JP6951272B2 - 潤滑油用添加剤組成物及び潤滑油組成物 - Google Patents
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Description
本発明は、潤滑油用添加剤組成物及び潤滑油組成物に関する。
従来、産業機械といった機械装置には、部材間の潤滑性を向上させるために潤滑油が用いられている。近年、機械装置が高速化及び小型化されるに伴い、油圧機、圧縮機、タービン、歯車、軸受等の機械要素が過酷な条件下で運転されるようになった。そのため、これら機械装置に用いられる潤滑油には、潤滑性能の更なる向上が求められている。
一般的に、潤滑油の潤滑性能を向上させるためには、潤滑油基油に所望の特性に応じて添加剤が配合される。例えば特許文献1には、潤滑油基油に、トリクレジルホスフェート(TCP)等の摩耗防止剤と、硫黄系極圧剤と、を配合した潤滑油組成物が開示されており、当該潤滑油組成物は、摩耗防止効果を維持しながら極圧効果を向上させることができるとされている。
しかしながら、本発明者らは、TCP等の摩耗防止剤を含む潤滑油組成物において、極圧効果を付与するために硫黄系極圧剤を併用した場合、硫黄系極圧剤による腐食摩耗を生じさせ機械装置等のトラブルの原因となり得るという知見を得た。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、摩耗防止剤と極圧剤とを併用する場合において、腐食摩耗を防止することができる潤滑油用添加剤組成物及び当該潤滑油用添加剤組成物を含む潤滑油組成物を提供することを目的とする。
本発明は、下記一般式(1)で表される摩耗防止剤と、下記一般式(2)で表される化合物、下記一般式(2)で表される化合物の酸無水物、及び下記一般式(2)で表される化合物の少なくとも1つのカルボキシル基に脂肪族モノアルコール、アルキレングリコール又はジアルキレングリコールが付加した付加物からなる群より選ばれる少なくとも1種の極圧剤と、を含む潤滑油用添加剤組成物を提供する。
[式(2)中、R4及びR5はそれぞれ独立に1価の炭化水素基を表し、R6は水素原子又はカルボキシル基を表し、R7及びR8はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を表し、X1は硫黄原子又は酸素原子を表す。]
また、本発明は、潤滑油基油と、上述した本発明に係る潤滑油用添加剤組成物と、を含む潤滑油組成物を提供する。
本発明によれば、摩耗防止剤と極圧剤とを併用する場合において、腐食摩耗を防止することができる潤滑油用添加剤組成物及び当該潤滑油用添加剤組成物を含む潤滑油組成物を提供することができる。
本実施形態に係る潤滑油用添加剤組成物は、下記一般式(1)で表される摩耗防止剤と、下記一般式(2)で表される化合物、下記一般式(2)で表される化合物の酸無水物、及び下記一般式(2)で表される化合物の少なくとも1つのカルボキシル基に脂肪族モノアルコール、アルキレングリコール又はジアルキレングリコールが付加した付加物からなる群より選ばれる少なくとも1種の極圧剤と、を含む。
[式(2)中、R4及びR5はそれぞれ独立に1価の炭化水素基を表し、R6は水素原子又はカルボキシル基を表し、R7及びR8はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を表し、X1は硫黄原子又は酸素原子を表す。]
上記の潤滑油用添加剤組成物を用いることで、摩耗防止剤と極圧剤とを併用する場合においても、潤滑油組成物の腐食摩耗を防止することができる。このような効果が得られる理由を本発明者等は以下のように推察する。まず、極圧剤として分子内に硫黄原子を有する化合物(硫黄系極圧剤)を用いた場合、硫黄原子による腐食摩耗を起こすおそれがある。この場合、併用する摩耗防止剤として従来のTCP等を用いた場合、TCPの摩擦表面への吸着量が十分でないため、TCPによるリン酸皮膜の形成が不十分となり硫黄系極圧剤による腐食摩耗を防止することができない。これに対し、本実施形態に係る潤滑油用添加剤組成物においては、摩耗防止剤としての上記一般式(1)で表される化合物が摩擦表面への吸着力に優れるため、摩耗防止剤によるリン酸皮膜の形成が十分となり硫黄系極圧剤による腐食摩耗を防止できたものと考えている。
また、上記潤滑油用添加剤組成物を用いることで、摩耗防止効果及び極圧効果の両方に優れた潤滑油組成物を提供することができる。さらに、上記一般式(1)で表される摩耗防止剤は、中荷重領域での摩耗防止効果のみならず低荷重領域での油性効果も向上させることができるため、より広範な荷重条件下での優れた耐荷重性を達成することができる。
本実施形態に係る潤滑油用添加剤組成物は、摩耗防止剤として下記一般式(1)で表される化合物を含む。
式(1)中、R1は1価の炭化水素基を表し、好ましくは直鎖又は分岐のアルキル基を表し、より好ましくは直鎖のアルキル基を表す。R1で表される1価の炭化水素基又はアルキル基の炭素数は、好ましくは6〜24、より好ましくは8〜18、更に好ましくは12〜18である。R1で表される1価の炭化水素基又はアルキル基としては、例えば、オクチル基、ステアリル基、ドデシル基、デシル基、ヘキシル基等が挙げられ、中でも、潤滑油組成物の油性効果を更に向上させる観点から、R1はオクチル基、ステアリル基又はドデシル基であることが好ましい。
式(1)中、R2及びR3はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を表す。上記アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜8、より好ましくは1〜3である。潤滑油組成物の腐食摩耗を更に防止し、摩耗防止効果を更に向上させる観点から、R2及びR3はそれぞれ独立に、水素原子、メチル基又はエチル基であることが好ましい。
上記一般式(1)で表される化合物としては、例えば、ジメチルステアリルホスホネート、エチルステアリルホスホネート、ジエチルステアリルホスホネート、ジエチルオクチルホスホネート、ジメチルドデシルホスホネート、ジメチルデシルホスホネート等が挙げられる。
上記一般式(1)で表される化合物は、例えば、オレフィンとジアルキルホスホン酸とを反応させることにより得られる。
潤滑油用添加剤組成物において、上記一般式(1)で表される化合物は、1種単独であっても、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
本実施形態に係る潤滑油用添加剤組成物は、下記一般式(2)で表される化合物、下記一般式(2)で表される化合物の酸無水物、及び下記一般式(2)で表される化合物の少なくとも1つのカルボキシル基に脂肪族モノアルコール、アルキレングリコール又はジアルキレングリコールが付加した付加物(以下、単に「付加物」ともいう)からなる群より選ばれる少なくとも1種の極圧剤を含む。
式(2)中、R4及びR5はそれぞれ独立に1価の炭化水素基を表し、好ましくは直鎖又は分岐のアルキル基を表す。R4及びR5で表される1価の炭化水素基又はアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜12、より好ましくは2〜10、更に好ましくは3〜8である。
式(2)中、R6は水素原子又はカルボキシル基を表す。式(2)中、R7及びR8はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を表す。R7及びR8で表されるアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜3である。このようなアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基等が挙げられる。
X1は硫黄原子又は酸素原子を表し、好ましくは硫黄原子を表す。
式(2)で表される化合物は、R6がカルボキシル基であり、且つX1が硫黄原子である場合、例えば、五硫化リンとアルコールとを反応させてジチオリン酸エステルを得て、このジチオリン酸エステルと無水マレイン酸とを反応させた後、加水分解することにより得られる。式(2)で表される化合物は、R6がカルボキシル基であり、且つX1が酸素原子である場合、例えば、ハイドロゼンホスファイト、Naアルコキシドと元素硫黄を反応させてジアルキルチオリン酸Naを得た後、酸分解によりジアルキルチオリン酸を得る。このジアルキルチオリン酸と無水マレイン酸とを反応させた後、加水分解することにより得られる。
式(2)中、R6がカルボキシル基である場合の式(2)で表される化合物の酸無水物は、下記式(2a)で表される。
式(2a)中、R4、R5、R7、R8及びX1は、それぞれ式(2)中のR4、R5、R7、R8及びX1と同一の定義内容である。R4、R5、R7、R8及びX1の好ましい態様はそれぞれ一般式(2)のR4、R5、R7、R8及びX1の場合と同様であり、ここでは重複する説明を省略する。
式(2)で表される化合物の酸無水物(上記式(2a)で表される化合物)は、X1が硫黄原子である場合、例えば、五硫化リンとアルコールとを反応させてジチオリン酸エステルを得て、このジチオリン酸エステルと無水マレイン酸とを反応させることにより得られる。式(2)で表される化合物の酸無水物(上記式(2a)で表される化合物)は、X1が酸素原子である場合、例えば、ハイドロゼンホスファイト、Naアルコキシドと元素硫黄を反応させてジアルキルチオリン酸Naを得た後、酸分解によりジアルキルチオリン酸を得る。このジアルキルチオリン酸と無水マレイン酸を反応させることにより得られる。
付加物は、例えば、式(2)で表される化合物と脂肪族モノアルコール、アルキレングリコール又はジアルキレングリコールとの脱水縮合物であり、式(2)で表される化合物の少なくとも1つのカルボキシル基と脂肪族モノアルコール、アルキレングリコール又はジアルキレングリコールの水酸基とから形成されるエステル結合を有している。
脂肪族モノアルコールが付加した付加物は、例えば、式(2a)で表される化合物と、脂肪族モノアルコールとを、例えば60℃の条件下で1時間反応させることにより得られる。
アルキレングリコール又はジアルキレングリコールが付加した付加物は、例えば、式(2a)で表される化合物と、アルキレングリコール又はジアルキレングリコールとを、例えば80℃の条件下で4時間反応させることにより得られる。
脂肪族モノアルコールの炭素数は、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4、更に好ましくは1〜2である。
アルキレングリコールの炭素数は、好ましくは2〜6、より好ましくは2〜5、更に好ましくは2〜4である。ジアルキレングリコールは、これらのアルキレングリコールの二量体である。
式(2)中、R6がカルボキシル基である場合の付加物は、下記一般式(2b)で表される化合物であってよい。
式(2b)中、R4、R5、R7、R8及びX1は、それぞれ式(2)中のR4、R5、R7、R8及びX1と同一の定義内容であり、R9及びR10はそれぞれ独立に2価の炭化水素基を表し、Ra及びRbはそれぞれ独立に水素原子又は1価の炭化水素基を表し、m及びnはそれぞれ独立に0〜2の整数を表す。ただし、以下の条件の少なくとも一方を満たす。
(i)mが1以上であり、且つ、Raが水素原子である。
(ii)nが1以上であり、且つ、Rbが水素原子である。
(i)mが1以上であり、且つ、Raが水素原子である。
(ii)nが1以上であり、且つ、Rbが水素原子である。
R4、R5、R7、R8及びX1の好ましい態様はそれぞれ、一般式(2)のR4、R5、R7、R8及びX1の場合と同様であり、ここでは重複する説明を省略する。
R9及びR10はそれぞれ独立に、好ましくは直鎖又は分岐のアルキレン基である。R9及びR10で表される2価の炭化水素基又はアルキレン基の炭素数は、好ましくは2〜6、より好ましくは2〜5、更に好ましくは2〜4である。
Ra及びRbはそれぞれ独立に、好ましくは水素原子又は直鎖若しくは分岐アルキルである。Ra及びRbで表される1価の炭化水素基又はアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4、更に好ましくは1〜2である。Ra及びRbの両方が水素原子であることが好ましい。
式(2)中、R6がカルボキシル基である場合の付加物は、下記一般式(2c)で表される化合物であってもよい。
式(2c)中、R4、R5、R7、R8及びX1は、それぞれ式(2)中のR4、R5、R7、R8及びX1と同一の定義内容であり、Rc及びRdはそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を表す。ただし、Rc及びRdの少なくとも一方はアルキル基である。
R4、R5、R7、R8及びX1の好ましい態様はそれぞれ、一般式(2)のR4、R5、R7、R8及びX1の場合と同様であり、ここでは重複する説明を省略する。
Rc及びRdはそれぞれ独立に、好ましくは水素原子又は直鎖若しくは分岐のアルキル基である。Rc及びRdで表されるアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4、更に好ましくは1〜2である。Rc及びRdの一方のみがアルキル基であることが好ましい。
式(2)中、R6が水素原子である場合の付加物は、下記一般式(2d)で表される化合物であってもよい。
式(2d)中、R4、R5、R7、R8及びX1は、それぞれ式(2)中のR4、R5、R7、R8及びX1と同一の定義内容であり、R11は2価の炭化水素基を表し、Reは水素原子又は1価の炭化水素基を表し、pは0〜2の整数を表す。ただし、Reが水素原子である場合、pは1以上の整数である。
R4、R5、R7、R8及びX1の好ましい態様はそれぞれ、一般式(2)のR4、R5、R7、R8及びX1の場合と同様であり、ここでは重複する説明を省略する。
R11は、好ましくは直鎖又は分岐のアルキレン基である。R11で表される2価の炭化水素基又はアルキレン基の炭素数は、好ましくは2〜6、より好ましくは2〜5、更に好ましくは2〜4である。
Reは、好ましくは水素原子又は直鎖若しくは分岐アルキルである。Reで表される1価の炭化水素基又はアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4、更に好ましくは1〜2である。
極圧剤は、上記の化合物の1種であっても、2種以上の混合物であってもよい。極圧剤は、好ましくは式(2)で表される化合物又は式(2c)で表される付加物である。
潤滑油用添加剤組成物において、上記一般式(1)で表される摩耗防止剤に対する上記極圧剤の含有割合は、極圧性を十分に確保する観点から、質量比で好ましくは0.002以上、より好ましくは0.005以上、更に好ましくは0.01以上である。当該含有割合は、腐食摩耗をより十分に防止する観点から、質量比で好ましくは0.5以下、より好ましくは0.1以下、更に好ましくは0.05以下である。
本実施形態に係る潤滑油組成物は、潤滑油基油と、上述した本実施形態に係る潤滑油用添加剤組成物と、を含む。
潤滑油基油は、例えば、鉱油、合成油、又は両者の混合物である。
鉱油としては、原油を常圧蒸留及び減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理等の精製処理を単独又は2つ以上適宜組み合わせて精製したパラフィン系、ナフテン系等の鉱油、ノルマルパラフィン、イソパラフィン等が挙げられる。これらの鉱油は、1種単独で使用してもよく、2種以上を任意の割合で組み合わせて使用してもよい。
好ましい鉱油としては、以下の基油を挙げることができる。
(1)パラフィン基系原油及び/又は混合基系原油の常圧蒸留による留出油
(2)パラフィン基系原油及び/又は混合基系原油の常圧蒸留残渣油の減圧蒸留留出油(WVGO)
(3)潤滑油脱ろう工程により得られるワックス及び/又はGTLプロセス等により製造されるフィッシャートロプシュワックス
(4)上記(1)〜(3)の中から選ばれる1種又は2種以上の混合油のマイルドハイドロクラッキング処理油(MHC)
(5)上記(1)〜(4)の中から選ばれる2種以上の油の混合油
(6)上記(1)、(2)、(3)、(4)又は(5)の脱れき油(DAO)
(7)上記(6)のマイルドハイドロクラッキング処理油(MHC)
(8)上記(1)〜(7)の中から選ばれる2種以上の油の混合油等を原料油とし、この原料油及び/又はこの原料油から回収された潤滑油留分を、通常の精製方法によって精製し、潤滑油留分を回収することによって得られる潤滑油
(1)パラフィン基系原油及び/又は混合基系原油の常圧蒸留による留出油
(2)パラフィン基系原油及び/又は混合基系原油の常圧蒸留残渣油の減圧蒸留留出油(WVGO)
(3)潤滑油脱ろう工程により得られるワックス及び/又はGTLプロセス等により製造されるフィッシャートロプシュワックス
(4)上記(1)〜(3)の中から選ばれる1種又は2種以上の混合油のマイルドハイドロクラッキング処理油(MHC)
(5)上記(1)〜(4)の中から選ばれる2種以上の油の混合油
(6)上記(1)、(2)、(3)、(4)又は(5)の脱れき油(DAO)
(7)上記(6)のマイルドハイドロクラッキング処理油(MHC)
(8)上記(1)〜(7)の中から選ばれる2種以上の油の混合油等を原料油とし、この原料油及び/又はこの原料油から回収された潤滑油留分を、通常の精製方法によって精製し、潤滑油留分を回収することによって得られる潤滑油
ここで、通常の精製方法としては、基油製造の際に用いられる精製方法を任意に採用することができる。通常の精製方法としては、例えば、以下の精製方法が挙げられる。
(a)水素化分解、水素化仕上げ等の水素化精製
(b)フルフラール溶剤抽出等の溶剤精製
(c)溶剤脱ろう、接触脱ろう等の脱ろう
(d)酸性白土、活性白土等による白土精製
(e)硫酸洗浄、苛性ソーダ洗浄等の薬品(酸又はアルカリ)精製
これらの精製方法は、1種単独で、又は2種以上を任意の組み合わせ及び任意の順序で採用することができる。
(a)水素化分解、水素化仕上げ等の水素化精製
(b)フルフラール溶剤抽出等の溶剤精製
(c)溶剤脱ろう、接触脱ろう等の脱ろう
(d)酸性白土、活性白土等による白土精製
(e)硫酸洗浄、苛性ソーダ洗浄等の薬品(酸又はアルカリ)精製
これらの精製方法は、1種単独で、又は2種以上を任意の組み合わせ及び任意の順序で採用することができる。
合成油としては例えば、エステル、エーテル及び炭化水素油が挙げられる。
エステルは、好ましくは脂肪酸(一塩基酸)とアルコールとのエステル、及び多塩基酸とアルコールとのエステルであり、より好ましくは脂肪酸とアルコールとのエステルである。
脂肪酸は、飽和脂肪酸であってもよく不飽和脂肪酸であってもよく、好ましくは不飽和脂肪酸である。
脂肪酸は、好ましくは炭素数2〜24の脂肪酸である。炭素数2〜24の脂肪酸としては、具体的には、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、ノナデカン酸、イコサン酸、ヘンイコサン酸、ドコサン酸、トリコサン酸、テトラコサン酸等の飽和脂肪酸、アクリル酸、ブテン酸、ペンテン酸、ヘキセン酸、ヘプテン酸、オクテン酸、ノネン酸、デセン酸、ウンデセン酸、ドデセン酸、トリデセン酸、テトラデセン酸、ペンタデセン酸、ヘキサデセン酸、ヘプタデセン酸、オクタデセン酸、ノナデセン酸、イコセン酸、ヘンイコセン酸、ドコセン酸、トリコセン酸、テトラコセン酸等の不飽和脂肪酸、及びこれらの混合物などが挙げられる。これらの脂肪酸は、直鎖状であっても分岐状であってもよい。
多塩基酸としては、二塩基酸、三塩基酸等が挙げられる。多塩基酸は、不飽和結合を有していても有していなくてもよい。二塩基酸の炭素数は、例えば2〜16であってよい。炭素数2〜16の二塩基酸としては、具体的には、エタン二酸、プロパン二酸、ブタン二酸、ペンタン二酸、ヘキサン二酸、ヘプタン二酸、オクタン二酸、ノナン二酸、デカン二酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ヘプタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘキセン二酸、ヘプテン二酸、オクテン二酸、ノネン二酸、デセン二酸、ヘプタデセン二酸、ヘキサデセン二酸及びこれらの混合物等が挙げられる。これらの炭素数2〜16の二塩基酸は、直鎖状であってもよく分岐状であってもよい。三塩基酸としては、トリメリット酸等が挙げられる。
アルコールは、1価アルコールであってもよく多価アルコールであってもよい。1価アルコールの炭素数は、好ましくは1〜24、より好ましくは1〜12、更に好ましくは1〜8である。炭素数1〜24のアルコールとしては、具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、オクタデカノール、ノナデカノール、イコサノール、ヘンイコサノール、トリコサノール、テトラコサノール及びこれらの混合物等が挙げられる。これらの1価アルコールは、直鎖状であってもよく分岐状であってもよい。
多価アルコール(ポリオール)が有する水酸基の個数は、好ましくは2〜10、より好ましくは2〜6である。2〜10個の水酸基を有する多価アルコールとしては、具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール(エチレングリコールの3〜15量体)、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(プロピレングリコールの3〜15量体)、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール等の2価アルコール;グリセリン、ポリグリセリン(グリセリンの2〜8量体、例えばジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン等)、トリメチロールアルカン(トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン等)及びこれらの2〜8量体、ペンタエリスリトール及びこれらの2〜4量体、1,2,4−ブタントリオール、1,3,5−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3,4−ブタンテトロール、ソルビトール、ソルビタン、ソルビトールグリセリン縮合物、アドニトール、アラビトール、キシリトール、マンニトール等の多価アルコール;キシロース、アラビノース、リボース、ラムノース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、ソルボース、セロビオース、マルトース、イソマルトース、トレハロース、スクロース等の糖類、及びこれらの混合物などが挙げられる。
エーテルとしては、例えば、ポリオキシアルキレングリコール、ジアルキルジフェニルエーテル、ポリフェニルエーテル等が挙げられる。
炭化水素油としては、例えば、ポリα−オレフィン又はその水素化物、イソブテンオリゴマー又はその水素化物、イソパラフィン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン等が挙げられる。
これらの合成油は、1種単独で使用してもよく、2種以上を任意の割合で組み合わせて使用してもよい。
潤滑油基油は、上記の中でも、好ましくは鉱油及びエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種である。
潤滑油基油の40℃における動粘度は、油膜成分が十分となり、潤滑性により優れ、高温条件下での蒸発損失がより小さくなる観点から、好ましくは20mm2/s以上、より好ましくは25mm2/s以上、更に好ましくは30mm2/s以上である。潤滑油基油の40℃における動粘度は、低温粘度特性を向上させ、省燃費性に更に優れる観点から、好ましくは100mm2/s以下、より好ましくは80mm2/s以下、更に好ましくは60mm2/s以下である。
潤滑油基油の100℃における動粘度は、油膜形成が十分となり、潤滑性により優れ、高温条件下での蒸発損失がより小さくなる観点から、好ましくは5mm2/s以上、より好ましくは6mm2/s以上、更に好ましくは7mm2/s以上である。潤滑油基油の100℃における動粘度は、低温粘度特性を向上させ、省燃費性に更に優れる観点から、好ましくは20mm2/s以下、より好ましくは15mm2/s以下、更に好ましくは10mm2/s以下である。
本発明における動粘度は、JIS K2283:2000に準拠して測定された動粘度を意味する。
潤滑油基油の含有量は、潤滑油組成物全量を基準として、例えば50質量%以上、70質量%以上、又は90質量%以上であってよい。
潤滑油組成物における潤滑油用添加剤組成物の含有量は、例えば、50質量%以下、30質量%以下、10質量%以下、5質量%以下、又は1質量%以下であってよく、0.01質量%以上、0.1質量%以上、又は0.3質量%以上であってよい。
潤滑油組成物における一般式(1)で表される化合物の含有量は、潤滑油組成物全量を基準として、摩耗防止効果及び油性効果を十分に向上させ、且つ腐食摩耗を更に防止する観点から、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上である。一般式(1)で表される化合物の含有量は、潤滑油組成物全量を基準として、腐食摩耗を十分に防止しつつ極圧剤による極圧効果を十分に確保する観点から、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.9質量%以下、更に好ましくは0.8質量%以下である。潤滑油組成物が一般式(1)で表される化合物の2種以上を含有する場合、上記の含有量は、2種以上の当該化合物の含有量の合計である。
潤滑油組成物において、極圧剤の含有量は、潤滑油組成物全量を基準として、極圧性を十分に発揮させる観点から、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上、更に好ましくは0.01質量%以上である。極圧剤の含有量は、潤滑油組成物全量を基準として、長期安定性の観点から、好ましくは0.5質量%以下、より好ましくは0.3質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以下である。潤滑油組成物が上述した極圧剤の2種以上を含有する場合、上記の含有量は、2種以上の当該極圧剤の含有量の合計である。
潤滑油組成物の40℃における動粘度は、油膜形成が十分となり、潤滑性により優れ、高温条件下での蒸発損失がより小さくなる観点から、好ましくは20mm2/s以上、より好ましくは25mm2/s以上、更に好ましくは30mm2/s以上である。潤滑油組成物の40℃における動粘度は、低温粘度特性を向上させ、省燃費性に更に優れる観点から、好ましくは100mm2/s以下、より好ましくは80mm2/s以下、更に好ましくは60mm2/s以下である。
潤滑油組成物の100℃における動粘度は、油膜形成が十分となり、潤滑性により優れ、高温条件下での蒸発損失がより小さくなる観点から、好ましくは5mm2/s以上、より好ましくは6mm2/s以上、更に好ましくは7mm2/s以上である。潤滑油組成物の100℃における動粘度は、低温粘度特性を向上させ、省燃費性に更に優れる観点から、好ましくは20mm2/s以下、より好ましくは15mm2/s以下、更に好ましくは10mm2/s以下である。
潤滑油組成物中のリンの含有量は、潤滑油組成物全量を基準として、好ましくは1000質量ppm以下、より好ましくは800質量ppm以下、更に好ましくは600質量ppm以下である。潤滑油組成物中のリンの含有量の下限値は、特に制限されないが、潤滑油組成物全量を基準として、例えば、100質量ppm以上、又は300質量ppm以上である。本発明でいう「リンの含有量」とは、ICP元素分析法によって測定される含有量を意味する。
本実施形態に係る潤滑油用添加剤組成物及び当該潤滑油用添加剤組成物を含む潤滑油組成物は、潤滑油分野で幅広く用いることができる。潤滑油組成物は、エンジン油、自動変速機又は手動変速機等の駆動系用潤滑油、油圧作動油、タービン油、圧縮機油等として好適に用いられ、特に、油圧作動油として好適に用いられる。
以上、本実施形態に係る潤滑油用添加剤組成物及び潤滑油組成物について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。例えば上述した潤滑油用添加剤組成物及び潤滑油組成物は、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、他の添加剤を更に含有していてもよい。他の添加剤としては、例えば、極圧剤、摩耗防止剤、油性剤(摩擦調整剤)等の耐荷重添加剤(但し、上述の一般式(1)で表される摩耗防止剤及び極圧剤を除く)、清浄分散剤、酸化防止剤、金属不活性化剤、粘度指数向上剤、消泡剤、流動点降下剤、腐食防止剤、防錆剤、抗乳化剤などが挙げられる。
上記耐荷重添加剤の含有量は、潤滑油組成物を特に油圧作動油として用いる場合、潤滑油組成物の長期安定性を確保する観点から、潤滑油組成物全量を基準として、1.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがより好ましく、0.3質量%以下であることが更に好ましく、実質的に含有していないことが特に好ましい。
また、上記清浄分散剤の含有量は、潤滑油組成物を特に油圧作動油として用いる場合、潤滑油組成物の抗乳化性を確保する観点から、油圧作動油組成物全量を基準として、5.0質量%以下であることが好ましく、3.0質量%以下であることがより好ましく、1.0質量%以下であることが更に好ましく、実質的に含有していないことが特に好ましい。
以下、実施例に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(潤滑油基油)
潤滑油基油として以下の基油A1を用いた。
潤滑油基油として以下の基油A1を用いた。
A1:鉱油(グループIII、40℃における動粘度:31.3mm2/s)
(添加剤)
摩耗防止剤として、それぞれ以下のB1〜B4を用いた。
摩耗防止剤として、それぞれ以下のB1〜B4を用いた。
B1:下記式(1−1)で表されるジメチルステアリルホスホネート(DMSP、Mw:362、リン含有量:8.56質量%)
B2:下記式(1−2)で表されるジエチルステアリルホスホネート(DESP、Mw:390、リン含有量:7.94質量%)
B3:下記式(1−3)で表されるエチルステアリルホスホネート(ESP、Mw:362、リン含有量:8.56質量%)
B4:トリクレジルホスフェート(TCP、リン含有量:8.4質量%)
上記摩耗防止剤B1〜B3の合成方法を以下に示す。
(摩耗防止剤B1の合成)
1−ドデセン(38g、0.226mol)及び亜リン酸水素ジメチル(79.7g、0.69mol)を、スターラ、冷却器及び窒素スパージャを装着した容器に採取し、撹拌しながら窒素を分散させ、ジ−t−ブチルペルオキシド(3ml)を添加した。この混合物を室温で10分間撹拌し、その後、約130℃で2時間撹拌して反応させ、摩耗防止剤B1(式(1−1)で表されるジメチルステアリルホスホネート)を得た。
1−ドデセン(38g、0.226mol)及び亜リン酸水素ジメチル(79.7g、0.69mol)を、スターラ、冷却器及び窒素スパージャを装着した容器に採取し、撹拌しながら窒素を分散させ、ジ−t−ブチルペルオキシド(3ml)を添加した。この混合物を室温で10分間撹拌し、その後、約130℃で2時間撹拌して反応させ、摩耗防止剤B1(式(1−1)で表されるジメチルステアリルホスホネート)を得た。
(摩耗防止剤B2の合成)
亜リン酸水素ジメチル(79.7g、0.69mol)に代えて、亜リン酸水素ジエチル(100g、0.69mol)を用いたこと以外は、摩耗防止剤B1と同様にして、摩耗防止剤B2(式(1−2)で表されるジエチルステアリルホスホネート)を得た。
亜リン酸水素ジメチル(79.7g、0.69mol)に代えて、亜リン酸水素ジエチル(100g、0.69mol)を用いたこと以外は、摩耗防止剤B1と同様にして、摩耗防止剤B2(式(1−2)で表されるジエチルステアリルホスホネート)を得た。
(摩耗防止剤B3の合成)
亜リン酸水素ジメチル(79.7g、0.69mol)に代えて、亜リン酸水素エチル(79.7g、0.69mol)を用いたこと以外は、摩耗防止剤B1と同様にして、摩耗防止剤B3(式(1−3)で表されるエチルステアリルホスホネート)を得た。
亜リン酸水素ジメチル(79.7g、0.69mol)に代えて、亜リン酸水素エチル(79.7g、0.69mol)を用いたこと以外は、摩耗防止剤B1と同様にして、摩耗防止剤B3(式(1−3)で表されるエチルステアリルホスホネート)を得た。
極圧剤として、それぞれ以下のC1〜C2を用いた。
C1:下記(2−1)で表される極圧剤(2EH−MDTP−M、Mw:484、リン含有量:6.4質量%)
C2:下記(2−2)で表される極圧剤(DTP、3−(ジ−イソブトキシ−チオホスホリルスルファニル)−2−メチル−プロピオン酸、商品名:IRGALUBE353、BASF社製)
上記基油A1、摩耗防止剤B1〜B4及び極圧剤C1〜C2を用いて、表1及び表2示す組成の潤滑油組成物(潤滑油組成物全量基準、質量%)を調製した。
(摩耗防止効果の評価)
以下に示す条件で、四球試験(ASTM D 4172)を行い、摩耗痕径(mm)を測定して摩耗防止効果を評価した。摩耗痕径が小さいほど摩耗防止効果に優れる、すなわち硫黄系極圧剤による腐食摩耗を防止することができたといえる。結果を表1及び表2に示す。
荷重:392N
回転数:1200rpm
温度:75℃
試験時間:1時間
以下に示す条件で、四球試験(ASTM D 4172)を行い、摩耗痕径(mm)を測定して摩耗防止効果を評価した。摩耗痕径が小さいほど摩耗防止効果に優れる、すなわち硫黄系極圧剤による腐食摩耗を防止することができたといえる。結果を表1及び表2に示す。
荷重:392N
回転数:1200rpm
温度:75℃
試験時間:1時間
(油性効果の評価)
ASTM D 2174に記載のブロックオンリング試験機(LFW−1)を用いて、実施例1〜4の潤滑油組成物の摩擦係数(μ)を以下の条件により測定し、潤滑油組成物の油性効果を評価した。結果を表3に示す。本試験においては、摩擦係数が小さいほど油性効果に優れていることを意味する。
試験片(リング):Falex S−10 Test Ring(SAE4620 Steel)
試験片(ブロック):Falex H−60 Test Block(SAE01 Steel)
油温:60℃
荷重:150N
ASTM D 2174に記載のブロックオンリング試験機(LFW−1)を用いて、実施例1〜4の潤滑油組成物の摩擦係数(μ)を以下の条件により測定し、潤滑油組成物の油性効果を評価した。結果を表3に示す。本試験においては、摩擦係数が小さいほど油性効果に優れていることを意味する。
試験片(リング):Falex S−10 Test Ring(SAE4620 Steel)
試験片(ブロック):Falex H−60 Test Block(SAE01 Steel)
油温:60℃
荷重:150N
試験は、1m/sの周速(すべり速度)で30分間ならし運転を行い、その後、周速を0.05m/sに低下させ、当該周速域における5分間の摩擦係数を測定した。
(極圧性の評価)
ASTM D 2783に準拠し、高速四球試験機を用い、実施例1〜4の潤滑油組成物を用いた場合の1800回転における荷重(WL)を測定した。結果を表3に示す。なお、荷重が大きいほど極圧性に優れていることを意味する。
ASTM D 2783に準拠し、高速四球試験機を用い、実施例1〜4の潤滑油組成物を用いた場合の1800回転における荷重(WL)を測定した。結果を表3に示す。なお、荷重が大きいほど極圧性に優れていることを意味する。
Claims (2)
- 下記一般式(1)で表される摩耗防止剤と、
下記一般式(2)で表される化合物、下記一般式(2)で表される化合物の酸無水物、及び下記一般式(2)で表される化合物の少なくとも1つのカルボキシル基に脂肪族モノアルコール、アルキレングリコール又はジアルキレングリコールが付加した付加物からなる群より選ばれる少なくとも1種の極圧剤と、
を含む潤滑油用添加剤組成物。
[式(1)中、R1は1価の炭化水素基を表し、R2及びR3はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を表す。]
[式(2)中、R4及びR5はそれぞれ独立に1価の炭化水素基を表し、R6は水素原子又はカルボキシル基を表し、R7及びR8はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を表し、X1は硫黄原子又は酸素原子を表す。] - 潤滑油基油と、請求項1に記載の潤滑油用添加剤組成物と、を含む潤滑油組成物。
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