JP2016193994A - 潤滑油組成物、及び潤滑油組成物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】長時間にわたる使用による、酸価及び動粘度の上昇、スラッジ量の増加、並びに当該スラッジの装置やフィルター等への付着といった酸化劣化による弊害を抑制し得る、優れた酸化安定性を有する潤滑油組成物、並びに、潤滑油組成物の製造方法を提供する。【解決方法】基油と共に、硫黄系酸化防止剤(A)及びアミン系酸化防止剤(B)を含み、下記要件(I)及び(II)を満たす、潤滑油組成物。要件(I):硫黄原子及び窒素原子の合計含有量が、前記潤滑油組成物の全質量基準で、0.010〜0.600質量%である。要件(II):硫黄原子と窒素原子との含有量比〔硫黄原子/窒素原子〕が、質量比で、0.45〜20.00である。【選択図】なし
Description
本発明は、潤滑油組成物、及び潤滑油組成物の製造方法に関する。
圧縮機は,空気や各種ガス(窒素ガス、酸素ガス、水素ガス、アンモニアガス、二酸化炭素ガス、一酸化炭素ガス、各種炭化水素ガス等)に外部より仕事を与えて圧縮し、圧力を高めた圧縮ガスを送り出す装置である。
このような圧縮機は、空気や各種ガスの圧力を高める作動原理により、容積型圧縮機及びターボ型圧縮機に分けられ、容積型圧縮機は、往復式圧縮機と回転式圧縮機とに分類される。
このような圧縮機は、空気や各種ガスの圧力を高める作動原理により、容積型圧縮機及びターボ型圧縮機に分けられ、容積型圧縮機は、往復式圧縮機と回転式圧縮機とに分類される。
回転式圧縮機は、往復式圧縮機と比較して、省資源化、低騒音、低振動、及び高効率化等の観点において優れており、幅広く使用されている。
回転式圧縮機に使用される潤滑油組成物は、高温高圧の空気や各種ガスと接触面積が大きく、また高温環境下で長時間使用されるため、酸価の増加や動粘度の上昇といった酸化による性状劣化を抑え得る高い酸化安定性が求められている。
回転式圧縮機に使用される潤滑油組成物は、高温高圧の空気や各種ガスと接触面積が大きく、また高温環境下で長時間使用されるため、酸価の増加や動粘度の上昇といった酸化による性状劣化を抑え得る高い酸化安定性が求められている。
また、回転式圧縮機は、SOX、NOX等の酸化性ガスの雰囲気下等の悪環境下で運転される場合が増えている。これらの悪環境下で使用された潤滑油組成物は、スラッジが発生し易く、当該スラッジが装置内の付着したり、フィルターの閉塞を引き起こすことで、装置が運転不能となることがある。
特に、最近の回転式圧縮機は、更なる小型化の傾向にあり、小型化された回転式圧縮機では、短期間による当該スラッジの発生に起因した装置の運転不能が問題となっている。
特に、最近の回転式圧縮機は、更なる小型化の傾向にあり、小型化された回転式圧縮機では、短期間による当該スラッジの発生に起因した装置の運転不能が問題となっている。
このような課題を解決すべく、種々の回転式圧縮機用潤滑油組成物が提案されている。
例えば、特許文献1には、基油に、アミン系酸化防止剤を全窒素量が800ppm以上、及び、リン原子及び/又は硫黄原子を含有する化合物を含有させてなる潤滑油組成物が開示されている。
特許文献1に記載の潤滑油組成物は、アミン系酸化防止剤を酸化防止剤の主成分とし、当該アミン系酸化防止剤の含有量を所定値以上に増やすことで、当該潤滑油組成物の酸化安定性の向上を図っている。
例えば、特許文献1には、基油に、アミン系酸化防止剤を全窒素量が800ppm以上、及び、リン原子及び/又は硫黄原子を含有する化合物を含有させてなる潤滑油組成物が開示されている。
特許文献1に記載の潤滑油組成物は、アミン系酸化防止剤を酸化防止剤の主成分とし、当該アミン系酸化防止剤の含有量を所定値以上に増やすことで、当該潤滑油組成物の酸化安定性の向上を図っている。
また、特許文献2には、合成基油と、非対称型ジフェニルアミン系化合物等の特定の非対称構造を持つアミン系酸化防止剤とを含む空気圧縮機用の潤滑油組成物が開示されている。
特許文献2に記載の潤滑油組成物は、酸化防止剤として、特定の非対称構造を持つアミン系酸化防止剤を用いることで、当該潤滑油組成物の酸化安定性の向上を図っている。
特許文献2に記載の潤滑油組成物は、酸化防止剤として、特定の非対称構造を持つアミン系酸化防止剤を用いることで、当該潤滑油組成物の酸化安定性の向上を図っている。
しかしながら、特許文献1及び2に記載の潤滑油組成物は、ある程度、良好な酸化安定性は期待できるものの、更なる酸化安定性の向上が求められている。
本発明は、長時間にわたる使用による、酸価及び動粘度の上昇、スラッジ量の増加、並びに当該スラッジの装置やフィルター等への付着といった酸化劣化による弊害を抑制し得る、優れた酸化安定性を有する潤滑油組成物、並びに、潤滑油組成物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、長時間にわたる使用による、酸価及び動粘度の上昇、スラッジ量の増加、並びに当該スラッジの装置やフィルター等への付着といった酸化劣化による弊害を抑制し得る、優れた酸化安定性を有する潤滑油組成物、並びに、潤滑油組成物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、硫黄系酸化防止剤とアミン系酸化防止剤とを含む潤滑油組成物において、硫黄原子と窒素原子との合計含有量、及び、硫黄原子と窒素原子との含有量比を所定の範囲となるように調製することで、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、下記〔1〕〜〔2〕を提供する。
〔1〕基油と共に、硫黄系酸化防止剤(A)及びアミン系酸化防止剤(B)を含み、下記要件(I)及び(II)を満たす、潤滑油組成物。
要件(I):硫黄原子と窒素原子との合計含有量が、前記潤滑油組成物の全質量基準で、0.010〜0.600質量%である。
要件(II):硫黄原子と窒素原子との含有量比〔硫黄原子/窒素原子〕が、質量比で、0.45〜20.00である。
〔2〕基油に、硫黄系酸化防止剤(A)及びアミン系酸化防止剤(B)を下記要件(I)及び(II)を満たすように配合する工程を有する、潤滑油組成物の製造方法。
要件(I):硫黄原子及び窒素原子の合計含有量が、前記潤滑油組成物の全質量基準で、0.010〜0.600質量%である。
要件(II):硫黄原子と窒素原子との含有量比〔硫黄原子/窒素原子〕が、質量比で、0.45〜20.00である。
〔1〕基油と共に、硫黄系酸化防止剤(A)及びアミン系酸化防止剤(B)を含み、下記要件(I)及び(II)を満たす、潤滑油組成物。
要件(I):硫黄原子と窒素原子との合計含有量が、前記潤滑油組成物の全質量基準で、0.010〜0.600質量%である。
要件(II):硫黄原子と窒素原子との含有量比〔硫黄原子/窒素原子〕が、質量比で、0.45〜20.00である。
〔2〕基油に、硫黄系酸化防止剤(A)及びアミン系酸化防止剤(B)を下記要件(I)及び(II)を満たすように配合する工程を有する、潤滑油組成物の製造方法。
要件(I):硫黄原子及び窒素原子の合計含有量が、前記潤滑油組成物の全質量基準で、0.010〜0.600質量%である。
要件(II):硫黄原子と窒素原子との含有量比〔硫黄原子/窒素原子〕が、質量比で、0.45〜20.00である。
本発明の潤滑油組成物は、優れた酸化安定性を有するため、長時間にわたる使用による、酸価及び動粘度の上昇、スラッジ量の増加、並びに当該スラッジの装置やフィルターへの付着といった酸化劣化による弊害を効果的に抑制し得る。
そのため、本発明の潤滑油組成物は、高温環境下で長時間にわたり使用される、回転式圧縮機用の潤滑油組成物、例えばスクリュー式空気圧縮機用の潤滑油組成物として好適である。
そのため、本発明の潤滑油組成物は、高温環境下で長時間にわたり使用される、回転式圧縮機用の潤滑油組成物、例えばスクリュー式空気圧縮機用の潤滑油組成物として好適である。
〔潤滑油組成物〕
本発明の潤滑油組成物は、基油と共に、硫黄系酸化防止剤(A)(以下、「成分(A)」ともいう)及びアミン系酸化防止剤(B)(以下、「成分(B)」ともいう)を含み、下記要件(I)及び(II)を満たすものである。
要件(I):硫黄原子と窒素原子との合計含有量が、前記潤滑油組成物の全質量基準で、0.010〜0.600質量%である。
要件(II):硫黄原子と窒素原子との含有量比〔硫黄原子/窒素原子〕が、質量比で、0.45〜20.00である。
なお、本明細書において、硫黄原子の含有量は、JIS K2541−6:2013に準拠して測定された値であり、窒素原子の含有量は、JIS K2609:1998に準拠して測定された値である。
本発明の潤滑油組成物は、基油と共に、硫黄系酸化防止剤(A)(以下、「成分(A)」ともいう)及びアミン系酸化防止剤(B)(以下、「成分(B)」ともいう)を含み、下記要件(I)及び(II)を満たすものである。
要件(I):硫黄原子と窒素原子との合計含有量が、前記潤滑油組成物の全質量基準で、0.010〜0.600質量%である。
要件(II):硫黄原子と窒素原子との含有量比〔硫黄原子/窒素原子〕が、質量比で、0.45〜20.00である。
なお、本明細書において、硫黄原子の含有量は、JIS K2541−6:2013に準拠して測定された値であり、窒素原子の含有量は、JIS K2609:1998に準拠して測定された値である。
硫黄系酸化防止剤等の硫黄系化合物は、極圧性も有しているものも多く、潤滑油組成物の酸価及び動粘度の上昇を抑制する効果に優れている。
しかしながら、硫黄系化合物が有する硫黄原子は、スラッジが発生の原因となり易い。つまり、長時間の使用において、硫黄系化合物が変質や分解することで、この硫黄系化合物に起因したスラッジが生じ易い。当該スラッジは、装置やフィルターへ付着し、装置の不具合を発生させる原因となる。
また、硫黄系酸化防止剤の変質、分解によって、その酸化防止機能が失われ、潤滑油組成物の酸価及び動粘度の上昇といった弊害も生じ易い。
本発明者は、硫黄系酸化防止剤と共に、特定量のアミン系酸化防止剤を併用することで、基油の酸化劣化を抑制でき、酸化安定性を格段に向上させた潤滑油組成物とすることができることを見出した。
これは、硫黄系酸化防止剤の変質、分解による酸化防止性能の低下を、アミン系酸化防止剤の添加によって補完することができ、それにより高い酸化防止性能を維持され、結果として、基油の酸化劣化を著しく抑制でき、酸化安定性が格段に向上した潤滑油組成物となるものと考えられる。
しかしながら、硫黄系化合物が有する硫黄原子は、スラッジが発生の原因となり易い。つまり、長時間の使用において、硫黄系化合物が変質や分解することで、この硫黄系化合物に起因したスラッジが生じ易い。当該スラッジは、装置やフィルターへ付着し、装置の不具合を発生させる原因となる。
また、硫黄系酸化防止剤の変質、分解によって、その酸化防止機能が失われ、潤滑油組成物の酸価及び動粘度の上昇といった弊害も生じ易い。
本発明者は、硫黄系酸化防止剤と共に、特定量のアミン系酸化防止剤を併用することで、基油の酸化劣化を抑制でき、酸化安定性を格段に向上させた潤滑油組成物とすることができることを見出した。
これは、硫黄系酸化防止剤の変質、分解による酸化防止性能の低下を、アミン系酸化防止剤の添加によって補完することができ、それにより高い酸化防止性能を維持され、結果として、基油の酸化劣化を著しく抑制でき、酸化安定性が格段に向上した潤滑油組成物となるものと考えられる。
なお、本発明の一態様の潤滑油組成物においては、成分(A)及び(B)以外の潤滑油用添加剤を含むこともできる。
このような潤滑油用添加剤としては、酸化防止性能を有さず、成分(A)及び(B)には該当しない、「硫黄原子を含む化合物(例えば、金属スルホネート系清浄分散剤等)」や「窒素原子を含む化合物(例えば、イミド系清浄分散剤等)」が含まれる場合もある。
ただし、このような「硫黄原子を含む化合物」や「窒素原子を含む化合物」は、配合量が少量であったり、基油への溶解性が低いものが多く、上記要件(I)及び(II)の値への影響は比較的小さい。
このような潤滑油用添加剤としては、酸化防止性能を有さず、成分(A)及び(B)には該当しない、「硫黄原子を含む化合物(例えば、金属スルホネート系清浄分散剤等)」や「窒素原子を含む化合物(例えば、イミド系清浄分散剤等)」が含まれる場合もある。
ただし、このような「硫黄原子を含む化合物」や「窒素原子を含む化合物」は、配合量が少量であったり、基油への溶解性が低いものが多く、上記要件(I)及び(II)の値への影響は比較的小さい。
上記要件(I)で規定する硫黄原子と窒素原子との合計含有量が0.010質量%未満であると、酸化防止性能が発現され難く、潤滑油組成物の酸化安定性が劣る。
一方、当該合計含有量が0.600質量%を超えると、長時間の使用において発生するスラッジ量が増加し易く、また、当該スラッジが装置内やフィルターに付着し易い。その結果、スラッジの発生に起因した潤滑油組成物の酸価及び動粘度の上昇といった弊害も生じ易い。
一方、当該合計含有量が0.600質量%を超えると、長時間の使用において発生するスラッジ量が増加し易く、また、当該スラッジが装置内やフィルターに付着し易い。その結果、スラッジの発生に起因した潤滑油組成物の酸価及び動粘度の上昇といった弊害も生じ易い。
上記観点から、上記要件(I)で規定する硫黄原子と窒素原子との合計含有量としては、潤滑油組成物の全質量(100質量%)基準で、好ましくは0.030〜0.500質量%、より好ましくは0.050〜0.450質量%、更に好ましくは0.070〜0.400質量%、より更に好ましくは0.085〜0.360質量%である。
なお、本発明の一態様の潤滑油組成物において、酸化防止剤に由来の硫黄原子と、酸化防止剤に由来の窒素原子との合計含有量としては、前記潤滑油組成物の全質量基準で、好ましくは0.008〜0.580質量%、好ましくは0.020〜0.480質量%、より好ましくは0.040〜0.440質量%、更に好ましくは0.060〜0.400質量%、より更に好ましくは0.080〜0.380質量%である。
上記要件(II)で規定する硫黄原子と窒素原子との含有量比〔硫黄原子/窒素原子〕が0.45未満であると、硫黄系酸化防止剤(A)の含有量が相対的に少ないため、潤滑油組成物の酸価及び動粘度の上昇を抑制され難い。
一方、当該含有量比が20.00を超えると、硫黄系酸化防止剤(A)の含有量が相対的が多く、硫黄系酸化防止剤(A)の酸化防止性能の低下に伴う、アミン系酸化防止剤(B)の補完が不十分であり、酸化防止性能の維持が難しくなる。その結果、潤滑油組成物の長時間の使用によって、スラッジ量が増加し、装置やフィルターへ付着するといった弊害や、基油の酸化劣化を招き、潤滑油組成物の酸価及び動粘度の変化を引き起こし易い。
一方、当該含有量比が20.00を超えると、硫黄系酸化防止剤(A)の含有量が相対的が多く、硫黄系酸化防止剤(A)の酸化防止性能の低下に伴う、アミン系酸化防止剤(B)の補完が不十分であり、酸化防止性能の維持が難しくなる。その結果、潤滑油組成物の長時間の使用によって、スラッジ量が増加し、装置やフィルターへ付着するといった弊害や、基油の酸化劣化を招き、潤滑油組成物の酸価及び動粘度の変化を引き起こし易い。
上記観点から、上記要件(II)で規定する硫黄原子と窒素原子との含有量比〔硫黄原子/窒素原子〕としては、質量比で、好ましくは0.45〜15.00、より好ましくは0.45〜12.00、更に好ましくは0.46〜10.00、より更に好ましくは0.47〜7.00である。
なお、本発明の一態様の潤滑油組成物中において、酸化防止剤に由来の硫黄原子と、酸化防止剤に由来の窒素原子との含有量比〔硫黄原子/窒素原子〕としては、好ましくは0.47〜25.00、より好ましくは0.47〜20.00、より好ましくは0.47〜15.00、更に好ましくは0.47〜12.00、より更に好ましくは0.47〜10.00である。
また、潤滑油組成物の酸化安定性をより向上させる観点から、本発明に一態様の潤滑油組成物中のリン原子の含有量が、潤滑油組成物の全質量(100質量%)基準で、好ましくは0.001〜0.200質量%、より好ましくは0.003〜0.150質量%、更に好ましくは0.005〜0.120質量%である。
上記と同様の観点から、本発明の一態様の潤滑油組成物中において、リン原子と硫黄原子との含有量比〔リン原子/硫黄原子〕としては、質量比で、好ましくは0.01〜2.00、より好ましくは0.02〜1.50、更に好ましくは0.05〜1.20である。
なお、本明細書において、リン原子の含有量は、JPI−5S−38−92に準拠して測定された値を意味する。
なお、本明細書において、リン原子の含有量は、JPI−5S−38−92に準拠して測定された値を意味する。
また、リン原子の含有量は、リン系化合物を含有することで調整することができる。
リン系化合物としては、リン原子を含有する酸化防止剤が好ましい。
リン原子を含有する酸化防止剤としては、後述の、成分(A)に該当するリン原子及び硫黄原子を含有する化合物(A2)や、リン原子を含有するフェノール系酸化防止剤が好ましい。
リン系化合物としては、リン原子を含有する酸化防止剤が好ましい。
リン原子を含有する酸化防止剤としては、後述の、成分(A)に該当するリン原子及び硫黄原子を含有する化合物(A2)や、リン原子を含有するフェノール系酸化防止剤が好ましい。
本発明に一態様の潤滑油組成物中において、酸化防止剤に由来のリン原子の含有量が、潤滑油組成物の全質量(100質量%)基準で、好ましくは0.001〜0.190質量%、より好ましくは0.005〜0.140質量%、更に好ましくは0.005〜0.110質量%である。
本発明の一態様の潤滑油組成物中において、酸化防止剤に由来のリン原子と、酸化防止剤に由来の硫黄原子との含有量比〔リン原子/硫黄原子〕としては、質量比で、好ましくは0.01〜2.00、より好ましくは0.02〜1.50、更に好ましくは0.05〜1.20である。
本発明の潤滑油組成物は、成分(A)及び成分(B)の含有量は、上記要件(I)及び(II)を満たすように適宜調整されるものであるが、具体的な含有量としては以下のとおりである。
つまり、本発明の一態様において、成分(A)の含有量は、潤滑油組成物の全質量(100質量%)基準で、好ましくは0.007〜6.00質量%、より好ましくは0.020〜5.00質量%、更に好ましくは0.10〜4.00質量%、より更に好ましくは0.30〜3.00質量%である。
本発明の一態様において、成分(B)の含有量は、潤滑油組成物の全質量(100質量%)基準で、好ましくは0.003〜4.00質量%、より好ましくは0.010〜3.00質量%、更に好ましくは0.050〜2.50質量%、より更に好ましくは0.10〜2.00質量%である。
本発明の一態様において、成分(A)と成分(B)の合計含有量としては、上記要件(I)を満たす範囲で適宜調整されるが、潤滑油組成物の全質量(100質量%)基準で、好ましくは0.01〜10.00質量%、より好ましくは0.03〜8.00質量%、更に好ましくは0.15〜5.00質量%、より更に好ましくは0.40〜3.50質量%である。
本発明の一態様において、成分(A)と成分(B)との含有量比〔(A)/(B)〕としては、上記要件(II)を満たす範囲で適宜調整されるが、質量比で、好ましくは0.40〜20.00、より好ましくは0.45〜10.00、更に好ましくは0.50〜6.00、より更に好ましくは0.55〜4.50である。
本発明の一態様の潤滑油組成物としては、さらに成分(A)及び(B)以外の他の酸化防止剤を含有してもよい。
特に、潤滑油組成物の酸化安定性をより向上させる観点から、本発明の一態様の潤滑油組成物としては、成分(A)及び(B)と共に、さらにフェノール系酸化防止剤(C)を含むことが好ましい。
特に、潤滑油組成物の酸化安定性をより向上させる観点から、本発明の一態様の潤滑油組成物としては、成分(A)及び(B)と共に、さらにフェノール系酸化防止剤(C)を含むことが好ましい。
本発明の一態様において、成分(C)の含有量は、潤滑油組成物の全質量(100質量%)基準で、好ましくは0.001〜4.00質量%、より好ましくは0.005〜3.00質量%、更に好ましくは0.010〜2.50質量%、より更に好ましくは0.030〜2.00質量%である。
本発明の潤滑油組成物中に含まれる、酸化防止剤の合計含有量は、潤滑油組成物の全質量(100質量%)基準で、好ましくは0.01〜10.00質量%、より好ましくは0.05〜8.00質量%、更に好ましくは0.15〜6.00質量%、より更に好ましくは0.50〜4.00質量%である。
<硫黄系酸化防止剤(A)>
硫黄系酸化防止剤(A)としては、少なくとも一つの硫黄原子を含む化合物であって、潤滑油組成物の酸化を抑制する効果を有する化合物であれば、使用することができる。
なお、一般的に極圧剤として用いられる硫黄系化合物も、酸化防止剤としての機能を有していれば、成分(A)として使用することができる。
硫黄系酸化防止剤(A)としては、少なくとも一つの硫黄原子を含む化合物であって、潤滑油組成物の酸化を抑制する効果を有する化合物であれば、使用することができる。
なお、一般的に極圧剤として用いられる硫黄系化合物も、酸化防止剤としての機能を有していれば、成分(A)として使用することができる。
硫黄系酸化防止剤(A)としては、酸化安定性をより向上させた潤滑油組成物とする観点から、リン原子を含有せず硫黄原子を含有する化合物(A1)、並びに、リン原子及び硫黄原子を含有する化合物(A2)から選ばれる1種以上を含むことが好ましく、化合物(A1)及び化合物(A2)を共に含むことがより好ましい。
本発明の一態様において、化合物(A1)と化合物(A2)との含有量比〔(A1)/(A2)〕としては、質量比で、好ましくは0〜2.00、より好ましくは0〜1.50、更に好ましくは0〜1.00、更に好ましくは0.01〜0.80である。
化合物(A1)としては、例えば、ジドデシルサルファイド、ジオクタデシルサルファイド等のジアルキルサルファイド類;ジドデシルチオジプロピオネート、ジオクタデシルチオジプロピオネート、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ドデシルオクタデシルチオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(3−ラウリルチオプロピオネート)等のチオジプロピオン酸エステル類;等が挙げられる。
また、化合物(A1)としては、例えば、フェノチアジン、2,6−ジ−t−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール、2−メルカプトベンゾイミダゾール等の硫黄原子及び窒素原子を含有する化合物も挙げられる。
さらに、化合物(A1)としては、例えば、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)サルファイド、2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)等の硫黄原子を含有するフェノール系化合物も挙げられる。
また、化合物(A1)としては、例えば、フェノチアジン、2,6−ジ−t−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール、2−メルカプトベンゾイミダゾール等の硫黄原子及び窒素原子を含有する化合物も挙げられる。
さらに、化合物(A1)としては、例えば、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)サルファイド、2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)等の硫黄原子を含有するフェノール系化合物も挙げられる。
化合物(A2)としては、例えば、ジ−2−エチルヘキシルジチオリン酸亜鉛等のジアルキルジチオリン酸亜鉛類;トリフェニルホスホロチオエート、トリクレジルホスホロチオエート、五硫化リンとピネンとの反応物等のチオテルペン系化合物;2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)等が挙げられる。
また、化合物(A2)としては、リン原子、硫黄原子及び窒素原子を含有する化合物も含まれ、具体的には、トリフェニルアミンホスホロチオエート等が挙げられる。
これらの化合物(A2)の中でも、下記一般式(a2−1)で表される化合物が好ましい。
また、化合物(A2)としては、リン原子、硫黄原子及び窒素原子を含有する化合物も含まれ、具体的には、トリフェニルアミンホスホロチオエート等が挙げられる。
これらの化合物(A2)の中でも、下記一般式(a2−1)で表される化合物が好ましい。
上記一般式(a2−1)中、X1〜X3は、それぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子であり、酸素原子であることが好ましい。
R1〜R3は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基であり、フェニル基であることが好ましい。
なお、当該フェニル基は、さらに炭素数1〜4のアルキル基、アミノ基、水酸基、及びハロゲン原子から選ばれる置換基によって置換されていてもよい。
上記炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
R1〜R3は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基であり、フェニル基であることが好ましい。
なお、当該フェニル基は、さらに炭素数1〜4のアルキル基、アミノ基、水酸基、及びハロゲン原子から選ばれる置換基によって置換されていてもよい。
上記炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
<アミン系酸化防止剤(B)>
本発明において、アミン系酸化防止剤(B)としては、硫黄原子を含有せず、アンモニア(NH3)の水素原子の少なくとも一つが炭化水素基で置換された化合物であって、潤滑油組成物の酸化を抑制する効果を有する化合物であれば、使用することができる。
なお、上記のとおり、硫黄原子を含有するアミン系酸化防止剤(例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール等)は、本発明でいう成分(B)から除外している。本発明においては、このような硫黄原子を含有するアミン系酸化防止剤は、成分(A)に属するものとする。
本発明において、アミン系酸化防止剤(B)としては、硫黄原子を含有せず、アンモニア(NH3)の水素原子の少なくとも一つが炭化水素基で置換された化合物であって、潤滑油組成物の酸化を抑制する効果を有する化合物であれば、使用することができる。
なお、上記のとおり、硫黄原子を含有するアミン系酸化防止剤(例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール等)は、本発明でいう成分(B)から除外している。本発明においては、このような硫黄原子を含有するアミン系酸化防止剤は、成分(A)に属するものとする。
このようなアミン系酸化防止剤(B)の中でも、芳香族アミン化合物であることが好ましく、ジフェニルアミン化合物及びナフチルアミン系化合物から選ばれる1種以上であることがより好ましい。
ジフェニルアミン系化合物としては、例えば、モノオクチルジフェニルアミン、モノノニルジフェニルアミン等のモノアルキルジフェニルアミン系化合物;4,4’−ジブチルジフェニルアミン、4,4’−ジペンチルジフェニルアミン、4,4’−ジヘキシルジフェニルアミン、4,4’−ジヘプチルジフェニルアミン、4,4’−ジオクチルジフェニルアミン、4,4’−ジノニルジフェニルアミン等のジアルキルジフェニルアミン化合物;テトラブチルジフェニルアミン、テトラヘキシルジフェニルアミン、テトラオクチルジフェニルアミン、テトラノニルジフェニルアミン等のポリアルキルジフェニルアミン系化合物;4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等が挙げられる。
ナフチルアミン系化合物としては、例えば、1−ナフチルアミン、フェニル−1−ナフチルアミン、ブチルフェニル−1−ナフチルアミン、ペンチルフェニル−1−ナフチルアミン、ヘキシルフェニル−1−ナフチルアミン、ヘプチルフェニル−1−ナフチルアミン、オクチルフェニル−1−ナフチルアミン、ノニルフェニル−1−ナフチルアミン、デシルフェニル−1−ナフチルアミン、ドデシルフェニル−1−ナフチルアミン等が挙げられる。
<フェノール系酸化防止剤(C)>
本発明において、フェノール系酸化防止剤(B)としては、硫黄原子及びアミノ基を含有せず、フェノール構造を有する化合物であって、潤滑油組成物の酸化を抑制する効果を有する化合物であれば、使用することができる。
なお、硫黄原子を含有するフェノール系酸化防止剤やアミノ基を有するフェノール系酸化防止剤は、本発明でいう成分(C)から除外している。本発明においては、このような硫黄原子を含有するフェノール系酸化防止剤は、成分(A)に属するものとし、アミノ基を有するフェノール系酸化防止剤は、成分(B)に属するものとする。
フェノール系酸化防止剤(C)としては、単環フェノール系酸化防止剤であってもよく、多環フェノール系酸化防止剤であってもよい。
本発明において、フェノール系酸化防止剤(B)としては、硫黄原子及びアミノ基を含有せず、フェノール構造を有する化合物であって、潤滑油組成物の酸化を抑制する効果を有する化合物であれば、使用することができる。
なお、硫黄原子を含有するフェノール系酸化防止剤やアミノ基を有するフェノール系酸化防止剤は、本発明でいう成分(C)から除外している。本発明においては、このような硫黄原子を含有するフェノール系酸化防止剤は、成分(A)に属するものとし、アミノ基を有するフェノール系酸化防止剤は、成分(B)に属するものとする。
フェノール系酸化防止剤(C)としては、単環フェノール系酸化防止剤であってもよく、多環フェノール系酸化防止剤であってもよい。
単環フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,4,6−トリ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール、2,6−ジ−t−アミル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等が挙げられる。
多環フェノール系酸化防止剤としては、例えば、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)等が挙げられる。
なお、酸化安定性をより向上させた潤滑油組成物とする観点から、成分(C)として、リン原子を含有するフェノール系化合物(C1)を含むことが好ましい。
化合物(C1)としては、例えば、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸ジエチル等が挙げられる。
化合物(C1)としては、例えば、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸ジエチル等が挙げられる。
また、酸化安定性をより向上させた潤滑油組成物とする観点から、成分(C)の分子量としては、好ましくは250以上、より好ましくは300以上、更に好ましくは320以上である。
<基油>
本発明で用いる基油としては、鉱油であってもよく、合成油であってもよく、鉱油と合成油との混合油を用いてもよい。
鉱油としては、例えば、パラフィン基系、中間基系、ナフテン基系等の原油を常圧蒸留して得られる常圧残油;これらの常圧残油を減圧蒸留して得られる留出油;当該留出油を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化改質等の精製処理を1以上施した精製油及びワックス;等が挙げられる。
これらの中でも、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、及び水素化改質から選ばれる1以上の精製処理を施して得られた、パラフィン基系鉱油、中間基系鉱油、及びナフテン基系鉱油が好ましい。
本発明で用いる基油としては、鉱油であってもよく、合成油であってもよく、鉱油と合成油との混合油を用いてもよい。
鉱油としては、例えば、パラフィン基系、中間基系、ナフテン基系等の原油を常圧蒸留して得られる常圧残油;これらの常圧残油を減圧蒸留して得られる留出油;当該留出油を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化改質等の精製処理を1以上施した精製油及びワックス;等が挙げられる。
これらの中でも、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、及び水素化改質から選ばれる1以上の精製処理を施して得られた、パラフィン基系鉱油、中間基系鉱油、及びナフテン基系鉱油が好ましい。
合成油としては、例えば、α−オレフィン単独重合体又は共重合体(例えば、エチレン−α−オレフィン共重合体等の炭素数8〜14のα−オレフィン単独重合体又は共重合体)等のポリα−オレフィン;ポリブテン等の各種オレフィン;イソパラフィン;ポリオールエステル、二塩基酸エステル(例えば、ジトリデシルグルタレート等)、三塩基酸エステル(例えば、トリメリット酸2−エチルヘキシル)、リン酸エステル等の各種エステル;ポリフェニルエーテル等の各種エーテル;ポリアルキレングリコール;アルキルベンゼン;アルキルナフタレン;フィッシャー・トロプシュ法等により製造されるワックス(GTLワックス)を異性化することで得られる合成油等が挙げられる。
これらの中でも、ポリα−オレフィン、各種エステル、及びポリアルキレングリコールが好ましい。
これらの中でも、ポリα−オレフィン、各種エステル、及びポリアルキレングリコールが好ましい。
なお、本発明の一態様において、これらの基油は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明で用いる基油の40℃における動粘度としては、潤滑性、冷却性、及び攪拌時における摩擦損失の低減の観点から、好ましくは10〜200mm2/s、より好ましくは20〜100mm2/sである。
本発明で用いる基油の100℃における動粘度としては、好ましくは1.0〜50mm2/s、より好ましくは2.0〜20mm2/sである。
本発明で用いる基油の粘度指数としては、温度変化による粘度変化を抑えると共に、省燃費性を向上させた潤滑油組成物とする観点から、好ましくは60以上、より好ましくは75以上、更に好ましくは90以上である。
本発明で用いる基油の15℃における密度としては、好ましくは0.700g/cm3以上、より好ましくは0.750g/cm3以上、更に好ましくは0.800g/cm3以上であり、また、好ましくは1.250g/cm3以下である。
なお、基油として、2種以上の基油からなる混合基油を用いる場合は、当該混合基油の40℃における動粘度、100℃における動粘度、粘度指数、及び15℃における密度が上記範囲内にあればよい。
また、本明細書において、40℃における動粘度、100℃における動粘度、及び粘度指数は、JIS K2283:2000に準拠して測定した値を意味する。
さらに、本明細書において、15℃における密度は、JIS K2249:2011に準拠して測定した値を意味する。
また、本明細書において、40℃における動粘度、100℃における動粘度、及び粘度指数は、JIS K2283:2000に準拠して測定した値を意味する。
さらに、本明細書において、15℃における密度は、JIS K2249:2011に準拠して測定した値を意味する。
基油の含有量は、潤滑油組成物の全質量(100質量%)基準で、好ましくは55質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは65質量%以上、より更に好ましくは70質量%以上であり、また、好ましくは99.9質量%以下、より好ましくは99.0質量%以下である。
<他の潤滑油用添加剤>
本発明の潤滑油組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて、上述の酸化防止剤以外の他の潤滑油用添加剤を含有してもよい。
このような他の潤滑油用添加剤としては、例えば、清浄分散剤、流動点降下剤、金属不活性化剤、消泡剤、極圧剤、防錆剤、油性剤、摩擦調整剤、抗乳化剤等が挙げられる。
なお、これらの各潤滑油用添加剤は、単独で又は2種以上を併用してもよい。
また、これらの潤滑油用添加剤のうち、酸化防止性能を有する硫黄系化合物は「成分(A)」に含まれ、酸化防止性能を有するアミン系化合物は「成分(B)」に含まれる。
本発明の潤滑油組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて、上述の酸化防止剤以外の他の潤滑油用添加剤を含有してもよい。
このような他の潤滑油用添加剤としては、例えば、清浄分散剤、流動点降下剤、金属不活性化剤、消泡剤、極圧剤、防錆剤、油性剤、摩擦調整剤、抗乳化剤等が挙げられる。
なお、これらの各潤滑油用添加剤は、単独で又は2種以上を併用してもよい。
また、これらの潤滑油用添加剤のうち、酸化防止性能を有する硫黄系化合物は「成分(A)」に含まれ、酸化防止性能を有するアミン系化合物は「成分(B)」に含まれる。
本発明の潤滑油組成物は、さらに清浄分散剤を含有することが好ましい。
また、潤滑油用添加剤のそれぞれの含有量は、上述の要件(I)及び(II)を満たす範囲で調整されることを前提とするが、より具体的な含有量は各添加剤の項目での記載のとおりである。
また、潤滑油用添加剤のそれぞれの含有量は、上述の要件(I)及び(II)を満たす範囲で調整されることを前提とするが、より具体的な含有量は各添加剤の項目での記載のとおりである。
(清浄分散剤)
清浄分散剤としては、例えば、金属スルホネート、金属サリチレート、金属フェネート、有機亜リン酸エステル、有機リン酸エステル、有機スルフォン酸金属塩、有機リン酸金属塩、コハク酸イミド、ベンジルアミン、コハク酸エステル、多価アルコールエステル等が挙げられる。
金属スルホネート等の金属塩を構成する金属としては、アルカリ金属及びアルカリ土類金属が好ましく、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、及びバリウムがより好ましく、カルシウムが更に好ましい
なお、コハク酸イミド、ベンジルアミン、及びコハク酸エステルは、ホウ素変性物であってもよい。
清浄分散剤としては、例えば、金属スルホネート、金属サリチレート、金属フェネート、有機亜リン酸エステル、有機リン酸エステル、有機スルフォン酸金属塩、有機リン酸金属塩、コハク酸イミド、ベンジルアミン、コハク酸エステル、多価アルコールエステル等が挙げられる。
金属スルホネート等の金属塩を構成する金属としては、アルカリ金属及びアルカリ土類金属が好ましく、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、及びバリウムがより好ましく、カルシウムが更に好ましい
なお、コハク酸イミド、ベンジルアミン、及びコハク酸エステルは、ホウ素変性物であってもよい。
本発明の一態様の潤滑油組成物が清浄分散剤を含有する場合、清浄分散剤の含有量としては、潤滑油組成物の全質量(100質量%)基準で、好ましくは0.01〜10.0質量%、より好ましくは0.02〜7.0質量%、更に好ましくは0.03〜5.0質量%である。
(流動点降下剤)
流動点降下剤としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化パラフィンとナフタレンとの縮合物、塩素化パラフィンとフェノールとの縮合物、ポリメタクリレート、ポリアルキルスチレン等の重合体が挙げられる。これらの重合体の重量平均分子量としては、好ましくは5万〜15万である。
本発明の一態様の潤滑油組成物が流動点降下剤を含有する場合、流動点降下剤の含有量としては、潤滑油組成物の全質量(100質量%)基準で、好ましくは0.01〜5.0質量%、より好ましくは0.02〜2.0質量%である。
流動点降下剤としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化パラフィンとナフタレンとの縮合物、塩素化パラフィンとフェノールとの縮合物、ポリメタクリレート、ポリアルキルスチレン等の重合体が挙げられる。これらの重合体の重量平均分子量としては、好ましくは5万〜15万である。
本発明の一態様の潤滑油組成物が流動点降下剤を含有する場合、流動点降下剤の含有量としては、潤滑油組成物の全質量(100質量%)基準で、好ましくは0.01〜5.0質量%、より好ましくは0.02〜2.0質量%である。
(金属不活性化剤)
金属不活性化剤としては、ベンゾトリアゾール系化合物、トリルトリアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピリミジン系化合物等が挙げられる。
本発明の一態様の潤滑油組成物が金属不活性化剤を含有する場合、金属不活性化剤の含有量としては、潤滑油組成物の全質量(100質量%)基準で、好ましくは0.01〜5.0質量%、より好ましくは0.02〜3.0質量%である。
金属不活性化剤としては、ベンゾトリアゾール系化合物、トリルトリアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピリミジン系化合物等が挙げられる。
本発明の一態様の潤滑油組成物が金属不活性化剤を含有する場合、金属不活性化剤の含有量としては、潤滑油組成物の全質量(100質量%)基準で、好ましくは0.01〜5.0質量%、より好ましくは0.02〜3.0質量%である。
(消泡剤)
消泡剤としては、例えば、シリコーン油、フルオロシリコーン油及びフルオロアルキルエーテル等が挙げられる。
本発明の一態様の潤滑油組成物が消泡剤を含有する場合、消泡剤の含有量としては、潤滑油組成物の全質量(100質量%)基準で、好ましくは0.001〜0.50質量%、より好ましくは0.01〜0.30質量%である。
消泡剤としては、例えば、シリコーン油、フルオロシリコーン油及びフルオロアルキルエーテル等が挙げられる。
本発明の一態様の潤滑油組成物が消泡剤を含有する場合、消泡剤の含有量としては、潤滑油組成物の全質量(100質量%)基準で、好ましくは0.001〜0.50質量%、より好ましくは0.01〜0.30質量%である。
(極圧剤)
極圧剤としては、例えば、リン酸エステル類、亜リン酸エステル類、酸性リン酸エステル類、酸性亜リン酸エステル類等のリン系極圧剤;塩素化炭化水素等のハロゲン系極圧剤;有機金属系極圧剤;等が挙げられる。
なお、上述の酸化防止剤として、極圧剤としての機能を有する化合物を含有する潤滑油組成物においては、別途極圧剤を含有する必要は無い。
本発明の一態様の潤滑油組成物が極圧剤を含有する場合、極圧剤の含有量としては、潤滑油組成物の全質量(100質量%)基準で、好ましくは0.01〜10.0質量%、より好ましくは0.05〜5.0質量%である。
極圧剤としては、例えば、リン酸エステル類、亜リン酸エステル類、酸性リン酸エステル類、酸性亜リン酸エステル類等のリン系極圧剤;塩素化炭化水素等のハロゲン系極圧剤;有機金属系極圧剤;等が挙げられる。
なお、上述の酸化防止剤として、極圧剤としての機能を有する化合物を含有する潤滑油組成物においては、別途極圧剤を含有する必要は無い。
本発明の一態様の潤滑油組成物が極圧剤を含有する場合、極圧剤の含有量としては、潤滑油組成物の全質量(100質量%)基準で、好ましくは0.01〜10.0質量%、より好ましくは0.05〜5.0質量%である。
(防錆剤)
防錆剤としては、例えば、金属スルホネート、アルキルベンゼンスルフォネート、ジノニルナフタレンスルフォネート、有機亜リン酸エステル、有機リン酸エステル、有機スルフォン酸金属塩、有機リン酸金属塩、アルケニルコハク酸エステル、多価アルコールエステル等が挙げられる。
本発明の一態様の潤滑油組成物が防錆剤を含有する場合、防錆剤の含有量としては、潤滑油組成物の全質量(100質量%)基準で、好ましくは0.01〜10.0質量%、より好ましくは0.05〜5.0質量%である。
防錆剤としては、例えば、金属スルホネート、アルキルベンゼンスルフォネート、ジノニルナフタレンスルフォネート、有機亜リン酸エステル、有機リン酸エステル、有機スルフォン酸金属塩、有機リン酸金属塩、アルケニルコハク酸エステル、多価アルコールエステル等が挙げられる。
本発明の一態様の潤滑油組成物が防錆剤を含有する場合、防錆剤の含有量としては、潤滑油組成物の全質量(100質量%)基準で、好ましくは0.01〜10.0質量%、より好ましくは0.05〜5.0質量%である。
(油性剤)
油性剤としては、例えば、脂肪族アルコール;脂肪酸、脂肪酸金属塩等の脂肪酸化合物;ポリオールエステル、ソルビタンエステル、グリセライド等のエステル化合物;等が挙げられる。
本発明の一態様の潤滑油組成物が油性剤を含有する場合、油性剤の含有量としては、潤滑油組成物の全質量(100質量%)基準で、好ましくは0.1〜5.0質量%である。
油性剤としては、例えば、脂肪族アルコール;脂肪酸、脂肪酸金属塩等の脂肪酸化合物;ポリオールエステル、ソルビタンエステル、グリセライド等のエステル化合物;等が挙げられる。
本発明の一態様の潤滑油組成物が油性剤を含有する場合、油性剤の含有量としては、潤滑油組成物の全質量(100質量%)基準で、好ましくは0.1〜5.0質量%である。
(摩擦調整剤)
摩擦調整剤としては、例えば、ジチオカルバミン酸モリブデン(MoDTC)、ジチオリン酸モリブデン(MoDTP)等のモリブデン系摩擦調整剤;炭素数6〜30のアルキル基又はアルケニル基を分子中に少なくとも1個有する、脂肪族アミン、脂肪酸エステル、脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪族エーテル等の無灰摩擦調整剤;等が挙げられる。
本発明の一態様の潤滑油組成物が摩擦調整剤を含有する場合、摩擦調整剤の含有量としては、潤滑油組成物の全質量(100質量%)基準で、好ましくは0.01〜5.0質量%である。
摩擦調整剤としては、例えば、ジチオカルバミン酸モリブデン(MoDTC)、ジチオリン酸モリブデン(MoDTP)等のモリブデン系摩擦調整剤;炭素数6〜30のアルキル基又はアルケニル基を分子中に少なくとも1個有する、脂肪族アミン、脂肪酸エステル、脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪族エーテル等の無灰摩擦調整剤;等が挙げられる。
本発明の一態様の潤滑油組成物が摩擦調整剤を含有する場合、摩擦調整剤の含有量としては、潤滑油組成物の全質量(100質量%)基準で、好ましくは0.01〜5.0質量%である。
(抗乳化剤)
抗乳化剤としては、例えば、ひまし油の硫酸エステル塩、石油スルフォン酸塩等のアニオン性界面活性剤;第四級アンモニウム塩、イミダゾリン類等のカチオン性界面活性剤;ポリオキシアルキレンポリグリコール及びそのジカルボン酸のエステル;アルキルフェノール−ホルムアルデヒド重縮合物のアルキレンオキシド付加物;等が挙げられる。
本発明の一態様の潤滑油組成物が抗乳化剤を含有する場合、抗乳化剤の含有量としては、潤滑油組成物の全質量(100質量%)基準で、好ましくは0.01〜5.0質量%、より好ましくは0.02〜2.0質量%である。
抗乳化剤としては、例えば、ひまし油の硫酸エステル塩、石油スルフォン酸塩等のアニオン性界面活性剤;第四級アンモニウム塩、イミダゾリン類等のカチオン性界面活性剤;ポリオキシアルキレンポリグリコール及びそのジカルボン酸のエステル;アルキルフェノール−ホルムアルデヒド重縮合物のアルキレンオキシド付加物;等が挙げられる。
本発明の一態様の潤滑油組成物が抗乳化剤を含有する場合、抗乳化剤の含有量としては、潤滑油組成物の全質量(100質量%)基準で、好ましくは0.01〜5.0質量%、より好ましくは0.02〜2.0質量%である。
<潤滑油組成物の物性>
本発明の潤滑油組成物の40℃における動粘度としては、好ましくは10〜100mm2/s、より好ましくは20〜70mm2/s、更に好ましくは30〜50mm2/sである。
本発明の潤滑油組成物の40℃における動粘度としては、好ましくは10〜100mm2/s、より好ましくは20〜70mm2/s、更に好ましくは30〜50mm2/sである。
本発明の潤滑油組成物の粘度指数としては、好ましくは60以上、より好ましくは75以上、更に好ましくは90以上である。
本発明の潤滑油組成物の酸価としては、好ましくは0.00〜1.00mgKOH/g、より好ましくは0.00〜1.00mgKOH/g、更に好ましくは0.00〜1.00mgKOH/gである。
なお、本明細書において、潤滑油組成物の酸価は、JIS K2501:2003に準拠して測定した値を意味する。
なお、本明細書において、潤滑油組成物の酸価は、JIS K2501:2003に準拠して測定した値を意味する。
本発明の潤滑油組成物は、優れた酸化安定性を有するため、長時間にわたる使用による、酸価及び動粘度の上昇、清浄性の低下、並びにスラッジ量の増加等の弊害を効果的に抑制し得る。
本発明の潤滑油組成物に対して、実施例に記載の測定条件に基づく修正インディアナ酸化試験(Modified Indiana Oxidation Stability Test)を120時間行った際の、当該潤滑油組成物の酸価の増加量([試験後の酸価]−[試験前の酸価])は、好ましくは1.00mgKOH/g以下、より好ましくは0.50mgKOH/g以下、更に好ましくは0.10mgKOH/g以下、より更に好ましくは0.05mgKOH/g以下である。
本発明の潤滑油組成物に対して、実施例に記載の測定条件に基づく修正インディアナ酸化試験(Modified Indiana Oxidation Stability Test)を120時間行った際の、当該潤滑油組成物の酸価の増加量([試験後の酸価]−[試験前の酸価])は、好ましくは1.00mgKOH/g以下、より好ましくは0.50mgKOH/g以下、更に好ましくは0.10mgKOH/g以下、より更に好ましくは0.05mgKOH/g以下である。
また、本発明の潤滑油組成物に対して、実施例に記載の測定条件に基づく修正インディアナ酸化試験を120時間行った際の、当該潤滑油組成物の40℃における動粘度の増加量([試験後の40℃における動粘度]−[試験前の40℃における動粘度])は、好ましくは10.0mm2/s以下、より好ましくは7.0mm2/s以下、更に好ましくは5.0mm2/s以下、より更に好ましくは4.5mm2/s以下である。
本発明の潤滑油組成物に対して、SAE−ARP−785−63:1996に準拠して測定した、実施例に記載の測定条件に基づく修正インディアナ酸化試験を120時間行った際の、当該潤滑油組成物100ml当たりのミリポア値(析出物量)は、好ましくは4.0mg/100ml以下、より好ましくは2.5mg/100ml以下、更に好ましくは2.0mg/100ml以下、より更に好ましくは1.0mg/100ml以下である。
本発明の潤滑油組成物に対して、実施例に記載の測定条件に基づくパネルコーキング試験を120時間行った際の、当該潤滑油組成物100ml当たりのデポジット量は、好ましくは20mg/100ml以下、より好ましくは15mg/100ml以下、更に好ましくは10mg/100ml以下、より更に好ましくは5mg/100ml以下である。
<潤滑油組成物の用途>
本発明の潤滑油組成物は、長時間にわたる使用に伴う酸化劣化の抑制効果が高く、優れた酸化安定性を有する。
そのため、本発明の潤滑油組成物は、過酷な環境下で使用され、高い酸化安定性が求められる用途に好適であり、特に回転式圧縮機に用いられることが好ましい。
すなわち、本発明の潤滑油組成物を用いた回転式圧縮機は、省資源化、高効率化、及び耐久性の点で優れている。
回転式圧縮機としては、スクリュー式、可動翼式、スクロール式、ツース式、ギア駆動方式等が挙げられる。
また、回転式圧縮機に用いられるガスとしては、空気、窒素ガス、酸素ガス、水素ガス、アンモニアガス、二酸化炭素ガス、一酸化炭素ガス、各種炭化水素ガス等が挙げられる。
本発明の潤滑油組成物は、長時間にわたる使用に伴う酸化劣化の抑制効果が高く、優れた酸化安定性を有する。
そのため、本発明の潤滑油組成物は、過酷な環境下で使用され、高い酸化安定性が求められる用途に好適であり、特に回転式圧縮機に用いられることが好ましい。
すなわち、本発明の潤滑油組成物を用いた回転式圧縮機は、省資源化、高効率化、及び耐久性の点で優れている。
回転式圧縮機としては、スクリュー式、可動翼式、スクロール式、ツース式、ギア駆動方式等が挙げられる。
また、回転式圧縮機に用いられるガスとしては、空気、窒素ガス、酸素ガス、水素ガス、アンモニアガス、二酸化炭素ガス、一酸化炭素ガス、各種炭化水素ガス等が挙げられる。
〔スクリュー式空気圧縮機用潤滑油組成物〕
本発明の潤滑油組成物は、特に、スクリュー式空気圧縮機用の潤滑油組成物として使用することが好ましい。
すなわち、本発明は、「基油と共に、硫黄系酸化防止剤(A)及びアミン系酸化防止剤(B)を含み、下記要件(I)及び(II)を満たすスクリュー式空気圧縮機用潤滑油組成物」も提供される。
要件(I):硫黄原子及び窒素原子の合計含有量が、前記スクリュー式空気圧縮機用潤滑油組成物の全質量基準で、0.010〜0.600質量%である。
要件(II):硫黄原子と窒素原子との含有量比〔硫黄原子/窒素原子〕が、質量比で、0.45〜20.00である。
本発明の潤滑油組成物は、特に、スクリュー式空気圧縮機用の潤滑油組成物として使用することが好ましい。
すなわち、本発明は、「基油と共に、硫黄系酸化防止剤(A)及びアミン系酸化防止剤(B)を含み、下記要件(I)及び(II)を満たすスクリュー式空気圧縮機用潤滑油組成物」も提供される。
要件(I):硫黄原子及び窒素原子の合計含有量が、前記スクリュー式空気圧縮機用潤滑油組成物の全質量基準で、0.010〜0.600質量%である。
要件(II):硫黄原子と窒素原子との含有量比〔硫黄原子/窒素原子〕が、質量比で、0.45〜20.00である。
本発明のスクリュー式空気圧縮機用潤滑油組成物において、上記工程で用いる基油、成分(A)、成分(B)、及び他の潤滑油用添加剤に関する事項、並びに、上記要件(I)及び(II)に関する事項は、上記「本発明の潤滑油組成物」の項目における記載のとおりである。
また、本発明のスクリュー式空気圧縮機用潤滑油組成物の各種物性の好適範囲についても、上記「本発明の潤滑油組成物」の項目における記載と同じである。
また、本発明のスクリュー式空気圧縮機用潤滑油組成物の各種物性の好適範囲についても、上記「本発明の潤滑油組成物」の項目における記載と同じである。
また、本発明のスクリュー式空気圧縮機用潤滑油組成物を用いたスクリュー式空気圧縮機は、省資源化、高効率化、及び耐久性の点で優れている。
〔潤滑油組成物の製造方法〕
本発明の潤滑油組成物の製造方法は、基油に、硫黄系酸化防止剤(A)及びアミン系酸化防止剤(B)を下記要件(I)及び(II)を満たすように配合する工程を有する。
要件(I):硫黄原子及び窒素原子の合計含有量が、前記潤滑油組成物の全質量基準で、0.010〜0.600質量%である。
要件(II):硫黄原子と窒素原子との含有量比〔硫黄原子/窒素原子〕が、質量比で、0.45〜20.00である。
本発明の潤滑油組成物の製造方法は、基油に、硫黄系酸化防止剤(A)及びアミン系酸化防止剤(B)を下記要件(I)及び(II)を満たすように配合する工程を有する。
要件(I):硫黄原子及び窒素原子の合計含有量が、前記潤滑油組成物の全質量基準で、0.010〜0.600質量%である。
要件(II):硫黄原子と窒素原子との含有量比〔硫黄原子/窒素原子〕が、質量比で、0.45〜20.00である。
本発明の潤滑油組成物の製造方法において、上記工程で用いる基油、成分(A)、成分(B)、及び他の潤滑油用添加剤に関する事項、並びに、上記要件(I)及び(II)に関する事項は、上記「本発明の潤滑油組成物」の項目における記載のとおりである。
また、本発明の潤滑油組成物の製造方法によって得られる潤滑油組成物の物性の好適範囲、及び当該潤滑油組成物の用途についても、上記「本発明の潤滑油組成物」の項目における記載と同じである。
また、本発明の潤滑油組成物の製造方法によって得られる潤滑油組成物の物性の好適範囲、及び当該潤滑油組成物の用途についても、上記「本発明の潤滑油組成物」の項目における記載と同じである。
上記工程において、基油に、成分(A)及び(B)、並びに、必要に応じて添加される他の潤滑油用添加剤を配合した後、公知の方法により、撹拌して、基油に成分(A)及び(B)を含む添加剤を均一に分散させることが好ましい。
また、基油に成分(A)及び(B)を含む添加剤を均一に分散させる観点から、基油を昇温(例えば、40〜60℃)した後に、これらの添加剤を配合し、撹拌することが好ましい。
また、基油に成分(A)及び(B)を含む添加剤を均一に分散させる観点から、基油を昇温(例えば、40〜60℃)した後に、これらの添加剤を配合し、撹拌することが好ましい。
なお、基油に成分(A)及び(B)を配合後に、成分(A)及び/又は(B)の一部が変性したり、もしくは他の成分と反応して別の成分を生成したとしても、得られる潤滑油組成物は、本発明の潤滑油組成物の製造方法によって得られる潤滑油組成物に該当し、本発明の技術的範囲に属するものである。
次に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら制限されるものではない。
なお、基油及び潤滑油組成物の各種物性は、以下の方法に基づき測定した。
(1)40℃動粘度、100℃動粘度
JIS K2283:2000に準拠して測定した。
(2)粘度指数
JIS K2283:2000に準拠して測定した。
(3)15℃密度
JIS K2249:2011に準拠して測定した。
(4)酸価(指示薬法)
JIS K2501:2003に準拠して測定した。
(5)硫黄原子の含有量
JIS K2541−6:2013に準拠して測定した。
(6)窒素原子の含有量
JIS K2609:1998に準拠して測定した。
(7)リン原子の含有量
JPI−5S−38−92に準拠して測定した。
なお、基油及び潤滑油組成物の各種物性は、以下の方法に基づき測定した。
(1)40℃動粘度、100℃動粘度
JIS K2283:2000に準拠して測定した。
(2)粘度指数
JIS K2283:2000に準拠して測定した。
(3)15℃密度
JIS K2249:2011に準拠して測定した。
(4)酸価(指示薬法)
JIS K2501:2003に準拠して測定した。
(5)硫黄原子の含有量
JIS K2541−6:2013に準拠して測定した。
(6)窒素原子の含有量
JIS K2609:1998に準拠して測定した。
(7)リン原子の含有量
JPI−5S−38−92に準拠して測定した。
実施例1〜9、比較例1〜5
(1)潤滑油組成物の調製
表1に示す種類及び配合量の基油、酸化防止剤、及び他の添加剤を配合して、潤滑油組成物(1a)〜(9a)及び(1b)〜(5b)をそれぞれ調製した。
表1に示された本実施例及び比較例で使用した基油、酸化防止剤、及び他の添加剤の詳細は以下のとおりである。
(1)潤滑油組成物の調製
表1に示す種類及び配合量の基油、酸化防止剤、及び他の添加剤を配合して、潤滑油組成物(1a)〜(9a)及び(1b)〜(5b)をそれぞれ調製した。
表1に示された本実施例及び比較例で使用した基油、酸化防止剤、及び他の添加剤の詳細は以下のとおりである。
<基油>
・基油1:
パラフィン系鉱油(水素化改質油)、40℃動粘度=30.9mm2/s、100℃動粘度=5.35mm2/s、粘度指数=106、15℃密度=0.863g/cm3。
・基油2:
パラフィン系鉱油(水素化改質油)、40℃動粘度=90.5mm2/s、100℃動粘度=10.89mm2/s、粘度指数=105、15℃密度=0.8692g/cm3。
・基油3:
ポリα−オレフィン、40℃動粘度=28.8mm2/s、100℃動粘度=5.6mm2/s、粘度指数=137、15℃密度=0.826g/cm3。
・基油4:
ポリα−オレフィン、40℃動粘度=46.7mm2/s、100℃動粘度=7.84mm2/s、粘度指数=138、15℃密度=0.830g/cm3。
・基油5:
トリメリット酸2−エチルヘキシル、40℃動粘度=90.0mm2/s、100℃動粘度=9.52mm2/s、粘度指数=78、15℃密度=0.993g/cm3。
・基油6:
ポリアルキレングリコール、40℃動粘度=45.6mm2/s、100℃動粘度=9.65mm2/s、粘度指数=204、15℃密度=0.9956g/cm3。
・基油1:
パラフィン系鉱油(水素化改質油)、40℃動粘度=30.9mm2/s、100℃動粘度=5.35mm2/s、粘度指数=106、15℃密度=0.863g/cm3。
・基油2:
パラフィン系鉱油(水素化改質油)、40℃動粘度=90.5mm2/s、100℃動粘度=10.89mm2/s、粘度指数=105、15℃密度=0.8692g/cm3。
・基油3:
ポリα−オレフィン、40℃動粘度=28.8mm2/s、100℃動粘度=5.6mm2/s、粘度指数=137、15℃密度=0.826g/cm3。
・基油4:
ポリα−オレフィン、40℃動粘度=46.7mm2/s、100℃動粘度=7.84mm2/s、粘度指数=138、15℃密度=0.830g/cm3。
・基油5:
トリメリット酸2−エチルヘキシル、40℃動粘度=90.0mm2/s、100℃動粘度=9.52mm2/s、粘度指数=78、15℃密度=0.993g/cm3。
・基油6:
ポリアルキレングリコール、40℃動粘度=45.6mm2/s、100℃動粘度=9.65mm2/s、粘度指数=204、15℃密度=0.9956g/cm3。
<酸化防止剤>
・硫黄系酸化防止剤(A−1):
2,6−ジ−t−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール、硫黄原子(S)含有量=10.9質量%、窒素原子(N)含有量=10.2質量%。
・硫黄系酸化防止剤(A−2):
O,O,O−トリフェニルホスホロチオエート、硫黄原子(S)含有量=9.3質量%、リン原子(P)含有量=8.9質量%。
・アミン系酸化防止剤(B−1):
ジオクチルジフェニルアミン、窒素原子(N)含有量=3.6質量%。
・アミン系酸化防止剤(B−2):
4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、窒素原子(N)含有量=3.45質量%。
・アミン系酸化防止剤(B−3):
t−オクチルフェニル−1−ナフチルアミン、窒素原子(N)含有量=8.48質量%。
・フェノール系酸化防止剤(C−1):
オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、分子量=530。
・フェノール系酸化防止剤(C−2):
3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸ジエチル、分子量=354、リン原子(P)含有量=8.8質量%。
・硫黄系酸化防止剤(A−1):
2,6−ジ−t−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール、硫黄原子(S)含有量=10.9質量%、窒素原子(N)含有量=10.2質量%。
・硫黄系酸化防止剤(A−2):
O,O,O−トリフェニルホスホロチオエート、硫黄原子(S)含有量=9.3質量%、リン原子(P)含有量=8.9質量%。
・アミン系酸化防止剤(B−1):
ジオクチルジフェニルアミン、窒素原子(N)含有量=3.6質量%。
・アミン系酸化防止剤(B−2):
4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、窒素原子(N)含有量=3.45質量%。
・アミン系酸化防止剤(B−3):
t−オクチルフェニル−1−ナフチルアミン、窒素原子(N)含有量=8.48質量%。
・フェノール系酸化防止剤(C−1):
オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、分子量=530。
・フェノール系酸化防止剤(C−2):
3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸ジエチル、分子量=354、リン原子(P)含有量=8.8質量%。
<他の添加剤>
・流動点降下剤:ポリメタクリレート、重量平均分子量=69,000。
・清浄分散剤(1):カルシウムサリチレート。
・清浄分散剤(2):カルシウムスルホネート、硫黄原子(S)含有量=2.7質量%。
・金属不活性化剤:N−ジアルキルアミノメチルベンゾトリアゾール、窒素原子(N)含有量=14.6質量%。
・消泡剤:シリコーン系消泡剤。
・流動点降下剤:ポリメタクリレート、重量平均分子量=69,000。
・清浄分散剤(1):カルシウムサリチレート。
・清浄分散剤(2):カルシウムスルホネート、硫黄原子(S)含有量=2.7質量%。
・金属不活性化剤:N−ジアルキルアミノメチルベンゾトリアゾール、窒素原子(N)含有量=14.6質量%。
・消泡剤:シリコーン系消泡剤。
実施例及び比較例で調製した潤滑油組成物について、各種試験前の酸価、40℃動粘度、及び粘度指数の測定を行った上で、下記(1)〜(3)に示す試験を行った。これらの結果を表2に示す。
(1)修正インディアナ酸化試験
ガラス管に調製した潤滑油組成物を300mL入れ、触媒として銅コイル及び鉄コイルを巻きつけ、先端にディフューザーストーンを設けた外径7.0mmの吹き込み管を、銅コイル及び鉄コイルがガラス管内の潤滑油組成物に浸かるように差し込んだ。そして、油温130℃にて、吹き込み管から、流速3L/hにて酸素を最大120時間の間吹き込み、酸化安定度試験を行った。
酸素の吹き込み開始から72時間後、96時間後、及び120時間後の潤滑油組成物のサンプルを採取し、各サンプルの酸価を測定し、試験前の当該潤滑油組成物の酸価との増加量を算出した。(なお、比較例3及び5では72時間後のサンプルの酸価の測定を省略し、比較例1及び6では120時間後のサンプルの酸価の測定を省略した。)
また、酸素の吹き込み開始から96時間後又は120時間後の潤滑油組成物のサンプルを採取し、各サンプルの40℃における動粘度も測定した。
ガラス管に調製した潤滑油組成物を300mL入れ、触媒として銅コイル及び鉄コイルを巻きつけ、先端にディフューザーストーンを設けた外径7.0mmの吹き込み管を、銅コイル及び鉄コイルがガラス管内の潤滑油組成物に浸かるように差し込んだ。そして、油温130℃にて、吹き込み管から、流速3L/hにて酸素を最大120時間の間吹き込み、酸化安定度試験を行った。
酸素の吹き込み開始から72時間後、96時間後、及び120時間後の潤滑油組成物のサンプルを採取し、各サンプルの酸価を測定し、試験前の当該潤滑油組成物の酸価との増加量を算出した。(なお、比較例3及び5では72時間後のサンプルの酸価の測定を省略し、比較例1及び6では120時間後のサンプルの酸価の測定を省略した。)
また、酸素の吹き込み開始から96時間後又は120時間後の潤滑油組成物のサンプルを採取し、各サンプルの40℃における動粘度も測定した。
(2)ミリポアフィルター試験
SAE−ARP−785−63:1996に準拠して、上記修正インディアナ酸化試験の過程で採取した酸素の吹き込み開始から96時間後又は120時間後の300mLの潤滑油組成物中の析出物をろ過採取し、その質量をミリポア値として測定した。なお、表2中には、潤滑油組成物100mLあたりのミリポア値(析出物量)を記載している。
SAE−ARP−785−63:1996に準拠して、上記修正インディアナ酸化試験の過程で採取した酸素の吹き込み開始から96時間後又は120時間後の300mLの潤滑油組成物中の析出物をろ過採取し、その質量をミリポア値として測定した。なお、表2中には、潤滑油組成物100mLあたりのミリポア値(析出物量)を記載している。
(3)パネルコーキング試験
加熱槽に調製した潤滑油組成物を300mL入れ、100℃まで加熱した。そして、加熱槽の上部に設置された260℃に加熱されたアルミ板に対して、速度1000rpmで連続して回転させた羽によって、100℃に加熱した潤滑油組成物を跳ね掛ける動作を96時間又は120時間継続し、当該時間経過後に、アルミ板に付着したデポジットの質量を測定した。なお、表2中には、潤滑油組成物100mLあたりのデポジット量を記載している。
加熱槽に調製した潤滑油組成物を300mL入れ、100℃まで加熱した。そして、加熱槽の上部に設置された260℃に加熱されたアルミ板に対して、速度1000rpmで連続して回転させた羽によって、100℃に加熱した潤滑油組成物を跳ね掛ける動作を96時間又は120時間継続し、当該時間経過後に、アルミ板に付着したデポジットの質量を測定した。なお、表2中には、潤滑油組成物100mLあたりのデポジット量を記載している。
表2によれば、実施例1〜9の潤滑油組成物は、比較例1〜5の潤滑油組成物に比べて、高温下での120時間の試験においても、酸価及び動粘度の上昇、スラッジ量の増加、並びに当該スラッジの装置やフィルターへの付着といった酸化劣化による弊害を効果的に抑制し得る結果が示されている。
そのため、本発明の潤滑油組成物は、長期間にわたって高い酸化安定性が維持されていることが分かる。
そのため、本発明の潤滑油組成物は、長期間にわたって高い酸化安定性が維持されていることが分かる。
Claims (14)
- 基油と共に、硫黄系酸化防止剤(A)及びアミン系酸化防止剤(B)を含み、下記要件(I)及び(II)を満たす、潤滑油組成物。
要件(I):硫黄原子及び窒素原子の合計含有量が、前記潤滑油組成物の全質量基準で、0.010〜0.600質量%である。
要件(II):硫黄原子と窒素原子との含有量比〔硫黄原子/窒素原子〕が、質量比で、0.45〜20.00である。 - 成分(A)が、リン原子を含有せず硫黄原子を含有する化合物(A1)、並びに、リン原子及び硫黄原子を含有する化合物(A2)から選ばれる1種以上を含む、請求項1に記載の潤滑油組成物。
- 成分(A)が、化合物(A1)及び化合物(A2)を共に含む、請求項2に記載の潤滑油組成物。
- リン原子と硫黄原子の含有量比〔リン原子/硫黄原子〕が、質量比で、0.01〜2.00である、請求項2又は3に記載の潤滑油組成物。
- さらに、フェノール系酸化防止剤(C)を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の潤滑油組成物。
- 成分(C)の分子量が250以上である、請求項5に記載の潤滑油組成物。
- 成分(A)と成分(B)との含有量比〔(A)/(B)〕が、質量比で、0.40〜20.00である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の潤滑油組成物。
- 前記潤滑油組成物中に含まれる酸化防止剤の合計含有量が、当該潤滑油組成物の全質量基準で、0.01〜10.00質量%である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の潤滑油組成物。
- さらに清浄分散剤を含有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の潤滑油組成物。
- 前記基油が、鉱油及び合成油から選ばれる1種以上である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の潤滑油組成物。
- 前記基油の40℃における動粘度が、10〜200mm2/sである、請求項1〜10のいずれか1項に記載の潤滑油組成物。
- 回転式圧縮機に用いられる、請求項1〜11のいずれか1項に記載の潤滑油組成物。
- 基油と共に、硫黄系酸化防止剤(A)及びアミン系酸化防止剤(B)を含み、下記要件(I)及び(II)を満たす、スクリュー式空気圧縮機用潤滑油組成物。
要件(I):硫黄原子及び窒素原子の合計含有量が、前記スクリュー式空気圧縮機用潤滑油組成物の全質量基準で、0.010〜0.600質量%である。
要件(II):硫黄原子と窒素原子との含有量比〔硫黄原子/窒素原子〕が、質量比で、0.45〜20.00である。 - 基油に、硫黄系酸化防止剤(A)及びアミン系酸化防止剤(B)を下記要件(I)及び(II)を満たすように配合する工程を有する、潤滑油組成物の製造方法。
要件(I):硫黄原子及び窒素原子の合計含有量が、前記潤滑油組成物の全質量基準で、0.010〜0.600質量%である。
要件(II):硫黄原子と窒素原子との含有量比〔硫黄原子/窒素原子〕が、質量比で、0.45〜20.00である。
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