JP5249566B2 - チップ抵抗器及びチップ抵抗器の製造方法 - Google Patents

チップ抵抗器及びチップ抵抗器の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、チップ抵抗器に関するものであり、特に、電流値検出用の低抵抗のチップ抵抗器に関するものである。
従来より、電流検出用のチップ抵抗器として、低抵抗のチップ抵抗器が存在する。従来における電流検出用の低抵抗チップ抵抗器は、図5に示すように構成され、チップ抵抗器B1は、絶縁基板110と、抵抗体112と、側面電極116と、保護膜120と、メッキ121と、を有している。メッキ121は、ニッケルメッキ122と、錫メッキ124とから構成されている。このチップ抵抗器B1においては、側面電極116とメッキ121とで電極部を形成している。また、抵抗体112は、銀系厚膜により形成されていて、この銀系厚膜には、銀とガラスとが混合されている。
また、出願人は、ジャンパーチップ部品であって、絶縁基板の上側に形成された導体が、絶縁基板の一対の端部にまで至る第1導体と、該第1導体の上面に形成された第2導体で、絶縁基板の一対の端部間方向において第1導体の端部にまで至らない第2導体を有するものを出願している(特許文献1)。つまり、特許文献1においては、図6に示す構成のジャンパーチップが開示されており、ジャンパーチップB2は、絶縁基板210と、導体212と、側面電極216と、保護膜220と、メッキ221と、を有し、導体212は、第1導体213と、第2導体214とを有しており、また、メッキ221は、ニッケルメッキ222と、錫メッキ224とを有している。
特開2005−78874号公報
しかし、図5に示すチップ抵抗器においては、抵抗体112に含まれるガラス成分が抵抗体112の上側と下側に表出する。このガラス成分は、絶縁基板110を構成するアルミナとの接合には問題ないものの、抵抗体112の上側において、メッキ121と抵抗体112の密着強度が弱くなるという問題が生じる。特に、低抵抗のチップ抵抗器の場合には、抵抗体112の厚みが比較的厚くなるので、その分、抵抗体112の上側に表出するガラス成分も多くなり、メッキ121との密着強度が低下する。メッキ121と抵抗体112との密着強度が弱い場合には、例えば、温度変化によりメッキ121が収縮することによりメッキ121が抵抗体112から剥がれる可能性がある。特に、側面電極116とメッキ121と抵抗体112の端部により構成される電極部においては、メッキが抵抗体から剥がれてしまうと、チップ抵抗器B1自体の抵抗値が変化してしまい電流検出用のチップ抵抗器として適さない。
また、図5に示す低抵抗チップ抵抗器においては、銀系厚膜は硫化しやすいため、硫化ガス雰囲気中で使用すると、メッキが抵抗体から剥がれた場合に、銀系厚膜で構成された抵抗体が硫化してしまい故障に至る可能性がある。つまり、具体的には、保護膜とメッキの接合部分から硫化ガス(例えば、硫化水素)が侵入して、抵抗体に含まれる銀と硫化ガスが反応して絶縁物である硫化銀となり、抵抗体が部分的に消失して抵抗値が変化してしまう等故障の原因となる可能性がある。
また、図6に示すジャンパーチップ部品の構成を電流検出用のチップ抵抗器に適用した場合でも、メッキ221が第2導体214にも接しており、導体212において厚みの厚い領域がメッキ221に接しているので、表面に表出するガラス成分により第2導体214とメッキ221の密着強度が低下する。
そこで、本発明は、低抵抗のチップ抵抗器において、抵抗体とメッキとの密着強度を高くすることにより、抵抗値変動のおそれを小さくして、電流検出用のチップ抵抗器として好適なチップ抵抗器を提供することを目的とするものである。
本発明は上記問題点を解決するために創作されたものであって、第1には、チップ抵抗器であって、絶縁基板と、絶縁基板の上面に形成された抵抗体で、絶縁基板の上面に形成された膜厚部と、絶縁基板の上面に膜厚部における電極間方向の両端部から連設された膜薄部で、膜厚部よりも小さい厚みに形成された膜薄部とを有し、膜厚部が膜薄部と一体に形成された抵抗体と、抵抗体の上面に形成された保護膜で、膜厚部の全ての領域を被覆する保護膜と、少なくとも、膜薄部の上面の一部と絶縁基板の側面に形成された側面電極と、膜薄部の上面における保護膜と側面電極間の領域と、側面電極とを被覆するメッキと、を有することを特徴とする。
この第1の構成のチップ抵抗器においては、抵抗体が膜厚部と膜薄部とで構成され、膜薄部がメッキと接しているので、膜薄部の表面に表出するガラス成分を少なくでき、メッキとの密着強度を向上させることができる。これにより、メッキが抵抗体と剥がれることによる抵抗値変動のおそれを小さくして、電流検出用のチップ抵抗器として好適なチップ抵抗器を提供することができる。
また、第2には、上記第1の構成において、上記膜薄部が、7μm〜14μmの厚みに形成されていることを特徴とする。よって、膜薄部が7μm以上に形成されているので、抵抗体としての十分な強度を得ることができ、また、14μm以下に形成されているので、メッキとの密着強度を向上させることができる。
また、第3には、上記第1又は第2の構成において、上記保護膜がほう珪酸鉛ガラスにより形成され、側面電極が焼成による銀系厚膜により形成されていることを特徴とする。よって、側面電極が焼成による銀系厚膜により形成されているので、メッキ処理の直前に側面電極を焼成により形成することになり、抵抗体の露出部分や側面電極ペーストの表面の有機物を焼失させることができ、抵抗体及び側面電極とメッキとの密着強度を向上させることができる。また、保護膜がほう珪酸鉛ガラスにより形成されているので、側面電極を焼成により形成しても保護膜が焼失してしまうことがない。
また、第4には、上記第1から第3までのいずれかの構成において、上記抵抗体が、重量比で、72〜78%の銀と、16〜22%のパラジウムと、3〜7%のガラスとを有することを特徴とする。よって、抵抗体が耐硫化特性を得ることができる。
また、第5には、上記第1から第4までのいずれかの構成において、上記メッキが、膜薄部の上面における保護膜と側面電極間の領域と、側面電極とを被覆する銅メッキと、該銅メッキの外側に形成されたニッケルメッキと、該ニッケルメッキの外側に形成された錫メッキとを有することを特徴とする。よって、メッキの内側に銅メッキが形成されているので、メッキ自体の抵抗値を下げることができる。
また、第6には、チップ抵抗器の製造方法であって、チップ抵抗器における絶縁基板の素体となる基板素体で、該絶縁基板の複数個分の大きさを少なくとも有する基板素体の上面の各チップ抵抗器の領域に、膜厚部と、膜厚部における電極間方向の端部から連設された膜薄部で、膜厚部よりも小さい厚みに形成された膜薄部とを有し、膜厚部が膜薄部と一体に形成された抵抗体を形成する抵抗体形成工程と、抵抗体の上面に、ほう珪酸鉛ガラスを含有する保護膜ペーストを印刷・乾燥・焼成することにより保護膜を形成する保護膜形成工程で、膜厚部の全ての領域を被覆するとともに少なくとも膜薄部の端部側が露出するように保護膜を形成する保護膜形成工程と、基板素体を電極間方向と直角方向の境界線に沿って分割して複数の短冊状基板を形成する一次分割工程と、短冊状基板に対して側面電極ペーストを印刷・乾燥・焼成することにより側面電極を断面略コ字状に形成する側面電極形成工程で、抵抗体の上面に形成された領域の端部と保護膜の端部との間に抵抗体の膜薄部が露出するように側面電極を形成する側面電極形成工程と、短冊状基板を電極間方向の境界線に沿って分割する二次分割工程と、抵抗体の膜薄部の露出領域と側面電極とにメッキを形成するメッキ形成工程と、を有することを特徴とする。
この第6の構成のチップ抵抗器の製造方法によれば、製造されたチップ抵抗器においては、抵抗体が膜厚部と膜薄部とで構成され、膜薄部がメッキと接しているので、膜薄部の表面に表出するガラス成分を少なくでき、メッキとの密着強度を向上させることができる。これにより、メッキが抵抗体と剥がれることによる抵抗値変動のおそれを小さくして、電流検出用のチップ抵抗器として好適なチップ抵抗器を提供することができる。また、メッキ処理の直前に側面電極を焼成により形成することになり、抵抗体の露出部分や側面電極ペーストの表面の有機物を焼失させることができ、抵抗体及び側面電極とメッキとの密着強度を向上させることができる。また、保護膜がほう珪酸鉛ガラスにより形成されているので、側面電極を焼成により形成しても保護膜が焼失してしまうことがない。
また、以下の構成としてもよい。すなわち、第7には、上記第6の構成において、上記抵抗体形成工程が、絶縁基板の上面に膜薄部の厚みを有する第1抵抗層を帯状に形成する第1抵抗層形成工程と、第1抵抗層とともに膜厚部を形成するように第2抵抗層を形成する第2抵抗層形成工程で、該第1抵抗層の上面の膜厚部形成領域に、膜厚部の厚みから第1抵抗層の厚みを減じた厚みの第2抵抗層を形成する第2抵抗層形成工程と、を有することを特徴とする。
また、第8には、上記第6の構成において、上記抵抗体形成工程が、絶縁基板の上面の膜厚部形成領域に、膜厚部の厚みから第1抵抗層の厚みを減じた厚みの第2抵抗層を形成する第2抵抗層形成工程と、絶縁基板の上面及び第2抵抗層の上面に帯状に第1抵抗層を形成する第1抵抗層形成工程で、膜薄部の厚みを有する第1抵抗層を形成する第1抵抗層形成工程と、を有することを特徴とする。
本発明に基づくチップ抵抗器及びチップ抵抗器の製造方法によれば、抵抗体が膜厚部と膜薄部とで構成され、膜薄部がメッキと接しているので、膜薄部の表面に表出するガラス成分を少なくでき、メッキとの密着強度を向上させることができる。これにより、メッキが抵抗体と剥がれることによる抵抗値変動のおそれを小さくして、電流検出用のチップ抵抗器として好適なチップ抵抗器を提供することができる。
本発明においては、低抵抗のチップ抵抗器において、抵抗体とメッキとの密着強度を高くすることにより、抵抗値変動のおそれを小さくして、電流検出用のチップ抵抗器として好適なチップ抵抗器を提供するという目的を以下のようにして実現した。なお、図において、Y1−Y2方向は、X1−X2方向に直角な方向であり、Z1−Z2方向は、X1−X2方向及びY1−Y2方向に直角な方向である。
本発明に基づくチップ抵抗器Aは、低抵抗のチップ抵抗器であり、主として、電流検出用に用いられるものであり、抵抗値としては、具体的には、19mΩ〜21mΩのものである。
このチップ抵抗器Aは、図1に示すように、絶縁基板10と、抵抗体12と、下面電極16と、側面電極18と、保護膜20と、メッキ21と、を有している。このチップ抵抗器Aにおいては、側面電極18と下面電極16とメッキ21とで電極部を形成しており、電極間方向の両側に一対の電極部が形成されているといえる。
ここで、絶縁基板10は、含有率96%(重量比)程度のアルミナにて形成された絶縁体である。この絶縁基板10は、直方体形状を呈しており、平面視すると、略長方形形状を呈している。この絶縁基板10は、チップ抵抗器Aの基礎部材として用いられている。
また、抵抗体12は、絶縁基板10の上面に接して形成され、全体に略層状を呈し、平面形状は略方形状(略帯状としてもよい)を呈しており、厚さが厚い膜厚部13と、厚さが薄い膜薄部14とを有している。この抵抗体12は、銀系厚膜(銀系メタルグレーズ厚膜)により形成されていて、銀(Ag)とパラジウム(Pd)とガラスとが含有されていて、抵抗体全体に対する含有量は、重量比で、銀は72〜78%、パラジウムは16〜22%、ガラスは3〜7%となっている。また、銀とパラジウムの合計重量に対してパラジウムが重量比で18〜24%含有されている。
この膜厚部13は、平面形状が略方形状を呈した層状であり、その厚みは膜薄部14よりも厚く形成され、具体的には、14μmよりも大きく27μm以下の厚み(好適には、18〜20μmの厚み)に形成されている。
また、膜薄部14は、膜厚部13の電極間方向の端部に連設され、平面形状が略方形状を呈した層状であり、その厚みは膜厚部13よりも薄く形成され、具体的には、7μm〜14μmの厚みに形成されている。すなわち、7μm未満の場合には、抵抗体としての強度が十分でなく、14μmより厚い場合には、ガラス成分が表出するためにメッキ21との密着強度が低下するためである。
なお、電極間方向と直角の方向である幅方向(X1−X2方向及びZ1−Z2方向に直角な方向)においては、膜厚部13と膜薄部14とは同じ幅に形成されている。また、抵抗体12は、絶縁基板10の電極間方向には絶縁基板10の一方の端部から他方の端部にまで形成され、また、幅方向には、絶縁基板10の幅よりも短く形成されていて、絶縁基板10の端部との間に所定の距離が設けられている。
また、抵抗体12における膜厚部13は、後述する保護膜20により被覆されていて、平面視において、膜厚部13の輪郭は、保護膜20の輪郭よりも内側にあり、例えば、電極間方向(X1−X2方向)においては、膜厚部13の領域R1は、保護膜20の領域R2の内側にあり、また、電極間方向と直角の方向である幅方向においても、膜厚部13の領域は、保護膜20の領域の内側にある。
また、下面電極16は、絶縁基板10の下面に接して形成され、絶縁基板10の下面の長手方向(X1−X2方向(図1参照))の両端部領域に一対形成されていて、底面視において略方形状を呈している。下面電極16の長さ(X1−X2方向の長さ)は、任意であるが、例えば、絶縁基板10の端部と保護膜20間の距離R3と略同一の長さに形成されている。また、下面電極16のY1−Y2方向の幅は、絶縁基板10のY1−Y2方向の幅と略同一に形成されている。この下面電極16は、銀系厚膜(銀系メタルグレーズ厚膜)により形成されている。
また、側面電極18は、上記絶縁基板10の長手方向(X1−X2方向)の両端に一対形成されており、上面及び側面及び底面を被覆するように略コ字状に形成されている。つまり、この側面電極18は、抵抗体12の上面の一部(つまり、膜薄部14のの上面の一部)と、絶縁基板10の側面と、下面電極16の下面の一部とに接して被覆している。この側面電極18の幅方向の長さは、絶縁基板10の幅方向の長さと同一に形成されている。なお、側面電極18は、膜薄部14の一部を被覆しているが、膜厚部13には接していない。この側面電極18は、銀系厚膜(例えば、銀系メタルグレーズ厚膜)により形成されている。なお、この側面電極18には、パラジウムは含有されていない。
また、保護膜20は、抵抗体12の上面に接して形成され、膜厚部13の領域の全体を被覆するとともに膜薄部14の領域の一部を被覆するように形成されている。すなわち、この保護膜20の配設位置をさらに詳しく説明すると、幅方向には、抵抗体12の幅よりも広く形成され、該絶縁基板10の幅よりも若干小さく形成されていて、幅方向には抵抗体12を被覆している。さらに、電極間方向には、膜厚部13の長さよりも長く形成されて膜厚部13を被覆し、抵抗体12の長さよりも短く形成されて、膜薄部14の一部が保護膜20から露出している。この保護膜20は、ほう珪酸鉛ガラスにより形成されている。
また、メッキ21は、銅メッキ22と、ニッケルメッキ24と、錫メッキ26とを有している。
ここで、銅メッキ22は、電気メッキにより上記保護膜20の端部に接触し、かつ、上記抵抗体12と、側面電極18とを被覆するように略均一の膜厚で配設されている。つまり、メッキ21は、抵抗体12における膜薄部14の露出部分と側面電極18と下面電極16の露出部分に接してこれらを被覆している。つまり、膜薄部14における保護膜20及び側面電極18に被覆されていない露出領域の上面に銅メッキ22が被覆している。この銅メッキ22は、銅(Cu)により形成されていて、メッキ21全体の抵抗値を下げるために形成されている。また、ニッケルメッキ24は、電気メッキにより銅メッキ22の上面を被覆するように略均一の膜厚で配設されている。このニッケルメッキ24は、ニッケルにて形成されており、上記抵抗体12、側面電極18等のはんだ喰われを防止するために形成されている。また、錫メッキ26は、電気メッキにより上記ニッケルメッキ24の上面を被覆するように略均一の膜厚で配設されている。この錫メッキ26は、錫にて形成されており、上記チップ抵抗器Aの配線基板へのはんだ付けを良好に行うために形成されている。なお、この錫メッキ26は、錫以外にはんだが用いられる場合もある。
上記構成のチップ抵抗器Aの製造方法について、図2、図3等を使用して説明する。まず、予め一次スリットJ1や二次スリットJ2が設けられたアルミナ基板(基板素体)(このアルミナ基板は、複数のチップ抵抗器の絶縁基板の大きさを少なくとも有する大判のものである)の表側の面に、第1抵抗層12aを形成する(S11、第1抵抗層形成工程)。つまり、抵抗体ペーストを印刷した後に乾燥・焼成する。抵抗体ペーストとしては、銀とパラジウムとガラスとが含有され抵抗体ペーストが用いられる。焼成温度としては、例えば、840℃〜860℃(好適には850℃)とする。なお、この第1抵抗層12aの厚みは、膜薄部14の厚みとなるので、具体的には、7μm〜14μmの厚みに形成される。
この第1抵抗層12aは、X方向の複数のチップ抵抗器分の抵抗体であり、抵抗体ペーストの印刷の際、アルミナ基板においてX方向(電極部間方向)に導体ペーストを帯状に連続して印刷する。つまり、アルミナ基板において、一次スリットと二次スリットとで囲まれる個々の領域においてX1−X2方向につながる領域について一度に印刷する。より具体的には、アルミナ基板において、最終的に個々のチップ抵抗器となった場合のX1−X2方向に連なる一連の絶縁基板10の領域(これを「集合領域」とする。この集合領域は、基板素体における個々のチップ抵抗器形成領域が直線状に複数連なる領域であるともいえる)において、該集合領域の一方の端部から他方の端部にまで1本の帯状に導体ペーストを印刷する。つまり、X1−X2方向に複数のチップ抵抗器分まとめて一連の帯状に導体ペーストを印刷する。なお、Y1−Y2方向には、抵抗体ペーストは、絶縁基板10のY1−Y2方向の幅よりも小さい幅に形成する。
次に、第2抵抗層12bを第1抵抗層12aの上面に形成する(S12、第2抵抗層形成工程)。つまり、抵抗体ペーストを印刷した後に乾燥・焼成する。抵抗体ペーストとしては、銀とパラジウムとガラスとが含有された抵抗体ペーストが用いられる。焼成温度としては、例えば、840℃〜860℃(好適には850℃)とする。この第2抵抗層12bの厚みは、膜厚部13の厚みが、第1抵抗層12aの厚みと第2抵抗層12bの厚みの和となるので、所望の膜厚部13の厚みから第1抵抗層12aの厚みを減じた厚みとする。
なお、この第2抵抗層12bの形成に際しては、抵抗体ペーストを各チップ抵抗器ごとに印刷する。つまり、抵抗体ペーストを一次スリットと二次スリットとで囲まれる個々の領域にそれぞれ印刷される。つまり、第1抵抗層12a上の一次スリットと二次スリットとで囲まれた個々の領域に、完成状態において、抵抗体12の全体のX1−X2方向の長さよりも短く、また、第1抵抗層12aとY1−Y2方向に同一幅となるように抵抗体ペーストを印刷し、その後、乾燥、焼成を行う。なお、第2抵抗層12bの抵抗体ペーストを印刷し、乾燥、焼成することにより、第1抵抗層12aと第2抵抗層12bとは一体に構成される。つまり、第1抵抗層12aと第2抵抗層12bとは、同一の材料により形成されているので、第2抵抗層12bを形成した際には、抵抗体12が全体に一体に構成されることになる。上記ステップS11とステップS12とにより、上記抵抗体形成工程が構成される。
以上のように、第1抵抗層12aの上面に第2抵抗層12bを形成することにより、抵抗体12が形成され、第1抵抗層12aと第2抵抗層12bとが重なった領域が、膜厚部13となる。なお、第2抵抗層12bを形成したらトリミングを行なう(トリミング工程)。すなわち、抵抗体12の膜厚部13にトリミング溝を形成して、抵抗値の調整を行なう。
なお、上記の説明では、第1抵抗層12aを形成した後に第2抵抗層12bを形成するものとして説明したが、第2抵抗層12bを形成した後に第1抵抗層12aを形成してもよい。この場合でも、第1抵抗層12aと第2抵抗層12bとは一体に構成されるので、結果としては、第1抵抗層12aを形成後に第2抵抗層12bを形成する場合と比べて、同じ構成となる。
そして、図2、図3に示すように、保護膜20を形成する(つまり、ほう珪酸鉛ガラスを含有する保護膜ペーストを印刷・乾燥・焼成させる)(S13、保護膜形成工程)。つまり、第2抵抗層12bを被覆するように一次スリットJ1と二次スリットJ2とで区画された各領域ごとに保護膜20を形成する。なお、焼成・硬化温度としては、保護膜がほう珪酸鉛ガラスにより形成されるので、例えば、590℃〜610℃(好適には600℃)で焼成する。
その後は、一次スリットJ1(この一次スリットJ1が、電極間方向と直角方向の境界線となる)に沿ってアルミナ基板を一次分割した(S14、一次分割工程)後、一次分割により形成された短冊状基板に側面電極を形成する(具体的には、複数のチップ抵抗器分の側面電極を形成する)(S15、側面電極形成工程)。側面電極における抵抗体の上面に形成された領域の端部と保護膜の端部との間に抵抗体の膜薄部が露出するように側面電極を形成する。また、側面電極の形成に際しては、側面電極ペーストを印刷した後に乾燥・焼成する。側面電極ペーストとしては、銀とガラスとが含有された側面電極ペーストが用いられる。焼成温度としては、例えば、590℃〜610℃(好適には600℃)とする。
、その後、二次スリットJ2(この二次スリットJ2が、電極間方向の境界線となる)に沿って二次分割する(S16、二次分割工程)。そして、メッキ21を形成して(S17、メッキ形成工程)チップ抵抗器Aを形成する。
上記のように製造されたチップ抵抗器Aは、電流検出用のチップ抵抗器として、配線基板(プリント基板としてもよい)に実装して使用する。配線基板への実装においては、図4に示すように、チップ抵抗器Aは、保護膜20側を配線基板側として、配線基板100上に形成されたランド102にハンダフィレット110を介して実装される。なお、上記とは異なり、下面電極16側を配線基板側として実装してもよい。
上記構成のチップ抵抗器Aにおいては、抵抗体12が、膜厚部13と膜薄部14とで構成され、膜薄部14がメッキ21と接しており、膜薄部14は7μm〜14μmの厚みに形成されているので、膜薄部14の表面に表出するガラス成分を少なくでき、メッキ21との密着強度を向上させることができる。これにより、メッキ21が抵抗体12と剥がれることによる抵抗値変動のおそれを小さくして、電流検出用のチップ抵抗器として好適なチップ抵抗器を提供することができる。すなわち、ガラス分を含む側面電極18よりも純金属であるメッキ21(特に銅メッキ22)の方が抵抗値が小さいことから、抵抗体12から側面電極18に至る経路よりも抵抗体12からメッキ21に至る経路が主たる電流経路となるので、メッキ21の抵抗体12に対する密着強度を向上させることにより、チップ抵抗器自体の抵抗値が変化するおそれを小さくして、電流値検出用に適したチップ抵抗器とすることができる。
また、抵抗体のパラジウムの比率を銀とパラジウムの合計重量に対して重量比で18〜24%にすることにより、硫化ガスによる抵抗体に含まれる銀の硫化を十分に防止することができる。また、抵抗体のパラジウムの比率を銀とパラジウムの合計重量に対して重量比で25%以上に増加させると、抵抗体の抵抗値が上昇して電流検出用のチップ抵抗器に適さなくなるが、抵抗体のパラジウムの比率を18〜24%にすることにより、電流検出用のチップ抵抗器に適することができる。
また、膜厚部13は、膜薄部14よりも厚く形成され、この膜厚部13の厚みを調整することにより抵抗体12を所望の抵抗値に調整することができ、膜厚部13の厚みを厚くすることにより低抵抗の抵抗体を形成することができる。なお、この膜厚部13は保護膜20に被覆されていて、メッキ21とは接しないので、メッキ21が抵抗体12に対して密着強度が弱くなるおそれはない。
また、上記チップ抵抗器の製造方法によれば、メッキ処理の直前に側面電極を焼成により形成することにより、抵抗体12の露出部分(つまり、膜薄部14の露出部分)や側面電極ペーストの表面の有機物を焼失させることができ、抵抗体12及び側面電極18とメッキ21(特に、銅メッキ22)との密着強度を向上させることができる。また、保護膜20がほう珪酸鉛ガラスにより形成されているので、側面電極18を焼成により形成しても保護膜が焼失してしまうことがない。
本発明の実施例に基づくチップ抵抗器の構成を示す断面図である。 本発明の実施例に基づくチップ抵抗器の製造工程を示すフローチャートである。 本発明の実施例に基づくチップ抵抗器の製造工程を説明するための説明図である。 本発明の実施例に基づくチップ抵抗器が配線基板に実装された状態を示す断面図である。 従来におけるチップ抵抗器の構成を示す断面図である。 従来におけるジャンパーチップの構成を示す断面図である。
符号の説明
A チップ抵抗器
10 絶縁基板
12 抵抗体
13 膜厚部
14 膜薄部
16 下面電極
18 側面電極
20 保護膜
21 メッキ
22 銅メッキ
24 ニッケルメッキ
26 錫メッキ

Claims (6)

  1. チップ抵抗器であって、
    絶縁基板と、
    絶縁基板の上面に形成された抵抗体で、絶縁基板の上面に形成された膜厚部と、絶縁基板の上面に膜厚部における電極間方向の両端部から連設された膜薄部で、膜厚部よりも小さい厚みに形成された膜薄部とを有し、膜厚部が膜薄部と一体に形成された抵抗体と、
    抵抗体の上面に形成された保護膜で、膜厚部の全ての領域を被覆する保護膜と、
    少なくとも、膜薄部の上面の一部と絶縁基板の側面に形成された側面電極と、
    膜薄部の上面における保護膜と側面電極間の領域と、側面電極とを被覆するメッキと、
    を有することを特徴とするチップ抵抗器。
  2. 上記膜薄部が、7μm〜14μmの厚みに形成されていることを特徴とする請求項1に記載のチップ抵抗器。
  3. 上記保護膜がほう珪酸鉛ガラスにより形成され、側面電極が焼成による銀系厚膜により形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のチップ抵抗器。
  4. 上記抵抗体が、重量比で、72〜78%の銀と、16〜22%のパラジウムと、3〜7%のガラスとを有することを特徴とする請求項1又は2又は3に記載のチップ抵抗器。
  5. 上記メッキが、膜薄部の上面における保護膜と側面電極間の領域と、側面電極とを被覆する銅メッキと、該銅メッキの外側に形成されたニッケルメッキと、該ニッケルメッキの外側に形成された錫メッキとを有することを特徴とする請求項1又は2又は3又は4に記載のチップ抵抗器。
  6. チップ抵抗器の製造方法であって、
    チップ抵抗器における絶縁基板の素体となる基板素体で、該絶縁基板の複数個分の大きさを少なくとも有する基板素体の上面の各チップ抵抗器の領域に、膜厚部と、膜厚部における電極間方向の端部から連設された膜薄部で、膜厚部よりも小さい厚みに形成された膜薄部とを有し、膜厚部が膜薄部と一体に形成された抵抗体を形成する抵抗体形成工程と、
    抵抗体の上面に、ほう珪酸鉛ガラスを含有する保護膜ペーストを印刷・乾燥・焼成することにより保護膜を形成する保護膜形成工程で、膜厚部の全ての領域を被覆するとともに少なくとも膜薄部の端部側が露出するように保護膜を形成する保護膜形成工程と、
    基板素体を電極間方向と直角方向の境界線に沿って分割して複数の短冊状基板を形成する一次分割工程と、
    短冊状基板に対して側面電極ペーストを印刷・乾燥・焼成することにより側面電極を断面略コ字状に形成する側面電極形成工程で、抵抗体の上面に形成された領域の端部と保護膜の端部との間に抵抗体の膜薄部が露出するように側面電極を形成する側面電極形成工程と、
    短冊状基板を電極間方向の境界線に沿って分割する二次分割工程と、
    抵抗体の膜薄部の露出領域と側面電極とにメッキを形成するメッキ形成工程と、
    を有することを特徴とするチップ抵抗器の製造方法。
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