JP6319071B2 - システムの制御装置 - Google Patents

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本発明は、エンジンと、前記エンジンのクランク軸に連結されたリングギアに初期回転を付与するスタータとを備えるシステムに適用される制御装置に関する。
この種の制御装置としては、エンジンに初爆が生じた後、スタータを構成するピニオンギアをリングギアから離脱させる指令がなされることにより、ピニオンギアをリングギアから離脱させるように制御するものが知られている。ここで、下記特許文献1には、エンジンに初爆が生じた後、エンジン回転速度が加速状態となる期間においてリングギアからピニオンギアを離脱させる時に異音が生じることが記載されている。この異音は、ピニオンギアがリングギアから離脱する時、ピニオンギアとリングギアとが衝突することで発生する。
この異音を低減することを目的として、下記特許文献1には、エンジン回転速度が減速状態となる期間において、ピニオンギアをリングギアから離脱させるような制御を行うエンジン制御装置が開示されている。
特開2014−77436号公報
しかしながら、本発明者は、エンジン回転速度が減速状態となる期間においては、ピニオンギアの離脱指令がなされる場合であっても、ピニオンギアをリングギアから離脱させることが困難であるとの知見を得た。以下、ピニオンギアの各歯が有する歯面について定義した後、ピニオンギアが離脱困難な理由について説明する。まず、歯面について定義する。ピニオンギアに設けられた各歯は、スタータを構成するモータによってピニオンギアが回転駆動される場合のピニオンギアの回転方向に前後にする一対の波面を有している。一対の歯面のうち、回転方向の前側の歯面を第1歯面と称し、回転方向の後側の歯面を第2歯面と称することとする。
続いて、ピニオンギアが離脱困難な理由について説明する。一般に、エンジンは圧縮膨張などを繰り返すため、エンジン回転速度には脈動が生じる。この脈動により、エンジン回転速度が減速状態となる期間においては、ピニオンギアの第1歯面がリングギアに当接する。ピニオンギアが第1歯面でリングギアから力を受けると、例えばピニオンギアに内蔵されているワンウェイクラッチが作動しない方向であるために、ピニオンギアがリングギアから受ける噛み合い方向の力は増大する。また、エンジン回転速度の脈動の減速時にピニオンギアが受けるこの噛み合い方向の力は、脈動の減速が大きいほど大きくなる。この力によって生じる摩擦力により、ピニオンギアはリングギアから離脱することが困難となる。一方、エンジン回転速度が加速状態となる期間においては、リングギアのピニオンギア当接箇所が第1歯面から第2歯面に代わり、ピニオンギアが第2歯面でリングギアから押されて連れ回る状態となる。しかし、ピニオンギアが第2歯面で押された場合は、例えば内蔵されているワンウェイクラッチが空転する方向のため、ピニオンギアとリングギアの押し付け力は小さい。その結果、上記摩擦力も大きくない。このため、加速状態となる期間においてピニオンギアはリングギアから離脱可能となる。
このように、ピニオンギアの離脱可能期間は、エンジン回転速度が加速状態となる期間である。上記特許文献1に記載の発明は、脈動の減速時にピニオンギアをリングギアから離脱させることを狙ったものであった。よって、エンジン回転速度が加速状態となる期間においてピニオンギアをリングギアから離脱させる時に生じる異音を低減する技術が望まれている。
本発明は、エンジン及びスタータを備えるシステムに適用され、エンジン始動時における異音を好適に低減できるシステムの制御装置を提供することを主たる目的とする。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
本発明は、エンジン(10)と、前記エンジンのクランク軸(20)に連結されたリングギア(24)に初期回転を付与するスタータ(30)とを備えるシステムに適用され、前記スタータは、通電によって回転力を発生するモータ(32)と、前記リングギアと噛み合う連結位置又は前記リングギアと噛み合わない非連結位置に移動可能に設けられ、前記モータの回転力が伝達されるピニオンギア(31)と、前記ピニオンギアを前記非連結位置から前記連結位置へと押し出す機能、及び離脱指令がなされることで前記ピニオンギアを前記連結位置から前記非連結位置へと離脱させる機能を有するピニオンシフト手段(33)とを含み、前記エンジンの燃焼制御を行う燃焼制御手段と、前記モータへの通電、前記ピニオンシフト手段による前記ピニオンギアの前記連結位置への押し出し、及び前記燃焼制御手段による燃焼制御によって前記エンジンに初爆が生じた後、前記離脱指令がなされた後の前記エンジンの回転速度が加速状態となる期間において前記ピニオンギアが前記リングギアから離脱する時の前記エンジンから前記リングギアに伝達されるトルクを制限する制限手段とを備えることを特徴とする。
エンジンに初爆が生じた後、ピニオンギアは、離脱指令がなされた後のエンジン回転速度が加速状態となる期間にリングギアから離脱可能となる。ここで上記発明では、離脱指令がなされた後の上記加速状態となる期間においてピニオンギアがリングギアから離脱する時のエンジンからリングギアに伝達されるトルクを制限する。このため、ピニオンギアがリングギアから離脱する時におけるエンジン回転加速度(リングギア回転加速度)を低減することができる。ピニオンギアがリングギアから離脱する時のエンジン回転加速度が低い場合、高い場合よりも離脱時に発生するピニオンギアとリングギアとの衝突音が小さくなる。したがって、上記発明では、衝突音を低減することができる。
さらに、上記発明では、エンジン初爆後から、ピニオンギアがリングギアから離脱するまでの期間におけるピニオンギアとリングギアとの摺動音を低減することもできる。つまり、エンジン初爆後、ピニオンギアがリングギアに噛み合っていると、周波数の高い摺動音が発生する。この摺動音は、エンジン回転速度が高い場合、低い場合よりも大きくなる。特に、エンジン初爆直後においては、エンジン回転速度が急激に上昇するため、摺動音が顕著となる。ここで、上記発明によれば、制限手段によってリングギアに伝達させるトルクを制限することによってエンジン回転加速度を低減でき、ひいてはピニオンギアの離脱時のエンジン回転速度を低減することができる。このため、エンジン初爆後から、ピニオンギアがリングギアから離脱するまでの期間におけるピニオンギアとリングギアとの摺動音を低減することができる。
このように、上記発明では、エンジン始動時における異音を好適に低減することができる。
第1実施形態にかかる制御システムの全体構成図。 エンジン始動時におけるリングギア回転速度等の推移をタイムチャート。 ピニオンギア及びリングギアの当接態様を示す図。 ピニオンギア及びリングギアの衝突音の発生態様を示す図。 始動時制限処理の手順を示すフローチャート。 始動時制限処理態様を示すタイムチャート。 第2実施形態にかかる始動時制限処理の手順を示すフローチャート。 第3実施形態にかかる始動時制限処理の手順を示すフローチャート。 第4実施形態にかかる始動時制限処理の手順を示すフローチャート。 その他の実施形態にかかる始動時制限処理態様を示すタイムチャート。 その他の実施形態にかかる始動時制限処理態様を示すタイムチャート。 その他の実施形態にかかる始動時制限処理態様を示すタイムチャート。
(第1実施形態)
以下、本発明にかかる制御装置を、車載主機として多気筒(例えば4気筒)4サイクルガソリンエンジンを搭載した車両に適用した第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。また、本実施形態は、エンジンを対象にエンジン制御システムを構築するものとしている。この制御システムにおいては、電子制御装置(以下、ECU)を中枢として、アイドリングストップ制御等が行われる。
図1に示すように、車両は、エンジン10、スタータ30、車載補機としてのオルタネータ50、変速装置60、及びECU70を備えている。エンジン10において、吸気管11には吸入空気量を検出するエアフロメータ12が設けられている。吸気管11においてエアフロメータ12の下流側には、DCモータなどのスロットルアクチュエータ13によって開度(吸気管11の流路面積)が調節されるスロットルバルブ14が設けられている。スロットルバルブ14を介して吸入される空気は、吸気マニホールド15に流入する。吸気マニホールド15は、エンジン10の各気筒の吸気ポートに接続される。各気筒の吸気ポートには、エンジン10の燃焼室10a内に燃料を供給する燃料噴射弁16が取り付けられている。
エンジン10の吸気ポートには吸気バルブ17が設けられ、エンジン10の排気ポートには排気バルブ18が設けられている。吸気バルブ17の開動作により、吸入された空気が燃焼室10a内に導入される。排気バルブ18の開動作により、燃焼後の排ガスが排気管19に排出される。エンジン10のクランク軸20の回転に基づいて、図示しない吸気カムシャフト及び排気カムシャフトがそれぞれ回転させられる。そして、吸気カムシャフトに設けられたカム及び排気カムシャフトに設けられたカムにより、吸気バルブ17及び排気バルブ18がそれぞれ往復駆動される。なお、排気管19には、排気を浄化するための図示しない触媒(例えば三元触媒)等が設けられている。
吸気バルブ17には、その開閉タイミングを可変とする吸気可変バルブタイミング調整装置(以下、吸気バルブ装置21)が設けられ、排気バルブ18には、その開閉タイミングを可変とする排気可変バルブタイミング調整装置(以下、排気バルブ装置22)が設けられている。吸気バルブ装置21は、クランク軸20と吸気カムシャフトとの相対回転位相を変更し、排気バルブ装置22は、クランク軸20と排気カムシャフトとの相対回転位相を変更する。吸気バルブ装置21及び排気バルブ装置22は、例えば油圧駆動式の可変バルブタイミング機構により実現される。
本実施形態において、吸気バルブ17の開閉タイミングは、所定の最遅角位置を基準に進角側に調整され、その進角側への調整量を吸気側進角値として定義する。つまり、吸気側進角値は、吸気バルブ装置21が動作していない初期状態(最遅角状態)において0°CAに設定され、吸気バルブ装置21の動作により進角側に調整される。吸気側進角値は、例えば、最遅角である0°CAから40°CAの範囲に設定される。また、排気バルブ18の開閉タイミングは、所定の最進角位置を基準に遅角側に調整され、その遅角側への調整量を排気側遅角値として定義する。つまり、排気側遅角値は、排気バルブ装置22が動作していない初期状態(最進角状態)において0°CAに設定されており、排気バルブ装置22の動作により遅角側に調整される。排気側遅角値は、例えば、最進角である0°CAから40°CAの範囲に設定される。
エンジン10のシリンダヘッドには、各気筒に対応した点火プラグ23が取り付けられている。点火プラグ23には、図示しない点火コイル等を通じて、所望とする点火時期において高電圧が印加される。この高電圧の印加により、各点火プラグ23の対向電極間に放電火花が発生し、燃焼室10a内において燃料と空気との混合気が点火されて燃焼に供される。
混合気の燃焼に伴って発生するクランク軸20の回転動力は、図示しないベルト等を介してオルタネータ50に伝達される。オルタネータ50は、クランク軸20の回転動力によって発電する機能を有している。
クランク軸20の回転動力は、また、変速装置60を介して駆動輪61に伝達される。本実施形態では、変速装置60として自動変速装置を用いている。変速装置60は、クランク軸20に連結された入力軸と駆動輪61に連結された出力軸との間の伝達動力を、通電操作によって複数の締結要素(例えば、多板クラッチ)の締結状態を変更することにより調整可能に構成されている。なお、変速装置60としては、例えば油圧駆動式のものを用いることができる。
スタータ30は、ピニオン押出し式のエンジン始動装置であり、ピニオンギア31と、ピニオンギア31を回転駆動するモータ32と、ピニオンギア31をその軸線方向に押出し可能な電磁アクチュエータ33とを備えている。モータ32は、モータ通電用リレー34を介してバッテリ35に電気的に接続され、モータ通電用リレー34のスイッチ部がオン状態となることにより、バッテリ35からモータ32への給電が可能になっている。また、モータ通電用リレー34のコイルには、電気信号によりオンオフ可能なモータ駆動リレー36が接続されている。モータ駆動リレー36へのオン信号によりモータ通電用リレー34のスイッチ部がオン状態となると、バッテリ35からモータ32への給電が行われ、モータ32が回転駆動する。
電磁アクチュエータ33は、ピニオンギア31にレバー等を介して駆動力を伝達するプランジャ37と、通電に伴いプランジャ37を軸線方向に吸引して移動させるコイル38と、リターンスプリング39とを備えており、ピニオン駆動リレー40を介してバッテリ35に電気的に接続されている。本実施形態において、ピニオン駆動リレー40は、モータ駆動リレー36に対する電気信号とは別個の電気信号によりオンオフ可能となっている。これにより、モータ32によるピニオンギア31の回転駆動と、電磁アクチュエータ33によるピニオンギア31の押出しとを独立して制御可能になっている。なお、本実施形態において、モータ通電用リレー34及びモータ駆動リレー36が「モータ通電手段」に相当する。また、電磁アクチュエータ33が「ピニオンシフト手段」に相当する。
ピニオンギア31は、クランク軸20に連結されたリングギア24と噛み合う連結位置、又はリングギア24と非接触の状態とされる非連結位置に移動可能に設けられている。詳しくは、コイル38への非通電時には、リターンスプリング39の付勢力により、ピニオンギア31は非連結位置に位置している。この状態において、ECU70から出力されるピニオン駆動リレー40へのオン信号(押出指令)によってピニオン駆動リレー40がオン状態にされると、バッテリ35からコイル38へと給電される。これにより、リターンスプリング39の付勢力に打ち勝ってプランジャ37が軸線方向に吸引されるとともに、ピニオンギア31がリングギア24に向かって押し出される。このとき、リングギア24の外周縁に設けられた歯と歯との間に、ピニオンギア31の外周縁に設けられた歯が嵌り込むことにより、ピニオンギア31の歯とリングギア24の歯との噛み合いが生じる。また、この噛み合いが生じている状態でモータ32へ通電されることにより、ピニオンギア31によってリングギア24が回転され、エンジン10に初期回転が付与される(クランキングが行われる)。
その後、ECU70から出力されるピニオン駆動リレー40へのオフ信号(離脱指令)によってピニオン駆動リレー40がオフ状態にされると、バッテリ35からコイル38への給電が停止される。これにより、リターンスプリング39の付勢力によってプランジャ37が移動され、ピニオンギア31がリングギア24から離脱する。
なお、モータ32の回転力は、ワンウェイクラッチ41を介してピニオンギア31に伝達される。ワンウェイクラッチ41は、ピニオンギア31がリングギア24を連れ回そうとする回転力のみをモータ32からピニオンギア31に伝達し、クランク軸20の回転によってピニオンギア31が連れ回されることを空転により遮断する部材である。
クランク軸20付近には、クランク軸20の回転角度を検出するクランク角センサ25が設けられている。クランク角センサ25の出力信号に加えて、エンジン10の冷却水温を検出する水温センサ26の出力信号や、ユーザのアクセル操作部材(アクセルペダル)の操作量を検出するアクセルセンサ27の出力信号、エアフロメータ12の出力信号は、ECU70に入力される。また、スロットルバルブ14の開度や、ユーザがエンジン10の始動を指示するイグニッションキーの操作状態に関する信号も、ECU70に入力される。ECU70は、CPU、ROM、RAM等よりなるマイクロコンピュータを主体として構成され、ROMに記憶された各種の制御プログラムを実行することで、アイドリングストップ制御等を行う。
アイドリングストップ制御は、エンジン10の運転時(例えば、アイドリング運転時)に所定の停止条件が成立するとエンジン10を自動停止させるとともに、その後、所定の再始動条件が成立するとエンジン10を再始動させるものである。
アイドリングストップ制御には、スタータ30の駆動制御と、エンジン10の始動時燃焼制御とが含まれる。本実施形態では、再始動条件の成立後に、モータ駆動リレー36とピニオン駆動リレー40とをオン状態としてクランキングを行うとともに、始動時燃焼制御によってエンジン回転速度が判定速度Nα(例えば600rpm)以上であると判断された場合にモータ駆動リレー36とピニオン駆動リレー40とをオフ状態にしてスタータ30の駆動を停止させる。なお、エンジン回転速度は、クランク角センサ25の出力信号に基づいて算出すればよい。
始動時燃焼制御は、始動時燃料噴射制御、始動時点火制御、始動時吸気制御、及び始動時バルブタイミング制御を含む。本実施形態において、始動時燃料噴射制御は、水温センサ26によって検出された冷却水温に基づいて始動時噴射量を設定し、設定された始動時噴射量を噴射するように燃料噴射弁16を通電操作するものである。
始動時点火制御は、予め設定された始動時点火タイミング(例えば、上死点の数°CA前のタイミング)で点火プラグ23に放電火花を発生させるものである。始動時吸気制御は、スロットルバルブ14の開度を予め設定された基本開度となるようにスロットルアクチュエータ13を通電操作するものである。
始動時バルブタイミング制御は、吸気側進角値を設定し、実際の進角値が設定された吸気側進角値となるように吸気バルブ装置21を通電操作するものである。また、始動時バルブタイミング制御は、排気側遅角値を設定し、実際の遅角値が設定された排気側遅角値となるように排気バルブ装置22を通電操作するものである。
ところで、エンジン10の再始動時において異音が発生し得る。この異音には、ピニオンギア31とリングギア24との摺動によって発生する摺動音と、ピニオンギア31がリングギア24から離脱する時にピニオンギア31とリングギア24とが衝突する衝突音とが含まれる。ここで、エンジン10の初爆までに発生する摺動音は、クランキングを行うために避けられないものの、初爆後に発生する摺動音及び衝突音は、不要であるため極力低減させたい。以下、ピニオンギア31がリングギア24から離脱可能な時期と、異音の発生態様とについて説明した後、本実施形態の特徴的構成である異音の低減手法について説明する。
エンジン10に初爆が生じた後、ピニオンギア31は、通常、ピニオン駆動リレー40がオフ状態とされた直後のエンジン回転速度が加速状態となる期間(エンジン回転加速度が正となる期間)においてリングギア24から離脱可能となる。つまり、エンジン10は各気筒において圧縮−膨張−排気−吸気行程を繰り返すため、図2に示すように、エンジン回転速度(リングギア24の回転速度)には脈動が生じる。図2には、リングギア24の回転速度(具体的には、リングギア24の外周縁に設けられた歯の周速度)を「Nr」にて示し、モータ32の回転速度(具体的には、モータ32の回転速度を、ピニオンギア31の外周縁に設けられた歯の周速度に換算した値)を「Nm」にて示した。
ここで、ピニオンギア31の各歯が有する歯面について定義する。図3に示すように、ピニオンギア31に設けられた各歯は、モータ32によって回転駆動される場合のピニオンギア31の回転方向に前後にする一対の波面を有している。一対の歯面のうち、回転方向の前側の歯面を第1歯面31aと称し、回転方向の後側の歯面を第2歯面31bと称することとする。なお、図3のA,Bは、図2に示したA,Bにおけるピニオンギア31とリングギア24との噛み合い状態を示している。
エンジン回転速度の脈動により、エンジン回転速度が減速状態となる期間(エンジン回転加速度が負となる期間)においては、図3のAに示すように、ピニオンギア31の第1歯面31aがリングギア24に当接し、第1歯面31aは、リングギア24からエンジン回転速度の低下に伴った力を受ける。この力によってピニオンギア31とリングギア24との間の摩擦力が増大する。この状況下においては、ワンウェイクラッチ41が空転できず、ピニオンギア31がリングギア24から受けた力は、ピニオンギア31とリングギア24との噛み合いを強めるものとなる。このため、減速状態となる期間においては、ピニオンギア31がリングギア24から離脱することが困難となる。
その後、エンジン回転速度が加速状態となる期間においては、図3のBに示すように、リングギア24のピニオンギア31当接箇所が第1歯面31aから第2歯面31bに代わり、ワンウェイクラッチ41の空転方向となるためにピニオンギア31とリングギア24との噛み合いが軽減される。その結果、リングギア24とピニオンギア31との間の摩擦力が弱まる。特にエンジン10の初爆後においては、燃焼に伴い発生する力が上死点直後の膨張行程において加わるため、ワンウェイクラッチ41の空転によってピニオンギア31からリングギア24へと駆動力が伝えられなくなる。これにより、ピニオンギア31はリングギア24に連れ回され、ピニオンギア31とリングギア24との噛み合いが弱まる。このため、ピニオンギア31は、ピニオン駆動リレー40がオフ状態とされた直後のエンジン回転速度が加速状態となる期間においてリングギア24から離脱可能となる。
ピニオン駆動リレー40がオフ状態とされた後、リターンスプリング39によるピニオンギア31をリングギア24から離脱させようとする力が上記摩擦力を超える等、力のバランスが崩れた場合にピニオンギア31はリングギア24から離脱する。なお、ピニオンギア31の離脱タイミングは、エンジン回転加速度(リングギア24の回転加速度)や、冷却水温、エンジンオイルの温度、ピニオンギア31等の経時変化(例えば、ピニオンギア31及びリングギア24の歯の摩耗)によって変化する。
ここで、ピニオンギア31の離脱可能期間であるエンジン回転速度が加速状態となる期間には、図4(a)に示すようにピニオンギア31の第2歯面31bがリングギア24に接する状態か、第2歯面31bがリングギア24から離れている状態となる。この加速が大きい状態においてピニオンギア31をリングギア24から離脱させようとすると、図4(b)に示すように、ピニオンギア31の第2歯面31b側に設けられた面取部31cと、リングギア24の歯面のうち第2歯面31bと対向する歯面側に設けられた面取部24aとが衝突し、衝突音が発生する。なお、各面取部31c,24cは、ピニオンギア31とリングギア24との噛み合わせを容易にするために設けられている。
上記摺動音は、エンジン回転速度が高いほど大きくなり、上記衝突音は、エンジン回転加速度が高いほど大きくなる。特に、エンジン10の初爆直後においては、エンジン回転速度が急激に上昇するため、エンジン10の運転状態の中でエンジン回転加速度が最も大きく、摺動音及び衝突音が顕著となる。
なお、衝突音の発生を抑制する手法としては、ピニオンギア31の離脱時におけるエンジン回転速度を高く設定する手法もある。これは、エンジン回転速度が高い期間におけるエンジン回転加速度の方が、エンジン回転速度が低い期間におけるエンジン回転加速度よりも低いことを利用したものである。ただし、この場合、エンジン10の初爆後、ピニオンギア31とリングギア24とが噛み合う期間が長くなり、摺動音の発生期間が長くなったり、摺動音が大きくなったりするといった問題が発生する。
そこで本実施形態では、摺動音及び衝突音を低減すべく、エンジン10に初爆が生じてからエンジン10がアイドリング運転状態となるまでの期間のうち、ピニオン駆動リレー40がオフ状態とされた直後のエンジン回転速度が加速状態となる期間においてピニオンギア31の離脱時のエンジン10の出力トルクを制限する始動時制限処理を行う。より具体的には、ピニオン駆動リレー40がオフ状態とされた直後の上死点のみにおいてエンジン10を一時的に失火させる。これにより、ピニオンギア31の離脱可能期間におけるエンジン回転加速度を低減し、ひいては摺動音及び衝突音の低減を図る。
図5に、本実施形態にかかる始動時制限処理の手順を示す。この処理は、再始動条件が成立することを条件として、ECU70によって繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS10において、クランキングを行うべくスタータ30の駆動を開始し、また、始動時燃焼制御を開始する。これにより、エンジン回転速度は、脈動を伴いながら上昇することとなる。
続くステップS11では、エンジン回転速度NEが判定速度Nα以上となるまで待機する。この処理は、エンジン10再始動の開始後、クランキング中にエンジン10に初爆が発生したか否かを判断するための処理である。
続くステップS12では、ピニオンギア31をリングギア24から離脱させるべく、ピニオン駆動リレー40をオフ状態に切り替える。すなわち、ECU70から離脱指令を出力する。
続くステップS13では、エンジン10の燃焼制御を、始動時燃焼制御から通常時燃焼制御に切り替える。本実施形態において、通常時燃焼制御は、通常時燃料噴射制御、通常時点火制御、通常時吸気制御、及び通常時バルブタイミング制御を含む。詳しくは、通常時燃料噴射制御では、周知の空燃比フィードバック制御を行うべく、吸入空気量に基づいて通常時噴射量を設定し、設定された通常時噴射量を噴射するように燃料噴射弁16を通電操作する。なお、本実施形態において、通常時燃料噴射制御が「噴射量設定手段」及び「噴射量操作手段」に相当する。
通常時点火制御では、まず、エンジン10の運転状態に基づいて点火タイミングを設定する。具体的には例えば、エアフロメータ12によって検出された吸入空気量、エンジン回転速度、冷却水温に基づいて点火タイミングを設定すればよい。そして、設定された点火タイミングで点火プラグ23に放電火花を発生させる。なお、本実施形態において、通常時点火制御が「点火タイミング設定手段」及び「点火操作手段」に相当する。
通常時吸気制御では、アクセルセンサ27によって検出されたアクセル操作量に基づいてスロットルバルブ14の開度を設定し、設定された開度となるようにスロットルアクチュエータ13を通電操作する。なお、本実施形態において、通常時吸気制御が「流路面積設定手段」及び「スロットル操作手段」に相当する。
通常時バルブタイミング制御では、まず、エンジン10の運転状態に基づいて吸気側進角値及び排気側遅角値を設定する。具体的には例えば、エンジン回転速度及び吸入空気量に基づいて吸気側進角値及び排気側遅角値を設定すればよい。そして、実際の進角値が設定された吸気側進角値となるように吸気バルブ装置21を通電操作し、また、実際の遅角値が設定された排気側遅角値となるように排気バルブ装置22を通電操作する。なお本実施形態において、通常時バルブタイミング制御が「開閉タイミング設定手段」及び「バルブ操作手段」に相当する。
続くステップS14では、各気筒のうち、ステップS11において肯定判断された直後に最も早く出現する上死点のみに対応する1の気筒を強制的に失火させる。本実施形態では、燃料噴射弁16からの燃料噴射と、点火プラグ23による放電火花の発生とを一時的に停止することにより失火させる。これにより、ピニオン駆動リレー40がオフ状態に切り替えられた直後の加速状態となる期間において、クランク軸20からリングギア24へと伝達されるエンジン10の出力トルクが通常時燃焼制御時の出力トルクよりも減少し、エンジン回転加速度が減少する。
続くステップS15では、エンジン10の出力トルクの制限を解除し、通常時燃焼制御を行う。
図6に、本実施形態にかかる始動時制限処理の一例を示す。ここで、図6は、先の図2と同様に、リングギア24の回転速度の推移を示す。なお、図6に示した判定速度Nαは、rpmを単位とする判定速度Nαを、リングギア24の外周縁に設けられた歯の周速度に換算した値である。
図示されるように、時刻t1において混合気の着火によってエンジン10に初爆が生じ、その後時刻t2において、エンジン回転速度NEが判定速度Nα以上になったと判断され、ピニオン駆動リレー40がオフ状態に切り替えられる。これにより、時刻t2直後に最も早く上死点が出現する時刻t3において、始動時制限処理によってエンジン10が強制的に失火される。これにより、エンジン回転加速度が低減された状態で、その後ピニオンギア31が離脱する。なお、図6では、始動時制限処理を行わない技術(関連技術)におけるリングギア24の回転速度の推移を破線にて示した。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)ピニオン駆動リレー40がオフ状態とされた直後の上死点のみにおいて、点火予定の気筒を失火させた。このため、ピニオン駆動リレー40がオフ状態とされた直後のエンジン回転速度が加速状態となる期間のみにおいて、クランク軸20からリングギア24に伝達されるトルクを的確に低減することができる。これにより、エンジン回転加速度の低減によってピニオンギア31がリングギア24から離脱する時のエンジン回転速度を低減することができ、ひいてはエンジン10初爆後からピニオンギア31が離脱するまでの摺動音を低減することができる。また、エンジン回転加速度の低減により、ピニオンギア31の離脱時における衝突音を低減することもできる。
さらに、ピニオン駆動リレー40がオフ状態とされた直後の上死点のみにおいて失火させるため、エンジン10の再始動時において失火に伴うエンジン回転速度の減少を極力抑制でき、エンジン10の始動フィーリングの低下を抑制することができる。
(2)強制的な失火といった通常時燃焼制御の強制的な変更により、燃焼に伴い発生するエンジン10の出力トルクを低減することで、クランク軸20からリングギア24に伝達されるトルクを制限した。車両に通常備えられるシステムを用いてトルクを制限できるため、始動時制御処理を行うための制御システムを、簡易かつ安価に構築することができる。
(第2実施形態)
以下、第2実施形態について、先の第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、始動時制限処理手法を変更する。
図7に、本実施形態にかかる始動時制限処理の手順を示す。この処理は、再始動条件が成立することを条件として、ECU70によって繰り返し実行される。なお、図7において、先の図5に示した処理と同一の処理については、便宜上、同一の符号を付している。
この一連の処理では、ステップS16において、エンジン10を失火させることなく、ステップS11で肯定判断された直後に最も早く出現する上死点のみの燃焼を制限することで、ステップS11で肯定判断された直後のエンジン回転速度が加速状態となる期間のみにおけるエンジン10の出力トルクを低減する。詳しくは、通常時燃料噴射制御によって設定された燃料噴射量を強制的に減少させる処理、及び通常時吸気制御によって設定された開度を強制的に減少させる処理を行う。また、通常時点火制御によって設定された点火タイミングを遅角側に強制的に変更する処理、通常時バルブタイミング制御によって設定された吸気側進角値を強制的に小さくする処理、及び通常時バルブタイミング制御によって設定された排気側遅角値を強制的に小さくする処理を行う。ステップS16の処理の完了後、ステップS15に進み、ステップS16で説明した制限を解除し、燃焼制御を通常時燃焼制御に切り替える。
なお、エンジン10の出力トルクを低減させる期間は、エンジン回転速度が加速状態となる期間の全てに限らず、エンジン回転速度が加速状態となる期間のうち、減速状態から加速状態への切り替わりタイミングからの一部の期間であってもよい。
以上説明した本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第3実施形態)
以下、第3実施形態について、先の第2実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、始動時制限処理手法を変更する。
図8に、本実施形態にかかる始動時制限処理の手順を示す。この処理は、再始動条件が成立することを条件として、ECU70によって繰り返し実行される。なお、図8において、先の図5に示した処理と同一の処理については、便宜上、同一の符号を付している。
この一連の処理では、ステップS17において、ステップS11で肯定判断された直後のエンジン回転速度が加速状態となる期間のみにおいて、オルタネータ50の発電電力を増大させる処理と、変速装置60における伝達動力を増大させる処理とを行う。ここで、上記伝達動力は、変速装置60の操作により、変速装置60を構成する入力軸と出力軸との間を接触状態とすることによって増大させればよい。これにより、エンジン10の出力トルクのうちリングギア24に分配されるトルクを減少させることができる。したがって、エンジン回転加速度を減少させることができ、上記第1実施形態と同様に、エンジン10の再始動時における摺動音及び衝突音を低減することができる。
なお、上記第2実施形態で説明したのと同様に、エンジン回転速度が加速状態となる期間のうち、減速状態から加速状態への切り替わりタイミングからの一部の期間に限ってステップS17の処理を行ってもよい。
(第4実施形態)
以下、第4実施形態について、先の第2実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、エンジンとして、ディーゼルエンジンを用いる。これに伴い、始動時制限処理手法を変更する。
ここで、ディーゼルエンジンが備えられる構成において、先の図1の構成との主な相違点について説明する。制御システム(コモンレールシステム)には、スロットルアクチュエータ13、スロットルバルブ14及び点火プラグ23が備えられない。また、燃料噴射弁16は、燃焼室10aに燃料を直接噴射供給する。
また、通常時燃料噴射制御について説明すると、アクセル操作量及びエンジン回転速度に基づいて燃料噴射量を設定し、設定された燃料噴射量及びエンジン回転速度に基づいて燃料噴射時期(多段噴射の各噴射時期)を設定する。なお、本実施形態において、この制御が「噴射時期設定手段」及び「噴射時期操作手段」に相当する。
図9に、本実施形態にかかる始動時制限処理の手順を示す。この処理は、再始動条件が成立することを条件として、ECU70によって繰り返し実行される。なお、図9において、先の図5に示した処理と同一の処理については、便宜上、同一の符号を付している。
この一連の処理では、ステップS18において、ステップS11で肯定判断された直後のエンジン回転速度が加速状態となる期間のみにおいてエンジン10の出力トルクを低減すべく、通常時燃料噴射制御によって設定された噴射時期を強制的に変更する処理を行う。なお、この処理とあわせて、通常時燃料噴射制御によって設定された燃料噴射量を強制的に減少させる処理、通常時バルブタイミング制御によって設定された吸気側進角値を強制的に小さくする処理、及び通常時バルブタイミング制御によって設定された排気側遅角値を強制的に小さくする処理も行う。本ステップの処理は、ステップS11で肯定判断された直後に最も早く出現する上死点のみの燃焼を制限するために実施される。
以上説明した本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・図10に示すように、上記第1実施形態において、失火させてピニオンギア31を離脱させた後、時刻t4に示すように、通常時燃料噴射制御によって設定された燃料噴射量を増量補正してもよい。これにより、エンジン回転速度がアイドリング回転速度まで到達する時間を短縮でき、エンジン10の始動応答性を高めることができる。なお、図10は、先の図6に対応している。
・図11に示すように、上記第2実施形態において、ピニオン駆動リレー40のオフ状態への切り替えタイミング(時刻t2)よりも前の時刻t1において、図7のステップS16の処理によってエンジン10の出力トルクを制限してもよい。すなわち、ピニオン駆動リレー40がオフ状態とされた直後の加速状態となる期間を含む所定期間に渡って出力トルクを制限してもよい。なお、図11には、エンジン10の初爆時から出力トルクの制限を開始した例を示した。
また、図11に示した例において、先の図10で説明したように、燃料噴射量を増量補正してもよい(図12参照)。
・エンジン10に初爆が発生した後、ピニオン駆動リレー40がオフ状態とされた直後のエンジン回転速度が加速状態となる期間を、1回目の加速期間と定義する。この場合、上記各実施形態において、1回目の加速期間の開始タイミングから、その後N回目(Nは2以上の整数)の加速期間の終了タイミングまでの期間に渡って、エンジン10からリングギア24に伝達されるトルクを制限してもよい。この構成は、1回目の加速期間においてピニオンギア31が離脱しない場合に備えたものである。
・先の図7のステップS16において、通常時燃料噴射制御によって設定された燃料噴射量を強制的に減少させる処理、通常時吸気制御によって設定された開度を強制的に減少させる処理、通常時点火制御によって設定された点火タイミングを遅角側に強制的に変更する処理、通常時バルブタイミング制御によって設定された吸気側進角値を強制的に小さくする処理、及び通常時バルブタイミング制御によって設定された排気側遅角値を強制的に小さくする処理のうち、少なくとも1つを行うようにしてもよい。
・先の図8のステップS17において、駆動動力を増大させる車載補機としては、オルタネータ50に限らず、クランク軸20の回転動力によって駆動される補機であれば他の車載補機であってもよい。また、ステップS17で説明したトルク制限手法を、上記第1実施形態又は上記第2実施形態で説明したトルク制限手法と組み合わせて用いてもよい。
・上記第4実施形態において、上記第1実施形態と同様に、燃料噴射の停止によって失火させることでエンジン10の出力トルクを制限してもよい。
・ピニオン駆動リレー40を、エンジン回転速度が判定速度Nα以上になったと判断されたタイミングから遅延したタイミングでオフ状態に切り替える構成を採用してもよい。また、ピニオン駆動リレー40を、燃料の着火前にオフ状態に切り替える構成を採用してもよい。
・アイドリングストップ制御が行われない車両に本発明を適用してもよい。この場合であっても、ユーザのイグニッションキーの操作によるエンジンの初回始動時において異音を低減することができる。
10…エンジン、20…クランク軸、24…リングギア、30…スタータ、31…ピニオンギア、32…モータ。

Claims (12)

  1. エンジン(10)と、前記エンジンのクランク軸(20)に連結されたリングギア(24)に初期回転を付与するスタータ(30)とを備えるシステムに適用され、
    前記スタータは、
    通電によって回転力を発生するモータ(32)と、
    前記リングギアと噛み合う連結位置又は前記リングギアと噛み合わない非連結位置に移動可能に設けられ、前記モータの回転力が伝達されるピニオンギア(31)と、
    前記ピニオンギアを前記非連結位置から前記連結位置へと押し出す機能、及び離脱指令がなされることで前記ピニオンギアを前記連結位置から前記非連結位置へと離脱させる機能を有するピニオンシフト手段(33)とを含み、
    前記エンジンの燃焼制御を行う燃焼制御手段と、
    前記モータへの通電、前記ピニオンシフト手段による前記ピニオンギアの前記連結位置への押し出し、及び前記燃焼制御手段による燃焼制御によって前記エンジンに初爆が生じた後、前記離脱指令がなされた後の前記エンジンの回転速度が加速状態となる期間において前記ピニオンギアが前記リングギアから離脱する時の前記エンジンから前記リングギアに伝達されるトルクを制限する制限手段とを備えることを特徴とするシステムの制御装置。
  2. 前記制限手段は、前記燃焼制御手段による燃焼制御の強制的な変更により、前記エンジンの燃焼に伴い発生する出力トルクを低減することで、前記エンジンから前記リングギアに伝達されるトルクを制限する請求項1記載のシステムの制御装置。
  3. 前記システムには、前記エンジンの燃焼室(10a)につながる吸気通路(15)に設けられ、前記吸気通路の流路面積を調整可能なスロットルバルブ(14)が備えられ、
    前記燃焼制御手段は、
    前記エンジンの始動時における前記流路面積を設定する流路面積設定手段と、
    前記スロットルバルブの流路面積が前記流路面積設定手段によって設定された流路面積となるように前記スロットルバルブを操作するスロットル操作手段とを含み、
    前記制限手段は、前記流路面積設定手段によって設定された流路面積の強制的な減少により、前記出力トルクを低減する請求項2記載のシステムの制御装置。
  4. 前記システムには、前記エンジンの燃焼室(10a)に燃料を噴射供給する燃料噴射弁(16)が備えられ、
    前記燃焼制御手段は、
    前記エンジンの始動時における前記燃料噴射弁の燃料噴射量を設定する噴射量設定手段と、
    前記燃料噴射弁の燃料噴射量が前記噴射量設定手段によって設定された燃料噴射量となるように前記燃料噴射弁を操作する噴射量操作手段とを含み、
    前記制限手段は、前記噴射量設定手段によって設定された燃料噴射量の強制的な減少により、前記出力トルクを低減する請求項2又は3記載のシステムの制御装置。
  5. 前記システムには、前記エンジンの吸気バルブ(17)及び排気バルブ(18)のうち少なくとも一方である対象バルブの開閉タイミングを可変とする可変バルブタイミング装置(21,22)が備えられ、
    前記燃焼制御手段は、
    前記エンジンの始動時における前記対象バルブの開閉タイミングを設定する開閉タイミング設定手段と、
    前記対象バルブの開閉タイミングが前記開閉タイミング設定手段によって設定された開閉タイミングとなるように前記可変バルブタイミング装置を操作するバルブ操作手段とを含み、
    前記制限手段は、前記開閉タイミング設定手段によって設定された開閉タイミングの強制的な変更により、前記出力トルクを低減する請求項2〜4のいずれか1項に記載のシステムの制御装置。
  6. 前記システムには、前記エンジンの燃焼室(10a)に放電火花を発生させる点火装置(23)が備えられ、
    前記燃焼制御手段は、
    前記エンジンの始動時における前記放電火花の発生タイミングを設定する点火タイミング設定手段と、
    前記放電火花の発生タイミングが前記点火タイミング設定手段によって設定された発生タイミングとなるように前記点火装置を操作する点火操作手段とを含み、
    前記制限手段は、前記点火タイミング設定手段によって設定された発生タイミングを強制的に遅角させることにより、前記出力トルクを低減する請求項2〜5のいずれか1項に記載のシステムの制御装置。
  7. 前記システムには、前記エンジンの燃焼室(10a)に燃料を噴射供給する燃料噴射弁(16)が備えられ、
    前記燃焼制御手段は、
    前記エンジンの始動時における前記燃料噴射弁の噴射時期を設定する噴射時期設定手段と、
    前記燃料噴射弁の噴射時期が前記噴射時期設定手段によって設定された噴射時期となるように前記燃料噴射弁を操作する噴射時期操作手段とを含み、
    前記制限手段は、前記噴射時期設定手段によって設定された噴射時期の強制的な変更により、前記出力トルクを低減する請求項2〜6のいずれか1項に記載のシステムの制御装置。
  8. 前記制限手段は、前記燃焼制御手段による燃焼制御の強制的な変更により、前記エンジンを失火させることで、前記エンジンから前記リングギアに伝達されるトルクを制限する請求項2記載のシステムの制御装置。
  9. 前記制限手段は、前記離脱指令がなされた直後の上死点のみの燃焼を制限することで、前記エンジンから前記リングギアに伝達されるトルクを制限する請求項2〜8のいずれか1項に記載のシステムの制御装置。
  10. 前記システムには、前記クランク軸の回転動力によって駆動される車載機器(50,60)が備えられ、
    前記制限手段は、前記車載機器の駆動動力を強制的に増大させることで、前記エンジンから前記リングギアに伝達されるトルクを制限する請求項1〜9のいずれか1項に記載のシステムの制御装置。
  11. 前記制限手段は、前記離脱指令がなされた直後の前記エンジンの回転速度が加速状態となる期間の全部、又はこの期間の開始タイミングを含む所定期間に渡って、前記エンジンから前記リングギアに伝達されるトルクを制限する請求項10記載のシステムの制御装置。
  12. 前記ピニオンシフト手段は、
    前記ピニオンギアに連結されたプランジャ(37)と、
    前記ピニオンギアが前記連結位置側から前記非連結位置側に向かうように前記プランジャに付勢力を与えるスプリング(39)と、
    通電により、前記ピニオンギアが前記非連結位置から前記連結位置へと向かう方向に前記プランジャを吸引して移動させるコイル(38)とを含み、前記離脱指令がなされることによる前記コイルへの通電停止により、前記ピニオンギアを前記連結位置から前記非連結位置へと離脱させる請求項1〜11のいずれか1項に記載のシステムの制御装置。
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