JPWO2016152229A1 - 変速機用潤滑油組成物 - Google Patents

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Abstract

粘度指数向上剤の添加量が少量であっても高粘度指数化を実施でき、省燃費性とユニット耐久性が両立可能な変速機用潤滑油組成物として、(A)40℃における動粘度が5〜20mm2/sの炭化水素系基油および(B)エステル結合を2つ以上含み、不飽和炭素結合を有さない多塩基酸エステルまたはポリオールエステルのいずれか1種または2種以上のエステル油を含有し、40℃における動粘度が18mm2/s以下で、かつ(B)成分の含有割合が基油全量基準で0.5〜50質量%である混合油を基油とする潤滑油組成物であって、40℃における動粘度が4〜25mm2/s、100℃における動粘度が2.0〜5.4mm2/sであることを特徴とする変速機用潤滑油組成物が提供される。

Description

本発明は、低粘度にもかかわらず耐荷重性や金属疲労防止性に優れる変速機用潤滑油組成物に関する。
従来から自動変速機、手動変速機、内燃機関等に使用される潤滑油には、熱酸化安定性、耐摩耗性、疲労防止性等の各種耐久性向上や省燃費性向上のための粘度温度特性の向上、低温粘度低減、低温流動性の向上等の低温粘度特性の向上が要求されており、このような性能を向上させるために、基油に適宜、酸化防止剤、清浄分散剤、摩耗防止剤、摩擦調整剤、シール膨潤剤、粘度指数向上剤、消泡剤、着色剤等の各種添加剤が配合された潤滑油が使用されている。
最近の変速機・エンジンには省燃費化や軽量小型化や高出力化が望まれており、さらに変速機においては組み合わされるエンジンの高出力化に伴い、動力伝達能力の向上が追求されている。そのため、これらに使用される潤滑油には、製品粘度や基油粘度を低減したうえで、高い潤滑性能を維持し、ベアリング、歯車等の表面における摩耗・疲労等を防止する性能および耐焼付き性が要求される。一般的には、省燃費性を向上するためには、基油粘度を低減し、粘度指数向上剤を増量することにより、粘度温度特性を向上させる手法が採られるが、基油粘度の低減により、疲労防止性は悪化するため、省燃費性と摩耗防止性・耐焼付き性や疲労防止性をより高いレベルで両立できる潤滑油の開発が熱望されている。
こうした中、省燃費性や低温粘度特性と疲労防止性を両立させるために、低温性能の良い基油を用いることや、高粘度の基油を併用すること、さらにリン系極圧剤及び硫黄系極圧剤などを適量添加することが知られている(例えば特許文献1〜3)。
しかしながら、上記手法だけでは粘度温度特性および低温性能と疲労防止性、耐焼付き性の両立が十分に図れておらず、これらの性能を両立させつつその他の諸性能についても問題ない性能を有する潤滑油組成物の開発が求められている。
特開2004−262979号公報 特開平11−286696号公報 特表2003−514099号公報
本発明は、上記課題を鑑み、低粘度化しながらも耐荷重性や金属疲労防止性に優れる変速機用潤滑油組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは前記課題について鋭意研究した結果、特定の構造を持つエステル油を基油構成成分として用いることで、酸化安定性、銅溶出性を良化させ、加えて金属疲労防止性を更に向上させ得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(A)40℃における動粘度が5〜20mm/sの炭化水素系基油および(B)エステル結合を2つ以上含み、不飽和炭素結合を有さない多塩基酸エステルまたはポリオールエステルのいずれか1種または2種以上のエステル油を含有し、40℃における動粘度が18mm/s以下で、かつ(B)成分の含有割合が基油全量基準で0.5〜50質量%である混合油を基油とする潤滑油組成物であって、40℃における動粘度が4〜25mm/s、100℃における動粘度が2.0〜5.4mm/sであることを特徴とする変速機用潤滑油組成物である。
また、本発明は、(B)成分が下記式(1)で示される二塩基酸ジエステルまたは下記式(2)〜(4)で示されるポリオールエステルのいずれか1種または2種以上のエステル油であることを特徴とする前記の変速機用潤滑油組成物である。
Figure 2016152229
(R〜Rはそれぞれ個別に炭素数3〜36の飽和炭化水素基、R、Rはそれぞれ個別に炭素数1〜3のアルキル基、nは4〜8の整数を示す。)
また、本発明は、組成物中のポリメタクリレート系粘度指数向上剤の含有量が組成物全量基準で9質量%以下であることを特徴とする前記の変速機用潤滑油組成物である。
本発明によれば、低粘度化により省燃費性を向上させつつ、耐荷重性や金属疲労防止性に優れる変速機用潤滑油組成物を得ることができる。
以下、本発明について詳述する。
本発明に係る潤滑油基油は、(A)40℃における動粘度が5〜20mm/sの炭化水素系基油および(B)特定のエステル油を含有する混合基油から構成される。
(A)成分の炭化水素系基油の40℃における動粘度は、5mm/s以上であることが必要であり、7.5mm/s以上が好ましく、10mm/s以上がより好ましい。40℃における動粘度を5mm/s以上にすることで、十分な潤滑性を確保でき、また潤滑油基油の蒸発損失を抑制することができる。
一方、40℃における動粘度は、20mm/s以下であることが必要であり、17.5mm/s以下が好ましく、15mm/s以下がより好ましい。20mm/sを超える場合は、省燃費性、低温粘度特性が悪化するため好ましくない。
(A)成分の炭化水素系基油の100℃における動粘度は、好ましくは1.5mm/s以上であり、より好ましくは1.7mm/s以上、さらに好ましくは2.0mm/s以上である。また、好ましくは4.4mm/s以下であり、より好ましくは4.2mm/s以下である。
(A)成分の100℃における動粘度が4.4mm/sを超える場合は、粘度温度特性及び低温粘度特性が悪化し、1.5mm/s未満の場合は、潤滑箇所での油膜形成が不十分となるため金属疲労防止性、耐熱性に劣り、また潤滑油基油の蒸発損失が大きくなるため、それぞれ好ましくない。
本発明において(A)成分の炭化水素系基油としては、鉱油系基油および/または炭化水素系合成系基油を使用することができる。鉱油系基油、炭化水素系合成系基油はそれぞれ単独でも、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。なお、(A)成分が混合物である場合には必ずしも各基油が上記動粘度特性を満たす必要はなく、混合物として上記動粘度特性を満たせばよい。
鉱油系基油としては、その製造法に特に制限はなく、原油を常圧蒸留および減圧蒸留して得られた潤滑油留分に対して、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理などの1種もしくは2種以上の精製手段を適宜組み合わせて適用して得られるパラフィン系またはナフテン系などの鉱油を挙げることができる。
より具体的には、以下に示す基油(1)〜(8)を原料とし、この原料油及び/又はこの原料油から回収された潤滑油留分を、所定の精製方法によって精製し、潤滑油留分を回収することによって得られる基油を挙げることができる。
(1)パラフィン基系原油及び/又は混合基系原油の常圧蒸留による留出油
(2)パラフィン基系原油及び/又は混合基系原油の常圧蒸留残渣油の減圧蒸留による留出油(WVGO)
(3)潤滑油脱ろう工程により得られるワックス(スラックワックス等)及び/又はガストゥリキッド(GTL)プロセス等により得られる合成ワックス(フィッシャートロプシュワックス、GTLワックス等)
(4)基油(1)〜(3)から選ばれる1種又は2種以上の混合油及び/又は当該混合油のマイルドハイドロクラッキング処理油
(5)基油(1)〜(4)から選ばれる2種以上の混合油
(6)基油(1)、(2)、(3)、(4)又は(5)の脱れき油
(7)基油(6)のハイドロクラッキング処理油
(8)基油(1)〜(7)から選ばれる2種以上の混合油
なお、上記所定の精製方法としては、水素化分解、水素化仕上げなどの水素化精製;フルフラール溶剤抽出などの溶剤精製;溶剤脱ろうや接触脱ろうなどの脱ろう;酸性白土や活性白土などによる白土精製;硫酸洗浄、苛性ソーダ洗浄などの薬品(酸又はアルカリ)洗浄などが好ましい。本発明では、これらの精製方法のうちの1種を単独で行ってもよく、2種以上を組み合わせて行ってもよい。また、2種以上の精製方法を組み合わせる場合、その順序は特に制限されず、適宜選定することができる。
更に、本発明に係る鉱油系基油としては、上記基油(1)〜(8)から選ばれる基油又は当該基油から回収された潤滑油留分について所定の処理を行うことにより得られる下記基油(9)又は(10)が特に好ましい。
(9)上記基油(1)〜(8)から選ばれる基油又は当該基油から回収された潤滑油留分を水素化分解し、その生成物又はその生成物から蒸留等により回収される潤滑油留分について溶剤脱ろうや接触脱ろうなどの脱ろう処理を行い、または当該脱ろう処理をした後に蒸留することによって得られる水素化分解鉱油
(10)上記基油(1)〜(8)から選ばれる基油又は当該基油から回収された潤滑油留分を水素化異性化し、その生成物又はその生成物から蒸留等により回収される潤滑油留分について溶剤脱ろうや接触脱ろうなどの脱ろう処理を行い、または、当該脱ろう処理をしたあとに蒸留することによって得られる水素化異性化鉱油
上記(9)又は(10)の潤滑油基油を得るに際して、脱ろう工程としては、熱・酸化安定性と低温粘度特性をより高めることができ、潤滑油組成物の疲労防止性能をより高めることができる点で、接触脱ろう工程を含むことが特に好ましい。
また、上記(9)又は(10)の潤滑油基油を得るに際して、必要に応じて溶剤精製処理及び/又は水素化仕上げ処理工程を更に設けてもよい。
また、接触脱ろう(触媒脱ろう)の場合は、水素化分解・異性化生成油を、適当な脱ろう触媒の存在下、流動点を下げるのに有効な条件で水素と反応させる。接触脱ろうでは、分解/異性化生成物中の高沸点物質の一部を低沸点物質へと転化させ、その低沸点物質をより重い基油留分から分離し、基油留分を分留し、2種以上の潤滑油基油を得る。低沸点物質の分離は、目的の潤滑油基油を得る前に、あるいは分留中に行うことができる。
本発明においては、特に、石油系あるいはフィッシャートロピッシュ合成油等のワックスを異性化して得られるワックス異性化基油を好ましく用いることができる。
鉱油系基油の粘度指数は、90以上であることが好ましく、より好ましくは100以上であり、さらに好ましくは120以上であり、最も好ましくは125以上である。また好ましくは160以下であり、より好ましくは150以下であり、さらに好ましくは140以下であり、特に好ましくは135以下であり、最も好ましくは130以下である。粘度指数が90より低いと、省燃費性を発揮できる粘度温度特性が得られない。また160を超えると、基油中にノルマルパラフィンが増加するため、低温時の粘度が急激に上昇し、潤滑油としての機能を失うことになる。
鉱油系基油の流動点は、−25℃以下であることが好ましく、より好ましくは−27.5℃以下であり、さらに好ましくは−30℃以下であり、特に好ましくは−35℃以下、最も好ましくは−40℃以下である。また、その下限については特に制限はないが、低すぎると粘度指数が低下することと、脱ろう工程における経済性の点から、好ましくは−50℃以上である。流動点を−25℃以下とすることで、低温粘度特性に優れた潤滑油組成物を得ることができる。また−50℃より低くすると十分な粘度指数が得られない。
なお、脱ろう工程としては溶剤脱ろう、接触脱ろうのいずれの工程を適用してもよいが、低温粘度特性をより改善できる点で接触脱ろう工程であることが特に好ましい。
鉱油系基油の%Cは85以上であることが好ましく、熱・酸化安定性と粘度温度特性をより高めることができる点で90以上であることが好ましい。
%Cは3以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましく、1以下であることがさらに好ましい。%Cが3を超えると熱・酸化安定性が低下する。
また、%Cは20以下であることが好ましく、より好ましくは15以下であり、さらに好ましくは10以下である。また2以上であることが好ましく、金属疲労寿命をより高めることができる点で、より好ましくは3以上、さらに好ましくは5以上、特に好ましくは7以上である。
鉱油系基油の引火点は、150℃以上であることが好ましく、より好ましくは160℃以上、さらに好ましくは175℃以上、特に好ましくは190℃以上である。引火点が150℃未満の場合は、高温使用における安全性に問題を生ずるおそれがある。
なお、本発明でいう引火点とは、JIS K 2265(開放式引火点)に準拠して測定された引火点を意味する。
鉱油系基油のアニリン点については、特に制限はないが、低温粘度特性と疲労寿命に優れる潤滑油組成物を得ることができる点で90℃以上であることが好ましく、より好ましくは95℃以上、さらに好ましくは100℃以上である。また、その上限については特に制限はなく、本発明の1つの態様として130℃を超えてもよいが、添加剤やスラッジの溶解性により優れ、シール材への適合性により優れる点で好ましくは130℃以下であり、より好ましくは120℃以下である。
鉱油系基油の硫黄分については、特に制限はないが、好ましくは0.1質量%以下であり、より好ましくは0.05質量%以下、さらに好ましくは0.01質量%以下、最も好ましくは実質的に含まれないことが望ましい。
(A)成分の窒素分については、特に制限はないが、熱・酸化安定性により優れる組成物を得ることができる点で、好ましくは5質量ppm以下であり、より好ましくは3質量ppm以下、最も好ましくは実質的に含まれないことが望ましい。
なお、本発明でいう硫黄分及び窒素分の含有量とは、ASTM D4951に準拠して測定される値を意味する。
炭化水素系合成系基油としては、具体的には、ポリブテン又はその水素化物;1−オクテンオリゴマー、1−デセンオリゴマー、1−ドデセンオリゴマー等のポリ−α−オレフィン又はその水素化物;アルキルナフタレン、アルキルベンゼンの芳香族系合成油又はこれらの混合物等が例示できる。
なかでも1−オクテンオリゴマー、1−デセンオリゴマー、1−ドデセンオリゴマー等のポリ−α−オレフィン又はその水素化物が好ましい。
本発明に係る(B)成分は、多塩基酸エステルまたはポリオールエステルまたはこれらの混合物であって、当該多塩基酸エステルおよびポリオールエステルは、エステル結合を2つ以上含み、不飽和炭素結合を有さないエステル油である。
多塩基酸エステルは、多塩基酸と1価アルコールまたは多価アルコールとのエステルであり、ポリオールエステルは、多価アルコールと一塩基酸または多塩基酸とのエステルである。
1価アルコールとしては、通常炭素数1〜36、好ましくは1〜24、より好ましくは1〜12、さらに好ましくは1〜8の飽和アルコールが用いられる。このようなアルコールとしては直鎖状のものでも分枝状のものでもよく、具体的には例えば、メタノール、エタノール、直鎖状または分枝状のプロパノール、直鎖状または分枝状のブタノール、直鎖状または分枝状のペンタノール、直鎖状または分枝状のヘキサノール、直鎖状または分枝状のヘプタノール、直鎖状または分枝状のオクタノール、直鎖状または分枝状のノナノール、直鎖状または分枝状のデカノール、直鎖状または分枝状のウンデカノール、直鎖状または分枝状のドデカノール、直鎖状または分枝状のトリデカノール、直鎖状または分枝状のテトラデカノール、直鎖状または分枝状のペンタデカノール、直鎖状または分枝状のヘキサデカノール、直鎖状または分枝状のヘプタデカノール、直鎖状または分枝状のオクタデカノール、直鎖状または分枝状のノナデカノール、直鎖状または分枝状のイコサノール、直鎖状または分枝状のヘンイコサノール、直鎖状または分枝状のトリコサノール、直鎖状または分枝状のテトラコサノール、ゲルべアルコールおよびこれらの混合物等が挙げられる。
多価アルコールとしては、通常2〜10価、好ましくは2〜6価の飽和アルコールが用いられる。2〜10価の多価アルコールとしては、具体的には例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール(エチレングリコールの3〜15量体)、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(プロピレングリコールの3〜15量体)、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール等の2価アルコール;グリセリン、ポリグリセリン(グリセリンの2〜8量体、例えばジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン等)、トリメチロールアルカン(トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン等)およびこれらの2〜8量体、ペンタエリスリトールおよびこれらの2〜4量体、1,2,4−ブタントリオール、1,3,5−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3,4−ブタンテトロール、ソルビトール、ソルビタン、ソルビトールグリセリン縮合物、アドニトール、アラビトール、キシリトール、マンニトール等の多価アルコール;キシロース、アラビノース、リボース、ラムノース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、ソルボース、セロビオース、マルトース、イソマルトース、トレハロース、スクロース等の糖類、およびこれらの混合物等が挙げられる。
これらの多価アルコールの中でも、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール(エチレングリコールの3〜10量体)、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(プロピレングリコールの3〜10量体)、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、トリメチロールアルカン(トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン等)およびこれらの2〜4量体、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,3,5−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3,4−ブタンテトロール、ソルビトール、ソルビタン、ソルビトールグリセリン縮合物、アドニトール、アラビトール、キシリトール、マンニトール等の2〜6価の多価アルコールおよびこれらの混合物等が好ましい。さらにエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビタン、およびこれらの混合物等がより好ましい。
これらの中でも、より高い熱・酸化安定性が得られることから、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、およびこれらの混合物等が最も好ましい。
一塩基酸としては、通常炭素数2〜24の飽和脂肪酸が用いられ、その脂肪酸は直鎖状のものでも分枝状のものでもよく、具体的には、例えば、酢酸、プロピオン酸、直鎖状または分枝状のブタン酸、直鎖状または分枝状のペンタン酸、直鎖状または分枝状のヘキサン酸、直鎖状または分枝状のヘプタン酸、直鎖状または分枝状のオクタン酸、直鎖状または分枝状のノナン酸、直鎖状または分枝状のデカン酸、直鎖状または分枝状のウンデカン酸、直鎖状または分枝状のドデカン酸、直鎖状または分枝状のトリデカン酸、直鎖状または分枝状のテトラデカン酸、直鎖状または分枝状のペンタデカン酸、直鎖状または分枝状のヘキサデカン酸、直鎖状または分枝状のヘプタデカン酸、直鎖状または分枝状のオクタデカン酸、直鎖状または分枝状のノナデカン酸、直鎖状または分枝状のイコサン酸、直鎖状または分枝状のヘンイコサン酸、直鎖状または分枝状のドコサン酸、直鎖状または分枝状のトリコサン酸、直鎖状または分枝状のテトラコサン酸およびこれらの混合物等が挙げられる。これらの中でも、潤滑性および取扱性がより高められる点から、特に炭素数3〜20の飽和脂肪酸が好ましく、炭素数4〜18の飽和脂肪酸がより好ましい。
多塩基酸としては炭素数2〜36の二塩基酸およびトリメリット酸等が挙げられる。炭素数2〜36の二塩基酸としては、直鎖状のものでも分枝状のものでもよく、具体的には例えば、エタン二酸、プロパン二酸、直鎖状または分枝状のブタン二酸、直鎖状または分枝状のペンタン二酸、直鎖状または分枝状のヘキサン二酸、直鎖状または分枝状のヘプタン二酸、直鎖状または分枝状のオクタン二酸、直鎖状または分枝状のノナン二酸、直鎖状または分枝状のデカン二酸、直鎖状または分枝状のウンデカン二酸、直鎖状または分枝状のドデカン二酸、直鎖状または分枝状のトリデカン二酸、直鎖状または分枝状のテトラデカン二酸、直鎖状または分枝状のヘプタデカン二酸、直鎖状または分枝状のヘキサデカン二酸、オレイン酸のダイマー等の不飽和脂肪酸の重合体であって不飽和炭素結合を有さないものおよびこれらの混合物等が挙げられる。
(B)成分の多塩基酸エステルは、多塩基酸中のカルボキシル基全てがエステル化された完全エステルでもよく、あるいはカルボキシル基の一部がエステル化されずカルボキシル基のままで残っている部分エステルであってもよいが完全エステルであることが好ましい。またポリオールエステルは、多価アルコール中の水酸基全てがエステル化された完全エステルでもよく、水酸基の一部がエステル化されず水酸基のまま残存する部分エステルでもよいが完全エステルであることが好ましい。
本発明に用いられる(B)成分であるエステル油は上記したエステル化合物1種類のみから構成されるものであってもよいし、また2種以上の混合物から構成されるものであってもよい。
本発明に係るエステル油は、下記式(1)で示される二塩基酸ジエステル、および下記式(2)〜(4)のいずれかで示されるポリオールエステルからなる群より選択されるいずれか1種または2種以上の混合物からなるエステル油であることが好ましい。
Figure 2016152229
一般式(1)〜(4)におけるR〜Rはそれぞれ個別に炭素数3〜36の飽和炭化水素基、R、Rはそれぞれ個別に炭素数1〜3のアルキル基、nは4〜8の整数を示す。
炭素数3〜36の飽和炭化水素基としては、炭素数3〜36のアルキル基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基等が挙げられる。アルキル基は直鎖状でも分枝状でも良い。
炭素数3〜36のアルキル基としては、具体的には、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、直鎖又は分枝のペンチル基、直鎖又は分枝のヘキシル基、直鎖又は分枝のヘプチル基、直鎖又は分枝のオクチル基、直鎖又は分枝のノニル基、直鎖又は分枝のデシル基、直鎖又は分枝のウンデシル基、直鎖又は分枝のドデシル基、直鎖又は分枝のトリデシル基、直鎖又は分枝のテトラデシル基、直鎖又は分枝のペンタデシル基、直鎖又は分枝のヘキサデシル基、直鎖又は分枝のヘプタデシル基、直鎖又は分枝のオクタデシル基、直鎖又は分枝のノナデシル基、直鎖又は分枝のイコシル基、直鎖又は分枝のトリアコンチル基、直鎖又は分枝のヘキサトリアコンチル基等が挙げられる。またシクロアルキル基としては、例えばシクロヘキシル基を挙げることができる。
一般式(1)で示される二塩基酸ジエステル、一般式(2)〜(4)で示されるポリオールエステルは、それぞれ単独で用いてもよく、また2種以上を組み合わせてもよい。2種以上を組み合わせる場合、一般式(1)で示される二塩基酸ジエステル同士の混合物でもよく、一般式(1)と一般式(2)〜(4)で示されるポリオールエステルとの混合物でよい。同様に、一般式(2)〜(4)で示されるポリオールエステル同士の混合物でもよく、一般式(1)〜(4)すべての混合物であってもよい。
本発明に係る混合基油中における(B)成分のエステル油の含有量は、基油組成物全量基準で少なくとも0.5質量%以上、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上、特に好ましくは5質量%以上である。一方、上限については基油組成物全量基準で50質量%以下であり、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、25質量%以下がさらに好ましく、20質量%以下が特に好ましく、10質量%以下が最も好ましい。エステル油の含有量が多すぎると組成物の酸化安定性が悪化する傾向があり好ましくない。(B)成分のエステル油の含有量を上記範囲とすることで疲労寿命が大幅に向上する。
本発明に係る混合基油の粘度指数は、特に制限はないが、110以上が好ましく、120以上がより好ましい。粘度指数を110以上とすることによって、低温から高温にわたり良好な粘度特性を示す組成物を得ることができる。
一方、上限については特に制限はないが、通常200以下であり、160以下が好ましい。粘度指数が高すぎると低温時の粘度が高くなる傾向があり好ましくない。
本発明に係る混合基油の40℃における動粘度は、18mm/s以下であることが必要であり、16mm/s以下が好ましく、14mm/s以下がより好ましい。18mm/s以下にすることで最低限の省燃費性を確保できる。一方、混合基油の40℃における動粘度の下限については特に限定はないが5.0mm/s以上であることが好ましく、より好ましくは7.5mm/s以上である。
本発明に係る混合基油は、(A)成分および(B)成分以外の通常の潤滑油に使用される鉱油系基油および/または合成系基油を含有してもよい。この場合、(A)成分および(B)成分の含有量は、潤滑油基油全量基準で、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは85質量%以上であり、特に好ましくは90質量%以上であり、最も好ましくは95質量%以上である。
本発明の変速機用潤滑油組成物(以下、本発明の潤滑油組成物ともいう。)は、ポリメタクリレート系粘度指数向上剤の含有量が、組成物全量基準で9質量%以下であることが好ましく、6質量%以下であることがより好ましく、3質量%以下であることがさらに好ましく、実質的に含有しないことが最も好ましい。ポリメタクリレート系粘度指数向上剤の含有量が9質量%を超えると十分なせん断安定性を確保できないため好ましくない。
本発明の潤滑油組成物は、優れた粘度温度特性及び低温性能、疲労防止性や耐焼付き性を損なわない限りにおいて、必要に応じて各種添加剤を含有することができる。かかる添加剤としては、特に制限されず、潤滑油の分野で従来使用される任意の添加剤を配合することができる。かかる潤滑油添加剤としては、具体的には、無灰分散剤、酸化防止剤、極圧剤、摩耗防止剤、摩擦調整剤、腐食防止剤、防錆剤、抗乳化剤、金属不活性化剤、消泡剤などが挙げられる。これらの添加剤は、1種を単独で用いてもよく、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。
無灰分散剤としては、例えば、炭素数40〜400のアルキル基又はアルケニル基を分子中に少なくとも1個有する窒素化合物又はその誘導体、あるいはアルケニルコハク酸イミドのホウ素化合物やアシル化剤、硫黄化合物等による変性品等が挙げられる。
酸化防止剤としては、フェノール系、アミン系等の無灰酸化防止剤、銅系、モリブデン系等の金属系酸化防止剤が挙げられる。
摩擦調整剤としては、脂肪酸エステル系、脂肪族アミン系、脂肪酸アミド系等の無灰摩擦調整剤、モリブデンジチオカーバメート、モリブデンジチオホスフェート等の金属系摩擦調整剤等が挙げられる。
腐食防止剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系、トリルトリアゾール系、イミダゾール系化合物等が挙げられる。
防錆剤としては、例えば、石油スルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、ジノニルナフタレンスルホネート、アルケニルコハク酸エステル、又は多価アルコールエステル等が挙げられる。
抗乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、又はポリオキシエチレンアルキルナフチルエーテル等のポリアルキレングリコール系非イオン系界面活性剤等が挙げられる。
金属不活性化剤としては、例えば、イミダゾリン、ピリミジン誘導体、ベンゾトリアゾール又はその誘導体、2−(アルキルジチオ)ベンゾイミダゾール、又はβ−(o−カルボキシベンジルチオ)プロピオンニトリル等が挙げられる。
消泡剤としては、例えば、25℃における動粘度が0.1〜100mm/s未満のシリコーンオイル、アルケニルコハク酸誘導体、ポリヒドロキシ脂肪族アルコールと長鎖脂肪酸のエステル、メチルサリチレートとo−ヒドロキシベンジルアルコール等が挙げられる。
これらの添加剤を本発明の潤滑油組成物に含有させる場合には、その含有量は組成物全量基準で、それぞれ0.001〜20質量%が好ましい。
本発明の潤滑油組成物の40℃における動粘度は、4mm/s以上であることが必要であり、7.5mm/s以上が好ましく、10mm/s以上がより好ましい。潤滑油組成物の40℃における動粘度を4mm/s以上にすることで、十分な潤滑性を確保でき、また潤滑油基油の蒸発損失を抑制することができる。
一方、40℃における動粘度は、25mm/s以下であることが必要であり、20mm/s以下が好ましく、16mm/s以下がより好ましい。潤滑油組成物の40℃における動粘度を25mm/s以下にすることで、低温粘度特性に優れた潤滑油組成物を得ることができる。
本発明の潤滑油組成物の100℃における動粘度は、2.0mm/s以上であることが必要であり、2.5mm/s以上が好ましく、3.0mm/s以上がより好ましい。潤滑油組成物の100℃における動粘度を2.0mm/s以上にすることで、十分な潤滑性を確保でき、また潤滑油基油の蒸発損失を抑制することができる。
一方、100℃における動粘度は、5.4mm/s以下であることが必要であり、5.0mm/s以下が好ましく、4.5mm/s以下がより好ましい。潤滑油組成物の100℃における動粘度を5.4mm/s以下にすることで、低温粘度特性に優れた潤滑油組成物を得ることができる。
低温粘度特性は、ASTM D 2983に準拠し、潤滑油組成物の−40℃におけるブルックフィールド粘度(BF粘度)を測定することにより求められる。BF粘度の値が小さいものほど低温流動性に優れていることを意味する。
本発明の潤滑油組成物の−40℃におけるBF粘度は、好ましくは23,000mPa・s以下であり、より好ましくは14,000mPa・s以下、さらに好ましくは10,000mPa・s以下である。また、好ましくは1,000mPa・s以上であり、さらに好ましくは1,500mPa・s以上、さらにより好ましくは2,000mPa・s以上である。1,000mPa・s未満になると低温時のシール漏れが多くなり、油圧が確保できない恐れある。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜11、比較例1〜9)
表1に示す組成の潤滑油組成物を調製した。基油の割合(質量%)は基油全量基準、各添加剤の添加量(質量%)は組成物全量基準である。各潤滑油組成物の性状について下記試験により評価し表1に併記した。
[酸化安定性試験]
JIS K 2514に準拠し、ISOTにて150℃、480時間の条件で各潤滑油組成物を強制劣化させてその酸価(mgKOH/g)を測定し、試験前後の酸価の測定値から酸価の増加量を求めた。酸価増加量が小さいものほど酸化安定性に優れていることを意味する。
[疲労寿命試験]
高温ユニスチール試験機を用いて、以下の試験条件でピッチング発生寿命を評価した。また、比較例1の試験結果を基準として疲労寿命の比を算出した。
スラストニードルベアリング(面圧:1.9GPa、回転数:1410rpm、油温:120℃)
[せん断安定性試験]
JASO M347−95に準拠し、超音波せん断試験を行い、1時間後の各潤滑油組成物の100℃における動粘度を測定した。本試験においては、せん断後の粘度低下が小さく、100℃における動粘度が高い値を示すものほどせん断安定性に優れていることを意味する。
本発明の潤滑油組成物のせん断安定性(せん断後の粘度低下の割合)は、好ましくは1.5%以下であり、さらに好ましくは1.2%以下であり、特に好ましくは0.9%以下である。
なお、表1における各潤滑油組成物の構成成分の内容は以下のとおりである。
<炭化水素系基油>
(1)基油A−1:鉱油系基油(40℃動粘度7.5mm/s、100℃動粘度2.3mm/s)
(2)基油A−2:鉱油系基油(40℃動粘度19.9mm/s、100℃動粘度4.3mm/s)
(3)基油A−3:鉱油系基油(40℃動粘度35.3mm/s、100℃動粘度6.3mm/s、粘度指数131)
(4)基油A−4:ポリ−α−オルフィン油(40℃動粘度5.0mm/s、100℃動粘度1.7mm/s)
<エステル油>
(1)基油B−1:一般式(1)で示される構造の二塩基酸ジエステル;アゼライン酸と総炭素数8の飽和アルコールとのジエステル、40℃動粘度11.0mm/s、100℃動粘度3.1mm/s、粘度指数146)
(2)基油B−2:一般式(2)で示される構造のポリオールエステル;ネオペンチルグリコールと総炭素数8の飽和脂肪酸とのジエステル(40℃動粘度7.5mm/s、100℃動粘度2.1mm/s)
(3)基油B−3:一般式(3)で示される構造のポリオールエステル;トリメチロールプロパンと総炭素数8〜10の飽和脂肪酸とのトリエステル(40℃動粘度19.7mm/s、100℃動粘度4.4mm/s)
(4)基油B−4:不飽和炭化水素基を含むモノエステル;オレイン酸と総炭素数8の飽和アルコールとのモノエステル(40℃動粘度8.5mm/s、100℃動粘度2.7mm/s、粘度指数177)
(5)基油B−5:一般式(2)で示される構造において、RおよびRが不飽和炭化水素基であるポリオールエステル;ネオペンチルグリコールとオレイン酸とのジエステル(40℃動粘度24.2mm/s、100℃動粘度5.9mm/s)
<粘度指数向上剤>
C−1:非分散型のポリメタクリレート系粘度指数向上剤(重量平均分子量20,000)
<性能添加剤>
D−1:亜リン酸エステル系摩耗防止剤(リン添加量(組成物基準)300質量ppm)、過塩基型Caスルホネート(Ca添加量(組成物基準)100質量ppm)、非ホウ素化コハク酸イミド(ビスタイプ、添加量(組成物基準)2.0質量%)、ホウ素化コハク酸イミド(ビスタイプ、添加量(組成物基準)2.0質量%、B添加量(組成物基準)50質量ppm)、フェノール系酸化防止剤(添加量(組成物基準)1.0質量%)、アミン系酸化防止剤(添加量(組成物基準)1.0質量%)、アミド系摩擦調整剤(添加量(組成物基準)2質量%)、トリアゾール誘導体(添加量(組成物基準)0.05質量%)、ジメチルシリコーン(Si添加量(組成物基準)10質量ppm)などを含有する変速機油用添加剤パッケージ
Figure 2016152229

Claims (3)

  1. (A)40℃における動粘度が5〜20mm/sの炭化水素系基油および(B)エステル結合を2つ以上含み、不飽和炭素結合を有さない多塩基酸エステルまたはポリオールエステルのいずれか1種または2種以上のエステル油を含有し、40℃における動粘度が18mm/s以下で、かつ(B)成分の含有割合が基油全量基準で0.5〜50質量%である混合油を基油とする潤滑油組成物であって、40℃における動粘度が4〜25mm/s、100℃における動粘度が2.0〜5.4mm/sであることを特徴とする変速機用潤滑油組成物。
  2. (B)成分が下記式(1)で示される二塩基酸ジエステルまたは下記式(2)〜(4)で示されるポリオールエステルのいずれか1種または2種以上のエステル油であることを特徴とする請求項1に記載の変速機用潤滑油組成物。
    Figure 2016152229
    (R〜Rはそれぞれ個別に炭素数3〜36の飽和炭化水素基、R、Rはそれぞれ個別に炭素数1〜3のアルキル基、nは4〜8の整数を示す。)
  3. 組成物中のポリメタクリレート系粘度指数向上剤の含有量が組成物全量基準で9質量%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の変速機用潤滑油組成物。
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