JP5252134B2 - 二次電池電極形成用水性組成物、二次電池用電極、及び二次電池 - Google Patents
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Description
アニオン性分散剤(A)が、アニオン性部位としてカルボン酸もしくはスルホン酸の少なくとも一方を有し、酸価が100〜600mgKOH/gであり、水酸基価が0〜400mgKOH/gであり、重量平均分子量が5000以上である、二次電池電極形成用水性組成物。
芳香環を有するエチレン性不飽和単量体(a1):10〜80重量%
カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(a2):20〜75重量%
前記(a1)〜(a2)以外のエチレン性不飽和単量体(a3):0〜70重量%
(但し、前記(a1)〜(a3)の合計を100重量%とする。)
(C1)単官能または多官能アルコキシシリル基を有するエチレン性不飽和単量体(c1)、および1分子中に2つ以上のエチレン性不飽和基を有する単量体(c2)からなる群より選ばれる少なくとも1つの単量体:0.1〜5重量%
(C2)前記単量体(c1)〜(c2)以外のエチレン性不飽和単量体(c3):95〜99.9重量%
(但し、前記(c1)〜(c3)の合計を100重量%とする。)
単官能または多官能エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体(c4)、単官能または多官能アミド基を有するエチレン性不飽和単量体(c5)、および単官能または多官能水酸基を有するエチレン性不飽和単量体(c6)からなる群より選ばれる少なくとも1つの単量体:0.1〜20重量%
前記単量体(c1)、(c2)、(c4)〜(c6)以外のエチレン性不飽和単量体(c7):75〜99.8重量%
(但し、前記(c1)〜(c3)の合計を100重量%とする。)
炭素数8〜18のアルキル基を有するエチレン性不飽和単量体(c8)、および環状構造を有するエチレン性不飽和単量体(c9)からなる群より選ばれる少なくとも1つの単量体:30〜95重量%
前記(c1)〜(c6)、(c8)、(c9)以外のエチレン性不飽和単量体:0〜69.8重量%
(但し、前記(c1)〜(c3)の合計を100重量%とする。)
まず本発明におけるアニオン性分散剤(A)について説明する。以下、分散剤(A)と表記する場合がある。本発明におけるアニオン性分散剤(A)は、アニオン性部位としてカルボン酸もしくはスルホン酸の少なくとも一方を有し、酸価が100〜600mgKOH/gであり、水酸基価が0〜400mgKOH/gであり、重量平均分子量が5000以上である、樹脂型分散剤である。
芳香環を有するエチレン性不飽和単量体(a1)としては、芳香環を有する単量体であれば特に限定されないが、スチレン、α−メチルスチレンもしくはベンジル(メタ)アクリレートを例示することができる。
カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(a2)は、カルボキシル基を有する単量体であれば特に限定されないが、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、または、これらのアルキルもしくはアルケニルモノエステル、フタル酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、イソフタル酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、テレフタル酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、コハク酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、けい皮酸等を例示することができる。特にメタクリル酸、アクリル酸が好ましい。
次に、前記(a1)〜(a2)以外のその他の単量体(a3)について説明する。
(メタ)アクリレート系化合物としては、アルキル系(メタ)アクリレート、アルキレングリコール系(メタ)アクリレートがある。
本発明で用いられるアニオン性分散剤(A)中の共重合体を構成するエチレン性不飽和単量体の比率は、単量体(a1)〜(a3)の合計を100重量%とした場合に、
芳香環を有するエチレン性不飽和単量体(a1)が10〜80重量%、
カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(a2)が20〜75重量%、
前記(a1)〜(a2)以外のその他の単量体(a3)が0〜70重量%であることが好ましい。
更に好ましくは、
芳香環を有するエチレン性不飽和単量体(a1)が10〜60重量%、
カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(a2)が40〜75重量%、
前記(a1)〜(a2)以外のその他の単量体(a3)が0〜50重量%である。
アニオン性分散剤(A)は、カルボキシル基もしくはスルホン酸基を有する単量体を重合もしくは縮合して製造されるが、アニオン性分散剤(A)の分子全体におけるアニオン性官能基を有する単量体の構成比率を酸価で表すと下記のようであることが好ましい。即ち、使用するアニオン性分散剤(A)の酸価が、100mgKOH/g以上600mgKOH/g以下の範囲であることが好ましく、更には300mgKOH/g以上600mgKOH/g以下の範囲であることが好ましい。
アニオン性分散剤(A)の水酸基価は、0mgKOH/g以上400mgKOH/g以下であることが望ましく、更には、0mgKOH/g以上250mgKOH/g以下であることが好ましい。水酸基価が400mgKOH/g以上であると、水媒体中での分子間の相互作用が強くなり、分散剤溶液の粘度が必要以上高くなるため、導電性炭素または活物質の分散性が悪化する場合がある。
アニオン性分散剤(A)の重量平均分子量は5000以上が好ましい。更に好ましくは30000以上である。また、その上限値は1500000以下が好ましく、800000以下がさらに好ましい。重量平均分子量が5000未満の場合、電極活物質もしくは導電助剤である炭素材料の分散不良を引き起こす可能性があり、30000未満の場合、電解液溶出性の悪化を引き起こす可能性がある。
アニオン性分散剤(A)は、種々の製造方法で得ることができる。例えば、上記単量体(a1)〜(a3)を、水と共沸し得る有機溶剤中で重合する。その後、水に代表される水性液状媒体と中和剤とを加えてスルホン酸基またはカルボキシル基の少なくとも一部を中和し、共沸可能な溶剤を留去して、アニオン性分散剤(A)の水溶液ないし水性分散液を得ることができる。
アニオン系分散剤には中和剤を添加することもできる。アニオン性分散剤の酸性官能基の一部若しくは全部を中和することで、酸性官能基の塩は水媒体中で解離しやすくなり、より電荷を帯びやすくなる。そのため、中和したアニオン性分散剤が吸着した導電性炭素表面、正負極活物質表面は電荷を帯び、その反発によりさらに分散性が向上する。
芳香環を有するエチレン性不飽和単量体(a1)由来の芳香環が、後述する活物質や炭素材料への主たる吸着部位となると推測している。他の単量体に含まれるカルボキシル基やスルホン酸基は、分散剤樹脂もしくはその中和物を水性液状媒体に溶解ないし分散させる機能を担うものと思われる。そして、活物質や炭素材料に、芳香環を介して分散剤樹脂が作用(例えば吸着)し、中和されることで、イオン化されたカルボキシル基やスルホン酸基の電荷反発により、活物質や炭素材料の水性液状媒体中における分散状態を安定に保つことができるようになるものと考察される。
セルロース系増粘剤(B)としては、特に限定はされないが、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、エチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)、ヒドロキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシアルキルメチルセルロース等が挙げられる。
分散剤(A)の効果のひとつとして、添加した分散剤(A)が炭素材料表面、活物質材料表面に作用(例えば吸着)することにより、炭素材料表面および活物質材料表面の溶剤に対する濡れが促進され、炭素材料や活物質材料の凝集を解して、分散状態やレオロジー特性を改善するものと考えられる。
次に、バインダー組成物(C)について説明する。本発明では、架橋型樹脂微粒子を含むことが好ましい。架橋型樹脂微粒子とは、内部架橋構造(三次元架橋構造)を有する樹脂微粒子を示し、粒子内部で架橋していることが重要である。架橋型樹脂微粒子が架橋構造をとることにより耐電解液溶出性を向上させることができ、粒子内部の架橋を調整することでその効果を高めることができる。また、架橋型樹脂微粒子が特定の官能基を含有することにより、集電体、または電極との密着性に寄与することができる。さらには架橋構造や官能基の量を調整することで、可とう性に優れた二次電池電極形成用組成物を得ることができる。また、さらに架橋剤を添加し、粒子同士の架橋(粒子間架橋)を利用することでバインダーの可とう性を調整することもできる。この場合は、架橋剤成分の電解液への漏出や電極作製時のバラツキが生じる場合もあるため、架橋剤は耐電解液性を損なわない程度に用いる必要がある。
(C2)前記単量体(c1)〜(c2)以外のエチレン性不飽和単量体(c3):95〜99.9重量%
(但し、前記(c1)〜(c3)の合計を100重量%とする。)
単量体群(C1)に含まれる単量体の有する官能基(アルコキシシリル基、エチレン性不飽和基)は、自己架橋型反応性官能基であり、主に粒子合成中における粒子内部架橋を形成する効果がある。粒子の内部架橋を十分に行うことで、耐電解液性を向上させることができる。したがって、単量体群(C1)に含まれる単量体を使用することで架橋型樹脂微粒子とすることができる。また、粒子架橋を十分に行うことで、耐電解液性を向上させることができる。
バインダー組成物に用いる架橋型樹脂微粒子は、上述した単量体(c1)及び単量体(c2)に加えて、単量体群(C2)として、単量体(c1)及び(c2)以外の、エチレン性不飽和基を有する単量体(c3)を同時に乳化重合することで得ることができる。
架橋型樹脂微粒子は、従来既知の乳化重合方法により合成することができる。
乳化重合の際に用いられる乳化剤としては、エチレン性不飽和基を有する反応性乳化剤やエチレン性不飽和基を有しない非反応性乳化剤など、従来公知のものを任意に使用することができる。
乳化重合に際して用いられる水性媒体としては、水があげられ、親水性の有機溶剤も本発明の目的を損なわない範囲で使用することができる。
重合開始剤としては、ラジカル重合を開始する能力を有するものであれば特に制限はなく、公知の油溶性重合開始剤や水溶性重合開始剤を使用することができる。
なお、重合開始剤によらずとも、光化学反応や、放射線照射などによっても重合を行うことができる。重合温度は各重合開始剤の重合開始温度以上とする。例えば、過酸化物系重合開始剤では、通常70℃程度とすればよい。重合時間は特に制限されないが、通常2〜24時間である。
さらに必要に応じて、緩衝剤として、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、重炭酸ナトリウムなどが、また、連鎖移動剤としてのオクチルメルカプタン、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、チオグリコール酸オクチル、ステアリルメルカプタン、ラウリルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン類が適量使用できる。
また、架橋型樹脂微粒子のガラス転移温度(以下、Tgともいう)は、−30〜70℃が好ましく、−20〜30℃がさらに好ましい。Tgが−30℃未満の場合、バインダーが過度に電極活物質を覆い、インピーダンスが高くなりやすい。また、Tgが70℃を超えると、バインダーの柔軟性、粘着性が乏しくなり、電極活物質の集電材への接着性、電極の成形性が劣る場合がある。なお、ガラス転移温度は、DSC(示差走査熱量計)を用いて求めた値である。
また、架橋型樹脂微粒子の粒子構造を多層構造、いわゆるコアシェル粒子にすることもできる。例えば、コア部、またはシェル部に官能基を有する単量体を主に重合させた樹脂を局在化させたり、コアとシェルによってTgや組成に差を設けたりすることにより、硬化性、乾燥性、成膜性、バインダーの機械強度を向上させることができる。
架橋型樹脂微粒子の平均粒子径は、電極活物質の結着性や粒子の安定性の点から、10〜500nmであることが好ましく、30〜250nmであることがより好ましい。また、1μmを超えるような粗大粒子が多く含有されるようになると粒子の安定性が損なわれるので、1μmを超える粗大粒子は多くとも5重量%以下であることが好ましい。なお、平均粒子径とは、体積平均粒子径のことを表し、動的光散乱法により測定できる。
バインダー組成物は、架橋型樹脂微粒子に加えて、さらに、未架橋のエポキシ基含有化合物、未架橋のアミド基含有化合物、未架橋の水酸基含有化合物、および未架橋のオキサゾリン基含有化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの未架橋の化合物(D)[以下、化合物(D)と表記する場合がある]とを含むことが好ましい。
未架橋のエポキシ基含有化合物としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有エチレン性不飽和単量体;前記エポキシ基含有エチレン性不飽和単量体を含むエチレン性不飽和単量体を重合して得られるラジカル重合系樹脂;エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、1,3−ビス(N,N’−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンなどの多官能エポキシ化合物;ビスフェノールA−エピクロロヒドリン型エポキシ樹脂、ビスフェノールF−エピクロロヒドリン型エポキシ樹脂などのエポキシ系樹脂などがあげられる。
未架橋のアミド基含有化合物としては、例えば、(メタ)アクリルアミドなどの第一アミド基含有化合物;N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジ(メチロール)アクリルアミド、N−メチロール−N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどのアルキロール(メタ)アクリルアミド系化合物;N−メトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−プロポキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−ペントキシメチル−(メタ)アクリルアミドなどのモノアルコキシ(メタ)アクリルアミド系化合物;N,N−ジ(メトキシメチル)アクリルアミド、N−エトキシメチル−N−メトキシメチルメタアクリルアミド、N,N−ジ(エトキシメチル)アクリルアミド、N−エトキシメチル−N−プロポキシメチルメタアクリルアミド、N,N−ジ(プロポキシメチル)アクリルアミド、N−ブトキシメチル−N−(プロポキシメチル)メタアクリルアミド、N,N−ジ(ブトキシメチル)アクリルアミド、N−ブトキシメチル−N−(メトキシメチル)メタアクリルアミド、N,N−ジ(ペントキシメチル)アクリルアミド、N−メトキシメチル−N−(ペントキシメチル)メタアクリルアミドなどのジアルコキシ(メタ)アクリルアミド系化合物;N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピルアクリルアミドなどのジアルキルアミノ(メタ)アクリルアミド系化合物;N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミドなどのジアルキル(メタ)アクリルアミド系化合物;ダイアセトン(メタ)アクリルアミドなどのケト基含有(メタ)アクリルアミド系化合物など、以上のアミド基含有エチレン性不飽和単量体;前記アミド基含有エチレン性不飽和単量体を含むエチレン性不飽和単量体を重合して得られるラジカル重合系樹脂などがあげられる。
未架橋の水酸基含有化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート4−ヒドロキシビニルベンゼン、1−エチニル−1−シクロヘキサノール、アリルアルコールなどの水酸基含有エチレン性不飽和単量体;前記水酸基含有エチレン性不飽和単量体を含むエチレン性不飽和単量体を重合して得られるラジカル重合系樹脂;エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどの直鎖脂肪族ジオール類;プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオールなどの分岐鎖脂肪族ジオール類;1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンなどの環状ジオール類などがあげられる。
未架橋のオキサゾリン基含有化合物としては、例えば、2’−メチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−エチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−エチレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−プロピレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−テトラメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−ヘキサメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−オクタメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(4−フェニル−2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレンビス(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレンビス(4−フェニレンビス−2−オキサゾリン)、2,2’−o−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−o−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4−エチル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4−フェニル−2−オキサゾリン)、さらにはオキサゾリン基含有ラジカル重合系樹脂などがあげられる。
化合物(D)は、バインダー組成物(例として架橋型樹脂微粒子)の固形分100重量部に対して0.1〜50重量部添加するのが好ましく、5〜40重量部添加するのがさらに好ましい。化合物(D)の添加量が0.1重量部未満であると、集電体への密着性に寄与する官能基の量が少なくなり、集電体への密着性向上に十分寄与できない場合がある。また、50重量部を超えると、化合物(D)の電解液への漏出など、バインダー性能への悪影響を起こす場合がある。さらに、化合物(D)は2種類以上併用することも可能である。
本発明の二次電池電極形成用水性組成物は、合材インキや下地層形成用組成物として使用できる。まず、電極形成用組成物の好適な態様の1つである活物質を必須とする合材インキについて説明する。合材インキは、正極合材インキまたは負極合材インキがあり、合材インキは、電極活物質と、バインダー組成物(C)と、分散剤(A)と、水性液状媒体(E)からなり、さらに増粘剤、導電助剤である炭素材料を含有させることができる。
リチウムイオン二次電池用の正極活物質としては、特に限定はされないが、リチウムイオンをドーピングまたはインターカレーション可能な金属酸化物、金属硫化物等の金属化合物、および導電性高分子等を使用することができる。例えば、Fe、Co、Ni、Mn等の遷移金属の酸化物、リチウムとの複合酸化物、遷移金属硫化物等の無機化合物等が挙げられる。具体的には、MnO、V2O5、V6O13、TiO2等の遷移金属酸化物粉末、層状構造のニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、スピネル構造のマンガン酸リチウムなどのリチウムと遷移金属との複合酸化物粉末、オリビン構造のリン酸化合物であるリン酸鉄リチウム系材料、TiS2、FeSなどの遷移金属硫化物粉末等が挙げられる。また、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性高分子を使用することもできる。また、上記の無機化合物や有機化合物を混合して用いてもよい。
合材インキは、形成される電極の導電性をより高めるために、炭素材料を含有することが好ましい。炭素材料としては、導電性を有する炭素材料であれば特に限定されるものではないが、グラファイト、カーボンブラック、導電性炭素繊維(カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンファイバー)、フラーレン等を単独で、もしくは2種類以上併せて使用することができる。導電性、入手の容易さ、およびコスト面から、カーボンブラックの使用が好ましい。
水性液状媒体(E)としては、水を使用することが好ましいが、必要に応じて、例えば、集電体への塗工性向上のために、水と相溶する液状媒体を使用しても良い。水と相溶する液状媒体としては、アルコール類、グリコール類、セロソルブ類、アミノアルコール類、アミン類、ケトン類、カルボン酸アミド類、リン酸アミド類、スルホキシド類、カルボン酸エステル類、リン酸エステル類、エーテル類、ニトリル類等が挙げられ、水と相溶する範囲で使用しても良い。
さらに、合材インキには、成膜助剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、pH調整剤、粘性調整剤などを必要に応じて配合できる。
塗工方法によるが、固形分30〜90重量%の範囲で、合材インキの粘度は100mPa・s以上、30,000mPa・s以下とするのが好ましい。また、塗工可能な粘度範囲内において、活物質はできるだけ多く含まれることが好ましく、例えば、合材インキ固形分に占める活物質の割合は、80重量%以上、99重量%以下が好ましい。また、合材インキ固形分に占める分散剤(A)の割合は、0.1〜15重量%であることが好ましい。炭素材料を含む場合、合材インキ固形分に占める炭素材料の割合は、0.1〜15重量%であることが好ましい。
合材インキは、種々の方法で得ることができる。ただし、炭素材料の使用は任意である。例えば、
(4−1) 活物質と分散剤(A)と水性液状媒体(E)とを含有する活物質の水性分散体を得た後、該水性分散体に炭素材料と架橋型樹脂微粒子を含むバインダー組成物(C)とを加え、合材インキを得ることができる。この場合、炭素材料と架橋型樹脂微粒子を含むバインダー組成物(C)は、同時に加えることもできるし、炭素材料を加えた後、バインダーを加えてもよいし、その逆であってもよい。
(4−2) 炭素材料と分散剤(A)と水性液状媒体(E)と含有する導電助剤の水性分散体を得た後、該水性分散体に活物質と架橋型樹脂微粒子を含むバインダー組成物(C)とを加え、合材インキを得ることができる。この場合、活物質とバインダー同時に加えることもできるし、活物質を加えた後、架橋型樹脂微粒子を含むバインダー組成物(C)を加えてもよいし、その逆であってもよい。
(4−3) 活物質と分散剤(A)と架橋型樹脂微粒子を含むバインダー組成物(C)と水性液状媒体(E)と含有する活物質の水性分散体を得た後、該水性分散体に炭素材料を加え、合材インキを得ることができる。
(4−4) 炭素材料と分散剤(A)と架橋型樹脂微粒子を含むバインダー組成物(C)と水性液状媒体(E)と含有する導電助剤の水性分散体を得た後、該水性分散体に活物質を加え、合材インキを得ることができる。
(4−5) 活物質と炭素材料と分散剤(A)と架橋型樹脂微粒子を含むバインダー組成物(C)と水性液状媒体(E)をほとんど同時に混合し、合材インキを得ることができる。
上記の工程で、セルロース系増粘剤(B)は、分散剤(A)と同時に加えても良いし、別に加えても良い。
合材インキを得る際に用いられる装置としては、顔料分散等に通常用いられている分散機、混合機が使用できる。例えば、ディスパー、ホモミキサー、若しくはプラネタリーミキサー等のミキサー類;エム・テクニック社製「クレアミックス」、若しくはPRIMIX社「フィルミックス」等のホモジナイザー類;ペイントコンディショナー(レッドデビル社製)、ボールミル、サンドミル(シンマルエンタープライゼス社製「ダイノミル」等)、アトライター、パールミル(アイリッヒ社製「DCPミル」等)、若しくはコボールミル等のメディア型分散機;湿式ジェットミル(ジーナス社製「ジーナスPY」、スギノマシン社製「スターバースト」、ナノマイザー社製「ナノマイザー」等)、エム・テクニック社製「クレアSS−5」、若しくは奈良機械社製「MICROS」等のメディアレス分散機;または、その他ロールミル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、分散機としては、分散機からの金属混入防止処理を施したものを用いることが好ましい。
下地層形成用組成物は、少なくとも導電助剤とバインダー組成物(C)と分散剤(A)と水性液状媒体(E)とを含有する。さらに、増粘剤(B)を使用することもできる。各成分については、合材インキの場合と同様である。
合材インキを、集電体上に塗工・乾燥し、合材層を形成し、二次電池用電極を作製することができる。あるいは、下地層形成用組成物を用いて集電体上に下地層を形成した後、該下地層上に、合材層を設けて、二次電池用電極を作製することもできる。下地層上に設ける合材層は、上記した合材インキ(1)〜(4)を用いて形成してもよいし、他の合材インキを用いて形成することもできる。
電極に使用する集電体の材質や形状は特に限定されず、各種二次電池にあったものを適宜選択することができる。例えば、集電体の材質としては、アルミニウム、銅、ニッケル、チタン、又はステンレス等の金属や合金が挙げられる。リチウムイオン電池の場合、特に正極材料としてはアルミニウムが、負極材料としては銅が、それぞれ好ましい。また、形状としては、一般的には平板上の箔が用いられるが、表面を粗面化したものや、多孔質の発泡状のもの、穴あき箔状のもの、及びメッシュ状の集電体も使用できる。
正極もしくは負極の少なくとも一方に上記の電極を用い、二次電池を作製することができる。二次電池としては、リチウムイオン二次電池の他、アルカリ二次電池、鉛蓄電池、ナトリウム硫黄二次電池、リチウム空気二次電池等が挙げられ、それぞれの二次電池で従来から知られている、電解液やセパレーター等を適宜用いることができる。
リチウムイオン二次電池の場合を例にとって説明する。電解液としては、リチウムを含んだ電解質を非水系の溶剤に溶解したものを用いる。電解質としては、LiBF4、LiClO4、LiPF6、LiAsF6、LiSbF6、LiCF3SO3、Li(CF3SO2)2N、LiC4F9SO3、Li(CF3SO2)3C、LiI、LiBr、LiCl、LiAlCl、LiHF2、LiSCN、又はLiBPh4等が挙げられるがこれらに限定されない。
セパレーターとしては、例えば、ポリエチレン不織布、ポリプロピレン不織布、ポリアミド不織布及びそれらに親水性処理を施したものが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
本発明の電極形成用組成物を用いたリチウムイオン二次電池の構造については特に限定されないが、通常、正極及び負極と、必要に応じて設けられるセパレーターとから構成され、ペーパー型、円筒型、ボタン型、積層型等、使用する目的に応じた種々の形状とすることができる。
(合成例1)アニオン性分散剤(A1−1)
ガス導入管、温度計、コンデンサー及び攪拌機を備えた反応容器に、ブタノール93.4部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を110℃に加熱して、2−エチルヘキシルアクリレート30.0部、アクリル酸70.0部及びV−601(和光純薬製)4.5部の混合物を2時間かけて滴下し、重合反応を行った。滴下終了後、さらに110℃で3時間反応させた後、V−601(和光純薬製)0.5部を添加し、さらに110℃で1時間反応を続けて、アニオン性分散剤(A1−1)の溶液を得た。アニオン性分散剤(A1−1)の重量平均分子量は約20000であった。
表1に示す配合組成で、合成例1と同様の方法により、アニオン性分散剤(A1−2)〜(A1−17)の水溶液ないし水性分散体を得た。
St :スチレン
BzMA:ベンジルメタクリレート
AA :アクリル酸
MAA :メタクリル酸メチル
HEMA:ヒドロキシエチルメタクリレート
MMA :メタクリル酸メチル
2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
BMA :メタクリル酸ブチル
[合成例18]
バインダー組成物(C1−4)
攪拌器、温度計、滴下ロート及び還流器を備えた反応容器に、イオン交換水40部と界面活性剤としてアデカリアソープSR−10(株式会社ADEKA製)0.2部とを仕込み、これに対して、別途、メチルメタクリレート48.5部、ブチルアクリレート50部、アクリル酸1部、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.5部、イオン交換水53部および界面活性剤としてアデカリアソープSR−10(株式会社ADEKA製)1.8部をあらかじめ混合しておいたプレエマルジョンのうちの1%をさらに加えた。内温を70℃に昇温し十分に窒素置換した後、過硫酸カリウムの5%水溶液10部の10%を添加し重合を開始した。反応系内を70℃で5分間保持した後、内温を70℃に保ちながらプレエマルジョンの残りと過硫酸カリウムの5%水溶液の残りを3時間かけて滴下し、さらに2時間攪拌を継続した。固形分測定にて転化率が98%超えたことを確認した後、温度を30℃まで冷却した。25%アンモニア水を添加して、pHを8.5とし、さらにイオン交換水で固形分を50%に調整して樹脂微粒子水分散体を得た。なお、固形分は、150℃20分焼き付け残分により求めた。
表2に示す配合組成で、合成例18と同様の方法により、樹脂微粒子水分散体であるバインダー組成物(C1−5)〜(C1−17)、(C1−1)〜(C1−3)、(C2−1)、(C3−1)及び(C4−1)を得た。ただし、バインダー組成物(C1−16)及び(C1−17)は乳化重合時に樹脂が凝集し、目的の樹脂微粒子を得ることができなかった。
※1:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
※2:アリルメタクリレート
※3:グリシジルメタクリレート
※4:ダイアセトンアクリルアミド
※5:ジエチルアクリルアミド
※6:アクリルアミド
※7:N−メチロールアクリルアミド
※8:ヒドロキシエチルメタクリレート
※9:2−エチルヘキシルアクリレート
※10:ラウリルメタクリレート
※11:スチレン
※12:シクロヘキシルメタクリレート
※13:イタコン酸
※14:アクリル酸
※15:スチレンスルホン酸
※16:アシッド・ホスホオキシエチルメタクリレート
※17:メチルメタクリレート
※18:ブチルアクリレート
※19:アクリロニトリル
※20:1,3−ブタジエン
※21:アデカリアソープSR−10
アルキルエーテル系アニオン界面活性剤(株式会社ADEKA製)
※22:アデカリアソープER−20
アルキルエーテル系ノニオン界面活性剤(株式会社ADEKA製)
※23:5%過硫酸カリウム水溶液
[製造例1]
攪拌器、温度計、滴下ロート及び還流器を備えた反応容器にイソプロピルアルコール20部及び水20部を仕込み、別途、メチルメタクリレート40部、メチルアクリレート40部及びグリシジルメタクリレート20部を滴下槽1に、また、過硫酸カリウム2部をイソプロピルアルコール30部および水30部に溶解させて滴下槽2に仕込んだ。内温を80℃に昇温し十分に窒素置換した後、滴下槽1及び2の内容物を2時間かけて滴下し、重合を行った。滴下終了後、内温を80℃に保ったまま1時間攪拌を続け、固形分測定にて転化率が98%超えたことを確認した後、温度を30℃まで冷却し、固形分50%のエポキシ基含有化合物(メチルメタクリレート/メチルアクリレート/グリシジルメタクリレート共重合体)溶液を得た。なお、固形分は、150℃20分焼き付け残分により求めた。
[製造例2]
攪拌器、温度計、滴下ロート及び還流器を備えた反応容器に水90部を仕込み、別途、アクリルアミド20部を滴下槽1に、また、過硫酸カリウム2部を水90部に溶解させて滴下槽2に仕込んだ。内温を80℃に昇温し十分に窒素置換した後、滴下槽1及び2の内容物を2時間かけて滴下し、重合を行った。滴下終了後、内温を80℃に保ったまま1時間攪拌を続け、固形分測定にて転化率が98%超えたことを確認した後、温度を30℃まで冷却し、固形分10%のアミド基含有化合物(ポリアクリルアミド)溶液を得た。なお、固形分は、150℃20分焼き付け残分により求めた。
攪拌器、温度計、滴下ロート及び還流器を備えた反応容器に水40部を仕込み、別途、2−エチルヘキシルアクリレート40部、スチレン40部及びジメチルアクリルアミド20部を滴下槽1に、また、過硫酸カリウム2部を水60部に溶解させて滴下槽2に仕込んだ。内温を80℃に昇温し十分に窒素置換した後、滴下槽1及び2の内容物を2時間かけて滴下し、重合を行った。滴下終了後、内温を80℃に保ったまま1時間攪拌を続け、固形分測定にて転化率が98%超えたことを確認した後、温度を30℃まで冷却し、固形分50%のアミド基含有化合物(2−エチルヘキシルアクリレート/スチレン/ジメチルアクリルアミド共重合体)溶液を得た。なお、固形分は、150℃20分焼き付け残分により求めた。
[製造例4]
攪拌器、温度計、滴下ロート及び還流器を備えた反応容器にイソプロピルアルコール20部及び水20部を仕込み、別途、メチルメタクリレート40部、ブチルアクリレート40部及び2−ヒドロキシエチルメタクリレート20部を滴下槽1に、また、過硫酸カリウム2部をイソプロピルアルコール30部および水30部に溶解させて滴下槽2に仕込んだ。内温を80℃に昇温し十分に窒素置換した後、滴下槽1及び2の内容物を2時間かけて滴下し、重合を行った。滴下終了後、内温を80℃に保ったまま1時間攪拌を続け、固形分測定にて転化率が98%超えたことを確認した後、温度を30℃まで冷却し、固形分50%の水酸基含有化合物(メチルメタクリレート/ブチルアクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体)溶液を得た。なお、固形分は、150℃20分焼き付け残分により求めた。
表3に示す配合組成で未架橋の化合物(D)を含むバインダー組成物を得た。
エポキシ樹脂;製品名アデカレジンEM−1−60L、株式会社ADEKA製、エポキシ当量320、ビスフェノールA−エピクロロヒドリン型エポキシ樹脂
オキサゾリン含有アクリル・スチレン樹脂;製品名エポクロスK−2020E、株式会社日本触媒製、オキサゾリン当量550
・CMC:カルボキシメチルセルロース、水酸基価:415〜500mgKOH/g
・HEC:ヒドロキシエチルセルロース、水酸基価:600〜720mgKOH/g
導電助剤である炭素材料としてアセチレンブラック(デンカブラックHS−100)10部、合成例3に記載のアニオン性分散剤(A1−3)の水溶液ないし水性分散体を10部(固形分として2部)、水80部をミキサーに入れて混合し、更にサンドミルに入れて分散を行い、表4に示す組成比の二次電池電極用炭素材料分散体(1)を得た。
A:アセチレンブラック、デンカブラックHS−100(電気化学工業社製)
F:ファーネスブラック、Super−P Li(TIMCAL社製)
C:カーボンナノチューブ、VGCF−H(昭和電工社製)
市販分散剤A:スチレンマレイン酸樹脂、重量平均分子量5000以上、酸価約500mgKOH/g
市販分散剤B:ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合樹脂、重量平均分子量5000以上、酸価約250mgKOH/g
CMC:カルボキシメチルセルロース、水酸基価:415〜500mgKOH/g
HEC:ヒドロキシエチルセルロース、水酸基価:600〜720mgKOH/g
[実施例1]
二次電池電極用炭素材料分散体(1)50部(固形分で6部)と、固形分で4重量部となる量のバインダー組成物(C1−4)とを混合して二次電池電極形成用組成物を得た。
表5に示す組成比となるように、二次電池電極用炭素材料分散体とバインダー組成物とを混合して、実施例2〜24、比較例1〜9の二次電池電極形成用組成物を得た。
○:「塗膜の崩壊、剥離は見られない」
△:「塗膜の部分的な崩壊、剥離が見られる」
×:「塗膜の大部分が崩壊、剥離している」
[実施例25]
正極活物質としてLiCoO290部、分散剤(A1−3)の水溶液5部(樹脂固形分として1部)、バインダー組成物(C1−4)8部(固形分として4部)及び水43.2部を混合して、固形分65重量%の正極用の二次電池電極用合材インキを作製した。合材インキの分散度を、グラインドゲージによる判定(JIS K5600−2−5に準ず)より求めた。評価結果を表6Aに示す。表中の数字は粗大粒子の大きさを示し、数値が小さいほど分散性に優れ、均一な二次電池電極用合材インキであることを示している。
表6A及び6Bに示す活物質、導電助剤である炭素材料、炭素材料分散体、二次電池電極形成用組成物、分散剤及びバインダー組成物の組み合せを変え、正極用の二次電池電極用合材インキの最終固形分が65重量%となるように水を加えた以外は実施例25と同様にして、正極用の二次電池電極用合材インキ及び正極を得て、同様に評価した。
[実施例41]
負極活物質として天然黒鉛95部、分散剤(A1−4)の水溶液2.5部(樹脂固形分として0.5部)、バインダー組成物(C1−4)4部(固形分として2部)及び水93.5部を混合して、固形分50重量%の負極用の二次電池電極用合材インキを作製した。合材インキの分散度を、グラインドゲージによる判定より求めた。評価結果を表6Cに示す。
表6Cに示す活物質、導電助剤である炭素材料、炭素材料分散体、二次電池電極形成用組成物、分散剤及びバインダー組成物の組み合せを変え、負極用の二次電池電極用合材インキの最終固形分が50重量%となるように水を加えた以外は実施例41と同様にして、負極用の二次電池電極用合材インキ及び負極を得て、同様に評価した。
正極活物質としてLiCoO290部、分散剤(A1−9)の水溶液2.5部(樹脂固形分として0.5部)、増粘剤としてCMCの3%水溶液33.3部(固形分として1部)、バインダー組成物(C1−6)7部(固形分として3.5部)及び水13.3部を混合して、固形分65重量%の正極用の二次電池電極用合材インキを作製した。組成を表7Aに示す。正極の作製、評価は実施例25と同様におこなった。
表7Aおよび表8Aに示す活物質、導電助剤である炭素材料、炭素材料分散体、二次電池電極形成用組成物、分散剤、増粘剤及びバインダー組成物の組み合せを変え、正極用の二次電池電極用合材インキの最終固形分が65重量%となるように水を加えた以外は実施例45と同様にして、正極用の二次電池電極用合材インキ及び正極を得て、同様に評価した。
負極活物質として天然黒鉛94部、分散剤(A1−3)の水溶液2.5部(樹脂固形分として0.5部)、バインダー組成物(C1−4)5部(固形分として2.5部)、増粘剤としてCMCの2%水溶液25部(固形分として0.5部)及び水68.5部を混合して、固形分50重量%の負極用の二次電池電極用合材インキを作製した。組成を表7Bに示す。負極の作製、評価は実施例41と同様におこなった。
表7Bおよび表8Bに示す活物質、導電助剤である炭素材料、炭素材料分散体、二次電池電極形成用組成物、分散剤、増粘剤及びバインダー組成物の組み合せを変え、負極用の二次電池電極用合材インキの最終固形分が50重量%となるように水を加えた以外は実施例53と同様にして、負極用の二次電池電極用合材インキ及び負極を得て、同様に評価した。
LCO:LiCoO2
LFP:LiFePO4
LMO:LiMn2O4
NMC:LiNi1/3Mn1/3Co1/3O2
炭素材料A:アセチレンブラック、デンカブラックHS−100(電気化学工業社製)
HEC:ヒドロキシエチルセルロース
LCO:LiCoO2
LFP:LiFePO4
LMO:LiMn2O4
NMC:LiNi1/3Mn1/3Co1/3O2
炭素材料A:アセチレンブラック、デンカブラックHS−100(電気化学工業社製)
CMC:カルボキシメチルセルロース
HEC:ヒドロキシエチルセルロース
LFP:LiFePO4
LMO:LiMn2O4
炭素材料A:アセチレンブラック、デンカブラックHS−100(電気化学工業社製)
炭素材料C:カーボンナノチューブ、VGCF−H(昭和電工社製)
市販分散剤A:スチレンマレイン酸樹脂
市販分散剤B:ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合樹脂
CMC:カルボキシメチルセルロース
HEC:ヒドロキシエチルセルロース
PTFE:ポリテトラフルオロエチレン
(合材インキの分散度)
二次電池電極形成用組成物の分散度と同様、グラインドゲージによる判定(JIS K5600−2−5に準ず)より求めた。
スラリーの粘度測定には、レオメーター(TAインスツメント製「AR−G2」)を用い、シェアレートを0.001(1/s)〜10(1/s)で変化させた時の0.01(1/s)と1(1/s)の粘度を求めた。
0.01(1/s)の粘度について
○:10000mPa・sより大きく、50000mPa・s以下の場合
△:50000mPa・sより大きく、100000mPa・s以下の場合
×:100000mPa・sより大きい場合
1(1/s)の粘度について
○:1000mPa・sより大きく、5000mPa・s以下の場合
△:5000mPa・sより大きく、8000mPa・s以下の場合
×:8000mPa・sより大きい場合
合材インキを作製してから1日後に底部に沈降物が生じるか確認した。
○:1日後の合材インキに沈降物は全く確認されない。
×:1日後の合材インキに沈降物は僅かでも確認できる。
上記で作製した電極(実施例25を参照)に、ナイフを用いて電極表面から集電体に達する深さまでの切込みを2mm間隔で縦横それぞれ6本の碁盤目の切込みを入れた。この切り込みに粘着テープを貼り付けて直ちに引き剥がし、活物質の脱落の程度を目視判定で判定した。評価基準を下記に示す。
○:「剥離なし(実用上問題のないレベル)」
○△:「わずかに剥離(問題はあるが使用可能レベル)」
△:「半分程度剥離」
×:「ほとんどの部分で剥離」
上記で作製した電極を短冊状にして集電体側を直径3mmの金属棒に接するように巻きつけ、巻きつけ時に起こる電極表面のひび割れを、目視観察により判定した。ひび割れが起こらないものほど、柔軟性が良い。
○:「ひび割れなし(実用上問題のないレベル)」
○△:「ごくまれにひび割れが見られる(問題があるが、使用可能レベル)」
△:「部分的にひび割れが見られる」
×:「全体的にひび割れが見られる」
実施例1における電解液溶出性の評価と同様の方法により求めた。
上記で作製した電極を直径16mmに打ち抜いて作製した作用極と、金属リチウム箔の対極と、作用極及び対極の間に挿入されるセパレーター(多孔質ポリプロピレンフィルム)と、電解液(エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを1:1(体積比)の割合で混合した混合溶媒にLiPF6を1Mの濃度で溶解させた非水系電解液)とからなるコイン型電池を作製した。コイン型電池はアルゴンガスで置換したグロ−ブボックス内で作製した。
○:「変化率が95%以上。特に優れている。」
○△:「変化率が90%以上、95%未満。全く問題なし。」
△:「変化率が85%以上、90%未満。問題はあるが使用可能なレベル。」
×:「変化率が85%未満。実用上問題あり、使用不可。」
充放電サイクル特性評価後にセルを分解し、電極塗膜の外観を目視にて確認した。評価結果が良いほど、電極の強度に優れていることを示す。
○:「剥がれなし」
△:「僅かに剥がれ」
×:「大部分剥がれ」
表9に示す二次電池電極形成用組成物を、集電体となる厚さ20μmのアルミ箔上にドクターブレードを用いて塗布した後、加熱乾燥し、厚さが5μmとなるように下地層を形成した。次いで、前記下地層上に表6Aに示す二次電池正極用合材インキを塗布した後、減圧加熱乾燥して、以下実施例25と同様にして正極を得て、同様に評価した。
Claims (8)
- 電極活物質もしくは導電助剤である炭素材料の少なくとも一方と、アニオン性分散剤(A)と、セルロース系増粘剤(B)と、架橋型樹脂微粒子を含むバインダー組成物(C)と、水とを含有するリチウムイオン二次電池電極形成用水性組成物であって、
アニオン性分散剤(A)が、下記単量体を共重合して得られる共重合体であり、酸価が100〜600mgKOH/gであり、水酸基価が0〜400mgKOH/gであり、重量平均分子量が5000以上であり、前記共重合体中のカルボキシル基の少なくとも一部が中和された水性の分散剤であり、
芳香環を有するエチレン性不飽和単量体(a1):10〜80重量%
カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(a2):20〜75重量%
前記(a1)及び(a2)以外のエチレン性不飽和単量体(a3):0〜70重量%
(但し、前記(a1)〜(a3)の合計を100重量%とする。)
アニオン性分散剤(A)の含有量が、前記組成物における全固形分を基準として0.1〜1重量%である、リチウムイオン二次電池電極形成用水性組成物。 - 架橋型樹脂微粒子が、下記単量体を水中にて界面活性剤の存在下、ラジカル重合開始剤によって乳化重合してなる樹脂微粒子である、請求項1に記載の組成物。
(C1)単官能または多官能アルコキシシリル基を有するエチレン性不飽和単量体(c1)、および1分子中に2つ以上のエチレン性不飽和基を有する単量体(c2)からなる群より選ばれる少なくとも1つの単量体:0.1〜5重量%
(C2)前記単量体(c1)〜(c2)以外のエチレン性不飽和単量体(c3):95〜99.9重量%
(但し、前記(c1)〜(c3)の合計を100重量%とする。) - エチレン性不飽和単量体(c3)が下記組成である、請求項2に記載の組成物。
単官能または多官能エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体(c4)、単官能または多官能アミド基を有するエチレン性不飽和単量体(c5)、および単官能または多官能水酸基を有するエチレン性不飽和単量体(c6)からなる群より選ばれる少なくとも1つの単量体:0.1〜20重量%
前記単量体(c1)、(c2)、(c4)〜(c6)以外のエチレン性不飽和単量体(c7):75〜99.8重量%
(但し、前記(c1)〜(c3)の合計を100重量%とする。) - エチレン性不飽和単量体(c7)が下記組成である、請求項3に記載の組成物。
炭素数8〜18のアルキル基を有するエチレン性不飽和単量体(c8)、および環状構造を有するエチレン性不飽和単量体(c9)からなる群より選ばれる少なくとも1つの単量体:30〜95重量%
前記(c1)〜(c6)、(c8)、(c9)以外のエチレン性不飽和単量体:0〜69.8重量%
(但し、前記(c1)〜(c3)の合計を100重量%とする。) - バインダー組成物(C)が、未架橋のエポキシ基含有化合物、未架橋のアミド基含有化合物、未架橋の水酸基含有化合物、および未架橋のオキサゾリン基含有化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの未架橋の化合物(D)をさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
- セルロース系増粘剤(B)がヒドロキシアルキルセルロースである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
- 集電体と、請求項1〜6に記載の組成物から形成される合材層もしくは電極下地層の少なくとも一層とを具備する、リチウムイオン二次電池用電極。
- 正極と負極と電解液とを具備するリチウムイオン二次電池であって、前記正極もしくは前記負極の少なくとも一方が請求項7に記載のリチウムイオン二次電池用電極である、リチウムイオン二次電池。
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