JP2019163407A - 潤滑油用基油、及び潤滑油組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】コンデンサーとしての機能を担うほどに高比誘電率であって、絶縁性であり、ゴム材への膨潤性が良好である潤滑油組成物を容易に調製し得る、潤滑油用基油、及び、当該潤滑油用基油を含む潤滑油組成物を提供する。【解決手段】1MHzにおける比誘電率εr(A1)が3.0未満である基油(A1)と、1MHzにおける比誘電率εr(A2)が3.0以上である基油(A2)と、を含む、潤滑油用基油。【選択図】なし

Description

本発明は、潤滑油用基油、及び、当該潤滑油用基油を含有する潤滑油組成物に関する。
近年の技術開発により、電気自動車やハイブリッド自動車等の電動モーター駆動車両において車両の駆動に用いられる電動モーターの出力は向上しており、電動モーターから発生する熱も増大している。
電動モーターの冷却方式としては、空冷方式、水冷方式、及び油冷方式が知られている。
これらの中でも、油冷方式は、油を用いているため絶縁性を付与すること可能であるという利点がある。油冷方式は、電動モーター内に油を流通させ、モーターコイルや磁石等の熱で劣化しやすい部材に油を直接接触させて熱交換を行うことが可能であり、高い冷却能力が期待できる。
また、近年、電気自動車やハイブリッド自動車等の電動モーター駆動車両においては、更なる小型軽量化のために、変速機と電動モーターとをパッケージ化し、変速機と電動モーターとの潤滑システムを統合することも検討されている。このような潤滑システムでは、電動モーターの冷却と、電動モーター及び変速機の潤滑とを同一の潤滑油で行われている。
例えば、特許文献1には、電動モーター駆動車両において、該車両を駆動する電動モーターの冷却及び潤滑に用いられる潤滑油組成物について開示されている。
特許文献1に記載の潤滑油組成物では、上記用途に適合すべく、所定の動粘度の潤滑油基油と、所定量のホウ素含有コハク酸イミド系無灰分散剤、及び、所定量のポリメタクリレート系粘度指数向上剤を含有し、40℃動粘度及び100℃動粘度を所定の範囲に調製したものとしている。
特開2016−190953号公報
ところで、電気自動車やハイブリッド車棟の電動モーター駆動車両は、小型軽量化および低コスト化のため、搭載部品の削減が求められている。
このような要望に対して、本発明者らは、変速機と電気モーターとの潤滑システムに用いられる潤滑油組成物の電気特性を利用することで、搭載する電子部品を省略することができないかを検討した。
そして、本発明者らは、潤滑油組成物の電気特性のうち比誘電率に着目し、潤滑油組成物が高比誘電率であれば、当該潤滑油組成物は、コンデンサーとしての機能を担い、電子回路設計において部品の削減を図ることができないかと考えた。
加えて、その検討の中で、高比誘電率の潤滑油組成物とした場合、ゴム材への膨潤性が低下し、油漏れが生じてしまうという弊害が生じ得ることも同時に判明した。
なお、特許文献1においては、このような潤滑油組成物に電子部品としての機能を担わせるような、潤滑油組成物の検討は行われていない。
また、本発明者らの検討によれば、特許文献1の実施例に具体的に記載された潤滑油組成物は、比誘電率が低いことが分かった。そのため、当該潤滑油組成物は、低比誘電率であり、コンデンサーのような機能を担うことは難しいと推測される。
本発明は、コンデンサーとしての機能を担うほどに高比誘電率であり、絶縁性に優れ、ゴム材への膨潤性が良好である潤滑油組成物を容易に調製し得る、潤滑油用基油、及び、当該潤滑油用基油を含む潤滑油組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、1MHzにおける比誘電率が3.0未満である低比誘電率の基油と、1MHzにおける比誘電率が3.0以上である高比誘電率の基油とを含む潤滑油用基油が、上記課題を解決し得ることを見出した。
すなわち本発明は、下記[1]〜[2]を提供する。
[1]1MHzにおける比誘電率εr(A1)が3.0未満である基油(A1)と、
1MHzにおける比誘電率εr(A2)が3.0以上である基油(A2)と、
を含む、潤滑油用基油。
[2]上記[1]に記載の潤滑油用基油を含有する、潤滑油組成物。
本発明の潤滑油用基油を用いることで、コンデンサーとしての機能を担うほどに高比誘電率であり、絶縁性に優れ、ゴム材への膨潤性が良好である潤滑油組成物を容易に調製し得る。
〔潤滑油用基油〕
本発明の潤滑油用基油は、1MHzにおける比誘電率εr(A1)が3.0未満である基油(A1)と、1MHzにおける比誘電率εr(A2)が3.0以上である基油(A2)とを含む。
本明細書において、1MHzにおける比誘電率は、25℃において測定された値であって、具体的には、実施例に記載の方法に準拠して測定された値を意味する。
本発明の潤滑油用基油において、高比誘電率である基油(A2)を含有することで、比誘電率を高く調整し、コンデンサーのような機能を担う性質を付与することができる。
しかしながら、高比誘電率である基油(A2)は、アニリン点が低い傾向がある。そのため、基油(A2)のみを用いた潤滑油組成物とした場合、当該潤滑油組成物のアニリン点も低くなり、ゴム材への膨潤性が劣り、油漏れが生じてしまうという弊害が生じ得る。また、当該潤滑油組成物は、体積抵抗率が低くなり易く、絶縁性が低くなる場合がある。
一方で、低比誘電率である基油(A1)は、ゴム材への膨潤性に優れており、また、体積抵抗率が高く、絶縁性に優れている。
そこで、本発明の潤滑油用基油は、基油(A1)及び(A2)を併用することで、両者に利点を共に発揮し得るものとすることができる。
なお、基油(A1)及び(A2)を併用した潤滑油用基油と、1種単独の基油からなる潤滑油用基油とにおいて、両者の比誘電率が同程度であっても、1種単独の基油からなる潤滑油用基油を用いた潤滑油組成物では、コンデンサーのような機能を担う性質は発現され難く、また、絶縁性の低下や、ゴム材への膨潤性の低下が見られる場合もある。
つまり、本発明の潤滑油用基油では、基油(A1)の存在による、絶縁性及びゴム材への膨潤性の向上効果と、基油(A2)の存在によるコンデンサーのような機能を担う性質の向上効果が、それぞれ独立して発現されるものと考えられる。
そのため、本発明の潤滑油用基油は、基油(A1)と基油(A2)とを併用することを要件としている。
高比誘電率とし、コンデンサーのような機能を担う性質を有する潤滑油組成物を容易に調製し得る潤滑油用基油とする観点から、基油(A1)100質量部に対する、基油(A2)の含有割合は、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2.5質量部以上、更に好ましくは5質量部以上である。
また、絶縁性に優れ、ゴム材への膨潤性に優れた潤滑油組成物を容易に調製し得る潤滑油用基油とする観点から、基油(A1)100質量部に対する、基油(A2)の含有割合は、好ましくは20質量部以下、より好ましくは16質量部以下、更に好ましくは13質量部以下である。
また、本発明の一態様の潤滑油用基油において、基油(A2)の1MHzにおける比誘電率εr(A2)と、基油(A1)の1MHzにおける比誘電率εr(A1)との差〔εr(A2)−εr(A1)〕としては、コンデンサーのような機能を担う性質を有し、ゴム材への膨潤性が良好となる潤滑油組成物を容易に調製し得る潤滑油用基油とする観点から、好ましくは1.0以上、より好ましくは1.5以上、更に好ましくは2.0以上であり、また、好ましくは7.0以下である。
<基油(A1)>
本発明の潤滑油用基油は、1MHzにおける比誘電率εr(A1)が3.0未満である基油(A1)を含有する。
基油(A1)は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上述のとおり、基油(A1)は、潤滑油組成物のゴム材への膨潤性を良好に調整することに寄与する。また、潤滑油組成物の体積抵抗率を上昇させ、絶縁性の向上にも寄与する。
基油(A1)としては、1MHzにおける比誘電率εr(A1)は、3.0未満であるが、好ましくは2.8以下、より好ましくは2.6以下である。
本発明の一態様で用いる基油(A1)のアニリン点としては、絶縁性に優れ、ゴム材への膨潤性が良好となる潤滑油組成物を容易に調製し得る潤滑油用基油とする観点から、好ましくは90〜150℃、より好ましくは95〜145℃、更に好ましくは100〜140℃である。
なお、本明細書において、アニリン点は、JIS K2256:2013に準拠して測定された値を意味する。
本発明の一態様で用いる基油(A1)の40℃における動粘度としては、低温流動性、及び高温時の耐焼付性を共に良好となる潤滑油組成物を容易に調製し得る潤滑油用基油とする観点から、好ましくは5.0〜100mm/s、より好ましくは5.5〜96mm/s、更に好ましくは6.0〜92mm/sである。
また、本発明の一態様で用いる基油(A1)の粘度指数としては、温度変化による粘度特性を良好とする潤滑油組成物を容易に調製し得る潤滑油用基油とする観点から、好ましくは70以上、より好ましくは80以上、更に好ましくは90以上である。
なお、本明細書において、動粘度及び粘度指数は、JIS K2283:2000に準拠して測定及び算出した値を意味する。
本発明の一態様の潤滑油用基油に含まれる基油(A1)としては、1MHzにおける比誘電率εr(A1)が3.0未満であればよいが、極性が低い基油であることが好ましく、具体的には、鉱油;α−オレフィン単独重合体、又はα−オレフィン共重合体(例えば、エチレン−α−オレフィン共重合体等の炭素数8〜14のα−オレフィン共重合体)等のポリα−オレフィン;等が挙げられる。
これらの中でも、絶縁性に優れ、ゴム材への膨潤性が良好となる潤滑油組成物を容易に調製し得る潤滑油用基油とする観点から、基油(A1)が、鉱油を含むことが好ましい。
上記観点から、基油(A1)中の鉱油の含有割合としては、基油(A1)の全量(100質量%)に対して、好ましくは70〜100質量%、より好ましくは80〜100質量%、更に好ましくは90〜100質量%、より更に好ましくは95〜100質量%である。
本発明の一態様で用いる鉱油としては、例えば、パラフィン系原油、中間基系原油等の原油を常圧蒸留して得られる常圧残油;これらの常圧残油を減圧蒸留して得られる留出油;当該留出油を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製等の精製処理を一つ以上施して得られる鉱油;天然ガスからフィッシャー・トロプシュ法等により製造されるワックス(GTLワックス(Gas To Liquids WAX))を異性化することで得られる鉱油(GTL)等が挙げられる。
これらの中でも、基油(A1)として用いる鉱油は、API(米国石油協会)の基油カテゴリーのグループ2又は3に分類される鉱油であることが好ましい。
<基油(A2)>
本発明の潤滑油用基油は、1MHzにおける比誘電率εr(A2)が3.0以上である基油(A2)を含有する。
基油(A2)は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上述のとおり、基油(A2)は、潤滑油組成物の比誘電率を高め、コンデンサーのような機能を担う性質を付与することに寄与する。
なお、本発明の一態様で用いる基油(A2)のアニリン点としては、通常40℃以下と低いため、基油(A2)単独で用いた潤滑油組成物は、ゴム材への膨潤性が低下して、油漏れが生じてしまうという弊害が生じ得る。
そのため、本発明の潤滑油用基油では、基油(A2)によるゴム材への膨潤性の低下を抑制するために、基油(A1)を含有して、両者を併用している。
基油(A2)の1MHzにおける比誘電率εr(A2)は、3.0以上であるが、好ましくは3.2以上、より好ましくは3.5以上である。
本発明の一態様で用いる基油(A2)の40℃における動粘度としては、好ましくは5.0〜50.0mm/s、より好ましくは6.0〜40.0mm/s、更に好ましくは7.0〜30.0mm/sである。
また、本発明の一態様で用いる基油(A2)の粘度指数としては、好ましくは70以上、より好ましくは75以上、更に好ましくは80以上である。
本発明の一態様の潤滑油用基油に含まれる基油(A2)としては、1MHzにおける比誘電率εr(A2)が3.0以上であればよいが、極性が高い基油であることが好ましく、具体的には、エステル系合成油及びアミド系合成油から選ばれる1種以上を含むことがより好ましい。
基油(A2)中のエステル系合成油及びアミド系合成油の合計含有割合としては、基油(A2)の全量(100質量%)に対して、好ましくは70〜100質量%、より好ましくは80〜100質量%、更に好ましくは90〜100質量%、より更に好ましくは95〜100質量%である。
(エステル系合成油)
基油(A2)として用いるエステル系合成油としては、1MHzにおける比誘電率εr(A2)が3.0以上であり、少なくとも1以上のエステル結合を有する化合物から構成されているものであればよい。
基油(A2)として用いるエステル系合成油は、例えば、モノエステル、ジエステル、ポリオールエステル等が挙げられる。
これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
モノエステルとしては、例えば、1価カルボン酸(酪酸、カプロン酸、ヘプタン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、及びステアリン酸等)と、1価アルコール(ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、及びステアリルアルコール等)とのエステルが挙げられる。
ジエステルとしては、例えば、ジカルボン酸(アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、及びドデカ二酸等)と、上述の1価アルコールとのエステルが挙げられる。
ポリオールエステルとしては、例えば、上述の1価カルボン酸と、多価アルコール(ジエチレングリコール及びトリエチレングリコール等のポリアルキレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、並びに、ブチルエチルプロパンジオール等)とのエステルが挙げられる。
(アミド系合成油)
基油(A2)として用いるアミド系合成油としては、1MHzにおける比誘電率εr(A2)が3.0以上であり、少なくとも1以上のアミド結合を有する化合物から構成されているものであればよい。
基油(A2)として用いるアミド系合成油としては、例えば、カルボン酸類とアミン類とを反応させてなる酸アミドが挙げられる。
これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カルボン酸類としては、飽和モノカルボン酸や不飽和モノカルボン酸等が挙げられる。
飽和モノカルボン酸としては、例えば、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸等の直鎖状飽和モノカルボン酸;イソミリスチン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸、2,2−ジメチルプロパン酸、2,2−ジメチルブタン酸、2,2−ジメチルペンタン酸、2,2−ジメチルオクタン酸、2−エチル−2,3,3−トリメチルブタン酸、2,2,3,4−テトラメチルペンタン酸、2,5,5−トリメチル−2−t−ブチルヘキサン酸、2,3,3−トリメチル−2−エチルブタン酸、2,3−ジメチル−2−イソプロピルブタン酸、2−エチルヘキサン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸等の分岐状飽和モノカルボン酸等が挙げられる。
不飽和モノカルボン酸としては、例えば、ウンデシレン酸、オレイン酸、エライジン酸、エルカ酸、ネルボン酸、リノール酸、γ−リノレン酸、アラキドン酸、α−リノレン酸、ステアリドン酸、エイコサペンタエン酸、及びドコサヘキサエン酸等が挙げられる。
アミン類としては、例えば、アルキルアミン、アルカノールアミン、及びポリアルキレンポリアミン等が挙げられる。
アルキルアミンとしては、例えば、モノメチルアミン、モノエチルアミン、モノプロピルアミン、モノブチルアミン、モノペンチルアミン等の一級脂肪族アルキルアミン類;ジメチルアミン、メチルエチルアミン、ジエチルアミン、メチルプロピルアミン、エチルプロピルアミン等の二級脂肪族アルキルアミン類;等が挙げられる。
アルカノールアミンとしては、例えば、モノメタノールアミン、モノエタノールアミン、モノプロパノールアミン、モノブタノールアミン、ジメタノールアミン、メタノールエタノールアミン、ジエタノールアミン、メタノールプロパノールアミン、エタノールプロパノールアミン、ジプロパノールアミン等が挙げられる。
ポリアルキレンポリアミンとしては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサエチレンヘプタミン、テトラプロピレンペンタミン、ヘキサブチレンヘプタミン等が挙げられる。
〔潤滑油組成物〕
本発明の潤滑油組成物は、上述の本発明の潤滑油用基油を含有するものであるが、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、さらに一般的に用いられる潤滑油用添加剤を含有してもよい。
ただし、本発明の一態様の潤滑油組成物において、上述の本発明の潤滑油用基油の含有量としては、当該潤滑油組成物の全量(100質量%)基準で、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、より更に好ましくは90質量%以上である。
本発明の一態様の潤滑油組成物は、酸化防止剤、粘度指数向上剤、分散剤、極圧剤、摩擦調整剤、金属不活性化剤、及び消泡剤から選ばれる1種以上の潤滑油用添加剤を含有することが好ましい。
なお、これらの潤滑油用添加剤は、それぞれ、単独で又は2種以上を併用してもよい。
(酸化防止剤)
酸化防止剤としては、例えば、アミン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、モリブデン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤等が挙げられる。
アミン系酸化防止剤としては、例えば、ジフェニルアミン、炭素数3〜20のアルキル基を有するアルキル化ジフェニルアミン等のジフェニルアミン系酸化防止剤;α−ナフチルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、炭素数3〜20のアルキル基を有する置換フェニル−α−ナフチルアミン等のナフチルアミン系酸化防止剤;等が挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、イソオクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等のモノフェノール系酸化防止剤;4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)等のジフェノール系酸化防止剤;ヒンダードフェノール系酸化防止剤;等を挙げられる。
モリブデン系酸化防止剤としては、例えば、三酸化モリブデン及び/又はモリブデン酸とアミン化合物とを反応させてなるモリブデンアミン錯体等が挙げられる。
硫黄系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネイト等が挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、例えば、ホスファイト等が挙げられる。
本発明の一態様において、これらの酸化防止剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよいが、2種以上を組み合わせて使用するのが好ましく、アミン系酸化防止剤とフェノール系酸化防止剤とを共に使用することがより好ましい。
本発明の一態様の潤滑油組成物が、酸化防止剤を含有する場合、当該酸化防止剤の含有量は、当該潤滑油組成物の全量(100質量%)基準で、好ましくは0.01〜15質量%、より好ましくは0.05〜10質量%、更に好ましくは0.1〜5質量%、より更に好ましくは0.2〜2質量%である。
(粘度指数向上剤)
粘度指数向上剤としては、例えば、非分散型ポリメタクリレート、分散型ポリメタクリレート、オレフィン系共重合体(例えば、エチレン−プロピレン共重合体等)、分散型オレフィン系共重合体、スチレン系共重合体(例えば、スチレン−ジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体等)等の重合体が挙げられる。
これらの粘度指数向上剤の質量平均分子量(Mw)としては、好ましくは5,000〜1,000,000、より好ましくは7,000〜800,000、更に好ましくは10,000〜600,000であるが、重合体の種類に応じて適宜設定される。
なお、粘度指数向上剤として用いる、非分散型及び分散型ポリメタクリレートでは、好ましくは5,000〜1,000,000、より好ましくは10,000〜800,000、更に好ましくは20,000〜500,000である。
また、粘度指数向上剤として用いる、オレフィン系共重合体では、好ましくは800〜1,000,000、より好ましくは1,000〜800,000、更に好ましくは10,000〜600,000である。
本発明の一態様の潤滑油組成物が、粘度指数向上剤を含有する場合、当該粘度指数向上剤の樹脂分換算での含有量は、当該潤滑油組成物の全量(100質量%)基準で、好ましくは0.01〜15質量%、より好ましくは0.05〜10質量%、更に好ましくは0.1〜5質量%である。
なお、粘度指数向上剤は希釈油に溶解した状態で流通されることが多いが、上記の粘度指数向上剤の含有量は、希釈油を除いた、樹脂分換算での含有量である。
(分散剤)
分散剤としては、例えば、コハク酸イミド、ベンジルアミン、コハク酸エステル又はこれらのホウ素変性物等が挙げられる。
コハク酸イミドとしては、例えば、数平均分子量が300〜4,000のポリブテニル基等のポリアルケニル基を有するコハク酸と、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等のポリエチレンポリアミンのモノイミド又はビスイミド、又はこれらのホウ素変性物;ポリアルケニル基を有するフェノールとホルムアルデヒドとポリエチレンポリアミンのマンニッヒ反応物等が挙げられる。
本発明の一態様の潤滑油組成物が、分散剤を含有する場合、当該分散剤の含有量は、当該潤滑油組成物の全量(100質量%)基準で、好ましくは0.01〜15質量%、より好ましくは0.05〜12質量%、更に好ましくは0.1〜10質量%である。
(極圧剤)
極圧剤としては、例えば、硫化油脂、硫化脂肪酸、硫化エステル、硫化オレフィン、ジヒドロカルビルポリサルファイド、チアジアゾール化合物、アルキルチオカルバモイル化合物、チオカーバメート化合物、チオテルペン化合物、ジアルキルチオジプロピオネート化合物等の硫黄系極圧剤;リン酸エステル、酸性リン酸エステル、亜リン酸エステル、酸性亜リン酸エステル、及びこれらのエステルのアミン塩等のリン系極圧剤;チオリン酸エステル等の硫黄−リン系極圧剤;塩素化炭化水素等のハロゲン系極圧剤;有機金属系極圧剤;等が挙げられる。
本発明の一態様の潤滑油組成物が、極圧剤を含有する場合、当該極圧剤の含有量は、当該潤滑油組成物の全量(100質量%)基準で、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.05〜6質量%、更に好ましくは0.1〜3質量%である。
(摩擦調整剤)
摩擦調整剤としては、例えば、ジチオカルバミン酸モリブデン(MoDTC)、ジチオリン酸モリブデン(MoDTP)、モリブテン酸のアミン塩等のモリブデン系摩擦調整剤;炭素数6〜30のアルキル基又はアルケニル基を分子中に少なくとも1個有する、脂肪族アミン、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪族アルコール、脂肪族エーテル等の無灰摩擦調整剤;油脂類、アミン、硫化エステル、リン酸エステル、亜リン酸エステル、リン酸エステルアミン塩等が挙げられる。
本発明の一態様の潤滑油組成物が、極圧剤を含有する場合、当該極圧剤の含有量は、当該潤滑油組成物の全量(100質量%)基準で、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.05〜6質量%、更に好ましくは0.1〜3質量%である。
(金属不活性化剤)
金属不活性化剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、トリルトリアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピリミジン系化合物等が挙げられる。
本発明の一態様において、これらの金属不活性化剤は、単独で又は2種以上を併用してもよい。
本発明の一態様の潤滑油組成物が、金属不活性化剤を含有する場合、当該金属不活性化剤の含有量は、当該潤滑油組成物の全量(100質量%)基準で、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.03〜5質量%、更に好ましくは0.05〜2質量%である。
(消泡剤)
消泡剤としては、例えば、シリコーン、フルオロシリコーン、及びフルオロアルキルエーテル等が挙げられる。
本発明の一態様の潤滑油組成物が、消泡剤を含有する場合、当該消泡剤の樹脂分換算での含有量は、当該潤滑油組成物の全量(100質量%)基準で、好ましくは0.0001〜0.1質量%、より好ましくは0.0003〜0.05質量%、更に好ましくは0.0005〜0.02質量%である。
なお、消泡剤は希釈油に溶解した状態で流通されることが多いが、上記の消泡剤の含有量は、希釈油を除いた、樹脂分換算での含有量である。
〔潤滑油組成物の各種物性〕
本発明の潤滑油組成物は、コンデンサーのような機能を担う性質を有するほどに高比誘電率であり、絶縁性に優れ、ゴム材への膨潤性が良好である。
本発明の一態様の潤滑油組成物の1MHzにおける比誘電率εとしては、好ましくは2.30以上、より好ましくは2.33以上、更に好ましくは2.40以上である。
比誘電率εが2.30以上の潤滑油組成物であれば、コンデンサーのような機能を担う性質を有するものとなり得るため、当該潤滑油組成物を用いることで、電子部品の削減を図ることができる。
また、本発明の一態様の潤滑油組成物について、JIS C2101:1999に準拠し、測定温度80℃、印加電圧250Vの条件下で測定した、当該潤滑油組成物の体積抵抗率は、好ましくは15×10Ω・m以上、より好ましくは16×10Ω・m以上、更に好ましくは17×10Ω・m以上である。
体積抵抗率が15×10Ω・m以上である潤滑油組成物であれば、十分な絶縁性を有しているといえる。
本発明の一態様の潤滑油組成物のアニリン点としては、ゴム材への膨潤性が良好であり、油漏れ等の弊害を抑制し得る潤滑油組成物とする観点から、好ましくは100〜160℃、より好ましくは103〜150℃、更に好ましくは105〜140℃、より更に好ましくは107〜130℃である。
〔潤滑油組成物の用途〕
本発明の潤滑油組成物は、上述の性質を有するため、車両を駆動する電動モーターの冷却及び潤滑と、変速機の潤滑との兼用油として用いられることが好ましい。
さらに、前記車両は、一つの潤滑システムで前記変速機及び前記電気モーターの両方を潤滑する統合型潤滑システムを有し、本発明の潤滑油組成物は、当該統合型潤滑システムの潤滑油として用いられることがより好ましい。
このような用途に用いられることで、潤滑油組成物がコンデンサーとしての役割を担い、電子部品の削減を図ることができる。
さらに、本発明は、下記工程(1)〜(3)を有する潤滑方法も提供し得る。
・工程(1):本発明の潤滑油組成物を、車両を駆動する電動モーターに供給する工程。
・工程(2):前記潤滑油組成物を、電動モーターのコイル及び/又は磁石に接触させる工程。・工程(3):前記潤滑油組成物を冷却する工程。
なお、本発明の一態様の潤滑方法において、さらに下記工程(4)を有することが好ましい。
・工程(4):前記潤滑油組成物を変速機に供給する工程。
上記工程においては、同じ潤滑油組成物を用いて、電動モーター駆動車両の電動モーターと変速機の冷却及び潤滑を行うことができる。
そして、これらの工程は、一つの潤滑システムで変速機及び電動モーターの両方を潤滑する統合型潤滑システムを用いて行うことができる。
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。なお、各種物性の測定法又は評価法は、下記のとおりである。
(1)40℃における動粘度、粘度指数
JIS K2283:2000に準拠して測定及び算出した。
(2)1MHzにおける比誘電率ε
LCRメータ6440B(製品名、株式会社東陽テクニカ製)を用いて、測定温度25℃、周波数1MHzの条件下で、測定した。
(3)体積抵抗率
JIS C2101:1999に準拠し、測定温度80℃、印加電圧250Vの条件下で、測定した。
(4)アニリン点
JIS K2256:2013に準拠して測定した。
表2に示す種類及び配合量の基油(A1)、(A2)を調製して潤滑油用基油を調製した後、さらに表2に示す種類及び配合量にて、潤滑油用添加剤を添加して、潤滑油組成物をそれぞれ調製した。なお、表2中の基油及び潤滑油用添加剤の詳細は、以下のとおりである。
<基油>
基油(A1)として、表1に示す鉱油を使用し、基油(A2)として、表1に示すエステル系合成油及びアミド系合成油を使用した。これらの物性値は、表1にとおりである。
Figure 2019163407
<潤滑油用添加剤>
・「酸化防止剤」:2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールと、ジフェニルアミン系酸化防止剤との混合物。
・「分散剤」:非ホウ素化ポリブテニルコハク酸イミド、塩基価(過塩基酸法)=40mgKOH/g。
・「極圧剤」:アシッドホスフェート系化合物と、ハイドロジェンホスフェート系化合物との混合物。
・「摩擦調整剤」:オレイン酸モノグリセリド。
・「金属不活性化剤」:アルキルチアジアゾール。
・「消泡剤」:ジメチルシリコーン(表2には樹脂分換算での配合量を示す)。
調製した潤滑油組成物について、比誘電率、体積抵抗率、及びアニリン点を上述の方法も基づき測定した。これらの結果を表2に示す。
Figure 2019163407
表2から、実施例1〜4の潤滑油組成物は、高比誘電率であって、体積抵抗率が高く、また、アニリン点も高い結果となった。そのため、当該潤滑油組成物は、コンデンサーのような機能を担う性質を有し、絶縁性であり、ゴム材への膨潤性が良好であるものといえる。
一方で、比較例1の潤滑油組成物は、実施例のものと比べて、比誘電率が低いため、コンデンサーのような機能を担う性質は有していないものと思われる。
また、比較例2の潤滑油組成物は、アニリン点が低いため、ゴム材への膨潤性が劣り、油漏れ等が生じ易いと考えられる。なお、比較例2においては、アニリン点が低すぎる結果となったため、体積抵抗率の測定はせずに終了した。

Claims (10)

  1. 1MHzにおける比誘電率εr(A1)が3.0未満である基油(A1)と、
    1MHzにおける比誘電率εr(A2)が3.0以上である基油(A2)と、
    を含む、潤滑油用基油。
  2. 基油(A1)が、鉱油を含む、請求項1に記載の潤滑油用基油。
  3. 基油(A2)が、エステル系合成油及びアミド系合成油から選ばれる1種以上を含む、請求項1又は2に記載の潤滑油用基油。
  4. 基油(A2)のアニリン点が、40℃以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の潤滑油用基油。
  5. 基油(A1)100質量部に対する、基油(A2)の含有割合が、1〜20質量部である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の潤滑油用基油。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の潤滑油用基油を含有する、潤滑油組成物。
  7. さらに、酸化防止剤、粘度指数向上剤、分散剤、極圧剤、摩擦調整剤、金属不活性化剤、及び消泡剤から選ばれる1種以上の潤滑油用添加剤を含有する、請求項6に記載の潤滑油組成物。
  8. 前記潤滑油組成物の1MHzにおける比誘電率εが、2.30以上である、請求項6又は7に記載の潤滑油組成物。
  9. JIS C2101:1999に準拠し、測定温度80℃、印加電圧250Vの条件下で測定した、前記潤滑油組成物の体積抵抗率が、15×10Ω・m以上である、請求項6〜8のいずれか一項に記載の潤滑油組成物。
  10. 車両を駆動する電動モーターの冷却及び潤滑と、変速機の潤滑との兼用油として用いられる、請求項6〜9のいずれか一項に記載の潤滑油組成物。
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