JP5244229B2 - 加熱調理器 - Google Patents

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Description

本発明は、被加熱物に対して加熱調理を行う加熱調理器に関する。
従来の加熱調理器が特許文献1に開示されている。この従来の加熱調理器は本体筐体の内部に扉で閉鎖される開口を前面に有する加熱室を備えている。この加熱室の内部に被加熱物である調理物が収容される。被加熱物に対する加熱方法としては輻射熱や熱対流、マイクロ波を利用する加熱方法が採用されている。
このような加熱調理器において、従来被加熱物の表面状態を把握しながら加熱する加熱調理方法が実施されている。このため、特許文献1に記載の従来の加熱調理器は加熱された被加熱物の表面の色を測定する色彩計測手段を備えている。この加熱調理器は被加熱物の色を色彩計測手段によって測定し、その検知信号により加熱手段を制御している。これにより、加熱後の被加熱物の品質を高めることを試みている。
特開2008−151431号公報
しかしながら、被加熱物の材料や状態、調理方法、被加熱物の支持部材(容器や載置台等)などの影響により、加熱しても被加熱物の表面に色彩の変化が生じない場合や、色彩が変化しているもののそれを色彩計測手段によって識別できない場合などが発生する虞がある。これにより、特許文献1に記載の従来の加熱調理器では色彩計測手段による検知信号が変化しない可能性があり、加熱手段の制御が実行できなくなるという問題があった。
具体的に言えば、例えばおもちをオーブン加熱するときのその表面に適度な焦げを生じさせたい場合、おもちの表面の色彩が白色から茶色或いは黒色へと変化する。したがって、上記従来の加熱調理器で色彩計測手段を用いて加熱制御することにより好適な焦げ具合を自動的に得ることができる。しかしながら、おもちの表面に焦げを生じさせることなく加熱調理を終えたい場合、おもちの表面が白色から変化しないので、上記従来の加熱調理器では対応できない可能性がある。
また、例えばグリル加熱したい魚の表面の一部が加熱前においてすでに黒色を帯びている場合、この黒色部分は色彩計測手段で色彩の変化を識別できない虞がある。したがって、上記従来の加熱調理器では好適な焦げ具合であるか否かを判断することができず、適正な加熱制御が実行できない可能性がある。
また、例えば可視光線に対して不透明な容器に入ったグラタンをオーブン加熱する場合、グラタンが加熱室の内部の空気に面している部分は色彩計測手段で色彩の変化を識別できる。しかしながら、グラタンが容器に面している部分は色彩計測手段で色彩の変化を識別できない虞がある。したがって、上記従来の加熱調理器では好適な焦げ具合であるか否かを判断することができず、適正な加熱制御が実行できない可能性がある。
本発明は、上記の点に鑑みなされたものであり、被加熱物の外観からは識別できない調理状態を把握することができ、被加熱物に対する加熱を好適に制御して加熱品質の向上を図ることが可能な加熱調理器を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の加熱調理器は、被加熱物を加熱する加熱部と、前記被加熱物の調理状態の判別のために前記被加熱物に向けて100GHz以上120THz以下の周波数の電磁波を放射する電磁波発生部と、前記電磁波発生部が放射した前記電磁波を検出する電磁波検出部と、前記電磁波を検出した前記電磁波検出部が出力する信号に基づいて前記被加熱物の調理状態を判別する演算部と、を備えることを特徴としている。
上記周波数帯域の電磁波は食物を構成する糖質、タンパク質、脂質、ミネラル、ビタミン、水などの分子の回転運動、分子間相互作用などによって吸収され易いという性質を備えている。特に、上記周波数帯域の電磁波は水分子に非常に吸収され易いという性質を備えているので、被加熱物が有する水分量の変化がわずかであっても電磁波の強度が大きく変化する。したがって、この構成によれば、加熱調理器は被加熱物に当たり反射または散乱または通過して強度が変化した電磁波を検出することで、例えば被加熱物が有する水分量の変化を識別する。これにより、加熱調理器は被加熱物の調理状態を判別する。
なお、被加熱物の調理状態を判別するために用いる食物の構成要素は上記「水」に限定されるわけではなく、「水」以外の他の構成要素であっても良い。
また、ここで述べた「100GHz以上120THz以下の周波数の電磁波」は加熱調理における被加熱物である調理物の加熱に一般的に利用される所謂マイクロ波加熱のマイクロ波(2.45GHz)とは異なる。すなわち、ここで述べた「電磁波発生部」は、例えばマイクロ波を放射して被加熱物を加熱する「加熱部」とは異なる構成要素である。
また、「100GHz以上120THz以下の周波数の電磁波」は人体に対して安全で、且つ水の吸収係数が102cm-1以上の電磁波である。吸収係数が102cm-1であるということは、電磁波は水中を0.1mm(=1/102cm)進む間にその強度が10分の1になる。電磁波は被加熱物の水分中を0.1mm進む間にその強度が10分の1に減少するので、検出中にノイズが発生しても十分に検出可能である。一方、100GHz未満の周波数の電磁波は徐々に水の吸収係数が102cm-1より減少して検出精度が低下する虞がある。また、120THzを超える周波数の電磁波は徐々に人体への影響が大きくなる虞がある。
また、上記構成の加熱調理器において、前記電磁波の周波数が3THz以下であることを特徴としている。
一般的に加熱空間が高温になったときに発生する熱輻射は波長が長くなるにつれて多くなり、特定の波長でピークとなり、ピーク時より波長が長くなると単調に減少する。熱輻射の分布は温度により変化し、例えば室温程度におけるピーク時の波長が約10μmであり、80度におけるピーク時の波長が約8μmである。熱輻射が多い波長(周波数)の電磁波を用いて被加熱物の調理具合を検出しようとすると、電磁波の検出時に熱輻射がノイズとして現れる虞がある。しかしながら、室温程度の場合、2.5THz以下(波長120μm以上)では熱輻射量がピーク時の千分の一程度以下になる。温度が上昇するにつれて熱輻射量がピーク時の千分の一程度以下になる周波数は低く(波長は長く)なる。したがって、この構成によれば、2.5THz以下(波長120μm以上)の周波数の電磁波を用いているので、加熱時の熱輻射量がピーク時の千分の一程度よりも小さくなり、熱輻射の影響が十分少なくなる。
また、上記構成の加熱調理器において、前記被加熱物を収容する加熱室と、前記加熱室の内部の気体を外部に排出するための排気部と、を備えることを特徴としている。
この構成によれば、加熱室の内部の水蒸気や他の気体による電磁波の吸収の影響が小さくなる。したがって、被加熱物が有する水分量の検出がより正確になる。
また、上記構成の加熱調理器において、前記電磁波が異なる複数箇所に向かって放射され、それら各々の前記電磁波に対応する複数の前記信号を前記電磁波検出部が出力することを特徴としている。
この構成によれば、加熱調理器は被加熱物の複数の箇所に当たった電磁波の検出信号を得る。若しくは、加熱調理器は被加熱物に当たった電磁波と、当たっていない電磁波との検出信号を得る。複数箇所から得られる電磁波の検出信号を比較することより、検出される被加熱物の水分量の正確さが高まる。また、例えば加熱の前後において被加熱物のある箇所の調理状態がほぼ変化しないときに、この箇所の検出信号を基準として、被加熱物の温度や被加熱物周辺の水蒸気の影響を受け易い他の箇所の電磁波の検出信号を補正することができる。
また、上記構成の加熱調理器において、異なる複数箇所に向かって放射される各々の前記電磁波の放射経路の長さが略同じであることを特徴としている。
この構成によれば、放射経路の長さが略同じである電磁波の差分をとることにより、被加熱物の温度や被加熱物周辺の水蒸気の影響を受けた電磁波の検出信号を補正することができる。
また、上記構成の加熱調理器において、異なる複数箇所に向かって放射される前記電磁波が、前記被加熱物の前記被加熱物を支持する支持部材との接触箇所と、前記支持部材の前記被加熱物との非接触箇所とに当たることを特徴としている。
この構成によれば、これらの箇所に当たった電磁波の差分をとることにより、被加熱物の温度や被加熱物周辺の水蒸気の影響を受けた電磁波の検出信号を補正することができる。
また、上記構成の加熱調理器において、異なる複数箇所に向かって放射される前記電磁波が、前記被加熱物の前記被加熱物を支持する支持部材との接触箇所と、前記被加熱物の前記支持部材との非接触箇所とに当たることを特徴としている。
この構成によれば、これらの箇所に当たった電磁波の差分をとることにより、被加熱物の温度や被加熱物周辺の水蒸気の影響を受けた電磁波の検出信号を補正することができる。
また、上記構成の加熱調理器において、前記被加熱物の周辺の湿度を検知する湿度検知部を備え、前記演算部は前記湿度検知部が検知した前記湿度を用いて前記電磁波検出部が出力する前記信号を補正することを特徴としている。
この構成によれば、被加熱物に当たり反射または散乱または通過した電磁波の検出信号に対して前記被加熱物の周辺の水蒸気による電磁波の吸収を補正することができる。したがって、被加熱物が有する水分量の検出が正確になる。
また、上記構成の加熱調理器において、前記被加熱物の温度を検知する温度検知部を備え、前記演算部は前記温度検知部が検知した前記温度を用いて前記電磁波検出部が出力する前記信号を補正することを特徴としている。
この構成によれば、被加熱物に当たり反射または散乱または通過した電磁波の検出信号に対して被加熱物の温度変化による電磁波の吸収率の変化を補正することができる。したがって、被加熱物が有する水分量の検出が正確になる。
また、上記構成の加熱調理器において、前記演算部は前記電磁波検出部が出力する前記信号の絶対値に基づいて前記被加熱物の調理状態を判別することを特徴としている。
この構成によれば、被加熱物が有する検出対象である水の分子の量を判別できる。これにより、例えば被加熱物の表面の焦げ具合が識別される。
また、上記構成の加熱調理器において、前記演算部は前記電磁波検出部が出力する前記信号の時間変化に基づいて前記被加熱物の調理状態を判別することを特徴としている。
この構成によれば、被加熱物が有する検出対象である水の分子の量が変化しているか否かを判別できる。これにより、例えば被加熱物の表面の焦げ具合が識別される。
また、上記構成の加熱調理器において、前記電磁波検出部が出力する前記信号の時間変化量の予め定められた基準値を有することを特徴としている。
この構成によれば、電磁波検出部の出力信号の時間変化量の基準値と、電磁波検出部の出力信号の時間変化とを比較することにより、容易に被加熱物が有する検出対象である水の分子の量が変化しているか否かを判別できる。これにより、例えば被加熱物の表面の焦げ具合が簡単に識別される。
また、上記構成の加熱調理器において、前記電磁波検出部が前記被加熱物を通過する前記電磁波を検出するものであって、前記演算部は前記被加熱物を通過する前記電磁波の前記電磁波検出部による検出可能な位置の変化に基づいて前記被加熱物の調理状態を判別することを特徴としている。
この構成によれば、演算部は電磁波検出部によって電磁波が検出できる位置と検出できない位置との境界を演算する。さらに、演算部は調理前または調理初期において被加熱物を通過する電磁波を検出できない位置が、加熱調理の進行とともに被加熱物の水分が減少して変位することを演算する。すなわち、演算部は電磁波の電磁波検出部による検出可能な位置の変化に基づいて被加熱物の調理状態を判別する。
また、上記構成の加熱調理器において、前記電磁波の放射位置が変化することを特徴としている。
この構成によれば、調理空間における被加熱物の配置に係る位置情報が得られる。これにより、被加熱物の調理状態を把握するために好適な被加熱物の位置に対して電磁波が放射される。したがって、被加熱物の調理状態の把握が正確になる。
また、上記構成の加熱調理器において、前記電磁波の放射位置を指示する指示部を備えることを特徴としている。
この構成によれば、ユーザーは電磁波の放射位置を確認できるので、被加熱物の調理状態を把握するために好適な被加熱物の位置に対して電磁波が当たるよう被加熱物を配置し易くなる。したがって、被加熱物の調理状態の把握が正確になる。
また、上記構成の加熱調理器において、前記温度検知部の出力の予め定められた基準値を有し、前記被加熱物の調理開始後に前記温度検知部の出力が前記基準値以上になったことを条件として前記被加熱物の調理状態を判別するための前記電磁波を前記被加熱物に向けて放射することを特徴としている。
この構成によれば、被加熱物が十分に加熱された後、被加熱物が有する検出対象である水の分子の量が変化しているか否かを判別できる。これにより、被加熱物の表面の焦げ具合が適正に識別される。
また、上記構成の加熱調理器において、前記加熱部の動作を制御する制御部を備えることを特徴としている。
この構成によれば、加熱調理器は演算部が判別した被加熱物の調理状態に基づいて加熱部の動作を制御する。これにより、被加熱物の加熱品質が向上する。
また、上記構成の加熱調理器において、前記被加熱物の調理状態を表示する表示部を備えることを特徴としている。この構成によれば、ユーザーによって被加熱物の調理状態が確認される。
本発明の構成によれば、被加熱物に当たり反射または散乱または通過した電磁波の強度を検出することで、被加熱物である食物の構成要素、例えば水分の量が分かる。したがって、本発明の加熱調理器は被加熱物の外観からは識別できない調理状態を把握することが可能である。それに基づいて被加熱物に対する加熱を好適に制御して加熱品質の向上を図ることが可能な加熱調理器を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る加熱調理器の斜視図である。 図1に示す加熱調理器の概略垂直断面正面図である。 図1の加熱調理器の構成を示すブロック図である。 図1の加熱調理器における加熱時間と電磁波検出部の検出信号との関係を示すグラフである。 図1の加熱調理器における加熱時間と電磁波検出部の検出信号との関係を示すグラフである。 図1の加熱調理器の調理動作を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る加熱調理器の概略垂直断面正面図である。 本発明の第3の実施形態に係る加熱調理器の概略垂直断面正面図である。 本発明の第4の実施形態に係る加熱調理器の概略垂直断面正面図である。 本発明の第5の実施形態に係る加熱調理器の概略垂直断面正面図である。 本発明の第6の実施形態に係る加熱調理器の概略垂直断面正面図である。 本発明の第7の実施形態に係る加熱調理器の概略垂直断面正面図である。 図12の加熱調理器の調理動作を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態に係る加熱調理器を図1〜図13に基づき説明する。
最初に、本発明の第1の実施形態に係る加熱調理器について、図1〜図3を用いてその概略構造を説明する。図1は加熱調理器の斜視図、図2は加熱調理器の概略垂直断面正面図、図3は加熱調理器の構成を示すブロック図である。
図1及び図2に示すように、加熱調理器1は直方体形状なす本体筐体2に加熱室3、扉4、加熱部5、排気部6、温度検知部7及び湿度検知部8を備えている。
加熱室3は直方体形状をなして本体筐体2の内部に形成されている。加熱室3の前面には矩形の開口が設けられ、この開口の箇所に加熱調理器1の前方から開閉可能な扉4が設けられている。加熱室3の底板3aの上には調理物である被加熱物Cが載置される。加熱室3は加熱部5によって生じる熱を閉じ込め、効率良く被加熱物Cを加熱する。
扉4は加熱調理器1の外部から加熱室3の内部を見ることができるよう透明な窓部4aを備えている。ユーザーは扉4を開放することにより加熱室3の内部に対して被加熱物Cを出し入れすることができる。
本体筐体2の前面であって扉4の側方には操作パネル9が備えられている。操作パネル9には操作部10及び表示部11が設けられている。操作部10は複数のキーや表示部11の表面に設けられたタッチパネルを備え、調理メニューの選択操作、調理開始の指示、調理停止の指示などの調理操作を受け付ける。表示部11は液晶パネル等からなり、操作部10としての操作画面や調理の進行状況などを表示する。また、表示部11はユーザーに対するメッセージなどを表示してユーザーへの報知を行うこともできる。
加熱部5は加熱室3の上方に配置されている。加熱部5は被加熱物Cを加熱するためのものであり、マイクロ波発信装置やヒータなど加熱調理器1の目的に合わせて適宜選択され得る。なお、加熱部5の配置箇所は加熱室3の上方に限定されるわけではなく、加熱部5に種類に合わせて、例えば加熱室3の側方などに配置しても良い。
排気部6は加熱室3の側方に配置されている。排気部6は排気口6a、排気ダクト6b及び排気ファン6cを備えている。排気口6aは加熱室3の一側壁に開口している。排気口6aには加熱調理器1の外部に連通するように本体筐体2まで延びる排気ダクト6bが接続されている。排気ファン6cは排気ダクト6bの内部に配置され、図示しないモータによって回転駆動される。排気部6は排気ファン6cを回転させて外気を図示しない吸気口から加熱室3の内部に供給し、さらに加熱室3の内部の空気を排気口6aから排気ダクト6bに流通させて外部に排出する。
温度検知部7は加熱室3の内部に載置された被加熱物Cの温度を検知するために、加熱室3の上方に配置されている。温度検知部7は、例えば焦電効果を利用した赤外線温度センサーで構成され、被加熱物Cからの熱輻射を検出することにより被加熱物Cの温度を検知する。
湿度検知部8は被加熱物Cの周辺の湿度を検知するために、加熱室3の上方に配置されている。湿度検知部8は、例えば高分子感湿材料を用いた静電容量式や電気抵抗式の湿度センサーで構成されている。
ここで、加熱調理器1はその全体の動作制御のために、図3に示す制御部12を備えている。制御部12はCPU13やその他の図示しない電子部品で構成されている。CPU13は中央演算部であって、記憶部14等に記憶、入力されたプログラム、データに基づき加熱部5や排気部6などといった構成要素を制御して一連の加熱調理を実現する。なお、記憶部14は例えば調理メニューや調理メニューに対応した加熱調理器1の各構成要素の制御データなどを予め記憶している。
上記構成の加熱調理器1において、操作部10を介して調理開始が指示されると、加熱部5や排気部6が駆動される。これにより、被加熱物Cが加熱され、加熱室3の内部の空気が外部に排出される。CPU13は操作部10や調理メニュー等により予め設定された調理時間や、温度検知部7または湿度検知部8の出力信号などに基づいて調理の終了時期を判別して加熱調理を完了する。
そして、上記構成の加熱調理器1はより効果的な加熱調理を実現するために電磁波を利用して被加熱物Cの水分量を検出するようにしている。加熱調理器1は加熱調理中の被加熱物Cが有する水分の変化を確認することにより被加熱物Cの外観からは識別できない調理状態を把握する。このため、CPU13は加熱調理が進行するに従って変化する被加熱物Cの水分量に基づいて被加熱物Cが調理メニューに合わせて好適な調理状態になったことを判別して加熱調理を完了する。
このような加熱調理を実現するために、加熱調理器1は図2及び図3に示す電磁波発生部15と電磁波検出部16とを備えている。
続いて、被加熱物Cの水分量の検出に係る構成とその動作について、図2及び図3に加えて図4及び図5を用いて詳しく説明する。図4及び図5はともに加熱調理器1における加熱時間と電磁波検出部16の検出信号との関係を示すグラフである。
電磁波発生部15は加熱室3の上方に配置されている。電磁波発生部15は加熱室3の内部であって下方、すなわち被加熱物Cに向けて電磁波Eを放射する。なお、図1に描画した破線矢印が電磁波Eの放射経路及び放射方向を示している。電磁波発生部15は例えば量子カスケードレーザーや共鳴トンネルダイオードなどを備え、100GHz以上120THz以下の周波数を有する電磁波Eを放射する。
このように電磁波発生部15は、例えばマイクロ波を放射して被加熱物Cを加熱する加熱部5とは異なる構成要素である。電磁波発生部15が放射する電磁波Eは加熱調理で一般的に利用される所謂マイクロ波加熱のマイクロ波(2.45GHz)とは異なる。
100GHz以上120THz以下の周波数の電磁波は人体に対して安全で、且つ水の吸収係数が102cm-1以上の電磁波である。吸収係数が102cm-1であるということは、電磁波は水中を0.1mm(=1/102cm)進む間にその強度が10分の1になる。電磁波は被加熱物Cの水分中を0.1mm進む間にその強度が10分の1に減少するので、検出中にノイズが発生しても十分に検出可能である。一方、100GHz未満の周波数の電磁波は徐々に水の吸収係数が102cm-1より減少して検出精度が低下する虞がある。また、120THzを超える周波数の電磁波は徐々に人体への影響が大きくなる虞がある。
さらに、電磁波Eの周波数は3THz以下であることが望ましい。一般的に加熱室3の内部が高温になったときに発生する熱輻射は波長が長くなるにつれて多くなり、特定の波長でピークとなり、ピーク時より波長が長くなると単調に減少する。熱輻射の分布は温度により変化し、例えば室温程度におけるピーク時の波長が約10μmであり、80度におけるピーク時の波長が約8μmである。熱輻射が多い波長(周波数)の電磁波Eを用いて被加熱物Cの調理具合を検出しようとすると、電磁波Eの検出時に熱輻射がノイズとして現れる虞がある。しかしながら、室温程度の場合、2.5THz以下(波長120μm以上)では熱輻射量がピーク時の千分の一程度以下になる。温度が上昇するにつれて熱輻射量がピーク時の千分の一程度以下になる周波数は低く(波長は長く)なる。したがって、この構成によれば、2.5THz以下(波長120μm以上)の周波数の電磁波Eを用いているので、加熱時の熱輻射量がピーク時の千分の一程度よりも小さくなり、熱輻射の影響が十分少なくなる。
このようにして、100GHz以上120THz以下の周波数を有する電磁波Eは水に非常に吸収され易いという性質を備える。したがって、被加熱物Cにわずかでも水分が存在すると、電磁波Eの強度は被加熱物Cに当たる前後で大きく変化する。
電磁波検出部16は加熱室3の上方に配置されている。電磁波検出部16は電磁波発生部15が放射して被加熱物Cに当たり反射または散乱した電磁波Eを検出可能な位置に配置されている。このようにして、電磁波Eが被加熱物Cに当たり反射または散乱するので、電磁波検出部16は電磁波発生部15と同様に加熱室3の上方に設けることが望ましい。電磁波検出部16は例えば焦電効果を利用した素子やゴーレイセル、ショットキーバリアダイオードなどを備え、電磁波発生部15が放射した電磁波Eを検出する。
なお、電磁波発生部15及び電磁波検出部16の配置箇所は上記構成に限定されるわけではなく、他の配置箇所であっても良い。
上記電磁波発生部15及び電磁波検出部16を備える加熱調理器1において、操作部10を介して調理開始が指示されると、図2に示すように電磁波発生部15から加熱室3の内部の被加熱物Cに向けて電磁波Eが放射される。電磁波Eは被加熱物Cに当たると、被加熱物Cが有する水分量に応じて吸収されてその強度が変化する。
被加熱物Cに当たって強度が変化し、反射または散乱した電磁波Eを電磁波検出部16が検出する。そして、CPU13が電磁波Eを検出した電磁波検出部16が出力する信号に基づいて被加熱物Cが有する水分量の変化を演算する。さらに、CPU13はその演算結果から被加熱物Cの調理具合を判別する。
また、さらに被加熱物Cが有する水分量の検出を正確にするために、温度検出部7を利用しても良い。電磁波Eは被加熱物Cによるその吸収量が被加熱物Cの温度の影響を受けるので、被加熱物Cの温度変化が電磁波検出部16による被加熱物Cの水分量の正確な検出の妨げとなる。このため、加熱調理器1は温度検出部7によって被加熱物Cの温度を検知する。
また、さらに被加熱物Cが有する水分量の検出を正確にするために、湿度検知部8を利用しても良い。電磁波Eは加熱室3の内部の水蒸気でも吸収されるので、被加熱物Cの周辺の水蒸気量の変動が電磁波検出部16による電磁波Eの検出に影響を与えて被加熱物Cの水分量の正確な検出の妨げとなる。このため、加熱調理器1は湿度検知部8によって被加熱物Cの周辺の空気の湿度を検知する。
続いて、被加熱物Cが有する水分量、すなわち電磁波検出部16が出力する検出信号の補正方法について説明する。
まず、被加熱物Cの周辺の水蒸気によって吸収されることによる電磁波Eの減衰を算出する。水蒸気による電磁波Eの減衰率は電磁波Eの単位スポット面積を通過する部分に含まれる水蒸気量に対して指数関数の関係にある。そこで、電磁波Eの単位スポット面積を通過する部分に含まれる水蒸気量を算出する。
電磁波Eの単位スポット面積を通過する部分に含まれる水蒸気量Wは式(1)で算出することができる。
W=L×Y×RH÷100 ・・・(1)
ここで、Lは電磁波Eの放射経路の長さである。電磁波Eの放射経路の長さLの求め方としては三角測量などの一般的な測距センサーと同様の原理を用いても良いし、加熱室3の大きさに応じた一定値を予め設定しても良い。RHは湿度検知部8によって計測される湿度[%]である。Yは飽和蒸気量であり、加熱室3の内部の空気の温度Tによって変化する。飽和蒸気量Yは加熱室3の内部の空気の温度Tの関数として式(2)で算出することができる。
Figure 0005244229
ただし、上記算出方法は一例であり、飽和蒸気量Yは温度Tの関数として式(2)に近似可能な関数を用いて算出しても良いし、飽和蒸気量Yと温度Tとを関係付けるテーブルを予め用意しても良い。なお、加熱室3の内部の空気の温度Tはサーミスタなどの温度センサーを新たに設けて測定しても良い。
次に、算出された電磁波Eの単位スポット面積を通過する部分に含まれる水蒸気量Wから水蒸気による電磁波Eの減衰を算出する。
参照値として、温度T=T0、湿度RH=RH0の場合の電磁波Eの減衰率を測定し、その減衰率がD0であったとする。このときの電磁波Eの単位スポット面積を通過する部分に含まれる水蒸気量W0を温度T=T0及び湿度RH=RH0などを利用して算出しておく。
電磁波Eの単位スポット面積を通過する部分に含まれる水蒸気による減衰率Dは、電磁波Eの単位スポット面積を通過する部分に含まれる水蒸気量Wと、参照減衰率D0及び参照水蒸気量W0とを用いて式(3)で算出することができる。
Figure 0005244229
最終的に、電磁波検出部16が出力する検出信号X0の、被加熱物Cの周辺の水蒸気による影響を補正した値X1は式(4)で算出することができる。
1=X0÷D ・・・(4)
次に、被加熱物Cの温度変化に起因する電磁波Eの吸収量の変化による誤差を算出して補正する。このため、被加熱物Cの状態がほぼ変化しない程度の低い温度状態において、温度検知部7を用いて被加熱物Cの温度変化ΔU0を測定する。このとき、電磁波検出部
16の検出信号の変化量をZ0とする。被加熱物Cの単位温度上昇に対する電磁波検出部16の検出信号の変化量Zは式(5)で算出することができる。
Z=Z0÷ΔU0 ・・・(5)
被加熱物Cの温度がΔU1度上昇した状態における被加熱物Cの温度上昇による電磁波
検出部16の検出信号の変化をZ1は式(6)で算出することができる。
1=Z×ΔU1 ・・・(6)
このとき、水蒸気の影響を補正した検出信号X1に対して被加熱物Cの温度上昇による影響を補正した値X2は式(7)で算出することができる。
2=X1+Z1 ・・・(7)
このようにして、CPU13は温度検知部7が検知した被加熱物Cの温度と、湿度検知部8が検知した被加熱物Cの周辺の空気の湿度とを用いて電磁波検出部16が出力する検出信号を補正し、被加熱物Cの調理具合を判別する。制御部12は被加熱物Cの調理具合に基づいて加熱部5の動作を制御する。また、表示部11は被加熱物Cの調理具合を表示する。
なお、上記の電磁波検出部16が出力する検出信号の補正方法は一例であり、CPU13が電磁波検出部16の検出信号に基づく演算を行った後に、温度検知部7及び湿度検知部8の出力を調理具合の判別方法に反映するなどしても良い。
そして、CPU13が演算した単位時間当たりの電磁波検出部16の検出信号の誤差補正後の値の変化が予め設定した値よりも小さくなったとき、制御部12は加熱源5を制御して加熱調理を完了する。
続いて、この制御部12による加熱源5の制御方法について説明する。
図4及び図5は被加熱物Cを加熱したときの加熱時間に対する電磁波検出部16の検出信号の変化の概略を示したグラフである。電磁波検出部16の検出信号に対する被加熱物Cの温度変化による誤差と、被加熱物Cの周辺の水蒸気による誤差との影響の補正がすでに済んでいるものとする。被加熱物Cの材料や構造によって、図4に示すように加熱時間の経過とともに電磁波検出部16の検出信号が強くなっていく場合や、図5に示すように加熱時間の経過とともに電磁波検出部16の検出信号が弱くなっていく場合がある。
図4及び図5に示すように被加熱物Cが加熱されると、被加熱物Cに含まれる水分の蒸発などにより電磁波Eの強度が変化し、電磁波検出部16の検出信号が変化する。被加熱物Cが十分に加熱されて被加熱物Cの状態変化が小さくなった場合、電磁波Eの強度の変化及び電磁波検出部16の検出信号の変化も小さくなる。
そして、時間経過に対する電磁波検出部16の検出信号の変化、つまり図4及び図5における電磁波検出部16の検出信号の変化の傾きが予め設定した値よりも小さくなったとき、例えば図4及び図5において矢印で示されたタイミングで加熱を終了する。これにより、被加熱物Cを加熱し過ぎることがなくなるので、例えば被加熱物Cが焦げ過ぎることを防ぐことが可能となる。
電磁波検出部16の検出信号の変化の傾きに係る予め設定した値は、被加熱物Cの種類や、ユーザーが要求する被加熱物Cの焦げ具合や焦げる場所によって異なる。このため、例えば被加熱物Cに対応する調理メニュー毎に予め上記設定値を定めておき、ユーザーが調理メニューを選択する際に対応する設定値を選択できるようにすれば良い。
なお、上記の制御部12による加熱源5の制御方法は一例であり、これに限らず、例えば電磁波検出部16の検出信号を補正した後に、上記検出信号の絶対値に基づいて制御部12が加熱源5の制御を行っても良い。
続いて、加熱調理器1の調理動作について、図6に示すフローに沿って説明する。図6は加熱調理器1の調理動作を示すフローチャートである。なお、この動作フローは一例であり、加熱調理器1の動作がこれに限定されるわけではない。
加熱調理器1の加熱室3の内部に調理物としての被加熱物Cが収容されて扉4が閉鎖されると(図6のスタート)、調理状態の判別用の電磁波Eが電磁波発生部15から被加熱物Cに向けて放射されて電磁波検出部16にて検出される(図6のステップ#101)。
CPU13は温度検知部7が検知した被加熱物Cの温度と、湿度検知部8が検知した被加熱物Cの周辺の空気の湿度とを用いて電磁波検出部16が出力する検出信号を補正する(ステップ#102)。この補正後の信号の大きさをR0とする。
次に、加熱調理器1は操作部10からユーザーによって調理開始の指示を受け付けたか否かを判別する(ステップ#103)。調理開始の指示を受け付けていない場合(ステップ#103のNo)、ステップ#102で電磁波検出部16が出力する検出信号を補正してから一定時間が経過したか否かを判別する(ステップ#104)。なお、ここで述べた一定時間は予め定められて記憶部14等に記憶されている。
そして、ユーザーによって調理開始が指示されるまでステップ#103〜#104を繰り返して一定時間が経過すると(ステップ#104のYes)、加熱調理器1はユーザーによる調理指示がなかったものとして調理動作を終了させる(図6のエンド)。
ステップ#103においてユーザーの指示により調理が開始された場合(ステップ#103のYes)、制御部12が加熱部5を制御して被加熱物Cの加熱を開始する(ステップ#105)。そして、温度検知部7により被加熱物Cの温度が検知され、温度検知部7の出力が予め定められた基準値以上になる、すなわち被加熱物Cの温度が予め定められた一定温度以上になるまで加熱が継続される(ステップ#106のNo)。このステップ#106により、被加熱物Cが十分に温度上昇していないことより状態が変化せず、調理動作が終了してしまうことを防止することができる。なお、ここで述べた一定温度は記憶部14等に記憶されている。
被加熱物Cの温度が予め定められた一定温度以上になると(ステップ#106のYes)、調理状態の判別用の電磁波Eが電磁波発生部15から被加熱物Cに向けて放射されて電磁波検出部16にて検出される(ステップ#107)。
CPU13は温度検知部7が検知した被加熱物Cの温度と、湿度検知部8が検知した被加熱物Cの周辺の空気の湿度とを用いて電磁波検出部16が出力する検出信号を補正する(ステップ#108)。この補正後の信号の大きさをRnとし、電磁波検出部16の検出回数であるnの初期値を1とする。
次に、CPU13は温度及び湿度により補正された電磁波検出部16の検出信号RnとRn-1との差分の絶対値が、検出信号の時間変化量の予め定められた基準値RSより小さいか否かを判別する(ステップ#109)。なお、ここで述べた基準値RSは記憶部14等に記憶されている。
検出信号RnとRn-1との差分の絶対値が基準値RSより小さい場合(ステップ#109のYes)、制御部12が加熱部5を制御して被加熱物Cの加熱を終了する(ステップ#110)。そして、加熱調理器1は調理動作を終了させる(図6のエンド)。
一方、ステップ#109において検出信号RnとRn-1との差分の絶対値が基準値RSより小さくない場合(ステップ#109のNo)、予め定めた一定時間を経過するまで被加熱物Cの加熱を継続する(ステップ#111)。なお、ここで述べた一定時間は記憶部14等に記憶されている。
ステップ#111において一定時間が経過すると(ステップ#111のYes)、電磁波検出部16の検出回数nに1を加算し(ステップ#112)、ステップ#107に戻って再度電磁波Eの放射及び検出が実行される。
上記のように、加熱調理器1は被加熱物Cの調理状態の判別のために被加熱物Cに向けて100GHz以上120THz以下の周波数の電磁波Eを放射する電磁波発生部15と、電磁波発生部15が放射して被加熱物Cに当たり反射または散乱した電磁波Eを検出する電磁波検出部16と、電磁波Eを検出した電磁波検出部16が出力する信号に基づいて被加熱物Cの調理状態を判別するCPU13と、を備えている。上記周波数帯域の電磁波Eは食物を構成する糖質、タンパク質、脂質、ミネラル、ビタミン、水などの分子の回転運動、分子間相互作用などによって吸収され易いという性質を備えている。特に、上記周波数帯域の電磁波Eが水分子に非常に吸収され易いという性質を有しているので、加熱調理器1は被加熱物Cに当たり反射または散乱して強度が変化した電磁波Eを検出することで、被加熱物Cが有する水分量の変化を識別することができる。したがって、加熱調理器1は被加熱物Cの外観からは識別できない調理状態を判別することが可能である。
なお、被加熱物Cの調理状態を判別するために用いる食物の構成要素は上記「水」に限定されるわけではなく、「水」以外の他の構成要素であっても良い。
そして、加熱調理器1の電磁波発生部15が放射する電磁波Eの周波数は3THz以下であることが望ましい。これにより、加熱空間である加熱室3の内部が高温になったときに発生する熱輻射の影響を少なくすることが可能である。
また、加熱調理器1が加熱室3の内部の気体を外部に排出するための排気部6を備えているので、加熱室3の内部の水蒸気や他の気体による電磁波Eの吸収の影響が小さくなる。したがって、被加熱物Cが有する水分量の検出をより正確に行うことが可能になる。
また、加熱調理器1が被加熱物Cの周辺の湿度を検知する湿度検知部8を備え、CPU13は湿度検知部8が検知した湿度を用いて電磁波検出部16が出力する信号を補正する。これにより、被加熱物Cに当たり反射または散乱した電磁波Eの検出信号に対して被加熱物Cの周辺の水蒸気による電磁波Eの吸収を補正することができる。したがって、被加熱物Cが有する水分量の検出を正確に行うことが可能になる。
また、加熱調理器1が被加熱物Cの温度を検知する温度検知部7を備え、CPU13は温度検知部7が検知した温度を用いて電磁波検出部16が出力する信号を補正する。これにより、被加熱物Cに当たり反射または散乱した電磁波Eの検出信号に対して被加熱物Cの温度変化による電磁波Eの吸収率の変化を補正することができる。したがって、被加熱物Cが有する水分量の検出を正確に行うことが可能になる。
また、CPU13は被加熱物Cが有する水分量、すなわち電磁波検出部16が出力する信号の絶対値に基づいて被加熱物Cの調理状態を判別するので、被加熱物Cが有する検出対象である水の分子の量を判別できる。これにより、例えば被加熱物Cの表面の焦げ具合を識別することが可能である。
また、CPU13は電磁波検出部16が出力する信号の時間変化に基づいて被加熱物Cの調理状態を判別するので、被加熱物Cが有する検出対象である水の分子の量が変化しているか否かを判別できる。これにより、例えば被加熱物Cの表面の焦げ具合を識別することが可能である。
また、加熱調理器1は電磁波検出部16が出力する信号の時間変化量の予め定められた基準値RSを有する。電磁波検出部16の出力信号の時間変化量の基準値RSと、電磁波検出部16の出力信号の時間変化とを比較することにより、容易に被加熱物Cが有する水の分子の量が変化しているか否かを判別できる。これにより、例えば被加熱物Cの表面の焦げ具合が簡単に識別される。
また、加熱調理器1は温度検知部7の出力の予め定められた基準値を有し、被加熱物Cの調理開始後に温度検知部7の出力が前記基準値以上になったことを条件として被加熱物Cの調理状態を判別するための電磁波Eを被加熱物Cに向けて放射する。したがって、被加熱物Cが十分に加熱された後、被加熱物Cが有する水の分子の量が変化しているか否かを判別できる。これにより、被加熱物Cの表面の焦げ具合が適正に識別される。
また、加熱調理器1は加熱部5の動作を制御する制御部12を備えているので、CPU13が判別した被加熱物Cの調理状態に基づいて加熱部5の動作を制御する。これにより、被加熱物Cの加熱品質を向上させることが可能である。
また、加熱調理器1は被加熱物Cの調理状態を表示する表示部11を備えているので、ユーザーが被加熱物Cの調理状態を容易に確認することができる。
そして、本発明の上記実施形態の構成によれば、被加熱物Cに当たり反射または散乱した電磁波Eの強度を検出することで、被加熱物Cである食物の構成要素、例えば水分の量が分かる。したがって、本発明の加熱調理器1は被加熱物Cの外観からは識別できない調理状態を把握することが可能である。それに基づいて被加熱物Cに対する加熱を好適に制御して加熱品質の向上を図ることが可能な加熱調理器1を提供することができる。
次に、本発明の第2の実施形態に係る加熱調理器について、図7を用いて説明する。図7は加熱調理器の概略垂直断面正面図である。なお、この実施形態の基本的な構成は図1〜図6を用いて説明した前記第1の実施形態と同じであるので、第1の実施形態と共通する構成要素には前と同じ符号を付し、図面の記載及びその説明を省略するものとする。
第2の実施形態に係る加熱調理器1は、図7に示すように電磁波発生部15及び電磁波検出部16が加熱室3の下方に配置されている。加熱室3の内部には底板3aから離れた上方で被加熱物Cを支持するための支持部材であるプレート状の支持台17が設けられている。これにより、被加熱物Cは加熱室3の内部の上下方向の略中央部に存在している。
そして、電磁波発生部15は上方の被加熱物Cに向けて電磁波Eを放射するとともに、異なる2箇所に向けて電磁波E1、E2を放射する。電磁波発生部15が放射する一方の電磁波E1は下側から被加熱物Cに当たり、他方の電磁波E2被加熱物Cではない箇所に当たる。正確に言えば、電磁波E1は被加熱物Cの支持台17との接触箇所に当たり、電磁波E2は支持台17の被加熱物Cとの非接触箇所(支持台17の下面)に当たる。電磁波E1、E2は放射経路、すなわち電磁波発生部15から電磁波検出部16までの経路の長さが略同じである。
なお、電磁波発生部15が2箇所に向けて放射する電磁波E1、E2を各々異なるタイミングで放射するので、電磁波検出部16は1個で電磁波E1、E2の各々を個別に検出することができる。
また、支持台17は電磁波Eを透過する材料で形成されている。例えば、支持台17の材料としては陶磁器、ガラス、プラスチックなどを用いれば良い。なお、可視光線によって被加熱物の調理状態を検出する場合には支持台が透明である必要がある。しかしながら、上記実施形態では支持台17が透明である必要がないので、支持台17に用いる材料の選択の幅が広くなる。
このようにして第2の実施形態の構成によれば、電磁波発生部15から電磁波Eが異なる2箇所に向かって放射され、それら各々の電磁波Eに対応する複数の検出信号を電磁波検出部16が出力するので、加熱調理器1は被加熱物Cに当たった電磁波E1と、当たっていない電磁波E2との検出信号を得る。2箇所から得られる電磁波E1、E2の検出信号を比較することより、検出される被加熱物Cの水分量の正確さを高めることができる。
そして、上記のように2箇所に向かって放射される各々の電磁波E1、E2の放射経路の長さが略同じである。したがって、放射経路の長さが略同じである電磁波E1、E2の差分をとることにより、被加熱物Cの温度や被加熱物Cの周辺の水蒸気の影響を受けた電磁波E1、E2の検出信号を補正することができる。
また、異なる2箇所に向かって放射される電磁波E1、E2が、被加熱物Cの支持台17との接触箇所と、支持台17の被加熱物Cとの非接触箇所とに当たる。したがって、これらの箇所に当たった電磁波E1、E2の差分をとることにより、被加熱物Cの温度や被加熱物Cの周辺の水蒸気の影響を受けた電磁波E1、E2の検出信号を補正することができる。
なお、電磁波E1、E2各々に関してCPU13が演算した単位時間当たりの電磁波検出部16の検出信号の差分の絶対値に基づいて制御部12が加熱部5を制御する場合、支持台17の温度変化による誤差を補正することが望ましい。支持台17の温度は例えばサーミスタなどの温度センサーを新たに設けて測定すれば良い。
また、被加熱物Cを支持する支持部材として、支持台17に代えて他の容器を用いても構わない。容器の材料は支持台17の材料と同様である。この場合、電磁波E1、E2はその容器に向けて放射され、それぞれ被加熱物Cの容器との接触箇所と、容器の被加熱物Cとの非接触箇所とに当たるようにする。
また、電磁波Eはその放射箇所が2箇所に限定されるわけではなく、3箇所以上に放射することにしても良い。例えば、被加熱物Cの全体に向けて電磁波Eを放射しても良い。
次に、本発明の第3の実施形態に係る加熱調理器について、図8を用いて説明する。図8は加熱調理器の概略垂直断面正面図である。なお、この実施形態の基本的な構成は前記第1及び第2の実施形態と同じであるので、これらの実施形態と共通する構成要素には前と同じ符号を付し、図面の記載及びその説明を省略するものとする。
第3の実施形態に係る加熱調理器1は、図8に示すように加熱室3の底板3aから離れた上方で被加熱物Cを支持するためのプレート状の支持台17を備える。被加熱物Cは支持台17の上に載置されている。
そして、第1電磁波発生部18及び第1電磁波検出部19が加熱室3の上方に配置されている。第1電磁波発生部18が下方の被加熱物Cに向けて放射した電磁波E1は被加熱物Cの上側で反射または散乱して第1電磁波検出部19で検出される。電磁波E1は被加熱物Cの支持台17との非接触箇所に当たる。
また、第2電磁波発生部20及び第2電磁波検出部21が加熱室3の下方に配置されている。第2電磁波発生部20が上方の被加熱物Cに向けて放射した電磁波E2は被加熱物Cの下側で反射または散乱して第2電磁波検出部21で検出される。電磁波E2は被加熱物Cの支持台17との接触箇所に当たる。
電磁波E1の放射経路、すなわち第1電磁波発生部18から第1電磁波検出部19までの経路の長さと、電磁波E2の放射経路、すなわち第2電磁波発生部20から第2電磁波検出部21までの経路の長さとが略同じである。
このようにして第3の実施形態の構成によれば、異なる2箇所に向かって放射される電磁波E1、E2が、被加熱物Cの支持台17との接触箇所と、被加熱物Cの支持台17との非接触箇所とに当たる。したがって、これらの箇所に当たった電磁波E1、E2の差分をとることにより、被加熱物Cの温度や被加熱物Cの周辺の水蒸気の影響を受けた電磁波E1、E2の検出信号を補正することができる。これにより、被加熱物Cが有する水分量の正確さを一層高めることが可能である。
また、例えば加熱の前後において被加熱物Cのある箇所の調理状態がほぼ変化しないときに、この箇所の検出信号を基準として、被加熱物Cの温度や被加熱物Cの周辺の水蒸気の影響を受け易い他の箇所の電磁波Eの検出信号を補正することができる。
なお、電磁波E1、E2各々に関してCPU13が演算した単位時間当たりの電磁波検出部16の検出信号の差分の絶対値に基づいて制御部12が加熱部5を制御する場合、支持台17の温度変化による誤差を補正することが望ましい。支持台17の温度は例えばサーミスタなどの温度センサーを新たに設けて測定すれば良い。
また、電磁波Eはその放射箇所が2箇所に限定されるわけではなく、3箇所以上に放射することにしても良い。例えば、被加熱物Cの全体に向けて電磁波Eを放射しても良い。
次に、本発明の第4の実施形態に係る加熱調理器について、図9を用いて説明する。図9は加熱調理器の概略垂直断面正面図である。なお、この実施形態の基本的な構成は図1〜図6を用いて説明した前記第1の実施形態と同じであるので、第1の実施形態と共通する構成要素には前と同じ符号を付し、図面の記載及びその説明を省略するものとする。
第4の実施形態に係る加熱調理器1は、図9に示すように電磁波検出部16が加熱室3の下方の略中央部に配置されている。すなわち、電磁波発生部15と電磁波検出部16とが加熱室3を挟んで互いに対向するように配置されている。電磁波発生部15が下方の被加熱物Cに向けて放射した電磁波Eは加熱室3の底板3aの上に載置された被加熱物Cを通過した後に電磁波検出部16で検出される。
この第4の実施形態のような構成であっても、加熱調理器1は被加熱物Cに当たり通過して強度が変化した電磁波Eを検出することで、被加熱物Cが有する水分量の変化を識別することができる。したがって、加熱調理器1は被加熱物Cの外観からは識別できない調理状態を判別することが可能である。
また、加熱調理器1は被加熱物Cに当たり通過した電磁波Eの検出信号に対して被加熱物Cの周辺の水蒸気による電磁波Eの吸収を補正することができる。さらに、被加熱物Cに当たり通過した電磁波Eの検出信号に対して被加熱物Cの温度変化による電磁波Eの吸収率の変化を補正することができる。これらにより、被加熱物Cが有する水分量の検出を正確に行うことが可能になる。
次に、本発明の第5の実施形態に係る加熱調理器について、図10を用いて説明する。図10は加熱調理器の概略垂直断面正面図である。なお、この実施形態の基本的な構成は前記第1〜第4の実施形態と同じであるので、これらの実施形態と共通する構成要素には前と同じ符号を付し、図面の記載及びその説明を省略するものとする。
第5の実施形態に係る加熱調理器1は、図10に示すように加熱室3の底板3aから離れた上方で被加熱物Cを支持するためのプレート状の支持台17を備える。被加熱物Cは支持台17の上に載置されている。また、電磁波発生部15が加熱室3の上方に配置されている。
そして、第1電磁波検出部19が加熱室3の上方に配置されている。電磁波発生部15が下方の被加熱物Cに向けて放射した電磁波Eは被加熱物Cの上側で反射または散乱して電磁波E1として第1電磁波検出部19で検出される。
また、第2電磁波検出部21が加熱室3の下方に配置されている。電磁波発生部15が下方の被加熱物Cに向けて放射した電磁波Eは被加熱物Cを通過して電磁波E2として第2電磁波検出部21で検出される。
この第5の実施形態のような構成であっても、加熱調理器1は被加熱物Cに当たり反射または散乱または通過して強度が変化した電磁波E1、E2を検出することで、被加熱物Cが有する水分量の変化を識別することができる。したがって、被加熱物Cが有する水分量の正確さを高めることが可能である。
次に、本発明の第6の実施形態に係る加熱調理器について、図11を用いて説明する。図11は加熱調理器の概略垂直断面正面図である。なお、この実施形態の基本的な構成は前記第1〜第5の実施形態と同じであるので、これらの実施形態と共通する構成要素には前と同じ符号を付し、図面の記載及びその説明を省略するものとする。
第6の実施形態に係る加熱調理器1は、図11に示すように加熱室3の底板3aから離れた上方で被加熱物Cを支持するためのプレート状の支持台17を備える。被加熱物Cは支持台17の上に載置されている。また、電磁波検出部16が加熱室3の下方に配置されている。
そして、第1電磁波発生部18が加熱室3の上方に配置されている。第1電磁波発生部18が下方の被加熱物Cに向けて放射した電磁波E1は被加熱物Cを通過して電磁波検出部16で検出される。
また、第2電磁波発生部20が加熱室3の下方に配置されている。第2電磁波発生部20が上方の被加熱物Cに向けて放射した電磁波E2は支持台17の下面で反射または散乱して電磁波検出部16で検出される。
この第6の実施形態のような構成であっても、加熱調理器1は被加熱物Cに当たり通過して強度が変化した電磁波E1と、被加熱物Cに当たっていない電磁波E2とを検出することで、被加熱物Cが有する水分量の変化を識別することができる。したがって、被加熱物Cが有する水分量の正確さを高めることが可能である。
次に、本発明の第7の実施形態に係る加熱調理器について、図12及び図13を用いて説明する。図12は加熱調理器の概略垂直断面正面図、図13は加熱調理器の調理動作を示すフローチャートである。なお、この実施形態の基本的な構成は前記第1〜第6の実施形態と同じであるので、これらの実施形態と共通する構成要素には前と同じ符号を付し、図面の記載及びその説明を省略するものとする。
第7の実施形態に係る加熱調理器1は、図12に示すように電磁波発生部15が加熱室3の上方に配置され、電磁波検出部16が加熱室3の下方に配置されている。電磁波発生部15は電磁波検出部16が検出可能な2箇所に電磁波E1、E2を放射する。
電磁波E1は被加熱物Cの周縁部の外側を通過して電磁波検出部16で検出される。電磁波E2は被加熱物Cの周縁部の内側を通過して電磁波検出部16で検出される。しかしながら、電磁波E2は被加熱物Cが有する水分により吸収されて調理前または調理初期では電磁波検出部16で検出されず、加熱調理の進行とともに被加熱物Cの水分が減少して被加熱物Cを通過して検出されるようになる。
このこと利用して、例えば加熱調理前に被加熱物Cの全体に電磁波Eを放射し、電磁波検出部16によって電磁波Eが検出できる位置と検出できない位置との境界をCPU13に演算させて記憶部14等に記憶させる。そして、加熱調理の途中においても同様に被加熱物Cの全体に電磁波Eを放射し、上記境界が記憶された位置から予め設定された距離だけ移動した場合に、制御部12により加熱源5を制御して加熱を終了させるなどすれば良い。すなわち、CPU13は電磁波検出部16による電磁波Eの検出可能な位置の変化に基づいて被加熱物Cの調理状態を判別する。
なお、被加熱物Cに対する電磁波Eの放射位置が変化するようにしても良い。すなわち、加熱調理前は電磁波Eが通過せず、加熱調理後は電磁波Eが通過する被加熱物Cの位置の設定方法を、上記のように被加熱物Cに電磁波Eを放射することにより探索して設定しても良い。
また、電磁波Eの放射位置を指示する指示部22を設けても良い。指示部22は照明などにより構成され、電磁波Eの放射位置に可視光線Fを照射することによりユーザーが電磁波Eの放射位置を確認できるようにする。なお、図12に描画した二点鎖線矢印は指示部22が照射する可視光線Fを示している。そして、指示部22による指示位置を基準にして、加熱調理前は電磁波Eが通過せず、加熱調理後は電磁波Eが通過する被加熱物Cの位置を調整しても良い。
続いて、この加熱調理器1の調理動作について、図13に示すフローに沿って説明する。図13は加熱調理器1の調理動作を示すフローチャートである。なお、この動作フローは一例であり、加熱調理器1の動作がこれに限定されるわけではない。
加熱調理器1の加熱室3の内部に調理物としての被加熱物Cが収容されて扉4が閉鎖されると(図13のスタート)、調理状態の判別用の電磁波Eが電磁波発生部15から被加熱物Cに向けて放射され、その電磁波Eの検出が電磁波検出部16にて試みられる(図13のステップ#201)。
CPU13は被加熱物Cに向けて放射された電磁波Eが電磁波検出部16にて検出できる位置と検出できない位置との境界を演算する(ステップ#202)。この境界の位置をP0とする。
次に、加熱調理器1は操作部10からユーザーによって調理開始の指示を受け付けたか否かを判別する(ステップ#203)。調理開始の指示を受け付けていない場合(ステップ#203のNo)、ステップ#202で境界位置P0を演算してから一定時間が経過したか否かを判別する(ステップ#204)。なお、ここで述べた一定時間は予め定められて記憶部14等に記憶されている。
そして、ユーザーによって調理開始が指示されるまでステップ#203〜#204を繰り返して一定時間が経過すると(ステップ#204のYes)、加熱調理器1はユーザーによる調理指示がなかったものとして調理動作を終了させる(図13のエンド)。
ステップ#203においてユーザーの指示により調理が開始された場合(ステップ#203のYes)、制御部12が加熱部5を制御して被加熱物Cの加熱を開始する(ステップ#205)。そして、温度検知部7により被加熱物Cの温度が検知され、温度検知部7の出力が予め定められた基準値以上になる、すなわち被加熱物Cの温度が予め定められた一定温度以上になるまで加熱が継続される(ステップ#206のNo)。このステップ#206により、被加熱物Cが十分に温度上昇していないことより状態が変化せず、調理動作が終了してしまうことを防止することができる。なお、ここで述べた一定温度は記憶部14等に記憶されている。
被加熱物Cの温度が予め定められた一定温度以上になると(ステップ#206のYes)、調理状態の判別用の電磁波Eが電磁波発生部15から被加熱物Cに向けて放射され、その電磁波Eの検出が電磁波検出部16にて試みられる(ステップ#207)。
CPU13は被加熱物Cに向けて放射された電磁波Eが電磁波検出部16にて検出できる位置と検出できない位置との境界を演算する(ステップ#208)。この境界の位置をPCとする。
次に、CPU13は電磁波検出部16によって電磁波Eが検出できる位置と検出できない位置との境界の加熱調理前の値P0と加熱調理途中の値PCとの距離が予め定められた基準値MS以上であるか否かを判別する(ステップ#209)。なお、ここで述べた距離の基準値MSは記憶部14等に記憶されている。
境界位置P0とPCとの距離が基準値MS以上である場合(ステップ#209のYes)、制御部12が加熱部5を制御して被加熱物Cの加熱を終了する(ステップ#210)。そして、加熱調理器1は調理動作を終了させる(図13のエンド)。
一方、境界位置P0とPCとの距離が基準値MS未満である場合(ステップ#209のNo)、予め定めた一定時間を経過するまで被加熱物Cの加熱を継続する(ステップ#211)。なお、ここで述べた一定時間は記憶部14等に記憶されている。
ステップ#211において一定時間が経過すると(ステップ#211のYes)、ステップ#207に戻って再度電磁波Eの放射及び検出が実行される。
このようにして第7の実施形態の構成によれば、電磁波検出部16が被加熱物Cを通過する電磁波Eを検出するものであって、CPU13は被加熱物Cを通過する電磁波Eの電磁波検出部16による検出可能な位置の変化に基づいて被加熱物Cの調理状態を判別する。すなわち、CPU13は電磁波検出部16によって電磁波Eが検出できる位置と検出できない位置との境界を演算する。さらに、CPU13は調理前または調理初期において被加熱物Cを通過する電磁波Eを検出できない位置が、加熱調理の進行とともに被加熱物Cの水分が減少して変位することを演算する。したがって、CPU13は電磁波Eの電磁波検出部16による検出可能な位置の変化に基づいて被加熱物Cの調理状態を判別することができる。
また、被加熱物Cに対して電磁波Eの放射位置が変化するようにすることにより、加熱室3の内部における被加熱物Cの配置に係る位置情報が得ることができる。これにより、被加熱物Cの調理状態を把握するために好適な被加熱物Cの位置に対して電磁波Eを放射することができる。したがって、被加熱物Cの調理状態の把握を正確に行うことが可能になる。
また、加熱調理器1は電磁波Eの放射位置を指示する例えば照明などで構成された指示部22を備えているので、ユーザーが電磁波Eの放射位置を確認できる。これにより、被加熱物Cの調理状態を把握するために好適な被加熱物Cの位置に対して電磁波Eが当たるよう被加熱物Cを配置し易くなる。したがって、被加熱物Cの調理状態の把握を正確に行うことが可能になる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
例えば、上記実施形態では扉4によって閉鎖される加熱室3を備えるオーブンレンジや電子レンジなどといった加熱調理器1を例に掲げて説明したが、本発明の適用対象は加熱室を備える加熱調理器に限定されるわけではなく、IHクッキングヒーターやホットプレートなどといった加熱室を備えない加熱調理器にも適用することが可能である。
本発明は、被加熱物に対して加熱調理を行う加熱調理器に利用することができる。例えば、オーブンレンジ、オーブントースター、ウォーターオーブン、グリル調理器、電子レンジ、炊飯器、IHクッキングヒーター、ホットプレートなどに利用することができる。
1 加熱調理器
2 本体筐体
3 加熱室
4 扉
5 加熱部
6 排気部
7 温度検知部
8 湿度検知部
10 操作部
11 表示部
12 制御部
13 CPU(演算部)
14 記憶部
15 電磁波発生部
16 電磁波検出部
17 支持台(支持部材)
18 第1電磁波発生部
19 第1電磁波検出部
20 第2電磁波発生部
21 第2電磁波検出部
22 指示部
E 電磁波

Claims (9)

  1. 被加熱物を加熱する加熱部と、
    前記被加熱物の調理状態の判別のために前記被加熱物に向けて100GHz以上120THz以下の周波数の電磁波を放射する電磁波発生部と、
    前記電磁波発生部が放射した前記電磁波を検出する電磁波検出部と、
    前記電磁波を検出した前記電磁波検出部が出力する信号に基づいて前記被加熱物の調理状態を判別する演算部と、
    前記被加熱物の周辺の湿度を検知する湿度検知部と
    備え
    前記演算部は前記湿度検知部が検知した前記湿度を用いて前記電磁波検出部が出力する前記信号を補正することを特徴とする加熱調理器。
  2. 前記被加熱物の温度を検知する温度検知部を備え、
    前記演算部は前記温度検知部が検知した前記温度を用いて前記電磁波検出部が出力する前記信号を補正することを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
  3. 前記電磁波が異なる複数箇所に向かって放射され、それら各々の前記電磁波に対応する複数の前記信号を前記電磁波検出部が出力し、異なる複数箇所に向かって放射される各々の前記電磁波の放射経路の長さが略同じであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の加熱調理器。
  4. 異なる複数箇所に向かって放射される前記電磁波が、前記被加熱物の前記被加熱物を支持する支持部材との接触箇所と、前記支持部材の前記被加熱物との非接触箇所とに当たることを特徴とする請求項3に記載の加熱調理器。
  5. 異なる複数箇所に向かって放射される前記電磁波が、前記被加熱物の前記被加熱物を支持する支持部材との接触箇所と、前記被加熱物の前記支持部材との非接触箇所とに当たることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の加熱調理器。
  6. 前記電磁波検出部が前記被加熱物を通過する前記電磁波を検出するものであって、
    前記演算部は前記被加熱物を通過する前記電磁波の前記電磁波検出部による検出可能な位置の変化に基づいて前記被加熱物の調理状態を判別することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の加熱調理器。
  7. 前記電磁波の放射位置が変化することを特徴とする請求項6に記載の加熱調理器。
  8. 前記電磁波の放射位置を指示する指示部を備えることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の加熱調理器。
  9. 前記温度検知部の出力の予め定められた基準値を有し、
    前記被加熱物の調理開始後に前記温度検知部の出力が前記基準値以上になったことを条件として前記被加熱物の調理状態を判別するための前記電磁波を前記被加熱物に向けて放射することを特徴とする請求項2〜請求項8のいずれか1項に記載の加熱調理器。
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