JP7045878B2 - 油圧作動油組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、油圧作動油組成物に関する。
従来、建設機械等の分野では、油圧作動装置用の潤滑油(以下、「油圧作動油」という)が広く使用されている。近年、油圧作動装置の高性能化に伴い、油圧作動装置がより広範な荷重領域下で運転されるようになった。そのため、油圧作動装置に用いられる油圧作動油には、潤滑性能の更なる向上が求められている。
一般的に、潤滑油の潤滑性能を向上させるためには、潤滑油基油に所望の特性に応じて添加剤が配合される。例えば特許文献1には、潤滑油基油に、摩耗防止剤としてトリクレジルホスフェート(TCP)等を配合した油圧作動油が開示されている。
特開2003-171684号公報
TCPを配合した油圧作動油は、油圧作動装置が中荷重領域で運転される場合、摩擦表面にリン酸被膜が形成されることで、摩耗防止効果をある程度向上させることができる。しかしながら、上述のように、近年、油圧作動油はより広範な荷重領域下での耐荷重性が求められるところ、例えばリン酸被膜が形成されないような低荷重領域下での油性効果を十分に発揮することはできない。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、TCP等の公知の摩耗防止剤を含む油圧作動油組成物では達成し得ない、中荷重領域での摩耗防止効果と低荷重領域での油性効果とを有する油圧作動油組成物を提供することを目的とする。
本発明は、潤滑油基油と、下記一般式(1)で表される化合物と、を含む油圧作動油組成物を提供する。
Figure 0007045878000001

[式(1)中、Rは1価の炭化水素基を表し、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を表す。]
本発明によれば、中荷重領域での摩耗防止効果と低荷重領域での油性効果とを有する油圧作動油組成物を提供することができる。
本実施形態に係る油圧作動油組成物は、潤滑油基油と、下記一般式(1)で表される化合物と、を含む。
Figure 0007045878000002
式(1)中、Rは1価の炭化水素基を表し、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を表す。
潤滑油基油は、例えば、鉱油、合成油、又は両者の混合物である。
鉱油としては、原油を常圧蒸留及び減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理等の精製処理を単独又は2つ以上適宜組み合わせて精製したパラフィン系、ナフテン系等の鉱油、ノルマルパラフィン、イソパラフィン等が挙げられる。これらの鉱油は、1種単独で使用してもよく、2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
好ましい鉱油としては、以下の基油を挙げることができる。
(1)パラフィン基系原油及び/又は混合基系原油の常圧蒸留による留出油
(2)パラフィン基系原油及び/又は混合基系原油の常圧蒸留残渣油の減圧蒸留留出油(WVGO)
(3)潤滑油脱ろう工程により得られるワックス及び/又はGTLプロセス等により製造されるフィッシャートロプシュワックス
(4)上記(1)~(3)の中から選ばれる1種又は2種以上の混合油のマイルドハイドロクラッキング処理油(MHC)
(5)上記(1)~(4)の中から選ばれる2種以上の油の混合油
(6)上記(1)、(2)、(3)、(4)又は(5)の脱れき油(DAO)
(7)上記(6)のマイルドハイドロクラッキング処理油(MHC)
(8)上記(1)~(7)の中から選ばれる2種以上の油の混合油等を原料油とし、この原料油及び/又はこの原料油から回収された潤滑油留分を、通常の精製方法によって精製し、潤滑油留分を回収することによって得られる潤滑油
ここで、通常の精製方法としては、基油製造の際に用いられる精製方法を任意に採用することができる。通常の精製方法としては、例えば、以下の精製方法が挙げられる。
(a)水素化分解、水素化仕上げ等の水素化精製
(b)フルフラール溶剤抽出等の溶剤精製
(c)溶剤脱ろう、接触脱ろう等の脱ろう
(d)酸性白土、活性白土等による白土精製
(e)硫酸洗浄、苛性ソーダ洗浄等の薬品(酸又はアルカリ)精製
これらの精製方法は、1種単独で、又は2種以上を任意の組み合わせ及び任意の順序で採用することができる。
合成油としては例えば、エステル、エーテル及び炭化水素油が挙げられる。
エステルは、好ましくは脂肪酸(一塩基酸)とアルコールとのエステル、及び多塩基酸とアルコールとのエステルであり、より好ましくは脂肪酸とアルコールとのエステルである。
脂肪酸は、飽和脂肪酸であってもよく不飽和脂肪酸であってもよく、好ましくは不飽和脂肪酸である。
脂肪酸は、好ましくは炭素数2~24の脂肪酸である。炭素数2~24の脂肪酸としては、具体的には、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、ノナデカン酸、イコサン酸、ヘンイコサン酸、ドコサン酸、トリコサン酸、テトラコサン酸等の飽和脂肪酸、アクリル酸、ブテン酸、ペンテン酸、ヘキセン酸、ヘプテン酸、オクテン酸、ノネン酸、デセン酸、ウンデセン酸、ドデセン酸、トリデセン酸、テトラデセン酸、ペンタデセン酸、ヘキサデセン酸、ヘプタデセン酸、オクタデセン酸、ノナデセン酸、イコセン酸、ヘンイコセン酸、ドコセン酸、トリコセン酸、テトラコセン酸等の不飽和脂肪酸、及びこれらの混合物などが挙げられる。これらの脂肪酸は、直鎖状であっても分岐状であってもよい。
多塩基酸としては、二塩基酸、三塩基酸等が挙げられる。多塩基酸は、不飽和結合を有していても有していなくてもよい。二塩基酸の炭素数は、例えば2~16であってよい。炭素数2~16の二塩基酸としては、具体的には、エタン二酸、プロパン二酸、ブタン二酸、ペンタン二酸、ヘキサン二酸、ヘプタン二酸、オクタン二酸、ノナン二酸、デカン二酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ヘプタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘキセン二酸、ヘプテン二酸、オクテン二酸、ノネン二酸、デセン二酸、ヘプタデセン二酸、ヘキサデセン二酸及びこれらの混合物等が挙げられる。これらの炭素数2~16の二塩基酸は、直鎖状であってもよく分岐状であってもよい。三塩基酸としては、トリメリット酸等が挙げられる。
アルコールは、1価アルコールであってもよく多価アルコールであってもよい。1価アルコールの炭素数は、好ましくは1~24、より好ましくは1~12、更に好ましくは1~8である。炭素数1~24のアルコールとしては、具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、オクタデカノール、ノナデカノール、イコサノール、ヘンイコサノール、トリコサノール、テトラコサノール及びこれらの混合物等が挙げられる。これらの1価アルコールは、直鎖状であってもよく分岐状であってもよい。
多価アルコール(ポリオール)が有する水酸基の個数は、好ましくは2~10、より好ましくは2~6である。2~10個の水酸基を有する多価アルコールとしては、具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール(エチレングリコールの3~15量体)、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(プロピレングリコールの3~15量体)、1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2-メチル-1,2-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール等の2価アルコール;グリセリン、ポリグリセリン(グリセリンの2~8量体、例えばジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン等)、トリメチロールアルカン(トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン等)及びこれらの2~8量体、ペンタエリスリトール及びこれらの2~4量体、1,2,4-ブタントリオール、1,3,5-ペンタントリオール、1,2,6-ヘキサントリオール、1,2,3,4-ブタンテトロール、ソルビトール、ソルビタン、ソルビトールグリセリン縮合物、アドニトール、アラビトール、キシリトール、マンニトール等の多価アルコール;キシロース、アラビノース、リボース、ラムノース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、ソルボース、セロビオース、マルトース、イソマルトース、トレハロース、スクロース等の糖類、及びこれらの混合物などが挙げられる。
エーテルとしては、例えば、ポリオキシアルキレングリコール、ジアルキルジフェニルエーテル、ポリフェニルエーテル等が挙げられる。
炭化水素油としては、例えば、ポリα-オレフィン又はその水素化物、イソブテンオリゴマー又はその水素化物、イソパラフィン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン等が挙げられる。
これらの合成油は、1種単独で使用してもよく、2種以上を任意の割合で組み合わせて使用してもよい。
潤滑油基油は、上記の中でも、好ましくは鉱油及びエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種である。
潤滑油基油の40℃における動粘度は、油膜成分が十分となり、潤滑性により優れ、高温条件下での蒸発損失がより小さくなる観点から、好ましくは20mm/s以上、より好ましくは25mm/s以上、更に好ましくは30mm/s以上である。潤滑油基油の40℃における動粘度は、低温粘度特性を向上させ、省燃費性に更に優れる観点から、好ましくは100mm/s以下、より好ましくは80mm/s以下、更に好ましくは60mm/s以下である。
潤滑油基油の100℃における動粘度は、油膜形成が十分となり、潤滑性により優れ、高温条件下での蒸発損失がより小さくなる観点から、好ましくは5mm/s以上、より好ましくは6mm/s以上、更に好ましくは7mm/s以上である。潤滑油基油の100℃における動粘度は、低温粘度特性を向上させ、省燃費性に更に優れる観点から、好ましくは20mm/s以下、より好ましくは15mm/s以下、更に好ましくは10mm/s以下である。
本発明における動粘度は、JIS K2283:2000に準拠して測定された動粘度を意味する。
潤滑油基油の含有量は、潤滑油組成物全量を基準として、例えば50質量%以上、70質量%以上、又は90質量%以上であってよい。
本実施形態に係る油圧作動油組成物は、潤滑油基油のほかに、下記一般式(1)で表される化合物を含む。
Figure 0007045878000003
式(1)中、Rは1価の炭化水素基を表し、好ましくは直鎖又は分岐のアルキル基を表し、より好ましくは直鎖のアルキル基を表す。Rで表される1価の炭化水素基又はアルキル基の炭素数は、好ましくは6~24、より好ましくは8~18、更に好ましくは12~18である。Rで表される1価の炭化水素基又はアルキル基としては、例えば、オクチル基、ステアリル基、ドデシル基、デシル基、ヘキシル基等が挙げられ、中でも、油圧作動油組成物の油性効果を更に向上させる観点から、Rはオクチル基、ステアリル基又はドデシル基であることが好ましい。
式(1)中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を表す。上記アルキル基の炭素数は、好ましくは1~8、より好ましくは1~3である。油圧作動油組成物の摩耗防止効果を更に向上させる観点から、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、メチル基又はエチル基であることが好ましい。
上記一般式(1)で表される化合物としては、例えば、ジメチルステアリルホスホネート、エチルステアリルホスホネート、ジエチルステアリルホスホネート、ジエチルオクチルホスホネート、ジメチルドデシルホスホネート、ジメチルデシルホスホネート等が挙げられる。
上記一般式(1)で表される化合物は、例えば、オレフィンとジアルキルホスホン酸とを反応させることにより得られる。
油圧作動油組成物において、上記一般式(1)で表される化合物は、1種単独であっても、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。一般式(1)で表される化合物の含有量は、油圧作動油組成物全量を基準として、耐荷重性の観点から、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上である。一般式(1)で表される化合物の含有量は、油圧作動油組成物全量を基準として、長寿命性の観点から、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.9質量%以下、更に好ましくは0.8質量%以下である。油圧作動油組成物が一般式(1)で表される化合物の2種以上を含有する場合、上記の含有量は、2種以上の当該化合物の含有量の合計である。
本実施形態に係る油圧作動油組成物は、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、他の添加剤を更に含有していてもよい。他の添加剤としては、例えば、極圧剤、摩耗防止剤、油性剤(摩擦調整剤)等の耐荷重添加剤(ただし、上述の一般式(1)で表される化合物を除く)、清浄分散剤、酸化防止剤、金属不活性化剤、粘度指数向上剤、消泡剤、流動点降下剤、腐食防止剤、防錆剤、抗乳化剤などが挙げられる。
上記耐荷重添加剤としては、無灰摩擦調整剤、高級脂肪酸等が挙げられる。上記耐荷重添加剤の含有量は、油圧作動油組成物の長期安定性を確保する観点から、油圧作動油組成物全量を基準として、1.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがより好ましく、0.3質量%以下であることが更に好ましく、実質的に含有していないことが特に好ましい。
また、上記清浄分散剤の含有量は、油圧作動油組成物の抗乳化性を確保する観点から、油圧作動油組成物全量を基準として、5.0質量%以下であることが好ましく、3.0質量%以下であることがより好ましく、1.0質量%以下であることが更に好ましく、実質的に含有していないことが特に好ましい。
油圧作動油組成物の40℃における動粘度は、油膜形成が十分となり、潤滑性により優れ、高温条件下での蒸発損失がより小さくなる観点から、好ましくは20mm/s以上、より好ましくは25mm/s以上、更に好ましくは30mm/s以上である。油圧作動油組成物の40℃における動粘度は、低温粘度特性を向上させ、省燃費性に更に優れる観点から、好ましくは100mm/s以下、より好ましくは80mm/s以下、更に好ましくは60mm/s以下である。
油圧作動油組成物の100℃における動粘度は、油膜形成が十分となり、潤滑性により優れ、高温条件下での蒸発損失がより小さくなる観点から、好ましくは5mm/s以上、より好ましくは6mm/s以上、更に好ましくは7mm/s以上である。油圧作動油組成物の100℃における動粘度は、低温粘度特性を向上させ、省燃費性に更に優れる観点から、好ましくは20mm/s以下、より好ましくは15mm/s以下、更に好ましくは10mm/s以下である。
油圧作動油組成物中のリンの含有量は、油圧作動油組成物全量を基準として、好ましくは1000質量ppm以下、より好ましくは800質量ppm以下、更に好ましくは600質量ppm以下である。油圧作動油組成物中のリンの含有量の下限値は、特に制限されないが、油圧作動油組成物全量を基準として、例えば、100質量ppm以上、又は300質量ppm以上である。本発明でいう「リンの含有量」とは、ICP元素分析法によって測定される含有量を意味する。
以下、実施例に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(潤滑油基油)
潤滑油基油として以下の基油A1を用いた。
A1:鉱油(グループIII、40℃における動粘度:35.7mm/s)
(添加剤)
添加剤として、それぞれ以下の添加剤B1~B4を用いた。
B1:下記式(1-1)で表されるジメチルステアリルホスホネート(DMSP、Mw:362、リン含有量:8.56質量%)
Figure 0007045878000004
B2:下記式(1-2)で表されるジエチルステアリルホスホネート(DESP、Mw:390、リン含有量:7.94質量%)
Figure 0007045878000005
B3:下記式(1-3)で表されるエチルステアリルホスホネート(ESP、Mw:362、リン含有量:8.56質量%)
Figure 0007045878000006
B4:トリクレジルホスフェート(TCP、リン含有量:8.4質量%)
上記添加剤B1~B3の合成方法を以下に示す。
(添加剤B1の合成)
1-ドデセン(38g、0.226mol)及び亜リン酸水素ジメチル(79.7g、0.69mol)を、スターラ、冷却器及び窒素スパージャを装着した容器に採取し、撹拌しながら窒素を分散させ、ジ-t-ブチルペルオキシド(3ml)を添加した。この混合物を室温で10分間撹拌し、その後、約130℃で2時間撹拌して反応させ、添加剤B1(式(1-1)で表されるジメチルステアリルホスホネート)を得た。
(添加剤B2の合成)
亜リン酸水素ジメチル(79.7g、0.69mol)に代えて、亜リン酸水素ジエチル(100g、0.69mol)を用いたこと以外は、添加剤B1と同様にして、添加剤B2(式(1-2)で表されるジエチルステアリルホスホネート)を得た。
(添加剤B3の合成)
亜リン酸水素ジメチル(79.7g、0.69mol)に代えて、亜リン酸水素エチル(79.7g、0.69mol)を用いたこと以外は、添加剤B1と同様にして、添加剤B3(式(1-3)で表されるエチルステアリルホスホネート)を得た。
上記基油A1及び添加剤B1~B4を用いて、表1に示す組成の油圧作動油組成物(油圧作動油組成物全量基準、質量%)を調製した。
(油圧作動油組成物の評価)
以下に示す方法により、中荷重領域での摩耗防止効果及び低荷重領域での油性効果を評価した。
<摩耗防止効果の評価>
以下に示す条件で、四級試験(ASTM D 4172)を行い、摩耗痕径(mm)を測定して摩耗防止効果を評価した。摩耗痕径が小さいほど摩耗防止効果に優れているといえる。結果を表1に示す。
荷重:294N
回転数:1200rpm
温度:75℃
試験時間:1時間
<油性効果の評価>
ASTM D 2174に記載のブロックオンリング試験機(LFW-1)を用いて、油圧作動油組成物の摩擦係数(μ)を以下の条件により測定し、油圧作動油組成物の油性効果を評価した。結果を表1に示す。本試験においては、摩擦係数が小さいほど油性効果に優れていることを意味する。
試験片(リング):Falex S-10 Test Ring(SAE4620 Steel)
試験片(ブロック):Falex H-60 Test Block(SAE01 Steel)
油温:60℃
荷重:150N
試験は、1m/sの周速(すべり速度)で30分間ならし運転を行い、その後、周速を0.05m/sに低下させ、当該周速域における5分間の摩擦係数を測定した。
Figure 0007045878000007

Claims (1)

  1. 潤滑油基油と、下記一般式(1)で表される化合物と、を含む油圧作動油組成物(但し、潤滑油基油に、(A)一般式(2)で表されるリン化合物、(B)一般式(3)および一般式(4)で表されるリン化合物の金属塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物、および(C)一般式(5)で表される窒素化合物及び/又はその誘導体を含有することを特徴とする潤滑油組成物、を除く。)
    Figure 0007045878000008

    [式(1)中、R炭素数6~24の1価の炭化水素基を表し、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を表す。]
    Figure 0007045878000009

    (一般式(2)においてR 、R およびR は、それぞれ個別に、炭素数1~30の炭化水素基(窒素および/または酸素を含有してもよい)を示す。)
    Figure 0007045878000010

    (一般式(3)においてR およびR は、それぞれ個別に炭素数3~30の炭化水素基(窒素および/または酸素を含有してもよい)、Y は金属元素、nはY の価数に対応する整数、aは0または1を示す。)
    Figure 0007045878000011

    (一般式(4)においてR は炭素数3~30の炭化水素基(窒素および/または酸素を含有してもよい)、Y は金属元素、bは0または1を示す。)
    Figure 0007045878000012

    (一般式(5)において、R 10 は炭素数1~30の炭化水素基又は機能性を有する炭素数1~30の炭化水素基、R 11 ~R 13 は、それぞれ個別に、炭素数1~30の炭化水素基、機能性を有する炭素数1~30の炭化水素基または水素、Xは酸素または硫黄を示す。)
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