JP6219799B2 - ハイブリッド車又は電気自動車の減速機用潤滑油組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ハイブリッド車又は電気自動車の減速機用潤滑油組成物に関する。
近年、地球環境保護の観点から、二酸化炭素削減が強く求められており、そのため、自動車の分野では、省燃費技術の開発に力が注がれている。省燃費化の主流にハイブリッド車及び電気自動車があり、今後急速に普及すると予測されている。ハイブリッド車及び電気自動車は電動モーター、発電機、インバータ、蓄電池等を有することが特徴であり、一部又は全部が電動モーターで走行する。
このようなハイブリッド車及び電気自動車における伝導モーター及び発電機の冷却には、ATF(オートマチック・トランスミッション・フルード)及びCVTF(コンティニュアスリー・バリアブル・トランスミッション・フルード)が使用されている。ATF及びCVTFには、一般に基油として、鉱物油、ポリα−オレフィン等の合成油が使用されている。一方、ハイブリッド車及び電気自動車は歯車減速機を有する形式であり、低温流動性と潤滑性の双方を兼ね備えることが必要とされる。今後、ハイブリッド車及び電気自動車において、燃費、電費等を改善させるにためは、電動モーター、発電機等の低温流動性に優れる潤滑油が望まれ、さらに潤滑油の低粘度化が必要とされる。
従来の自動変速機用潤滑油組成物としては、低粘度であっても疲労寿命が長く、耐久性等にバランス良く優れたものとして、潤滑油基油に各種添加剤を配合したものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、ハイブリッド車又は電気自動車の歯車減速機、特に電動モーター又はインホイールモーター、中でもインホイールモーターに用いられる潤滑油は、自動変速機及び無段変速機と比較して、少量となるため、過酷なせん断を受けることによって粘度が低下し、耐摩耗性をはじめとする潤滑性能が悪化する場合があった。
特開2007−284564号公報
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、低温流動性及びせん断安定性に優れ、省燃費化が可能な耐摩耗性及び疲労寿命に優れたハイブリッド車又は電気自動車の減速機用潤滑油組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、下記[1]及び[2]に示す潤滑油組成物並びに下記[3]に示す組成物の使用を提供する。
[1]合成系基油を含み、25℃でのトラクション係数が0.007以下である潤滑油基油と、重量平均分子量が40000〜100000の流動点降下剤と、を含有し、潤滑油組成物全量基準で、流動点降下剤の含有量が0.1〜1.0質量%であり、下記式(1)を満たす、ハイブリッド車又は電気自動車の減速機用潤滑油組成物。
0.01≦[C/(C×C)]≦0.025 (1)
[式中、Cは潤滑油組成物中の硫黄含有量を示し、Cは潤滑油組成物中のホウ素含有量を示し、Cは潤滑油組成物中のリン含有量を示し、C、C及びCはいずれも潤滑油組成物全量基準での含有量(質量ppm)である。]
[2]リン及び硫黄を含む添加剤と、ホウ素を含む添加剤と、をさらに含有し、前記リン及び硫黄を含む添加剤が、構成元素としてリンを含み硫黄を含まない第1の添加剤と構成元素として硫黄を含みリンを含まない第2の添加剤との組合せ、構成元素としてリン及び硫黄の両方を含む第3の添加剤、前記第1の添加剤と前記第3の添加剤との組合せ、前記第2の添加剤と前記第3の添加剤との組合せ、並びに、前記第1の添加剤と前記第2の添加剤と前記第3の添加剤との組合せからなる群より選ばれる1種である、[1]に記載のハイブリッド車又は電気自動車の減速機用潤滑油組成物。
[3]組成物のハイブリッド車又は電気自動車の減速機用潤滑油としての使用であって、前記組成物が、合成系基油を含み、25℃でのトラクション係数が0.007以下である潤滑油基油と、重量平均分子量が40000〜100000の流動点降下剤と、を含有し、潤滑油組成物全量基準で、前記流動点降下剤の含有量が0.1〜1.0質量%であり、下記式(1)を満たす、使用。
0.01≦[C/(C×C)]≦0.025 (1)
[式中、Cは潤滑油組成物中の硫黄含有量を示し、Cは潤滑油組成物中のホウ素含有量を示し、Cは潤滑油組成物中のリン含有量を示し、C、C及びCはいずれも潤滑油組成物全量基準での含有量(質量ppm)である。
本発明によれば、低温流動性及びせん断安定性に優れ、省燃費化が可能な耐摩耗性及び疲労寿命に優れた潤滑油組成物が提供される。したがって、ハイブリッド車又は電気自動車の減速機用、特に電動モーター用又はインホイールモーター用に適用した場合に、減速機油として必要な特性を維持しつつ、省燃費性を達成することができる。中でも補助動力源がない電気自動車用として好適である。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
本実施形態に係るハイブリッド車又は電気自動車の減速機用潤滑油組成物は、(A)合成系基油を含み、25℃でのトラクション係数が0.007以下である潤滑油基油と、(B)重量平均分子量が40000〜100000の流動点降下剤と、を含有し、潤滑油組成物全量基準で、流動点降下剤の含有量が0.1〜1.0質量%であり、下記式(1)を満たす。
0.01≦[C/(C×C)]≦0.025 (1)
[式中、Cは潤滑油組成物中の硫黄含有量を示し、Cは潤滑油組成物中のホウ素含有量を示し、Cは潤滑油組成物中のリン含有量を示し、C、C及びCはいずれも潤滑油組成物全量基準での含有量(質量ppm)である。]
[(A)成分:潤滑油基油]
本実施形態に係る潤滑油組成物は、(A)合成系基油を含み、25℃でのトラクション係数が0.007以下である潤滑油基油を含有する。
合成系基油としては、ポリα−オレフィン又はその水素化物、イソブテンオリゴマー又はその水素化物、イソパラフィン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、一塩基酸エステル、二塩基酸エステル等のエステル系基油、ポリオキシアルキレングリコール、ジアルキルジフェニルエーテル、ポリフェニルエーテル、フィッシャートロピッシュプロセスから製造されたワックスを接触脱ろうして製造された基油などが挙げられる。なお、これらの基油は単独でも、2種以上任意の割合で組み合わせて使用してもよい。
合成系基油の含有量は、特に限定されないが、潤滑油基油全量基準で、好ましくは30質量%以上であり、より好ましくは40質量%以上であり、さらに好ましくは50質量%以上である。また、合成系基油の含有量は、潤滑油基油全量基準で、100質量%であってもよい。その含有量を30質量%以上とすることにより、低温流動性及び疲労寿命に優れる潤滑油組成物を得ることが可能となる。
合成系基油は、ポリα−オレフィンを含むことが好ましい。ポリα−オレフィンとしては、具体的には、炭素数2〜32、好ましくは6〜16のα−オレフィンのオリゴマー又はコオリゴマー(例えば、1−オクテンオリゴマー、1−デセンオリゴマー、1−ドデセンオリゴマー、エチレン−プロピレンコオリゴマー等)及びその水素化物が挙げられる。
ポリα−オレフィンの製法については特に制限はないが、例えば、三塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素、又は三フッ化ホウ素と水、アルコール(例えば、エタノール、プロパノール又はブタノール)、カルボン酸、又はエステル(例えば、酢酸エチル又はプロピオン酸エチル)との錯体を含むフリーデル・クラフツ触媒のような重合触媒の存在下でのα−オレフィンの重合等が挙げられる。
ポリα−オレフィンを含有させる場合の含有量は、潤滑油基油全量基準で、好ましくは60質量%以上であり、より好ましくは65質量%以上であり、さらに好ましくは70質量%以上である。また、ポリα−オレフィンの含有量は、潤滑油基油全量基準で、100質量%であってもよい。その含有量を60質量%以上とすることにより、低温流動性及び疲労寿命により優れる潤滑油組成物を得ることが可能となる。
ポリα−オレフィンの40℃における動粘度は、特に制限はされないが、好ましくは5mm/s以上であり、より好ましくは10mm/s以上であり、さらに好ましくは15mm/s以上である。また、好ましくは50mm/s以下であり、より好ましくは40mm/s以下であり、さらに好ましくは35mm/s以下である。40℃における動粘度が5mm/s以上、又は50mm/s以下であると、極圧性、耐摩耗性及び耐焼付き性に優れる傾向にある。
ポリα−オレフィンの粘度指数は、特に制限はされないが、好ましくは100以上であり、より好ましくは110以上であり、さらに好ましくは120以上である。粘度指数が100以上であると、低温流動性に優れる傾向にある。
合成系基油は、ポリα−オレフィンに加え、さらにエステル系基油を含むことが好ましい。
エステル系基油を構成するアルコールとしては1価アルコールでも多価アルコール(ポリオール)でもよく、また、エステル系基油を構成する酸としては一塩基酸でも多塩基酸であってもよい。また、エステル結合を含有する基油であれば、複合エステル化合物であってもよい。
1価アルコールとしては、通常炭素数1〜24、好ましくは1〜12、より好ましくは1〜8のものが用いられ、このようなアルコールとしては直鎖のものでも分枝のものでもよく、また飽和のものであっても不飽和のものであってもよい。炭素数1〜24のアルコールとしては、具体的には例えば、メタノール、エタノール、直鎖状又は分枝状のプロパノール、直鎖状又は分枝状のブタノール、直鎖状又は分枝状のペンタノール、直鎖状又は分枝状のヘキサノール、直鎖状又は分枝状のヘプタノール、直鎖状又は分枝状のオクタノール、直鎖状又は分枝状のノナノール、直鎖状又は分枝状のデカノール、直鎖状又は分枝状のウンデカノール、直鎖状又は分枝状のドデカノール、直鎖状又は分枝状のトリデカノール、直鎖状又は分枝状のテトラデカノール、直鎖状又は分枝状のペンタデカノール、直鎖状又は分枝状のヘキサデカノール、直鎖状又は分枝状のヘプタデカノール、直鎖状又は分枝状のオクタデカノール、直鎖状又は分枝状のノナデカノール、直鎖状又は分枝状のイコサノール、直鎖状又は分枝状のヘンイコサノール、直鎖状又は分枝状のトリコサノール、直鎖状又は分枝状のテトラコサノール及びこれらの混合物等が挙げられる。
多価アルコール(ポリオール)としては、通常2〜10価、好ましくは2〜6価のものが用いられる。2〜10価の多価アルコールとしては、具体的には例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール(エチレングリコールの3〜15量体)、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(プロピレングリコールの3〜15量体)、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール等の2価アルコール;グリセリン、ポリグリセリン(グリセリンの2〜8量体、例えばジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン等)、トリメチロールアルカン(トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン等)及びこれらの2〜8量体、ペンタエリスリトール及びこれらの2〜4量体、1,2,4−ブタントリオール、1,3,5−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3,4−ブタンテトロール、ソルビトール、ソルビタン、ソルビトールグリセリン縮合物、アドニトール、アラビトール、キシリトール、マンニトール等の多価アルコール;キシロース、アラビノース、リボース、ラムノース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、ソルボース、セロビオース、マルトース、イソマルトース、トレハロース、スクロース等の糖類、及びこれらの混合物などが挙げられる。
一塩基酸としては、通常炭素数2〜24の脂肪酸が用いられ、その脂肪酸は直鎖のものでも分枝のものでもよく、また飽和のものでも不飽和のものでもよい。具体的には、例えば、酢酸、プロピオン酸、直鎖状又は分枝状のブタン酸、直鎖状又は分枝状のペンタン酸、直鎖状又は分枝状のヘキサン酸、直鎖状又は分枝状のヘプタン酸、直鎖状又は分枝状のオクタン酸、直鎖状又は分枝状のノナン酸、直鎖状又は分枝状のデカン酸、直鎖状又は分枝状のウンデカン酸、直鎖状又は分枝状のドデカン酸、直鎖状又は分枝状のトリデカン酸、直鎖状又は分枝状のテトラデカン酸、直鎖状又は分枝状のペンタデカン酸、直鎖状又は分枝状のヘキサデカン酸、直鎖状又は分枝状のヘプタデカン酸、直鎖状又は分枝状のオクタデカン酸、直鎖状又は分枝状のノナデカン酸、直鎖状又は分枝状のイコサン酸、直鎖状又は分枝状のヘンイコサン酸、直鎖状又は分枝状のドコサン酸、直鎖状又は分枝状のトリコサン酸、直鎖状又は分枝状のテトラコサン酸等の飽和脂肪酸、アクリル酸、直鎖状又は分枝状のブテン酸、直鎖状又は分枝状のペンテン酸、直鎖状又は分枝状のヘキセン酸、直鎖状又は分枝状のヘプテン酸、直鎖状又は分枝状のオクテン酸、直鎖状又は分枝状のノネン酸、直鎖状又は分枝状のデセン酸、直鎖状又は分枝状のウンデセン酸、直鎖状又は分枝状のドデセン酸、直鎖状又は分枝状のトリデセン酸、直鎖状又は分枝状のテトラデセン酸、直鎖状又は分枝状のペンタデセン酸、直鎖状又は分枝状のヘキサデセン酸、直鎖状又は分枝状のヘプタデセン酸、直鎖状又は分枝状のオクタデセン酸、直鎖状又は分枝状のノナデセン酸、直鎖状又は分枝状のイコセン酸、直鎖状又は分枝状のヘンイコセン酸、直鎖状又は分枝状のドコセン酸、直鎖状又は分枝状のトリコセン酸、直鎖状又は分枝状のテトラコセン酸等の不飽和脂肪酸、及びこれらの混合物などが挙げられる。
多塩基酸としては炭素数2〜16の二塩基酸及びトリメリット酸等が挙げられる。炭素数2〜16の二塩基酸としては、直鎖のものでも分枝のものでもよく、また飽和のものでも不飽和のものでもよい。具体的には例えば、エタン二酸、プロパン二酸、直鎖状又は分枝状のブタン二酸、直鎖状又は分枝状のペンタン二酸、直鎖状又は分枝状のヘキサン二酸、直鎖状又は分枝状のヘプタン二酸、直鎖状又は分枝状のオクタン二酸、直鎖状又は分枝状のノナン二酸、直鎖状又は分枝状のデカン二酸、直鎖状又は分枝状のウンデカン二酸、直鎖状又は分枝状のドデカン二酸、直鎖状又は分枝状のトリデカン二酸、直鎖状又は分枝状のテトラデカン二酸、直鎖状又は分枝状のヘプタデカン二酸、直鎖状又は分枝状のヘキサデカン二酸、直鎖状又は分枝状のヘキセン二酸、直鎖状又は分枝状のヘプテン二酸、直鎖状又は分枝状のオクテン二酸、直鎖状又は分枝状のノネン二酸、直鎖状又は分枝状のデセン二酸、直鎖状又は分枝状のウンデセン二酸、直鎖状又は分枝状のドデセン二酸、直鎖状又は分枝状のトリデセン二酸、直鎖状又は分枝状のテトラデセン二酸、直鎖状又は分枝状のヘプタデセン二酸、直鎖状又は分枝状のヘキサデセン二酸及びこれらの混合物などが挙げられる。
エステルを形成するアルコールと酸との組み合わせは任意であって特に制限されないが、本実施形態で使用可能なエステルとしては、例えば下記のエステルを挙げることができ、これらのエステルは単独でもよく、また2種以上を組み合わせてもよい。
(a)1価アルコールと一塩基酸とのエステル
(b)多価アルコールと一塩基酸とのエステル
(c)1価アルコールと多塩基酸とのエステル
(d)多価アルコールと多塩基酸とのエステル
(e)1価アルコール、多価アルコールとの混合物と多塩基酸との混合エステル
(f)多価アルコールと一塩基酸、多塩基酸との混合物との混合エステル
(g)1価アルコール、多価アルコールとの混合物と一塩基酸、多塩基酸との混合エステル
これらの中でも、耐摩擦性及び酸化安定性に優れることから、(a)一価アルコールと一塩基酸とのエステルである一塩基酸エステルであることが好ましい。
エステル系基油を含有させる場合の含有量は、潤滑油基油全量基準で、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは5質量%以上であり、さらに好ましくは10質量%以上である。また、好ましくは40質量%以下であり、より好ましくは35質量%以下であり、さらに好ましくは30質量%以下である。エステル系基油の含有量が1質量%以上、又は40質量%以下であると、低温流動性がより優れる傾向にある。
エステル系基油の40℃における動粘度は、特に制限はされないが、好ましくは5mm/s以上であり、より好ましくは6mm/s以上であり、さらに好ましくは7mm/s以上である。また、好ましくは50mm/s以下であり、より好ましくは30mm/s以下であり、さらに好ましくは20mm/s以下である。40℃における動粘度が5mm/s以上、又は50mm/s以下であると、極圧性、耐摩耗性及び耐焼付き性に優れる傾向にある。
エステル系基油の粘度指数は、特に制限はされないが、好ましくは125以上であり、より好ましくは130以上であり、さらに好ましくは135以上である。粘度指数が125以上であると、低温流動性に優れる傾向にある。
エステル系基油の流動点は、特に制限はされないが、好ましくは−20℃以下であり、より好ましくは−30℃以下であり、さらに好ましくは−40℃以下である。
エステル系基油の引火点は、特に制限はされないが、好ましくは200℃以上であり、より好ましくは210℃以上であり、さらに好ましくは220℃以上である。
本実施形態に係る潤滑油基油は、合成系基油以外の基油成分を含むことができる。合成系基油以外の基油成分は、特に制限されず、通常の潤滑油に使用される基油を使用できる。具体的には、鉱油系基油又はこの中から選ばれる2種以上の基油を任意の割合で混合した混合物等を使用できる。
鉱油系基油としては、原油を常圧蒸留及び減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理等の精製処理を単独又は二つ以上適宜組み合わせて精製したパラフィン系、ナフテン系等の鉱油系基油、ノルマルパラフィン、イソパラフィン、石油系ワックスを接触脱ろうして製造された基油等が挙げられる。なお、これらの基油は単独でも、2種以上任意の割合で組み合わせて使用してもよい。
鉱油系基油としては、低粘度化の観点、及び硫黄含有量の観点から、API(American Petroleum Institute)のBase Stock Categoriesに規定されているグループII又はグループIIIに分類される基油であることが好ましく、グループIIIに分類される基油がより好ましい。
鉱油系基油の硫黄含有量は、特に制限はないが、潤滑油基油全量基準で、100質量ppm以下、50質量ppm以下又は10質量ppm以下であってよい。鉱油系基油の硫黄含有量は、例えば、ICP元素分析法等によって求めることができる。
(A)成分の潤滑油基油の25℃でのトラクション係数は、0.007以下であり、好ましくは0.0065以下であり、より好ましくは0.006以下であり、さらに好ましくは0.0055以下である。25℃でのトラクション係数を0.007以下とすることにより、低温流動性、せん断安定性及び疲労寿命に優れる潤滑油組成物を得ることが可能となる。なお、ここで25℃でのトラクション係数は、EHL試験機を用い、油温25℃、面圧0.44GPa、すべり率3%、周速0.5m/sの条件で測定した値をいう。
[(B)成分:流動点降下剤]
本実施形態に係る潤滑油組成物は、潤滑油組成物全量基準で、0.1〜1.0質量%の重量平均分子量が40000〜100000の流動点降下剤を含有する。このような流動点降下剤を(A)成分と組み合わせることにより、低トラクション化及び油膜厚さ向上により、低温流動性を高め、疲労寿命を長くすることができる。
流動点降下剤は、重量平均分子量が40000〜100000であれば、特に構造及び種類は限定されないが、充分な低温流動性が得られることから、ポリ(メタ)アクリレート系流動点降下剤であることが好ましい。
流動点降下剤の重量平均分子量は、40000〜100000であり、上限値は好ましくは80000以下であり、より好ましくは60000以下であり、さらに好ましくは50000以下である。流動点降下剤の重量平均分子量を40000〜100000とすることにより、充分な低温流動性及び疲労寿命を有する潤滑油組成物を得ることができる。なお、ここでいう重量平均分子量とは、ウォーターズ社製150−C ALC/GPC装置において東ソー社製のGMHHR−M(7.8mmID×30cm)のカラムを2本直列に使用し、溶媒としてテトラヒドロフランを用い、温度23℃、流速1mL/分、試料濃度1質量%、試料注入量75μLの条件下、示差屈折率計(RI)検出器を用いて測定した標準ポリスチレン換算の重量平均分子量である。
流動点降下剤の含有量は、潤滑油組成物全量基準で、0.1〜1.0質量%であり、下限値は好ましくは0.2質量%以上である。流動点降下剤の含有量を0.1質量%以上とすることによって、疲労寿命に優れる傾向にある。流動点降下剤の含有量を1.0質量%以下とすることによって、せん断安定性に優れる傾向にある。
本実施形態に係る潤滑油組成物は、さらに粘度調整剤を含有することが好ましい。
粘度調整剤は、具体的には非分散型又は分散型エステル基含有粘度調整剤であり、例えば、非分散型又は分散型ポリ(メタ)アクリレート系粘度調整剤、非分散型又は分散型オレフィン−(メタ)アクリレート共重合体系粘度調整剤、スチレン−無水マレイン酸エステル共重合体系粘度調整剤及びこれらの混合物、α−オレフィンと重合性不飽和結合を有するエステル単量体との共重合体、非分散型若しくは分散型エチレン−α−オレフィン共重合体又はその水素化物、ポリイソブチレン又はその水素化物、スチレン−ジエン水素化共重合体、ポリアルキルスチレン等を挙げることができる。
粘度調整剤は、これらの中でも非分散型又は分散型ポリ(メタ)アクリレート系粘度調整剤であることが好ましい。特に非分散型又は分散型ポリメタクリレート系粘度調整剤であることが好ましい。
本実施形態に係るポリメタクリレート系粘度調整剤は、下記一般式(1)で表される構造単位を有するポリメタクリレート系粘度調整剤である。
Figure 0006219799
一般式(1)において、Rは水素又はメチル基、好ましくはメチル基を示し、Rは炭素数18〜30の直鎖又は分枝状の炭化水素基、好ましくは炭素数20以上の分枝状炭化水素基を示す。
ここで、炭素数18〜30の直鎖又は分枝状の炭化水素基としては、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル基、ヘプタコシル基、オクタコシル基、ノナコシル基、トリアコンチル基等のアルキル基(これらアルキル基は直鎖状でも分枝状でもよい);ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、イコセニル基、ヘンイコセニル基、ドコセニル基、トリコセニル基、テトラコセニル基、ペンタコセニル基、ヘキサコセニル基、ヘプタコセニル基、オクタコセニル基、ノナコセニル基、トリアコンテニル基等のアルケニル基(これらアルケニル基は直鎖状でも分枝状でもよく、また二重結合の位置も任意である)等が例示できる。
ポリメタクリレート系粘度調整剤における、一般式(1)で表される構造単位の構成比は、好ましくは5モル%以上であり、より好ましくは15モル%以上であり、さらに好ましくは30モル%以上である。また、低温流動性の観点から、好ましくは80モル%以下であり、より好ましくは60モル%以下であり、さらに好ましくは50モル%以下である。
ポリメタクリレート系粘度調整剤の重量平均分子量は、特に制限されないが、好ましくは5000以上であり、より好ましくは7000以上であり、さらに好ましくは10000以上であり、特に好ましくは15000以上である。また、好ましくは30000以下であり、より好ましくは28000以下であり、さらに好ましくは26000以下であり、特に好ましくは24000以下である。なお、ここでいう重量平均分子量は、ウォーターズ社製150−C ALC/GPC装置に東ソー社製のGMHHR−M(7.8mmID×30cm)のカラムを2本直列に使用し、溶媒としてはテトラヒドロフラン、温度23℃、流速1mL/分、試料濃度1質量%、試料注入量75μL、検出器示差屈折率計(RI)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量を意味する。
ポリメタクリレート系粘度調整剤を含有させる場合の含有量は、潤滑油組成物全量基準で、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.3質量%以上であり、さらに好ましくは0.5質量%以上である。また、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは7質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以下である。その含有量を10質量%以下とすることによって、含有量に見合う疲労寿命向上効果が期待でき、さらにせん断安定性により優れる傾向にある。
また、粘度調整剤は、α−オレフィンと重合性不飽和結合を有するエステル単量体との共重合体であってもよい。
重合性不飽和結合を有するエステル単量体は、重合性不飽和結合とエステル結合を有する化合物であれば、特に制限されないが、少なくとも一方のカルボキシ基のα炭素とβ炭素とがエチレン性不飽和結合(すなわち、C=C二重結合)を形成している不飽和ジカルボン酸のジエステル体である、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸ジエステルであることが好ましい。ここで、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸はマレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸等のような、両方のカルボキシ基についてα炭素とβ炭素とがエチレン性不飽和結合を形成しており、かつα,β−エチレン性不飽和結合が主鎖中に存在する化合物に限定されるものではなく、グルタコン酸等のように一方のカルボキシ基のみについてα炭素とβ炭素とがエチレン性不飽和結合をなしている化合物をも包含する概念であり、また、イタコン酸等のようにα,β−エチレン性不飽和結合が側鎖に見出される化合物をも包含する概念である。
α−オレフィンと重合性不飽和結合を有するエステル単量体との共重合体の構造は、特に制限されるものではない。また、製造方法についても特に制限されるものではなく、公知の方法によって製造したものを用いることができる。
α−オレフィンと重合性不飽和結合を有するエステル単量体との共重合体の重量平均分子量は、特に制限されないが、好ましくは2000以上であり、より好ましくは4000以上であり、さらに好ましくは6000以上である。また、好ましくは20000以下であり、より好ましくは15000以下であり、さらに好ましくは12000以下である。その重量平均分子量を2000以上、又は20000以下とすることによって、低温流動性を高めることが可能となる。なお、ここでいう重量平均分子量とは、ウォーターズ社製150−C ALC/GPC装置において東ソー社製のGMHHR−M(7.8mmID×30cm)のカラムを2本直列に使用し、溶媒としてテトラヒドロフランを用い、温度23℃、流速1mL/分、試料濃度1質量%、試料注入量75μLの条件下、示差屈折率計(RI)検出器を用いて測定した標準ポリスチレン換算の重量平均分子量を意味する。
α−オレフィンと重合性不飽和結合を有するエステル単量体との共重合体を含有させる場合の含有量は、潤滑油組成物全量基準で、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.5質量%以上である。また、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは8質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以下である。その含有量を1質量%以上とすることによって、耐摩耗性及び疲労寿命により優れる傾向にある。また、その含有量を10質量%以下とすることによって、充分なせん断安定性、耐摩耗性及び疲労寿命を示す傾向にある。
粘度調整剤は、非分散型若しくは分散型エチレン−α−オレフィン共重合体又はその水素化物、ポリイソブチレン又はその水素化物、スチレン−ジエン水素化共重合体、ポリアルキルスチレンであってもよい。これらの中でも、エチレン−α−オレフィン共重合体又はその水素化物を用いた場合には、せん断安定性に優れた潤滑油組成物を得ることができる。
非分散型若しくは分散型エチレン−α−オレフィン共重合体又はその水素化物の分子量は、せん断安定性を考慮して選定することが必要である。好ましくは800以上であり、より好ましくは1000以上であり、さらに好ましくは3000以上であり、特に好ましくは15000以上である。また、好ましくは150000以下であり、より好ましくは40000以下であり、さらに好ましくは30000以下であり、特に好ましくは25000以下である。
非分散型若しくは分散型エチレン−α−オレフィン共重合体又はその水素化物を含有させる場合の含有量は、潤滑油組成物全量基準で、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.5質量%以上である。また、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは8質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以下である。その含有量を1質量%以上とすることによって、耐摩耗性及び疲労寿命により優れる傾向にある。また、その含有量を10質量%以下とすることによって、充分なせん断安定性、耐摩耗性及び疲労寿命を示す傾向にある。
本実施形態に係る潤滑油組成物は、硫黄含有量、ホウ素含有量及びリン含有量に関して、下記式(1)を満たすものである。
0.01≦[C/(C×C)]≦0.025 (1)
[式中、Cは潤滑油組成物中の硫黄含有量を示し、Cは潤滑油組成物中のホウ素含有量を示し、Cは潤滑油組成物中のリン含有量を示し、C、C及びCはいずれも潤滑油組成物全量基準での含有量(質量ppm)である。]
潤滑油組成物中の硫黄含有量、ホウ素含有量及びリン含有量は、ICP元素分析法等によって求めることができる。また、潤滑油基油に配合される各成分を予め、ICP元素分析法等によって分析し、その分析値と各成分の仕込み量から潤滑油組成物中の硫黄含有量、ホウ素含有量及びリン含有量を求めることもできる。
[C/(C×C)]の下限値は0.01以上であり、好ましくは0.011以上であり、より好ましくは0.012以上であり、さらに好ましくは0.013以上である。一方、[C/(C×C)]の上限値は0.025以下であり、好ましくは0.024以下、より好ましくは0.022以下であり、さらに好ましくは0.02以下である。その下限値は0.01以上、又はその上限値を0.025以下とすることにより、耐摩耗性に優れる傾向にある。
本実施形態に係る潤滑油組成物は、リン及び硫黄を含む添加剤と、ホウ素を含む添加剤と、をさらに含有してもよい。また、上記リン及び硫黄を含む添加剤は、構成元素としてリンを含み硫黄を含まない第1の添加剤と構成元素として硫黄を含みリンを含まない第2の添加剤との組合せ、構成元素としてリン及び硫黄の両方を含む第3の添加剤、前記第1の添加剤と前記第3の添加剤との組合せ、前記第2の添加剤と前記第3の添加剤との組合せ、並びに、前記第1の添加剤と前記第2の添加剤と前記第3の添加剤との組合せからなる群より選ばれる1種であってよい。
第1の添加剤は、構成元素としてリンを含み硫黄を含まない添加剤である。第1の添加剤としては、亜リン酸エステル類(ホスファイト)、リン酸エステル類、これらのアミン塩、これらの金属塩、これらの誘導体等のリン系極圧剤などが挙げられる。
第2の添加剤は、構成元素として硫黄を含みリンを含まない添加剤である。第2の添加剤としては、ジチオカーバメート、亜鉛ジチオカーバメート、モリブデンジチオカーバメイト、ジサルファイド類、ポリサルファイド類、硫化オレフィン類、硫化油脂類、チアジアゾール類等の摩耗防止剤(又は極圧剤)、スルホネート系清浄剤(アルカリ金属又はアルカリ土類金属との正塩、塩基正塩、過塩基性塩)等の金属系清浄剤、チアジアゾール類等の腐食防止剤、アルキルチアジアゾール、メルカプトベンゾチアゾール、1,3,4−チアジアゾールポリスルフィド、1,3,4−チアジアゾリル−2,5−ビスジアルキルジチオカーバメート、2−(アルキルジチオ)ベンゾイミダゾール、β−(o−カルボキシベンジルチオ)プロピオンニトリル等の金属不活性化剤、石油スルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、ジノニルナフタレンスルホネート等の防錆剤などが挙げられる。
第3の添加剤は、構成元素としてリン及び硫黄の両方を含む添加剤である。第3の添加剤としては、ジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)、チオ亜リン酸エステル類、ジチオ亜リン酸エステル類、トリチオ亜リン酸エステル類、チオリン酸エステル類、ジチオリン酸エステル類、トリチオリン酸エステル類、これらのアミン塩、これらの金属塩、これらの誘導体等の硫黄−リン系の極圧剤などが挙げられる。
ホウ素を含む添加剤としては、ホウ酸変性コハク酸イミド(ホウ素含有コハク酸イミド)等の無灰分散剤などが挙げられる。
本実施形態に係る潤滑油組成物には、その目的に応じて潤滑油に一般的に使用されている任意の添加剤を含有させることができる。このような添加剤としては、例えば、金属系清浄剤、無灰分散剤、酸化防止剤、腐食防止剤、防錆剤、抗乳化剤、金属不活性化剤、消泡剤、無灰摩擦調整剤等の添加剤などを挙げることができる。
金属系清浄剤としては、サリチレート系清浄剤、フェネート系清浄剤等が挙げられ、アルカリ金属又はアルカリ土類金属との正塩、塩基正塩、過塩基性塩のいずれをも配合することができる。使用に際してはこれらの中から任意に選ばれる1種類又は2種類以上を配合することができる。
無灰分散剤としては、潤滑油に用いられる任意の無灰分散剤が使用でき、例えば、炭素数40〜400の直鎖若しくは分枝状のアルキル基又はアルケニル基を分子中に少なくとも1個有するモノ又はビスコハク酸イミド、炭素数40〜400のアルキル基又はアルケニル基を分子中に少なくとも1個有するベンジルアミン、炭素数40〜400のアルキル基又はアルケニル基を分子中に少なくとも1個有するポリアミン、これらのカルボン酸、リン酸等による変成品などが挙げられる。使用に際してはこれらの中から任意に選ばれる1種類又は2種類以上を配合することができる。
酸化防止剤としては、フェノール系、アミン系等の無灰酸化防止剤、銅系、モリブデン系等の金属系酸化防止剤が挙げられる。具体的には、例えば、フェノール系無灰酸化防止剤としては、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)等が、アミン系無灰酸化防止剤としては、フェニル−α−ナフチルアミン、アルキルフェニル−α−ナフチルアミン、ジアルキルジフェニルアミン等が挙げられる。
腐食防止剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系、トリルトリアゾール系、イミダゾール系化合物等が挙げられる。
防錆剤としては、例えば、アルケニルコハク酸エステル、多価アルコールエステル等が挙げられる。
抗乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルナフチルエーテル等のポリアルキレングリコール系非イオン系界面活性剤などが挙げられる。
金属不活性化剤としては、例えば、イミダゾリン、ピリミジン誘導体、ベンゾトリアゾール又はその誘導体等が挙げられる。
消泡剤としては、例えば、25℃における動粘度が1000〜10万mm/sのシリコーンオイル、アルケニルコハク酸誘導体、ポリヒドロキシ脂肪族アルコールと長鎖脂肪酸とのエステル、メチルサリチレートとo−ヒドロキシベンジルアルコールとのエステル等が挙げられる。
無灰摩擦調整剤としては、潤滑油用の無灰摩擦調整剤として通常用いられる任意の化合物が使用可能であり、例えば、炭素数6〜30のアルキル基またはアルケニル基、特に炭素数6〜30の直鎖アルキル基または直鎖アルケニル基を分子中に少なくとも1個有する、アミン系、脂肪酸エステル系、脂肪酸アミド系、脂肪酸系、脂肪族アルコール系、脂肪族エーテル系等の無灰摩擦調整剤等が挙げられる。
本実施形態に係る潤滑油組成物の100℃における動粘度は、特に制限されないが、好ましくは3.5mm/s以上であり、より好ましくは3.7mm/s以上であり、さらに3.9mm/s以上である。また、好ましくは7.0mm/s以下であり、より好ましくは6.5mm/s以下であり、さらに好ましくは6.0mm/s以下である。100℃動粘度を3.5mm/s以上とすることによって、油膜形成が充分となり、潤滑性により優れる傾向にある。また、100℃動粘度を7.0mm/s以下とすることによって、低温流動性に優れる傾向にある。
本実施形態に係る潤滑油組成物の−40℃におけるBF粘度は、特に限定されないが、好ましくは10000mPa・s以下であり、より好ましくは8000mPa・s以下であり、さらに好ましくは7000mPa・s以下である。BF粘度を10000mPa・s以下とすることにより、充分な低温流動性が得られる。
本実施形態に係る潤滑油組成物は、低温流動性及びせん断安定性に優れ、省燃費化が可能な耐摩耗性及び疲労寿命に優れるため、ハイブリッド車又は電気自動車の減速機用に好適に用いることができる。中でも補助動力源がない電気自動車用として好適である。より好ましくは電動モーター用又はインホイールモーター用であり、さらに好ましくはインホイールモーター用である。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、本発明の一態様は、上記(A)合成系基油を含み、25℃でのトラクション係数が0.007以下である潤滑油基油と、上記(B)重量平均分子量が40000〜100000の流動点降下剤と、を含有し、潤滑油組成物全量基準で、流動点降下剤の含有量が0.1〜1.0質量%であり、上記式(1)を満たす組成物の、ハイブリッド車又は電気自動車の減速機用潤滑油としての使用に関する。また、例えば、本発明の別の一態様は、上記(A)合成系基油を含み、25℃でのトラクション係数が0.007以下である潤滑油基油と、上記(B)重量平均分子量が40000〜100000の流動点降下剤と、を含有し、潤滑油組成物全量基準で、流動点降下剤の含有量が0.1〜1.0質量%であり、上記式(1)を満たす組成物の、ハイブリッド車又は電気自動車の減速機用潤滑油の製造のための使用に関する。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜18及び比較例1〜11)
表1及び表2に示すように、実施例1〜18及び比較例1〜11の潤滑油組成物をそれぞれ調製した。得られた潤滑油組成物について、低温流動性、せん断安定性、耐摩耗性及び疲労寿命を測定し、その結果を表1及び表2に併記した。
表1及び表2に示した各成分の詳細は以下のとおりである。
基油A−1:ポリα−オレフィン[グループIV、40℃動粘度:16.95mm/s、100℃動粘度:3.862mm/s、粘度指数:122、25℃でのトラクション係数:0.00434]
基油A−2:ポリα−オレフィン[グループIV、40℃動粘度:30.59mm/s、100℃動粘度:6.012mm/s、粘度指数:147、25℃でのトラクション係数:0.00662]
基油A−3:ワックス異性化基油[グループIII、40℃動粘度:16.86mm/s、100℃動粘度:4.028mm/s、粘度指数:142、25℃でのトラクション係数:0.00395]
基油A−4:水素化精製鉱油[グループIII、40℃動粘度:8.667mm/s、100℃動粘度:2.395mm/s、粘度指数:91、25℃でのトラクション係数:0.0128]
基油A−5:水素化精製鉱油[グループIII、40℃動粘度:18.68mm/s、100℃動粘度:4.160mm/s、粘度指数:127、25℃でのトラクション係数:0.0088]
基油A−6:溶剤精製基油[グループI、40℃動粘度:243.1mm/s、100℃動粘度:20.46mm/s、粘度指数:98、25℃でのトラクション係数:0.0238]
基油A−7:二塩基酸エステル[グループV、アゼライン酸+2エチルヘキサノール、40℃動粘度:10.3mm/s、100℃動粘度:2.9mm/s、粘度指数:138、25℃でのトラクション係数:0.00303、流動点:−72℃、引火点:220℃]
基油A−8:一塩基酸エステル[グループV、オレイン酸+2エチルヘキサノール、40℃動粘度:8.4mm/s、100℃動粘度:2.7mm/s、粘度指数:174、25℃でのトラクション係数:0.00192、流動点:−40℃、引火点:224℃]
流動点降下剤B−1:ポリメタクリレート系流動点降下剤[重量平均分子量:46000]
流動点降下剤B−2:ポリメタクリレート系流動点降下剤[重量平均分子量:170000]
粘度調整剤C−1:ポリメタクリレート系粘度調整剤[重量平均分子量:20000、Rが炭素数20〜24の炭化水素基である一般式(1)で表される構造単位の構成比:40モル%]
粘度調整剤C−2:α−オレフィンとカルボン酸との共重合体[重量平均分子量:12000]
粘度調整剤C−3:エチレンとα−オレフィンとの共重合体[数平均分子量:13000]
摩耗防止剤D−1:亜リン酸エステル[リン元素換算:13.2質量%]
極圧剤E−1:チアジアゾール[硫黄元素換算:36質量%]
分散剤F−1:ホウ酸変性コハク酸イミド[重量平均分子量:1000、ホウ素元素換算:1.5質量%]
ATFパッケージG−1:コハク酸イミド、ホウ素含有コハク酸イミド、硫黄含有亜リン酸エステル、カルシウムスルフォネート、金属不活性化剤、摩擦調整剤、消泡剤、希釈油等のパッケージ添加剤[パッケージ添加剤全量基準で、硫黄元素換算:0.44質量%、ホウ素元素換算:0.12質量%、リン元素換算:0.24質量%]
潤滑油組成物における硫黄含有量、ホウ素含有量及びリン含有量は、ICP元素分析法によって求めた。また、摩耗防止剤のリン元素換算量、極圧剤の硫黄元素換算量、分散剤のホウ素元素換算量、並びにATFパッケージの硫黄元素換算量、ホウ素元素換算量及びリン元素換算量についても、ICP元素分析法によって求めた。
(1)低温流動性
ASTM D 2983に準拠し、各潤滑油組成物の−40℃におけるBF粘度を測定した。本試験においては、BF粘度の値が小さいものほど低温流動性に優れていることを意味する。
(2)せん断安定性試験
JPI−5S−29−88に準拠し、測定温度100℃、照射時間10時間でソニックテストを行い、ソニックテスト前後の100℃動粘度から、その低下率を測定した。本試験においては、低下率が小さいものほどせん断安定性に優れていることを意味する。
(3)耐摩耗性試験
ASTM D 2596に準拠し、高速四球試験機を用い、各潤滑油組成物の1800回転における最大非焼付き荷重(LNSL)を測定した。本試験においては、最大非焼付き荷重が大きいほど耐摩耗性に優れていることを意味する。
また、以下の条件により、四球試験(ASTM D4172)を行い、摩耗痕径(mm)を測定して耐摩耗性を評価した。本試験においては、摩耗痕径が小さいほど耐摩耗性に優れていることを意味する。
荷重:392N
回転数:1800rpm
温度:80℃
試験時間:30分間
(4)疲労寿命試験
FZG試験機を用いて以下の条件で運転を行い、歯車にピッチングが発生するまでのギヤの疲労寿命を評価した。
荷重ステージ:9
油温:120℃
回転数:1440rpm
Figure 0006219799
Figure 0006219799
表1及び表2から明らかであるように、実施例1〜18の潤滑油組成物は、低温流動性(例えば、−40℃におけるBF粘度が10000mPa・s以下)、せん断安定性(例えば、100℃動粘度低下率が2.0%以下)、耐摩耗性(例えば、最大非焼付き荷重が618N以上、摩耗痕径が0.60mm以下)及び疲労寿命(例えば、24時間以上)にバランス良く優れていることが分かった。

Claims (3)

  1. 合成系基油を含み、25℃でのトラクション係数が0.007以下である潤滑油基油と、
    重量平均分子量が40000〜100000の流動点降下剤と、
    を含有し、潤滑油組成物全量基準で、前記流動点降下剤の含有量が0.1〜1.0質量%であり、下記式(1)を満たす、ハイブリッド車又は電気自動車の減速機用潤滑油組成物。
    0.01≦[C/(C×C)]≦0.025 (1)
    [式中、Cは潤滑油組成物中の硫黄含有量を示し、Cは潤滑油組成物中のホウ素含有量を示し、Cは潤滑油組成物中のリン含有量を示し、C、C及びCはいずれも潤滑油組成物全量基準での含有量(質量ppm)である。]
  2. リン及び硫黄を含む添加剤と、
    ホウ素を含む添加剤と、
    をさらに含有し、
    前記リン及び硫黄を含む添加剤が、構成元素としてリンを含み硫黄を含まない第1の添加剤と構成元素として硫黄を含みリンを含まない第2の添加剤との組合せ、構成元素としてリン及び硫黄の両方を含む第3の添加剤、前記第1の添加剤と前記第3の添加剤との組合せ、前記第2の添加剤と前記第3の添加剤との組合せ、並びに、前記第1の添加剤と前記第2の添加剤と前記第3の添加剤との組合せからなる群より選ばれる1種である、請求項1に記載のハイブリッド車又は電気自動車の減速機用潤滑油組成物。
  3. 組成物のハイブリッド車又は電気自動車の減速機用潤滑油としての使用であって、
    前記組成物が、
    合成系基油を含み、25℃でのトラクション係数が0.007以下である潤滑油基油と、
    重量平均分子量が40000〜100000の流動点降下剤と、
    を含有し、潤滑油組成物全量基準で、前記流動点降下剤の含有量が0.1〜1.0質量%であり、下記式(1)を満たす、使用。
    0.01≦[C/(C×C)]≦0.025 (1)
    [式中、Cは潤滑油組成物中の硫黄含有量を示し、Cは潤滑油組成物中のホウ素含有量を示し、Cは潤滑油組成物中のリン含有量を示し、C、C及びCはいずれも潤滑油組成物全量基準での含有量(質量ppm)である。]
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