JP5248137B2 - 潤滑油用酸化防止剤組成物及びそれを含有する潤滑油組成物 - Google Patents

潤滑油用酸化防止剤組成物及びそれを含有する潤滑油組成物 Download PDF

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Description

本発明は、今まで以上の高温にも対応できる潤滑油用酸化防止剤組成物及びそれを含有する潤滑油組成物に関する。
潤滑油は、エンジン油、駆動系油、タービン油、グリース等様々な用途で使用されている。そのいずれの用途においても、熱がかかる、酸性物質の攻撃を受ける、あるいは長期間使用する等の劣化要因があり、潤滑油には劣化を防ぐために酸化防止剤の添加が必要不可欠である。
潤滑油の酸化防止剤には、アミン化合物やフェノール化合物等が使用されている(例えば、特許文献1、2を参照)。アミン系酸化防止剤は高温時の酸化防止性能に優れ、フェノール系酸化防止剤は低温時の酸化防止性に優れていると言われ、両酸化防止剤を併用することにより相乗効果が上がるため、通常は両酸化防止剤を併用している。近年の潤滑油は、エンジンや駆動系の性能が上がったこともあり、今までより更に高温にさらされる場合が多くなったため、高温での酸化安定性が酸化防止剤に求められる要求として高まった。
上記に記載したとおり、高温で効果のある酸化防止剤はアミン系であるが、今まで以上の高温になると、酸化防止剤の分解等の問題があり、要求性能を満たすことができない。また、2級アミン化合物の中で特に多用されているジフェニルアミン系の酸化防止剤には昇華性があり、高温時になると昇華してしまい、潤滑油の酸化安定性が極端に悪化するという問題もあった。更に、今まで以上の高温になると、フェノール系酸化防止剤にも分解等の影響が出てくるため、こうした高温にも対応できる酸化防止剤組成物の需要が高まっていた。
一方、ヒンダードアミン系の化合物も潤滑油の酸化防止剤として使用できることが知られている(例えば、特許文献3を参照)。しかし、これらの化合物は上記のアミン化合物やフェノール化合物と比べて今まで考えられていた温度領域では酸化防止性能に差はなく、更に高価であることから通常潤滑油に使用されることはなかった。また、ヒンダードアミン系の化合物の一部が、高温で酸化防止効果を発揮することも知られていなかった。
特開平6−200277号公報 特開平7−331270号公報 特開昭60−28496号公報
従って、本発明が解決しようとする課題は、高温時の酸化防止性に優れた潤滑油用の酸化防止剤組成物及びそれらを配合した潤滑油組成物を提供することにある。
そこで本発明者等鋭意検討し、高温時に優れた酸化防止性能を発揮する組成物を見出し、本発明に至った。即ち、本発明は、下記の一般式(1)
Figure 0005248137
(式中、Rは水素原子を表わし、Rは炭素数7〜18の分岐アルキル基を表わし、Aは酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選ばれる1つ以上の原子を含んでもよい炭化水素基を表わし、m及びnはそれぞれ1〜5の数を表わし、mとnの合計の数が3〜6である。)
で表わされるアミン化合物である(X)成分及び、
下記の一般式(2)
Figure 0005248137
(Bは酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選ばれる1つ以上の原子を含んでもよい炭化水素基を表わし、R は炭素数1〜5のアルキレン基を表わし、pは1〜5の数を表わし、R 及びR はそれぞれ水素原子、炭素数1〜5のアルキル基を表わすが、R 及びR が同時に水素原子になることはない。)
で表わされる1つ以上のエステル基を含有するフェノール化合物である(Y)成分を含有することを特徴とする潤滑油用酸化防止剤組成物である。
本発明の効果は、高温時の酸化防止性に優れた潤滑油用の酸化防止剤組成物及びそれを含有する潤滑油組成物を提供したことにある。
本発明の潤滑油用酸化防止剤組成物の(X)成分は、下記の一般式(1)で表わされる。
Figure 0005248137
(式中、Rは水素原子又はメチル基を表わし、Rは炭素数6〜20の脂肪族炭化水素基を表わし、Aは酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選ばれる1つ以上の原子を含んでもよい炭化水素基を表わし、m及びnはそれぞれ1〜5の数を表わす。)
一般式(1)のRは、水素原子又はメチル基を表わすが、酸化防止性能が高いことから、水素原子であることが好ましい。
また、一般式(1)のRは炭素数6〜20の脂肪族炭化水素基を表わす。こうした脂肪族炭化水素基としては、例えば、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、へプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、イソノニル基、イソデシル基、イソウンデシル基、イソドデシル基、イソトリデシル基、イソテトラデシル基、イソペンタデシル基、イソヘプタデシル基、イソオクタデシル基、イソノナデシル基、イソエイコシル基等のアルキル基;ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、へプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、エイコセニル基等のアルケニル基が挙げられる。これらの脂肪族炭化水素基は1種又は2種以上の混合物でもよく、酸化防止性能が良好なことから、炭素数6〜20のアルキル基であり、7〜18のアルキル基が好ましく、7〜18の分岐アルキル基がより好ましい。炭素数が6未満あるいは20を超えると、良好な酸化防止性能を得ることができない。
一般式(1)のm及びnは、それぞれ1〜5の数である。mとnの和は2〜10になるが、潤滑油への溶解性が良好で、酸化防止性能も良好なことから、mとnの和は3〜6が好ましく、mとnの和が3〜6で且つmの値が2〜5であることがより好ましい。mとnの和が10より大きくなると分子量が大きくなりすぎて潤滑油への溶解性が低下し、結果として酸化防止剤としての性能を発揮できない。また、mが0であると酸化防止剤として機能しなくなり、nが0であると、nが1以上の場合と比較して高温での酸化防止性能が劣ってしまう。
次に、一般式(1)のAについて説明する。Aは酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選ばれる1つ以上の原子を含んでもよい炭化水素基であればいずれの化合物由来の基でもよいが、一般式(1)で表わされる(X)成分を容易に合成できることから、Aは下記の一般式(3)で表わされる有機多価カルボン酸由来の基であることが好ましい。
Figure 0005248137
(Aは酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選ばれる1つ以上の原子を含んでもよい炭化水素基を表わし、qは2〜10の数を表わす。)
上記一般式(3)で表わされる多価カルボン酸は、カルボキシル基を2〜10個含有している多価カルボン酸であり、こうした多価カルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタン酸、アジピン酸、スベリン酸、セバチン酸、デカメチレンジカルボン酸、マレイン酸、イタコン酸、アセチレンジカルボン酸、ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロン酸、チオジプロピオン酸、チオグリコール酸、メチレンビスチオグリコール酸、イミノジ酢酸、酒石酸、リンゴ酸、チオリンゴ酸、ジヒドロ酒石酸、エポキシコハク酸、3,4−ジオキシチオフェンジカルボン酸、1,4−ビスカルボキシエチルピペラジン、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、5−ビシクロ(2,2,1)ヘプテン−2,3−ジカルボン酸、5−ビシクロ(2,2,2)ヘプテン−2,3−ジカルボン酸等の2価カルボン酸;プロパントリカルボン酸、ブタントリカルボン酸、ブテントリカルボン酸、ニトロトリ酢酸、クエン酸、トリスカルボキシエチルイソシアヌレート、トリメリット酸等の3価カルボン酸;ブタンテトラカルボン酸、エチレンテトラカルボン酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、ピロメリット酸、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン−N,N,N',N'−テトラ酢酸等の4価カルボン酸;1,6,7,8,9,14−テトラデカンヘキサカルボン酸等の6価カルボン酸;アクリル酸、メタクリル酸等のカルボン酸含有モノマーの重合物(カルボキシル基が2〜10個のオリゴマー)等が挙げられる。これらの多価カルボン酸の中でも、酸化防止性が優れていることから、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子を含有しないものが好ましく、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子を含有せず、カルボキシル基を3〜6個含有しているものがより好ましい。また、Aの炭素数としては2〜20が好ましく、3〜10がより好ましい。こうした好ましい多価カルボン酸としては、例えば、プロパントリカルボン酸、ブタントリカルボン酸、トリメリット酸、ブタンテトラカルボン酸、エチレンテトラカルボン酸等を挙げることができる。
本発明の一般式(1)で表わされる(X)成分の合成方法は特に指定されるものではなく、公知の方法であればいずれの方法を用いてもよいが、好ましい合成方法としては、例えば、一般式(3)で表わされる有機多価カルボン酸と、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン及びROHで表わされるアルコールとのエステル化反応や、一般式(3)で表わされる有機多価カルボン酸のメチルエステルと、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン及びROHで表わされるアルコールとのエステル交換反応が挙げられる。これらの反応は公知の方法であればいずれの方法も使用することができ、アルコールの配合比によってmとnの比率を調整することができる。
本発明の潤滑油用酸化防止剤組成物の(Y)成分は、1つ以上のエステル基を含有するフェノール化合物である。こうした化合物としては、分子中にフェノール性水酸基とエステル基をもつものであればいずれの化合物でもよいが、酸化防止性能及び高温での安定性が良好なことから、下記の一般式(2)で表わされる化合物が好ましい。
Figure 0005248137
(Bは酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選ばれる1つ以上の原子を含んでもよい炭化水素基を表わし、Rは炭素数1〜5のアルキレン基を表わし、pは1〜5の数を表わし、R及びRはそれぞれ水素原子、炭素数1〜5のアルキル基を表わすが、R及びRが同時に水素原子になることはない。)
一般式(2)のRは炭素数1〜5のアルキレン基を表わす。こうしたアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、ペンチレン基、イソペンチレン基等が挙げられる。これらのアルキレン基の中でも、原料として安価であることからRはエチレン基であることが好ましい。
一般式(2)のR及びRはそれぞれ水素原子、炭素数1〜5のアルキル基を表わす。こうしたアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ターシャリブチル基、ペンチル基、イソペンチル基等が挙げられる。これらのアルキル基の中でも、酸化防止性能が良好なことからターシャリブチル基が好ましい。また、R及びRは同時に水素原子になることはなく、R及びRが両方ともアルキル基であることが好ましい。
一般式(2)のBは酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選ばれる1つ以上の原子を含んでもよい炭化水素基を表わせばいずれの化合物から誘導したものでもよいが、一般式(2)で表わされる(Y)成分を容易に合成できることから、Bは、B(OH)Pで表わされる1〜5価のアルコールから誘導されるものが好ましい。B(OH)Pで表わされるアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、2級ブタノール、ターシャリブタノール、ペンタノール、イソペンタノール、2級ペンタノール、ネオペンタノール、ターシャリペンタノール、ヘキサノール、2級ヘキサノール、ヘプタノール、2級ヘプタノール、オクタノール、2―エチルヘキサノール、2級オクタノール、ノナノール、2級ノナノール、デカノール、2級デカノール、ウンデカノール、2級ウンデカノール、ドデカノール、2級ドデカノール、トリデカノール、イソトリデカノール、2級トリデカノール、テトラデカノール、2級テトラデカノール、ヘキサデカノール、2級ヘキサデカノール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、エイコサノール、ドコサノール、テトラコサノール、ヘキサコサノール、オクタコサノール、ミリシルアルコール、ラッセロール、テトラトリアコンタノール、2―ブチルオクタノール、2―ブチルデカノール、2―ヘキシルオクタノール、2―ヘキシルデカノール、2―オクチルデカノール、2―ヘキシルドデカノール、2―オクチルドデカノール、2―デシルテトラデカノール、2―ドデシルヘキサデカノール、2―ヘキサデシルオクタデカノール、2―テトラデシルオクタデカノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、シクロヘプタノール、メチルシクロペンタノール、メチルシクロヘキサノール、メチルシクロヘプタノール、ベンジルアルコール等の1価アルコール;
エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、イソプレングリコール(3−メチル−1,3−ブタンジオール)、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,2−オクタンジオール、オクタンジオール(2−エチル−1,3−ヘキサンジオール)、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、1,2−デカンジオール、1,2−ドデカンジオール、1,2−テトラデカンジオール、1,2−ヘキサデカンジオール、1,2−オクタデカンジオール、1,12−オクタデカンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールA、ソルバイド、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、ビス(ヒドロキシメチル)ベンゼン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン等の2価アルコール;
グリセリン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、2−メチル−1,2,3−プロパントリオール、1,2,3−ペンタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、1,3,5−ペンタントリオール、2,3,4−ペンタントリオール、2−メチル−2,3,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、2,3,4−ヘキサントリオール、2−エチル−1,2,3−ブタントリオール、トリメチロールプロパン、4−プロピル−3,4,5−ヘプタントリオール、ペンタメチルグリセリン(2,4−ジメチル−2,3,4−ペンタントリオール)、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等の3価アルコール;ペンタエリスリトール、1,2,3,4−ペンタンテトロール、2,3,4,5−ヘキサンテトロール、1,2,4,5−ペンタンテトロール、1,3,4,5−ヘキサンテトロール、ジグリセリン、ジトリメチロールプロパン、ソルビタン、N,N,N',N'−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N,N,N',N'−テトラキス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン等の4価アルコール;アドニトール、アラビトール、キシリトール、トリグレセリン等の5価アルコールが挙げられる。
これらの中でも、潤滑油への溶解性が良好なことや取り扱いが容易であること、酸化防止性が良好なことから、1〜3価のアルコールが好ましく、1価のアルコールがより好ましく、1価の脂肪族飽和アルコールが更に好ましい。また、同様の理由からBの炭素数としては、3〜20が好ましく、5〜18がより好ましく、6〜13が更に好ましい。
一般式(2)で表わされる(Y)成分の合成方法は、公知の方法をいずれも使用することができるが、安価な原料で容易に合成することができることから、下記の一般式(4)の化合物
Figure 0005248137
(Rは炭素数1〜5のアルキレン基を表わし、R及びRはそれぞれ水素原子、炭素数1〜5のアルキル基を表わし、Mは水素原子又はメチル基を表わす。)
と、上記B(OH)Pで表わされるアルコールとのエステル化反応又はエステル交換反応で合成することが好ましい。反応としては、公知のエステル化反応あるいはエステル交換反応を使用することができる。
本発明の潤滑油組成物は、本発明の潤滑油用酸化防止剤組成物の(X)成分及び(Y)成分を、基油に対しそれぞれ0.1質量%〜5質量%になるように配合したものである。(X)成分及び(Y)成分の配合量が0.1質量%未満の場合は酸化防止剤として機能しない場合があり、5質量%を超えると添加量に見合う効果が得られない場合やスラッジが発生する場合がある。また、(X)成分と(Y)成分の比は、(X)/(Y)=2/8〜8/2(質量比)になるように配合するのが好ましく、4/6〜6/4(質量比)になるように配合するのがより好ましい。
使用できる基油としては、例えば、鉱油、合成油及びこれらの混合物が挙げられ、より具体的には、ポリ−α−オレフィン、エチレン−α−オレフィン共重合体、ポリブテン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ポリアルキレングリコール、ポリフェニルエーテル、アルキル置換ジフェニルエーテル、ポリオールエステル、二塩基酸エステル、炭酸エステル、シリコーン油、フッ素化油、GTL等の合成油;パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油あるいはこれらを精製した精製鉱油類等が挙げられる。これらの基油はそれぞれ単独で用いてもよく、混合物で用いてもよい。これらの基油の中でも、基油としての性能が高く、エンジン等の機械に悪影響を与えないことから、ポリ−α−オレフィン、エチレン−α−オレフィン共重合体、ポリブテン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油、GTLが好ましく、ポリ−α−オレフィン、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油、GTLがより好ましい。また、粘度指数が100以上の基油を使用するのが好ましく、粘度指数が100以上のポリ−α−オレフィン、GTL、精製鉱油がより好ましい。
更に好ましいポリ−α−オレフィンとしては、炭素数8〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1つを、数平均分子量5,000〜1,000,000のポリマーにしたもので、100℃における動粘度が1mm/s〜20mm/sのものである。また、更に好ましいエチレン−α−オレフィン共重合体としては、炭素数8〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1つの構成単位を50〜99質量%、エチレンの構成単位を1質量%〜50質量%の量で含有する、数平均分子量5,000〜1,000,000のポリマーで、100℃における動粘度が1mm/s〜20mm/sのものである。
また鉱油としては、水素化精製、溶剤脱れき、溶剤抽出、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化分解、硫酸洗浄、白土処理等の精製を行い、100℃における動粘度が1mm/s〜20mm/sのものが更に好ましい。
基油の動粘度は特に制限はないが、100℃での動粘度を、好ましくは2mm/s〜8mm/s、より好ましくは2.5mm/s〜6mm/s、特に好ましくは3mm/s〜4.5mm/sに調整することが好ましい。基油の100℃での動粘度が8mm/sを超えると低温粘度特性が悪化する場合があり、動粘度が2mm/s未満の場合は、潤滑箇所での油膜形成が不十分であるため潤滑性に劣る場合や、基油の蒸発損失が大きくなる場合がある。
また、エンジン油としては、粘度指数が100以上、好ましくは110以上の鉱油又は合成油を使用することが好ましいが、鉱油100質量部に対して1質量部〜100質量部の合成油を配合してもよい。合成油としてはポリ−α−オレフィン又はエチレン−α−オレフィン共重合体が好ましく、ポリ−α−オレフィンが更に好ましい。
本発明の潤滑油組成物はグリースとして使用することもできる。グリースとしては、本発明の潤滑油組成物に増ちょう剤を添加すればよく、また、基グリース(基油+増ちょう剤)に本発明の潤滑油用酸化防止剤組成物の(X)成分及び(Y)成分をそれぞれ0.1質量%〜5質量%になるように配合したものでもよい。使用できる基グリースとしては、上記に挙げた基油に増ちょう剤を添加すればよい。好ましい基油としては、ポリ−α−オレフィン、エチレン−α−オレフィン共重合体、ポリブテン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油、GTLが好ましく、ポリ−α−オレフィン、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油、GTLがより好ましい。
増ちょう剤としては、アルミニウム、バリウム、カルシウム、リチウム、ナトリウム等の石鹸増ちょう剤、複合リチウム、複合カルシウム、複合アルミニウム等のコンプレックス石鹸増ちょう剤、ウレア、ジウレア、トリウレア、テトラウレア、アリールウレア、テレフタラメート等の有機非石鹸増ちょう剤、ベントナイト、シリカエアロゲル等の無機非石鹸増ちょう剤等が用いられるが、これらの増ちょう剤は単独で用いてもよく、また2種以上を組み合わせても良い。増ちょう剤の量は特に限定されるものではないが、基油と増ちょう剤からなる基グリースに対して通常3質量%〜40質量%、好ましくは5質量%〜20質量%である。
本発明の潤滑油組成物は、公知の潤滑油添加剤の添加を拒むものではなく、使用目的に応じて、摩擦低減剤、極圧剤、油性向上剤、清浄剤、分散剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、防錆剤、腐食防止剤、消泡剤などを本発明の効果を損なわない範囲で添加してもよい。
摩擦低減剤としては、例えば、硫化オキシモリブデンジチオカルバメート、硫化オキシモリブデンジチオフォスフェート等の有機モリブデン化合物が挙げられる。これら摩擦低減剤の好ましい配合量は、基油に対してモリブデン含量で30質量ppm〜2,000質量ppm、より好ましくは50質量ppm〜1,000質量ppmである。ただし、リン原子はエンジンの触媒に悪影響を与えるので、リン原子を含有している硫化オキシモリブデンジチオフォスフェートより、硫化オキシモリブデンジチオカルバメートの使用が好ましく、炭素数8〜13のアルキル基を持つ硫化オキシモリブデンジチオカルバメートの使用がより好ましい。
極圧剤としては、例えば、硫化油脂、オレフィンポリスルフィド、ジベンジルスルフィド等の硫黄系添加剤;モノオクチルフォスフェート、トリブチルフォスフェート、トリフェニルフォスファイト、トリブチルフォスファイト、チオリン酸エステル等のリン系化合物;チオリン酸金属塩、チオカルバミン酸金属塩、酸性リン酸エステル金属塩、亜鉛ジチオホスフェート等の有機金属化合物などが挙げられる。これら極圧剤の好ましい配合量は、基油に対して0.01質量%〜2質量%、より好ましくは0.05質量%〜1質量%である。なお、亜鉛ジチオホスフェートは磨耗防止剤としての機能や酸化防止剤としての機能も併せ持つ。
油性向上剤としては、例えば、オレイルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール類;オレイン酸、ステアリン酸等の脂肪酸類;オレイルグリセリンエステル、ステアリルグリセリンエステル、ラウリルグリセリンエステル等のエステル類;ラウリルアミド、オレイルアミド、ステアリルアミド等のアミド類;ラウリルアミン、オレイルアミン、ステアリルアミン等のアミン類;ラウリルグリセリンエーテル、オレイルグリセリンエーテル等のエーテル類が挙げられる。これら油性向上剤の好ましい配合量は、基油に対して0.1質量%〜5質量%、より好ましくは0.2質量%〜3質量%である。
清浄剤としては、例えば、カルシウム、マグネシウム、バリウムなどのスルフォネート、フェネート、サリシレート、フォスフェート及びこれらの過塩基性塩が挙げられる。これらの中でも過塩基性塩が好ましく、過塩基性塩の中でもTBN(トータルベーシックナンバー)が30mgKOH/g〜500mgKOH/gのものがより好ましい。更に、リン及び硫黄原子のないサリシレート系の清浄剤が好ましい。これらの清浄剤の好ましい配合量は、基油に対して0.5質量%〜10質量%、より好ましくは1質量%〜8質量%である。
分散剤としては、例えば、重量平均分子量約500〜3,000のアルキル基又はアルケニル基が付加されたコハク酸イミド、コハク酸エステル、ベンジルアミン又はこれらのホウ素変性物等が挙げられる。これらの分散剤の好ましい配合量は、基油に対して0.5質量%〜10質量%、より好ましくは1質量%〜8質量%である。
粘度指数向上剤としては、例えば、ポリ(C1〜18)アルキルメタクリレート、(C1〜18)アルキルアクリレート/(C1〜18)アルキルメタクリレート共重合体、ジエチルアミノエチルメタクリレート/(C1〜18)アルキルメタクリレート共重合体、エチレン/(C1〜18)アルキルメタクリレート共重合体、ポリイソブチレン、ポリアルキルスチレン、エチレン/プロピレン共重合体、スチレン/マレイン酸エステル共重合体、スチレン/イソプレン水素化共重合体等が挙げられる。あるいは、分散性能を付与した分散型もしくは多機能型粘度指数向上剤を用いてもよい。重量平均分子量は10,000〜1,500,000程度である。これらの粘度指数向上剤の好ましい配合量は、基油に対して0.1質量%〜20質量%。より好ましくは0.3質量%〜15質量%である。
流動点降下剤としては、例えば、ポリアルキルメタクリレート、ポリアルキルアクリレート、ポリアルキルスチレン、ポリビニルアセテート等が挙げられ、重量平均分子量は1,000〜100,000である。これらの流動点降下剤の好ましい配合量は、基油に対して0.005質量%〜3質量%、より好ましくは0.01質量%〜2質量%である。
防錆剤としては、例えば、亜硝酸ナトリウム、酸化パラフィンワックスカルシウム塩、酸化パラフィンワックスマグネシウム塩、牛脂脂肪酸アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又はアミン塩、アルケニルコハク酸又はアルケニルコハク酸ハーフエステル(アルケニル基の分子量は100〜300程度)、ソルビタンモノエステル、ノニルフェノールエトキシレート、ラノリン脂肪酸カルシウム塩等が挙げられる。これらの防錆剤の好ましい配合量は、基油に対して0.01質量%〜3質量%、より好ましくは0.02質量%〜2質量%である。
腐食防止剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、テトラアルキルチウラムジサルファイド等が挙げられる。これら腐食防止剤の好ましい配合量は、基油に対して0.1質量%〜3質量%、より好ましくは0.02質量%〜2質量%である。
消泡剤としては、例えば、ポリジメチルシリコーン、トリフルオロプロピルメチルシリコーン、コロイダルシリカ、ポリアルキルアクリレート、ポリアルキルメタクリレート、アルコールエトキシ/プロポキシレート、脂肪酸エトキシ/プロポキシレート、ソルビタン部分脂肪酸エステル等が挙げられる。これらの消泡剤の好ましい配合量は、基油に対して0.001質量%〜0.1質量%、より好ましくは0.001質量%〜0.01質量%である。
本発明の潤滑油組成物は、潤滑の用途であればいずれにも使用することができ、例えば、エンジン油、ギヤー油、タービン油、作動油、難燃性作動液、冷凍機油、コンプレッサー油、真空ポンプ油、軸受油、絶縁油、しゅう動面油、ロックドリル油、金属加工油、塑性加工油、熱処理油、グリース等の潤滑油に使用することができる。これらの中でも、使用環境が厳しく、潤滑油が高温になりやすいエンジン油やタービン油で好適に使用することができ、グリースにおいては、大きな負荷がかかって高温になりやすい自動車用の軸受グリースとして好適に使用することができる。
以下本発明を実施例により、具体的に説明する。尚、以下の実施例等において%及びppmは特に記載が無い限り質量基準である。
下記に実験に使用した化合物A−1〜D−3を記す。
<アミン化合物>
A−1:トリス(2,2,6,6―テトラメチル―4―ピペリジル)・モノ(イソトリ
デシル)―1,2,3,4―ブタンテトラカルボキシレート
A−2:ビス(1,2,2,6,6―ペンタメチル―4―ピペリジル)・ジ(イソトリ
デシル)―1,2,3,4―ブタンテトラカルボキシレート
A−3:ビス(2,2,6,6―テトラメチル―4―ピペリジル)・ジ(イソトリデシ
ル)―1,2,3,4―ブタンテトラカルボキシレート
A−4:ビス(2,2,6,6―テトラメチル―4―ピペリジル)・モノ(イソトリデ
シル)トリメリテート
A−5:ビス(2,2,6,6―テトラメチル―4―ピペリジル)・ジ(オクチル)―
1,2,3,4―ブタンテトラカルボキシレート
A−6:ビス(2,2,6,6―テトラメチル―4―ピペリジル)・ジ(直鎖トリデシ
ル)―1,2,3,4―ブタンテトラカルボキシレート
A−7:ビス(2,2,6,6―テトラメチル―4―ピペリジル)・ジ(オレイル)―
1,2,3,4―ブタンテトラカルボキシレート
A−8:モノ(2,2,6,6―テトラメチル―4―ピペリジル)・モノ(イソトリデ
シル)−セバケート
B−1:p,p'−ジオクチルジフェニルアミン
B−2:トリス(2,2,6,6―テトラメチル―4―ピペリジル)―トリメリテート
B−3:テトラ(2,2,6,6―テトラメチル―4―ピペリジル)―1,2,3,4
―ブタンテトラカルボキシレート
B−4:ビス(2,2,6,6―テトラメチル―4―ピペリジル)−セバケート
<フェノール化合物>
C−1:オクタデシル−3−(3,5−ジターシャリブチル−4−ヒドロキシフェノー
ル)プロピオネート
C−2:デシル−3−(3,5−ジターシャリブチル−4−ヒドロキシフェノール)プ
ロピオネート
C−3:テトラキス−(メチレン−3−(3',5'−ジターシャリブチル−4'−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート)メタン
D−1:2,6−ジターシャリブチル−p−クレゾール
D−2:1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジターシャリブチル
−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン
D−3:d−α−トコフェノール
本願発明に用いることのできるアミン化合物、例えば化合物A−1を以下のように合成した。
攪拌器、還流冷却器、温度計及び窒素導入管を備えた容量1リットルの4口フラスコに、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ヒドロキシピペリジン51.3g(0.3モル)、イソトリデカノール15.8g(0.1モル)、及びテトライソプロポキシチタン3.35g(0.0118モル)を芳香族系溶媒(出光石油化学(株)製、イプゾール)125gに溶解し、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸23.4g(0.1モル)のメタノール溶液を175℃で3時間かけて滴下し、さらに1時間反応後、4時間減圧脱水反応した。反応終了後、130℃まで冷却して、水1.27gを加え、触媒を失活して、80℃までさらに冷却して水20gで3回洗浄した。油水分離後、有機層を175℃まで加熱減圧して脱水、脱溶媒して化合物A−1を得た。
本願発明に用いることのできるフェノール化合物、例えば化合物C−1を以下のように合成した。
攪拌器、還流冷却器、温度計及び窒素導入管を備えた容量3リットルの4口フラスコに、3−(3’,5’−ジ第三ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチル1000g(3.42モル)とオクタデカノール923.4g(3.42モル)、リチウムメトキシド2.1g(55ミリモル)を仕込み、IP−1620(出光石油化学(株)製、脂肪族炭化水素系溶媒、沸点166℃〜205℃)を400g加え、100℃〜190℃で10mmHgまで徐々に減圧しながら8時間攪拌した。さらに210℃で2mmHgまで減圧して脱溶媒した後、100℃まで冷却して酢酸を加えて中和した。トルエン800gを加えて溶解後、水100gで3回水洗した。その後、加熱減圧により脱トルエンして化合物C−1を得た。
上記の化合物を、基油に対して表1及び表2の配合(表中の数字の単位は質量%)になるように溶解し、それらを試験油とした。なお、使用した基油は、動粘度4.24mm/秒(100℃)、19.65mm/秒(40℃)、粘度指数=126の鉱物油系高度VI油である。
なお、実施例2,6,7および8は参考例である。
Figure 0005248137
Figure 0005248137
<試験方法>
上記の表1及び表2のとおりに配合した試験油を、下記の<酸化劣化試験−2>の方法で酸化劣化試験を行った。結果を表3に記す。また、同様の試験油を、下記の<酸化劣化試験−1>の方法によって強制的に高温で酸化劣化させた後、<酸化劣化試験−2>の方法で酸化劣化試験を行い、高温での影響を比較した。結果を表4に記す。
<酸化劣化試験−1>
上記試験油をそれぞれ、JIS K−2514(潤滑油−酸化安定度試験方法)に準拠して、触媒として銅板と鉄板を入れたガラス容器に試料250mlを入れ、1300rpmで空気を巻き込むよう攪拌しながら、180℃で24時間加熱することにより、試験油を酸化劣化させた。
<酸化劣化試験−2>
ガラス製内筒管の入った100mlのオートクレーブに、上記試験油をそれぞれ5g入れ、圧力センサー及び排気管の取り付けてある蓋で密閉した。真空ポンプを使用してオートクレーブ内の空気を排気管から排出し、代わりに酸素を入れ、オートクレーブ内を100%酸素雰囲気下にし、同時に圧力を101kPaにした。このオートクレーブを150℃の恒温槽に入れて1時間おきに圧力をチェックした。酸化劣化が進むと酸素が消費され、圧力が減少するので、圧力の減少より酸化劣化の進行具合が判断できる。試験は、圧力が100kPaを切った時点で終了とした。なお、0時間の圧力が150kPaになっているのは、150℃の加熱により、容器内の圧力が熱膨張によって上がっているためである。また、分析に使用した機器は以下の通りである。
圧力計 :AP−10S、AP−V80(キーエンス社製)
データ収集装置:NR−600(キーエンス社製)
Figure 0005248137
Figure 0005248137
表3より、ヒンダードアミン化合物とフェノール化合物を併用した系では、酸化防止性能はあまりかわらないが、ヒンダードアミン化合物のみの系及び酸化防止剤として一般的によく使用されるアミン化合物とフェノール化合物を併用した系では、その酸化防止性能が若干劣ることがわかる。
一方、高温で酸化劣化した後の試験結果である表4を見ると、フェノール化合物でも、エステル結合を有さないものを使用した系(比較例2〜4)では酸化防止性能が極端に悪化しており、同様に、エステル結合で結合されたアルキル基やアルケニル基を持たないヒンダードアミン化合物を使用した系(比較例5〜8)も酸化防止性能が悪化している。また、フェノール化合物を含有しない系(比較例1)や、通常よく使用されるアミン化合物を使用した系(比較例5)でも酸化防止性能は悪化している。なお、比較例5に使用したアミン化合物は、酸化劣化試験−1の試験で昇華しているのが確認されている。

Claims (2)

  1. 下記の一般式(1)
    Figure 0005248137
    (式中、Rは水素原子を表わし、Rは炭素数7〜18の分岐アルキル基を表わし、Aは酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選ばれる1つ以上の原子を含んでもよい炭化水素基を表わし、m及びnはそれぞれ1〜5の数を表わし、mとnの合計の数が3〜6である。)
    で表わされるアミン化合物である(X)成分及び、
    下記の一般式(2)
    Figure 0005248137
    (Bは酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選ばれる1つ以上の原子を含んでもよい炭化水素基を表わし、R は炭素数1〜5のアルキレン基を表わし、pは1〜5の数を表わし、R 及びR はそれぞれ水素原子、炭素数1〜5のアルキル基を表わすが、R 及びR が同時に水素原子になることはない。)
    で表わされる1つ以上のエステル基を含有するフェノール化合物である(Y)成分を含有することを特徴とする潤滑油用酸化防止剤組成物。
  2. 請求項1記載の(X)成分及び(Y)成分を、基油に対してそれぞれ0.1質量%〜5質量%配合することを特徴とする潤滑油組成物。
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