JP5251751B2 - 内燃機関の始動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の始動装置に関する。
内燃機関の停止条件が成立したときに内燃機関を自動的に停止させ、内燃機関の始動条件が成立したときに内燃機関を自動的に始動させる内燃機関の始動装置が知られている。
そして、自動停止途中の機関回転数が下降しているときに始動条件が成立した場合に、ピニオン回転速度とリングギア回転速度とが同期した時点でピニオンをリングギアに噛み込ませる技術が知られている(特許文献1参照。)。
しかし、内燃機関の始動条件が成立した後に、ピニオン回転速度とリングギア回転速度とが同期するまでに時間がかかると、ピニオンをリングギアに噛み込ませるのに時間がかかる。そのため、内燃機関を速やかに再始動することが困難となる。
特開2005−330813号公報 特開2002−147325号公報 特開2000−097139号公報
本発明は、上記したような問題点に鑑みてなされたものであり、内燃機関の始動装置において、内燃機関の停止途中であっても速やかに再始動ができる技術を提供することを目的とする。
上記課題を達成するために本発明による内燃機関の始動装置は、以下の手段を採用した。すなわち、本発明による内燃機関の始動装置は、
内燃機関のクランクシャフトと連動して回転するリングギアと、
前記リングギアに噛み合うピニオンを有するスタータモータと、
前記内燃機関を停止させるときであって機関回転数が変動しつつ下降している最中において、該機関回転数が該機関回転数の平均値以下のときには前記ピニオンを前記リングギアに噛み込ませることを許可し、該機関回転数が前記平均値よりも高いときには前記ピニオンを前記リングギアに噛み込ませることを禁止するピニオン制御装置と、
を備えることを特徴とする。
内燃機関は、規定の停止条件が成立したときに停止される。例えば、車両の停止中、またはハイブリッド車で中高負荷運転から低負荷運転に移行したときに規定の停止条件が成立しているとされる。また、運転者がキースイッチをオフにしたときに規定の停止条件が成立しているとされる。そして、規定の始動条件が成立したときに再始動される。例えば、車両停止中にアクセルを踏み込んだとき、またはハイブリッド車で低負荷運転から中高負荷運転に移行したときに規定の始動条件が成立しているとされる。また、運転者がキースイッチをオンにしたとき(スタートの位置にしたとき)に規定の始動条件が成立したとされる。
そして、規定の停止条件が成立したときに内燃機関の燃料噴射等が停止されて機関回転数が下降している最中に規定の始動条件が成立した場合には、内燃機関が再始動される。このときに、スタータモータから内燃機関のクランクシャフトへ回転力が加えられる。このようにスタータモータからの駆動力をクランクシャフトへ伝達するには、ピニオンがリングギアに噛み合っていなければならない。なお、ピニオンは、リングギアに噛み合ったり、リングギアから離間したりすることができる。そして、内燃機関が稼動中には通常、ピニオンとリングギアとは離間している。
ところでピストンの上昇及び下降に伴って機関回転数が変動するが、これは内燃機関の停止途中であっても起こる。つまり、内燃機関の停止途中では、機関回転数が変動しつつ下降していく。そして、機関回転数の変動により、ピニオンとリングギアとの速度差も変動している。ここで、ピニオンとリングギアとの速度差が大きいとピニオンの噛み込み時において衝撃、騒音、耐久性の低下等が生じ得る。これに対し本発明では、機関回転数が該機関回転数の平均値以下のときにピニオンをリングギアに噛み込ませている。そして、機関回転数が該機関回転数の平均値よりも高いときにはピニオンをリングギアに噛み込ませることを禁止している。すなわち、機関回転数が平均値以下のときには、平均値を超えるときよりも、ピニオンとリングギアとの速度差が小さいため、機関回転数が平均値以下のときにピニオンをリングギアに噛み込ませれば、両者の速度差が比較的小さなときにピニオンをリングギアに噛み込ませることができる。これにより、ピニオンをリングギアに噛み込ませ易くできるので、噛み込みの失敗を抑制できると共に、衝撃や騒音を低減することができる。また、規定の始動条件が成立していない場合であっても予めピニオンをリングギアに噛み込ませておけば、その後に規定の始動条件が成立したときに内燃機関を速やかに再始動することができる。
なお、機関回転数の平均値とは、例えば、機関回転数が変動しているときの極大値とその直後の極小値との中間の機関回転数とすることができる。このときの極小値は推定によるものであっても良い。
上記課題を達成するために本発明による内燃機関の始動装置は、以下の手段を採用しても良い。すなわち、本発明による内燃機関の始動装置は、
内燃機関のクランクシャフトと連動して回転するリングギアと、
前記リングギアに噛み合うピニオンを有するスタータモータと、
前記内燃機関を停止させるときであって機関回転数が変動しつつ下降している最中において、該機関回転数が該機関回転数の変動の極小値近傍のときには前記ピニオンを前記リングギアに噛み込ませることを許可し、該機関回転数が前記変動の極小値近傍以外のときには前記ピニオンを前記リングギアに噛み込ませることを禁止するピニオン制御装置と、
を備えることを特徴としても良い。
上述のように、内燃機関の停止途中では、機関回転数が変動しつつ下降していく。この機関回転数の変動の極小値では、その直前及び直後を含めた期間の中で最も機関回転数が低くなっているため、ピニオンとリングギアとの速度差が最も小さくなっている。つまり、この時期にピニオンをリングギアに噛み込ませることにより、より低い回転数のときにピニオンをリングギアに噛み込ませることができる。これにより、ピニオンをリングギアに噛み込ませ易くできるので、噛み込みの失敗を抑制できると共に、衝撃や騒音を低減することができる。このため、ピニオン制御装置は、機関回転数が変動の極小値近傍となるときを除き、ピニオンをリングギアに噛み込ませることを禁止している。
本発明においては、前記ピニオン制御装置は、前記スタータモータから動力を得なければ内燃機関を再始動できない機関回転数の閾値以下となったときに前記ピニオンを前記リングギアに噛み込ませることができる。
内燃機関が停止されるときに機関回転数が下降している最中であっても、該機関回転数が閾値よりも高ければ、燃料噴射を再開することにより内燃機関を再始動することができる。しかし、機関回転数が閾値以下となると、内燃機関の再始動にはスタータモータの駆動力が必要となる。つまり、機関回転数が閾値よりも高い場合には、スタータモータを使用する必要がないため、ピニオンをリングギアに噛み込ませる必要はない。一方、機関回転数が閾値以下となった場合には、ピニオンをリングギアに噛み込ませておけば、スタータモータの駆動力を速やかにリングギアに伝達することができる。ここで、機関回転数が閾値以下となった後の最初の極小値においてピニオンをリングギアに噛み込ませておけば、内燃機関の再始動を速やかに行える範囲が広くなる。また、機関回転数が閾値よりも高い場合には、ピニオンをリングギアに噛み込ませないため、衝撃及び騒音が発生することを抑制できる。
本発明においては、前記ピニオン制御装置は、前記機関回転数がゼロでない規定値よりも高い場合において前記ピニオンを前記リングギアに噛み込ませることを許可又は禁止するのであって、前記機関回転数が前記規定値以下の場合には、前記機関回転数の変動の状態によらないで前記ピニオンを前記リングギアに噛み込ませることを許容することができる。
ここで、機関回転数が低下するほど、機関回転数の変動の周期が長くなる。すなわち、機関回転数が平均値以下となってから次の平均値以下となるまでの時間が長くなったり、機関回転数が変動の極小値となってから次の極小値となるまでの時間が長くなったりする。このため、機関回転数の変動の状態(例えば、平均値以下であるか否か、または変動の極小値近傍であるか否か)に応じてピニオンをリングギアに噛み込ませることを許可又は禁止していると、機関回転数が低くなるほど、ピニオンをリングギアに噛み込ませることを禁止する期間が長くなる。そうすると、規定の始動条件が成立したとしても、機関回転数が平均値以下となるまで又は変動の極小値近傍となるまでに待つ時間が長くなり得るため、内燃機関の始動に時間がかかる虞がある。しかし、機関回転数が低い場合には、リングギアの回転数が低下するため、ピニオンとリングギアとの回転数の差が小さくなる。このため、機関回転数が規定値以下の場合には、機関回転数が平均値以下でない場合又は変動の極小値近傍でない場合であっても、ピニオンをリングギアに噛み込ませたときの衝撃や騒音を低減することができる。
なお、規定値とは、ピニオンをリングギアに噛み込ませたときの衝撃や騒音、または耐久性の低下等が許容範囲内になる機関回転数の上限値である。この規定値は、前記閾値よりも小さな値である。
また、前記機関回転数が規定値以下の場合とは、変動している機関回転数の極大値が規定値以下となる場合であっても良い。
すなわち、機関回転数が変動しても、その変動幅では規定値を超えない場合にピニオンをリングギアに噛み込ませることを許容しても良い。ここで、機関回転数は変動しつつ下降していくため、極小値が規定値以下となっていても、次の極大値が規定値よりも高くなることがある。このため、機関回転数が規定値以下となった後に、ピニオンをリングギアに噛み込ませるまでに時間がかかると、ピニオンがリングギアに噛み込むときには機関回転数が規定値よりも高くなっている虞がある。これに対し、機関回転数の極大値が規定値以下となるときにピニオンをリングギアに噛み込ませれば、例え噛み込むまでに時間を要しても噛み込むときの機関回転数は規定値以下となる。つまり、機関回転数が規定値以下のときにピニオンをリングギアに噛み込ませることができる。なお、極大値は、実測値であっても良く、推定値であっても良い。推定値は、極小値と変動幅とから予測しても良い
また、極大値が規定値を超えていても、その他の期間において機関回転数が規定値以下であれば、該その他の期間のときにピニオンをリングギアに噛み込ませることを許容しても良い。さらに、変動している機関回転数の平均値が規定値以下となる場合にピニオンをリングギアに噛み込ませることを許容しても良い。
本発明においては、前記ピニオンが前記リングギアに噛み込む位置における前記リングギアの面取りの大きさを他の位置よりも大きくすることができる。
ここで、ピストンが圧縮上死点にあるときに、機関回転数の変動が極小値となる。つまり、ピストンが圧縮上死点となったときにピニオンをリングギアに噛み込ませる。ここで、圧縮上死点のクランクアングルは不変であるため、リングギアにおけるピニオンの噛み込み位置を特定できる。この箇所の面取りを他よりも大きくしておけば、ピニオンがリングギアに噛み込み易くなるため、噛み込みの失敗を抑制できる。それ以外の箇所では、面取りが相対的に小さくされるため、リングギアの強度の低下を抑制したり、ギア鳴りが発生するのを抑制したりできる。なお、面取りを大きくする範囲は、ある程度の余裕をもたせて広くしても良い。また、圧縮上死点を境にその前後において面取りを大きくする範囲を広げても良い。これにより、極小値近傍よりも高い機関回転数のときにピニオンをリングギアに噛み込ませる場合であっても、リングギアの強度の低下を抑制したり、ギア鳴りが発生するのを抑制したりできる。また、多気筒機関では、夫々の気筒の圧縮上死点で機関回転数の変動が極小値となるため、ピニオンを噛み込ませる位置が多くなる。そのため、面取りを大きくする箇所もそれに合わせて多くする。
なお、本発明による内燃機関の始動装置は、内燃機関を自動的に停止させた後に自動的に再始動させる内燃機関の始動装置において、
内燃機関のクランクシャフトと連動して回転するリングギアと、
前記リングギアに噛み合うピニオンを有するスタータモータと、
前記内燃機関を停止させるときであって機関回転数が変動しつつ下降している最中に、該機関回転数が変動の極小値となったときに前記ピニオンを前記リングギアに噛み合わせるピニオン制御装置と、
を備えることを特徴としても良い。
内燃機関は、規定の停止条件が成立したときに自動的に停止される。例えば、車両の停止中、またはハイブリッド車で中高負荷運転から低負荷運転に移行したときに規定の停止条件が成立しているとされる。そして、規定の始動条件が成立したときに自動的に再始動される。例えば、車両停止中にアクセルを踏み込んだとき、またはハイブリッド車で低負荷運転から中高負荷運転に移行したときに規定の始動条件が成立しているとされる。
そして、規定の停止条件が成立したときに内燃機関の燃料噴射等が停止されて機関回転数が下降している最中に規定の始動条件が成立した場合には、内燃機関が再始動される。このときに、スタータモータから内燃機関のクランクシャフトへ回転力が加えられる。このようにスタータモータからの駆動力をクランクシャフトへ伝達するには、ピニオンがリングギアに噛み合っていなければならない。なお、ピニオンは、リングギアに噛み合ったり、リングギアから離間したりすることができる。そして、内燃機関が稼動中には通常、ピニオンとリングギアとは離間している。
ところでピストンの上昇及び下降に伴って機関回転数が変動するが、これは内燃機関の停止途中であっても起こる。つまり、内燃機関の停止途中では、機関回転数が変動しつつ下降していく。この変動の極小値では、その直前及び直後を含めた期間の中で最も機関回
転数が低くなっているため、ピニオンとリングギアとの速度差が最も小さくなっている。つまり、この時期にピニオンをリングギアに噛み合せることにより、より低い回転数のときに噛み合わせを行なうことができる。これにより、ピニオンとリングギアとを噛み合い易くできるので、噛み合いの失敗を抑制できると共に、衝撃や騒音を低減することができる。
本発明においては、前記ピニオン制御装置は、前記スタータモータから動力を得なければ内燃機関を再始動できない機関回転数の閾値以下となったときに前記ピニオンを前記リングギアに噛み合わせることができる。
内燃機関が停止されるときに機関回転数が下降している最中であっても、該機関回転数が閾値よりも高ければ、燃料噴射を再開することにより内燃機関を再始動することができる。しかし、機関回転数が閾値以下となると、内燃機関の再始動にはスタータモータの駆動力が必要となる。つまり、機関回転数が閾値よりも高い場合には、スタータモータを使用する必要がないため、ピニオンをリングギアに噛み合わせる必要はない。一方、機関回転数が閾値以下となった場合には、ピニオンをリングギアに噛み合わせておけば、スタータモータの駆動力を速やかにリングギアに伝達することができる。ここで、機関回転数が閾値以下となった後の最初の極小値においてピニオンをリングギアに噛み合わせておけば、内燃機関の再始動を速やかに行える範囲が広くなる。また、機関回転数が閾値よりも高い場合には、ピニオンとリングギアとを噛み合わせないため、衝撃及び騒音が発生することを抑制できる。
本発明においては、前記リングギアと前記ピニオンとが噛み合う位置における前記リングギアの面取りの大きさを他の位置よりも大きくすることができる。
ここで、ピストンが圧縮上死点にあるときに、機関回転数の変動が極小値となる。つまり、ピストンが圧縮上死点となったときにピニオンをリングギアに噛み合せる。ここで、圧縮上死点のクランクアングルは不変であるため、リングギアにおけるピニオンとの噛み合い位置を特定できる。この箇所の面取りを他よりも大きくしておけば、ピニオンがリングギアに噛み合い易くなるため、噛み合いの失敗を抑制できる。それ以外の箇所では、面取りが相対的に小さくされるため、リングギアの強度の低下を抑制したり、ギア鳴りが発生するのを抑制したりできる。なお、面取りを大きくする範囲は、ある程度の余裕をもたせて広くしても良い。また、多気筒機関では、夫々の気筒の圧縮上死点で機関回転数の変動が極小値となるため、噛み合わせ位置が多くなる。そのため、面取りを大きくする箇所もそれに合わせて多くする。
本発明に係る内燃機関の始動装置によれば、内燃機関の停止途中であっても速やかに再始動ができる。
実施例に係る内燃機関の始動装置の概略構成を示す図である。 ピニオンとリングギアとが離間したときの図である。 実施例に係る内燃機関の自動停止中の機関回転数の推移を示したタイムチャートである。 実施例に係る内燃機関の始動条件が成立したときの機関回転数の推移を示したタイムチャートである。 実施例に係るピニオンの制御フローを示したフローチャートである。 実施例2に係るリングギアの外周部の拡大図である。 噛み込み回転数の対数(横軸)と、寿命の対数(縦軸)との関係を示した図である。 実施例3に係る内燃機関の停止中の機関回転数の推移を示したタイムチャートである。 実施例3に係るピニオンの制御フローを示したフローチャートである。
以下、本発明に係る内燃機関の始動装置の具体的な実施態様について図面に基づいて説明する。
図1は、本実施例に係る内燃機関の始動装置の概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、4つの気筒を有する水冷式の4サイクル・ガソリンエンジンである。内燃機関1には、クランクシャフト2及び該クランクシャフト2に固定されているリングギア3を備えている。なお、本実施例ではガソリンエンジンを例に挙げて説明するが、他の周知のエンジン(例えばディーゼルエンジン)であっても同様に適用することができる。
また、内燃機関1には、スタータモータ4が併設されている。スタータモータ4には、リングギア3と噛み合うピニオン5が備わる。また、スタータモータ4には、アーマチュア6が備わり、該アーマチュア6の中心軸には、第1出力軸7Aが備わる。この第1出力軸7Aには、第2出力軸7Bが接続されている。この第2出力軸7Bは、ピニオン5に接続されている。そして、第1出力軸7Aと第2出力軸7Bとは、スプライン8により接続されている。このスプライン8により、第1出力軸7Aと第2出力軸7Bとは、中心軸線上を相対移動する。なお、第2出力軸7Bは、スプリング9によりアーマチュア6の方向に付勢されている。これは、ピニオン5がリングギア3と離間する方向である。なお図2は、ピニオン5とリングギア3とが離間したときの図である。
第2出力軸7Bは、レバー10を介してソレノイド11により操作される。ソレノイド11に通電すると、レバー10が第2出力軸7Bをアーマチュア6と反対方向に押す。これは、ピニオン5とリングギア3とが噛み合う方向である。そして、ソレノイド11への通電を停止すると、スプリング9によりピニオン5とリングギア3とが離間する。
なお、本実施例にかかるスタータモータ4では、アーマチュア6とソレノイド11とは別々に電流が流される。つまり、アーマチュア6の回転とは関係なく、ピニオン5をリングギア3に噛み込ませることができる。
第2出力軸7Bの途中には、クラッチ12が設けられている。ピニオン5とリングギア3とが噛み合った状態で機関回転数が高くなり、アーマチュア6の駆動による第2出力軸7Bの回転数よりも、内燃機関1からの駆動による第2出力軸7Bの回転数の方が高くなると、クラッチ12が切られ、動力の伝達が遮断される。
以上述べたように構成された内燃機関1には、該内燃機関1を制御するための電子制御ユニットであるECU20が併設されている。
ECU20には、機関回転数を検出するクランクポジションセンサ21の他、各種センサが電気配線を介して接続され、これら各種センサの出力信号がECU20に入力されるようになっている。また、ECU20にはアーマチュア6及びソレノイド11が電気配線を介して接続され、これらの機器をECU20が制御している。
また、ECU20は、規定の停止条件が成立すると運転者の意思によらず内燃機関1を自動的に停止させる。一方、ECU20は、規定の始動条件が成立すると運転者の意思に
よらず内燃機関1を自動的に始動させる。たとえば、車両が停止すると内燃機関1が自動的に停止され、この状態でアクセルが踏み込まれることにより自動的に始動する。また、たとえばハイブリッド車の場合には、モータで走行する低速域では内燃機関1が自動的に停止され、中高速域に移行したときに内燃機関1が自動的に始動される。
そして本実施例では、内燃機関1が自動的に停止されるときの、機関回転数が下降している最中に、ピニオン5をリングギア3に噛み込ませる。このようにすることで、始動条件が成立したときにアーマチュア6へ通電すれば、すぐに内燃機関1を再始動することができる。つまり、始動条件が成立した後にソレノイド11に通電してピニオン5をリングギア3に噛み込ませると、その分再始動に時間がかかってしまう。これに対し、予めピニオン5をリングギア3に噛み込ませておくことにより、内燃機関1を速やかに再始動することができる。
そして本実施例では、スタータモータ4による補助がなければ内燃機関1が再始動できないほど機関回転数が下降し、且つピニオン5とリングギア3との速度差が小さいときに該ピニオン5をリングギア3に噛み込ませる。
図3は、本実施例に係る内燃機関1の自動停止中の機関回転数の推移を示したタイムチャートである。機関回転数が閾値よりも高い場合には、燃料噴射を再開することにより内燃機関1を上昇させることができる。つまり、スタータモータ4によらずに内燃機関1を再始動することができる。このような場合には、ピニオン5とリングギア3とは離間させておく。しかし、機関回転数が閾値以下となった場合には、スタータモータ4の補助がなければ内燃機関1を再始動することができない。
ここで、内燃機関1の停止途中であっても、ピストンやバルブは作動しているため、機関回転数が変動する。つまり、機関回転数は、上昇及び下降を繰り返しながら平均値が次第に下降していく。そのため、機関回転数が下降から上昇に転じる時期がある。ここで圧縮行程では、ピストンが空気を圧縮するのにエネルギを必要とするため、機関回転数は下降する。一方、膨張行程では、圧縮した空気によりピストンが押されるため、機関回転数は上昇する。つまり、圧縮上死点のときに機関回転数は下降から上昇に転じる。そのため、何れかの気筒が圧縮上死点となったときに、機関回転数が下降から上昇に転じる。そして、4気筒を備えている内燃機関1では、クランクアングルで180deg毎に機関回転数
が極小値となる。
この極小値のときには、ピニオン5とリングギア3との速度差も極小値となるため、このときに該ピニオン5をリングギア3に噛み込ませることにより、該ピニオン5をリングギア3に噛み込ませ易くすることができる。また、衝撃や騒音も低減することができる。そこで、ECU20は、機関回転数が変動の極小値近傍となったときにピニオン5をリングギア3に噛み込ませることを許可し、機関回転数が変動の極小値近傍となったとき以外ではピニオン5をリングギア3に噛み込ませることを禁止している。
なお、本実施例に係るクランクポジションセンサ21からクランクアングルで例えば10deg毎にパルス信号が出力されているとすれば、機関回転数の変動の極小値のおよそ1
0deg前から10deg後までの範囲でピニオン5をリングギア3に正確に噛み込ませることができる。
ところで、ソレノイド11に通電してから、レバー10が第2出力軸7Bをアーマチュア6と反対方向に押し、ピニオン5とリングギア3とが実際に噛み合うまでにも機関回転数は変動している。そのため、機関回転数が該機関回転数の変動の極小値近傍となっているときにソレノイド11に通電しても、ピニオン5がリングギア3に噛み込むときには極
小値近傍から外れていることも考えられる。これに対し、クランクポジションセンサ21からのパルス信号から瞬時機関回転数を算出し、この瞬時機関回転数の変化から極小値となるであろうタイミングを予測して、該タイミングにピニオン5がリングギア3に噛み込むようにソレノイド11へ通電すれば、ちょうど極小値となったときにピニオン5をリングギア3に噛み込ませることができる。つまり、ECU20がソレノイド11へ通電する指令を出してからピニオン5がリングギア3に実際に噛み込むまでの時間を応答遅れとすると、極小値となるであろうタイミングから応答遅れ分だけ早い時期にECU20がソレノイド11に通電する。また、何れかの気筒において上死点となるタイミングを予測し、このタイミングにピニオン5がリングギア3に噛み込むように、上死点以前にソレノイド11へ通電するとしても良い。
また、内燃機関1の再始動に備えるという点では、機関回転数が前記閾値以下となったときに、速やかにピニオン5をリングギア3に噛み込ませることが望ましい。そのため、機関回転数が閾値以下となった最初の極小値のときにピニオン5をリングギア3に噛み込ませることが望ましい。
このように予めピニオン5をリングギア3に噛み込ませておけば、機関回転数が下降している最中に始動条件が成立した場合に、アーマチュア6へ通電することにより速やかに機関回転数を上昇させることができる。
図4は、本実施例に係る内燃機関1の始動条件が成立したときの機関回転数の推移を示したタイムチャートである。実線は内燃機関1の回転数を示し、一点鎖線はスタータモータ4の回転数を示している。なお、内燃機関1の回転数は平均値で示している。また、スタータモータ4の回転数は、内燃機関1の回転数に換算した値を用いている。
Aで示される時刻において、機関回転数が閾値となっている。Bで示される時刻において、ピニオン5とリングギア3との噛み合いが完了する。つまり、機関回転数の変動の極小値においてピニオン5をリングギア3に噛み込ませている。Cで示される時刻において、始動条件が成立する。このときにアーマチュア6へ通電される。このときには、機関回転数が高いためにクラッチ12が切られている。Dで示される時刻において内燃機関1の回転数とスタータモータ4の回転数とが等しくなる。これにより、クラッチ12がつながる。そして、このDで示される時刻以降は、スタータモータ4により内燃機関1の回転数が上昇されるので、該内燃機関1が再始動される。
図5は、本実施例に係るピニオン5の制御フローを示したフローチャートである。本ルーチンは、内燃機関1の停止条件が成立し、停止動作に入った後、または停止動作中に繰り返し実行される。
ステップS101では、機関回転数が閾値以下であるか否か判定される。つまり、スタータモータ4による補助がなければ再始動できない状態であるか否か判定される。ステップS101で肯定判定がなされた場合にはステップS102へ進み、一方否定判定がなされた場合には本ルーチンを一旦終了させる。
ステップS102では、機関回転数が極小値となっているか否か判定される。つまり、ピニオン5をリングギア3に噛み込ませる時期となっている否か判定される。たとえば、機関間回転数が下降から上昇に転じたときに極小値になっていると判定される。ステップS102で肯定判定がなされた場合にはステップS103へ進み、一方否定判定がなされた場合には本ルーチンを一旦終了させる。
ステップS103では、ピニオン5をリングギア3に噛み込ませる指令がなされる。つ
まり、ソレノイド11に通電される。なお、本実施例ではステップS103を実行するECU20が、本発明におけるピニオン制御装置に相当する。
ステップS104では、内燃機関1の始動条件が成立しているか否か判定される。ステップS104で肯定判定がなされた場合にはステップS105へ進み、一方否定判定がなされた場合には本ルーチンを一旦終了させる。
ステップS105では、アーマチュア6へ通電される。つまり、内燃機関1が再始動される。
なお、本実施例では、規定の停止条件が成立すると運転者の意思によらず内燃機関1を自動的に停止させ、規定の始動条件が成立すると運転者の意思によらず内燃機関1を自動的に始動させる場合について説明したが、例えば運転者の意思によりキースイッチをオフとした後、機関回転数が下降している最中に運転者の意思によりキースイッチをオンとした場合であっても同様に適用することができる。反対に、運転者により内燃機関1が停止された場合、つまり、自動的な停止でない場合には、ピニオン5をリングギア3に噛み込ませなくても良い。
また、本実施例では、機関回転数が変動の極小値近傍となったときにピニオン5をリングギア3に噛み込ませることを許可し、機関回転数が変動の極小値近傍となったとき以外ではピニオン5をリングギア3に噛み込ませることを禁止している。これは、ピニオン5とリングギア3との回転数差が最も小さいときにピニオン5をリングギア3に噛み込ませようとするものである。これに対し、ピニオン5をリングギア3に噛み込ませることを許可する時期をさらに拡大しても良い。すなわち、内燃機関1を停止させるときであって機関回転数が変動しつつ下降している最中において、該機関回転数が該機関回転数の平均値以下のときにはピニオン5をリングギア3に噛み込ませることを許可し、該機関回転数が該平均値よりも高いときにはピニオン5をリングギア3に噛み込ませることを禁止しても良い。つまり、機関回転数が平均値以下のときには、平均値より高いときよりも、ピニオン5とリングギア3との回転数差が比較的小さい。しかも、極小値とするよりも平均値以下とするほうが、より広い範囲でピニオン5をリングギア3に噛み込ませることができる。そうすると、ピニオン5がリングギア3に噛み込むときの衝撃等を抑制しつつ、ピニオン5をリングギア3に噛み込ませる機会をより多く設けることができる。
なお、機関回転数の平均値とは、極大値とその直後の極小値との中間値に相当する値とすることができる。また、極小値とその直後の極大値との中間値に相当する値としても良い。さらに、規定の期間における平均値としても良い。
また、上述した応答遅れを考慮し、機関回転数が平均値以下となるであろうタイミングから応答遅れ分早い時期にECU20がソレノイド11へ通電する指令を出しても良い。
このようにして、速やかに内燃機関1を再始動させることができると共に、衝撃や騒音が発生することを抑制できる。
本実施例ではリングギア3の形状が異なる。その他は実施例1と同じため説明を省略する。
図6は、本実施例に係るリングギア3の外周部の拡大図である。実線は面取りが大きな場合を示し、破線は面取りが小さい場合を示している。
ここで、リングギア3のピニオン5側の外周部には、面取りがなされている。そして、本実施例におけるリングギア3の面取りは、リングギア3の全周に亘りなされているが、ピニオン5が噛み込むときに最初に接触する箇所の面取りを、他よりも大きくしている。
ここで、機関回転数が極小値となるのは圧縮上死点なので、ピニオン5がリングギア3に最初に接触する箇所は、クランクアングルで180deg毎となる。つまり、4気筒の内
燃機関1ではリングギア3上に2箇所あり、特定することができる。
このように、リングギア3の面取りを大きくすることで、ピニオン5がリングギア3に噛み込み易くなる。これにより、噛み込み時の衝撃や騒音を低減することができる。
また、他の部分の面取りは相対的に小さいため、リングギア3の強度が低下することを抑制できる。さらに、ギア鳴りが発生することも抑制できる。
なお、面取りを大きくする範囲は、ある程度の余裕をもたせて広くしても良い。この場合、上死点を境にその前後において面取りを大きくする範囲を広げても良い。例えば、上死点の前および後であってクランクポジションセンサ21のパルス幅分だけ面取りを大きくしても良い。また、極小値近傍よりも高い機関回転数のときにピニオン5をリングギア3に噛み込ませる場合には、その範囲に合わせて面取りを大きくしても良い。
本実施例では、内燃機関1が停止されるときの機関回転数が下降している最中であって始動条件が成立したときに、ピニオン5をリングギア3に噛み込ませる。その後、アーマチュア6へ通電して、内燃機関1を再始動する。つまり、予めピニオン5をリングギア3に噛み合わせておくのではなく、始動条件が成立した後にソレノイド11に通電してピニオン5をリングギア3に噛み込ませ、その後にアーマチュア6に通電する。
そして、機関回転数が規定値以下のときに始動条件が成立した場合には、機関回転数の変動の状態によらず、すなわち変動の極小値であるか否かによらず、すぐにピニオン5をリングギア3に噛み込ませる。一方、機関回転数が規定値よりも高いときに始動条件が成立した場合には、その後の機関回転数が変動の極小値となっているときにピニオン5をリングギア3に噛み込ませる。つまり、内燃機関1の始動条件が成立した場合に、そのときの機関回転数に応じてピニオン5をリングギア3に噛み込ませるタイミングを変える。その他は実施例1と同じため説明を省略する。
一般に、衝撃力は物体が持つエネルギに比例する。また、ピニオン5等に使用されている鋼は、応力の対数と寿命の対数との関係が図7に示すように負の勾配を持つ直線関係となる。ここで図7は、噛み込み回転数の対数(横軸)と、寿命の対数(縦軸)との関係を示した図である。噛み込み回転数とは、ピニオン5がリングギア3に噛み込むときのリングギア3の回転数(すなわち機関回転数)であり、噛み込み回転数の対数は、応力の対数と相関関係にある。
噛み込み回転数は、回転エネルギの平方根に比例するため、噛み込み回転数が低ければ、ピニオン5やリングギア3等の寿命は飛躍的に向上する。そこで本実施例では、機関回転数がある程度低ければ、機関回転数の変動の状態によらず、ピニオン5をリングギア3に噛み込ませることを許容する。
仮に、機関回転数が変動の極小値以外のときに、ピニオン5をリングギア3に噛み込ませることを常に禁止すると、機関回転数が低いときには、次の極小値になるまでに時間がかかってしまう。例えば本実施例に係る4気筒4サイクルの内燃機関1では、何れかの気
筒が上死点(TDC)となるときに機関回転数は変動の極小値となる。すなわち、クランクアングル180deg毎に極小値となる。クランクアングル180deg回転するのに要する時間は、機関回転数に反比例する。そのため、規定の始動条件が成立しても、機関回転数が次の極小値となるまでに時間がかかり、その間はピニオン5をリングギア3に噛み込ませることが禁止されるため、すぐには内燃機関1を始動させることができない。そうすると、内燃機関1の再始動を速やかに完了することが困難となる虞がある。
これに対し、機関回転数が規定値以下の場合には、機関回転数が変動の極小値であるか否かによらずピニオン5をリングギア3に噛み込ませる。つまり、極小値となるのを待たないでピニオン5をリングギア3に噛み込ませる。ここでいう規定値は、スタータモータ4の設計条件や材質等により変わるため、例えば寿命や騒音、衝撃等が許容範囲内となる値(許容値)として予め実験等により求めておく。また、規定値はゼロよりも大きな値とする。つまり、内燃機関1が完全に停止して機関回転数がゼロとなったときにのみ、ピニオン5をリングギア3に噛み込ませることは含まない。
図8は、本実施例に係る内燃機関1の停止中の機関回転数の推移を示したタイムチャートである。閾値については、図3で説明したものと同じである。本実施例に係る規定値は図3に示した閾値よりも低い値である。
ところで、内燃機関1の停止中には、機関回転数が変動しながら下降していくため、該機関回転数が一旦規定値以下となっても、その後に上昇して規定値よりも高くなることがある。すなわち、極小値から次の極大値までの間に規定値を横切ることがある。例えば、機関回転数を検知して該機関回転数が規定値以下と判定されてから、ピニオン5がリングギア3に噛み込むまでにはある程度の時間を要する。つまり、応答差がある。そうすると、機関回転数を検知したときには該機関回転数が規定値以下であっても、ピニオン5がリングギア3に噛み込むときには機関回転数が規定値より高くなっていることもあり得る。そうすると、騒音や衝撃等が発生したり、耐久性が低下したりする虞がある。
これに対し、例えば機関回転数が変動したときの極大値が規定値以下になると推定される場合に限りピニオン5をリングギア3に噛み込ませれば、機関回転数が変動したとしても規定値以下のときにピニオン5をリングギア3に噛み込ませることができる。なお、極大値とは、機関回転数が上昇から下降に転じたときにおける機関回転数である。また、例えば機関回転数の平均値が規定値以下になると推定される場合に限りピニオン5をリングギア3に噛み込ませても良い。
例えば、機関回転数の変動は、主に気筒内圧力から受ける力により起こる。そのため、気筒内圧力から機関回転数の変動幅を推定することができる。また、例えばインテークマニホールド内の圧力から気筒内の吸入空気量を算出することができ、この吸入空気量及びクランク角度、圧縮比等から熱力学的に気筒内の圧力を推定することができる。つまり、インテークマニホールド内の圧力から機関回転数の変動幅を簡易に推定することもできる。そして、極小値と変動幅とから極大値を推定することができる。気筒内の圧力と機関回転数の変動幅との関係は、予め実験等により求めておいても良い。なお、気筒内の圧力をセンサにより直接測定しても良い。また、極大値と変動幅とから次の極小値を予測することもできる。これにより、ピニオン5をリングギア3に噛み込ませるタイミングを決定することができる。同様に、機関回転数の平均値を予測することもできる。
そして、インテークマニホールド内の圧力から機関回転数の変動幅を推定し、機関回転数の変動の極小値に変動幅を加えた値が規定値以下になると判定されるときにピニオン5をリングギア3に噛み込ませる。
図9は、本実施例に係るピニオン5の制御フローを示したフローチャートである。本ルーチンは、内燃機関1の停止条件が成立し、停止動作に入った後、または停止動作中に繰り返し実行される。なお、図5に示したフローと同じ処理がなされるステップについては同じ符号を付して説明を省略する。
ステップS201では、機関回転数が規定値以下であるか否か判定される。つまり、ピニオン5をリングギア3に噛み込ませても衝撃や騒音が許容できる範囲内であるか否か判定される。ステップS201で肯定判定がなされた場合にはステップS102へ進み、一方否定判定がなされた場合には本ルーチンを一旦終了させる。そして、ステップS102で肯定判定がなされた場合に、ステップS202へ進む。
ステップS202では、機関回転数の変動幅が推定される。インテークマニホールド内の圧力に基づいて機関回転数の変動幅が推定される。このときに、機関回転数の変動の極大値を予測しても良い。
ステップS203では、機関回転数の変動の極大値が規定値以下であるか否か判定される。すなわち、ステップS102で得た機関回転数の極小値に変動幅を加えた値が規定値以下であるか否か判定される。ステップS203で肯定判定がなされた場合には、ステップS103へ進んでピニオン5をリングギア3に噛み込ませる。一方、否定判定がなされた場合には、ピニオン5をリングギア3に噛み込ませるときに機関回転数が規定値よりも高くなる虞があるため、本ルーチンを一旦終了させる。
なお、本実施例では、機関回転数の極大値が規定値以下の場合にピニオン5をリングギア3に噛み込ませているが、単に機関回転数が規定値以下のときにピニオン5をリングギア3に噛み込ませても良い。また、本実施例では、機関回転数の極大値を予測しているが、クランクポジションセンサ21による実測値を用いても良い。つまり、クランクポジションセンサ21により得られる機関回転数の変動の極大値が規定値以下の場合には、その後に機関回転数が変動したとしても規定値を超えることはないと考えられるため、ピニオン5をリングギア3に噛み込ませても良い。
以上説明したように本実施例によれば、機関回転数が規定値よりも高い場合には、機関回転数が変動の極小値のときにピニオン5をリングギア3に噛み込ませているため、噛み込ませたときの衝撃や騒音を低減できる。また、機関回転数が規定値以下の場合には、機関回転数が変動の極小値以外であってもピニオン5をリングギア3に噛み込ませるため、速やかな噛み込ませが可能となる。このときには、機関回転数が低いために、騒音や衝撃が発生することも抑制できる。
1 内燃機関
2 クランクシャフト
3 リングギア
4 スタータモータ
5 ピニオン
6 アーマチュア
7A 第1出力軸
7B 第2出力軸
8 スプライン
9 スプリング
10 レバー
11 ソレノイド
12 クラッチ
20 ECU
21 クランクポジションセンサ

Claims (6)

  1. 内燃機関のクランクシャフトと連動して回転するリングギアと、
    前記リングギアに噛み合うピニオンを有するスタータモータと、
    前記内燃機関を停止させるときであって機関回転数が変動しつつ下降している最中において、該機関回転数が該機関回転数の極大値とその直後の極小値との中間値、又は極小値とその直後の極大値との中間値以下のときには前記ピニオンを前記リングギアに噛み込ませることを許可し、該機関回転数が該機関回転数の極大値とその直後の極小値との中間値、又は極小値とその直後の極大値との中間値よりも高いときには前記ピニオンを前記リングギアに噛み込ませることを禁止するピニオン制御装置と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の始動装置。
  2. 内燃機関のクランクシャフトと連動して回転するリングギアと、
    前記リングギアに噛み合うピニオンを有するスタータモータと、
    前記内燃機関を停止させるときであって機関回転数が変動しつつ下降している最中において、該機関回転数が該機関回転数の変動の極小値近傍のときには前記ピニオンを前記リングギアに噛み込ませることを許可し、該機関回転数が前記変動の極小値近傍以外のときには前記ピニオンを前記リングギアに噛み込ませることを禁止するピニオン制御装置と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の始動装置。
  3. 前記ピニオン制御装置は、前記スタータモータから動力を得なければ内燃機関を再始動できない機関回転数の閾値以下となったときに前記ピニオンを前記リングギアに噛み込ませることを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の始動装置。
  4. 前記ピニオン制御装置は、前記機関回転数がゼロでない規定値よりも高い場合において前記ピニオンを前記リングギアに噛み込ませることを許可又は禁止するのであって、前記機関回転数が前記規定値以下の場合には、前記機関回転数の変動の状態によらないで前記ピニオンを前記リングギアに噛み込ませることを許容することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の内燃機関の始動装置。
  5. 前記機関回転数が規定値以下の場合とは、変動している機関回転数の極大値が規定値以下となる場合であることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の始動装置。
  6. 前記ピニオンが前記リングギアに噛み込む位置における前記リングギアの面取りの大きさを他の位置よりも大きくすることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の内燃機関の始動装置。
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