JP5245123B2 - 有機光電変換素子、太陽電池および光センサアレイ - Google Patents

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Description

本発明は、バルクへテロ接合型光電変換素子、この光電変換素子を用いた太陽電池、および光アレイセンサに関する。
本発明は、バルクへテロジャンクション型有機光電変換素子、この光電変換素子を用いた太陽電池、および光アレイセンサに関する。
近年の化石エネルギーの高騰によって、自然エネルギーから直接電力を発電できるシステムが求められており、単結晶・多結晶・アモルファスのSiを用いた太陽電池、GaAsやCIGSなどの化合物系の太陽電池、あるいは色素増感型光電変換素子(グレッツェルセル)などが提案・実用化されている。
しかしながら、これらの太陽電池で発電するコストは未だ化石燃料を用いて発電・送電される電気の価格よりも高いものとなっており、普及の妨げとなっていた。また、基板に重いガラスを用いなければならないため、設置時に補強工事が必要であり、これらも発電コストが高くなる一因であった。
このような状況に対し、化石燃料による発電コストよりも低コストな発電コストを達成できる可能性のある太陽電池として、非特許文献1(A.Heegerシングル)で提案されているような、透明電極と対電極との間に電子供与体層(p型半導体層)と電子受容体層(n型半導体層)とが混合されたバルクへテロジャンクション層を挟んだバルクへテロジャンクション型光電変換素子が提案されている。
そこで、電解液を用いず、コスト上有利な溶液塗布法で形成可能な光電変換素子として、例えば、特許文献1で開示されているような、透明電極と対電極との間に電子供与体層(p型半導体層)と電子受容体層(n型半導体層)とを挟んだヘテロ接合型(積層型)光電変換素子、あるいは、透明電極と対電極との間にp型半導体高分子とn型半導体材料とを一様に混合したバルクへテロ層を形成したバルクへテロ接合型光電変換素子が提案されている。
これら光電変換素子の動作原理について説明すると、まず、光励起により発生した励起子が、p型半導体層からn型半導体層の界面に移動し、この励起子が電子を電子受容体層に供与することで、p型半導体層には正孔が、n型半導体層には電子が発生する。そして、内部電界により正孔は、p型半導体層を通り一方の電極に運ばれ、電子はn型半導体層通ってもう一方の電極へ運ばれる。この結果、光電流が観測される。
これらのバルクヘテロジャンクション型光電変換素子は、太陽光スペクトルを効率よく吸収するような、長波な有機高分子を用いることによって、5%を超える変換効率を達成するにいたっている(例えば、前記非特許文献1参照。)。
効率が向上して来た一方、実用化する上では長期にわたって所定の性能を発揮し続ける必要があり、寿命の向上が必須であるが、前述の非特許文献1において、100時間の光照射下で効率が60%に低下したと記載されている通り、いまだ十分なものとは言えない。
本発明者らは、非特許文献2において、従来よく使用されているp型半導体材料であるポリ(3−ヘキシルチオフェン)(以下P3HT)とn型半導体材料であるPCBMを比較すると、単体ではPCBMの方が移動度が高いことが報告されていることに注目した。
すなわち、バルクへテロジャンクション層において光吸収によって励起子が発生し、p型半導体層とn型半導体層の界面で等しい量の正孔と電子が発生しているにも係らず、p型半導体の移動度が低いために正孔を効率よく取り出せていないということを意味しており、発生した正孔の多くはp型半導体層の中のトラップ等につかまり、熱などに変換されて失活していると推定され、このようなトラップの存在がバルクへテロジャンクション型光電変換素子の劣化の原因であると本発明者らは推定した。
このような観点からすると、現在バルクへテロジャンクション型素子に標準的に用いられている、P3HTやポリチオフェン−チエノチオフェン共重合体等の高分子材料は、ハロゲン含有モノマーを重合することによって得られる(非特許文献3参照)が、これらの重合末端にはこれらのハロゲン原子やスズ等の金属原子、または重合触媒に使用した金属化合物などが残留している可能性があるが、高分子化合物は精製が困難であるために、これらを完全に除去できないまま素子に使用せざるを得ず、これらのサイトがキャリアトラップになっていると推定される。さらには、一般に高分子材料は分子量に分布を持つために、低分子材料と比較して結晶性が低く、移動度も低いと言われている。
したがって本発明者らは、精製が困難で移動度が低い高分子材料ではなく、移動度が高くキャリアトラップを形成する不純物を除去しやすいp型半導体材料として、どのような構造を有する有機低分子化合物を用いることで長寿命な有機光電変換素子が得られるかを検討した。そして、剛直で安定な縮合環構造を有し、太陽光を吸収するのに必要十分な共役長にとどめることで一層結晶性が高く移動度が高い化合物が得られ、さらには分子末端にキャリアトラップとなりうる部位を排除することで、有機光電変換素子の課題であった、耐久性の低さを解決できるのではないかという発想から検討を行った。
特許第4067115号公報 Science,vol.317(2007),p222 Appl.Phys.Lett.,vol.87(2005),p132105 Nature Material,(2006)vol.5,p328
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、耐久性の高い有機光電変換素子、この有機光電変換素子を用いた太陽電池及び光アレイセンサを提供することにある。
本発明の上記課題は、以下の構成により達成される。
1.陰極と陽極の間に、下記一般式(3)で表される低分子化合物を含有することを特徴とする有機光電変換素子。
Figure 0005245123
式中、A は下記一般式(1)で表される部分構造であって、A およびA は、各々置換若しくは無置換のチアゾール環、ピラゾール環、イミダゾール環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、またはこれらを含有する縮合環構造を表す。p、q、rは1〜4の整数を表し、sは0〜4の整数を表す。〕
Figure 0005245123
〔式中、Zは、置換若しくは無置換の、5員若しくは6員の芳香族環、またはこれらが縮合した縮合芳香族環を形成するに必要な原子群を表し、R およびR は、各々水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは無置換の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基、シリル基、エーテル基、チオエーテル基、またはアミノ基を表し、更にR およびR が互いに結合して環構造を形成しても良い。
2.前記一般式(1)で表される部分構造A が、下記一般式(2)で表される部分構造であることを特徴とする前記1に記載の有機光電変換素子。
Figure 0005245123
〔式中、R 〜R は、各々水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基、シリル基、エーテル基、チオエーテル基、またはアミノ基を表し、更にはR およびR 、またはR およびR が互いに結合して環構造を形成しても良い。〕

3.前記一般式(3)において、A はアルキル基で置換されたチアゾール環、ピラゾール環、イミダゾール環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環またはこれらを含有する縮合環構造であることを特徴とする前記1又は2に記載の有機光電変換素子。
4.前記一般式(3)で表される低分子化合物が、p型半導体材料とn型半導体材料が混合したバルクヘテロジャンクション層に、p型半導体材料として含まれることを特徴とする前記1〜3のいずれか一項に記載の有機光電変換素子。
5.前記バルクヘテロジャンクション層に、前記n型半導体材料として、フラーレン誘導体が含まれることを特徴とする前記4に記載の有機光電変換素子。
6.前記一般式(1)で表される部分構造を有する低分子化合物の化学構造式内において、最大のπ共役長を有する共役鎖の両末端が、ともに無置換の芳香族炭化水素環で置換されていることを特徴とする前記1〜5のいずれか一項に記載の有機光電変換素子。
7.前記一般式(3)で表される低分子化合物を含有するバルクヘテロジャンクション層が、溶液プロセスによって形成されたことを特徴とする前記4〜6のいずれか一項に記載の有機光電変換素子。
8.前記1〜7のいずれか一項に記載の有機光電変換素子からなることを特徴とする太陽電池
9.前記1〜7のいずれか一項に記載の有機光電変換素子がアレイ状に配置されてなることを特徴とする光センサアレイ
本発明により、光電変換効率及び耐久性の高い有機光電変換素子、この有機光電変換素子を用いた太陽電池及び光センサアレイを提供することができた。
本発明者らは、縮合環構造を有し、太陽光を吸収するのに必要十分な共役長とすることで一層結晶性が高く移動度が高い化合物が得られ、かつ分子末端にキャリアトラップとなりうる部位を排除することで、優れた有機光電変換素子とすることができたものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
〔p型半導体材料〕
先ず、本発明において低分子化合物とは、化合物の分子量に分布のない、単一分子であることを意味する。他方、高分子化合物とは、所定のモノマーを反応させることによって一定の分子量分布を有する化合物の集合体であることを意味する。しかし、実用上分子量によって定義をする際には、好ましくは分子量が3000以下の化合物を低分子化合物と区分する。より好ましくは2000以下、さらに好ましくは1500以下である。なお、分子量はマススペクトルやゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)等によって測定することができる。本発明においては、高い移動度を有するバルクへテロジャンクション層を得るために、分子量分布がなく、結晶性の高い低分子化合物を用いることが一つの特徴である。
次に一般式(1)で表される部分構造を有する低分子化合物について説明する。
前記一般式(1)において、Zは置換または無置換の5員または6員の芳香族環或いはこれらの環が縮合した縮合芳香族環を形成するに必要な原子群を表し、チオフェン環と共に縮合した縮合芳香族環を形成する。
Zにより形成される5員または6員の芳香族環としては、チオフェン環、フラン環、ピロール環、ピラゾール環、チアゾール環、ピラゾール環、イミダゾール環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、フェニル環、ナフトール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環等、更にはこれらが縮合した縮合芳香族環が挙げられる。このような縮環構造を分子中に含むことによって、剛直かつ安定な発電層用の半導体材料を得ることができる。また、縮環構造内に少なくともチオフェン環を有することで、高い移動度を有するようになり、高い光電変換効率を得られるようになる。
およびRは、各々水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基、シリル基、エーテル基、チオエーテル基、アミノ基を表し、更にRおよびRが互いに結合して環構造を形成しても良い。
本発明において、一般式(1)で示される部分構造を有する低分子化合物、あるいは、前記一般式(1)で表される部分構造、における「部分構造」とは、一般式(1)のRおよびR、またはZで示される芳香族環の一部を結合手に置換した母核構造を意味し、これらの結合手はさらに他の化学構造と結合されている化合物であるということを表す。
このような化合物はバルクへテロジャンクション層内においてp型半導体材料として働いても良いし、n型半導体材料として働いても良いが、チオフェン系化合物は一般にホールの移動度の方が高く、p型半導体材料として働くことが好ましい。なお一般に、p型、n型とは、半導体材料で電気伝導に寄与するのが、主に正孔である材料をp型、主に電子である材料をn型として分類する。
記一般式(1)で表される部分構造が、分子中に少なくとも2つ以上含まれている。前記一般式(1)のような、高耐久・高移動度構造を分子内に複数有する化学構造とすることで、一層の効果を得ることができる。
また、前記項の前記一般式(1)で表される部分構造を有する低分子化合物の化学構造式内において最大のπ共役長を有する共役鎖の両末端が、ともに無置換の芳香族炭化水素環で置換されているとは、前記一般式(1)で示される部分構造を1つ以上有し、その化学構造式内において最大のπ共役長を有する共役鎖の両末端が無置換の芳香族炭化水素基で有ることを意味する。芳香族炭化水素基とは、ベンゼン環を表す。公知のπ共役系高分子を用いた有機光電変換素子においては、重合反応で合成されるため、その高分子の最大の共役長を有する共役鎖の末端はハロゲン原子や金属原子等によって置換されているが、本発明においてはこのようなキャリアトラップとなりうる置換基とならない、前記の芳香族炭化水素環で置換することで、より高い耐久性が得られるものと推定される
また、前記一般式(2)においても同様であり、一般式(2)で表される部分構造とは、一般式(2)のR〜Rで示される置換基の一部を結合手に置換した母核構造を意味し、これらの結合手はさらに他の化学構造と結合されている化合物であるということを表す。前記一般式(2)のような、移動度の高いチオフェン環同士で縮環を形成した部分構造を有する化合物をバルクへテロジャンクション層に用いることで、一層変換効率および耐久性の高い光電変換素子を得ることができる。
前記一般式(2)で表される構造を、化学構造式内において最大のπ共役長を有する共役鎖に組み込むための結合手の位置としては、RおよびRが好ましく、R およびR が置換または無置換のチアゾール環、ピラゾール環、イミダゾール環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環のいずれかによって置換されていることが好ましい。これは、これらの5員環芳香族環の方が芳香族環同士の立体障害が小さく、2つの芳香族環同士の平面性が高くなり、ひいては長波まで光を吸収し、移動度も高い化合物を得られるためである。
ルクヘテロジャンクション層に用いる化合物の好ましい構造としては、前記一般式(1)または(2)で表される部分構造を有する低分子化合物が、前記一般式(3)で表される化合物である。一般式(3)中のAが前記一般式(1)または(2)で表される部分構造を表し、一般式(1)のRおよびR、またはZで示される芳香族環の一部、または前記一般式(2)のR〜Rで示される置換基の一部を結合手に置換して、前記一般式(3)におけるAと結合されている化合物であることを表す。AおよびAは、置換または無置換のチアゾール環、ピラゾール環、イミダゾール環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、またはこれらを含有する縮合環構造を表す
れらのような電子吸引性の芳香族環とすることで、前記一般式(1)および(2)で表される含チオフェン構造のような電子供与性芳香族環と分子内電荷移動錯体を形成し、共役長が比較的短くても低バンドギャップ、すなわち長波まで吸収可能な光電変換材料とすることができ、好ましい。
また、Aで表されるヘテロアリール基は、アルキル基によって置換されていることが好ましい。この位置にアルキル基で置換することで、化合物の溶解性が向上し、溶液プロセスによってバルクへテロジャンクション層を形成することがより容易となる。また、アルキル鎖同士がパッキングしようとする、いわゆるファスナー効果を用いることによって化合物の結晶性が増大し、より高い光電変換効率が得られるようになるといった効果もある。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等が挙げられるが、前記のファスナー効果を得るためにはC6〜C20の直鎖アルキル基(n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ドデシル基等)を用いることが好ましい。
以下に、本発明に係る一般式(3)で表される低分子化合物及び参考とされる化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。これらの化合物は、前記非特許文献3およびSynth. Met. Vol.148(2005), p195等を参考として合成することができる。
Figure 0005245123
Figure 0005245123
Figure 0005245123
Figure 0005245123
〔n型半導体材料〕
本発明の有機光電変換素子は、n型半導体材料及びp型半導体材料を混合したバルクヘテロジャンクション層に適用することが好ましく、p型半導体材料として本発明の低分子化合物を用いれば良く、n型半導体材料としては特に限定されないが、例えば、フラーレン、オクタアザポルフィリン等、p型半導体のパーフルオロ体(パーフルオロペンタセンやパーフルオロフタロシアニン等)、ナフタレンテトラカルボン酸無水物、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド等の芳香族カルボン酸無水物やそのイミド化物を骨格として含む高分子化合物等を挙げることができる。
しかし、本発明のチオフェン含有縮合環を有する材料をp型半導体材料として用いる場合、効率的な電荷分離を行えるフラーレン誘導体が好ましい。フラーレン誘導体としては、フラーレンC60、フラーレンC70、フラーレンC76、フラーレンC78、フラーレンC84、フラーレンC240、フラーレンC540、ミックスドフラーレン、フラーレンナノチューブ、多層ナノチューブ、単層ナノチューブ、ナノホーン(円錐型)等、およびこれらの一部が水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基、シリル基、エーテル基、チオエーテル基、アミノ基、シリル基等によって置換されたフラーレン誘導体を挙げることができる。
中でも[6,6]−フェニルC61−ブチリックアシッドメチルエステル(略称PCBM)、[6,6]−フェニルC61−ブチリックアシッド−nブチルエステル(PCBnB)、[6,6]−フェニルC61−ブチリックアシッド−イソブチルエステル(PCBiB)、[6,6]−フェニルC61−ブチリックアシッド−nヘキシルエステル(PCBH)、Adv.Mater.,vol.20(2008),p2116等に記載のbis−PCBM、特開2006−199674等のアミノ化フラーレン、特開2008−130889等のメタロセン化フラーレン、米国特許第7,329,709号明細書等の環状エーテル基を有するフラーレン等のような、置換基を有してより溶解性が向上したフラーレン誘導体を用いることが好ましい。
(有機光電変換素子および太陽電池の層構成)
図1は、バルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子からなる太陽電池を示す断面図である。図1において、バルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子10は、基板11の一方面上に、透明電極12、バルクヘテロジャンクション層の光電変換部14及び対電極13が順次積層されている。
基板11は、順次積層された透明電極12、光電変換部14及び対電極13を保持する部材である。本実施形態では、基板11側から光電変換される光が入射するので、基板11は、この光電変換される光を透過させることが可能な、すなわち、この光電変換すべき光の波長に対して透明な部材である。基板11は、例えば、ガラス基板や樹脂基板等が用いられる。この基板11は、必須ではなく、例えば、光電変換部14の両面に透明電極12及び対電極13を形成することでバルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子10が構成されてもよい。
透明電極12は、光電変換部14において光電変換される光を透過させることが可能な電極であり、好ましくは300〜800nmの光を透過する電極である。材料としては、例えば、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO、ZnO、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)等の透明導電性金属酸化物、金、銀、白金等の金属薄膜またはナノ粒子・ナノワイヤー層、および、導電性高分子を用いることができる。
対電極13は、金属(例えば金、銀、銅、白金、ロジウム、ルテニウム、アルミニウム、マグネシウム、インジウム等)、炭素、あるいは透明電極12の材料等を用いることができるが、これに限らない。
なお、図1に示すバルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子10では、光電変換部14が透明電極12と対電極13とでサンドイッチされているが、一対の櫛歯状電極を光電変換部14の片面に配置するといった、バックコンタクト型の有機光電変換素子10が構成されてもよい。
光電変換部14は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する層であって、p型半導体材料とn型半導体材料とを一様に混合したバルクヘテロジャンクション層を有して構成される。p型半導体材料は、相対的に電子供与体(ドナー)として機能し、n型半導体材料は、相対的に電子受容体(アクセプタ)として機能する。ここで、電子供与体及び電子受容体は、“光を吸収した際に、電子供与体から電子受容体に電子が移動し、正孔と電子のペア(電荷分離状態)を形成する電子供与体及び電子受容体”であり、電極のように単に電子を供与あるいは受容するものではなく、光反応によって、電子を供与あるいは受容するものである。
p型半導体材料としては、本発明の化合物が用いられるが、更に公知の例えば、テトラベンゾポルフィリン誘導体等を併用してもよい。そして、n型半導体材料としては、比較的高い光電変換効率を実現するために、例えば、フラーレン誘導体が用いられる。
電子受容体と電子供与体とが混合されたバルクヘテロジャンクション層の形成方法としては、本発明の化合物は低分子化合物であるため、蒸着法、塗布法(キャスト法、スピンコート法を含む)等のいずれでも良いが、本発明においては、製膜コストに優れる塗布法が好ましい。
そして、光電変換部14のバルクヘテロジャンクション層は、光電変換率を向上すべく、製造工程中において所定の温度でアニール処理され、微視的に一部結晶化されていることが好ましい。その結果、バルクへテロジャンクション層のキャリア移動度が向上し、高い効率を得ることができるようになる。
図1において、基板11を介して透明電極12から入射された光は、光電変換部14のバルクヘテロジャンクション層における電子受容体あるいは電子供与体で吸収され、電子供与体から電子受容体に電子が移動し、正孔と電子のペア(電荷分離状態)が形成される。発生した電荷は、内部電界、例えば、透明電極12と対電極13の仕事関数が異なる場合では透明電極12と対電極13との電位差によって、電子は、電子受容体間を通り、また正孔は、電子供与体間を通り、それぞれ異なる電極へ運ばれ、光電流が検出される。例えば、透明電極12の仕事関数が対電極13の仕事関数よりも大きい場合では、電子は、透明電極12へ、正孔は、対電極13へ輸送される。なお、仕事関数の大小が逆転すれば電子と正孔は、これとは逆方向に輸送される。また、透明電極12と対電極13との間に電位をかけることにより、電子と正孔の輸送方向を制御することもできる。
図1に戻って、なお、光電変換部14は、電子受容体と電子供与体とが均一に混在された単一層で構成してもよいが、電子受容体と電子供与体との混合比を変えた複数層で構成してもよい。
電子受容体と電子供与体とが混合されたバルクヘテロジャンクション層の形成方法としては、蒸着法、塗布法(キャスト法、スピンコート法を含む)等を例示することができる。このうち、前述の正孔と電子が電荷分離する界面の面積を増大させ、高い光電変換効率を有する素子を作製するためには、塗布法が好ましい。塗布後は残留溶媒及び水分、ガスの除去、及び半導体材料の結晶化による移動度向上・吸収の長波化を引き起こすために加熱を行うことが好ましい。
また、上述のバルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子10は、順次に基板11上に積層された透明電極12、バルクヘテロジャンクション層の光電変換部14及び対電極13で構成されたが、これに限られず、例えば透明電極12や対電極13と光電変換部14との間に正孔輸送層、電子輸送層、正孔ブロック層、電子ブロック層、あるいは平滑化層等の他の層を有してバルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子10が構成されてもよい。図2にバルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子の層構成の他の例を示す断面図を示す。図2で示されるように、バルクへテロジャンクション層と陽極(通常、透明電極12側)との中間には正孔輸送層17を、陰極(通常、対電極13側)との中間には電子輸送層18を形成することで、バルクへテロジャンクション層で発生した電荷をより効率的に取り出すことが可能となるため、これらの層を有していることが好ましい。
これらの層を構成する材料としては、例えば、正孔輸送層17としては、スタルクヴイテック社製、商品名BaytronP等のPEDOT、ポリアニリン及びそのドープ材料、WO2006019270号公報等に記載のシアン化合物、などを用いることができる。なお、バルクへテロジャンクション層に用いられるn型半導体材料のLUMO準位よりも浅いLUMO準位を有する正孔輸送層には、バルクへテロジャンクション層で生成した電子を陽極側には流さないような整流効果を有する、電子ブロック機能が付与される。このような正孔輸送層は、電子ブロック層とも呼ばれ、このような機能を有する正孔輸送層を使用するほうが好ましい。このような材料としては、特開平5−271166号公報等に記載のトリアリールアミン系化合物、また酸化モリブデン、酸化ニッケル、酸化タングステン等の金属酸化物等を用いることができる。また、バルクへテロジャンクション層に用いたp型半導体材料単体からなる層を用いることもできる。これらの層を形成する手段としては、真空蒸着法、溶液塗布法のいずれであってもよいが、好ましくは溶液塗布法である。
また電子輸送層18としては、オクタアザポルフィリン、p型半導体のパーフルオロ体(パーフルオロペンタセンやパーフルオロフタロシアニン等)を用いることができるが、同様に、バルクへテロジャンクション層に用いられるp型半導体材料のHOMO準位よりも深いHOMO準位を有する電子輸送層には、バルクへテロジャンクション層で生成した正孔を陰極側には流さないような整流効果を有する、正孔ブロック機能が付与される。このような電子輸送層は、正孔ブロック層とも呼ばれ、このような機能を有する電子輸送層を使用するほうが好ましい。このような材料としては、バソキュプロイン等のフェナントレン系化合物、ナフタレンテトラカルボン酸無水物、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド等のn型半導体材料、及び酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ガリウム等のn型無機酸化物及びフッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化セシウム等のアルカリ金属化合物等を用いることができる。また、バルクへテロジャンクション層に用いたn型半導体材料単体からなる層を用いることもできる。これらの層を形成する手段としては、真空蒸着法、溶液塗布法のいずれであってもよいが、好ましくは溶液塗布法である。
さらに、太陽光利用率(光電変換効率)の向上を目的として、このような光電変換素子を積層した、タンデム型の構成としてもよい。図3は、タンデム型のバルクヘテロジャンクション層を備える有機光電変換素子からなる太陽電池を示す断面図である。タンデム型構成の場合、基板11上に、順次透明電極12、第1の光電変換部14を積層した後、電荷再結合層15を積層した後、第2の光電変換部16、次いで対電極13を積層することで、タンデム型の構成とすることができる。第2の光電変換部16は、第1の光電変換部14の吸収スペクトルと同じスペクトルを吸収する層でもよいし、異なるスペクトルを吸収する層でもよいが、好ましくは異なるスペクトルを吸収する層である。また、電荷再結合層15の材料としては、透明性と導電性を併せ持つ化合物を用いた層であることが好ましく、ITO、AZO、FTO、酸化チタン等の透明金属酸化物、Ag、Al、Au等の非常に薄い金属層、PEDOT:PSS、ポリアニリン等の導電性高分子材料等が好ましい。
また、作製した有機光電変換素子10が環境中の酸素、水分等で劣化しないために、公知の手法によって封止することが好ましい。例えば、アルミまたはガラスでできたキャップを接着剤によって接着することによって封止する手法、アルミニウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等のガスバリア層が形成されたプラスチックフィルムと有機光電変換素子上10を接着剤で貼合する手法、ガスバリア性の高い有機高分子材料(ポリビニルアルコール等)をスピンコートする方法、ガスバリア性の高い無機薄膜(酸化ケイ素、酸化アルミニウム等)を直接堆積する方法、及びこれらを複合的に積層する方法等を挙げることができる。
(光センサアレイ)
次に、以上説明したバルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子10を応用した光センサアレイについて詳細に説明する。光センサアレイは、前記のバルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子が受光によって電流を発生することを利用して、前記の光電変換素子を細かく画素状に並べて作製し、光センサアレイ上に投影された画像を電気的な信号に変換する効果を有するセンサである。
図4は、光センサアレイの構成を示す図である。図4(a)は、平面図であり、図4(b)は、図4(a)のA−A′線断面図である。
図4において、光センサアレイ20は、保持部材としての基板21上に、下部電極としての透明電極22、光エネルギーを電気エネルギーに変換する光電変換部24及び透明電極22と対をなし、上部電極としての対電極23が順次積層されたものである。光電変換部24は、p型半導体材料とn型半導体材料とを一様に混合したバルクヘテロジャンクション層を有してなる光電変換層24bと、バッファ層24aとの2層で構成される。図4に示す例では、2行×3列の計6個のバルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子が形成されている。
これら基板21、透明電極22、光電変換層24b及び対電極23は、前述したバルクヘテロジャンクション型の光電変換素子10における透明電極12、光電変換部14及び対電極13と同等の構成及び役割を示すものである。
基板21には、例えば、ガラスが用いられ、透明電極22には、例えば、ITOが用いられ、対電極23には、例えば、アルミニウムが用いられる。そして、光電変換層24bのp型半導体材料には、本発明の低分子の例示化合物12が用いられ、n型半導体材料には、例えば、bis−PCBMが用いられる。また、正孔輸送層24aには、PEDOT(ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン)−PSS(ポリスチレンスルホン酸)導電性高分子(スタルクヴイテック社製、商品名BaytronP)が用いられる。このような光センサアレイ20は、次のようにして製作された。
ガラス基板上にスパッタリングによりITO膜を形成し、フォトリソグラフィにより所定のパターン形状に加工した。ガラス基板の厚さは、0.7mm、ITO膜の厚さは、200nm、フォトリソグラフィ後のITO膜における測定部面積(受光面積)は、1mm×1mmであった。次に、このガラス基板21上に、スピンコート法(条件;回転数=1000rpm、フィルター径=1.2μm)によりPEDOT−PSS膜を形成した。その後、該基板を、オーブンで140℃、10分加熱し、乾燥させた。乾燥後のPEDOT−PSS膜の厚さは30nmであった。
次に、上記PEDOT−PSS膜の上に、例示化合物12とBis−PCBMの1:1混合物からなるバルクへテロジャンクション層を、スピンコート法(条件;回転数=500rpm、フィルター径=0.4μm)により形成した。バルクへテロジャンクション層の形成後、窒素ガス雰囲気下においてオーブンで140℃、30分加熱しアニール処理を施した。
その後、所定のパターン開口を備えたメタルマスクを用い、バルクへテロジャンクション層の上に、バッファ層としてフッ化リチウムを5nm、上部電極としてのアルミニウム層を100nm、蒸着法により形成した。
その後、窒素雰囲気下でアルミニウムキャップとUV硬化樹脂を用いて封止を行った。以上により、光センサアレイ20が作製された。
作製された、2行×3列の画素を有する光センサアレイ20に対し、中央の列の2画素のみに光があたる様に光を照射し、6画素に順次陽極・陰極間に−0.5Vの電圧を印加して電流値を読み取ったところ、光のあたっている画素のみで電流が観測され、光のあたっていない画素では電流が流れなかった。したがって、前記光センサアレイ20は、光センサとして動作することを確認できた。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<比較の有機光電変換素子1の作製>
ガラス基板上に、インジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を110nm堆積したもの(シート抵抗13Ω/□)を、通常のフォトリソグラフィ技術と塩酸エッチングとを用いて電極幅2mm、電極間間隙2mmにパターニングして、透明電極を形成した。
パターン形成した透明電極を、界面活性剤と超純水による超音波洗浄、超純水による超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行なった。
この透明基板上に、導電性高分子であるBaytron PH510(スタルクヴィテック社製)を30nmの膜厚でスピンコートした後、140℃で大気中10分間加熱乾燥した。
これ以降は、基板をグローブボックス中に持ち込み、窒素雰囲気下で作業した。
まず、窒素雰囲気下で上記基板を180℃で3分間加熱処理した。
クロロベンゼンにp型半導体材料としてプレクストロニクス社製プレックスコアOS2100を1.5質量%、n型半導体材料として下記Solenne社製bis−PCBMを1.5質量%を溶解した液を作製し、0.45μmのフィルタでろ過をかけながら500rpmで60秒、ついで2200rpmで1秒間のスピンコートを行い、室温で30分乾燥した。
Figure 0005245123
次に、上記一連の有機層を成膜した基板を真空蒸着装置内に設置した。2mm幅のシャドウマスクが透明電極と直交するように基板をセットし、10−3Pa以下にまでに真空蒸着機内を減圧した後、フッ化リチウムを5nm、Alを80nmを蒸着した。最後に120℃で30分間の加熱を行い、比較の有機光電変換素子1を得た。なお蒸着速度はいずれも2nm/秒で蒸着し、受光面積2mm□のサイズとした。
得られた有機光電変換素子1は、窒素雰囲気下でアルミニウムキャップとUV硬化樹脂(ナガセケムテックス株式会社製、UV RESIN XNR5570−B1)を用いて封止を行った後に大気下に取り出し、ソーラシュミレーター(AM1.5G)の光を100mW/cmの照射強度で照射して、電圧−電流特性を測定した。この時の初期の光電変換効率を100とし、陽極と陰極の間に抵抗を接続したまま1W/cmの照射強度で24h照射し続けた後、再び100mW/cmでの光電変換効率の相対低下率(%)(小さいほど良い)を評価したところ、耐久試験後の効率は初期値に対して75%であった。
<本発明の及び参考とされる有機光電変換素子2〜6の作製>
比較の有機光電変換素子1の作製において、p型半導体材料をプレックスコアOS2100に代えて、表1に記載の本発明に係る及び参考とされる化合物に変更した以外は、比較の有機光電変換素子1と同様にして有機光電変換素子2〜6を得た。
得られた有機光電変換素子2〜6を、有機光電変換素子1と同様にして、窒素雰囲気下でアルミニウムキャップとUV硬化樹脂を用いて封止を行った後に大気下に取り出し、ソーラシュミレーター(AM1.5G)の光を100mW/cmの照射強度で照射して、電圧−電流特性を測定した。この時の初期の光電変換効率を100とし、陽極と陰極の間に抵抗を接続したまま1W/cmの照射強度で24h照射し続けた後、再び100mW/cmでの測定値を評価し、耐久試験後の光電変換効率の相対低下率(%)を算出した。算出された値は、表1に示す。
Figure 0005245123
表1からわかるように、本発明の有機光電変換素子が、優れた耐久性を示すことがわかる。
バルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子からなる太陽電池の層構成を示す断面図である。 バルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子の層構成の他の例を示す断面図である。 タンデム型のバルクヘテロジャンクション層を備える有機光電変換素子からなる太陽電池を示す断面図である。 光センサアレイの構成を示す図である。
符号の説明
10 バルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子
11、21 基板
12、22 透明電極
13、23 対電極
14、16、24 光電変換部
15 電荷再結合層
17 正孔輸送層
18 電子輸送層
20 光センサアレイ

Claims (9)

  1. 陰極と陽極の間に、下記一般式(3)で表される低分子化合物を含有することを特徴とする有機光電変換素子。
    Figure 0005245123
    式中、A は下記一般式(1)で表される部分構造であって、A およびA は、各々置換若しくは無置換のチアゾール環、ピラゾール環、イミダゾール環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、またはこれらを含有する縮合環構造を表す。p、q、rは1〜4の整数を表し、sは0〜4の整数を表す。〕
    Figure 0005245123
    〔式中、Zは、置換若しくは無置換の、5員若しくは6員の芳香族環、またはこれらが縮合した縮合芳香族環を形成するに必要な原子群を表し、R およびR は、各々水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは無置換の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基、シリル基、エーテル基、チオエーテル基、またはアミノ基を表し、更にR およびR が互いに結合して環構造を形成しても良い。
  2. 前記一般式(1)で表される部分構造A が、下記一般式(2)で表される部分構造であることを特徴とする請求項1に記載の有機光電変換素子。
    Figure 0005245123
    〔式中、R 〜R は、各々水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基、シリル基、エーテル基、チオエーテル基、またはアミノ基を表し、更にはR およびR 、またはR およびR が互いに結合して環構造を形成しても良い。〕
  3. 前記一般式(3)において、A はアルキル基で置換されたチアゾール環、ピラゾール環、イミダゾール環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、またはこれらを含有する縮合環構造であることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機光電変換素子。
  4. 前記一般式(3)で表される低分子化合物が、p型半導体材料とn型半導体材料が混合したバルクヘテロジャンクション層に、p型半導体材料として含まれることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機光電変換素子。
  5. 前記バルクヘテロジャンクション層に、前記n型半導体材料として、フラーレン誘導体が含まれることを特徴とする請求項4に記載の有機光電変換素子。
  6. 前記一般式(1)で表される部分構造を有する低分子化合物の化学構造式内において、最大のπ共役長を有する共役鎖の両末端が、ともに無置換の芳香族炭化水素環で置換されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の有機光電変換素子。
  7. 前記一般式(3)で表される低分子化合物を含有するバルクヘテロジャンクション層が、溶液プロセスによって形成されたことを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載の有機光電変換素子。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の有機光電変換素子からなることを特徴とする太陽電池
  9. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の有機光電変換素子がアレイ状に配置されてなることを特徴とする光センサアレイ
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