JP5247820B2 - 音声再生機器および車載情報機器 - Google Patents
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Description
このため、従来、歩行者が所持する携帯端末と車載機が持つGPS(Global Positioning System)の位置情報から、両者が接近している状況を認識し、ここで認識された接近の状況を車載機が携帯端末に対して音や文字で報知して歩行者に警告する、接近報知システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
そのような歩行者には車両が接近したことを大音量で報知して注意を喚起すればよいが、その場合、歩行者は視聴中の再生音が遮られて不快であり、映像であればおそらくは歩行者が認知する可能性は低いと思われる。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る無線通信システムの利用シーンとその構成の一例を示す図である。
ここでは、歩行者1がミュージックプレーヤ等を搭載した携帯電話等の音声再生機器10を所持してヘッドフォンスピーカ20で音楽を視聴しながら矢印方向に歩行しており、これに対し、後方から、ナビゲーション装置等の車載情報機器30を搭載した車両3が矢印方向に進行して歩行者1に接近しているシーンが示されている。
車載情報機器30は、内蔵する無線送受信デバイスにより進行方向に無線で「車両接近」メッセージを送信し、音声再生機器10は、内蔵する無線送受信デバイスにより車載情報機器30と通信を行うことにより、図中、網掛け表示された「車両接近」メッセージの受信可能エリアに位置した場合に視聴中の再生音声の音量を制御するものであり、詳細は後述する。なお、図1において、符号4,5は、車線を示す。
以下、図2のフローチャートを参照しながら、図1に示すこの発明の実施の形態1に係る無線通信システムの基本動作について説明する。
音声再生機器10に内蔵される無線送受信デバイスは、車両3が、「車両接近」メッセージ受信可能エリアに近づいた場合に(ステップST202“YES”)、車載情報機器30から送信される「車両接近」メッセージを受信することができる。このとき、音声再生機器10は、車載情報機器30と通信を行い、「車両接近」メッセージを受信して視聴中の再生音声の音量を制御する(ステップST203)。また、このとき、後述する歩行者DB(Data Base)108への車両情報の登録も行う。
なお、上記した「認知応答」メッセージは、音声再生機器10が、歩行者1が接近車両3を認知したときに押下される認知ボタン107による指示を待って(ステップST205“YES”)、送信する。このとき、音声再生機器10は、先に登録した車両情報を削除する等、歩行者DB108を更新する(ステップST206)。歩行者DB108への車両情報の登録および更新の理由については後述する。
ここで、車両IDとは、音声再生機器10が車両3を個別に識別できるID番号である。
ここで、コマンド名は、「認知応答」メッセージと「歩行者接近」メッセージの別を、GPS情報は、車載情報機器30が自車位置と歩行者位置との相対距離を演算するために必要な歩行者1の現在地情報を 、ターゲット車両IDは、当該「認知応答」メッセージおよび「歩行者接近」メッセージの送信先の車両IDを、それぞれ示す。
また、このとき、車載情報機器30は、「車両接近」メッセージに応答して音声再生機器10から送信される、例えば、図3(b)に示すデータ形式を有する第1の応答メッセージ(「歩行者接近中」メッセージ)、もしくは、車両3が近づいたことを歩行者1が認知したことを示す第2の応答メッセージ(「認知応答」メッセージ)を受信し、それぞれ報知するものである(ステップST204〜ST208)。
図4に示されるように、この発明の実施の形態1に係る音声再生機器10は、GPS(Global Positioning System)情報部101と、進行方向判定部102と、音声出力制御部103と、接近状況判定部104と、受信部105と、送信部106と、認知ボタン107と、歩行者DB108と、を有する。
進行方向判定部102は、GPS情報部101が測位したGPS情報や、例えば、不図示のジャイロセンサー等から歩行者1の現在の進行方向を判定して接近状況判定部104へ引き渡す。
接近状況判定部104は、受信部105の出力と、GPS情報部101から出力されるGPS情報とを元に、歩行者1と車両3の相対位置を計算して接近状態にあるか否かを判定して音声出力制御部103を制御する。
このため、上記した受信部105は、「車載情報機器から送信される車両接近メッセージを受信する」メッセージ受信手段として、また、GPS情報部101と、進行方向判定部102と、音声出力制御部103と、接近状況判定部104と、受信部105とは、「車載情報機器と通信を行い、歩行者が車両接近メッセージの受信可能エリアに位置した場合、視聴中の再生音声の音量を制御する」制御手段として、それぞれ機能する。
図5に示されるように、この発明の実施の形態1に係る車載情報機器30は、GPS情報部301と、進行方向判定部302と、車両状態検出部303(車両状態検出手段)と、送信判定部304と、前方送信部305と、後方送信部306と、受信部307と、受信データ解析部308と、情報通知部309と、車両DB310とを有する。
進行方向判定部302は、GPS情報部301が測位したGPS情報や、例えば、不図示のジャイロセンサー等から車両3の現在の進行方向を判定して送信判定部304へ引き渡す。
送信判定部304は、GPS情報部301、進行方向判定302、車両状態検出部303から出力される各情報に基づき、歩行者1へ車両3の接近を通知する「車両接近」メッセージの送信可否、および送信間隔を決定して、前方送信部305もしくは後方送信部306を制御する。送信判定部304はまた、上記した送信間隔を制御するために、後述する送信間隔設定タイマーを内蔵する。
受信データ解析部308は、受信したメッセージを解析し、歩行者1の接近状況、および歩行者1の車両認知状況を判定して情報通知部309を制御する。
なお、車両DB310には、音声再生機器10から受信したメッセージ等が蓄積される。
以下、図6〜図10のフローチャートを参照しながら、図4、図5に示す、音声再生機器10および車載情報機器30の動作について説明する。
図6のフローチャートにおいて、車載情報機器30は、送信判定部304が、車両3のエンジン始動を検出することにより内蔵の送信間隔タイマーによる計測を開始させる(ステップST601)。続いて、送信判定部304は、送信間隔タイマーの計測監視を行い(ステップST602)、タイムアウトが検出されると(ステップST602“YES”)、車両状態検出部303により出力される車速情報を判定し(ステップST603)、車速が0より大きい、つまり、車両3が走行中であれば(ステップST603“YES”)、車両3の進行方向に応じて前方送信部305、もしくは後方送信部306により「車両接近」メッセージを送信する(ステップST604)。なお、車両3が停車中であれば(ステップST603“NO”)、ステップST602のタイムアウト判定処理の実行に戻り、タイムアウト検出まで待機する。
一方、車両状態検出部303から取得される車速に一定速度以上の変化がなければ(ステップST605“NO”)、ステップST602のタイムアウト判定処理の実行に戻り、タイムアウト検出まで待機する。
図7のフローチャートにおいて、音声再生機器10は、車載情報機器30から送信される「車両接近」メッセージを受信部105で受信すると、その車両用に内蔵された受信タイマーによる計測を開始し、一方、受信タイマーが起動中であれば再計測を開始した後(ステップST701)、ステップST702の認知済み車両判定処理に移行する。
ここで、受信部105が内蔵する受信タイマーは、車載情報機器30から、「車両接近」メッセージが送信されているか否かを知るためのポーリング用に、例えば、500ms程度の時間を監視するために使用される。この間に車載情報機器30から送信される「車両接近」メッセージを受信できない場合に、歩行者1が「車両接近」メッセージの受信可能エリア外に移動したと判定するために利用する。詳細は後述する。
ここで、認知済み車両3であると判定されると(ステップST702“YES”)、メッセージ受信処理は終了し、認知済み車両でないと判定された場合(ステップST702“NO”)、接近状況判定部104は、歩行者1の現在位置をGPS情報部101から取得し、進行方向判定部102から歩行者1の進行方向を取得した後(ステップST703)、車両3と歩行者1との間の距離に関する情報を演算により生成し歩行者DB108に保存する(ステップST704)。
ここで、後方からの接近でないと判定された場合(ステップST709“NO”)、接近状況判定部104は、当該車両3を認知済み車両として歩行者DB108に登録するとともに(ステップST710)、認知ボタン107押下による歩行者1が当該車両3の存在の認知を待って「認知応答」メッセージを生成し、送信部106により、当該車両3に対して「認知応答」メッセージを送信してメッセージ受信処理を終了する(ステップST711)。
ここで、左後方からの接近であれば(ステップST712“YES”)、接近状況判定部104は、音声出力制御部103によりヘッドフォンスピーカ20の左側スピーカ20Lのボリュームを上記した増量設定値分上げるように音量制御を行い(ステップST713)、右後方からの接近であれば(ステップST712“NO”)、音声出力制御部103により、ヘッドフォンスピーカ20の右側スピーカ20Rのボリュームを上げるように音量制御を行う(ステップST714)。
また、接近状況判定部104は、接近している車両3を認知した場合には、その車両3に固有の情報を認知済み車両として歩行者DB108に保存することにより、繰り返し同じ車両3からの「車両接近」メッセージを受信する直前の状態に復帰させる。これにより、音量制御することが無くなり、無駄な処理が発生しないため音声再生機器10の処理負荷が軽減される。
図8のフローチャートにおいて、車載情報機器30は、受信部307で、音声再生機器10の送信部106から送信されるメッセージを受信すると、受信データ解析部308が、当該メッセージに含まれるGPS位置情報やターゲット車両ID等により、歩行者1の現在位置や向き等に関する情報を解析し(ステップST801)、続いて、コマンド名を解析してメッセージを判定する(ステップST802)。
ここで、「歩行者接近」メッセージであると判定された場合(ステップST802“YES”)、受信データ解析部308は、解析した内容を情報通知部309に出力し、情報通知部309は、解析した結果得られる内容である「進行方向に歩行者1がいること」を、表示により、あるいは音声出力により車両3の乗員に通知する(ステップST803)。
図9のフローチャートにおいて、音声再生機器10の受信部105は、「車両接近」メッセージを送信している(警告中)車両3が存在するか否かを、例えば、500ms間隔でポーリングにより監視している(ステップST901)。ここで、警告中の車両3が存在しなければ(ステップST901“NO”)認知応答処理を終了し、警告中の車両3が存在すれば(ステップST901“YES”)、接近状況判定部104は、認知ボタン107が押下されたか否かを判定する(ステップST902)。
続いて、接近状況判定部104は、「車両接近」メッセージを受信して再生音声の音量を制御することで接近車両3を認知したことを車両3(車載情報機器30)に通知するために「認知応答」メッセージを生成して送信部106により送信する(ステップST904)。
以下、図10に示すフローチャートを参照しながら、図4に示す音声再生機器10によるメッセージ受信停止の解除処理動作について説明する。
ここで登録されていなければ(ステップST1002“NO”)、解除処理を終了し、登録されていれば(ステップST1002“YES”)、歩行者DB108に登録されている当該車両3の情報を削除する(ステップST1003)。
なお、上記した実施の形態1に係る音声再生機器10として、ミュージックプレーヤ搭載の携帯電話を例示したが、これに制限されず、例えば、PC(Personal Computer)、PDA(Personal Digital Assistants)、ゲーム機等、音声再生用に使用されるモバイル電子機器一般に応用が可能である。
Claims (7)
- 車両に搭載された車載情報機器と双方向無線通信を行う、歩行者が所持する音声再生機器であって、
前記車載情報機器から送信される、車両が接近していることを示すとともに当該車両に固有の車両情報を含むメッセージを受信するメッセージ受信手段と、
歩行者が前記メッセージの受信可能エリアに位置して前記メッセージを受信した場合に、再生中の再生音声の音量を制御する制御手段と、
ユーザにより操作される操作入力手段と、
前記メッセージを受信した後に前記操作入力手段が操作された場合に、前記メッセージに含まれる前記車両情報を記憶する記憶手段とを備え、
前記制御手段は、
前記車載情報機器と通信を行うものであり、
前記メッセージを受信した後に前記操作入力手段が操作された場合に、前記再生中の音声再生音量を、前記メッセージを受信する直前の状態に復帰させ、
前記車両情報ごとに、前記メッセージを最後に受信してから所定時間が経過すると、前記記憶手段に記憶された前記車両情報を削除する
ことを特徴とする音声再生機器。 - 前記制御手段は、前記車載情報機器との通信により車両が左右いずれの方向から接近するかを検出し、前記検出された接近方向に応じて対応するチャンネルの音声の音量を制御することを特徴とする請求項1記載の音声再生機器。
- 前記メッセージを受信した直前における再生中の再生音声の音量を基準に、前記再生音声の音量を制御してヘッドフォンスピーカに音声出力することを特徴とする請求項1記載の音声再生機器。
- 前記メッセージを受信した場合、前記メッセージを送信した車載情報機器に、歩行者の現在地情報を含む応答メッセージを送信することを特徴とする請求項1記載の音声再生機器。
- 歩行者が所持する音声再生機器との間で双方向無線通信を行う車両に搭載された車載情報機器であって、
車両が接近していることを示すメッセージであって、前記メッセージの受信可能エリアに位置して前記メッセージを受信した前記音声再生機器が再生中の再生音声の音量を制御するメッセージを車両の進行方向に送信する
ことを特徴とする車載情報機器。 - 車両の状態を検出する車両状態検出手段を有し、前記車両状態検出手段で検出した車速に応じて前記メッセージの送信間隔を制御して前記音声再生機器に前記メッセージを送信することを特徴とする請求項5記載の車載情報機器。
- 歩行者が所持する音声再生機器と双方向無線通信を行う車載情報機器であって、
車両の現在地を検出する位置検出手段と、
車両の進行方向に、前記車両に固有の情報と前記位置検出手段により検出された現在地とを含む、車両が接近していることを示すメッセージを送信するメッセージ送信手段と、
前記メッセージに応答して音声再生機器から送信される、歩行者の現在地と、受信した前記車両接近メッセージの送信先である車両に固有の情報とを含む、歩行者が前記車両に接近したことを示す第1の応答メッセージ、前記車両が近づいたことを歩行者が認知したことを示す第2の応答メッセージの少なくとも一つを受信し、それぞれ報知する制御手段と、
を備えたことを特徴とする車載情報機器。
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