JP5253765B2 - ダイシング切削水用添加剤及びそれを使用した切削加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、硬質板状物のダイシングで発生する切削屑が、該硬質板状物へ付着することを防止することのできるダイシング切削水用添加剤、該添加剤を含むダイシング切削用水溶液及びそれを用いた硬質板状物の切削加工方法に関する。
従来、複数の素子単位を構成する回路パターンを形成した半導体ウェハー等の硬質板状物を、ダイシング用テープ等で接着固定したのち、それをダイヤモンド砥粒が含まれたブレードが取り付けられたダイシング装置にて素子単位にダイシング(個片化)して半導体チップとする方法が知られている。かかる方法は、手作業等によるカッティングでは形成が困難な小さいチップでも容易に、かつ効率的に形成できる利点があるが、ダイシング時の切削箇所に水を供給してブレードの冷却や切削屑の除去等を行う必要がある。しかし、水を使用して切削屑の除去を行っても、全ての切削屑を取り除くのは難しく、除去できなかった切削屑が半導体チップに付着し、電極配線の接合不良やチップへの損傷、また撮像素子において機能を低下させることがあった。
そこで、切削屑を効率よく除去するために、ダイシング装置の改良や切削水の噴射方法等を改良することが考えられてきた(例えば、特許文献1,2を参照)。しかし、こうした方法でも半導体ウェハー等の硬質板状物上の切削屑を完全に除去することはできなかった。
特開平10−092772号公報 特開平11−008211号公報
従って、本発明が解決しようとする課題は、ダイシング時の切削屑の付着を防止できる切削水用添加剤を提供することにある。
そこで本発明者等鋭意検討し、特定の構造を持ったポリマーを添加した切削水用添加剤を用いることで、ダイシング時の切削屑の付着を防止できることを見出し、本発明に至った。即ち、本発明は、水に不溶な成分を0.1質量%以上含有せず、下記一般式(1)で表される単量体ユニットを50質量%以上有する、重量平均分子量40,000〜160,000のポリマーを0.001〜50質量%及び発泡剤を、該ポリマー10質量部に対して、1〜100質量部含有することを特徴とするダイシング切削水用添加剤である。
Figure 0005253765
(式中、R〜Rはそれぞれ水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を表す。)
本発明の効果は、硬質板状物上に切削屑の付着を防止できるダイシング切削水用添加剤、それを含有したダイシング用切削水溶液およびその水溶液を用いた硬質板状物の切削加工方法を提供したことにある。
本発明に使用できるポリマーは、一般式(1)で表される単量体ユニットを50質量%以上有するポリマーであればよい。一般式(1)のR〜Rはそれぞれ水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を表し、こうした炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ターシャリブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ペンテニル基、イソペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基等のアルケニル基;フェニル基、トルイル基、キシリル基等のアリール基が挙げられる。これらの中でも、ダイシング加工時の切削屑の除去効果が高く、経済的に有利なことから、R〜Rは水素原子やアルキル基が好ましく、全て水素原子であることがより好ましい。R〜Rの全てが水素原子である単量体ユニットを100質量%含有するポリマーは、通常ポリビニルピロリドン(PVP)と呼ばれ、下記一般式(2)で表されるモノマー(R〜Rの全てが水素原子)を重合することによって得ることができる。
Figure 0005253765
また、単量体ユニットが50質量%以上100質量%未満のポリマーは、一般式(2)で表されるモノマーと1種または2種以上のビニル基を持つ他のモノマーとを共重合することによって得ることができる。該他のモノマーとしては一般式(2)で表されるモノマーと共重合するものであれば特に指定されず、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、ビニルカルバゾール、塩化ビニリデン、ブタジエン、ビニルアセテート、ビニルイミダゾール、ビニルカプトラクタム等が挙げられる。これら他のモノマーの中でも、ダイシング加工時の切削屑の除去効果が高いことから、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン、ビニルアセテート、ビニルイミダゾール、ビニルカプトラクタムが好ましく、ビニルアセテート、ビニルイミダゾール、ビニルカプトラクタムがより好ましい。
また、上記のホモポリマー及びコポリマーの中でも、ダイシング加工時の切り屑の除去効果が高いことから、本発明に使用するポリマーとしては、一般式(1)で表される単量体ユニットが70質量%以上のポリマーが好ましく、90質量%以上のポリマーがより好ましく、ホモポリマーであるポリビニルピロリドンが最も好ましい。
上記に挙げたホモポリマー及びコポリマーは、単独で使用しても、2種類以上を混合して使用してもよいが、それらのポリマーの分子量は、重量平均分子量5,000〜1,000,000が好ましく、10,000〜500,000がより好ましく、50,000〜400,000が更に好ましい。重量平均分子量が5,000未満であると、ダイシング加工時の切削屑が効果的に除去できない場合があり、1,000,000より大きいと溶液の粘度が増粘して加工時の取り扱いが困難になる場合や、分離やゲル化等を生じて製品の安定性が不十分になる場合がある。
本発明のダイシング切削水用添加剤は上記ポリマーを含む水溶液であるが、水に不溶な成分を0.1質量%以上含有してはならない。水に不溶な成分とは一般的に非水溶性の物質であり、更に詳しくは水に対する溶解度が0.1質量%以下のものである。こうした水に不溶な成分としては、例えば、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ポリエチレン、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂及びこれらの樹脂が任意の割合で配合された混合樹脂等の合成樹脂;ポリ-α-オレフィン、エチレン-α-オレフィン共重合体、ポリブテン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ポリアルキレングリコール、ポリフェニルエーテル、アルキル置換ジフェニルエーテル、ポリオールエステル、二塩基酸エステル、炭酸エステル、シリコーン油、フッ素化油等の合成油;パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油等の鉱油;ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ペンタン等の炭化水素系溶剤;トリクロロエタン、ジクロロメタン等のハロゲン系溶剤;更に、下記に挙げる金属分の中で、酸化カルシウムや酸化鉄、シリカ等の水に不溶な金属含有物質が挙げられる。
また本発明のダイシング切削水用添加剤には、更に金属分が含有されないことが好ましい。金属分とは、金属そのものや金属酸化物や金属塩化物等の他の元素と反応した金属のことである。これらの金属分としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;マグネシウム、カルシウム、バリウム等のアルカリ土類金属;チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛等の遷移金属元素;アルミニウム、ガリウム、鉛等の典型金属元素;その他の元素として珪素、リン;及びこれら金属の酸化物、塩化物、炭化物、窒化物、炭窒化物、オキシ窒化物及びホウ化物等が挙げられる。
水に不溶な成分が組成物全体に対して0.1質量%以上含有すると、それらの不溶物が加工する硬質板状物を傷つけたり、硬質板状物上に残って切り取った半導体チップに不具合を与えたりするため、水に不溶な成分はなるべく少ない方がよく、0.05質量%以下が好ましく、0.01質量%以下がより好ましく、0.005質量%以下が更に好ましく、実質含有していないことが最も好ましい。また金属分については、水に不溶な金属分を含有させると上記理由により板状物に対して悪影響を与えるが、水に可溶なものであっても硬質板状物に悪影響を与える場合があり、金属分としては組成物全体に対して0.1質量%以下が好ましく、0.01質量%以下がより好ましく、0.005質量%以下が更に好ましく、実質含有していないことが最も好ましい。
本発明のダイシング切削水用添加剤は、固形分が0.001〜50質量%の濃度であるが、輸送等で移動させる場合は、あまりに薄い濃度であると経済的に不利になるため、1〜50質量%の高濃度にすることが好ましく、3〜45質量%がより好ましく、5〜40質量%が更に好ましい。50質量%より濃度が濃くなると製品の安定性が悪くなり、ゲル化や分離等が起こる場合がある。
本発明のダイシング用切削水溶液は、本発明のダイシング切削水用添加剤を水で希釈したものであるが、固形分が0.0001〜1質量%になるように希釈するのが好ましく、0.001〜0.5質量%がより好ましく、0.001〜0.1質量%が更に好ましい。1質量%より濃い濃度で使用すると、経済的に不利になる場合や、硬質板状物上に微量のポリマーが残存して悪影響を与える場合があり、0.0001質量%未満であると効果が現れない場合がある。なお、本発明のダイシング切削水用添加剤の濃度が低く、本発明のダイシング用切削水溶液の好ましい濃度の範囲内である場合は、本発明のダイシング切削水用添加剤をそのまま本発明のダイシング用切削水溶液として使用することもできる。
ここで本発明のダイシング用切削水溶液の効果について簡単に説明する。シリコンウェハー等の硬質板状物を切削する方法の一つとして、ダイヤモンドソー等により切断する方法があるが、こうした切削において切削屑は必ず発生する。このような切削屑は切削時に水を供給することにより、切削している板状物上から水の力で押し出して除去するが、切削屑はシリコンやガラス、その他金属等の比重の高い物質である場合が多いため、供給する水だけで完全に除去することはできず、硬質板状物上に留まって電極配線の接合不良やチップに損傷を与え、半導体チップの歩留まりが悪くなるという問題が発生している。本発明のダイシング用切削水溶液は、硬質板状物上に親水性の皮膜を形成して切削屑を付着しづらくすると共に、供給する水に微細な泡を発生させ、その泡で切削屑を包み込んだり、泡の上に切削屑を載せたりして、切削屑を効率的に硬質板状物上から排出するものである。本発明のダイシング用切削水溶液をポンプ等で切削面に供給すると、切削屑を除去するに適度な大きさと硬さの泡が発生するが、更に発泡剤を添加すると泡の安定化や微細化がなされ、切削屑の除去効率が高くなる。よって本発明のダイシング切削水用添加剤には、更に発泡剤を添加することが好ましい。
発泡剤としては、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等の界面活性剤を使用することができる。アニオン界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、硫化オレフィン塩、高級アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、硫酸化脂肪酸塩、スルホン化脂肪酸塩、リン酸エステル塩、脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、グリセライド硫酸エステル塩、脂肪酸エステルのスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド、脂肪酸アルカノールアミド又はそのアルキレンオキサイド付加物の硫酸エステル塩、スルホコハク酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルベンゾイミダゾールスルホン酸塩、ポリオキシアルキレンスルホコハク酸塩、N−アシル−N−メチルタウリンの塩、N−アシルグルタミン酸又はその塩、アシルオキシエタンスルホン酸塩、アルコキシエタンスルホン酸塩、N−アシル−β−アラニン又はその塩、N−アシル−N−カルボキシエチルタウリン又はその塩、N−アシル−N−カルボキシメチルグリシン又はその塩、アシル乳酸塩、N−アシルサルコシン塩、及びアルキル又はアルケニルアミノカルボキシメチル硫酸塩等が挙げられる。なお、上記のアニオン界面活性剤の塩としては、アンモニウム塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの付加形態は、ランダム状、ブロック状の何れでもよい。)、ポリエチレングリコールプロピレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、グリセリン脂肪酸エステル又はそのエチレンオキサイド付加物、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド、脂肪酸モノエタノールアミド又はそのエチレンオキサイド付加物、脂肪酸−N−メチルモノエタノールアミド又はそのエチレンオキサイド付加物、脂肪酸ジエタノールアミド又はそのエチレンオキサイド付加物、ショ糖脂肪酸エステル、アルキル(ポリ)グリセリンエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸メチルエステルエトキシレート、N−長鎖アルキルジメチルアミンオキサイド等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキル(アルケニル)トリメチルアンモニウム塩、ジアルキル(アルケニル)ジメチルアンモニウム塩、アルキル(アルケニル)四級アンモニウム塩、エーテル基或いはエステル基或いはアミド基を含有するモノ或いはジアルキル(アルケニル)四級アンモニウム塩、アルキル(アルケニル)ピリジニウム塩、アルキル(アルケニル)ジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキル(アルケニル)イソキノリニウム塩、ジアルキル(アルケニル)モルホニウム塩、ポリオキシエチレンアルキル(アルケニル)アミン、アルキル(アルケニル)アミン塩、ポリアミン脂肪酸誘導体、アミルアルコール脂肪酸誘導体、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、カルボキシベタイン、スルホベタイン、ホスホベタイン、アミドアミノ酸、イミダゾリニウムベタイン系界面活性剤等が挙げられる。
これらの界面活性剤の中でも、泡の大きさや硬さを最適な状態にコントロールしやすいことから、ノニオン界面活性剤を使用することが好ましく、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、脂肪酸モノエタノールアミド又はそのエチレンオキサイド付加物、脂肪酸−N−メチルモノエタノールアミド又はそのエチレンオキサイド付加物、脂肪酸ジエタノールアミド又はそのエチレンオキサイド付加物を使用することがより好ましく、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルを使用することが更に好ましく、炭素数8〜18のアルコールにエチレンオキシドを付加したポリオキシエチレンアルキルエーテル、又は炭素数8〜18のアルコールにエチレンオキシド及びプロピレンオキシドを付加(ブロック又はランダム付加)したポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルを使用することが最も好ましい。
発泡剤の配合量は、本発明に使用できるポリマー10質量部に対して、1〜100質量部になるように配合すればよいが、好ましくは1〜50質量部、より好ましくは2〜20質量部になるように配合すればよい。
本発明のダイシング切削水用添加剤には、その加工性や泡立ちの度合いを著しく低下させず、水に0.1質量%以上溶解するものであれば、一般的な加工油剤に添加できる種々の添加剤の1種または2種以上を必要に応じて加えることができる。このような添加剤としては、例えば、一般的な加工油に添加されている公知の防錆剤、消泡剤、防腐剤、防食剤、及び着色剤等が挙げられる。これらの添加剤の添加量は一般的な加工油に添加されている添加量でよいが、金属を含有するものや水に難溶であるものは、できるかぎり使用を避けることが好ましい。
本発明の硬質板状物の切削加工方法とは、本発明のダイシング用切削溶液を使用して、硬質板状物を切削加工する方法である。硬質板状物とは、金属やガラス、セラミックス等の硬質材料からなる板状材料であり、特に切削屑による阻害を受けやすい半導体ウェハーや電子部品材料が好ましい。こうした半導体ウェハーや電子部品材料の具体的な例としては、例えば、シリコンウェハー、ガラス製基板、セラミックス製基板、サファイア基板、LT(リチウムタンタレート)基板、LN(リチウムナイオベート)基板、QFNパッケージを含む樹脂基板、化合物半導体等の板状の形成材料が挙げられ、これらの材料から形成される製品としては、例えば、CCD/CMOSイメージセンサ、MEMS、SAWフィルター、コンデンサ、CSP等が挙げられる。
これらの硬質板状物の切削加工方法は、切削水を使用する公知のダイシング方法であればいずれの方法でもよく、好ましくは切削水を使用するダイシング装置で硬質板状物を切削する方法であり、通常純水を使用する切削水を本発明のダイシング用切削水溶液に置き換えればよい。また、本発明のダイシング用切削水溶液の供給量や液温、切削の加工速度等の条件は、従来のダイシング装置の条件に合わせて適宜調整すればよい。
以下本発明を実施例により、具体的に説明する。尚、以下の実施例等において%及びppmは特に記載が無い限り質量基準である。
下記の表1に示した配合に従って、試験用のダイシング切削水用添加剤を製造し、株式会社ディスコ製のダイシング装置「DFD6340」に供給する切削水として使用した。供給方法は切削水供給ラインにつながる純水配管の途中にインジェクタよって切削水用添加剤を一定量注入し、切削水の固形分濃度が100ppmとなる溶液を用いたが、タンクを備えた切削水供給装置からの供給でもかまわない。供給された切削溶液は、ダイシング加工点に各種ノズルの合計として毎分4リットルが加工中および加工前後に供給された。直径200mm、表面にポリイミドの薄膜を塗布された厚さ0.7mmのシリコンウェハーをダイシングテープに貼着し、毎分30,000回転で回転する#2000メッシュの刃厚35〜40umの切削ブレードにて5mm角サイズに完全に切断した。切断されたウェハーは自動搬送にて洗浄ステージに運ばれ、そこで純水と圧縮気体との混合水にて30秒ほどスピン洗浄され、同じく30秒ほどスピン乾燥される。その結果得られたウェハーの表面をファースト社のパーティクルカウンタ「汎用画像処理装置:FV3000-W2K」にて、一定面積のウェハー表面に付着した異物の数を自動でカウントした。純水で洗浄したとき(比較例2)の異物の数を基準(指標=100)とし、他の切削水用添加剤(試験切削水用添加剤)で洗浄したときの異物の数は下記の式を使って指標化した。数字が小さいほど異物の数が少なく、良好な切削水用添加剤であるといえる。結果を表1に示した。
指標=試験切削水用添加剤での洗浄の異物の数/純水での洗浄での異物の数
<試験化合物>
ポリマー1:ポリビニルピロリドン(重量平均分子量40,000)
ポリマー2:ポリビニルピロリドン(重量平均分子量160,000)
ポリマー3:ビニルピロリドン/ビニルアセテート=6/4(モル比)のランダムポリマー(重量平均分子量60,000)
ポリマー4:ポリアクリル酸アンモニウム塩(重量平均分子量4000)
界面活性剤1:ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド
界面活性剤2:ポリオキシエチレン(8)ラウリルエーテル
界面活性剤3:ポリオキシエチレン(6)ポリオキシプロピレン(2)トリデシルエーテル
Figure 0005253765
本結果によると、一般的に用いられる純水のみで加工した場合のウェハーと比較して、本発明の切削水用添加剤を使用すると異物の数が大幅に減少することが確認された。これは、上記切削水用添加剤により加工中のウェハー表面が高い親水性液にて被覆され、異物がウェハー表面に乾燥付着しにくい状況であることを表している。また、一般的な親水性ポリマーであるポリアクリル酸アンモニウム塩を使用した場合は、本発明の切削液ほどの効果は発揮されなかった。

Claims (8)

  1. 水に不溶な成分を0.1質量%以上含有せず、下記一般式(1)で表される単量体ユニットを50質量%以上有する、重量平均分子量40,000〜160,000のポリマーを0.001〜50質量%及び発泡剤を、該ポリマー10質量部に対して、1〜100質量部含有することを特徴とするダイシング切削水用添加剤。
    Figure 0005253765
    (式中、R〜Rはそれぞれ水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を表す。)
  2. 一般式(1)で表される単量体ユニットのR〜Rが全て水素原子であることを特徴とする、請求項1に記載のダイシング切削水用添加剤。
  3. 前記ポリマーが、一般式(1)で表される単量体ユニットからなることを特徴とする、請求項1または2に記載のダイシング切削水用添加剤。
  4. 前記ポリマーが、一般式(2)で表されるモノマーと、一般式(2)を除くエチレン基含有モノマーから選ばれる1種または2種以上の化合物との共重合物であることを特徴とする請求項1または2に記載のダイシング切削水用添加剤。
    Figure 0005253765
    (式中、R〜Rはそれぞれ水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を表す。)
  5. 前記一般式(2)を除くエチレン基含有モノマーが、ビニルアセテート、ビニルイミダゾール、ビニルカプトラクタムのいずれかであることを特徴とする請求項に記載のダイシング切削水用添加剤。
  6. 更に、金属分を0.1質量%以上含有しないことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のダイシング切削水用添加剤。
  7. 請求項1〜に記載のいずれか一項に記載のダイシング切削水用添加剤を、固形分が0.0001〜1質量%になるように水で希釈することによって得られるダイシング用切削水溶液。
  8. 請求項に記載のダイシング用切削水溶液を用いて、硬質板状物の切削加工を行うことを特徴とする切削加工方法。
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