲得できる賞球数の多い確変15R大当たりの期待度が基準よりも高い状態にあることを報知できる。
一方、第2変動率の演算値が基準値を3%超下回っていれば(S43:YES)、表示制御回路104は、確変B状態又は確変C状態において、多くの特典(例えば賞球数)を期待しにくい旨のメッセージ表示(入賞状況表示)を液晶表示装置20で実行する(S44)。例えば、図16において、確変C状態(右列)にて敵方のキャラクタEと対峙する新たな味方のキャラクタF’が“ついてないなぁ”とのメッセージを発することによって、獲得できる賞球数の多い確変15R大当たりの期待度が基準よりも低い状態にあることを報知できる。なお、状態フラグが9(確変B状態)又は10(確変C状態)でない場合(S42:NO)、及び第2変動率の演算値と基準値との差が3%以内の場合(S43:NO)には、メッセージ表示(S44)は行わない。
これらのメッセージ表示から遊技者は、遊技機の特性(例えば癖)や遊技者自身の技量(例えば腕前)をも推し量ることができるようになる。なお、上記(2)式で算出される確変継続率Zの数値(図15(d)の数値)と、実際の表示割合をY1,Y2として上記(2)式に当てはめて算出した数値との差が所定値(例えば3%)を超えるか否かによって、これらのメッセージ表示を報知してもよい。
その後、主回路120は、変動時間の経過を待って(S45:YES)、特図の変動を停止する(S46)。続いて主回路120は、大当たり判定結果(特図の抽選結果)が大当たりであるか否か判定し(S47)、大当たりであれば(S47:YES)、抽選結果に基づき図14の通りに状態フラグを1〜7のいずれかに変更し(S48)、特図変動処理を終了する。
また、特図の抽選結果が当たりでなければ(S47:NO)、主回路120は、状態フラグが11であるか(すなわち、図14によれば時短状態であるか)を判定する(S49)。状態フラグが11(時短状態)であれば(S49:YES)、主回路120は、非確変の2R大当たり終了後の液晶表示装置20での特図変動表示回数をカウントする時短カウンタをインクリメント(+1)し(S50)、時短カウンタが100回に達したかを判定する(S51)。時短カウンタが100回に達していれば(S51:YES)、状態フラグを0(通常状態)に変更して(S52)時短状態を終了し、特図変動処理を終了する。状態フラグが11(時短状態)でない場合(S49:YES)、及び時短カウンタが100回に達していない場合(S51:NO)にはそのまま特図変動処理を終了する。
次に、図8は大当たり振分処理のフローチャートを示す。主回路120は、状態フラグが1〜6のいずれかであるか(すなわち、図14によれば確変15R大当たり又は確変7R大当たりであるか)を判定する(S61)。状態フラグが1〜6のいずれかであれば(S61:YES)、主回路120は、大当たり処理1を実行して(S70)大当たり振分処理を終了する。状態フラグが1〜6のいずれでもなければ(S61:NO)、主回路120は、状態フラグが7であるか(すなわち、図14によれば非確変2R大当たりであるか)を判定する(S62)。状態フラグが7(非確変2R大当たり)であれば(S62:YES)、主回路120は、大当たり処理2を実行して(S80)大当たり振分処理を終了し、状態フラグが7(非確変2R大当たり)でなければ(S62:NO)、大当たり中ではないのでそのまま大当たり振分処理を終了する。
次に、図9は図8の大当たり処理1サブルーチンを示すフローチャートである。図9に示す大当たり処理1(S70)では、主回路120は、ラウンド数をインクリメント(+1)し(S71)、アタッカー13を開放する(S72)。アタッカー13の開放状態は大入賞検出器113が入賞可能個数10個を検知したとき(S73:YES)、又は開放状態が25秒経過したとき(S74:YES)に終了し、アタッカー13を閉鎖する(S75)。次に、主回路120は、状態フラグが1〜3のいずれかであるか(すなわち、図14によれば確変15R大当たりであるか)を判定する(S76)。状態フラグが1〜3(確変15R大当たり)のいずれかである場合には(S76:YES)、ラウンド数が15に達しているかを判定し(S77)、ラウンド数が15に達していれば(S77:YES)、主回路120は、ラウンド数をリセットした後(S78)、状態フラグ変更処理を実行して(S90)、大当たり処理1を終了する。
一方、状態フラグが1〜3(確変15R大当たり)のいずれでもない場合(このとき、状態フラグは4〜6(確変7R大当たり)のいずれかになる)には(S76:NO)、ラウンド数が7に達しているかを判定し(S79)、ラウンド数が7に達していれば(S79:YES)、主回路120は、ラウンド数をリセットした後(S78)、状態フラグ変更処理を実行して(S90)、大当たり処理1を終了する。
また、ラウンド数が15に達していない場合(S77:NO)、及びラウンド数が7に達していない場合(S79:NO)には、一旦大当たり処理1を終了し、ラウンド数が15又は7に達するまで再度大当たり振分処理(図8)を経由して大当たり処理1を実行する。
次に、図10は図8の大当たり処理2サブルーチンを示すフローチャートである。図10に示す大当たり処理2(S80)では、主回路120は、ラウンド数をインクリメント(+1)し(S81)、アタッカー13を開放する(S82)。アタッカー13の開放状態は大入賞検出器113が入賞可能個数10個を検知したとき(S83:YES)、又は開放状態が1秒経過したとき(S84:YES)に終了し、アタッカー13を閉鎖する(S85)。次に、主回路120は、ラウンド数が2に達しているかを判定し(S86)、ラウンド数が2に達していれば(S86:YES)、ラウンド数をリセットした後(S87)、状態フラグを11(時短状態)に変更して(S88)、大当たり処理2を終了する。また、ラウンド数が2に達していない場合(S86:NO)には、一旦大当たり処理2を終了し、再度大当たり振分処理(図8)を経由して大当たり処理2を実行する。
次に、図11は図9の状態フラグ変更処理サブルーチンを示すフローチャートである。図11に示す状態フラグ変更処理(S90)では、主回路120は、状態フラグが1又は4であるか(すなわち、図14によれば15R大当たり又は7R大当たり終了後確変A状態に変動するか)を判定する(S91)。状態フラグが1又は4であれば(S91:YES)、主回路120は、状態フラグを8(確変A状態)に変更して(S92)、状態フラグ変更処理を終了する。状態フラグが1又は4でなければ(S91:NO)、主回路120は、状態フラグが2又は5であるか(すなわち、図14によれば15R大当たり又は7R大当たり終了後確変B状態に変動するか)を判定する(S93)。
状態フラグが2又は5であれば(S93:YES)、主回路120は、状態フラグを9(確変B状態)に変更し(S94)、第1変動カウンタ及び第2変動カウンタをリセットして(S96)、状態フラグ変更処理を終了する。状態フラグが2又は5でなければ(S93:NO)、状態フラグは3又は6である(すなわち、図14によれば15R大当たり又は7R大当たり終了後確変C状態に変動する)ので、主回路120は、状態フラグを10(確変C状態)に変更し(S95)、第1変動カウンタ及び第2変動カウンタをリセットして(S96)、状態フラグ変更処理を終了する。
次に、図12は可動役物作動処理を示すフローチャートである。主回路120は、状態フラグが8であるか(すなわち、図14によれば確変A状態であるか)を判定する(S101)。状態フラグが8(確変A状態)であれば、(S101:YES)、主回路120は、可動役物ソレノイド114を励磁して可動役物10を遊技盤3から突出維持し(S102)、可動役物作動処理を終了する。
状態フラグが8でなければ、(S101:NO)、主回路120は、状態フラグが9であるか(すなわち、図14によれば確変B状態であるか)を判定する(S103)。状態フラグが9(確変B状態)であれば、(S103:YES)、主回路120は、可動役物ソレノイド114の励磁・非励磁を繰り返して、可動役物10を遊技盤3に対して定期的に出退移動し(S104)、可動役物作動処理を終了する。状態フラグが9でなければ(S103:NO)、状態フラグは0〜7,10,11である(すなわち、図14によれば通常状態、大当たり状態、確変C状態、時短状態のいずれかである)から、主回路120は、可動役物ソレノイド114を非励磁にして可動役物10を遊技盤3に退入維持し(S105)、可動役物作動処理を終了する。
ところで、15R又は7Rの大当たり終了後にA〜Cの確変状態のいずれに変動するかを、15R又は7Rの大当たり実行中に液晶表示装置20に演出表示することができる。
これらの演出パターンの一例を図16に示す。例えば、15R大当たりの確変演出表示では、8Rまでキャラクタ紹介画面が表示され、9R以降にバトル演出が展開される。また、7R大当たりの確変演出表示では、1Rからバトル演出が展開される。具体的には敵方と味方とにそれぞれ複数のキャラクタが準備され、双方から選抜されたキャラクタが対決する図式である。図16の左列のように、最終Rまでに敵方のキャラクタEが倒れればその大当たりの終了後には確変A状態、中央列のように決着がつかなければ確変B状態、右列のように味方キャラクタFが倒されれば確変C状態となる。このように、大当たり終了後にいずれの確変状態に変動するかを、大当たり実行中に遊技者に報知することができる。このような確変演出表示は、例えば大入賞口を開放するたびに行ったり(図9のS300参照)、ラウンドに跨って継続的に行ったりすることができる。
また、大当たり終了後、図16の左列に示す確変A状態では、倒れた敵方キャラクタEに代わって新たな敵方のキャラクタE’が現れ、味方のキャラクタFと対決する。中央列に示す確変B状態では、大当たり中の双方のキャラクタF,Eがそのまま対決する。右列に示す確変C状態では、倒れたキャラクタFに代わる新たな味方のキャラクタF’が敵方のキャラクタEと対決する。この対決の最中に、確変B状態又は確変C状態であれば、先に説明した第2変動率が演算され(図6のS29)、その結果に応じて入賞状況を示すメッセージが、味方キャラクタF,F’の発する言葉によって表示される(図7のS44)。その後、これらの確変状態での遊技中に特図抽選で大当たりに当選した場合に、いずれの大当たりに当選したのかを演出表示することができる(図7のS400参照)。
図7に表された大当たり演出表示(S400)の一例を図16に示す。A〜Cいずれかの確変状態で15R大当たり又は7R大当たりに当選したときには、『大当たり!』の文字と奇数(15R)又は偶数(7R)の大当たり図柄とを表示するとともに、味方のキャラクタF又はF’が敵方のキャラクタE又はE’を倒すシーンを演出表示する。また、2R大当たりに当選したときには、『残念』の文字表示とともに、味方のキャラクタF又はF’が敵方のキャラクタE又はE’に倒されるシーンを演出表示する。このように、大当たり中の確変演出表示(図9のS300参照)から確変中の大当たり演出表示(図7のS400参照)へ、継続的にバトル演出を行うことによって、遊技者の興趣が高められる。
(実施例2)
実施例1では、複数の確変状態(高確率状態)を実現する手法として、確変状態において確変継続率の高い第2スタートチャッカー12D(第2の始動口)へ優先的に入賞させるために、第1スタートチャッカー12U(第1の始動口)の開口部に突出して入賞を阻止する可動役物10(可動体)を設けていた。実施例2では、確変状態(高確率状態)において確変継続率の高い第2スタートチャッカー12D(第2の始動口)への入賞に基づく抽選結果をRAM(記憶手段)から優先的に読み出して液晶表示装置20(表示手段)に変動表示させている。そのため、可動役物10のように第1スタートチャッカー12Uの開口に物理的な影響を及ぼさなくても、第2特図保留情報(第2の抽選結果の記憶)を優先的に情報処理することにより、第2変動率R2(上記(1)式参照)が相対的に高く設定された第2の高確率状態を容易に実現することができる。なお、実施例2では、第1の高確率状態を確変B状態、第2の高確率状態を確変C状態とし、確変A状態はないものとする。
具体的には、実施例1(図6)で説明した特図読出処理を示すフローチャートを、図17のように変更することができる。
図17のフローチャートにおいて、主回路120は、RAM123の所定領域に第1特図保留と第2特図保留との少なくとも一方があるかを確認し(S21)、少なくとも一方の特図保留があれば(S21:YES)、状態フラグが1〜7のいずれかであるか(すなわち、図14によれば大当たり中であるか)を判定する(S22)。大当たり中でない(すなわち、状態フラグは0,8〜11のいずれか)と判定したとき(S22:NO)、主回路120は、液晶表示装置20が特図の変動表示中であるか否か判定する(S23)。変動表示中でないと判定したとき(S23:NO)、主回路120は、状態フラグが10であるか(すなわち、図14によれば確変C状態であるか)を判定する(S251)。
状態フラグが10(確変C状態)であると判定したとき(S251:YES)、主回路120は、第1特図保留があるかを判定する(S261)。第1特図保留があると判定したとき(S261:YES)、主回路120は、最古の第1特図保留を読み出し(S241)、第1変動カウンタC1の値(第1の変動回数)をインクリメント(+1)してから(S27)、上記した(1)式により第2変動率R2を演算する(S29)。一方、第1特図保留がないと判定したとき(S261:NO)、主回路120は、最古の第2特図保留を読み出し(S242)、第2変動カウンタC2の値(第2の変動回数)をインクリメント(+1)してから(S28)、上記した(1)式により第2変動率R2を演算する(S29)。
その後、主回路120は、遊技状態に応じて当否判定に用いる特図判定テーブルを図13より選択する(S30)。ここでは状態フラグが10(確変C状態)であるから(S251:YES)、第1特図保留を読み出した場合には(S241)、第1確変用の特図判定テーブルを選択し、第2特図保留を読み出した場合には(S242)、第2確変用の特図判定テーブルを選択する。さらに、主回路120は、選択した第1確変用又は第2確変用の特図判定テーブルを用いて当否判定を行い、当否判定結果に応じて液晶表示装置20での特図の停止図柄と変動時間とを決定し(S31)、特図変動処理を実行して(S40)、特図読出処理を終了する。
次に、状態フラグが10(確変C状態)でないと判定したとき(S251:NO)、主回路120は、状態フラグが9であるか(すなわち、図14によれば確変B状態であるか)を判定する(S252)。状態フラグが9(確変B状態)であると判定したとき(S252:YES)、主回路120は、第2特図保留があるかを判定する(S262)。第2特図保留があると判定したとき(S262:YES)、主回路120は、最古の第2特図保留を読み出し(S242)、第2変動カウンタC2の値(第2の変動回数)をインクリメント(+1)してから(S28)、上記した(1)式により第2変動率R2を演算する(S29)。一方、第2特図保留がないと判定したとき(S262:NO)、主回路120は、最古の第1特図保留を読み出し(S241)、第1変動カウンタC1の値(第1の変動回数)をインクリメント(+1)してから(S27)、上記した(1)式により第2変動率R2を演算する(S29)。
その後、主回路120は、遊技状態に応じて当否判定に用いる特図判定テーブルを図13より選択する(S30)。ここでは状態フラグが9(確変B状態)であるから(S252:YES)、第2特図保留を読み出した場合には(S242)、第2確変用の特図判定テーブルを選択し、第1特図保留を読み出した場合には(S241)、第1確変用の特図判定テーブルを選択する。さらに、主回路120は、選択した第2確変用又は第1確変用の特図判定テーブルを用いて当否判定を行い、当否判定結果に応じて液晶表示装置20での特図の停止図柄と変動時間とを決定し(S31)、特図変動処理を実行して(S40)、特図読出処理を終了する。
さらに、状態フラグが9又は10以外(このとき状態フラグは0(通常状態)又は11(時短状態)で、8(確変A状態)はない)であれば(S251:NO/S252:NO)、主回路120は、最古の特図保留を読み出し(S243)、遊技状態に応じて当否判定に用いる特図判定テーブルを図13より選択する(S30)。具体的には、状態フラグが0(通常状態)又は11(時短状態)ではいずれも通常用の特図判定テーブルを選択する。通常状態及び時短状態では読み出した特図保留にかかわらず通常用の特図判定テーブルを用いることになっており、第1特図保留と第2特図保留とが同じ判定テーブルにより判定されるので、通常状態及び時短状態では第2変動率(S29)を演算しない。さらに、主回路120は、選択した通常用又は第2確変用の特図判定テーブルを用いて当否判定を行い、当否判定結果に応じて液晶表示装置20での特図の停止図柄と変動時間とを決定し(S31)、特図変動処理を実行して(S40)、特図読出処理を終了する。
なお、第1特図保留と第2特図保留とがともにないとき(S21:NO)、大当たり中である(すなわち、状態フラグが1〜7のいずれかである)と判定したとき(S22:YES)、及び特図の変動表示中であると判定したときには(S23:YES)、直ちに特図読出処理を終了する。
このように、状態フラグが9の場合(すなわち確変B状態)には第2特図保留が優先的に消化され、状態フラグが10の場合(すなわち確変C状態)には第1特図保留が優先的に消化されるので、確変B状態での第2変動率R2は確変C状態での第2変動率R2よりも高くなる。これを予め設定された基準値と比較し、第2スタートチャッカー12Dへの入賞に基づく抽選結果に応じた図柄変動の実行比率が基準値よりも大きければ、遊技者に対し基準よりも有利な状態で遊技していることを示すメッセージを表示し、基準値よりも小さければ、不利な状態で遊技していることを示すメッセージを表示する。
(実施例3)
実施例1,2では、各始動口への入賞に基づく抽選結果の表示割合(各始動口への入賞に基づく変動表示の実行比率)を演算し、基準値と比較したが、実施例3では、各始動口への入賞数に基づいて特定の始動口への入賞比率(入賞割合)を演算し、予め設定された入賞比率の基準値と比較する。実施例1において、確変B状態(第2の高確率状態)又は確変C状態(第1の高確率状態)にあるとき、第1スタートチャッカー12U(第1の始動口)及び第2スタートチャッカー12D(第2の始動口)の入賞数を計数し、合計入賞数に占める第2スタートチャッカー12Dへの入賞数の割合を入賞比率として演算し、基準値と比較することによって実現できる。
具体的には、実施例1で説明した第1始動入賞処理(図4)、第2始動入賞処理(図5)、特図読出処理(図6)及び特図変動処理(図7)を示す各フローチャートを、図18〜図21のように変更する。
第1始動入賞処理を示すフローチャート(図18)において、第1始動入賞検出器112Uから検出信号を受信したとき(S1:YES)、第1入賞カウンタの値(第1の入賞数)をインクリメント(+1)するステップ(S301)を追加する。また、第2始動入賞処理を示すフローチャート(図19)において、第2始動入賞検出器112Dから検出信号を受信したとき(S11:YES)、第2入賞カウンタの値(第2の入賞数)をインクリメント(+1)するステップ(S311)を追加する。次に、特図読出処理を示すフローチャート(図20)において、状態フラグが9(確変B状態)又は10(確変C状態)であったとき(S25:YES)、第1入賞カウンタ及び第2入賞カウンタの値から第2スタートチャッカー12Dへの入賞比率(第2入賞比率)を演算(S329)してから判定テーブルの選択(S30)を行う(S26〜S28は削除する)。そして、特図変動処理を示すフローチャート(図21)において、状態フラグが9(確変B状態)又は10(確変C状態)であったとき(S42:YES)、演算した第2入賞比率と基準値とを比較して(S343)、第2入賞比率が高すぎるときには多くの特典を期待できる旨のメッセージを演出表示し、第2入賞比率が低すぎるときには多くの特典を期待しにくい旨のメッセージを演出表示する(S344)。
基準値と第2入賞比率とを比較する場合、保留数が上限値に達しているといずれのスタートチャッカーに入賞しても抽選処理は実行されないので、第2入賞比率は第2変動率(図6又は図17のS29;変動表示の実行比率(表示割合))と必ずしも等しくなるわけではない。しかし、第2スタートチャッカー12Dへの入賞率(第2入賞カウンタの値)が高まれば、それにほぼ比例して第2スタートチャッカー12Dへの入賞に基づく変動表示の実行回数(第2変動カウンタの値)も多くなる。したがって、第2変動率の代わりに第2入賞比率を基準値と比較することによって、遊技者にとって有利な状態にあるか否かを判断することができる。
なお、実施例2(図17)及び3(図18〜図21)において、実施例1(図4〜図7)と共通するステップには同一符号を付して説明を省略した。
以上の実施例では、2つのスタートチャッカー(始動口)を設ける場合のみについて説明したが、3つ以上設けてもよい。その際、遊技者から見たとき狙い分けて打つことが困難な位置に配置することが望ましい。また、実施例では2つの始動口、2つの確変大当たり(15R大当たりと7R大当たり)による確変状態への振分率(図15(b))を等しく設定したが、始動口種別や大当たり種別によって確変状態への振分率に差を設けてもよい。これにより、遊技内容を複雑化・多様化することができ、さらに興趣を向上させることができる。
実施例1において、遊技の状況により入賞率が変化する第1の可変入賞装置を、第1スタートチャッカー12U(第1の始動口)と可動役物10(可動体)とによって構成したが、第2スタートチャッカー12D(第2の始動口)である第2の可変入賞装置と同様に電チューで構成してもよい。
実施例2において、確変B状態では第2特図保留を優先消化し、確変C状態では第1特図保留を優先消化することで2つの確変状態を実現したが、保留の消化優先順位を変更してもよい。例えば、確変A状態では第2特図保留を優先消化し、確変B状態では入賞順に保留消化し、確変C状態では第1特図保留を優先消化することによって、各始動口への入賞に基づく変動回数の割合が異なる3つの確変状態を実現することができる。
確変演出表示や大当たり演出表示において、味方のキャラクタと敵方のキャラクタをランク付けしておき、各キャラクタの出現時点で大当たり終了後の確変状態を予想可能にしておくとよい。人気キャラクタの登場で確変A状態への期待感を高め、悪役キャラクタに打ち勝つことによって確変A状態への意外性を提供することができる。
確変B状態や確変C状態において、第2変動率(第2入賞比率)の基準値よりも演算値が高いとき、次の大当たりが確変大当たりとなる期待感や、15Rの大当たりに当選する期待感を持たせる(煽る)演出表示を実行してもよい。そして、基準値を超過している場合だけに出現する必殺技や武器をバトル演出の中で繰り出すことにより、遊技者の興趣をさらに高めることができる。
実施例1,2では、2つの始動口への入賞率に差を設け、各始動口への入賞に基づく抽選結果の表示比率に関する情報を表示するようにしたが、始動口が3つ以上あっても実施することができる。例えば第1及び/又は第2の始動口を複数設け、それぞれ入賞後の処理を共通化した1つのグループとして管理し、遊技状態に応じてそのうちのいくつかの入賞率を変えて、各グループ単位で抽選結果の表示比率を演算してもよい。又は、第3の始動口を設けて、3つの始動口への入賞に基づく抽選結果の表示比率を演算してもよい。