JP5249688B2 - 電池用セパレータとその製造方法、並びに、リチウムイオン二次電池とその製造方法 - Google Patents

電池用セパレータとその製造方法、並びに、リチウムイオン二次電池とその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電池用セパレータ、特にリチウムイオン二次電池に用いられる電池用セパレータとその製造方法、並びに、その電池用セパレータを用いたリチウムイオン二次電池とその製造方法に関する。
近年、携帯電話やノート型パーソナルコンピュータ等の小型携帯電子機器のための電源として、高エネルギー密度を有するリチウムイオン二次電池が広く用いられている。
このようなリチウムイオン二次電池は、シート状の正極及び負極と、例えばポリオレフィン樹脂製の多孔質フィルムからなるセパレータとを積層し、又は捲回して、これを例えば金属缶からなる電池容器に仕込んだ後、当該電池容器に電解液を注入し、当該電池容器を密封して封口するという工程を経て製造される。
ここで、電池用セパレータとして用いられるポリオレフィン樹脂製の多孔質フィルムとしては、様々な材料や構造が検討されている。なかでも特に、加熱されたときに樹脂が溶融して細孔が閉塞する性質を有し、その結果、電池にいわゆるシャットダウン機能を有せしめることができるポリエチレンを含む多孔質フィルムが、好適に用いられている。
一方、正極材料や負極材料においても、高容量かつ高出力なリチウムイオン二次電池を提供するための研究と発明が多数なされている。
しかし、これらの精力的な研究と発明によっても、従来のリチウムイオン二次電池には、常温あるいは高温雰囲気下で充放電を繰り返すことにより、容量が低下したり、出力特性が劣化したり、安全性が低下するといった問題が依然として存在する。
この問題の原因としては、ひとつに、ポリエチレンを含む多孔質フィルムのセパレータが正極と接触している場合、高温かつ充電状態においてセパレータの酸化反応が進行し、ひいては電池特性が劣化することが知られている(例えば、非特許文献1)。
そこで、このような問題を解決するために、例えば、ポリオレフィン層と耐酸化層とを含むセパレータを、耐酸化層が正極側となる向きで正極と負極との間に配置した、リチウムイオン二次電池が提案されている(特許文献1)。この耐酸化層は、耐酸化性高分子を含んでいる。耐酸化性高分子としては、主鎖に−CH2−基を含まず、かつ−CH(CH3)−基を含まない高分子が提案されている。
特開2007−227361号公報 第46回電池討論会 講演要旨集、p342−343、2005年
しかしながら、電池容量密度の観点から、電池用セパレータは極力薄膜化することが求められており、多孔質フィルム上に耐酸化性層のような他の層が設けられた電池用セパレータにおいても同様である。上記のような耐酸化層に充分な耐酸化性機能を持たせるためにはある程度の厚さが必要であるため、高い電池容量密度を維持することが困難であった。
本発明は、上記従来の問題と、更に、本発明者らが鋭意検討の結果明らかにした問題とを鑑みて、これらの問題を解決しようとするものである。具体的には、本発明は、耐酸化性に優れ、かつ電池容量密度を大きく低下させることのない電池用セパレータと、これを用いることで、耐酸化性に優れ、高温かつ充電状態に長期間保持されたあとでも電池容量の劣化が少ないリチウムイオン二次電池と、かかる電池用セパレータの製造方法と、これを用いたリチウムイオン二次電池の製造方法とを提供することを目的とする。
本発明者は、上述の課題及び問題点を考慮し、鋭意検討した結果、下記に記載の解決手段を用いて本発明に到達したものである。
本発明の電池用セパレータは、多孔質フィルムからなる基材と、前記基材に担持された架橋ポリマー層とを含む電池用セパレータである。前記架橋ポリマー層は、分子内に官能基を有する反応性ポリマーを、前記官能基に対して反応性を有する多官能性化合物と反応させて、当該反応性ポリマーの少なくとも一部を架橋させることによって得られる架橋ポリマーからなり、かつ、非多孔質である。なお、本発明において、「架橋ポリマー層が非多孔質である」とは、架橋ポリマー層に実効的に無視できる程度の空孔しか存在しないことをいう。本発明者らが検討した結果、例えば、基材の片面に架橋ポリマー層を担持させた状態で測定した通気度が、基材単体の通気度よりも5000秒/100cc以上増加する範囲であれば、架橋ポリマー層が非多孔質であるということができる。より好ましくは、基材単体よりも通気度が10000秒/100cc以上増加する架橋ポリマー層である。したがって、基材に架橋ポリマー層を設けることによって増加する通気度の量が上述した範囲であれば、架橋ポリマー層に僅かに孔が存在している場合でも、実効的には非多孔質の架橋ポリマー層とみなすことができる。
本発明のリチウムイオン二次電池は、正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に配置された電池用セパレータと、非水系溶媒及び電解質を含む非水系電解液と、を備えたリチウムイオン二次電池であって、前記電池用セパレータは、上記本発明の電池用セパレータであり、前記基材が前記負極側で前記架橋ポリマー層が前記正極側となるように、前記正極と前記負極との間に配置されている。
本発明の電池用セパレータの製造方法は、
(i)分子内に官能基を有する反応性ポリマーと、前記官能基に対して反応性を有する多官能性化合物と、溶媒と、を含む溶液を準備し、
(ii)多孔質フィルムからなる基材の一方面に、前記溶液を用いて、前記反応性ポリマーと前記多官能性化合物とを含む膜を形成する工程と、
(iii)前記膜に外部エネルギーを印加することによって、前記反応性ポリマーの少なくとも一部を架橋させて、前記多孔質フィルムに担持された非多孔質の架橋ポリマー層を作製する工程と、
を含んでいる。
本発明のリチウムイオン二次電池の製造方法は、
(I)正極と負極との間に、上記本発明の電池用セパレータを、前記基材が前記負極側で前記架橋ポリマー層が前記正極側となるように配置して、前記正極、前記電池用セパレータ及び前記負極からなる積層体を作製する工程と、
(II)電池容器内に、少なくとも一つの前記積層体を収容する工程と、
(III)前記電池容器内に、電解液を注入する工程と、
を含んでいる。
本発明の電池用セパレータ及び本発明の電池用セパレータの製造方法によって製造される電池用セパレータ(以下、本発明によって得られる電池用セパレータと記載する。)には、少なくとも一部が架橋された架橋ポリマーからなる層(架橋ポリマー層)が、基材となる多孔質フィルムの片面に配置されている。したがって、本発明によって得られる電池用セパレータを、架橋ポリマー層が正極側となるように配置すれば、多孔質フィルムと正極とを物理的に隔離することができる。これにより、一般に耐酸化性に劣る多孔質フィルムの酸化が抑制され、ひいては電池特性の劣化が抑制される。更に、本発明における架橋ポリマー層は実質的に非多孔質であるため、正極と多孔質フィルムとの接触を極めて効果的に抑制することができる。このため、架橋ポリマー層の厚みを薄くしても、充分な酸化抑制効果を得ることができる。このように、本発明によって得られる電池用セパレータは、電池容量密度を低下させることなく酸化抑制効果を得ることができる。
また、本発明のリチウムイオン二次電池及び本発明のリチウムイオン二次電池の製造方法によって得られるリチウムイオン二次電池(以下、本発明によって得られるリチウムイオン二次電池と記載する。)は、上記のような効果を奏する電池用セパレータを備えているので、耐酸化性に優れており、高温かつ充電状態に長期間保持されたあとでも電池容量の劣化が少ない。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の記載は本発明を限定するものではない。
[電池用セパレータ]
まず、本発明の電池用セパレータの実施の形態について説明する。
本発明の電池用セパレータは、多孔質フィルムからなる基材と、前記基材に担持された架橋ポリマー層とを含んでいる。
架橋ポリマー層は、分子内に官能基を有する反応性ポリマーを、前記官能基に対して反応性を有する多官能性化合物と反応させて、前記反応性ポリマーの少なくとも一部を架橋させることによって得られる架橋ポリマーからなる。更に、架橋ポリマー層は、非多孔質である。
本発明の電池用セパレータの通気度は、特には限定されないが、5000秒/100cc以上が好ましく、10000秒/100cc以上が更に好ましい。
なお、本発明の電池用セパレータでは、多孔質フィルムに担持させた架橋ポリマー層が電解液中で膨潤して、イオン伝導性のゲル電解質として作用する。したがって、架橋ポリマー層は、非多孔質であっても、電池反応を阻害しない。
まず、架橋ポリマー層について、詳細に説明する。
架橋ポリマー層を構成する架橋ポリマーは、例えば、反応性ポリマーとして(メタ)アクリレートコポリマーを用い、当該(メタ)アクリレートコポリマーの少なくとも一部を架橋させることによって得られるものが好ましい。(メタ)アクリレートコポリマーは、低コストであるだけでなく、成膜性及び可とう性に優れることから、薄くて均一な非多孔質の架橋ポリマー層を好適に得ることができる。更に、得られる架橋ポリマー層は柔軟性に優れたものとなる。
(メタ)アクリレートコポリマーは、特に限定されるものではないが、ラジカル共重合によって得ることができる。このラジカル共重合は、溶液重合、塊状重合、懸濁重合、乳化重合等、いずれによってもよいが、重合の容易さや分子量の調整等の点から、溶液重合及び懸濁重合が好ましい。
(メタ)アクリレートコポリマーを構成するモノマーとしては、特に限定されるものではないが、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート等を用いることができる。また、後述する反応性基を導入する目的で、(メタ)アクリル酸、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート等を用いてもよい。本発明者らが鋭意検討した結果、上述したようなポリマーを用いて得られる架橋ポリマーは、例えば、オキセタニル基やエポキシ基等のカチオン重合性官能基を反応性基として含む反応性ポリマーを用いて作製した架橋ポリマーに比べて、同程度の架橋度では、より優れた耐酸化性を有することを見出すに至った。したがって、オキセタニル基やエポキシ基等のカチオン重合性官能基を実質的に含まない反応性ポリマーを用いれば、より低い架橋度で、耐酸化性に優れた架橋ポリマーを得ることができる。
本発明においては、多官能性化合物として多官能イソシアネートを用い、反応性ポリマーとして、イソシアネート基に対して反応し得る反応性基を有するポリマーを用いることが好ましい。このような反応性ポリマーと多官能イソシアネートと反応させて、反応性ポリマーの少なくとも一部を架橋させることによって得られる架橋ポリマーは、架橋剤として用いる多官能イソシアネートが付加重合により架橋ポリマー中に取り込まれる。このため、このような架橋ポリマーを多孔質フィルムに担持させて電池用セパレータとして用いる際に、架橋ポリマーが電解液中へ溶出せず、電池特性の劣化を招かない。
イソシアネート基に対して反応し得る反応性基は、特に限定されるものではないが、例えば水酸基、カルボキシル基、アミノ基、イミノ基、ウレタン基及び尿素基等を挙げることができる。これらのなかでは、特に、水酸基及びカルボキシル基が好ましい。したがって、架橋剤として多官能イソシアネートを用いる場合、反応性ポリマーには、水酸基やカルボキシル基の反応性基が導入されたポリマーが好適に用いられる。
本発明における架橋ポリマーは、反応性ポリマーの少なくとも一部が架橋されていればよいが、電池用セパレータの耐酸化性をより向上させるためには高い架橋度を有することが好ましい。したがって、本発明において、架橋ポリマー層のゲル分率は50%以上であることが好ましい。ゲル分率が50%以上であれば、架橋ポリマーの架橋度が充分高くなり、より耐酸化性に優れた電池用セパレータが提供できる。
架橋ポリマー層の厚さは、例えば0.01〜5μmの範囲である。架橋ポリマー層の厚さが0.01μmよりも薄いときは、正極と多孔質フィルムを全面に渡って隔離することが困難となるため、電池用セパレータの耐酸化性を向上させる効果にばらつきが生じる場合がある。一方、架橋ポリマー層の厚さが5μmよりも大きいときは、多孔質フィルム上に架橋ポリマー層を担持させて電池用セパレータとして用いるときに全体の厚みが増大するため、電池容量密度の低下を招く可能性がある。架橋ポリマー層のより好ましい厚さ範囲は、0.05〜1μmである。本発明の電池用セパレータによれば、架橋ポリマー層が非多孔質であるため、架橋ポリマー層の厚みを1μm以下と薄くしても、充分な耐酸化性を得ることが可能である。また、架橋ポリマー層の厚みを1μm以下とすることにより、電池用セパレータの厚み増加を抑えることができるので、電池容量密度の点からも有利となる。したがって、架橋ポリマー層の厚さを0.05〜1μmの範囲とすることにより、電池容量密度の低下を充分に抑えつつ、酸化抑制効果が得られる電池用セパレータを実現できる。
次に、基材となる多孔質フィルムについて、詳細に説明する。
基材となる多孔質フィルムの厚さは、3〜100μmの範囲とすることが好ましい。多孔質フィルムの厚さが3μmよりも小さいときは、充分な強度を得ることが困難となるので、基材として用いる場合に正負の電極が相互に接触して、内部短絡を起こすおそれがある。他方、多孔質フィルムの厚さが100μmを超えると、セパレータの膜抵抗が増大し、レート特性の低下を招くおそれがある。
多孔質フィルムには、平均孔径0.01〜5μmの細孔を有しており、空孔率が20〜95vol%の範囲であるフィルムが使用できる。好ましくは空孔率が30〜90vol%の範囲、より好ましくは空孔率が40〜85vol%の範囲のフィルムが、本発明の電池用セパレータの基材として好適に用いられる。
空孔率が低すぎる多孔質フィルムを電池用セパレータの基材に用いた場合、イオン伝導経路が少なくなり、十分な電池特性を得ることができない場合がある。また、空孔率が高すぎる多孔質フィルムを電池用セパレータの基材に用いた場合、強度が不十分となることがある。強度が不十分である場合、所要の強度を得るために厚い多孔質フィルムを用いざるを得なくなり、そうすれば電池の内部抵抗が高くなるので好ましくない。したがって、空孔率が上記の範囲を満たす多孔質フィルムを選択することが望ましい。
更に、多孔質フィルムは、1500秒/100cc以下、好ましくは1000秒/100cc以下の通気度を満たすものを用いることが望ましい。通気度の値が大きすぎる多孔質フィルムを基材として用いた場合、電池用セパレータのイオン伝導性が低くなるため、十分な電池特性を得ることが困難となる場合がある。
また、多孔質フィルムの強度は、突き刺し強度が1N以上であることが好ましい。突刺し強度が1Nよりも小さいときは、電極間に面圧がかかった際に多孔質フィルムが破断し、内部短絡を引き起こすおそれがあるからである。
本発明の電池用セパレータの基材として使用可能な多孔質フィルムは、上述したような特性を有していればよいため、特に限定されるものではないが、耐溶剤性や耐酸化還元性を考慮すれば、ポリエチレやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂からなる多孔質フィルムが好適に用いられる。
なかでも、加熱されたときに、樹脂が溶融して細孔が閉塞する性質を有し、その結果、電池に所謂シャットダウン機能を有せしめることができることから、多孔質フィルムとしては、ポリエチレン樹脂の多孔質フィルムが特に好適である。ここで、ポリエチレン樹脂には、エチレンのホモポリマーのみならず、プロピレン、ブテン、ヘキセン等のα−オレフィンとエチレンとのコポリマーを含むものとする。
次に、本発明の電池用セパレータの製造方法について説明する。
本発明の電池用セパレータの製造方法は、
(i)分子内に官能基を有する反応性ポリマーと、前記官能基に対して反応性を有する多官能性化合物と、溶媒と、を含む溶液を準備し、
(ii)多孔質フィルムからなる基材の一方面に、前記溶液を用いて、前記反応性ポリマーと前記多官能性化合物とを含む膜を形成する工程と、
(iii)前記膜に外部エネルギーを印加することによって、前記反応性ポリマーの少なくとも一部を架橋させて、前記多孔質フィルムに担持された非多孔質の架橋ポリマー層を作製する工程と、
を含んでいる。なお、架橋ポリマー層、反応性ポリマー、多官能性化合物及び多孔質フィルムの詳細は、上記のとおりである。
工程(i)において、反応性ポリマー及び多官能性化合物を溶解させる溶媒には、例えば、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等の有機溶剤を適宜用いることができる。このような有機溶媒に反応性ポリマー及び多官能性化合物を溶解させて、架橋性ポリマー溶液(工程(i)における溶液)を調製する。
次に、工程(ii)において、この架橋性ポリマー溶液を、例えばキャスティング法やスプレー法によって基材の表面に塗布した後、又はポリマー溶液中に基材を含浸させた後に、乾燥させて有機溶剤を除去して、反応性ポリマーと多官能性化合物とを含む膜を形成する。
工程(iii)において膜に外部エネルギーを印加する方法は、特に限定されるものではないが、例えば膜を加熱する、膜に電子線を照射する、あるいは、膜に紫外線を照射する、等が挙げられる。
なお、本発明の電池用セパレータは、上記の製造方法と異なる方法を利用して製造することもできる。例えば、反応性ポリマーと多官能性化合物の混合物を溶融押出によってフィルム状に成形し、基材にこの成形体を熱ラミネート等によって貼り合わせて反応性ポリマーと多官能性化合物とを含む膜を形成し、さらにこの膜に外部エネルギーを印加する、という方法によっても、本発明の電池用セパレータを得ることは可能である。
[リチウムイオン二次電池]
本発明のリチウムイオン二次電池は、正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に配置された本発明の電池用セパレータと、非水系溶媒及び電解質を含む非水系電解液と、を備えている。電池用セパレータは、基材が負極側で架橋ポリマー層が正極側となるように、正極と前記負極との間に配置されている。
電池内部において多孔質フィルムと正極とが接する構成の場合、多孔質フィルムは、正極と電解液と多孔質フィルムとが接する三相界面において、優先的に酸化される。このため、本発明のように、多孔質フィルムからなる基材が正極に接しないように電池用セパレータを配置することによって、電池用セパレータの酸化を抑制して、高温かつ充電状態に長期間保持されたあとでも電池容量の劣化が少ないリチウムイオン二次電池を提供することができる。
なお、本発明の電池用セパレータは、公知の電池用セパレータと同様に、正極と負極との間に介在させた状態で用いて、リチウムイオン二次電池を組み立てることができる。正極、負極、電池容器、電解液等の材質やこれら構成要件の配置構造については、公知のリチウムイオン二次電池と同様とすることができる。例えば、図1に示すように、架橋ポリマー層11が多孔質フィルム(基材)12の一方面に担持されて形成された電池用セパレータ13が、正極14及び負極15の間に配置されてアルミニウムラミネートパッケージ(電池容器)16中に収容され、その内部が非水系電解液(図示せず)で満たされた、ラミネート型リチウムイオン二次電池を実現できる。なお、図1中、17は正極集電体を示し、18は負極集電体を示している。また、図2に示すように、架橋ポリマー層21が多孔質フィルム22の一方面に担持されて形成された電池用セパレータ23が、正極24及び負極25の間に配置されて電池容器中に収容された、コイン型のリチウムイオン二次電池も実現できる。なお、図2に示す電池容器は、正極缶26及び負極缶27によって構成されており、ガスケット28で封口されて、その内部が非水系電解液(図示せず)で満たされている。
正極活物質としては、リチウムイオン二次電池の正極として一般的に用いられているものが適用できるが、たとえばコバルト酸リチウム、スピネル型マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウム、あるいはオリビン型リン酸鉄リチウム等が好適である。
また、負極活物質としては、リチウムイオン二次電池の負極として一般的に用いられているものが適用できるが、たとえば黒鉛、非晶質炭素、炭素繊維等の炭素材料が好適である。
本発明のリチウムイオン二次電池において、非水系電解液に用いられる電解質塩としては、例えば、ヘキサフルオロリン酸リチウム、テトラフルオロホウ酸リチウム、過塩素酸リチウム等が好適に用いられる。
更に、本発明のリチウムイオン二次電池において、上記電解質塩のための非水系溶媒としては、上記電解質塩を溶解するものであればどのようなものでも用いることができる。前記非水系溶媒には、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート及びγ−ブチロラクトン等の環状エステル類や、テトラヒドロフラン及びジメトキシエタン等のエーテル類や、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート及びエチルメチルカーボネート等の鎖状エステル類を単独で、又は2種以上の混合物として用いることができる。
次に、本発明のリチウムイオン二次電池の製造方法について説明する。
本発明のリチウムイオン二次電池の製造方法は、
(I)正極と負極との間に、上記本発明の電池用セパレータを、前記基材が前記負極側で前記架橋ポリマー層が前記正極側となるように配置して、前記正極、前記電池用セパレータ及び前記負極からなる積層体を作製する工程と、
(II)電池容器内に、少なくとも一つの前記積層体を収容する工程と、
(III)前記電池容器内に、電解液を注入する工程と、
を含んでいる。
工程(III)において、本発明の電池用セパレータを含む前記積層体(電極群)が内部に収容されている電池容器内に電解液を注入すると、電池用セパレータを構成する架橋ポリマー層の少なくとも一部が電解液中で膨潤してゲル化する。したがって、非多孔質の架橋ポリマー層が、ゲル電解質層となる。このように、架橋ポリマー層がゲル電解質として作用するため、架橋ポリマー層が非多孔質であっても、電池反応を阻害することなく、良好な電池特性を実現できる。
次に、本発明の電池用セパレータ及びリチウムイオン二次電池について、実施例を用いて具体的に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施例によって何ら限定されるものではない。
まず、後述する各実施例及び比較例で作製した電池用セパレータの物性及び電池特性の測定方法について説明する。
[電池用セパレータの物性]
<多孔質フィルム(基材)の厚さ>
1/10000mmシックネスゲージにより測定した。
<架橋ポリマー層の厚さ>
架橋性ポリマー層を担持させた多孔質フィルムを断面が露出するように加工し、当該断面についての10000倍走査型電子頭微鏡写真を用いて、架橋ポリマー層の厚さを測定した。
<多孔質フィルム(基材)の空孔率>
多孔質フィルムの面積S(cm2)、重量W(g)、平均厚みt(cm)及び多孔質フィルムを構成する樹脂の密度d(g/cm3)の各値を用いて、次式にて算出した。
空孔率(vol%)=(1−W/(S×t×d))×100
<電池用セパレータ及び多孔質フィルム単体の通気度>
電池用セパレータの通気度は、JIS P 8117に準拠して求めた。また、多孔質フィルム単体の通気度は、架橋ポリマー層を担持させる前の状態にて、JIS P 8117に準拠して求めた。
<多孔質フィルム(基材)の突刺強度>
カトーテック株式会社製の圧縮試験機「KES−G5」を用いて測定した。測定によって得られた荷重変位曲線から最大荷重を読み取り、突刺強度とした。針は、直径1.0mm、先端の曲率半径0.5mmのものを用いた。突刺速度は2cm/秒とした。
<架橋ポリマー層のゲル分率の測定>
あらかじめ、重量が既知の架橋ポリマー層を多孔質フィルムに担持させた電池用セパレータを用意し、この電池用セパレータを酢酸エチルに含浸し、24時間振とうして、架橋ポリマー層に含まれている未架橋ポリマーを酢酸エチル中に溶出させて除去した。その後、酢酸エチルに不溶な成分(不溶分)のみが多孔質フィルムに担持された電池用セパレータを乾燥させ、秤量して、当該不溶分の重量を算出した。不溶分の重量/当初の架橋ポリマー層の重量比率からゲル分率を求めて、架橋度を評価した。
[電池特性]
<電池の初期特性>
後述する実施例及び比較例において得られる各ラミネートシール型リチウムイオン二次電池について、その初期特性(初期充電容量、初期放電容量及び初期充放電効率)を調べた。まず、それぞれの電池について、一定温度(25℃)下、定電流値4mAで、電圧値が4.2Vになるまで充電した。その後、定電圧4.2Vにて、電流値が0.2mAに減衰するまで充電した。このときに得られる電流値の積算値を初期充電容量とした。次いで、20分間休止したあと、定電流値4mAにて、2.75Vまで放電した。このときに得られる容量を初期放電容量とした。また、初期充電容量に対する初期放電容量の比率(初期放電容量/初期充電容量)を、初期充放電効率として求めた。
<電池の耐酸化性>
初期特性評価後の各ラミネート型リチウムイオン二次電池について、その耐酸化性を調べた。まず、それぞれの電池を、60℃の恒温槽に投入し、定電流値4mAで、電圧値が4.25Vになるまで充電した。その後、60℃雰囲気下、定電圧4.25Vを維持し、総充電時間が240時間に達するまで充電を継続した。次いで、20分間休止したあと、定電流値4mAにて、2.75Vまで放電した。このときに得られる容量によって、耐酸化性を評価した。
次に、実施例1〜5及び比較例1〜3として作製した電池用セパレータ及びそれを用いたリチウムイオン二次電池について、詳細に説明する。
[実施例1]
<電池用セパレータ>
還流冷却管を装備した500mL容量の三つ口フラスコに、メチルメタクリレート51g、2−メトキシエチルアクリレート48.16g、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.84g、酢酸エチル67g、N,N’−アゾビスイソブチロニトリル0.1gを投入し、窒素ガスを導入しながら30分間攪拌混合した後、温度64℃に加熱した。約1時間経過したとき、ラジカル重合が進行して、反応混合物の粘度が上昇し始めた。そのまま、8時間重合を続けた後、約40℃まで冷却し、再び、N,N’−アゾビスイソブチロニトリル0.1gを加え、70℃に再度加熱して、更に、8時間後重合を行なった。この後、約40℃まで冷却し、酢酸エチル166gを加え、全体が均一になるまで攪拌混合して、(メタ)アクリレートコポリマー(反応性基として水酸基を有する反応性ポリマー)の酢酸エチル溶液1を得た。
酢酸エチル溶液1に酢酸エチルを加え、室温で攪拌して、濃度4.97重量%の均一なポリマー溶液2を得た。
次に、架橋剤(多官能性化合物)としての多官能イソシアネート(ヘキサメチレンジイソシアネート/トリメチロールプロパンアダクト体、酢酸エチル溶液、固形分75%、日本ポリウレタン工業(株)製「コロネートHL」)に酢酸エチルを加えて、固形分が10重量%の架橋剤溶液3を得た。
次いで、ポリマー溶液2の固形分に対して、架橋剤溶液3の固形分が0.7重量%になるようにして、ポリマー溶液2に架橋剤溶液3を加えた。得られた混合溶液4の固形分は5重量%であった。
このようにして得られた混合溶液4を、基材となるポリエチレン樹脂製の多孔質フィルム(膜厚16μm、空孔率60%、通気度100秒/100cc、突き刺し強度3.0N)の片面にワイヤーバー(#20)にて塗工した後、50℃で加熱乾燥して、酢酸エチルを揮散させた。次いで、これを90℃の乾燥機に168時間投入して、(メタ)アクリレートコポリマーをイソシアネート架橋した。これにより、架橋された(メタ)アクリレートコポリマー層(架橋ポリマー層)が多孔質フィルムの片面に担持された、実施例1の電池用セパレータを得た。架橋ポリマー層の厚さは0.49μmであった。また、通気度を測定したところ、10000秒/100cc以上で、実質的に非多孔質な架橋ポリマー層が担持されていることが確認された。更に、ゲル分率を測定したところ、ゲル分率は15%であった。よって、作製した架橋ポリマー層は、その一部が架橋していることが確認された。
<電極シート>
正極活物質であるコバルト酸リチウム(日本化学工業(株)製「セルシードC−10」)85重量部と、導電助剤であるアセチレンブラック(電気化学工業(株)製「デンカブラック」)10重量部と、バインダーであるフッ化ビニリデン樹脂(呉羽化学工業(株)製「KFポリマーL#1120」)5重量部とを混合し、これを固形分濃度15重量%となるように、N−メチル−2−ピロリドンを用いてスラリーとした。
このスラリーを、厚み20μmのアルミニウム箔(集電体)上に、厚み200μmとなるように塗布した。その後、この塗膜を、80℃で1時間、120℃で2時間乾燥させた後、ロールプレスにて加圧して、正極活物質層の厚みが100μmのシートを調製した。このシートを用いて、正極活物質部が27mm角で、タブ付け部を有する正極シートを作製した。次いで、この正極シートのタブ付け部にAl製のタブをスポット溶接して、旗型正極シートとした。
また、負極活物質であるメソカーボンマイクロビーズ(大阪ガスケミカル(株)製「MCMB6−28」)80重量部と、導電助剤であるアセチレンブラック(電気化学工業(株)製「デンカブラック」)10重量部と、バインダーであるフッ化ビニリデン樹脂(呉羽化学工業(株)製「KFポリマーL#1120」)10重量部とを混合し、これを固形分濃度15重量%となるように、N−メチル−2−ピロリドンを用いてスラリーとした。
このスラリーを、厚み20μmの銅箔(集電体)上に、厚み200μmとなるように塗布した。その後、この塗膜を、80℃で1時間、120℃で2時間乾燥させた後、ロールプレスにて加圧して、負極活物質層の厚みが100μmであるシートを調製した。このシートを用いて、負極活物質部が29mm角で、タブ付け部を有する負極シートを作製した。次いで、この負極シートのタブ付け部にNi製のタブをスポット溶接して、旗型負極シートとした。
<リチウムイオン二次電池の作製>
前記電極シートの調整で得た負極シート上に、実施例1の電池用セパレータを、多孔質フィルムが負極シート側となるように配置し、更にその上に、電極シートの調整で得た正極シートを配置して、正極シート、電池用セパレータ及び負極シートからなる積層体(電極群)を作製した。得られた積層体を、アルミニウムラミネートパッケージ内に収容し、更に、1.0モル/L濃度でヘキサフルオロリン酸リチウムをエチレンカーボネート/ジエチルカーボネート(重量比1/1)混合溶媒に溶解させた電解液を注液した。次いで、パッケージを封口して、実施例1のリチウムイオン二次電池を組み立てた。
[実施例2]
<電池用セパレータ>
実施例1と同様の方法で作製した混合溶液4を、基材となるポリエチレン樹脂製の多孔質フィルム(膜厚16μm、空孔率60%、通気度100秒/100cc、突き刺し強度3.0N)の片面にワイヤーバー(#20)にて塗工した後、塗膜に温度23℃で湿度60%に加湿した空気を吹きつけながら乾燥し、酢酸エチルを揮散させた。次いで、これを90℃の乾燥機に168時間投入して、(メタ)アクリレートコポリマーをイソシアネート架橋した。これにより、架橋された(メタ)アクリレートコポリマー層(架橋ポリマー層)が多孔質フィルムの片面に担持された、実施例2の電池用セパレータを得た。架橋ポリマー層の厚さは0.47μmであった。また、通気度を測定したところ、5200秒/100ccで、実質的に非多孔質な架橋ポリマー層が担持されていることが確認された。更に、ゲル分率を測定したところ、ゲル分率は16%であった。よって、作製した架橋ポリマー層は、その一部が架橋していることが確認された。
<電極シート>
実施例1と同様にして、正極シート及び負極シートを作製した。
<リチウムイオン二次電池の作製>
実施例2の電池用セパレータを用いた以外は、実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製した。
[実施例3]
<電池用セパレータ>
実施例1と同様の方法で作製した酢酸エチル溶液1に酢酸エチルを加え、室温で攪拌して、濃度5重量%の均一なポリマー溶液5を得た。
次に、架橋剤(多官能性化合物)としての多官能イソシアネート(ヘキサメチレンジイソシアネート/トリメチロールプロパンアダクト体、酢酸エチル溶液、固形分75%、日本ポリウレタン工業(株)製「コロネートHL」)に酢酸エチルを加えて、固形分が5重量%の架橋剤溶液6を得た。
次いで、ポリマー溶液5の固形分に対して、架橋剤溶液6の固形分が1.0重量%になるようにして、ポリマー溶液5に架橋剤溶液6を加えた。得られた混合溶液7の固形分は5重量%であった。
このようにして得られた混合溶液7を、基材となるポリエチレン樹脂製の多孔質フィルム(膜厚16μm、空孔率60%、通気度100秒/100cc、突き刺し強度3.0N)の片面にワイヤーバー(#20)にて塗工した後、50℃で加熱乾燥して、酢酸エチルを揮散させた。次いで、これを90℃の乾燥機に168時間投入して、(メタ)アクリレートコポリマーをイソシアネート架橋した。これにより、架橋された(メタ)アクリレートコポリマー層(架橋ポリマー層)が多孔質フィルムの片面に担持された、実施例3の電池用セパレータを得た。架橋ポリマー層の厚さは0.45μmであった。また通気度を測定したところ、10000秒/100cc以上で、実質的に非多孔質な架橋ポリマー層が担持されていることが確認された。更に、ゲル分率を測定したところ、ゲル分率は15%であった。よって、作製した架橋ポリマー層はその一部が架橋していることが確認された。
<電極シート>
実施例1と同様にして、正極シート及び負極シートを作製した。
<リチウムイオン二次電池の作製>
実施例3の電池用セパレータを用いた以外は、実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製した。
[実施例4]
<電池用セパレータ>
実施例3と同様の方法で、ポリマー溶液2と架橋剤溶液6を作製した。
ポリマー溶液5の固形分に対して、架橋剤溶液6の固形分が3.0重量%になるようにして、ポリマー溶液5に架橋剤溶液6を加えた。得られた混合溶液8の固形分は5重量%であった。
このようにして得られた混合溶液8を、基材となるポリエチレン樹脂製の多孔質フィルム(膜厚16μm、空孔率60%、通気度100秒/100cc、突き刺し強度3.0N)の片面にワイヤーバー(#20)にて塗工した後、50℃で加熱乾燥して、酢酸エチルを揮散させた。次いで、これを90℃の乾燥機に168時間投入して、(メタ)アクリレートコポリマーをイソシアネート架橋した。これにより、架橋された(メタ)アクリレートコポリマー層(架橋ポリマー層)が多孔質フィルムの片面に担持された、実施例4の電池用セパレータを得た。架橋ポリマー層の厚さは0.46μmであった。また、通気度を測定したところ、10000秒/100cc以上で、実質的に非多孔質な架橋ポリマー層が担持されていることが確認された。更に、ゲル分率を測定したところ、ゲル分率は55%であった。よって、作製した架橋ポリマー層は、その一部が架橋していることが確認された。
<電極シート>
実施例1と同様にして、正極シート及び負極シートを作製した。
<リチウムイオン二次電池の作製>
実施例4の電池用セパレータを用いた以外は、実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製した。
[実施例5]
<電池用セパレータ>
実施例3と同様の方法で、ポリマー溶液2と架橋剤溶液6を作製した。
ポリマー溶液5の固形分に対して、架橋剤溶液6の固形分が5.0重量%になるようにして、ポリマー溶液5に架橋剤溶液6を加えた。得られた混合溶液9の固形分は5重量%であった。
このようにして得られた混合溶液9を、基材となるポリエチレン樹脂製の多孔質フィルム(膜厚16μm、空孔率60%、通気度100秒/100cc、突き刺し強度3.0N)の片面にワイヤーバー(#20)にて塗工した後、50℃で加熱乾燥して、酢酸エチルを揮散させた。次いで、これを90℃の乾燥機に168時間投入して、(メタ)アクリレートコポリマーをイソシアネート架橋した。これにより、架橋された(メタ)アクリレートコポリマー層(架橋ポリマー層)が多孔質フィルムの片面に担持された、実施例5の電池用セパレータを得た。架橋ポリマー層の厚さは0.48μmであった。また、通気度を測定したところ、10000秒/100cc以上で、実質的に非多孔質な架橋ポリマー層が担持されていることが確認された。更に、ゲル分率を測定したところ、ゲル分率は80%であった。よって、作製した架橋ポリマー層は、その一部が架橋していることが確認された。
<電極シート>
実施例1と同様にして、正極シート及び負極シートを作製した。
<リチウムイオン二次電池の作製>
実施例5の電池用セパレータを用いた以外は、実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製した。
[比較例1]
<電池用セパレータ>
厚さ16μm、空孔率60%、通気度100秒/100cc、突き刺し強度3.0Nのポリエチレン樹脂製の多孔質フィルムを、比較例1の電池用セパレータとした。
<電極シート>
実施例1と同様にして、正極シート及び負極シートを作製した。
<リチウムイオン二次電池の作製>
比較例1の電池用セパレータ、すなわち多孔質フィルム単体を電池用セパレータとして用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。
[比較例2]
<電池用セパレータ>
実施例3と同様の方法で、ポリマー溶液5を作製した。
このようにして得られたポリマー溶液5を、基材となるポリエチレン樹脂製の多孔質フィルム(膜厚16μm、空孔率60%、通気度100秒/100cc、突き刺し強度3.0N)の片面にワイヤーバー(#20)にて塗工した後、50℃で加熱乾燥して、酢酸エチルを揮散させた。これにより、(メタ)アクリレートコポリマー層が多孔質フィルムの片面に担持された、比較例2の電池用セパレータを得た。(メタ)アクリレートコポリマー層の厚さは0.48μmであった。また、通気度を測定したところ、10000秒/100cc以上で、実質的に非多孔質な(メタ)アクリレートコポリマー層が担持されていることが確認された。更に、ゲル分率を測定したところ、担持されている(メタ)アクリレートコポリマーは全て酢酸エチル中に溶出し、ゲル分率は0%であった。よって、作製した(メタ)アクリレートコポリマー層は、未架橋であることが確認された。
<電極シート>
実施例1と同様にして、正極シート及び負極シートを作製した。
<リチウムイオン二次電池の作製>
比較例2の電池用セパレータを用い、多孔質フィルムが負極シート側で(メタ)アクリレートコポリマー層が正極シート側となるように電池用セパレータを配置した以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。
[比較例3]
<電池用セパレータ>
実施例1と同様の方法で作製した混合溶液4を、基材となるポリエチレン樹脂製の多孔質フィルム(膜厚16μm、空孔率60%、通気度100秒/100cc、突き刺し強度3.0N)の片面にワイヤーバー(#20)にて塗工した後、塗膜に温度23℃で湿度60%に加湿した空気を吹きつけながら乾燥し、酢酸エチルを揮散させた。次いで、これを90℃の乾燥機に168時間投入して、(メタ)アクリレートコポリマー層(架橋ポリマー層)をイソシアネート架橋した。これにより、架橋された(メタ)アクリレートコポリマー層(架橋ポリマー層)が多孔質フィルムの片面に担持された、比較例3の電池用セパレータを得た。架橋ポリマー層の厚さは0.49μmであった。また、通気度を測定したところ1150秒/100ccであったが、作製した架橋ポリマー層の表面を走査電子顕微鏡で確認したところ、所々に孔が確認された。すなわち、比較例3の架橋ポリマー層は、非多孔質ではないことが確認された。更に、ゲル分率を測定したところ、ゲル分率は13%であった。よって、作製した架橋ポリマー層は、その一部が架橋していることが確認された。
<電極シート>
実施例1と同様にして、正極シート及び負極シートを作製した。
<リチウムイオン二次電池の作製>
比較例3の電池用セパレータを用いた以外は、実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製した。
以上のように作製した実施例1及び比較例1、2のリチウムイオン二次電池について、上記の方法で初期特性を測定することによって、架橋ポリマー層を設けることによる電池特性の変化を調べた。その結果を表1に示す。なお、表1には、各実施例及び比較例で用いた電池用セパレータの通気度、架橋ポリマー層の厚さ及びゲル分率の測定結果も併せて記載する。
Figure 0005249688
上記結果において、架橋ポリマー層が設けられた実施例1の電池用セパレータと、多孔質フィルム単体の比較例1の電池用セパレータとを比較しても、電池の初期特性に大きな差は見られなかった。これに対し、架橋していない非多孔質のポリマー層が設けられた比較例2の電池用セパレータでは、実施例1及び比較例1と比較して、電池の初期特性が劣っていた。
以上の結果から、本発明の電池用セパレータによれば、初期特性の劣化がないリチウムイオン二次電池が得られることがわかった。
また、実施例2〜5のリチウムイオン二次電池と、比較例3のリチウムイオン二次電池とについても、同様に電池の初期特性の評価を行い、いずれの電池も初期特性の劣化がないことを確認した。
次に、実施例1〜5のリチウムイオン二次電池と、比較例1及び3のリチウムイオン二次電池とについて、耐酸化性の試験を行った。その結果を表2に示す。なお、表2には、各実施例及び比較例で用いた電池用セパレータの通気度、架橋ポリマー層の厚さ及びゲル分率の測定結果も併せて記載する。
Figure 0005249688
上記結果より、実施例1〜5のリチウムイオン二次電池は、比較例1、3のリチウムイオン二次電池と比較すると、耐酸化性にすぐれ、高温かつ充電状態に長期間保持されたあとでも、電池容量の劣化が少ないことが確認された。非多孔質の架橋ポリマー層が設けられた実施例1〜5の電池用セパレータは、多孔質の架橋ポリマー層が設けられている比較例3の電池用セパレータと比較して、良好な耐酸化特性が得られることがわかった。更に、担持する架橋ポリマー層のゲル分率が50以上である実施例4、5のリチウムイオン二次電池は、非常に良好な結果が得られることが分かった。
本発明の電池用セパレータは、リチウムイオン二次電池等の非水系電解液二次電池のセパレータに好適に利用できる。
本発明の電池用セパレータの構成例を示す断面図である。 本発明の電池用セパレータの他の構成例を示す断面図である。
符号の説明
11,21 架橋ポリマー層
12,22 多孔質フィルム(基材)
13,23 電池用セパレータ
14,24 正極
15,25 負極
16 アルミニウムラミネートパッケージ
17 正極集電体
18 負極集電体
26 正極缶
27 負極缶
28 ガスケット

Claims (9)

  1. 多孔質フィルムからなる基材と、前記基材に担持された架橋ポリマー層とを含む電池用セパレータであって、
    前記架橋ポリマー層は、分子内に官能基を有する反応性ポリマーを、前記官能基に対して反応性を有する多官能性化合物と反応させて、当該反応性ポリマーの少なくとも一部を架橋させることによって得られる架橋ポリマーからなり、かつ、非多孔質であり、
    前記電池用セパレータの通気度が5000秒/100cc以上であり、
    前記架橋ポリマー層の厚さが0.05〜1μmの範囲内である、
    電池用セパレータ。
  2. 前記反応性ポリマーが、(メタ)アクリレートコポリマーである、請求項に記載の電池用セパレータ。
  3. 前記架橋ポリマー層のゲル分率が50%以上である、請求項1又は2に記載の電池用セパレータ。
  4. 前記多官能性化合物が多官能イソシアネートであり、
    前記反応性ポリマーに含まれる前記官能基が、イソシアネート基に対して反応し得る反応性基である、請求項1〜の何れか1項に記載の電池用セパレータ。
  5. 前記多孔質フィルムがポリエチレンを含有する、請求項1〜の何れか1項に記載の電池用セパレータ。
  6. 前記架橋ポリマー層が前記基材の一方面にのみ担持されている、請求項1〜の何れか1項に記載の電池用セパレータ。
  7. 正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に配置された電池用セパレータと、非水系溶媒及び電解質を含む非水系電解液と、を備えたリチウムイオン二次電池であって、
    前記電池用セパレータは、請求項1〜の何れか1項に記載の電池用セパレータであり、前記基材が前記負極側で前記架橋ポリマー層が前記正極側となるように、前記正極と前記負極との間に配置されている、リチウムイオン二次電池。
  8. (i)分子内に官能基を有する反応性ポリマーと、前記官能基に対して反応性を有する多官能性化合物と、溶媒と、を含む溶液を準備し、
    (ii)多孔質フィルムからなる基材の一方面に、前記溶液を用いて、前記反応性ポリマーと前記多官能性化合物とを含む膜を形成する工程と、
    (iii)前記膜に外部エネルギーを印加することによって、前記反応性ポリマーの少なくとも一部を架橋させて、前記多孔質フィルムに担持された非多孔質の架橋ポリマー層を作製する工程と、
    を含む、電池用セパレータの製造方法。
  9. (I)正極と負極との間に、請求項1〜の何れか1項に記載の電池用セパレータを、前記基材が前記負極側で前記架橋ポリマー層が前記正極側となるように配置して、前記正極、前記電池用セパレータ及び前記負極からなる積層体を作製する工程と、
    (II)電池容器内に、少なくとも一つの前記積層体を収容する工程と、
    (III)前記電池容器内に、電解液を注入する工程と、
    を含む、リチウムイオン二次電池の製造方法。
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