JP5243852B2 - マルチキャリア通信装置 - Google Patents

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Description

本発明は、マルチキャリア通信信号が伝送される伝送路に接続されて通信を行うマルチキャリア通信装置に関するものである。
近年、デジタル通信の高速化に伴い、その通信方式としてマルチキャリア通信が用いられている(例えば、特許文献1、2参照)。まず、図12(a)に示すように、実際の送信に用いる周波数帯域W31には、互いに周波数の異なる全サブキャリアSCが存在し、通信先で受信可能な周波数帯域W41が送信周波数帯域W31と同一の帯域に設定されている。そして、送信周波数帯域W31内に狭周波数帯域の妨害波N1(以降、狭帯域妨害波N1と称す)が存在する場合、この狭帯域妨害波N1と同じ周波数帯域に存在するサブキャリアSC1のデータは十分なS/N比(以下、SNR)が得られず、エラーとなる場合がある。そこで、図12(b)に示すように、狭帯域妨害波N1が存在する周波数帯域を除く周波数帯域を送信周波数帯域W32とし、送信周波数帯域W32内のサブキャリアSCのみを用いることで、狭帯域妨害波N1が存在する場合でも通信を可能としている。
また、図13(a)に示すように、送信周波数帯域W31内に広周波数帯域の妨害波N2(以降、広帯域妨害波N2と称す)が存在する場合、各サブキャリアSCのSNRが不十分であると各サブキャリアSCのデータは、全周波数帯域に亘ってエラーとなる場合がある。そこで、図13(b)に示すように、各サブキャリアSCの信号レベルを大きくすることで、広帯域妨害波N2が存在する場合でも通信を可能としている。
特開平10−107695号公報 特開2006−287714号公報
しかしながら、図12(a)(b)に示すように狭帯域妨害波N1が存在する周波数帯域を除く送信周波数帯域W32内のサブキャリアSCのみを用いたとしても、通信先で受信可能な周波数帯域W41内に狭帯域妨害波N1が存在するため、マルチキャリア通信装置は、受信時のゲインコントロールの際に十分な利得を得ることができず、エラーが発生する場合があった。
また、図13(a)(b)に示すように、広帯域妨害波N2が存在する場合に各サブキャリアSCの信号レベルを大きくしようとすると、全てのサブキャリアSCを含む広い送信周波数帯域W31の全域に亘って信号レベルを大きくしなければならず、マルチキャリア通信装置の送信ドライバの出力電力を大きくする必要があった。
このように、従来のマルチキャリア通信装置では、妨害波が存在する環境下で、通信の信頼性を確保することが困難であった。
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、妨害波が存在する環境下で、通信の信頼性を確保することができるマルチキャリア通信装置を提供することにある。
請求項1の発明は、周波数帯域が互いに異なる複数のサブキャリアを用いて、通信先のマルチキャリア通信装置との間でマルチキャリア信号を送受信するマルチキャリア通信装置であって、互いに異なる通過周波数帯域を設定された複数のバンドパスフィルタからなるフィルタ手段と、マルチキャリア信号が通過するバンドパスフィルタを、前記複数のバンドパスフィルタのうちいずれかに切り替えるフィルタ切替手段と、受信したマルチキャリア信号からサブキャリア毎の雑音レベルを算出し、当該雑音レベルの算出結果に基づいて受信時に使用可能な1乃至複数の周波数帯域を前記複数の通過周波数帯域から選択する使用可能帯域検出手段と、使用可能帯域検出手段が検出した受信時に使用可能な1乃至複数の周波数帯域のうち、1つを受信時の使用周波数帯域に指定する使用帯域指定手段と、使用帯域指定手段が指定した受信時の使用周波数帯域を通信先のマルチキャリア通信装置に通知する使用帯域通知手段と、マルチキャリア信号の受信時および送信時に、フィルタ切替手段を制御して、使用帯域指定手段に指定された受信時の使用周波数帯域または通信先のマルチキャリア通信装置から通知された受信時の使用周波数帯域が通過周波数帯域であるバンドパスフィルタに切り替える通信調整手段と、送信時にマルチキャリア信号が通過するバンドパスフィルタの周波数帯域に基づいて、送信するマルチキャリア信号の信号レベルを調整する送信レベル調節手段と、を備え、通信調整手段は、マルチキャリア信号の受信時においては使用帯域指定手段に指定された受信時の使用周波数帯域が通過周波数帯域であるバンドパスフィルタに切り替え、マルチキャリア信号の送信時においては通信先のマルチキャリア通信装置から通知された受信時の使用周波数帯域が通過周波数帯域であるバンドパスフィルタに切り替えることを特徴とする。
この発明では、送信および受信に用いる周波数帯域内には、狭帯域妨害波の影響を受けない複数のサブキャリアが存在し、狭帯域妨害波は、送信および受信に用いる周波数帯域外に存在している。さらに狭帯域妨害波は、送信および受信に用いる周波数帯域外であるので、その信号レベルは減衰しており、一方、通信に用いられるサブキャリアは、周波数帯域が狭くなった分だけ信号レベルを増大させている。したがって、狭帯域妨害波がマルチキャリア通信で用いるサブキャリアに与える影響は抑制され、通信エラーの発生を防止することができる。また、送信および受信に用いる周波数帯域外の広帯域妨害波は、その信号レベルが減衰しており、さらに、送信および受信に用いる周波数帯域内の広帯域妨害波は、その信号レベルを維持しているが、送信および受信に用いる周波数帯域内で通信に用いられるサブキャリアは、周波数帯域が狭くなった分だけ信号レベルを増大させており、SNRが向上している。したがって、広帯域妨害波がマルチキャリア通信で用いるサブキャリアに与える影響は抑制され、通信エラーの発生を防止することができる。このように、妨害波が存在する環境下で、通信の信頼性を確保することができるのである。また、受信時の使用周波数帯域を、通信先における送信時の使用周波数帯域に設定し、通信先における受信時の使用周波数帯域を、送信時の使用周波数帯域に設定することによって、妨害波が存在する環境下で、通信の信頼性を確保することができる。
請求項2の発明は、請求項1において、OFDM方式で通信を行うことを特徴とする。
この発明では、通信の伝送速度を速くすることができる。
請求項3の発明は、請求項1または2において、前記複数のバンドパスフィルタは、所定の周波数帯域を通過させる複数の第1のバンドパスフィルタと、2つ以上の第1のバンドパスフィルタの各周波数帯域を合わせた周波数帯域を通過させる1つ以上の第2のバンドパスフィルタとで構成されることを特徴とする。
この発明では、第2のバンドパスフィルタを用いることで、より広い周波数帯域を用いて通信を行うことができ、通信速度の向上を図ることができる。
請求項4の発明は、請求項1乃至3いずれかにおいて、前記使用帯域指定手段は、前記使用可能帯域検出手段が検出した受信時に使用可能な複数の周波数帯域から、所定の選択基準に基づいて受信時の使用周波数帯域を指定することを特徴とする。
この発明では、妨害波の影響を受け難い使用周波数帯域を指定することができる。
請求項5の発明は、請求項4において、前記使用可能帯域検出手段が算出したサブキャリア毎の雑音レベルに基づいて、受信時に使用不可能であると判別された周波数帯域の履歴を記憶する雑音履歴記憶手段を備え、前記使用帯域指定手段は、雑音履歴記憶手段を参照して、前記使用可能帯域検出手段が検出した受信時に使用可能な複数の周波数帯域から、過去において受信時に使用不可能であると判別された周波数帯域を除いて、受信時の使用周波数帯域を指定することを特徴とする。
この発明では、過去に使用不可能であると判別された周波数帯域を、受信時の使用周波数帯域には設定しないことで、定期的に周波数が変動する妨害波が発生する場合に、このような周波数変動する妨害波を避けて、受信時の使用周波数帯域を設定することができ、通信の信頼性がさらに向上する。
請求項6の発明は、請求項4において、前記使用可能帯域検出手段が算出したサブキャリア毎の雑音レベルに基づいて、各バンドパスフィルタの通過周波数帯域に対して優先度を示す重み付け情報を付加して記憶する優先度記憶手段を備え、前記使用帯域指定手段は、優先度記憶手段を参照して、前記使用可能帯域検出手段が検出した受信時に使用可能な複数の周波数帯域から、優先度が所定レベル以上である周波数帯域を、受信時の使用周波数帯域に指定することを特徴とする。
この発明では、過去に使用不可能であると判別された履歴に基づく優先度を用いて、受信時の使用周波数帯域を設定することで、頻繁に妨害波が発生する周波数帯域は優先度を低くし、妨害波が発生する頻度が少ない周波数帯域は優先度を高くして、優先度の高い周波数帯域を使用周波数帯域に設定するので、通信の信頼性がさらに向上する。
請求項7の発明は、請求項1乃至6いずれかにおいて、前記使用帯域指定手段は、前記使用可能帯域検出手段が受信時に使用可能な周波数帯域を1つ検出した時点で、当該検出した周波数帯域を受信時の使用周波数帯域に指定することを特徴とする。
この発明では、全てのサブキャリアのSNRを算出して、全てのサブキャリアに対して受信時に使用可能なサブキャリアであるか否かを判別する必要はなく、受信時の使用周波数帯域の設定処理を簡略化できる。
請求項8の発明は、請求項1乃至7いずれかにおいて、前記通信先のマルチキャリア通信装置が複数存在することを特徴とする。
この発明では、3台以上のマルチキャリア通信装置が存在する場合に、使用周波数帯域の設定を一括して行うことができ、設定処理を簡略化できる。
請求項9の発明は、請求項1乃至8いずれかにおいて、前記使用可能帯域検出手段は、受信したマルチキャリア信号からサブキャリア毎の雑音レベルを定期的に算出して、全サブキャリアの雑音レベルが所定レベル以下になった場合、全サブキャリアが含まれる周波数帯域を選択し、前記使用帯域指定手段は、全サブキャリアが含まれる周波数帯域を受信時の使用周波数帯域に指定することを特徴とする。
この発明では、妨害波がなくなった時点で、全サブキャリアを用いた通信に復帰するので、通信速度の向上を図ることができる。
請求項10の発明は、請求項1乃至9いずれかにおいて、前記バンドパスフィルタは、デジタルフィルタで構成されることを特徴とする。
この発明では、バンドパスフィルタの高速切替が実現できる。
請求項11の発明は、請求項1乃至10いずれかにおいて、前記バンドパスフィルタは、カットオフ周波数を調整可能なローパスフィルタと、カットオフ周波数を調整可能なハイパスフィルタとを組み合わせて構成されることを特徴とする。
この発明では、各ハイパスフィルタ、ローパスフィルタのカットオフ周波数を調整することで、バンドパスフィルタの通過周波数帯域を細やかに調整可能できる。
以上説明したように、本発明では、妨害波が存在する環境下で、通信の信頼性を確保することができるという効果がある。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
本実施形態では、通信方式としてOFDM(OrthogonalFrequency Division Multiplexing:直交波周波数分割多重)を用いたマルチキャリア通信装置について説明する。図2は、2台のマルチキャリア通信装置A(A1,A2)の間を伝送線Lで接続した通信システムを示しており、マルチキャリア通信装置A1,A2は、伝送線Lを介して、互いに周波数の異なる複数のサブキャリアを用いたマルチキャリア信号を送受信して通信を行っている。
図1は、マルチキャリア通信装置Aの物理ブロックの構成を示しており、MAC(Multi Access Control)インタフェース部1と、通信制御部2と、エンコーダ部3と、FFT/IFFT部4と、FIR部5と、D/A変換部6と、送信レベル調節部7と、受信レベル増幅部8と、A/D変換部9と、同期部10と、等化部11と、デコーダ部12と、フィルタ切替部13a,13bと、フィルタ部14とで構成される。
MACインタフェース部1は、図示しないMAC部との間で送受信制御情報や送受信データの受け渡しを行い、通信制御部2は、マルチキャリア通信に用いるサブキャリアを決定して、FFT/IFFT部4、送信レベル調節部7、フィルタ切替部13a,13bの各動作を制御する。
まず送信時には、エンコーダ部3が、通信制御部2から受け取った送信データに対して、スクランブル処理、符号化処理、インタリーブ処理、1次変調処理を行い、FFT/IFFT部4は、フーリエ変換またはウェーブレット変換等を用いて、所望の時間−周波数変換を行うことで、エンコーダ部3の出力に対してマルチキャリア変調を行う。そして、FIR部5が、FFT/IFFT部4から出力されたマルチキャリア信号に対してインタポレーションを行った後、D/A変換部6でデジタル信号からアナログ信号に変換し、送信するマルチキャリア信号の信号レベルを送信レベル調節部7で調整し、フィルタ切替部13a,13b、フィルタ部14を介して伝送線Lにマルチキャリア信号が送出される。
次に受信時には、フィルタ切替部13a,13b、フィルタ部14を介してマルチキャリア信号を受信し、受信したマルチキャリア信号の信号レベルを受信レベル増幅部8で増幅し、A/D変換部9がアナログ信号からデジタル信号に変換した後、FIR部5がデシメーションを行い、同期部10がマルチキャリア信号に含まれるプリアンブルを用いて同期を確立し、FFT/IFFT部4が、逆フーリエ変換や逆ウェーブレット変換等を用いて、所望の周波数−時間変換を行うことで、マルチキャリア復調を行う。そして、FFT/IFFT部4が復調した信号には、等化部11が伝送路の歪みを補償する等化を行い、デコーダ部12が1次復調処理、デインタリーブ処理、復号処理、デスクランブル処理を行った後に、通信制御部2に引き渡される。
フィルタ部14は、図3に示すように、受信可能な全周波数帯域Ya(全てのサブキャリアを含む周波数帯域)を通過させるバンドパスフィルタ(以降.BPFと称す)14aと、受信可能な周波数帯域のうち低周波数領域Ybを通過させるBPF14bと、受信可能な周波数帯域のうち中周波数領域Ycを通過させるBPF14cと、受信可能な周波数帯域のうち高周波数領域Ydを通過させるBPF14dとで構成される。そして、フィルタ切替部13a,13bの各接点を切り替えることで、送信レベル調節部7が出力するマルチキャリア信号が、BPF14a〜BPF14dのうちいずれか1つを通過して伝送線Lに送出され、さらには伝送線Lからのマルチキャリア信号が、BPF14a〜BPF14dのうちいずれか1つを通過して受信レベル増幅部8に送出される。
通信制御部2は、図4に示すように、使用可能帯域検出部2aと、使用帯域指定部2bと、使用帯域通知部2cと、通信調整部2dとで構成され、通信調整部2dは、FFT/IFFT部4が変復調するサブキャリアを決定するとともに、送信レベル調節部7が送信するマルチキャリア信号の信号レベルを決定し、さらにはフィルタ切替部13a,13bの切替動作を制御して、送受信するマルチキャリア信号が通過するBPFをBPF14a〜BPF14dから決定する。
そして通信調整部2dは、妨害波のない場合、フィルタ切替部13a,13bを制御して、全てのサブキャリアを通過させるBPF14aを通信経路に接続しておき、全サブキャリアを用いてマルチキャリア通信を行う。
一方、妨害波が発生すると、マルチキャリア通信装置Aは、妨害波の影響を防止するために、図5のシーケンスに示す処理を行う。まず、マルチキャリア通信装置A1,A2がともにBPF14aを通信経路に接続した状態で、マルチキャリア通信装置A1が、全サブキャリアを用いてマルチキャリア通信装置A2へデータを送信した後(S1)、待機状態となる。そして、データを受信したマルチキャリア通信装置A2は、同期確立後にデータエラーが発生した場合、同期信号パターン(プリアンブル)等を用いてデータエラーの発生をマルチキャリア通信装置A1に通知する(S2)。そして、マルチキャリア通信装置A1の通信調整部2dは、フィルタ切替部13a,13bを制御して、低周波数領域Ybを通過させるBPF14bを通信経路に接続した後、待機状態となる。
データエラーが発生したマルチキャリア通信装置A2では、使用可能帯域検出部2aが、マルチキャリア通信装置A1から受信したデータに基づいて、全てのサブキャリアのSNRをサブキャリア毎に算出し、SNRの算出結果に基づいて受信時に使用可能なサブキャリアを判別して、これらの使用可能なサブキャリアのみ(または、使用可能なサブキャリアの割合が一定以上)が含まれる周波数帯域を、受信時に使用可能な周波数帯域として検出する。この受信時に使用可能な周波数帯域とは、BPF14b〜BPF14dの各通過周波数帯域Yb〜Ydから、1乃至複数の周波数帯域が選択される。そして、使用帯域指定部2bが、上記検出した1乃至複数の使用可能な周波数帯域のうち、サブキャリアのSNRが最も良好な周波数帯域を、マルチキャリア通信装置A2の受信時の使用周波数帯域Y2に設定する。すなわち、Y2=YbまたはYcまたはYdである。
次に、マルチキャリア通信装置A2の通信調整部2dは、フィルタ切替部13a,13bを制御して、低周波数領域Ybを通過させるBPF14bを通信経路に接続し、さらにFFT/IFFT部4を制御して、BPF14bの通過周波数帯域Yb内のサブキャリアを送信時の通信キャリアに設定する。また、送信レベル調節部7のゲイン設定値を変更することなく、BPF14aに比べて通過周波数帯域の狭いBPF14bを用いると、送信信号の時間軸上での信号レベルは減少するため、送信するマルチキャリア信号の信号レベルをこの減少分に相当するレベルだけ大きくすることができる。したがって、通信調整部2dは、送信レベル調節部7の出力電力を増大させることなく、送信レベル調節部7のゲインを大きく設定できる。これらの設定を行った後、マルチキャリア通信装置A2の使用帯域通知部2cは、上述のように設定した受信時の使用周波数帯域Y2の情報を送信する(S3)。
そしてマルチキャリア通信装置A1では、使用可能帯域検出部2aが、マルチキャリア通信装置A2から受信した信号に基づいて、BPF14bの通過周波数帯域Yb内の各サブキャリアのSNRを算出し、さらには通信調整部2dが、フィルタ切替部13a,13bを制御して、中周波数領域Ycを通過させるBPF14cを通信経路に接続する。
次にマルチキャリア通信装置A2では、通信調整部2dが、フィルタ切替部13a,13bを制御して、中周波数領域Ycを通過させるBPF14cを通信経路に接続し、さらにFFT/IFFT部4を制御して、BPF14cの通過周波数帯域Yc内のサブキャリアを送信時の通信キャリアに設定する。また、送信レベル調節部7のゲイン設定値を変更することなく、BPF14aに比べて通過周波数帯域の狭いBPF14cを用いると、送信信号の時間軸上での信号レベルは減少するため、送信するマルチキャリア信号の信号レベルをこの減少分に相当するレベルだけ大きくすることができる。したがって、通信調整部2dは、送信レベル調節部7の出力電力を増大させることなく、送信レベル調節部7のゲインを大きく設定できる。これらの設定を行った後、マルチキャリア通信装置A2の使用帯域通知部2cは、上述のように設定した受信時の使用周波数帯域Y2の情報を送信する(S4)。
そしてマルチキャリア通信装置A1では、使用可能帯域検出部2aが、マルチキャリア通信装置A2から受信した信号に基づいて、BPF14cの通過周波数帯域Yc内の各サブキャリアのSNRを算出し、さらには通信調整部2dが、フィルタ切替部13a,13bを制御して、高周波数領域Ydを通過させるBPF14dを通信経路に接続する。
次にマルチキャリア通信装置A2では、通信調整部2dが、フィルタ切替部13a,13bを制御して、高周波数領域Ydを通過させるBPF14dを通信経路に接続し、さらにFFT/IFFT部4を制御して、BPF14dの通過周波数帯域Yd内のサブキャリアを送信時の通信キャリアに設定する。また、送信レベル調節部7のゲイン設定値を変更することなく、BPF14aに比べて通過周波数帯域の狭いBPF14dを用いると、送信信号の時間軸上での信号レベルは減少するため、送信するマルチキャリア信号の信号レベルをこの減少分に相当するレベルだけ大きくすることができる。したがって、通信調整部2dは、送信レベル調節部7の出力電力を増大させることなく、送信レベル調節部7のゲインを大きく設定できる。これらの設定を行った後、マルチキャリア通信装置A2の使用帯域通知部2cは、上述のように設定した受信時の使用周波数帯域Y2の情報を送信し(S5)、送信後は、通信調整部2dが、フィルタ切替部13a,13bを制御して、受信時の使用周波数帯域Y2を通過周波数帯域として有するBPF14を通信経路に接続しておく。
そしてマルチキャリア通信装置A1では、使用可能帯域検出部2aが、マルチキャリア通信装置A2から受信した信号に基づいて、BPF14dの通過周波数帯域Yd内の各サブキャリアのSNRを算出する。
次に、マルチキャリア通信装置A1では、使用帯域指定部2bが、上述のように算出したBPF14b〜BPF14dの各通過周波数帯域Yb〜Yd内のサブキャリアのSNRに基づいて、各通過周波数帯域Yb〜Ydのうち、サブキャリアのSNRが最も良好な周波数帯域を、マルチキャリア通信装置A1の受信時の使用周波数帯域Y1に設定する。すなわち、Y1=YbまたはYcまたはYdである。
また、マルチキャリア通信装置A1の通信調整部2dは、上述のS3〜S5でマルチキャリア通信装置A2から送信された受信時の使用周波数帯域Y2を、マルチキャリア通信装置A1からマルチキャリア通信装置A2への送信時に用いる周波数帯域として認知しており、フィルタ切替部13a,13bを制御して、使用周波数帯域Y2を通過周波数帯域として有するBPF14(BPF14b〜BPF14dを区別しない場合は、BPF14と称す)を通信経路に接続し、さらにFFT/IFFT部4を制御して、当該BPF14の通過周波数帯域内のサブキャリアを送信時の通信キャリアに設定する。また、通信調整部2dは、上記同様に送信レベル調節部7の出力電力を増大させることなく、送信レベル調節部7のゲインを大きく設定できる。これらの設定を行った後、マルチキャリア通信装置A1の使用帯域通知部2cは、上述のように設定した受信時の使用周波数帯域Y1の情報を送信する(S6)。
一方、マルチキャリア通信装置A2では、受信時の使用周波数帯域Y2を通過周波数帯域として有するBPF14を通信経路に接続しており、マルチキャリア通信装置A1から受信時の使用周波数帯域Y1の情報を受け取ると、当該使用周波数帯域Y1をマルチキャリア通信装置A2からマルチキャリア通信装置A1への送信時に用いる周波数帯域として認知し、以降、マルチキャリア通信装置A2からマルチキャリア通信装置A1への送信時には、この認知した使用周波数帯域Y1を用いる。
このようにして、マルチキャリア通信装置A1,A2がともに、送信先における受信時の使用周波数帯域Y1,Y2を認知し、この送信先における受信時の使用周波数帯域Y1,Y2を自己の送信時の使用周波数帯域に設定することで、通信周波数帯域の整合が完了する。すなわち、通信元と通信先のマルチキャリア通信装置Aがともに、受信したサブキャリアのSNRに基づいて、自己の受信時の使用周波数帯域を妨害波の影響が少ない帯域に設定し、送信元のマルチキャリア通信装置Aの送信時の使用周波数帯域は、通信先のマルチキャリア通信装置Aの受信時の使用周波数帯域に設定することで、通信元のマルチキャリア通信装置A1(またはA2)の送信時の使用周波数帯域と、通信先のマルチキャリア通信装置A2(またはA1)の受信時の使用周波数帯域とが一致するのである。
そして、図6(a)は、本実施形態において狭帯域妨害波N1が存在する場合の受信信号の信号レベルを示しており、送信および受信に用いる周波数帯域W11(通信経路に接続したBPF14の通過周波数帯域)内には、狭帯域妨害波N1の影響を受けない複数のサブキャリアSCが存在し、狭帯域妨害波N1は、送信および受信に用いる周波数帯域W11外に存在している。さらに狭帯域妨害波N1は、送信および受信に用いる周波数帯域W11外であるので、その信号レベルは減衰しており、一方、通信に用いられるサブキャリアSCは、周波数帯域が狭くなった分だけ信号レベルを増大させている。したがって、狭帯域妨害波N1がマルチキャリア通信で用いるサブキャリアSCに与える影響は抑制され、通信エラーの発生を防止することができる。
また、図6(b)は、本実施形態において広帯域妨害波N2が存在する場合の受信信号の信号レベルを示しており、送信および受信に用いる周波数帯域W11外の広帯域妨害波N2bは、その信号レベルが減衰している。送信および受信に用いる周波数帯域W11内の広帯域妨害波N2aは、その信号レベルを維持しているが、周波数帯域W11内で通信に用いられるサブキャリアSCは、周波数帯域が狭くなった分だけ信号レベルを増大させており、SNRが向上している。したがって、広帯域妨害波N2がマルチキャリア通信で用いるサブキャリアSCに与える影響は抑制され、通信エラーの発生を防止することができる。
このように、本実施形態によれば、妨害波が存在する環境下で、通信の信頼性を確保することができるのである。
また、妨害波が発生した場合に図5のシーケンスに示す処理を行った後、マルチキャリア通信装置A1,A2は、全周波数帯域Ya(全てのサブキャリアを含む周波数帯域)を通過させるバンドパスフィルタBPF14aを定期的に同時に通信経路に接続して、全サブキャリアを用いて通信を行い、データを受信したマルチキャリア通信装置Aでは、使用可能帯域検出部2aが算出した全サブキャリアの雑音レベルが所定レベル以下になった場合、使用帯域指定部2bは、バンドパスフィルタBPF14aの通過周波数帯域Yaを受信時の使用周波数帯域に設定し、他のマルチキャリア通信装置Aに、自己の受信時の使用周波数帯域を通知し、通知を受け取ったマルチキャリア通信装置Aでは、全周波数帯域Ya内の全サブキャリアを送信時の通信キャリアに設定し、送信時にはバンドパスフィルタBPF14aを通信経路に接続する。したがって、妨害波がなくなった時点で、全サブキャリアを用いた通信に復帰するので、通信速度の向上を図ることができる。
(実施形態2)
本実施形態は、マルチキャリア通信装置Aが、妨害波が発生した場合に図7のシーケンスに示す処理を行うものであり、他の構成は実施形態1と同様であり、説明は省略する。
まず、マルチキャリア通信装置A1,A2がともにBPF14aを通信経路に接続した状態で、マルチキャリア通信装置A1が、全サブキャリアを用いてマルチキャリア通信装置A2へデータを送信した後(S11)、待機状態となる。そして、データを受信したマルチキャリア通信装置A2は、同期確立後にデータエラーが発生した場合、同期信号パターン(プリアンブル)等を用いてデータエラーの発生をマルチキャリア通信装置A1に通知し(S12)、その後もマルチキャリア通信装置A1は待機状態を維持する。
データエラーが発生したマルチキャリア通信装置A2では、使用可能帯域検出部2aが、マルチキャリア通信装置A1から受信したデータに基づいて、全てのサブキャリアのSNRをサブキャリア毎に算出し、SNRの算出結果に基づいて受信時に使用可能なサブキャリアを判別する。ここで、送信時の伝送ロスと受信時の伝送ロスとの各周波数特性が同一であると考えて、これらの使用可能なサブキャリアが含まれる周波数帯域を、送信時および受信時に使用可能な周波数帯域として検出する。この送信時および受信時に使用可能な周波数帯域とは、BPF14b〜BPF14dの各通過周波数帯域Yb〜Ydから、1乃至複数の周波数帯域が選択される。そして、使用帯域指定部2bは、上記検出した1乃至複数の使用可能な周波数帯域のうち、サブキャリアのSNRが最も良好な周波数帯域を、マルチキャリア通信装置A2の送信時および受信時の使用周波数帯域Y0に設定する。すなわち、Y0=YbまたはYcまたはYdである。
次に、マルチキャリア通信装置A2の通信調整部2dは、フィルタ切替部13a,13bを制御して、使用周波数帯域Y0を通過させるBPF14(14b,14c,14dのいずれか)を通信経路に接続し、さらにFFT/IFFT部4を制御して、当該BPF14の通過周波数帯域内のサブキャリアを送信時の通信キャリアに設定する。また、送信レベル調節部7のゲイン設定値を変更することなく、BPF14aに比べて通過周波数帯域の狭いBPF14を用いると、送信信号の時間軸上での信号レベルは減少するため、送信するマルチキャリア信号の信号レベルをこの減少分に相当するレベルだけ大きくすることができる。したがって、通信調整部2dは、送信レベル調節部7の出力電力を増大させることなく、送信レベル調節部7のゲインを大きく設定できる。これらの設定を行った後、マルチキャリア通信装置A2の使用帯域通知部2cは、上述のように設定した使用周波数帯域Y0で空データを送信する(S13)。
そしてマルチキャリア通信装置A1では、使用可能帯域検出部2aが、空データ内の各サブキャリアのSNRを算出し、マルチキャリア通信装置A2の送受信時の使用周波数帯域Y0を推定し、使用帯域指定部2bが、この推定結果に基づいて、マルチキャリア通信装置A1の送信時および受信時の使用周波数帯域をY0に設定する。そして通信調整部2dが、フィルタ切替部13a,13bを制御して、使用周波数帯域Y0を通過させるBPF14(14b,14c,14dのいずれか)を通信経路に接続し、さらにFFT/IFFT部4を制御して、当該BPF14の通過周波数帯域内のサブキャリアを送信時の通信キャリアに設定する。また、送信レベル調節部7のゲイン設定値を変更することなく、BPF14aに比べて通過周波数帯域の狭いBPF14を用いると、送信信号の時間軸上での信号レベルは減少するため、送信するマルチキャリア信号の信号レベルをこの減少分に相当するレベルだけ大きくすることができる。したがって、通信調整部2dは、送信レベル調節部7の出力電力を増大させることなく、送信レベル調節部7のゲインを大きく設定できる。これらの設定を行った後、マルチキャリア通信装置A1の使用帯域通知部2cは、上述のように設定した使用周波数帯域Y0で、送信時および受信時の使用周波数帯域Y0の情報を送信する(S14)。
このようにして、マルチキャリア通信装置A1,A2がともに送信時および受信時の使用周波数帯域Y0を認知し、通信周波数帯域の整合が完了する。すなわち、通信元と通信先のマルチキャリア通信装置Aがともに、同一の周波数帯域Y0を送信時および受信時の使用周波数帯域に設定しており、妨害波が存在する環境下で、通信の信頼性を確保するとともに、送信時の伝送ロスと受信時の伝送ロスとの各周波数特性が同一の場合の処理を簡略化できる。
また、上記S13において、マルチキャリア通信装置A2は、使用周波数帯域Y0で空データを送信するが、この空データをマルチキャリア通信装置A1以外の図示しないマルチキャリア通信装置A3,A4,...が受信して、マルチキャリア通信装置A1と同様に送信時および受信時の使用周波数帯域をY0に設定することも可能である。したがって、3台以上のマルチキャリア通信装置Aが存在する場合に、使用周波数帯域の設定を一括して行うことができ、設定処理を簡略化できる。
(実施形態3)
本実施形態は、マルチキャリア通信装置Aが、図8に示すフィルタ部14を備えており、受信可能な全周波数帯域Ya(全てのサブキャリアを含む周波数帯域)を通過させるBPF14aと、受信可能な周波数帯域のうち低周波数領域Ybを通過させるBPF14bと、受信可能な周波数帯域のうち中周波数領域Ycを通過させるBPF14cと、受信可能な周波数帯域のうち高周波数領域Ydを通過させるBPF14dと、低周波帯域Yb+中周波帯域Ycである周波数帯域Yeを通過させるBPF14eと、中周波帯域Yc+高周波帯域Ydである周波数帯域Yfを通過させるBPF14fと、低周波帯域Yb+高周波帯域Ydである周波数帯域Ygを通過させるBPF14gとで構成される。そして、フィルタ切替部13a,13bの各接点を切り替えることで、BPF14a〜BPF14gのうちいずれか1つが送信時および受信時に通信経路に接続される。なお、他の構成は実施形態1または2と同様であり、説明は省略する。
そして、実施形態1におけるマルチキャリア通信装置A1の受信時の使用周波数帯域Y1、マルチキャリア通信装置A2の受信時の使用周波数帯域Y2や、実施形態2におけるマルチキャリア通信装置A1,A2の送信時および受信時の使用周波数帯域Y0を、使用帯域指定部2bが設定する場合、BPF14e〜BPF14gのいずれかの通過周波数帯域Ye〜Ygを使用周波数帯域Y1,Y2,Y0に設定することで、より広い周波数帯域を用いて通信を行うことができ、通信速度の向上を図ることができる。
(実施形態4)
本実施形態は、マルチキャリア通信装置Aが、図9に示す通信制御部2を備えており、通信制御部2には雑音履歴記憶部2eが付加されている。なお、他の構成は実施形態1と同様であり、説明は省略する。
まず、図5におけるS2の後で、マルチキャリア通信装置A2では、使用可能帯域検出部2aが、マルチキャリア通信装置A1から受信したデータに基づいて、全てのサブキャリアのSNRをサブキャリア毎に算出し、SNRの算出結果に基づいて受信時に使用可能なサブキャリアを判別して、これらの使用可能なサブキャリアのみ(または、使用可能なサブキャリアの割合が一定以上)が含まれる周波数帯域を、受信時に使用可能な周波数帯域として検出する。この検出動作の度に、雑音履歴記憶部2eは、SNRの算出結果に基づいて受信時に使用不可能であると判別された周波数帯域の履歴を記憶しておく。
そして、使用帯域指定部2bは、上記検出した1乃至複数の使用可能な周波数帯域のうち、過去に使用不可能であると判別された周波数帯域を除いた中から、サブキャリアのSNRが最も良好な周波数帯域を、マルチキャリア通信装置A2の受信時の使用周波数帯域Y2(=YbまたはYcまたはYd)に設定する。
また、図5におけるS3,S4,S5の後で、マルチキャリア通信装置A1では、使用可能帯域検出部2aが、マルチキャリア通信装置A2から受信した信号に基づいて、BPF14b,14c,14dの各通過周波数帯域Yb,Yc,Yd内の各サブキャリアのSNRを算出しているが、このとき雑音履歴記憶部2eは、SNRの算出結果に基づいて受信時に使用不可能であると判別された周波数帯域の履歴を記憶しておく。そして、図5におけるS5の後で、マルチキャリア通信装置A1では、使用帯域指定部2bが、BPF14b〜BPF14dの各通過周波数帯域Yb〜Ydのうち、過去に使用不可能であると判別された周波数帯域を除いた中から、サブキャリアのSNRが最も良好な周波数帯域を、マルチキャリア通信装置A1の受信時の使用周波数帯域Y1に設定する。
したがって、過去に使用不可能であると判別された周波数帯域を、受信時の使用周波数帯域には設定しないことで、定期的に周波数が変動する妨害波が発生する場合に、このような周波数変動する妨害波を避けて、受信時の使用周波数帯域を設定することができ、通信の信頼性がさらに向上する。また、実施形態2,3においても同様の構成を備えることで、上記効果を得ることができる。
(実施形態5)
本実施形態は、マルチキャリア通信装置Aが、図10に示す通信制御部2を備えており、通信制御部2には優先度履歴記憶部2fが付加されている。なお、他の構成は実施形態1と同様であり、説明は省略する。
まず、図5におけるS2の後で、マルチキャリア通信装置A2では、使用可能帯域検出部2aが、マルチキャリア通信装置A1から受信したデータに基づいて、全てのサブキャリアのSNRをサブキャリア毎に算出し、SNRの算出結果に基づいて受信時に使用可能なサブキャリアを判別して、これらの使用可能なサブキャリアのみ(または、使用可能なサブキャリアの割合が一定以上)が含まれる周波数帯域を、受信時に使用可能な周波数帯域として検出する。この検出動作の度に、優先度履歴記憶部2fは、SNRの算出結果に基づいて、各周波数帯域(Yb,Yc,Yd)に優先度を示す重み付け情報を生成し、各周波数帯域に対応させて優先度履歴記憶部2fに格納しておく。この優先度は、妨害波によってSNRが低く、受信時に使用不可能であると判別された回数、日時に基づいて設定され、頻繁に妨害波が発生する周波数帯域は優先度を低くし、妨害波が発生する頻度が少ない周波数帯域は優先度を高く設定する。
そして、マルチキャリア通信装置A2の使用帯域指定部2bは、上記検出した1乃至複数の使用可能な周波数帯域のうち、優先度の最も高い周波数帯域を、マルチキャリア通信装置A2の受信時の使用周波数帯域Y2(=YbまたはYcまたはYd)に設定する。
また、図5におけるS3,S4,S5の後で、マルチキャリア通信装置A1では、使用可能帯域検出部2aが、マルチキャリア通信装置A2から受信した信号に基づいて、BPF14b,14c,14dの各通過周波数帯域Yb,Yc,Yd内の各サブキャリアのSNRを算出しているが、このとき優先度履歴記憶部2fは、SNRの算出結果に基づいて、各周波数帯域(Yb,Yc,Yd)に優先度を示す重み付け情報を生成し、各周波数帯域に対応させて優先度履歴記憶部2fに格納しておく。
そして、図5におけるS5の後で、マルチキャリア通信装置A1では、使用帯域指定部2bが、BPF14b〜BPF14dの各通過周波数帯域Yb〜Ydのうち、優先度の最も高い周波数帯域を、マルチキャリア通信装置A1の受信時の使用周波数帯域Y1に設定する。
したがって、過去に使用不可能であると判別された履歴に基づく優先度を用いて、受信時の使用周波数帯域を設定することで、頻繁に妨害波が発生する周波数帯域は優先度を低くし、妨害波が発生する頻度が少ない周波数帯域は優先度を高くして、優先度の高い周波数帯域を使用周波数帯域に設定するので、通信の信頼性がさらに向上する。また、実施形態2,3においても同様の構成を備えることで、上記効果を得ることができる。
(実施形態6)
本実施形態は、マルチキャリア通信装置Aが、妨害波が発生した場合に図5のシーケンスに示す処理を基本的に行うものであるが、以下の点が実施形態1とは異なるものである。
まず、図5におけるS2の後で、データエラーが発生したマルチキャリア通信装置A2では、使用可能帯域検出部2aが、マルチキャリア通信装置A1から受信したデータに基づいて、各サブキャリアのSNRをサブキャリア毎に順次算出し、SNRの算出結果に基づいて受信時に使用可能なサブキャリアを順次判別する。そして、サブキャリアのSNRを順次算出し、受信時に使用可能なサブキャリアを順次判別している途中であっても、受信時に使用可能な周波数帯域(BPF14b〜BPF14dの各通過周波数帯域Yb〜Ydのいずれか1つ)が検出されれば、使用帯域指定部2bが、この最初に検出された周波数帯域を、マルチキャリア通信装置A2の受信時の使用周波数帯域Y2に設定する。
したがって、全てのサブキャリアのSNRを算出して、全てのサブキャリアに対して受信時に使用可能なサブキャリアであるか否かを判別する必要はなく、受信時の使用周波数帯域Y2の設定処理を簡略化できる。また、実施形態2〜5においても同様の構成を備えることで、上記効果を得ることができる。
(実施形態7)
本実施形態は、実施形態1〜6において、マルチキャリア通信装置Aが、フィルタ切替部13a,13bと、フィルタ部14の代わりに、FIR部5に、互いに通過周波数帯域の異なる複数のデジタルフィルタを設けたものであり、BPFの高速切替が実現できる。
(実施形態8)
本実施形態は、マルチキャリア通信装置Aが、図11に示すフィルタ部14を備えており、低域のカットオフ周波数以上の周波数帯域Yhを通過させるハイパスフィルタ(以降、HPFと称す)HPF14hと、中域のカットオフ周波数以上の周波数帯域Yiを通過させるHPF14iと、高域のカットオフ周波数以上の周波数帯域Yjを通過させるHPF14jと、低域のカットオフ周波数以下の周波数帯域Ykを通過させるローパスフィルタ(以降、LPFと称す)LPF14kと、中域のカットオフ周波数以下の周波数帯域Ymを通過させるLPF14mと、高域のカットオフ周波数以下の周波数帯域Ynを通過させるLPF14nとで構成される。また、各HPF、LPFのカットオフ周波数は調整可能に構成されている。
そして、HPF14h,14i,14jのうちいずれか1つを通信経路に接続するフィルタ切替部13b,13dと、LPF14k,14m,14nのうちいずれか1つを通信経路に接続するフィルタ切替部13a,13cとを備え、いずれか1つのHPFといずれか1つのLPFとが通信経路に直列接続されて、1つのBPFを構成する。したがって、各HPF、LPFのカットオフ周波数を調整することで、BPFの通過周波数帯域を細やかに調整可能できる。なお、他の構成は実施形態1〜7いずれかと同様であり、説明は省略する。
実施形態1のマルチキャリア通信装置のブロック構成を示す図である。 同上の通信システムの構成を示す図である。 同上のフィルタ部の構成を示す図である。 同上の通信制御部の構成を示す図である。 同上の妨害波発生時のシーケンスを示す図である。 (a)(b)同上の妨害波発生時の受信信号の信号レベルを示す図である。 実施形態2の妨害波発生時のシーケンスを示す図である。 実施形態3のフィルタ部の構成を示す図である。 実施形態4の通信制御部の構成を示す図である。 実施形態5の通信制御部の構成を示す図である。 実施形態8のフィルタ部の構成を示す図である。 (a)(b)従来の狭周波数帯域の妨害波発生時の受信信号の信号レベルを示す図である。 (a)(b)従来の広周波数帯域の妨害波発生時の受信信号の信号レベルを示す図である。
符号の説明
A マルチキャリア通信装置
1 MACインタフェース部
2 通信制御部
4 FFT/IFFT部
7 送信レベル調節部
14 フィルタ部
14a〜14d バンドパスフィルタ
13a,13b フィルタ切替部
L 伝送線

Claims (11)

  1. 周波数帯域が互いに異なる複数のサブキャリアを用いて、通信先のマルチキャリア通信装置との間でマルチキャリア信号を送受信するマルチキャリア通信装置であって、
    互いに異なる通過周波数帯域を設定された複数のバンドパスフィルタからなるフィルタ手段と、
    マルチキャリア信号が通過するバンドパスフィルタを、前記複数のバンドパスフィルタのうちいずれかに切り替えるフィルタ切替手段と、
    受信したマルチキャリア信号からサブキャリア毎の雑音レベルを算出し、当該雑音レベルの算出結果に基づいて受信時に使用可能な1乃至複数の周波数帯域を前記複数の通過周波数帯域から選択する使用可能帯域検出手段と、
    使用可能帯域検出手段が検出した受信時に使用可能な1乃至複数の周波数帯域のうち、1つを受信時の使用周波数帯域に指定する使用帯域指定手段と、
    使用帯域指定手段が指定した受信時の使用周波数帯域を通信先のマルチキャリア通信装置に通知する使用帯域通知手段と、
    マルチキャリア信号の受信時および送信時に、フィルタ切替手段を制御して、使用帯域指定手段に指定された受信時の使用周波数帯域または通信先のマルチキャリア通信装置から通知された受信時の使用周波数帯域が通過周波数帯域であるバンドパスフィルタに切り替える通信調整手段と、
    送信時にマルチキャリア信号が通過するバンドパスフィルタの周波数帯域に基づいて、送信するマルチキャリア信号の信号レベルを調整する送信レベル調節手段と、を備え
    通信調整手段は、マルチキャリア信号の受信時においては使用帯域指定手段に指定された受信時の使用周波数帯域が通過周波数帯域であるバンドパスフィルタに切り替え、マルチキャリア信号の送信時においては通信先のマルチキャリア通信装置から通知された受信時の使用周波数帯域が通過周波数帯域であるバンドパスフィルタに切り替える
    ことを特徴とするマルチキャリア通信装置。
  2. OFDM方式で通信を行うことを特徴とする請求項1記載のマルチキャリア通信装置。
  3. 前記複数のバンドパスフィルタは、所定の周波数帯域を通過させる複数の第1のバンドパスフィルタと、2つ以上の第1のバンドパスフィルタの各周波数帯域を合わせた周波数帯域を通過させる1つ以上の第2のバンドパスフィルタとで構成されることを特徴とする請求項1または2記載のマルチキャリア通信装置。
  4. 前記使用帯域指定手段は、前記使用可能帯域検出手段が検出した受信時に使用可能な複数の周波数帯域から、所定の選択基準に基づいて受信時の使用周波数帯域を指定することを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載のマルチキャリア通信装置。
  5. 前記使用可能帯域検出手段が算出したサブキャリア毎の雑音レベルに基づいて、受信時に使用不可能であると判別された周波数帯域の履歴を記憶する雑音履歴記憶手段を備え、
    前記使用帯域指定手段は、雑音履歴記憶手段を参照して、前記使用可能帯域検出手段が検出した受信時に使用可能な複数の周波数帯域から、過去において受信時に使用不可能であると判別された周波数帯域を除いて、受信時の使用周波数帯域を指定することを特徴とする請求項4記載のマルチキャリア通信装置。
  6. 前記使用可能帯域検出手段が算出したサブキャリア毎の雑音レベルに基づいて、各バンドパスフィルタの通過周波数帯域に対して優先度を示す重み付け情報を付加して記憶する優先度記憶手段を備え、
    前記使用帯域指定手段は、優先度記憶手段を参照して、前記使用可能帯域検出手段が検出した受信時に使用可能な複数の周波数帯域から、優先度が所定レベル以上である周波数帯域を、受信時の使用周波数帯域に指定することを特徴とする請求項4記載のマルチキャリア通信装置。
  7. 前記使用帯域指定手段は、前記使用可能帯域検出手段が受信時に使用可能な周波数帯域を1つ検出した時点で、当該検出した周波数帯域を受信時の使用周波数帯域に指定することを特徴とする請求項1乃至6いずれか記載のマルチキャリア通信装置。
  8. 前記通信先のマルチキャリア通信装置が複数存在することを特徴とする請求項1乃至7いずれか記載のマルチキャリア通信装置。
  9. 前記使用可能帯域検出手段は、受信したマルチキャリア信号からサブキャリア毎の雑音レベルを定期的に算出して、全サブキャリアの雑音レベルが所定レベル以下になった場合、全サブキャリアが含まれる周波数帯域を選択し、前記使用帯域指定手段は、全サブキャリアが含まれる周波数帯域を受信時の使用周波数帯域に指定することを特徴とする請求項1乃至8何れか記載のマルチキャリア通信装置。
  10. 前記バンドパスフィルタは、デジタルフィルタで構成されることを特徴とする請求項1乃至9いずれか記載のマルチキャリア通信装置。
  11. 前記バンドパスフィルタは、カットオフ周波数を調整可能なローパスフィルタと、カットオフ周波数を調整可能なハイパスフィルタとを組み合わせて構成されることを特徴とする請求項1乃至10いずれか記載のマルチキャリア通信装置。
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