図1は本発明に係るパチンコ遊技機(所謂セブン機タイプ)の正面模式図である。パチンコ遊技機1(以下、単に遊技機ともいう)は、台枠に取り付けられた透明の前面ガラス扉2と、台枠の内側に配置されて前面ガラス扉2によって覆われる遊技盤3を有する。なお、図1において玉の流下方向を上下方向(鉛直方向)、遊技盤3の盤面に沿う態様で上下方向と直交する方向(水平方向)を左右方向、遊技盤3の盤面に直交する方向(水平方向)を前後方向とし、盤面の前側(遊技者側)が前方側であり、盤面の後側(奥側)が後方側である。
遊技盤3には、ハンドル装置4を含んで構成される発射装置124(図2参照)より発射された玉BL(以下、単に玉という)が流下する略円形状に囲まれた遊技領域3aが形成されている。遊技領域3aには、玉の流下方向を変化させる釘N(一部のみ図示)が植設されており、遊技盤3の前方下部に設けられた上皿5から供給された玉が、発射装置124によって遊技領域3aに向けて発射され、釘Nに弾かれながら遊技領域3aを落下するようになっている。なお、前面ガラス扉2には、スピーカ121、装飾ランプ類122などが設けられている。
上皿5には、遊技者が押動操作可能な操作ボタン6が設けられている。操作ボタン6については、後述する。上皿5の下方には、流入口7aを通して上皿5に連通した下皿7が設けられている。下皿7には、玉排出レバー7bが設けられている。玉排出レバー7bの操作により、下皿7の底部に形成された排出口(図示省略)が開口し、下皿7に貯えられた玉が玉箱8へ移される。
遊技領域3aの中央付近には、中央役物装置10が配置されている。中央役物装置10には、遊技領域3aを流下する玉を筐体11の内部に導き入れる管状のワープルート14が設けられている。ワープルート入口から進入した玉は、ワープルート14内を移動して緩い傾斜状のステージ15上に落下する。ステージ15の前方側の中央には、遊技領域3aに連通する開口部16が形成され、その開口部16を除くステージ15の前端には、開口部16以外からの玉の転落を阻止するガイド部材17が設けられている。玉はステージ15上で左右に移動を繰り返し、開口部16を通って遊技領域3aへ流下して行く。
また、中央役物装置10には、枠状の筐体11の奥側にて液晶表示装置12が設けられている。筐体11の上枠には、複数(例えば4つ)のLEDからなる特図保留表示部13が横一列状に配設されている。
液晶表示装置12は、所定条件の成立に基づいて実行される抽選処理の結果を特別図柄(特図)により表示して遊技者に報知する。液晶表示装置12には、図柄を表示するための表示領域が複数(例えば3つ)形成されており、この全表示領域にて図柄の変動表示を開始し、各表示領域に停止表示された図柄の組合せにより抽選処理の結果を表示するようになっている。液晶表示装置12が本発明の表示手段に相当する。
中央役物装置10の下方には、始動入賞装置21が配置され、始動入賞装置21の下方には大入賞装置22が配置されている。始動入賞装置21(始動口)は、開閉する一対の回動翼片21a,21a(電チュー)を備えており、回動翼片21a,21aが開放されると玉が入賞し易くなる。
大入賞装置22(大入賞口)は、いわゆるアタッカーと呼ばれる可変入賞装置であり、開口部と蓋部材とを備え、開口部に対する蓋部材の移動により玉が入賞容易な開放状態と入賞不可能な閉鎖状態とを呈する。大入賞装置22は、通常は閉鎖状態にあるが、後述する大当たり遊技の実行時に開放状態になる。大入賞装置22の下方には、玉を回収するための玉排出口23が設けられている。
中央役物装置10の左方には、玉が通過したとき始動入賞装置21の回動翼片21a,21aを所定時間及び所定回数だけ開放するための当たり抽選が行われる通過ゲート24が配置されている。通過ゲート24の左斜め下方には、1又は複数(例えば1つ)のLEDにより普通図柄(普図)を表示する普図表示部25と、複数(例えば4つ)のLEDからなる普図保留表示部26とが上下に配設されている。
次に、図2を用いて、パチンコ遊技機1の制御ブロック図について説明する。パチンコ遊技機1の主制御基板には主回路100が搭載され、副制御回路111と払出制御回路112が接続されている。
主回路100は、演算装置であるCPU(Central Processing Unit)101、プログラム格納用の読み取り専用記憶装置であるROM(Read Only Memory)102、ワークエリアや各種カウンタ等が割り当てられる読み書き可能な記憶装置であるRAM(Random Access Memory)103、入出力インターフェースであるI/O(Input/Output)104などを備えており、これらは図示を省略するバスを介して相互に接続されている。なお、その他の各回路も、個別にCPUやメモリを備えているが、図2では省略してある。各回路には、電源回路114にて生成された所定電圧の電力が主回路100を介して供給されている。主回路100が本発明の抽選手段、図柄決定手段、遊技制御手段に相当する。
副制御回路111は、主回路100から入力されるコマンドに応じてアンプ/スピーカ121(図1参照)に音声を出力させるとともに、装飾ランプ類122の点灯/消灯を制御する。また、副制御回路111は、表示制御回路115にコマンドを出力する。表示制御回路115は、副制御回路111から入力されたコマンドに応じて液晶表示装置12を制御し、特図の変動表示や停止表示を実行させる。主回路100、副制御回路111、表示制御回路115などが本発明の表示制御手段に相当する。
払出制御回路112は、主回路100より入力される賞球払出信号に応じて払出装置123を制御する。これにより、遊技者に対して所定数の賞球が上皿5に払い出される。発射制御回路113は、遊技者のハンドル装置4の操作に応じて、ハンドル装置4に対応して設けられた発射装置124を作動させ、上皿5に準備された玉を遊技領域3aに向けて発射する。ハンドル装置4の操作量に応じて、玉の打ち出し強さ(玉の飛距離)を調節することが可能となっている。
主回路100には、始動入賞装置21に付設された始動入賞検出器131、大入賞装置22に付設された大入賞検出器132、通過ゲート24に付設されたゲート通過検出器134からの玉検出信号と、操作ボタン6に付設されたボタン操作検出器133からの操作信号とがそれぞれ入力される。
また、主回路100は、始動入賞装置21の回動翼片21a,21aを開閉する電チューソレノイド141、大入賞装置22を開閉する大入賞ソレノイド142、特図保留表示部13のLED、普図表示部25のLED、普図保留表示部26のLEDをそれぞれ駆動制御する。
図3に、RAM103(記憶手段)の記憶内容の一例を示す。RAM103には、大当たりや特図変動等の時間管理を行うためのタイマ及びカウンタが格納される。RAM103には、例えば、特図用乱数カウンタ103a、図柄用乱数カウンタ103b、特図保留記憶領域103c、状態フラグ記憶領域103d、次回大当たり図柄記憶領域103e、操作フラグ記憶領域103f、継続回数記憶領域103gなどが設けられている。
特図用乱数カウンタ103aの値は、例えば0〜399までの間で変動(所定時間毎に1を加算)する。始動入賞装置21への入賞が検出されると、その検出タイミングでの値が特図用乱数カウンタ103aから抽出され、その抽出された特図乱数値が特図保留として特図保留記憶領域103cに記憶される。特図保留記憶領域103cには、複数(例えば、上限数4個)の特図保留を記憶可能である。
図柄用乱数カウンタ103bの値は、例えば0〜799までの間で変動(所定時間毎に1を加算)する。始動入賞装置21への入賞時には、図柄用乱数カウンタ103bからも値が抽出され、その抽出された図柄乱数値に基づいて停止図柄(停止表示する図柄の組合せ、ハズレ時でのリーチ又は非リーチ図柄、大当たり時でのリーチ図柄、確変又は非確変大当たり図柄)が決定される。なお、図柄乱数値も特図乱数値とともに特図保留として特図保留記憶領域103cに記憶される。
状態フラグは、特図用乱数カウンタ103aから抽出された特図乱数値の当否を判定する特図判定テーブルを選択するための遊技状態を示すフラグであり、通常状態であるとき0に設定され、大当たり状態であるとき1に設定され、確変状態であるとき2に設定され、時短状態であるとき3に設定される。
次回大当たり図柄記憶領域103eには、所定の特図保留の図柄乱数値(詳細は後述)に基づいて決定された次回大当たり図柄(次の大当たりの組合せ)が記憶される。操作フラグは、操作ボタン6が操作されないときは0に設定され、操作ボタン6が操作されたときは1に設定される。継続回数は、大当たり終了時に時短状態となる場合は100をセットし、特図の変動表示を行う毎に1を減算する。
なお、図示は省略するが、RAM103には、特図用乱数カウンタ103aと同様の普図用乱数カウンタや、通過ゲート24への入賞時に普図用乱数カウンタから抽出された普図乱数値を普図保留として記憶するための普図保留記憶領域も設けられている。
次に、図1〜図3を用いて、パチンコ遊技機1における遊技の流れ(遊技性)について概要を説明しておく。
玉が通過ゲート24を通過すると、ゲート通過検出器134による玉の検出に応じて、主回路100は、普図の保留が3個以下であれば、普図用乱数カウンタから現在の値を抽出し、その抽出した普図乱数値を普図保留としてRAM103の普図保留記憶領域に記憶する。新たな普図の変動を開始可能なとき(普図の変動中でなく、始動入賞装置21の電チューが動作中でないとき)、普図保留が記憶されていれば、最古の普図保留を読み出して当たり判定を行う。読み出した普図保留の普図乱数値を、通常状態であれば通常用普図判定テーブル(普図当選確率:1/100)、時短状態や確変状態であれば時短用普図判定テーブル(普図当選確率:99/100)の当たり値と比較する。この当たり判定の結果に基づいて、普図の変動(普図表示部25のLED点滅)を開始する。なお、普図用乱数カウンタから値を抽出し、その抽出した普図乱数値の当たり判定を行う処理が、普図の抽選処理に相当する。
普図の判定結果が当たりの場合、変動時間(通常状態又は大当たり状態であれば30秒、時短状態や確変状態であれば1秒)経過時に普図表示部25のLEDを点灯し、電チューソレノイド141を励磁して電チューを開放する。所定時間(通常状態であれば0.1秒、時短状態や確変状態であれば1.5秒を3回)経過後、始動入賞装置21を閉鎖する。なお、普図の判定結果がハズレの場合は、変動時間経過時に普図表示部25のLEDを消灯する。
始動入賞装置21に玉が入賞し、始動入賞検出器131による玉の検出に応じて、主回路100は、払出制御回路112に3個の賞球を払い出すように指示し、特図保留記憶領域103cに記憶された特図保留(最大で4個)が3個以下であれば、特図用乱数カウンタ103a、図柄用乱数カウンタ103bから現在の値を抽出し、その抽出した特図乱数値、図柄乱数値を特図保留として特図保留記憶領域103cに記憶する。
主回路100は、新たな特図の変動を開始可能なとき(特図の変動中でなく、大当たり中でもないとき)、特図保留記憶領域103cに特図保留が記憶されていれば、記憶された順に特図保留を読み出すとともに、読み出した特図保留を特図保留記憶領域103cから消去する。
主回路100(抽選手段)は、読み出した特図保留の特図乱数値と、特図判定テーブルに設定されている当たり値とを比較し、一致する場合は当たりと判定する当否判定を行う。状態フラグ記憶領域103dの状態フラグを確認し、通常状態(状態フラグ:0)や時短状態(状態フラグ:3)であれば通常用特図判定テーブル(特図当選確率:1/400)の当たり値(例えば、0)と、確変状態(状態フラグ:2)であれば確変用特図判定テーブル(特図当選確率:1/40)の当たり値(例えば、0〜9)と比較する。なお、特図用乱数カウンタ103aから値を抽出し、その抽出した特図乱数値の当否判定を行う処理が、特図の抽選処理に相当する。
主回路100(図柄決定手段)は、当否判定結果がハズレの場合は、読み出した特図保留の図柄乱数値に基づいて特図の変動パターンと停止図柄を決定する。一方、当否判定結果が当たりの場合は、次回大当たり図柄記憶領域103eに記憶されている次回大当たり図柄(奇数のゾロ目「111」、「333」、「555」、「777」、又は偶数のゾロ目「222」、「444」、「666」、「888」の何れか)を停止図柄として採用し、読み出した特図保留の図柄乱数値に基づいて大当たりとなる特図の変動パターンを決定する。なお、システムの初期化後など、次回大当たり図柄が次回大当たり図柄記憶領域103eに記憶されていない場合は、最初の始動入賞時に図柄用乱数カウンタ103bから抽出した図柄乱数値に基づいて次回大当たり図柄を決定し、次回大当たり図柄記憶領域103eに記憶するようになっている。図柄決定手段としての主回路100の役割については後述する。
主回路100(表示制御手段)は、液晶表示装置12の3つの表示領域にて3つの図柄列(例えば、各桁が「1」〜「8」で表される3桁の数字)で変動表示を開始し、決定された変動パターンでの表示を行った後、左、右、中の順で図柄を停止し、停止表示した図柄の組合せにより判定結果を表示する。大当たりであった場合は、決定された変動パターンに基づいてリーチ図柄を表示した後、採用された次回大当たり図柄(確変大当たり図柄、非確変大当たり図柄の何れか)を停止表示する。ここで、リーチ図柄(リーチの組合せ)とは、大当たり図柄へ移行する前に表示される図柄であり、3つの表示領域のうち中の表示領域ではまだ図柄が変動表示している状態で、左と右に同じ数字を停止表示した図柄であり、同じ奇数の数字を停止表示した確変リーチ図柄と、同じ偶数の数字を停止表示した非確変リーチ図柄との2種類がある。確変リーチ図柄の表示後に確変大当たり図柄が停止表示されることもあれば、確変大当たり図柄が仮停止表示された後に再変動表示が行われて非確変大当たり図柄が停止表示されることもある。同様に、非確変リーチ図柄の表示後に非確変大当たり図柄が停止表示されることもあれば、非確変大当たり図柄が仮停止表示された後に再変動表示が行われて確変大当たり図柄が停止表示されることもある。また、何れのリーチ図柄を表示した後も、中の表示領域に左右と異なる図柄を停止表示することで、ハズレ図柄を表示することもあるが、抽選結果が大当たりであった場合は必ずリーチ図柄が表示されるので、リーチ図柄が表示されるとその後大当たり図柄が停止表示される可能性が高まる。
主回路100は、判定結果が確変大当たりであれば(大当たりの振分率は、例えば確変大当たり:50%、非確変大当たり:50%)確変大当たり図柄である奇数のゾロ目が停止表示されたとき、判定結果が非確変大当たりであれば非確変大当たり図柄である偶数のゾロ目が停止表示されたとき、状態フラグ記憶領域103dの状態フラグを1に変更する。つまり、主回路100は、遊技状態を制御する状態制御手段としても機能する。
主回路100(遊技制御手段)は、状態フラグが1(大当たり状態)であると、大当たり遊技を実行する。大当たり遊技では、大入賞装置22を開放して10個入賞するか30秒経過すると閉鎖する動作処理を15ラウンド繰り返す。大入賞装置22へ1個入賞すると15個の賞球が払い出される。
主回路100は、確変大当たりの終了後は状態フラグを2に変更して遊技状態を確変状態とする。以降、主回路100(抽選手段)は、確変用特図判定テーブルを参照して大当たりの当否判定を行う。確変状態は次回の大当たりまで継続する。一方、主回路100は、非確変大当たりの終了後は状態フラグを3に変更して遊技状態を時短状態とし、継続回数記憶領域103gの継続回数に100をセットする。以降、主回路100(抽選手段)は、通常用特図判定テーブルを参照して大当たりの当否判定を行う。時短状態は、100回(ハズレの抽選結果が100回)の図柄変動が終了するか、新たな大当たりに当選するか何れか早い方が成立するまで継続する。主回路100は、100回の図柄変動が終了すると状態フラグを0に変更して遊技状態を通常状態に戻す。確変状態と時短状態では、普図の当選確率が高くなり、普図当選時に電チューの開放時間が長くなるため、遊技者は持ち玉をさほど減らすことなく、遊技を継続することができる。
大当たり遊技の終了後、主回路100(図柄決定手段)は、特図保留記憶領域103cに記憶された最古の特図保留(1個目の特図保留)を読み出し、読み出した特図保留の図柄乱数値に基づいて次回大当たり図柄を決定し、次回大当たり図柄記憶領域103eに記憶する。具体的には、読み出した特図保留の図柄乱数値の値が0〜99であれば「111」を、100〜199であれば「222」を、200〜299であれば「333」を、300〜399であれば「444」を、400〜499であれば「555」を、500〜599であれば「666」を、600〜699であれば「777」を、700〜799であれば「888」を、それぞれ次回大当たり図柄として、その図柄の変動表示を行うときの変動パターンやリーチ図柄とともに決定する。
そして、主回路100(図柄決定手段)は、読み出した特図保留の特図乱数値が「0」でない場合(当否判定結果がハズレの場合)、例えば読み出した特図保留の図柄乱数値の下2桁が00〜05であればハズレ時でのハズレ図柄とリーチ図柄を、そのリーチ図柄の変動表示を行うときの変動パターンとともに決定する(ハズレ時でのリーチ演出の出現率はおよそ1/20となる)。主回路100(表示制御手段)は、液晶表示装置12にてハズレ時でのリーチ図柄を様々な演出パターンで変動表示した後、ハズレ図柄を停止表示する。
また、主回路100(図柄決定手段)は、読み出した特図保留の特図乱数値が「0」でない場合であって、例えば読み出した特図保留の図柄乱数値の下2桁が10〜19であれば、次回大当たり図柄記憶領域103eに記憶されている次回大当たり図柄を確認し、その次回大当たり図柄を遊技者に推測させるような演出を、その図柄の変動表示を行うときの変動パターンとともに決定する。主回路100(表示制御手段)は、液晶表示装置12にて様々な演出パターンで図柄推測演出を行う。図柄推測演出例としては、次回大当たり図柄として決定されている数字と同じ数字を何回か出現させる場合や、複数のキャラクタを予め用意しておき、次回大当たり図柄として決定されている数字に2を加算若しくは減算した範囲の数のキャラクタを何回か出現させる場合などがある。
これにより、遊技者は、その図柄推測演出を参考にして、現在決定されている次回大当たり図柄を推測することができる。推測している図柄でリーチになれば、推測外の図柄でリーチになるよりも大当たりとなる期待度が高くなる。液晶表示装置12は本発明の報知手段にも相当する。
液晶表示装置12において特図の変動表示が行われ、確変図柄又は非確変図柄のリーチになったときは、操作ボタン6の入力操作が受け付け可能となる。具体的には、例えば現在の変動表示に基づく図柄乱数値の下2桁が00の場合に、リーチとなってから大当たりとなる期待度がさらに高いスーパーリーチ演出へと発展し、そのスーパーリーチになってから図柄が確定表示される所定時間前までの期間だけ、操作ボタン6の操作が可能とされている。なお、スーパーリーチとは、画面背景を切り替える等の演出を行うことで、大当たりとなる期待度を高めた状態でのリーチ演出を意味する。
遊技者が、図柄推測演出に基づいて次回大当たり図柄が非確変大当たり図柄であると推測しているときに確変図柄又は非確変図柄のリーチになった場合、操作ボタン6を操作すると、その抽選結果が大当たりであった場合は、決定されていた大当たり図柄が現在の変動表示に係る図柄乱数値に基づいて変更される(図柄の決定方法は、次回大当たり図柄の決定方法と同じ)。この場合、決定されていた大当たり図柄が、偶数から奇数へ、或いは奇数から偶数へと変更されることもあれば、偶数から偶数へ(同じ数になることもある)、或いは奇数から奇数へ(同じ数になることもある)と変更・維持されることもある。つまり、主回路100(図柄決定手段)は、抽選結果に基づくリーチ図柄の表示中に操作ボタン6での入力操作を受け付けたとき、リーチ図柄の表示後に停止表示する予定であった大当たり図柄を、その抽選結果に基づく新たな大当たり図柄へと変更するように設定されている。
次に、図5、6に示す表示例を用いて、本発明の特徴について具体的に説明する。図5に示す表示例は、現在次回大当たり図柄として例えば「444」が決定されており、特図乱数値が例えば0、現在の変動表示に基づく図柄乱数値が例えば600となった場合に、液晶表示装置12にて変動表示が行われる過程を時系列的に示したものである。
液晶表示装置12において先の抽選結果(例えば、ハズレ図柄)が停止表示されている状態(図5a.)から、特図の変動が開始される(図5b.)。非確変リーチ図柄が表示され(図5c.)、スーパーリーチに発展した後、操作ボタン6の入力操作が受け付け可能になった旨が報知される(図5d.)。操作ボタン6が操作されていない場合は、非確変大当たり図柄(例えば「444」)が仮停止表示され(図5e.)、次回大当たり図柄である「444」が最終的に停止表示される(図5f.)。
一方、スーパーリーチに発展した後に(図5d.)操作ボタン6が操作されていた場合は、非確変大当たり図柄(例えば「444」)が仮停止表示され(図5e.)、ボタン操作に基づいて再変動した後(図5g.)、現在の変動表示に基づく図柄乱数値が600であるので、大当たり図柄として「777」が最終的に停止表示される(図5h.)。
図6に示す表示例は、現在次回大当たり図柄として例えば「777」が決定されており、特図乱数値が例えば0、現在の変動表示に基づく図柄乱数値が例えば500となった場合に、液晶表示装置12にて変動表示が行われる過程を時系列的に示したものである。具体的には、非確変リーチ図柄を経由して非確変大当たり図柄を仮停止表示した後、全図柄を再変動して確変大当たり図柄を停止表示する演出パターンが選択されている。なお、図6の表示例において、最初の変動停止状態から非確変大当たり図柄が仮停止表示されるまでの表示例(a.〜e.)は図5と同じであるため、図6では非確変大当たり図柄が仮停止表示された後の表示例について説明する。
操作ボタン6が操作されていない場合は、演出パターンに従って再変動した後(図6i.)、大当たり図柄である「777」が最終的に停止表示される(図6j.)。一方、操作ボタン6が操作されていた場合は、演出パターンに従って再変動した後(図6k.)、大当たり図柄である「777」が仮停止表示され(図6l.)、さらにボタン操作に基づいて再変動した後(図6m.)、現在の変動表示に基づく図柄乱数値が500であるので、大当たり図柄として「666」が最終的に停止表示される(図6n.)。遊技者は、2回の再変動で、自身の推測が外れていたことを知ることができる。なお、抽選結果がハズレのときは、操作ボタン6が操作されても停止表示されるハズレ図柄が変更されることはない。
このように、次回大当たり図柄として非確変大当たり図柄(例えば「444」)が決定されている状態で、「次回大当たり図柄は非確変大当たり図柄である」と推測して操作ボタン6を操作すると、再変動して新たな大当たり図柄に変更される。運がよければ確変図柄へ変更されることになり、その大当たり遊技終了後の遊技状態が確変状態へと変更される。誤って「次回大当たり図柄は確変大当たり図柄である」と推測して操作ボタン6を操作しなければ、再変動することなく決定された非確変大当たり図柄が停止表示される。
同様に、次回大当たり図柄として確変大当たり図柄(例えば「777」)が決定されている状態で、「次回大当たり図柄は確変大当たり図柄である」と推測して操作ボタン6を操作しなければ、再変動した後、決定された確変大当たり図柄が停止表示される。誤って「次回大当たり図柄は非確変大当たり図柄である」と推測して操作ボタン6を操作すると、再変動して新たな大当たり図柄に変更される。運が悪ければ更に再変動して非確変図柄へ変更されることになり、その大当たり遊技終了後の遊技状態が時短状態へと変更されてしまう。
つまり、大当たりとなる場合に操作ボタン6を操作すると、決定された大当たり図柄を変更することができ、大当たり図柄が変更すると、大当たり遊技終了後の遊技状態が変更する場合もある。この実施例において、本来の大当たり図柄の確変割合は50%であるが、非確変大当たり図柄が決定されている状態で、大当たりとなる場合に必ず操作ボタン6の操作が行われると仮定すると、さらに確変となる割合が50%あるので、全体の確変割合を75%まで引き上げることになる。
次に、図4に示すフローチャートに従って、パチンコ遊技機1で実行される遊技の具体的処理について説明する。なお、図4のフローチャートで示されるプログラムは、主回路100のROM102に格納されており、主回路100のCPU101が所定のタイミングで繰り返し実行するように構成されている。
図4は、特図変動処理を示すフローチャートである。主回路100は、この特図変動処理と並行して始動入賞処理(図示省略)を所定のタイミングで繰り返し実行しており、特図保留が3個以下であると判定すると、特図用乱数カウンタ103a、図柄用乱数カウンタ103bよりそれぞれ現在の値を抽出し、抽出した各乱数値(特図乱数値、図柄乱数値)を特図保留として特図保留記憶領域103cに記憶する。
主回路100は、状態フラグ記憶領域103dの状態フラグを確認して遊技状態が大当たり中(状態フラグ:1)でないと判定し、図柄(特図)の変動停止中であると判定し、かつ特図保留記憶領域103cに特図保留が記憶されていると判定すると、特図保留記憶領域103cから最古の特図保留を読み出すとともに、その特図保留を消去する(S11)。このとき、読み出された特図保留に対応する特図保留表示部13(保留ランプ)の点灯状態を変更する。
次に、主回路100は、次回大当たり図柄記憶領域103eを確認し、次回大当たり図柄が記憶されているか否かを判定する(S12)。次回大当たり図柄が記憶されていないと判定した場合は(S12:YES)、読み出した特図保留の図柄乱数値に基づいて次回大当たり図柄を決定し(S13)、次回大当たり図柄記憶領域103eに記憶する(S14)。なお、次回大当たり図柄が記憶されていると判定した場合は、ステップS13,S14の処理をスキップする(S12:NO)。
主回路100は、読み出した特図保留の特図乱数値を、ROM102から読み出されてRAM103に展開されている特図判定テーブルの当たり値と比較して当否を判定する。読み出した特図保留の特図乱数値が特図判定テーブルの当たり値と一致していれば、次回大当たり図柄記憶領域103eに記憶されている次回大当たり図柄を停止図柄として決定するとともに、特図の変動時間、表示する内容や変動パターン(キャラクタ表示や再変動の有無など)を決定する。
一方、主回路100は、読み出した特図保留の特図乱数値が特図判定テーブルの当たり値と一致していなければ、読み出した特図保留の図柄乱数値に基づいて特図の変動時間、表示する内容や変動パターン(キャラクタ表示やリーチ演出の有無、再変動の有無など)、及び停止図柄を決定する(S15)。この場合、主回路100は、読み出した特図保留の図柄乱数値の値に応じて、次回大当たり図柄記憶領域103eに記憶されている次回大当たり図柄を遊技者に推測させるような演出を、その図柄の変動表示を行うときの変動パターンとともに決定する。
主回路100は、特図の変動表示を開始する(S16)。このとき、RAM103の特図変動タイマ(図示せず)のカウントを開始するとともに、副制御回路111に対し液晶表示装置12での図柄の変動開始を指示する。具体的には、副制御回路111を経由し、表示制御回路115に対して演出内容及び停止図柄を指示する表示制御コマンドを送信する。表示制御回路115は、受信した表示制御コマンドにしたがって液晶表示装置12において特図の変動(図柄推測演出を含む)を開始する。
特図抽選結果がハズレのときは、特図変動時間が経過するまでステップS17、S20の処理を繰り返し実行し(S17,S20:NO)、特図変動時間が経過すると(S17:YES)、主回路100は、特図の変動を停止する(S18)。このとき、RAM103の特図変動タイマ(図示せず)のカウントを停止、リセットするとともに、副制御回路111に対し液晶表示装置12での特図の変動停止を指示する。具体的には、副制御回路111を経由し、表示制御回路115に対して変動停止を指示する表示制御コマンドを送信する。表示制御回路115は、受信した表示制御コマンドにしたがって液晶表示装置12における特図の変動(図柄推測演出を含む)を停止し、液晶表示装置12にハズレ図柄を表示する(図5a.参照)。
特図抽選結果が大当たりのときは、読み出した特図保留の図柄乱数値の値に応じてスーパーリーチ演出へと発展し(S17:NO、S20:YES)、操作ボタン6の入力操作が有効となる(S21)。所定の有効期間が経過するまでに操作ボタン6が操作されない場合は、ステップS17、S20〜S24の処理を繰り返し実行し(S17:NO、S20:YES、S21、S22:NO、S23:NO、S24:NO)、特図変動時間が経過すると(S17:YES)、主回路100は、特図の変動を停止する(S18)。表示制御回路115は、受信した表示制御コマンドにしたがって液晶表示装置12における特図の変動を停止し、液晶表示装置12に次回大当たり図柄を表示する。この場合、次回大当たり図柄として非確変大当たり図柄が決定されていれば図5f.の表示例に示すような非確変大当たり図柄が停止表示され、確変大当たり図柄が決定されていれば図6j.の表示例に示すような確変大当たり図柄が停止表示される。
一方、特図抽選結果が大当たりのとき所定の有効期間が経過するまでに操作ボタン6が操作された場合、主回路100は、決定されている次回大当たり図柄を、現在の変動表示に係る特図保留の図柄乱数値に基づいて変更する(S17:NO、S20:YES、S21、S22:NO、S23:NO、S24:YES、S25)。また、操作フラグ記憶領域103fの操作フラグを1に変更する(S26)。特図変動時間が経過すると(S17:YES)、主回路100は、特図の変動を停止する(S18)。表示制御回路115は、受信した表示制御コマンドにしたがって液晶表示装置12における特図の変動を停止し、液晶表示装置12に変更後の大当たり図柄を表示する。この場合、現在の変動表示に係る図柄乱数値が確変大当たり図柄に対応していれば図5h.の表示例に示すような確変大当たり図柄が最終的に停止表示され、非確変大当たり図柄に対応していれば図6n.の表示例に示すような非確変大当たり図柄が最終的に停止表示される。
主回路100は、特図の変動を停止した後、操作フラグ記憶領域103fの操作フラグを0に変更(0であれば維持)する(S19)。その後、本処理を終了する。なお、主回路100は、本処理後において状態フラグ記憶領域103dの状態フラグを確認し、状態フラグが3(時短状態)であれば、継続回数記憶領域103gの継続回数を1だけ減算する。減算後の継続回数が0になれば、状態フラグ記憶領域103dの状態フラグを0(通常状態)に変更する。また、主回路100は、判定結果が大当たりであれば、状態フラグ記憶領域103dの状態フラグを1(大当たり状態)に変更して上述した大当たり処理を実行する。
以上の説明からも明らかなように、この実施例では、抽選結果が次に当たりとなったときに液晶表示装置12に停止表示する図柄の組合せが次回大当たり図柄として事前に決定される。抽選結果が当たりのときは次回大当たり図柄が停止表示する図柄の組合せとして決定されて液晶表示装置12に停止表示され、抽選結果がハズレのときはそのハズレの抽選結果に基づいて決定されたハズレ図柄が液晶表示装置12に停止表示される。そして、次回大当たり図柄を遊技者に推測させるような演出等が液晶表示装置12にて表示演出される。
これにより、遊技者にとって、自分の推測している大当たり図柄となる可能性の高い図柄でリーチになると、それ以外の図柄でリーチになったときよりも、大当たりとなる期待度が高くなる。つまり、遊技者の推測した大当たり図柄に応じて、同じ図柄のリーチであっても大当たりへの期待度を異ならせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を高めることができる。
また、上記実施例では、リーチ図柄の表示中に遊技者により操作ボタン6が操作されると、リーチ図柄の表示後に停止表示する予定であった大当たり図柄が現在の変動表示に係る図柄乱数値に基づく新たな大当たり図柄へと変更される。
次回大当たり図柄が非確変大当たり図柄に予め決定されているとき、遊技者が現在決定されている次回大当たり図柄を非確変大当たり図柄と推測し、その推測に基づいてリーチ図柄の表示中に操作ボタン6を操作すると、予め決定されていた非確変大当たり図柄が確変大当たり図柄に変更される場合がある。確変大当たり図柄に変更されると、大当たり遊技終了後は確変状態へ移行する。つまり、操作ボタン6を操作することに基づいて大当たり遊技終了後の遊技状態が変更されることとなる。このため、遊技者は液晶表示装置12で表示される図柄推測演出を参考にして、現在決定されている次回大当たり図柄を真剣に推測するようになるので、遊技者の遊技に対する興趣を高めることができる。
大当たり図柄(確変大当たり図柄、非確変大当たり図柄)を一旦仮停止してから再変動する可能性の高い遊技モードと、仮停止することなく本停止することの方が多い遊技モードとを設け、何れの遊技モードにあるのかを予め遊技者に報知する構成としてもよい。これによれば、スーパーリーチに発展したとき、再変動する可能性も含めて操作ボタン6を操作すべきかを検討するようになるので、遊技者の選択の要素を増やすことができる。
操作ボタン6を操作すると、直ちに図柄を変更するようにしてもよい。すなわち、入力操作の有効期間中における操作ボタン6の操作タイミングに応じて現在の変動表示に基づく図柄乱数値に従って図柄を変更するようにしてもよい。なお、もともと再変動演出を行う予定であった場合は、操作ボタン6の操作タイミングに応じて再変動予定の図柄に変更して変動し、一旦仮停止してから再変動して現在の変動表示に基づく図柄乱数値に従った図柄に変更するようにすることで、操作ボタン6の操作タイミングに応じて確変大当たり図柄に変更され、さらに最後の再変動で非確変大当たり図柄が停止表示される場合もあるので、遊技者の遊技に対する興趣を一層高めることができる。
また、操作ボタン6の操作後において、図柄を変更するタイミングをランダムにしてもよい。これによれば、図柄がいつ変わるのか、という楽しみを増やすことができる。この場合、最終的に停止表示される図柄が確変大当たり図柄か否かに応じて図柄を変更するタイミングを決定するようにすれば、遊技者の緊張感を高めることもできる。
現在決定されている次回大当たり図柄に対する図柄推測演出の表示形態は、上記実施例に限らず、例えば可動する役物を用いてもよい。或いは、液晶表示装置12の表示領域の背景に表示される図柄として複数のキャラクタを用意するとともに、各キャラクタを「1」〜「8」の数字と予め対応付けておき、次回大当たり図柄に応じて各キャラクタの出現率が変わるように設定することで、例えば一番多く登場するキャラクタに対応する数字か、ほとんど登場しないキャラクタに対応する数字の何れかが次回大当たり図柄として決定されているような構成としてもよい。
また、図柄推測演出中に次回大当たり図柄を確定する表示を含めてもよい。この場合、前回の大当たり遊技終了後の特図変動回数が所定回数を超えた場合など、何らかの条件を満たしたときに現時点で決定されている次回大当たり図柄の確定表示を行うことで、遊技者の遊技継続意欲を高めることができる(次回大当たり図柄が確変大当たり図柄であることがわかっていれば、遊技を止めないことが期待できる)。
また、上記実施例では、大当たり図柄が表示された直後は次回大当たり図柄が決まっておらず、大当たり遊技が終了してから最初に読み出した特図保留の図柄乱数値に基づいて次回大当たり図柄を決定するようにしたが、その大当たり遊技が終了した後の遊技の過程で何らかの条件が成立したときに決定するようにしてもよい。このとき、次回大当たり図柄が決定されるまでは、ハズレのときと同様、始動入賞時に図柄用乱数カウンタ103bより抽出した図柄乱数値に基づいて大当たり図柄を決定すればよい。そして、この場合は、次回大当たり図柄が決定されてから、図柄推測演出を行うように構成される。なお、次回大当たり図柄の決定方法は、上記実施例に限らず、適宜の方法を採用することができる。
また、上記実施例では、抽選結果が大当たりとなる場合に限り、操作ボタン6の操作に応じて次回大当たり図柄を変更するようにしたが、ハズレの場合にリーチ図柄を変更するようにしてもよい。ただし、この場合は、ハズレであるのに仮停止表示してから再変動しても意味がないので、操作ボタン6の操作時やそれ以降のタイミング(例えばリーチ演出中)で異なる図柄のリーチに変更するとよい。