JP5397379B2 - 有機光電変換素子、及びその製造方法 - Google Patents

有機光電変換素子、及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は有機光電変換素子に関する。特にエネルギー変換効率に優れ、折り曲げに対する耐久性、光照射に対する耐久性が向上したフレキシブル型有機光電変換素子、及びその製造方法に関する。
有機太陽電池は塗布法で形成できることから、大量生産に適した太陽電池として注目され、多くの研究機関で盛んに研究がなされている。有機太陽電池は有機ドナー材料と有機アクセプター材料を混合した、所謂バルクヘテロジャンクション構造によって、課題だった電荷分離効率を向上させている(例えば、特許文献1参照)。結果としてエネルギー変換効率は5%台まで向上し、一気に実用レベルにまで発展してきた分野と言える。
上述したバルクへテロジャンクション型の有機太陽電池は、光吸収によって形成した励起子を失活する前に効率よく電荷分離できることが特徴だが、発生したフリーキャリアは、有機ドナー材料または有機アクセプター材料がそれぞれ相分離した形で存在するパーコレーション構造中を拡散によって移動するため、両極性のフリーキャリア同士が電極上で再結合してしまい、エネルギー変換効率の低下を起こしやすいといった課題があった。
それに対し、発電層と電極間に励起子ブロック層を設けることで電極上でのキャリア再結合を抑制する技術が紹介されており(例えば、特許文献2参照)、高効率化に向けて重要な知見と言える。
しかしながら、バルクヘテロジャンクション型の発電層と励起子ブロック層とを積層すると、界面近傍に電気的な障壁が形成されてしまい、そこが再結合サイトになって高効率化の効果を十分に得られないことがあった。
また、同様に、界面近傍に形成される電気的な障壁が光照射下での効率低下を引き起こすことがあり、実用上の課題となっていた。
また、pn層間に連続した混在領域を設けることで、電荷分離とキャリア取り出しを両立しようとする試みが紹介されている(例えば、特許文献3参照)が、この方法では電荷分離能に優れる最適なバルクへテロジャンクション構造領域が極めて狭く、十分な変換効率を得ることができなかった。
混在領域を生産性に優れる塗布法で形成させる場合、膜厚方向に対して濃度勾配を制御することは、従来文献で紹介されているような塗布プロセスでは容易に製膜することができず、所望する性能と塗布による生産性の両立ができていなかった。
更にはこれらの構成を塗布法で形成したフレキシブル有機太陽電池に適用すると、繰り返しの折り曲げによって変換効率が低下する挙動が見られ、実用上の課題となっていた。
米国特許第5,331,183号明細書 米国特許第7,026,041号明細書 特開2005−244159号公報
本発明は上述したような従来の課題を解決するためのもので、その目的は、エネルギー変換効率に優れ、繰り返しの折り曲げに対して高い耐久性を有し、光耐久性に優れるフレキシブルな有機光電変換素子、及びその製造方法を提供することにある。
本発明の上記課題は、以下の構成により達成される。
1.第1の電極と第2の電極との間に少なくとも電荷輸送部と光電変換部とを積層してなる有機光電変換素子において、該光電変換部がp型半導体材料と下記一般式(2)で表されるモノマーの重合体を含むn型半導体材料とのバルクヘテロジャンクション構造からなり、該p型半導体材料と該n型半導体材料との質量換算比による連続的な濃度勾配の領域が存在することを特徴とする有機光電変換素子;
(式中、R 、R は置換または無置換のアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、シリル基から選ばれる置換基を表し、L 、L は置換または無置換のアルキレン基、アルケンジイル基、アルキンジイル基、シクロアルキレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、シリレン基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、またはこれらが複数連結した構造を表す。G 、G はネットワーク構造の結合鎖となる重合基である。なお、式中、球状のフラーレン構造の内一方の半球部分のみを示し、他方の半球部分は省略しており、フラーレン構造に置換するG 、R 、L を含む第1置換基と、G 、R 、L を含む第2置換基の位置関係は任意である。)
2.前記電荷輸送部が主に正孔を輸送する正孔輸送部であることを特徴とする前記1に記載の有機光電変換素子;
3.前記電荷輸送部が主に電子を輸送する電子輸送部であることを特徴とする前記1に記載の有機光電変換素子;
4.前記電荷輸送部が少なくとも主に正孔を輸送する正孔輸送部と主に電子を輸送する電子輸送部とを含み、前記光電変換部が前記正孔輸送部と前記電子輸送部によって挟まれた構造を有することを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の有機光電変換素子;
5.前記連続的な濃度勾配の領域が塗布法または印刷法によって形成されることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の有機光電変換素子;
6.前記1〜5のいずれか1項に記載の有機光電変換素子の製造方法であって、p型半導体材料前駆体とn型半導体材料前駆体のうち少なくともどちらか一方を有する溶液を塗布する前駆体塗布工程と、塗布した膜の不要部を除去するパターニング工程と、外部刺激処理によって該p型半導体材料前駆体と該n型半導体材料前駆体のうち少なくともどちらか一方の化学構造変化を誘発し、該化学構造変化が誘発した前駆体を不溶化させる不溶化工程とを含むことを特徴とする有機光電変換素子の製造方法;
7.前記p型半導体材料前駆体と前記n型半導体材料前駆体のうち少なくとも一方が、架橋性の置換基を有した前駆体であり、且つ前記不溶化工程で前駆体のうち少なくとも一部を架橋させ不溶化させることを特徴とする前記6に記載の有機光電変換素子の製造方法;
8.前記p型半導体材料前駆体と前記n型半導体材料前駆体のうち少なくとも一方が、外部刺激処理によって化学構造変化を起こす前駆体であり、且つ前記不溶化工程で前駆体を化学構造変化させて不溶化させることを特徴とする前記6に記載の有機光電変換素子の製造方法;
9.前記外部刺激処理が加熱処理、UV光照射処理、あるいは加熱処理とUV光照射処理の併用のいずれかの処理であることを特徴とする前記6〜8のいずれか1項に記載の有機光電変換素子の製造方法;
10.少なくとも、前記前駆体塗布工程と、前記パターニング工程と、前記不溶化工程とを含む工程群を繰り返し行うことで、逐次積層された発電領域を形成することを特徴とする前記6〜9のいずれか1項に記載の有機光電変換素子の製造方法;
11.前記p型半導体材料前駆体と前記n型半導体材料前駆体の混合比が異なる塗布液を逐次積層することで、少なくとも連続的な濃度勾配を有する逐次積層された発電領域を形成することを特徴とする前記10に記載の有機光電変換素子の製造方法;
12.前記逐次積層された発電領域が、連続的な濃度勾配を有する領域と、濃度が一定な領域とをそれぞれ含むことを特徴とする前記10または11に記載の有機光電変換素子の製造方法。
発明の効果
本発明により、エネルギー変換効率に優れ、繰り返しの折り曲げに対して高い耐久性を有し、光耐久性に優れるフレキシブルな有機光電変換素子、及びその製造方法が提供できる。
本発明の有機光電変換素子の製造方法の概略図である。 バルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子を示す断面図である。 本発明における濃度勾配を模式的に示す図である。 タンデム型のバルクヘテロジャンクション層を備える有機光電変換素子からなる太陽電池を示す断面図である。
以下、本発明について詳述する。
本発明の有機光電変換素子は、第1の電極と第2の電極との間に少なくとも電荷輸送部と光電変換部とを積層してなる有機光電変換素子において、光電変換部がp型半導体材料とn型半導体材料とのバルクヘテロジャンクション構造からなり、p型半導体材料とn型半導体材料との質量換算比による連続的な濃度勾配の領域が第1の電極と第2の電極との間に少なくとも存在することを特徴とする。
本発明の有機光電変換素子の製造方法について図を用いて説明する。図1(a)は、導電性基板1の上に、p型半導体材料前駆体とn型半導体材料前駆体のうち少なくともどちらか一方を有する溶液を塗布する前駆体塗布工程と、塗布した膜の不要部を除去するパターニング工程と、外部刺激処理によって前駆体の化学構造変化を誘発し、前駆体を不溶化させる不溶化工程とを行って、光電変換部(バルクヘテロジャンクション層)2を形成する。図1(b)は、光電変換部2の上に、同様な前駆体塗布工程と、パターニング工程と、不溶化工程とを行い、3を形成する。以下、同様にして光電変換部4、5を形成する。必要ならば、更に光電変換部を形成する。この際、光電変換部2〜5のp型半導体材料前駆体とn型半導体材料前駆体混合比を変えて、連続的な濃度勾配を有する逐次積層された光電変換部を形成してもよく、あるいは連続的な濃度勾配を有する領域と、濃度が一定な領域を形成することができる。
上述したp型半導体材料前駆体、もしくはn型半導体材料前駆体は、少なくとも一方が架橋性の置換基を有した前駆体であることが好ましい。特に、後述する外部刺激処理によってキャリアトラップや素子寿命に影響するような副生成物が発生せず、前駆体同士がネットワーク化し半導体材料となる態様が好ましく、具体的な置換基としてはビニル基やエポキシ基が挙げられ、特にビニル基である化合物が好ましい。
半導体材料前駆体に処理する外部刺激としては、上述した架橋性の置換基の一部が架橋し、ネットワークを形成すれば如何なる外部刺激も好ましく用いることができる。例えば、加熱処理、及びUV光照射処理、またはその両方を組み合わせ処理することが好ましく、光電変換の性能、素子寿命から適宜処理条件を選択することができる。
本発明の有機光電変換素子の製造方法においては、パターニング工程を有することが特徴である。好ましくは、上述した外部刺激処理による不溶化工程前にパターニング工程を有することであり、前駆体塗布工程、パターニング工程、不溶化工程をこの順で行うことが更に好ましい。パターニング工程は、公知の如何なる方法においても本発明の効果が損なわれない限り適用できる。パターニング工程の例としては、物理的なスクラブ法、光学的なスクラブ法、レーザースクラブ法などを挙げることができる。
また、凸版印刷、インクジェット印刷、スクリーン印刷等の各種印刷法や、フォトエッチングなどのパターニング法、予めマスキングした後に塗布し、マスクを取り除くことでパターニングする方法が挙げられる。予めバンクを形成しておいて、その中に塗布液を流し込む方法などによって、前記塗布工程とパターニング工程を行ってもよい。
より好ましい例としては、前駆体塗布液を塗布乾燥した後、その塗布液と同じ溶媒か、もしくは溶解度パラメータが近い溶媒を用いて拭き取ることでパターンを形成する方法が挙げられる。
本発明の有機光電変換素子について、図2を用いて詳細に説明する。図2は、バルクへテロジャンクション型光電変換素子の基本構造を示す概略断面図である。
図2において、バルクヘテロジャンクション型有機光電変換素子10は、基板11の一方面上に、透明電極12(第1の電極)、電荷輸送部15及び16、バルクヘテロジャンクション構造を有する光電変換部14及び対電極13(第2の電極)が図2に示すように順次積層された構造からなる。更に本発明の有機光電変換素子では、光電変換部14が少なくともp型半導体材料とn型半導体材料とのバルクヘテロジャンクション構造からなり、p型半導体材料とn型半導体材料との質量換算比による連続的な濃度勾配の領域が第1の電極と第2の電極との間に少なくとも存在することを特徴とする。
本願の光電変換部14を構成するバルクヘテロジャンクション構造とは、少なくともp型半導体材料とn型半導体材料との混合体からなり、且つ各々の材料が相分離することでドメイン構造を有し、電荷を取り出すために立体的に接続された構造を言う。また、光電変換部は光吸収によって発生した励起子が、p型半導体材料とn型半導体材料との界面で電荷分離し、フリーな電荷が発生する機能を有する領域を言う。
更に本願の電荷輸送部15(または16)とは、1種の材料からなる領域や複数種の半導体材料が混合されていても、相分離せず均一相となっている領域を言う。また、電荷輸送部はフリーな電荷を輸送する機能を有し、光を吸収しても電荷分離などによって新たな電荷が発生しない領域を言う。
本願のp型半導体材料とn型半導体材料との質量換算比は、それぞれの材料の質量比からp/n比として定義することができる。
図3において、本発明における濃度勾配を模式的に例示するために、p/n比と素子厚み方向の深さの関係を示した。図3の(A)は従来の層構造を示す一例であり、一般的に用いられている層状の濃度分布を示す。また、図3(B)も従来の層構造を例示したもので、例えば、特開2005−244159号公報や、国際公開第05/4252A3号パンフレットで紹介されるような、p型半導体層とn型半導体層との界面に濃度分布を有する構成である。図3(A)の構造は塗布法で形成したフレキシブル有機太陽電池に適用すると、繰り返しの折り曲げによって変換効率が低下する挙動が見られ、実用上の課題となっていた。また、図3(B)の構造は電荷分離能に優れる最適なバルクへテロジャンクション構造領域が極めて狭く、十分な変換効率を得ることができなかった。図3(B)は、p型半導体層とn型半導体層それぞれの塗布の結果、p/n比の濃度分布が急激に変化しており、バルクへテロジャンクション構造領域が極めて狭くなったものであり、本発明外である。
図3(C)は、本発明で好ましく用いることができる層構造を例示したもので、図2の断面図を用いて説明すると、例えば、第1の電極側に形成された電荷輸送部15が主に正孔輸送性材料からなる場合、第2の電極側に形成された電荷輸送部16は電子輸送性材料からなることが好ましく、更には電荷輸送部15と接する光電変換部14のp/n比が高く、電荷輸送部16と接する光電変換部14のp/n比が低く、電荷輸送部15側から電荷輸送部16側に向かって光電変換部14のp/n比が連続的に低くなっていく構成を挙げることができ、本発明において好ましい態様である。なお、p/n比はp型半導体材料と該n型半導体材料との質量換算比であるが、その質量換算比は本発明において特に限定されず、p型の方がn型より多くても、少なくても本願の効果を得ることができる。
図3(D)は、本発明で好ましく用いることができる層構造を例示したもので、図2の断面図を用いて説明すると、電荷輸送部15(または16)から光電変換部14にかけて、少なくとも連続的な濃度勾配を有する領域と濃度勾配を有さない領域とを有する構成を挙げることもでき、本発明において更に好ましい態様である。
図3(E)は、本発明で好ましく用いることができる層構造を例示したもので、図2の断面図を用いて説明すると、電荷輸送部15(または16)から光電変換部14にかけて、少なくとも連続的な濃度勾配を有する領域と濃度勾配を有さない領域とを有し、且つ電荷輸送層15(または16)の均一層が形成される構成を挙げることができ、本発明において更に好ましい態様である。
本発明における連続的な濃度勾配を有する領域は、少なくとも光電変換部14に存在し、光電変換部14から電荷輸送部15(または16)にかけての界面近傍に分布していることが好ましい。更には連続的な濃度勾配を有する領域と濃度勾配を有さない領域とが光電変換部14に存在することが好ましく、更に好ましくは連続的な濃度勾配を有する領域と濃度勾配を有さない領域とが光電変換部14に存在し、且つ連続的な濃度勾配を有する領域が光電変換部14から電荷輸送部15(または16)にかけての界面近傍に分布していることが更に好ましい。
本発明において、電荷輸送部は正孔輸送部、または電子輸送部であり、光電変換部が正孔輸送部と電子輸送部によって挟まれた構造が好ましい。
本発明における連続的な濃度勾配を有する領域とは、バルクヘテロジャンクション構造を有していることが特徴である。ここで連続的とは、少なくともp/n比の異なる領域が複数積層された構造を言い、徐々にp/n比が変化する構成や、段階的だが複数層に亘ってp/n比が変化する構成を表し、連続的に濃度が変化していく構造を言う。連続的な濃度勾配を有する領域の構成としては、例えば、p/n比の異なる層を数層〜数百層積層することで、本願の連続的な濃度勾配を有する領域を形成することができ、好ましくはp/n比が異なる層を3層以上積層することが好ましく、更には10層以上積層することが好ましく、最も好ましくは実質的に連続的な濃度勾配になる様積層することが好ましい。
本発明における連続的な濃度勾配を有する領域を形成する方法としては、本願の構成を実現できる方法であれば如何なる方法を用いることもでき、蒸着法、または塗布法であることが好ましく、中でも塗布法が好ましい。
塗布法においては、一般的なキャスト法、スピンコート法、各種の印刷法などを用いることができ、p/n比の異なる塗布溶液を積層し製膜することが好ましい。具体的には、半導体材料を溶解した塗布溶液を前面に塗布後、拭き取り工程において所望の形状にパターニングするか、予めパターン状に塗布する方法が好ましい。
連続的な濃度勾配を有する領域は、例えば、所望のp/n比に調整した硬化性の半導体材料溶液を塗布後、熱処理または光照射などによって半導体膜を不溶化し、続けて下層に形成したp/n比とは異なる濃度の半導体材料溶液を積層塗布するといった工程を繰り返すことで、所望の連続した濃度勾配を有する領域を形成することが可能となる。
半導体膜の不溶化は溶解性の低い高分子化合物を用いることが好ましく、更に好ましくは塗布製膜後に、例えば、熱処理または光照射といった何らかの外部刺激によって、ネットワーク構造を有す高分子膜を形成し不溶化する構成が好ましい。
上述の高分子半導体材料の分子量は、好ましくは分子量が1000以上、より好ましくは2000以上、更に好ましくは5000以上の化合物を高分子化合物と区分する。なお、分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定することができるが、後述するようなネットワーク構造を有するような高分子の場合は、正確に分子量を特定することは困難である。
本発明における連続的な濃度勾配を有する領域の評価方法としては、例えば、ダイナミック二次イオン質量分析法(Dynamic−SIMS)により深さ方向の濃度分布を解析的に評価する方法や、表面・界面物性評価装置(SAICAS)と飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)を併用することで解析的に連続的な濃度勾配を評価することができる。後者の方法では、SAICASを用いて断層を拡張した表面切削試料を作成し、TOF−SIMSにより二次イオンの質量分析をすることで、有機物の分子構造を破壊せずに断面方向の質量分布を評価できる。
以下、本発明で好ましく用いることができるn型半導体材料、p型半導体材料について詳しく説明する。ここで、n型、p型とは、半導体材料で電気伝導に寄与するのが電子であるか、正孔であるかを示している。
〔n型半導体材料〕
本発明の有機光電変換素子は、p型半導体材料前駆体とn型半導体材料前駆体のうち少なくともどちらか一方を有する溶液を塗布する前駆体塗布工程と、塗布した膜の不要部を除去するパターニング工程と、外部刺激処理によって前駆体の化学構造変化を誘発し、前駆体を不溶化させる不溶化工程とを含むことを特徴とする方法によって製造される。
本発明の好ましいn型半導体としては、架橋性の置換基を有した前駆体を挙げることができ、且つ不溶化工程で前駆体同士が架橋し、上層に塗布する溶液に対して不溶化させることができることが好ましい。
n型半導体材料の例としては、フラーレン、オクタアザポルフィリン、p型半導体のパーフルオロ体(パーフルオロペンタセンやパーフルオロフタロシアニン等)、ナフタレンテトラカルボン酸無水物、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド等の芳香族カルボン酸無水物やそのイミド化物を骨格として含む、高分子化合物が挙げられる。
中でも、フラーレン含有高分子化合物が好ましい。フラーレン含有高分子化合物としては、フラーレンC60、フラーレンC70、フラーレンC76、フラーレンC78、フラーレンC84、フラーレンC240、フラーレンC540、ミックスドフラーレン、フラーレンナノチューブ、多層ナノチューブ、単層ナノチューブ、ナノホーン(円錐型)等を骨格に持つ高分子化合物が挙げられる。フラーレン含有高分子化合物では、フラーレンC60を骨格に持つ高分子化合物(誘導体)が好ましい。
フラーレン含有ポリマーとしては、大別してフラーレンが高分子主鎖からペンダントされたポリマーと、フラーレンが高分子主鎖に含有されるポリマーとに大別されるが、フラーレンがポリマーの主鎖に含有されている化合物が好ましい。これは、フラーレンが高分子主鎖に含有されるようなポリマーは、分岐構造を有さないため、固体化した際に高密度なパッキングが形成でき、結果として高い移動度を得ることができるためではないかと推定される。
具体的には、下記一般式(1)で表される化合物を好適に用いることができる。
一般式(1)において、R、Rは置換または無置換のアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、シリル基から選ばれる置換基を表し、L、Lは置換または無置換のアルキレン基、アルケンジイル基、アルキンジイル基、シクロアルキレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、シリレン基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、またはこれらが複数連結した構造を表す。nは2以上の整数を表す。
、Rで表される置換または無置換のアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、シリル基としては、具体的には、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アラルキル基(例えば、ベンジル基、2−フェネチル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、p−クロロフェニル基、メシチル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基、アズレニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、インデニル基、ピレニル基、ビフェニリル基等)、ヘテロアリール基(例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、キナゾリニル基、フタラジニル基等)、シリル基(例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基等)が挙げられ、これらの置換基としては、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルキルシリル基について、具体的には、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等)、ハロゲン化アルキル基(例えば、トリフルオロメチル基、1,1,1−トリフルオロプロピル基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基等)、アルキニル基(例えば、エチニル基、プロパルギル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、p−クロロフェニル基、メシチル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基、アズレニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、インデニル基、ピレニル基、ビフェニリル基等)、ハロゲン化アリール基(ペンタフルオロフェニル基、ペンタクロロフェニル基等)、ヘテロアリール基(例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、キナゾリニル基、フタラジニル基等)、アルキルシリル基(例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピル(iまたはn)シリル基、トリブチル(i、tまたはn)シリル基等)が挙げられ、これらの置換基は上記の置換基によって更に置換されていても、複数が互いに結合して環を形成していてもよい。
、Lで表される置換または無置換のアルキレン基、アルケンジイル基、アルキンジイル基、シクロアルキレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、シリレン基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基としては、炭素数1〜22のアルキレン基、アルケン−1,2−ジイル基、アルキン−1,2−ジイル基、シクロアルキレン基が挙げられ、アリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基が挙げられ、フェニレン基が好ましい。ヘテロアリーレン基としては、フリレン基、チエニレン基、ピリジニレン基、ピリダジニレン基、ピリミジニレン基、ピラジニレン基、トリアジニレン基、イミダゾリニレン基、ピラゾリニレン基、チアゾリニレン基、キナゾリニレン基、フタラジニレン基が挙げられる。シリレン基としては、ジメチルシリレン基、ジフェニルシリレン基等が挙げられる。
更に好ましくは、n型半導体が架橋したネットワーク構造を形成していることである。このようなネットワーク構造を形成することで、バルクヘテロジャンクション層の積層や、その上に正孔輸送層、電子輸送層、正孔ブロック層、電子ブロック層等を溶液プロセスで形成する際に、下の層が溶解してしまうことがなくなるため、材料同士が混合することがなくなり、本発明の効果を如何なく発揮することができ、更には剛性の高いn型キャリアパス構造を形成することができ、p型層とn型層の相分離構造が経時で変化することを防ぎ、結果として高い耐久性を有する有機光電変換素子を得ることができる。
更なる副次的な効果としては、バルクへテロジャンクション層の上に正孔輸送層、電子輸送層、正孔ブロック層、電子ブロック層等を溶液プロセスで形成する際に、バルクへテロジャンクション層が溶解してしまうことがなくなるため、前記の層を構成する材料とバルクへテロジャンクション層を形成する材料とが混合することがなくなり、一層の効率向上、寿命向上を達成することができる。
三次元ネットワーク構造を形成することが可能なフラーレン含有モノマーは、下記一般式(2)で示される。
式中、R、Rは置換または無置換のアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、シリル基から選ばれる置換基を表し、L、Lは置換または無置換のアルキレン基、アルケンジイル基、アルキンジイル基、シクロアルキレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、シリレン基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、またはこれらが複数連結した構造を表す。G、Gはネットワーク構造の結合鎖となる重合基である。なお、式中、球状のフラーレン構造の内一方の半球部分のみを示し、他方の半球部分は省略しており、フラーレン構造に置換するG、R、Lを含む第1置換基と、G、R、Lを含む第2置換基の位置関係は任意である。なお、R、Rは一般式(1)のR、Rに対応し、L、LはL、Lに対応する。
そのような例としては、以下のような化合物を挙げることができる。
これらの化合物は、J.Mater.Chem.,vol.15(2005),p5158,Adv.Mater.,vol.20(2008),p2116、Angewadte Chemie,International Edition,vol.41(2002),p838等を参考として、モノマーを合成することができる。
これらの化合物の中でも、重合架橋反応後にキャリアトラップとなる官能基が発生しない重合基(前記一般式(2)中G、G)として、ビニル基である化合物が好ましい。
なお、これらのネットワークを形成する高分子化合物は溶剤に不溶であるため、モノマーの状態でバルクへテロジャンクション層を形成後に、熱、光、放射線、及び重合開始反応を引き起こす化合物蒸気に曝す等の方法によって重合架橋反応を引き起こし、ネットワーク構造を形成させることができる。また、熱、光、放射線等によって重合開始反応を引き起こす重合開始剤を予め混合しておいてもよい。これらの方法の中でも、熱または光によって重合架橋反応を起こすことが好ましく、中でも重合開始剤を用いずに重合架橋可能な化合物が好ましい。
〔p型半導体材料〕
本発明に用いられるp型半導体材料としては、種々の縮合多環芳香族化合物や共役系化合物が挙げられる。
縮合多環芳香族化合物としては、例えば、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン、へプタセン、クリセン、ピセン、フルミネン、ピレン、ペロピレン、ペリレン、テリレン、クオテリレン、コロネン、オバレン、サーカムアントラセン、ビスアンテン、ゼスレン、ヘプタゼスレン、ピランスレン、ビオランテン、イソビオランテン、サーコビフェニル、アントラジチオフェン等の化合物、及びこれらの誘導体や前駆体が挙げられる。
共役系化合物としては、例えば、ポリチオフェン及びそのオリゴマー、ポリピロール及びそのオリゴマー、ポリアニリン、ポリフェニレン及びそのオリゴマー、ポリフェニレンビニレン及びそのオリゴマー、ポリチエニレンビニレン及びそのオリゴマー、ポリアセチレン、ポリジアセチレン、テトラチアフルバレン化合物、キノン化合物、テトラシアノキノジメタン等のシアノ化合物、フラーレン及びこれらの誘導体あるいは混合物を挙げることができる。
また、特にポリチオフェン及びそのオリゴマーの内、チオフェン6量体であるα−セクシチオフェンα,ω−ジヘキシル−α−セクシチオフェン、α,ω−ジヘキシル−α−キンケチオフェン、α,ω−ビス(3−ブトキシプロピル)−α−セクシチオフェン、等のオリゴマーが好適に用いることができる。
その他、高分子p型半導体の例としては、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリピロール、ポリパラフェニレンスルフィド、ポリチオフェン、ポリフェニレンビニレン、ポリカルバゾール、ポリイソチアナフテン、ポリヘプタジイン、ポリキノリン、ポリアニリンなどが挙げられ、更には特開2006−36755号公報などの置換−無置換交互共重合ポリチオフェン、特開2007−51289号公報、特開2005−76030号公報、J.Amer.Chem.Soc.,2007,p4112、J.Amer.Chem.Soc.,2007,p7246などの縮環チオフェン構造を有するポリマー、国際公開第08/664号パンフレット、Adv.Mater.,2007,p4160、Macromolecules,2007,Vol.40,p1981などのチオフェン共重合体などを挙げることができる。
上述したような高分子半導体材料は、前駆体の層を形成した後、外部刺激処理によって前駆体を化学構造変化させて高分子半導体材料を形成する態様が本発明において好ましい。重合架橋反応後にキャリアトラップとなる官能基が発生しない重合基として、ビニル基を有する化合物がより好ましい。
なお、これらのネットワークを形成する高分子化合物は溶剤に不溶であるため、モノマーの状態でバルクヘテロジャンクション層を形成後に熱、光、放射線、及び重合開始反応を引き起こす化合物蒸気に晒す等の方法によって重合架橋反応を引き起こし、ネットワーク構造を形成させることができる。また、熱、光、放射線等によって重合開始反応を引き起こす重合開始剤を予め混合しておいてもよい。これらの方法の中でも、熱または光によって重合架橋反応を起こすことが好ましく、中でも重合開始剤を用いずに重合架橋可能な化合物が好ましい。
更にポルフィリンや銅フタロシアニン、テトラチアフルバレン(TTF)−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)錯体、ビスエチレンテトラチアフルバレン(BEDTTTF)−過塩素酸錯体、BEDTTTF−ヨウ素錯体、TCNQ−ヨウ素錯体、等の有機分子錯体、C60、C70、C76、C78、C84等のフラーレン類、SWNT等のカーボンナノチューブ、メロシアニン色素類、ヘミシアニン色素類等の色素等、更にポリシラン、ポリゲルマン等のσ共役系ポリマーや特開2000−260999号公報に記載の有機・無機混成材料も用いることができる。
これらのπ共役系材料の内でも、ペンタセン等の縮合多環芳香族化合物、フラーレン類、縮合環テトラカルボン酸ジイミド類、金属フタロシアニン、金属ポルフィリンよりなる群から選ばれた少なくとも1種が好ましい。
ペンタセン類の例としては、国際公開第03/16599号パンフレット、国際公開第03/28125号パンフレット、米国特許第6,690,029号明細書、特開2004−107216号公報等に記載の置換基を持ったペンタセン誘導体、米国特許出願公開第2003/136964号明細書等に記載のペンタセンプレカーサ、J.Amer.Chem.Soc.,vol.127.No14.4986等に記載の置換アセン類及びその誘導体等が挙げられる。
これらの化合物の中でも、溶液プロセスが可能な程度に有機溶剤への溶解性が高く、且つ乾燥後は結晶性薄膜を形成し、高い移動度を達成することが可能な化合物が好ましい。そのような化合物としては、J.Amer.Chem.Soc.,vol.123、p9482、J.Amer.Chem.Soc.,vol.130(2008)、No.9、2706等に記載のトリアルキルシリルエチニル基で置換されたアセン系化合物、及び米国特許出願公開第2003/136964号明細書等に記載のペンタセンプレカーサ、特開2007−224019号公報等に記載のポルフィリンプレカーサー等のような、プレカーサータイプの化合物(前駆体)が挙げられる。これらの中でも、後者のプリカーサータイプの方が好ましく用いることができる。
これは、プリカーサータイプの方が変換後に不溶化するため、バルクヘテロジャンクション層の上に、更にバルクヘテロジャンクション層を積層したり、正孔輸送層、電子輸送層、正孔ブロック層、電子ブロック層等を溶液プロセスで形成したりする際に、バルクヘテロジャンクション層が溶解してしまうことがなくなるため、前記の層を構成する材料とバルクヘテロジャンクション層を形成する材料とが混合することがなくなり、一層の効率向上、寿命向上を達成することができるためである。
本発明の有機光電変換素子のp型半導体材料としては、p型半導体材料前駆体に熱、光、放射線、化学反応を引き起こす化合物の蒸気に曝す、等の方法によって化学構造変化を起こし、p型半導体材料に変換された化合物であることが好ましい。中でも、熱または光によって化学構造変化を起こす化合物が好ましい。
また、バルクヘテロジャンクション層がp型半導体材料前駆体及びn型半導体材料を溶解した溶液から形成された層であることが好ましく、更にバルクヘテロジャンクション層は、この層を形成した後、加熱または光照射することによって形成された層であることが好ましい。
p型半導体材料前駆体は加熱または光照射によりp型半導体材料に変換するが、上記の加熱または光照射の前後において、化学構造が変化し、有機光電変換素子構成層の塗布(溶液塗布)による構成層形成に用いる溶媒への溶解性が大きく変化する化合物であることが好ましい。具体的には、溶媒溶解性だったp型半導体材料前駆体が加熱または光照射により溶媒不溶解性へ変化することが好ましい。
上記のように加熱または光照射の前後において、有機光電変換素子構成層の塗布(溶液調製)に用いる溶媒に対する溶解性調整の観点から、p型半導体材料前駆体含有層中のp型半導体材料前駆体の分子量Aと、該前駆体の変換処理により形成されたp型半導体材料の分子量Bとが、下記の不等式(1)を満たすことが好ましい。
不等式(1) 分子量A>分子量B
ここで、上記の不等式(1)は、p型半導体材料前駆体からp型半導体材料へと化学構造が変化するときに、前駆体の部分構造の変化、例えば、置換基の脱離、化学結合の開裂等が起こることで、前駆体の分子量Aが変化することが好ましい態様として挙げられる。
また、置換基の脱離、化学結合の開裂等が起こる場合には、脱離した置換基や、化学結合の開裂によって生じた分子が、p型半導体材料、有機光電変換素子の特性を著しく損なわない限りいかなる構造でもよく、更には有機光電変換素子の系外にすみやかに除去しやすいものであることが好ましい。
これらのp型半導体材料の中でも、特にテトラベンゾポルフィリン誘導体が好ましく用いられる。
テトラベンゾポルフィリン誘導体の例としては下記の化合物が挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。
テトラベンゾポルフィリン誘導体前駆体の例としては、下記一般式(3)、(4)で表される化合物が挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。
一般式(3)、(4)において、Zia及びZib(iは1〜4の整数を表す)は、各々独立に1価の原子または原子団を表す。但し、ZiaとZibとが結合して環を形成していてもよい。R〜Rは、各々独立に1価の原子または原子団を表す。Y〜Yは、各々独立に1価の原子または原子団を表す。Mは、2価の金属原子または3価以上の金属と他の原子とが結合した原子団を表す。
ia及びZibの例を挙げると、原子としては、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子等が挙げられる。一方、原子団としては、水酸基、アミノ基、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、シアノ基、アシル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシ基、ジアルキルアミノ基、ジアラルキルアミノ基、ハロアルキル基、芳香族炭化水素環基、芳香族複素環基等の有機基等が挙げられる。
前記の有機基の内、アルキル基の炭素数は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常12以下、好ましくは8以下である。アルキル基の炭素数を12以下とすることで高い半導体特性が得られるだけでなく、最適な溶解性により積層時の再溶解を低減し、更には耐熱性がより高くなるため好ましい。このアルキル基の例としては、メチル基、エチル基等が挙げられる。
前記の有機基の内、アラルキル基の炭素数は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常12以下、好ましくは8以下である。アラルキル基の炭素数を12以下とすることで高い半導体特性が得られるだけでなく、最適な溶解性により積層時の再溶解を低減し、更には耐熱性がより高くなるため好ましい。このアラルキル基の例としては、ベンジル基等が挙げられる。
前記の有機基の内、アルケニル基の炭素数は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常12以下、好ましくは8以下である。アルケニル基の炭素数を12以下とすることで高い半導体特性が得られるだけでなく、最適な溶解性により積層時の再溶解を低減し、更には耐熱性がより高くなるため好ましい。このアルケニル基の例としては、ビニル基等が挙げられる。
前記の有機基の内、アシル基の炭素数は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常12以下、好ましくは8以下である。アシル基の炭素数を12以下とすることで高い半導体特性が得られるだけでなく、最適な溶解性により積層時の再溶解を低減し、更には耐熱性がより高くなるため好ましい。このアシル基の例としては、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
前記の有機基の内、アルコキシ基の炭素数は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常12以下、好ましくは8以下である。アルコキシ基の炭素数を12以下とすることで高い半導体特性が得られるだけでなく、最適な溶解性により積層時の再溶解を低減し、更には耐熱性がより高くなるため好ましい。このアルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられる。
前記の有機基の内、アルコキシカルボニル基の炭素数は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常12以下、好ましくは8以下である。アルコキシカルボニル基の炭素数を12以下とすることで高い半導体特性が得られるだけでなく、最適な溶解性により積層時の再溶解を低減し、更には耐熱性がより高くなるため好ましい。このアルコキシカルボニル基の例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等が挙げられる。
前記の有機基の内、アリールオキシ基の炭素数は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常12以下、好ましくは8以下である。アリールオキシ基の炭素数を12以下とすることで高い半導体特性が得られるだけでなく、最適な溶解性により積層時の再溶解を低減し、更には耐熱性がより高くなるため好ましい。このアリールオキシ基の例としては、フェノキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられる。
前記の有機基の内、ジアルキルアミノ基の炭素数は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常12以下、好ましくは8以下である。ジアルキルアミノ基の炭素数を12以下とすることで高い半導体特性が得られるだけでなく、最適な溶解性により積層時の再溶解を低減し、更には耐熱性がより高くなるため好ましい。このジアルキルアミノ基の例としては、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基等が挙げられる。
前記の有機基の内、ジアラルキルアミノ基の炭素数は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常12以下、好ましくは8以下である。ジアラルキルアミノ基の炭素数を12以下とすることで高い半導体特性が得られるだけでなく、最適な溶解性により積層時の再溶解を低減し、更には耐熱性がより高くなるため好ましい。このジアラルキルアミノ基の例としては、ジベンジルアミノ基、ジフェネチルアミノ基等が挙げられる。
前記の有機基の内、ハロアルキル基の炭素数は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常12以下、好ましくは8以下である。ハロアルキル基の炭素数を12以下とすることで高い半導体特性が得られるだけでなく、最適な溶解性により積層時の再溶解を低減し、更には耐熱性がより高くなるため好ましい。このハロアルキル基の例としては、トリフルオロメチル基等のα−ハロアルキル基等が挙げられる。
前記の有機基の内、芳香族炭化水素環基の炭素数は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常6以上、30以下、好ましくは10以上、20以下である。芳香族炭化水素環基の炭素数を6以上、30以下とすることで高い半導体特性が得られるだけでなく、最適な溶解性により積層時の再溶解を低減し、更には耐熱性がより高くなるため好ましい。この芳香族炭化水素環基の例としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
前記の有機基の内、芳香族複素環基の炭素数は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常2以上、30以下、好ましくは5以上、20以下である。香族複素環基の炭素数を2以上、30以下とすることで高い半導体特性が得られるだけでなく、最適な溶解性により積層時の再溶解を低減し、更には耐熱性がより高くなるため好ましい。この芳香族複素環基の例としては、チエニル基、ピリジル基等が挙げられる。
更に上記の原子団は本発明の効果を著しく損なわない限り、任意の置換基を有していてもよい。前記置換基としては、例えば、フッ素原子等のハロゲン原子、メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基、ビニル基等のアルケニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基等のアリールオキシ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基、アセチル基等のアシル基、トリフルオロメチル基等のハロアルキル基、シアノ基等が挙げられる。なお、この置換基は、1種が単独または複数で置換していてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で置換していてもよい。
また、ZiaとZibとは、結合して環を形成していてもよい。ZiaとZibとが結合して環を形成する場合、当該Zia及びZibを含む環(即ち、Zia−CH=CH−Zibで表される構造の環)の例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環等の、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環;ピリジン環、キノリン環、フラン環、チオフェン環等の、置換基を有していてもよい芳香族複素環;シクロヘキサン環等の非芳香族環状炭化水素;等が挙げられる。
iaとZibとが結合して形成する環が有する前記の置換基は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。その例としては、Zia及びZibを構成する原子団の置換基として例示したものと同様の置換基が挙げられる。なお、この置換基は、1種が単独または複数で置換していてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で置換していてもよい。
上述したZia及びZibの中でも、特に水素原子が好ましい。結晶のパッキングが良好で、高い半導体特性が期待できるためである。
一般式(3)、(4)において、R〜Rは、各々独立に1価の原子または原子団を表す。
〜Rの例を挙げると、上述したZia及びZibと同様のものが挙げられる。また、R〜Rが原子団である場合、当該原子団は、本発明の効果を著しく損なわない限り、任意の置換基を有していてもよい。この置換基の例としては、前記Zia及びZibの置換基と同様のものが挙げられる。なお、この置換基は1種が単独または複数で置換していてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で置換していてもよい。但し、R〜Rは、分子の平面性を高めるためには、水素原子、ハロゲン原子等の原子から選ばれることが好ましい。
一般式(4)において、Mは2価の金属原子、または3価以上の金属と他の原子とが結合した原子団を表す。Mが2価の金属原子である場合、その例としては、Zn、Cu、Fe、Ni、Co等が挙げられる。一方、Mが3価以上の金属と他の原子とが結合した原子団である場合、その例としては、Fe−B、Al−B、Ti=O、Si−B等が挙げられる。ここで、B、B、B及びBは、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基等の1価の基を表す。
前記一般式(3)、(4)において、Y〜Yは、各々独立に1価の原子または原子団を表す。また、前記一般式(3)、(4)において、Y〜Yはそれぞれ4個ずつ存在するが、Y同士、Y同士、Y同士、及びY同士は、それぞれ同じでもよく、異なっていてもよい。Y〜Yの例を挙げると、原子としては水素原子等が挙げられる。
一方、原子団としては、水酸基、アルキル基等が挙げられる。ここで、アルキル基の炭素数は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常1以上、また、通常10以下、好ましくは6以下、より好ましくは3以下である。アルキル基の炭素数が大きすぎると、脱離基が大きくなるため、脱離基が揮発しにくくなり、膜内に残留する可能性がある。このアルキル基の例としては、メチル基、エチル基等が挙げられる。
また、Y〜Yが原子団である場合、当該原子団は、本発明の効果を著しく損なわない限り、任意の置換基を有していてもよい。この置換基の例としては、前記Zia及びZibの置換基と同様のものが挙げられる。なお、この置換基は1種が単独または複数で置換していてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で置換していてもよい。
上述したY〜Yの中でも、水素原子、または炭素数10以下のアルキル基が好ましい。更にその中でも、Y〜Yの全てが水素原子であるか、または(Y、Y)及び(Y、Y)の内少なくとも一方の組がどちらも炭素数10以下のアルキル基であることが特に好ましい。溶解度が高くなり、製膜性が良好となるためである。
本発明で好ましく用いることができる前駆体は、加熱処理によりベンゾポルフィリン誘導体に変換される。加熱処理に際してどのような反応が生じるかについて制限はないが、例えば、前記一般式(3)、(4)で表される前駆体の場合、熱が加えられることによって下記一般式(5)の化合物が脱離する。この脱離反応は定量的に進行する。そして、この脱離反応によって前駆体はベンゾポルフィリン誘導体に変換される。
加熱処理について、上記にて例示したベンゾポルフィリン誘導体BP−1を例に挙げて、具体的に説明する。ベンゾポルフィリン誘導体BP−1の前駆体としては、例えば、一般式(3)、(4)において、Zia、Zib、R〜R及びY〜Yが全て水素原子である化合物(以下、「BP−1前駆体」と言う)を用いることができる。但し、ベンゾポルフィリン誘導体BP−1の前駆体は、このBP−1前駆体に限定されるものではない。
BP−1前駆体は加熱されると、ポルフィリン環に結合した4個の環それぞれからエチレン基が脱離する。この脱エチレン反応により、ベンゾポルフィリン誘導体BP−1が得られる。この変換を反応式で表すと、以下のようになる。
本発明に係る前駆体を加熱処理により本発明に係るベンゾポルフィリン誘導体に変換する際、温度条件は前記の反応が進行する限り制限はないが、通常100℃以上、好ましくは150℃以上である。温度が低すぎると変換に時間がかかり、実用上好ましくなくなる可能性がある。上限は任意であるが、他の機能層や基材等にダメージを与えない温度であれば如何なる温度で加熱されてもよく、通常400℃以下、好ましくは300℃以下である。
本発明に係る前駆体を加熱処理により本発明に係るベンゾポルフィリン誘導体に変換する際、加熱時間は前記の反応が進行する限り制限はないが、通常10秒以上、好ましくは30秒以上、また通常10時間以下、好ましくは1時間以下である。加熱時間が短すぎると変換が不十分となる可能性があり、長すぎると分解の可能性があるためである。
本発明に係る前駆体を加熱処理により本発明に係るベンゾポルフィリン誘導体に変換する際、その雰囲気は前記の反応が進行する限り制限はないが、不活性雰囲気であることが好ましい。この際に用いることができる不活性ガスの種類としては、例えば、窒素、希ガス等が挙げられる。なお、不活性ガスは1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
本発明に係る前駆体は有機溶媒等の溶媒に対する溶解性が高い。具体的な溶解性の程度は溶媒の種類等によるが、25℃におけるクロロホルムに対する溶解性は通常0.1g/L以上、好ましくは0.5g/L以上、より好ましくは1g/L以上である。なお、上限に制限はないが、通常1000g/L以下である。
本発明に係る前駆体が溶媒に対して溶解性が高いのに対し、それから誘導される本発明に係るベンゾポルフィリン誘導体は有機溶媒等の溶媒に対する溶解性が非常に低い。これは、本発明に係る前駆体の構造が平面構造でないために溶解性が高く、且つ結晶化しにくいのに対し、本発明に係るベンゾポルフィリン誘導体は構造が平面的であることに起因するものと推察される。従って、このような溶媒に対する溶解性の違いを利用すれば、当該ベンゾポルフィリン誘導体を含む層を塗布法により容易に形成できる。例えば、以下の方法により製造できる。
即ち、本発明に係る前駆体を溶媒に溶解させて溶液を用意し、当該溶液を塗布してアモルファスまたはアモルファスに近い良好な層を形成する。そして、この層を加熱処理して熱変換により本発明に係る前駆体を変換することで、平面性の高いベンゾポルフィリン誘導体の層を得ることができる。この際、上述した例のように、一般式(3)、(4)で表される化合物の内、Y〜Yが全て水素原子であるものを前駆体として用いると、脱離するものがエチレン分子であるため系内に残りにくく、毒性、安全性の面で好適である。
本発明に係る前駆体の製造方法に制限はなく、公知の方法を任意に採用することができる。例えば、前記のBP−1前駆体を例に挙げると以下の合成経路を経て製造できる。なお、ここでEtはエチル基を表し、t−Buはt−ブチル基を表す。
更に本発明に係るテトラベンゾポルフィリン誘導体は、例えば、1個の原子を2つポルフィリン環が共有して配位しているもの、2個のポルフィリン環が1個以上の原子あるいは原子団を共有して結合したもの、またはそれらが3個以上結合して長鎖上に繋がったものであってもよい。
なお、前述のネットワーク構造を形成するn型半導体を用いると、バルクヘテロジャンクション層を形成するp型半導体材料、n型半導体材料の双方が溶剤に対して非常に耐溶剤性が高くなり、バルクへテロジャンクション層の上に、更なるバルクヘテロジャンクション層の積層や、正孔輸送層、電子輸送層、正孔ブロック層、電子ブロック層等を溶液プロセスで形成する際に、バルクへテロジャンクション層が溶解してしまうことがなくなる。更に前記n型半導体層の重合架橋反応が熱によって起きる場合は、p型半導体材料及びn型半導体材料の変換を同時に達成することができるため、好ましい。
更に本発明においては、p型半導体材料とn型半導体材料との質量換算比による連続的な濃度勾配の領域が、第1の電極と第2の電極との間に少なくとも存在することを特徴とする。濃度勾配を有する領域の製造方法としては、本願において特に限定されないが、上述したようにp型半導体材料、n型半導体材料の少なくとも一方が溶剤に対して非常に耐溶剤性が高くなることを利用することで、p型半導体材料前駆体とn型半導体材料前駆体の濃度比を変えて塗布積層できるため、濃度勾配を有する領域を形成する方法として好ましい態様と言える。
〔太陽電池〕
図2において、基板11は、順次積層された透明電極12、光電変換部14、電荷輸送部15(または16)及び対電極13を保持する部材である。本実施形態では、基板11側から光電変換される光が入射するので、基板11はこの光電変換される光を透過させることが可能な、即ちこの光電変換すべき光の波長に対して透明な部材である。基板11は、例えば、ガラス基板や樹脂基板等が用いられる。この基板11は必須ではなく、例えば、光電変換部14、電荷輸送部15(または16)の両面に透明電極12及び対電極13を形成することでバルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子10が構成される。
透明電極12は、光電変換部14において光電変換される光を透過させることが可能な電極であり、好ましくは300〜800nmの波長の光を透過する電極である。材料としては、例えば、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO、ZnO等の透明導電性金属酸化物、金、銀、白金等の金属薄膜、金属ナノファイバーやカーボンナノチューブといった導電性繊維、導電性高分子を用いることができる。
対電極13は、金属(例えば、金、銀、銅、白金、ロジウム、ルテニウム、アルミニウム、マグネシウム、インジウム等)、炭素、あるいは透明電極12の材料等を用いることができるが、これに限らない。
光電変換部14は光エネルギーを電気エネルギーに変換する層であって、p型半導体材料とn型半導体材料とを混合したバルクヘテロジャンクション層を有して構成される。p型半導体材料は相対的に電子供与体(ドナー)として機能し、n型半導体材料は、相対的に電子受容体(アクセプター)として機能する。ここで、電子供与体及び電子受容体は、“光を吸収した際に、電子供与体から電子受容体に電子が移動し、正孔と電子のペア(電荷分離状態)を形成する電子供与体及び電子受容体”であり、電極のように単に電子を供与あるいは受容するものではなく、光反応によって電子を供与あるいは受容するものである。
電子受容体と電子供与体とが混合されたバルクヘテロジャンクション層の形成方法としては、蒸着法、塗布法(キャスト法、スピンコート法を含む)等を例示することができる。この中で、特に塗布法が好ましい。
そして、光電変換部14のバルクヘテロジャンクション層は、光電変換率を向上すべく、製造工程中において所定の温度でアニール処理され、微視的に一部結晶化されている。
図2において、基板11を介して透明電極12から入射された光は、光電変換部14のバルクヘテロジャンクション層における電子受容体あるいは電子供与体で吸収され、電子供与体から電子受容体に電子が移動し、正孔と電子のペア(電荷分離状態)が形成される。発生した電荷は、内部電界、例えば、透明電極12と対電極13の仕事関数が異なる場合では透明電極12と対電極13との電位差によって、電子は、電子受容体間を通り、また正孔は電子供与体間を通り、それぞれ異なる電極へ運ばれ、光電流が検出される。例えば、透明電極12の仕事関数が対電極13の仕事関数よりも大きい場合では、電子は透明電極12へ、正孔は対電極13へ輸送される。なお、仕事関数の大小が逆転すれば、電子と正孔はこれとは逆方向に輸送される。また、透明電極12と対電極13との間に電位をかけることにより、電子と正孔の輸送方向を制御することもできる。
また、同時にバルクヘテロジャンクション層を形成する前に、下層に塗布膜を形成すると塗布面をレベリングする効果があり、リーク等の影響が低減するため好ましい。
これらの層を構成する材料としては、例えば、電荷輸送部としての正孔輸送部としては、H.C.スタルク製、商品名BaytronP等のPEDOT−PSS、ポリアニリン及びそのドープ材料、特開平5−271166号公報等に記載のトリアリールアミン系化合物、国際公開第06/19270号パンフレット等に記載のシアン化合物、また酸化モリブデン、酸化ニッケル、酸化タングステン等の金属酸化物等を用いることができる。また、バルクへテロジャンクション層に用いたp型半導体材料単体からなる層を用いることもできる。これらの層を形成する手段としては、真空蒸着法、溶液塗布法のいずれであってもよいが、好ましくは溶液塗布法である。
また、電荷輸送部としての電子輸送部としては、オクタアザポルフィリン、p型半導体のパーフルオロ体(パーフルオロペンタセンやパーフルオロフタロシアニン等)、ナフタレンテトラカルボン酸無水物、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド等のn型半導体材料、及び酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ガリウム等のn型無機酸化物及びフッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化セシウム等のアルカリ金属化合物等を用いることができる。また、バルクへテロジャンクション層に用いたn型半導体材料単体からなる層を用いることもできる。これらの層を形成する手段としては、真空蒸着法、溶液塗布法のいずれであってもよいが、好ましくは溶液塗布法である。
本発明の有機光電変換素子の第1の電極(透明電極)は、陰極、陽極は特に限定せず、素子構成により選択することができるが、好ましくは透明電極を陽極として用いることである。例えば、陽極として用いる場合、好ましくは380〜800nmの光を透過する電極である。材料としては、例えば、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO、ZnO等の透明導電性金属酸化物、金、銀、白金等の金属薄膜、金属ナノワイヤー、カーボンナノチューブ用いることができる。
またポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリチエニレンビニレン、ポリアズレン、ポリイソチアナフテン、ポリカルバゾール、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアセン、ポリフェニルアセチレン、ポリジアセチレン及びポリナフタレンの各誘導体からなる群より選ばれる導電性高分子等も用いることができる。また、これらの導電性化合物を複数組み合わせて透明電極とすることもできる。
本発明の有機光電変換素子の第2の電極(対電極)は導電材単独層であってもよいが、導電性を有する材料に加えて、これらを保持する樹脂を併用してもよい。対電極の導電材としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。これらの中で、電子の取り出し性能及び酸化等に対する耐久性の点から、これら金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。対電極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。
更に太陽光利用率(光電変換効率)の向上を目的として、このような光電変換素子を積層した、タンデム型の構成としてもよい。図4は、タンデム型のバルクヘテロジャンクション層を備えるバルクへテロジャンクション型の有機光電変換素子からなる太陽電池を示す断面図である。
タンデム型構成の場合、基板11上に、順次透明電極12、第1の光電変換部14、電荷輸送部15(または16)を積層した後、電荷再結合層17を積層した後、第2の光電変換部14′、電荷輸送部15′(または16′)、次いで対電極13を積層することで、タンデム型の構成とすることができる。第2の光電変換部14′は、第1の光電変換部14の吸収スペクトルと同じスペクトルを吸収する層でもよいし、異なるスペクトルを吸収する層でもよいが、好ましくは異なるスペクトルを吸収する層である。また、電荷再結合層17の材料としては、透明性と導電性を併せ持つ化合物を用いた層であることが好ましく、ITO、AZO、FTO、酸化チタン等の透明金属酸化物、Ag、Al、Au等の非常に薄い金属層、PEDOT:PSS、ポリアニリン等の導電性高分子材料等が好ましい。また、本発明の好ましい構成としては、該電荷再結合層17を実質有さない構成としてもよい。
また、作製した有機光電変換素子10が環境中の酸素、水分等で劣化しないために、公知の手法によって封止することが好ましい。例えば、アルミまたはガラスでできたキャップを接着剤によって接着することによって封止する手法、アルミニウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等のガスバリア層が形成されたプラスチックフィルムと有機光電変換素子上10を接着剤で貼合する手法、ガスバリア性の高い有機高分子材料(ポリビニルアルコール等)をコートする方法、ガスバリア性の高い無機薄膜(酸化ケイ素、酸化アルミニウム等)を直接堆積する方法、及びこれらを複合的に積層する方法等を挙げることができる。また、必要に応じて酸素、水分等のゲッターを封止内に有する構成としてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
(半導体材料の調製)
〈BP−1前駆体〉
Chemical Communications,vol.22(1999),p2275に従って、p型半導体材料のBP−1前駆体を得た。
〈例示化合物n−1〉
下記スキームで、モノマー1とビニルアルコールとを塩基存在下で重縮合反応を行い、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、n−1を得た。また、同様にしてn−3も合成した。
〔有機光電変換素子の作製〕
(有機光電変換素子SC−101の作製)
30mm角の白板ガラス基板上に、インジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を110nm堆積したもの(シート抵抗13Ω/□)を、通常のフォトリソグラフィ技術と塩酸エッチングとを用いて2mm幅にパターニングし透明電極を形成した。
パターン形成した透明電極を、界面活性剤と超純水による超音波洗浄、超純水による超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行った。
この透明基板上に、導電性高分子であるBaytron P4083(H.C.スタルク製)を30nmの膜厚でスピンコートした後、140℃で大気中10分間加熱乾燥した。これ以降は、O及びHO濃度が1ppm以下の窒素雰囲気グローブボックス中で作業した。
まず、窒素雰囲気下で上記基板を150℃で5分間加熱処理した。次に、クロロベンゼンに上述したBP−1前駆体を1.2質量%溶解した塗布液を調製し、コーターを用いて塗布乾燥し、ホットプレート上で150℃30分間加熱処理して、膜厚が20〜30nmになるように製膜した。続けて、クロロベンゼンにBP−1前駆体を1.2質量%、上述のn−1(架橋型高分子n型半導体材料のモノマー)を1.0質量%溶解した塗布液を調製し、コーターを用いて塗布し、室温で30分間乾燥、ホットプレート上150℃で30分間加熱処理して、膜厚が80〜100nmになるように製膜した。
続けて、クロロベンゼンにn−1を1.0質量%溶解した塗布液を調製し、同様に塗布して膜厚が40〜50nmになるように製膜した。なお、BP−1前駆体は加熱処理中にBP−1へと変換(Mw511、低分子p型半導体材料、変換前後で分子量が約5/6に減少)し、また同様にn−1は150℃、30分間の加熱の間に重合し、架橋型高分子n型半導体へと変性させた。
次に、上記一連の有機層を製膜した基板を真空蒸着装置チャンバー内に移動し、2mm幅のシャドウマスクが透明電極と直交するようにセットし、10−4Pa以下にまでに真空蒸着装置内を減圧した後、蒸着速度0.01nm/秒でフッ化リチウムを0.6nm積層し、更に続けて、蒸着速度0.2nm/秒でAlメタルを80nm積層することで、2mm角サイズの有機光電変換素子SC−101を得た。得られた有機光電変換素子SC−101を窒素雰囲気グローブボックスに移動し、アルミニウム製の封止缶とUV硬化樹脂を用いて封止を行った。
別途作製した有機層積層試料について、表面・界面物性評価装置(SAICAS)と飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)を併用し、半導体材料の膜厚方向の濃度分布を評価したところ、図3(A)に例示されるような、段階的な濃度分布を示した。
(有機光電変換素子SC−102の作製)
SC−101の作製と同様にして準備した基板に、クロロベンゼンにBP−1前駆体(低分子p型半導体の前駆体)を0.12質量%溶解した溶液Aと、同じくクロロベンゼンにn−1(架橋型高分子n型半導体材料のモノマー)を0.10質量%溶解した溶液Bを調製し、溶液Aを塗布乾燥した後、150℃で30分間加熱処理し、BP−1前駆体をBP−1へと変換(Mw511、低分子p型半導体材料、変換前後で分子量が約5/6に減少)させたp型半導体からなる層を形成し、更に続けて、クロロベンゼンの蒸気に約10秒間曝しながら溶液Bを積層塗布し、同様にして150℃で30分間加熱処理して、架橋型高分子n型半導体からなる層を形成した。
続く工程はSC−101と同様にしてSC−102を作製し、同様にして封止した。
また、別途作製した有機層積層試料について、SC−101と同様にして半導体材料の膜厚方向の濃度分布を評価したところ、図3(B)に例示されるようなpn界面に極端に狭い濃度分布を示した。
(有機光電変換素子SC−103の作製)
SC−101の作製と同様にして準備した基板に、クロロベンゼンにBP−1前駆体を1.2質量%溶解した塗布液を調製し、コーターを用いて塗布乾燥し、ホットプレート上で150℃30分間加熱処理して、膜厚が20〜30nmになる様に製膜した。続けて、クロロベンゼンにBP−1とn−1を表1の1層目に示した濃度になるように溶解し、SC−101と同様にして膜厚が16〜18nmになるようにコートし、150℃で10分間加熱処理して1層目を製膜した。
続けて、表1に示した2層目以降を順次塗布積層〜加熱処理を繰り返し、6層目まで同様にして積層し製膜した。6層目まで形成した後、クロロベンゼンにn−1を1.0質量%溶解した塗布液を調製し、同様に塗布して膜厚が40〜50nmになるように製膜した。
続く工程はSC−101と同様にしてSC−103を作製し、同様にして封止した。
また、別途作製した有機層積層試料について、SC−101と同様にして半導体材料の膜厚方向の濃度分布を評価したところ、図3(C)に例示されるような連続的な濃度勾配を有する分布を示した。
(有機光電変換素子SC−104の作製)
SC−103の作製において、p型半導体材料として、BP−1前駆体に代えて、数平均分子量45000のリーケメタル製レジオレギュラー、ポリ(3−ヘキシルチオフェン(P3HT、高分子p型半導体材料)に変更した以外は、SC−103と同様にしてSC−104を作製した。
別途作製した有機層積層試料は、SC−103と同様な半導体材料の濃度分布を示した。
(有機光電変換素子SC−105の作製)
SC−103の作製において、表1に示した構成に代えて、表2に示した構成になるように積層製膜した以外は、SC−103と同様にしてSC−105を作製した。
また、別途作製した有機層積層資料について、SC−101と同様にして半導体材料の膜厚方向の濃度分布を評価したところ、図3(E)に例示されるような連続的な濃度勾配を有する領域と、濃度一定の領域とからなる分布を示した。
(有機光電変換素子SC−106の作製)
SC−105の作製において、p型半導体材料として、BP−1前駆体に代えて、数平均分子量45000のリーケメタル製レジオレギュラー、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)(P3HT、高分子p型半導体材料)に変更した以外は、SC−105と同様にしてSC−106を作製した。
別途作製した有機層積層試料は、SC−105と同様な半導体材料の濃度分布を示した。
(有機光電変換素子SC−107の作製)
SC−105の作製において、n型半導体材料として、n−1に代えて、n−3を用いた以外は、SC−105と同様にしてSC−107を作製した。
別途作製した有機層積層試料は、SC−105と同様な半導体材料の濃度分布を示した。
〔光電変換素子のエネルギー変換特性評価〕
上記方法で作製した有機光電変換素子について、ソーラーシミュレーターを用いたAM1.5Gフィルタ、100mW/cmの強度の光を照射し、有効面積を4.0mmにしたマスクを受光部に重ね、同素子上に形成した4箇所の受光部それぞれについて、短絡電流密度Jsc(mA/cm)及び開放電圧Voc(V)、フィルファクターffから式1を用いてエネルギー変換効率η(%)を得て、その平均値を求め、SC−101のエネルギー変換効率を100としたとき相対値を表3に示した。
〔式1〕 Jsc(mA/cm)×Voc(V)×ff=η(%)
表3より、本発明の有機光電変換素子は、比較の有機光電変換素子に対して明らかにエネルギー変換効率において優れていることがわかる。
実施例2
〔有機光電変換素子の作製〕
(有機光電変換素子SC−201の作製)
SC−101の作製法において、ガラス基板に代えて、20mm×110mm角サイズの200μm厚二軸延伸ポリエチレンナフタレート(PEN)基板上に、インジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を150nm堆積したもの(シート抵抗13Ω/□)を用い、光電変換に寄与する有効受光面積を約10mmx100mm角の約1000mmとなる様に作製した以外は、SC−101と同様にしてSC−201を作製した。
(有機光電変換素子SC−202〜SC−206の作製)
SC−202〜SC−206においても、SC−201の作製法と同様にして、それぞれSC−202〜SC−206を作製した。
〔折り曲げ耐性評価〕
上記方法で作製した有機光電変換素子について、1インチφのプラスチック製の円柱棒を用意し、表裏を1セットとして、50セット巻きつけた前後のエネルギー変換効率ηの保持率を式2に従って求め、表4に示した。
〔式2〕 保持率(%)=巻きつけ後のη/巻きつけ前のη×100
表4より、本発明の有機光電変換素子は、比較の有機光電変換素子に対して明らかに折り曲げ耐性において優れていることがわかる。
実施例3
〔有機光電変換素子の作製〕
〔有機光電変換素子SC−301の作製〕
バリア層付きPENフィルム基板上に、インジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を150nm堆積したもの(シート抵抗13Ω/□)を、通常のフォトリソグラフィ技術と塩酸エッチングとを用いて10×100mm角の受光部と取り出し電極部をパターニングし透明電極を形成した。パターン形成した透明電極を、界面活性剤と超純水による超音波洗浄、超純水による超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行った。
この透明基板上に、導電性高分子であるBaytron P4083(スタルクヴィテック製)を膜厚が50nmになるように塗布した後、超純水を浸み込ませた拭き取りローラーで取り出し電極部を洗浄し、続けて140℃で10分間乾燥させ、10×100mm角にパターニングした正孔輸送層を製膜した。
これ以降は、基板をグローブボックス中に持ち込み、窒素雰囲気下で作業した。
まず、窒素雰囲気下で上記基板を140℃で10分間加熱処理した。次に、クロロベンゼンにP3HT(プレクトロニクス製:レジオレギュラーポリ−3−ヘキシルチオフェン)(Mw=52000、高分子p型半導体材料)とPCBM(フロンティアカーボン:6,6−フェニル−C61−ブチリックアシッドメチルエステル)(Mw=911、低分子n型半導体材料)を3.0質量%になるように1:1で混合した液を調製し、フィルタでろ過しながら膜厚が200nmになるように塗布を行い、室温で放置して乾燥させた。続けて、クロロベンゼンを浸み込ませた拭き取りローラーで取り出し電極部を洗浄し、10×100mm角にパターニングし、140℃で15分間加熱処理を行い、光電変換層を製膜した。次に、脱水エタノールにTi−イソプロポキシドを0.05mol/Lになるように溶解した液を調製し、取り出し電極部をマスキングした後、膜厚が20nmになるように塗布を行い、室温に放置して乾燥させた。続けて、マスキングを除去し、エタノールを浸み込ませた拭き取りローラーで取り出し電極部を洗浄し、水蒸気量を調節した窒素中に搬送し放置して電子輸送層を製膜した。
次に、上記一連の機能層を製膜した基板を真空蒸着装置チャンバー内に移動し、10−4Pa以下にまでに真空蒸着装置内を減圧した後、シャドウマスクを通して、蒸着速度0.01nm/秒でフッ化リチウムを0.6nm積層し、更に続けて、蒸着速度0.2nm/秒でAlメタルを80nm積層することで電極層を形成し、10×100mmサイズの有機光電変換素子SC−301を得た。得られた有機光電変換素子SC−301を窒素雰囲気グローブボックスに移動し、バリア付きPENフィルムとUV硬化樹脂を用いて封止を行った。
〔有機光電変換素子SC−302の作製〕
SC−301の作製と同様にして正孔輸送層まで製膜した後、窒素雰囲気下に移動し基板を140℃で10分間加熱処理した。次に、クロロベンゼンにP3HT(プレクトロニクス製:レジオレギュラーポリ−3−ヘキシルチオフェン)(Mw=52000、高分子p型半導体材料)とn−1を3.0質量%になるように1:1で混合した液を調製し、フィルタでろ過しながら膜厚が200nmになるように塗布を行い、室温で放置して乾燥させた。続けて、クロロベンゼンを浸み込ませた拭き取りローラーで取り出し電極部を洗浄し、10×100mm角にパターニングし、140℃で15分間加熱処理を行った。更に、UVランプを用いてUV光を照射しn−1を反応させて不溶化させ、光電変換層を製膜した。これ以降は、SC−301の作製と同様にして、電子輸送層及び電極層を形成させSC−302を得た。また、得られた素子はSC−301と同様にして封止を行った。
〔有機光電変換素子SC−303の作製〕
前記SC−302の作製において、p型半導体材料として、P3HTに換えてp−1を用いた以外は、SC−302と同様にしてSC−303を得た。
〔有機光電変換素子SC−304の作製〕
前記SC−302の作製において、p型半導体材料として、P3HTに換えてBP−1を用い、更に不溶化処理を140℃で20分間加熱処理とし、その間にUV光の照射を行って不溶化させた以外は、SC−302と同様にしてSC−304を得た。
〔有機光電変換素子SC−305の作製〕
SC−301の作製と同様にして正孔輸送層まで製膜した後、窒素雰囲気下に移動し基板を140℃で10分間加熱処理した。次に、クロロベンゼンにp−1とn−1を3.0質量%になるように1:1で混合した液を調製し、フィルタでろ過しながら膜厚が150nmになるように1層目を塗布し、室温で放置して乾燥させた。続けて、クロロベンゼンを浸み込ませた拭き取りローラーで取り出し電極部を洗浄し、10×100mm角にパターニングし、140℃で15分間加熱処理を行った。続けて、UVランプを用いてUV光を照射することで不溶化処理を行った。更に、不溶化させた層の上に、上述のp−1とn−1を混合した液を、同様に膜厚が150nmになるように2層目を積層塗布し、クロロベンゼンを浸み込ませた拭き取りローラーで取り出し電極部を洗浄し、140℃で15分間加熱処理を行った。続けて、UVランプを用いてUV光を照射することで不溶化処理を行った。これ以降は、SC−301の作製と同様にして、電子輸送層及び電極層を形成させSC−305を得た。また、得られた素子はSC−301と同様にして封止を行った。
〔有機光電変換素子SC−306の作製〕
前記SC−305の作製において、p−1とn−1の1層目の混合比を1.2:0.8、2層目の混合比を0.8:1.2とした以外はSC−305と同様にしてSC−306を得た。
〔有機光電変換素子SC−307の作製〕
前記SC−305の作製において、p−1とn−1の混合比及び加熱処理を表5に示す条件とし、1層目から6層目まで同様にして積層した以外はSC−305と同様にしてSC−307を得た。
〔有機光電変換素子SC−308の作製〕
SC−301の作製と同様にして正孔輸送層まで製膜した後、窒素雰囲気下に移動し基板を140℃で10分間加熱処理した。次に、p−1とをそれぞれ別々にクロロベンゼンに溶解した液を調整し、UV光をファイバーで導入し塗布面に照射しながら、インクジェット(IJ)を用いて、p−1とn−1の混合比を4:1から1:1まで連続的に変化させながら膜厚が30nmになるよう塗布し、クロロベンゼンを浸み込ませた拭き取りローラーで取り出し電極部を洗浄し、140℃で5分間加熱処理を行った。更に、不溶化させた層の上に、p−1とn−1を1:1で混合した液を、膜厚が150nmになるよう塗布し、クロロベンゼンを浸み込ませた拭き取りローラーで取り出し電極部を洗浄し、140℃で15分間加熱処理を行った。続けて、UVランプを用いてUV光を照射することで不溶化処理を行った。更に、UV光をファイバーで導入し塗布面に照射しながら、インクジェットを用いて、p−1とn−1の混合比を1:1から1:4まで連続的に変化させながら膜厚が30nmになるよう塗布し、クロロベンゼンを浸み込ませた拭き取りローラーで取り出し電極部を洗浄し、140℃で5分間加熱処理を行った。これ以降は、SC−301の作製と同様にして、電子輸送層及び電極層を形成させSC−308を得た。
〔ダークスポット評価〕
上記作製した素子を、100Wハロゲンランプの光に1000時間暴露した。続いて、暴露後の素子について、LBIC(レーザービーム起電流)測定法により、素子面内で発電量が低下している領域を計測し、式2に従って劣化率を求め、表6に示した。
(式2) 劣化率=発電量が低下している領域の面積/素子の有効面積×100(%)
表6より、本発明の有機光電変換素子は、比較の有機光電変換素子に対して明らかに、エネルギー変換効率と光照射時の耐久性において優れていることがわかる。
1 導電性基板
2、3、4、5 光電変換部(バルクヘテロジャンクション層)
10 有機光電変換素子
11 基板
12 透明電極(第1の電極)
13 対電極(第2の電極)
14、14′ 光電変換部
15、16、15′、16′ 電荷輸送部
17 電荷再結合層

Claims (12)

  1. 第1の電極と第2の電極との間に少なくとも電荷輸送部と光電変換部とを積層してなる有機光電変換素子において、該光電変換部がp型半導体材料と下記一般式(2)で表されるモノマーの重合体を含むn型半導体材料とのバルクヘテロジャンクション構造からなり、該p型半導体材料と該n型半導体材料との質量換算比による連続的な濃度勾配の領域が存在することを特徴とする有機光電変換素子。
    (式中、R、Rは置換または無置換のアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、シリル基から選ばれる置換基を表し、L、Lは置換または無置換のアルキレン基、アルケンジイル基、アルキンジイル基、シクロアルキレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、シリレン基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、またはこれらが複数連結した構造を表す。G、Gはネットワーク構造の結合鎖となる重合基である。なお、式中、球状のフラーレン構造の内一方の半球部分のみを示し、他方の半球部分は省略しており、フラーレン構造に置換するG、R、Lを含む第1置換基と、G、R、Lを含む第2置換基の位置関係は任意である。)
  2. 前記電荷輸送部が主に正孔を輸送する正孔輸送部であることを特徴とする請求項1に記載の有機光電変換素子。
  3. 前記電荷輸送部が主に電子を輸送する電子輸送部であることを特徴とする請求項1に記載の有機光電変換素子。
  4. 前記電荷輸送部が少なくとも主に正孔を輸送する正孔輸送部と主に電子を輸送する電子輸送部とを含み、前記光電変換部が前記正孔輸送部と前記電子輸送部によって挟まれた構造を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
  5. 前記連続的な濃度勾配の領域が塗布法または印刷法によって形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機光電変換素子の製造方法であって、p型半導体材料前駆体とn型半導体材料前駆体のうち少なくともどちらか一方を有する溶液を塗布する前駆体塗布工程と、塗布した膜の不要部を除去するパターニング工程と、外部刺激処理によって該p型半導体材料前駆体と該n型半導体材料前駆体のうち少なくともどちらか一方の化学構造変化を誘発し、該化学構造変化が誘発した前駆体を不溶化させる不溶化工程とを含むことを特徴とする有機光電変換素子の製造方法。
  7. 前記p型半導体材料前駆体と前記n型半導体材料前駆体のうち少なくとも一方が、架橋性の置換基を有した前駆体であり、且つ前記不溶化工程で前駆体のうち少なくとも一部を架橋させ不溶化させることを特徴とする請求項6に記載の有機光電変換素子の製造方法。
  8. 前記p型半導体材料前駆体と前記n型半導体材料前駆体のうち少なくとも一方が、外部刺激処理によって化学構造変化を起こす前駆体であり、且つ前記不溶化工程で前駆体を化学構造変化させて不溶化させることを特徴とする請求項6に記載の有機光電変換素子の製造方法。
  9. 前記外部刺激処理が加熱処理、UV光照射処理、あるいは加熱処理とUV光照射処理の併用のいずれかの処理であることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の有機光電変換素子の製造方法。
  10. 少なくとも、前記前駆体塗布工程と、前記パターニング工程と、前記不溶化工程とを含む工程群を繰り返し行うことで、逐次積層された発電領域を形成することを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の有機光電変換素子の製造方法。
  11. 前記p型半導体材料前駆体と前記n型半導体材料前駆体の混合比が異なる塗布液を逐次積層することで、少なくとも連続的な濃度勾配を有する逐次積層された発電領域を形成することを特徴とする請求項10に記載の有機光電変換素子の製造方法。
  12. 前記逐次積層された発電領域が、連続的な濃度勾配を有する領域と、濃度が一定な領域とをそれぞれ含むことを特徴とする前記10または11に記載の有機光電変換素子の製造方法。
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